JP2005087405A - 光生体計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 生体測定部位が適切に選択されているか否かを判定可能な光生体計測装置を提供する。
【解決手段】 生体測定部位が大血管近傍にある場合には、静脈駆血時に酸素飽和度が大きく変動する。本装置では、かかる状態を、酸素飽和度或いはこれに関連したパラメータから特定することで、生体測定部位が適切に選択されているか否かを判定することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光生体計測装置に関する。
従来、生体の血圧測定と血液中の酸素濃度を測定する光生体計測装置が知られている。血圧を測定するためには、駆血を行う必要があるため、肘の近傍にカフを設けて駆血を行っている。
具体的には、以下の装置が知られている。
(1)血圧測定と酸素状態測定を1つの装置で同時に測定することができる光応用生体計測装置(下記、特許文献1参照)。
(2)静脈血流を阻害する程度(最低血圧前後)の圧力を加える加圧手段を備えた、動脈血酸素飽和度および静脈血酸素飽和度の両方を測定することができる非観血血中色素測定装置(下記、特許文献2参照)。
(3)カフ圧に伴う血管状態の変化に基づいて、動脈・静脈系の血液酸素化状態を測定する血液酸素飽和度・血圧同時測定装置(下記、特許文献3参照)。
また、従来、動脈および静脈といった大血管における酸素代謝状態の測定が行なわれている。また、組織内毛細血管・細動静脈といった末梢血管における酸素代謝状態が測定可能な光生体計測装置もある。
特開平11−276216号公報 特許2551059号公報 特公平04−060650号公報
ところが、この光生体計測装置による末梢血管の測定では、測定部位付近に大血管があると、末梢血管に由来する酸素代謝状態の変化は、血流変化の大きい大血管に起因する酸素代謝状態の変化に埋もれてしまい、正確な測定を行うことができなかった。そこで、あらかじめ、目視によって大血管、特に表在性血管(皮下静脈等)を避けるように、測定部位を決定していた。しかしながら、皮下静脈の位置は個人差が著しく、皮下静脈付近で計測を行ってしまった場合、測定データはその影響を強く受けやすく、不正確なデータ収集を行ってしまう虞がある。さらに、皮膚の色や血管の太さ等の関係で表在性血管を目視できない場合もあり、計測したデータが表在性血管の影響を受けているのか否かを断定することは極めて困難であった。このため、計測後にデータの妥当性について評価し、表在性血管の影響が疑われる場合は再計測を行っていた。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、生体測定部位が適切であるかどうかを判定可能な光生体計測装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係る光生体計測装置は、生体測定部位に光を照射する投光手段と、生体測定部位からの光を検出する光検出手段と、生体測定部位を流れる血流を変化させる血流変化手段と、光検出手段の出力変化に基づいて生体測定部位が大血管近傍であるか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
血流変化手段によって生体測定部位の血流を変化させた場合、生体測定部位が大血管近傍であると、そうでない場合に比較して特定パラメータが大きく変化する。なお、特定パラメータは光検出手段によって検出された光信号に演算を施したものである。従って、判定手段は、かかる場合に光測定部位が「大血管近傍である」と判定することができる。また、光検出手段からの出力信号が血流変化期間に同期して変化しない場合には、測定部位が「大血管近傍でない」と判定することができる。
この判定手段は、光検出手段によって検出された光信号に基づいて、生体測定部位における酸素飽和度に関連した特定パラメータを求め、求められた特定パラメータの血流変化手段による血流変化期間における変化量が規定値よりも大きい場合には、生体測定部位が「大血管近傍である」と判定することができる。判別手段によって特定パラメータの変化量が規定値以下であると判定された場合には、生体測定部位は「大血管近傍ではない」ため、大血管に起因する光信号の影響を低減させた測定を行うことができる。
よって、組織、具体的には末梢血管を対象とした酸素代謝状態の測定を高精度に行うことができる。また、変化量が規定値より大きいと判定された場合には、組織内酸素代謝状態の変化の影響を受けることなく、大血管における酸素代謝状態を正確に測定することができる。この判別手段を用いると、測定対象に応じた最適な測定部位を選択することができる。ここで、酸素飽和度に関連したパラメータとは、酸素飽和度を利用して導き出されるパラメータをいう。
本発明に係る光生体計測装置は、演算手段によって演算された特定パラメータの時間変化のグラフを画面上に表示する表示器を備え、判定手段は、前記グラフと共に判定結果を前記表示器上にスーパーインポーズして表示することを特徴とする。この場合、上記演算手段によって求められる酸素飽和度に関連したパラメータを速やか且つ定量的に把握しつつ、表示されたグラフが大血管近傍からのものであるか否か確認することができる。
本発明に係る光生体計測装置は、投光手段と光検出手段とからなる検出器対を複数対備え、判定手段は、特定パラメータの血流変化手段による血流変化期間における変化量が最も小さい検出器対から得られる特定パラメータの時間変化のグラフおよび/または特定パラメータの血流変化手段による血流変化期間における変化量が最も大きい検出器対から得られる特定パラメータの時間変化のグラフを選択して表示器上に表示するよう前記演算部に指示することを特徴とする。
生体測定部位が大血管近傍でないグラフまたは大血管近傍のグラフのいずれかを表示するように選択した場合、血管近傍であるか否かを予測することなく測定部位を設定することができ、また測定対象(大血管および組織)に応じた測定部位の変更が不要になる。一方、生体測定部位が大血管近傍でないグラフおよび大血管近傍のグラフを同一画面に表示するように選択した場合、大血管および組織の各々に対応する酸素代謝状態の比較および解析が容易である。
この特定パラメータは、酸素飽和度、酸素飽和度の時間微分値および吸光係数の比のいずれかとすることができる。すなわち、本願発明者は、光検出手段によって検出された光信号から演算される酸素飽和度が、血流変化時に、測定部位に応じて大きく変動することを見出した。これにより、測定部位が大血管の近傍でないと判定された場合には、組織内酸素代謝状態を大血管に影響されることなく、正確に測定できる状態となる。
また、大血管の影響を受ける測定部位を選択すれば、組織内酸素代謝状態の変化の影響を低減させられるので、大血管における酸素代謝状態を正確に測定することができる。同様にして、酸素飽和度を利用して導き出される酸素飽和度の時間微分値および吸光係数の比も、血流変化時の光測定部位に応じて大きく変動する。かかる場合においても、光測定部位が大血管の近傍でないと判定された場合には、組織内酸素代謝状態を正確に測定できる状態となる。
また、大血管の影響が強く見られる測定部位を選択すれば、組織内酸素代謝状態の変化の影響を低減させられるので、大血管における酸素代謝状態を正確に測定することができる。なお、酸素飽和度の時間微分値は、1次微分値(酸素飽和度変化速度)であっても2次微分値(酸素飽和度変化加速度)であってもよい。
また、生体測定部位を流れる血流を変化させる血流変化手段は、生体測定部位の体幹側を圧迫するための圧迫手段であり、当該圧迫によって血流を変化させることができる。
本発明の光生体計測装置によれば、生体測定部位が適切に選択されているか否かを判定することができる。
以下、実施の形態に係る光生体計測装置について説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
図1は、第1の実施の形態に係る光生体計測装置100のブロック図である。
光生体計測装置100は、生体測定部位1に光(プローブ光)を照射する投光用光ファイバ2を備えている。投光用光ファイバ2には生体光学特性計測部4内に設けられた光源から光が入射し、投光用光ファイバ1に入射した光は生体測定部位1に照射される。この光源と投光用光ファイバ2は投光手段を構成する。
光生体計測装置100は、生体測定部位1からの光を検出する受光用光ファイバ3および光検出器を備えている。
投光用光ファイバ2から生体測定部位1に照射された光は、生体測定部位1において透過または反射した後、受光用光ファイバ3に入射し、受光用光ファイバ3内を通って生体光学特性計測部4内に設けられた光検出器に入射する。受光用光ファイバ3および光検出器は、光検出手段を構成する。また、投光手段と光検出手段は、検出器対を構成する。ここでは、検出器対を1つのみ記載するが、複数対を備えていても良い。
なお、投光用光ファイバ2より測定部位1の内部に入射された光は、測定部位1の中を多重散乱を繰り返しながら進み、光検出用光ファイバ3にて生体光学特性計測部4に運ばれる。
生体測定部位(光照射位置および光検出位置を含む領域)1の体幹側を血流が変化するように周期的に圧迫するためのカフ(血流量変化手段)11が設けられている。血流量変化手段としては、カフのような圧迫手段を有するものが好適である。光生体計装置100は、測定部位1の良否を判定する判定部(判定手段)12を備えている。判定部12は、生体光学特性計測部4内の光検出器の出力変化に基づいて投光用光ファイバ2から出射された光の照射位置が、大血管近傍であるかどうかを判定する。
光生体計測装置100は、筐体13内に設けられた生体光学特性計測部4、生体内ヘモグロビン濃度演算部5、制御部6、記録部7、表示部9、負荷印加部10および判定部12を備えている。キーボード等の入力デバイス14から計測指示を制御部(コンピュータ)6に入力した場合、制御部6は生体光学特性計測部4内の光源を点灯させると共に光検出器による光信号検出を開始する。また、制御部6は負荷印加部10に圧迫指示を送信し、これを受けて負荷印加部10はカフ11内の圧力を周期的に変動させる。すなわち、カフ11内の圧力は増圧および減圧を繰り返す。
入力デバイス14としては、キーボードの他、マウス、ジョイスティック、トラック・ボール、タッチ・スクリーン、音声コントロール、または同様のデバイスを含めることができる。また、制御部6は生体負荷印加部10に指示を与えることで、カフ11を自在に加圧、解除することができる。
生体光学特性計測部4内の光検出器の出力に基づいて、生体内ヘモグロビン濃度演算部5は、オキシヘモグロビン濃度ChbO2とデオキシヘモグロビン濃度Chbと総ヘモグロビン濃度Cthbを演算すると共に、オキシヘモグロビン濃度ChbO2とデオキシヘモグロビン濃度Chbに基づいて酸素飽和度SOを演算する。演算値は記録部7に記録される。
演算値や酸素飽和度SO(特定パラメータ)の時間変化のグラフは表示部9に表示される。さらに生体内ヘモグロビン濃度演算部5は、酸素飽和度SOに関連した特定パラメータXを演算し、判定部12は、特定パラメータXのカフ圧増圧時における変動量に基づいて測定部位1の良否を判定し、判定結果を表示部9に表示する。
なお、生体光学特性計測部4は、測定対象1の中でのプローブ光の強度または波形などの光信号から生体組織の光学特性を決定している。決定された光学特性は、生体内ヘモグロビン濃度演算部5にて測定部位1内部のオキシヘモグロビン濃度ChbO2、デオキシヘモグロビン濃度Chb、総ヘモグロビン濃度Cthb、酸素飽和度SOおよび特定パラメータXの算出に使用される。
本例では、特定パラメータXは、酸素飽和度SOであるとする。酸素飽和度SOのカフ圧増圧時(圧迫・駆血時)における変動量が規定値よりも大きい場合には、判定部12は、測定部位1が大血管近傍であると判定し、規定値以下の場合には測定部位1が大血管近傍でないと判定する。
以下、上記した計測装置において用いられる時間分解計測法(TRS法)による散乱吸収体の内部情報の計測について、生体におけるオキシヘモグロビン(HbO)およびデオキシヘモグロビン(Hb)の濃度計測を例として説明する。
オキシヘモグロビンおよびデオキシヘモグロビンの吸収スペクトル(光吸収特性の波長依存性:εはモル分子吸光係数)を図5に示す。光を用いた生体計測では、生体内の酸素を直接計測することができないが、酸素代謝に関与する血液中のヘモグロビンなどの色素蛋白は、酸素と結合した状態と解離した状態とで光の吸収スペクトルが異なるため、これを利用して間接的に生体内の酸素代謝についての情報を得ることができる。
生体などの散乱吸収体内での光の振舞いは、光に対する散乱係数、吸収係数、および光照射位置−光検出位置間の距離を関数とした光拡散方程式によって記述される。例えば、半無限媒質に対して時間的に充分短いパルス光を入射した場合、入射点と同一面上の位置rでの時刻tにおける光強度R(ρ,t)は、(2)式で表される。
Figure 2005087405
ここで、ρ(cm)は光検出器の位置、t(sec)はパルス光が入射されてからの時間、D(cm)は拡散係数D=1/3μ’、μ’(cm−1)は等価散乱係数、c(cm/sec)は媒質中での光の速度、z(cm)はz=1/μ’、μ(cm−1)は吸収係数である。
パルス光を用いたTRS法による散乱吸収体計測で得られる時間分解波形を、この光拡散方程式を用いて解析することにより、光に対する吸収係数および散乱係数が算出される。そして、吸収係数と吸収物質(ここでは、オキシヘモグロビン、デオキシヘモグロビン)の濃度との関係式(下記(6)式を参照のこと)を利用することにより、散乱吸収体内での吸収物質の濃度定量が可能となる。
図2は、上述の計測を行うための手順を示すフローチャートである。
以下、組織内酸素代謝状態の測定について説明する。
まず、プローブ光を生体測定部位1に照射するための投光用光ファイバ2およびプローブ光を受光するための検出用光ファイバ3を、測定対象(前腕部)の所定位置(生体測定部位1)に配置する(ステップST−1)。
次に、上腕部にカフ11を取り付ける(ステップST−2)。
入力デバイス14より計測を開始するように制御部6に指示し、「予備計測」をスタートさせる(ステップST−3)。
また、制御部6より、生体負荷印加部10に指示が与えられ、カフ11の加圧、解除が行なわれる。カフ11の圧力は、静脈駆血を行える程度の圧力(最低血圧前後の圧力)まで増圧することが好ましい。本例では、カフ11の圧力を40mmHg、10秒間隔の静脈駆血を3回に設定することとする(ステップST−4)。なお、カフ圧、駆血間隔および駆血回数は、被検者の状態や、測定条件に応じて適宜選択される。
次に、生体内ヘモグロビン濃度演算部5より計算された生体内ヘモグロビン濃度ChbO2,Chb,Cthbおよび酸素飽和度SOが表示部9に表示される(ステップST−5)。
そして、生体内ヘモグロビン濃度演算部5にて特定パラメータXとして酸素飽和度SO或いは他の演算値を演算させ、静脈駆血・解除に対し、これらの値が何らかの相関を認めるか否かを判定部12で分析する(ステップST−6)。
「予備計測」データの判定部12による判定結果が、「良好状態」(計測部位1が大血管近傍でない)か、「不良状態」(計測部位1が大血管近傍である)のいずれを示すかによって、大血管の影響を大きく受けているか否かが判明するので(ステップST−7)、「良好状態」の場合には(ステップST−7でNO)、本計測を続けて開始する(ステップST−8)。また、「不良状態」の場合には(ステップST−7でYES)、本計測を続けて開始するかどうかをユーザに問い合わせる表示を表示部9に表示する(ステップST−9)。
ステップST−9において、本計測をユーザ14が望む場合(入力デバイス14から本計測続行を入力)には、本計測を続けて開始する(ST−8)。但し、ステップST−9において、本計測をユーザ14が望まない場合(入力デバイス14から本計測中止を入力)には、測定部位1を再配置(光照射位置および/または光検出位置を変更)し、ステップST−3に戻って以後の処理を実行する。
なお、「予備計測」もしくは「本計測」の終了後、酸素飽和度SO(特定パラメータX)の時間変化グラフと共に、判定部12による判定結果(大血管の近傍であるか否か)を、図6に示されるように表示部9上にスーパーインポーズして表示することが好ましい。この場合、特定パラメータを速やか且つ定量的に把握しつつ、表示されたグラフが大血管近傍からのものであるか否かを容易に確認することができる。
以下、判定部12における判定について説明する。
予備計測において、特定パラメータXの静脈駆血時の変動量が規定値よりも大きい場合には、判定部12は、血管近傍であると判定する。上述の例では、特定パラメータXは酸素飽和度SOであったが、特定パラメータXは、酸素飽和度SOの他、酸素飽和度SOの時間微分値(酸素飽和度変化速度もしくは酸素飽和度変化加速度)、異なる波長の光を照射した場合の対象物の吸収係数の比R等とすることができる。
ここで、酸素飽和度SOに関連した特定パラメータXについて、以下に説明する。
総ヘモグロビン濃度Cthbは、酸素化ヘモグロビンChbO2と、還元ヘモグロビンChbの和(2)式で表わされるので、酸素飽和度SOは式(3)、式(4)の形で表わされる。
Figure 2005087405
Figure 2005087405
Figure 2005087405
また、酸素飽和度時間微分値ΔSOは、下記(5)式から導き出される。
Figure 2005087405
上記(6)式から、酸素飽和度時間微分値ΔSOが、酸素飽和度SOに関連したパラメータであることが理解される。
さらに、波長λのオキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンの吸光係数をそれぞれεhbO2、εhbとすると、このときの散乱体における吸収係数μaは、(6)式で表わされ、(7)式の形に変形できる。
Figure 2005087405
Figure 2005087405
ここで、波長λが1,2での散乱体における吸収係数の比Rを求めると、Cが消えて(8)式で表わされ、酸素飽和度に関連したパラメータとして表現できる。
Figure 2005087405
上記(8)式から、散乱体における吸収係数の比Rが、酸素飽和度SOに関連したパラメータとして導き出せることが理解される。
図3は、予備計測における酸素飽和度SO(%)の時間変化を示すグラフである。
測定部位1が大血管近傍にない場合(大血管影響小:実線)には酸素飽和度SOの変化は小さいが、大血管近傍にある場合(大血管影響大:点線)には、静脈駆血に対応して酸素飽和度SOが大きく変動することが分かる。従って、判定部12は、静脈駆血期間における酸素飽和度SOの最大値SOmaxと最小値SOminの差が、規定値Q1よりも大きい場合には、測定部位1が大血管近傍にあるものと判定することができる。すなわち、以下の関係が成立する。
・Q1<SOmax−SOminの場合には大血管影響大
・Q1≧SOmax−SOminの場合には大血管影響小
なお、本例では、静脈駆血期間は3回であるため、少なくとも2回の静脈駆血期間において成立する判定結果を最終的な判定結果として採用することとするが、精度を高めるために全ての静脈駆血期間における判定結果が「大血管影響小」とされる場合にこれを最終判定結果とすることもできる。また、以下の判定においても、各静脈駆血期間における判定結果と最終判定結果の関係は本例と同じものとして扱う。
ここで、規定値Q1は例えば1%に設定することができるが、この1%という値は、特に限定されるものではない。被検者の状態や、測定条件に応じて適宜選択される。
図4は、予備計測における酸素飽和度時間微分値(一次微分値:酸素飽和度変化速度)ΔSO(%/sec)の時間変化を示すグラフである。なお、酸素飽和度時間微分値ΔSO(%/sec)は、単位時間あたりの酸素飽和度変化量を示している。
測定部位1が大血管近傍にない場合(大血管影響小:実線)には酸素飽和度時間微分値ΔSOの変化は小さいが、大血管近傍にある場合(大血管影響大:点線)には、静脈駆血に対応して酸素飽和度時間微分値ΔSOが大きく変動することが分かる。従って、判定部12は、静脈駆血期間における酸素飽和度微分値ΔSOの最大値ΔSOmaxと最小値ΔSOminの差が、規定値Q2よりも大きい場合には、測定部位1が大血管近傍にあるものと判定することができる。すなわち、以下の関係が成立する。
・Q2<ΔSOmax−ΔSOminの場合には大血管影響大
・Q2≧ΔSOmax−ΔSOminの場合には大血管影響小
Q2は例えば0.1(%/sec)に設定されるが、ここで挙げた0.1(%/sec)という値は、特に限定されるものではない。被検者の状態や、測定条件に応じて適宜選択される。
また、吸収係数の比Rも、上記酸素飽和度SOと同様に、周期的静脈駆血によって変化し、判定部12は、静脈駆血期間における比Rの最大値Rmaxと最小値Rminの差が、規定値Q4よりも大きい場合には、測定部位1が大血管近傍にあるものと判定することができる。すなわち、以下の関係が成立する。
・Q4<ΔRmax−ΔRminの場合には大血管影響大
・Q4≧ΔRmax−ΔRminの場合には大血管影響小
なお、酸素飽和度SOを測定する手法としては、時間分解計測法(TRS法:Time Resolved Spectroscopy)を説明したが、位相差計測法(PMS法:Phase Modulation Spectroscopy)、あるいはCW法を用いてもよい。ここで、生体光学特性計測部4が時間分解計測法ならばパルス光であり、位相差計測法ならばサイン波に変調された光、またCW法ならば連続光となり、数種類の波長にて行う場合もある。
また、上述の判定は、足等の他部位での生体計測においても行うことができる。
また、生体測定部位の血流変化手段として、測定部位が乗った台やベッドが傾く手段をを有することもできる。
また、上述の実施形態は様々な変形が可能であり、(1)判定部12による判定結果は表示部9に表示されるが、判定結果にかかわらず、本計測は続行される制御態様、(2)判定部12で大血管の影響が大きいと判断された場合、表示部9に計測位置を代えるように示唆する表示がされ、本計測は中断される制御態様、(3)判定部12で大血管の影響が大きいと判断された場合、警告音が鳴る制御態様が考えられる。
図7は、第2の実施の形態に係る光生体計測装置100のブロック図である。
図7に示されるように、この装置100は、1つの投光手段(投光用光ファイバ2)と、3つの光検出手段(3つの受光用光ファイバ3と、これらに対応する光検出器からなる)とからなる3つの検出器対を備えている。
この場合、判定部12は、特定パラメータの圧迫手段による生体圧迫期間における変化量が最も小さい光検出手段(特定の受光用光ファイバ3)から得られる特定パラメータの値もしくは時間変化のグラフ、および/または特定パラメータの圧迫手段による生体圧迫期間における変化量が最も大きい光検出手段から得られる特定パラメータの値もしくは時間変化のグラフ、を選択して表示器9上に表示するよう演算部5に指示するようにしてもよい。この実施の形態では、他の構成は上述の装置と同一である。
ユーザが、生体測定部位が大血管近傍でないグラフまたは大血管近傍のグラフのいずれかを表示するように選択した場合、血管近傍であるか否かを予測することなく測定部位を設定することでき、また測定対象(大血管および組織)に応じた測定部位の変更が不要になる。一方、ユーザが、生体測定部位が大血管近傍でないグラフおよび大血管近傍のグラフを同一画面に表示するように選択した場合、大血管および組織の各々に対応する酸素代謝状態の比較および解析が容易である。なお、図7では3つの検出器対を記載しているが、これに限定されるものでない。
上述の実施形態においては、組織内酸素代謝状態測定における測定部位の良否判定を説明したが、本発明は、大血管酸素代謝状態測定における測定部位の良否判定にも適用できる。その場合、大血管の影響を受けるものを「良好状態」、大血管の影響を受けないものを「不良状態」とすればよい。大血管の影響が強く見られる測定部位(光照射位置および/または光検出位置)を選択すれば、組織内酸素代謝状態の変化の影響を低減させられるので、大血管における酸素代謝状態を正確に測定することができる。
また、上述の実施形態においては、光の入出力装置として光ファイバーを用いているが、LD、LEDなどの光源素子やフォトダイオードなどの光検出素子を各1つずつ或いは複数個を計測部に直接装着、或いは皮膚から間隔を置いて配設して、計測を行ってもよい。この場合においても、上記実施の形態と同様の効果が得られる。上述した諸実施形態に限られるものではなく、種々の判定、変形、代替形態を適用することができる。
本発明は、光生体計測装置に利用できる。
第1の実施の形態に係る光生体計測位置判定装置100のブロック図である。 上述の計測を行うための手順を示すフローチャートである。 予備計測における酸素飽和度SO(%)の時間変化を示すグラフである。 予備計測における酸素飽和度時間微分値ΔSO(%/sec)の時間変化を示すグラフである。 オキシヘモグロビンおよびデオキシヘモグロビンの吸収スペクトルを示すグラフである。 判定部による判定結果を酸素飽和度SOの時間変化グラフと共にスーパーインポーズして表示した表示器の表示面を示す図である。 第2の実施の形態に係る光生体計測位置判定装置100のブロック図である。
符号の説明
1…測定対象、2…投光用ファイバ、3…光検出用ファイバ、4…生体光光学特性計測部、5…生体内ヘモグロビン濃度演算部、6…制御部、7…記録部、9…表示部、10…負荷印可部、11…カフ、12…判定部、13…光生体計測装置、14…入力デバイス。

Claims (6)

  1. 光生体計測装置において、
    生体測定部位に光を照射する投光手段と、
    前記生体測定部位からの光を検出する光検出手段と、
    前記生体測定部位を流れる血流を変化させる血流変化手段と、
    前記光検出手段の出力変化に基づいて前記生体測定部位が大血管近傍であるか否かを判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする光生体計測装置。
  2. 前記判定手段は、
    前記光検出手段によって検出された光信号に基づいて、
    前記生体測定部位における酸素飽和度に関連した特定パラメータを求め、
    求められた特定パラメータの前記血流変化手段による血流変化期間における変化量が規定値よりも大きい場合には、
    前記生体測定部位が大血管近傍であると判定することを特徴とする、
    請求項1に記載の光生体計装置。
  3. 前記演算手段によって演算された前記特定パラメータの時間変化のグラフを画面上に表示する表示器を備え、
    前記判定手段は、前記グラフと共に判定結果を前記表示器上にスーパーインポーズして表示することを特徴とする、
    請求項2項に記載の光生体計測装置。
  4. 前記投光手段と前記光検出手段とからなる検出器対を複数備え、
    前記判定手段は、
    前記特定パラメータの前記血流変化手段による血流変化期間における変化量が最も小さい検出器対から得られる特定パラメータの時間変化のグラフ、および/または、前記特定パラメータの前記血流変化手段による血流変化期間における変化量が最も大きい検出器対から得られる特定パラメータの時間変化のグラフ、を選択して表示器上に表示するよう前記演算部に指示することを特徴とする、
    請求項3に記載の光生体計測装置。
  5. 前記特定パラメータは、
    前記酸素飽和度、酸素飽和度の時間微分値および吸光係数の比からなる群から選択されることを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の光生体計測装置。
  6. 前記生体測定部位を流れる血流を変化させる血流変化手段は、前記生体測定部位の体幹側を圧迫するための圧迫手段であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光生体計測装置。
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