JP2006081703A - 生体光計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡便な手法で被検者内の生理変化を的確に計測し表示することができ、診断の精度を高めることが可能な生体光計測装置を提供する。
【解決手段】
生体光計測装置は、複数波長の光を用いて被検体からの透過光を計測し、波長毎の光強度変化を計測する光計測部と、計測した光の強度変化と被検体に含まれるヘモグロビン等の吸収係数とから被検体のヘモグロビン変化を算出し、表示する処理部とを備えており、さらに処理部は、動脈血変化や神経活動に伴う散乱特性の変化などの所定の生体現象について仮想的な光学特性を記憶しておき、光計測部において計測した光の強度変化とこの仮想的な光学特性を用いて被検体における所定の生体現象変化を算出し表示する。
【選択図】
図3
【解決手段】
生体光計測装置は、複数波長の光を用いて被検体からの透過光を計測し、波長毎の光強度変化を計測する光計測部と、計測した光の強度変化と被検体に含まれるヘモグロビン等の吸収係数とから被検体のヘモグロビン変化を算出し、表示する処理部とを備えており、さらに処理部は、動脈血変化や神経活動に伴う散乱特性の変化などの所定の生体現象について仮想的な光学特性を記憶しておき、光計測部において計測した光の強度変化とこの仮想的な光学特性を用いて被検体における所定の生体現象変化を算出し表示する。
【選択図】
図3
Description
この発明は近赤外光を生体に照射し、生体内部を通過或いは生体内部で反射した光(以下、まとめて透過光という)を計測し生体内部の血液循環、血行動態、ヘモグロビン量変化等を計測する生体光計測装置に関する。
生体光計測装置は、生体内部の血液循環、血行動態及びヘモグロビン量変化を、簡便に被検者に対し低拘束で且つ害を与えずに計測できる装置であり、近年、多チャンネル装置による測定データの画像化が実現され、臨床への応用が期待されている。
生体光計測装置が対象とする被検体内物質には、ヘモグロビン、チトクローム、グルコース、脂肪などの代謝物質や、体内に注入されトレーサとして利用される色素など種々のものがある。生体光計測装置では、計測した光の変化からこれら計測対象物質の変化を算出するために、計測に用いた光の波長における計測対象物質の光学特性、例えばモル吸収係数が用いられる。このような光学特性は既知であり、通常、複数の波長に対するモル吸収係数をテーブルとしたものが生体光計測装置に記憶されている。
計測対象物質がヘモグロビンの場合には、酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンのそれぞれについてテーブル化されている。そして、ヘモグロビン変化量を求めるために、例えば2波長の光を用いて計測を行ない、2波長の光量信号の変化と2種のヘモグロビンのこれら2波長におけるモル吸収係数とを用い、ベアー・ランバート則により2種のヘモグロビンの例えばモル濃度変化を計算する。
しかしこのような2種の計測対象物質の変化を計測し提示しても、必ずしも医学的な現象を的確に反映した情報の提示にはならない場合がある。例えば、脳内血管には酸素化ヘモグロビンを多く含み神経細胞への酸素供給をになう動脈と、神経細胞域を通過し脱酸素化ヘモグロビンが増加した静脈があり、これら2種の血管はそれぞれに役割、機能が異なり、疾患時の変化も同一ではない。従って2種のヘモグロビン変化信号の提示から臨床的情報を得るためには、それぞれがどちらの血管における変化を提示しているかを推定しなければならない。
この問題に対し、光計測時に動脈の脈波特性を把握すると共に、色素物質の注入による信号の時間変化から2種の血管からの光計測信号への寄与率を推定し、これをもとに動脈、静脈の血流変化を求める手法も提案されている(特許文献1)。
しかしこの手法では、微小な脈波信号変化を求める必要がある、被検者に色素を投与するという侵襲的な操作を行なう必要がある、いくつかの光学的及び血管構造に関する仮定に基き計算を行なうため処理が煩雑であり、仮定とするモデルに起因する誤差を含む可能性が大きいなどの問題がある。
しかしこの手法では、微小な脈波信号変化を求める必要がある、被検者に色素を投与するという侵襲的な操作を行なう必要がある、いくつかの光学的及び血管構造に関する仮定に基き計算を行なうため処理が煩雑であり、仮定とするモデルに起因する誤差を含む可能性が大きいなどの問題がある。
また一般に計測対象物質を増やし検査情報を増やすためには、光源波長数を増加する必要がある。また計測対象物質数は少なくても、他の非計測対象物質による吸収やその変化による影響を取り除いて特定物質の計測精度を高めるためには、同様に光源波長数を増加しなければならない。光源波長数の増加は、装置の大型化や高価格化につながる。
特開2001−144401号公報
本発明は、簡便な手法で被検者内の生理変化を的確に計測し表示することができ、診断の精度を高めることが可能な生体光計測装置を提供することを目的とする。また本発明は、他の計測手段の情報を付加することなく、また光源波長数を増加することなく、診断に有効な情報を提示することができる生体光計測装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の生体光計測装置は、複数波長の光を用いて被検体を透過した光或いは反射した光を計測し、各波長毎の光強度変化を計測する光計測部と、計測した光の強度変化と前記被検体に含まれる特定物質の光学特性とから前記被検体の特定物質の変化を算出し、表示する処理部とを備え、前記処理部は、所定の生体現象について仮想的光学特性を記憶する手段と、前記光計測部において計測した光の強度変化と前記仮想的光学特性を用いて被検体における所定の生体現象変化を算出し表示する手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の生体光計測装置において、記憶手段に記憶される所定の生体現象についての仮想的光学特性は、処理部が複数の特定物質の光学特性の関数として算出することができる。
また本発明の生体光計測装置において、所定の生体現象についての仮想的光学特性は、その波長特性をテーブル又は関数として記憶手段に保存することができる。
また本発明の生体光計測装置において、所定の生体現象についての仮想的光学特性は、その波長特性をテーブル又は関数として記憶手段に保存することができる。
動脈血や静脈血の変化、脳脊髄液量変化、神経活動に伴う脳組織の散乱特性の変化などの生体現象は、生体光計測装置が検出する光量の変化から求めることができる複数の生体物質変化を伴うが、これら生体現象について仮想的な光学特性を予め設定し記憶しておき、検出した光量の変化と仮想的な光学特性を用いることにより、生体物質変化を求めるのと同じ手法で生体現象の変化を求めることができる。これにより、脳内の血流量変化など生体現象を簡便に且つ直接的に計測し表示することができ、疾患診断の精度を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の生体光計測装置の概要を示すブロック図である。この装置は主として、被検体40に複数の波長の光を照射するために、複数の波長の光を発生する光源部10と、照射した光が被検体40を透過した光或いは被検体40の表面近傍で反射した光を周波数毎の光量として検出する検出部20と、検出部20で検出した光量をもとに血流量等の生体情報を算出し表示する信号処理部30とからなる。
図1は、本発明の生体光計測装置の概要を示すブロック図である。この装置は主として、被検体40に複数の波長の光を照射するために、複数の波長の光を発生する光源部10と、照射した光が被検体40を透過した光或いは被検体40の表面近傍で反射した光を周波数毎の光量として検出する検出部20と、検出部20で検出した光量をもとに血流量等の生体情報を算出し表示する信号処理部30とからなる。
光源部10は、可視から赤外の波長領域にある複数の波長の光、例えば780nm及び830nmの光を放射する複数(ここでは2個)の半導体レーザ11と、発振周波数の異なる複数の発振器15で構成される半導体レーザ駆動回路13とからなる。半導体レーザ駆動回路13は、半導体レーザ11に対し直流バイアス電流を印加するとともに、発振器15により異なる周波数を印加し、半導体レーザ11から放射される光に変調を与える。変調は、例えば矩形波によるデジタル変調や、任意の繰り返し波形、例えば正弦波を用いた変調などが採用される。半導体レーザ11から放射された複数波長の変調光は、光ファイバ17によって結合され、被検体40の計測部位に照射される。被検体を透過した透過光は、照射部位の近傍に設置された光ファイバ27先端に誘導される。
なお図1では、照射用光ファイバ17と検出用光ファイバ27が1本ずつしか示していないが、本発明は複数の光ファイバ対を用いた多チャンネル計測の生体光計測装置にも適用できる。多チャンネル計測の生体光計測装置では、図2に示すように、複数の照射用光ファイバ17と複数の検出用光ファイバ27とを互いの先端が交互に格子点上に位置するように配置したものを用いる。この場合、複数の照射用光ファイバ17に誘導される照射光は、その位置によって異なる周波数で変調されており、1本の照射用光ファイバから照射され被検体を透過した光はその光ファイバに隣接する複数の検出用光ファイバ27によって捉えられる。
光検出部20は、被検体40から光ファイバ27を介して送られる透過光を電気信号に変換するフォトダイオード等光電変換素子からなる検出器21と、検出器21の信号中から所望の周波数成分を抽出する周波数弁別回路23と、周波数弁別回路23の出力であるアナログ信号をデジタル化するA/D変換器25とからなる。周波数弁別回路23は、例えばロックイン回路で構成され、光源強度の変調に用いた発振器15からの発振信号a、bを参照信号として利用し、各波長の変調信号を高精度に分離計測する。多チャンネル計測の生体光計測装置の場合、照射位置毎の変調信号がそれぞれ弁別して検出される。A/D変換器25は、所定のサンプリング時間でアナログ信号をサンプリングし、デジタル信号として信号処理部30に送る。サンプリング時間は血流変化に追従するのに十分な速度が必要であり、具体的には0.1〜1秒の間で設定される。
信号処理部30は、検出部20から送られる各波長の光量に相当するデジタル信号にベース処理等の必要に応じた処理を行い、計測対象物質(例えばヘモグロビン)変化や生体現象変化などを算出する演算部31と、演算部31による演算に必要なデータなどを記憶する記憶部33と、計測対象物質変化をタイムコースとして表示し、また演算部31における演算結果を表示する表示部35とからなる。また図示していないが、信号処理部30には演算部31や表示部35における処理に必要な指令や設定を入力するための入力装置(ユーザーインターフェイス)が備えられている。信号処理部30は、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)上に構築することが可能である。
記憶部33には、この生体光計測装置が対象とする計測対象物質の光学特性(モル吸収係数)のテーブルと、このモル吸収係数を用いて作成した仮想吸収係数テーブルが格納されている。モル吸収係数は、物質毎に既知の値であり、この実施形態では、例えば酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの2種のヘモグロビンについてそれぞれ特定波長域におけるモル吸収係数がテーブルTA1、TB1として格納されている。仮想吸収係数は、特定の生体現象(例えば動脈血変化、静脈血変化、脳脊髄液変化など)を光量の変化で表した場合に推定される吸収係数であり、その生体現象に関わる、吸収係数が既知である物質の関数として求めることが可能なものである。
本実施形態では、脳血流疾患の診断上有効な情報である動脈血及び静脈血について、その仮想吸収係数がテーブルTA2、TB2として格納されるものとし、その求め方を説明する。
血液中の酸素とヘモグロビンに結合した酸素は平衡関係にあり、対象とする血液の酸素濃度(分圧)が決まれば酸素化ヘモグロビンの割合はボーア曲線に従って一意的に決まる。脳内動脈の酸素分圧値は、生理状況により個人差があるものの約100mHg、毛細血管も含む静脈の酸素分圧値は約60mHgであることが知られており、これを上記ボーア曲線に当てはめると、動脈血の酸素化ヘモグロビンの割合は80%、静脈血の酸素化ヘモグロビンの割合は60%となる。
さらに血液中には単位体積当り12g/dlのヘモグロビンが存在することが知られている。単位体積当りのヘモグロビンモル濃度をαとすると、上述した動脈血及び静脈血における酸素化ヘモグロビン(脱酸素化ヘモグロビン)の割合と、酸素化ヘモグロビンのモル吸収係数To(λa)及び脱酸素化ヘモグロビンTd(λa)とから、動脈血の仮想吸収係数Cart及び静脈血の仮想吸収係数Cveinを、次式(1)、(2)で求めることができる。
このような仮想吸収係数は、予め求めておいたものを記憶部33に格納してもよいし、既に格納されている既知計測対象物質のモル吸収係数テーブルから演算部31が算出することも可能である。
本実施形態の生体光計測装置では、一般的な酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビンの割合で求めた動脈血及び静脈血の仮想吸収係数がデフォルトとして記憶部33に格納されており、ユーザーが適宜修正することが可能になっている。例えば被検体の血中ヘモグロビン濃度を検査した場合にはその値を、処理部30の入力装置から入力することができ、演算部31は入力された値を用いて式(1)及び(2)の計算を行ない、より正確な仮想吸収係数テーブルを作成し、その被検体用のテーブルとして記憶部33に記憶する。さらに被検体の計測部位や生理条件に応じて医学的に推定された動脈血/静脈血酸素濃度を用いて血中ヘモグロビン濃度を算出し、新たなテーブルとして格納してもよい。
次にこのような構成における生体光計測装置の動作を図3を参照して説明する。
本発明の生体光計測装置においても、光源部10が発生した複数波長の光を光ファイバ17を介して被検体40の所定測定部位(例えば頭部)に照射し、検出用光ファイバ27に誘導された透過光を検出部20で周波数毎に検出し、計測対象がヘモグロビンである場合、その変化量を算出することは従来の生体光計測装置と同様である。なお多チャンネル計測の場合には、チャンネル毎に変化量を算出するが、ここでは説明を簡単にするために1チャンネルの処理について説明する。
本発明の生体光計測装置においても、光源部10が発生した複数波長の光を光ファイバ17を介して被検体40の所定測定部位(例えば頭部)に照射し、検出用光ファイバ27に誘導された透過光を検出部20で周波数毎に検出し、計測対象がヘモグロビンである場合、その変化量を算出することは従来の生体光計測装置と同様である。なお多チャンネル計測の場合には、チャンネル毎に変化量を算出するが、ここでは説明を簡単にするために1チャンネルの処理について説明する。
即ち、まず計測初期の一定時間(T0)における光量信号の平均を求め、これを初期値a0、b0とする(ステップ301,311)。その後、各計測時刻における2波長の光量信号をa(ti)、b(ti)とし、計測信号の変化率の対数値Sa、Sbを求める(ステップ302,312)。
次に記憶部33に格納された酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビンのモル吸収係数テーブルTA1、TB1から、計測に用いた光の波長(λa、λb)におけるモル吸収係数To(λa)、Td(λa)、To(λb)、Td(λb)を用いて、ベア−ランバート則に従い次式(3)、(4)により、酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビンのモル濃度変化Mo、Mdを求める(ステップ303)。
式中、Lは被検体内の光路長で、計測体の大きさや散乱特性により決まるが、実測は困難なため実験式等による推定値を用いる。例えば光照射位置と光検出位置の距離をlとした場合、ヒト頭部ではL=5.0×l程度となる。
この連立方程式(3)、(4)を解くことにより、酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビンのモル濃度変化Mo、Mdを求めることができる。
この連立方程式(3)、(4)を解くことにより、酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビンのモル濃度変化Mo、Mdを求めることができる。
なお記憶部33に保存されているテーブルの値は非連続な数値であるが、スプライン関数で内挿することにより任意の波長(λ値)における吸収係数を求めることができる。従って計測に使用するレーザの波長を事前に計測しておき、その値の吸収係数を求めることにより、光源部10が放射するレーザ波長にばらつきがある場合にも計測量誤差を小さくすることができる。また使用する波長域や波長数を変更した場合にも、簡単に対応することができる。
酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビンのモル濃度変化Mo、Mdは、一定時間が経過するごとに算出されタイムコースを表すグラフとして表示部35に表示される(ステップ304)。
酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビンのモル濃度変化Mo、Mdは、一定時間が経過するごとに算出されタイムコースを表すグラフとして表示部35に表示される(ステップ304)。
次に動脈血及び静脈血の仮想吸収係数テーブルを用いて同様に動脈血変化Dvartと静脈血変化Dvveinを求める。この手法は、上記酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビンのモル濃度変化の場合と同様であり、計測信号の変化率の対数値Sa、Sbと動脈血及び静脈血の仮想吸収係数Cart(λa)、Cart(λb)、Cvein(λa)、Cvein(λb)を用いて、式(5)、(6)の連立方程式を解く(ステップ305)。
この場合にも、記憶部33に保存されているテーブルの値は非連続な数値であるので、必要に応じてスプライン関数で内挿して、実際に使用したレーザの波長における仮想的吸収係数を求めて、式(5)(6)に適用することが好ましい。
こうして求めた動脈血及び静脈血変化は、ヘモグロビンのモル濃度変化とともに、一定時間が経過するごとに算出されタイムコースを表すグラフとして表示部35に表示される(ステップ306)。
こうして求めた動脈血及び静脈血変化は、ヘモグロビンのモル濃度変化とともに、一定時間が経過するごとに算出されタイムコースを表すグラフとして表示部35に表示される(ステップ306)。
本実施形態の生体光計測における表示部35の表示例を図4に示す。図示する例では、表示部35のモニタには酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビンの変化を示すグラフG1と、動脈血変化と静脈血変化を示すグラフG2とが、並列表示されている。このように並列表示することによって、異常な血液状態、例えば極度に低下した動脈血酸素濃度や虚血によるヘモグロビンの機能変化などを容易に検出することができる。これにより疾患診断の精度を向上することができる。
以上、本発明の生体光計測装置について、生体現象の仮想的吸収係数を記憶しておき、計測した光量と仮想的吸収係数とから生体現象の変化を計測する実施形態を説明したが、生体現象により光減衰効果を生じ、その場合の光の波長との関係が分かっている場合には、その生体現象による光減衰をあらわす係数を波長テーブルとして或いは波長の関数として記憶部33に記憶しておいてもよい。
具体的には、脳内の脳脊髄液量変化や神経活動に伴う脳組織の散乱特性の変化などは、ヘモグロビンの波長変化とは異なる光減衰効果を生じ、その波長との関係が1次の線形関係になることが知られている。このような場合には、減衰係数Tsは、Ts=cλ+dで表すことができる。また神経活動に伴って血流変化も同時に起こり、これは主に動脈血の変化となることも知られているため、計測量Sa、Sbは両者の変化によるものと仮定して、散乱に影響の生理量変化R(ti)は、式(7)、(8)とすることで、上記実施形態と同様に求めることができる。
結果として脳脊髄液の変化に特有な生理量変化R(ti)と動脈血変化Dvart(ti)が求まる。ここで静脈変化も無視できない場合には計測波長を一波長追加して3変数の線形連立方程式とし、それを解くことにより、R(ti)、Dvart(ti)、Dvvein(ti)を求めることができる。これによりさらに精度のよい計測が可能となる。
このようにヘモグロビン量には関わらない生体現象の変化については、その波長テーブル或いは波長との関係を表す関数を記憶部に保存しておくことにより、これら生体現象の変化を血流変化とは分離して計測することができる。散乱による光減衰係数の一次関数を用いて、てんかん患者の発作時における神経活動に伴う散乱係数変化を計測した場合の表示例を図6に示す。この実施形態でも、ヘモグロビン変化のグラフG1と並列に散乱特性の変化を示すグラフG3を表示している。図示するように、本実施形態によれば、発作に伴う早い神経活動現象を的確に捉えることが可能となる。
なお図6では、散乱特性の変化の例を示したが、脳脊髄液についてもヘモグロビン量に関わらない変化をすることが知られており、その光減衰係数の一次関数を予め記憶部に記憶しておくことにより散乱特性の場合と同様に変化を求めることができる。また脳脊髄液の変化に伴う生体現象の場合には波長依存性が小さいので、この係数を0次としテーブルを定数としてもよい。
本発明によれば、測定対象物質の光学特性のテーブルとは別に、特定の生体現象の仮想的光学特性のテーブルや波長との関係を示す関数を予め設定しておき、検出した複数波長の光量の変化と、テーブル或いは関数として記述された仮想的光学特性とを用いることにより、特定の生体現象の変化を直接求め表示することが可能となる。これによって測定対象物質の変化だけでなく、動脈血変化や神経活動の変化に伴う散乱特性の変化など診断に有効な情報を提供し、診断の精度を向上することができる。
10・・・光源部、20・・・検出部、30・・・処理部、31・・・演算部、33・・・記憶部、35・・・表示部、40・・・被検体
Claims (3)
- 複数波長の光を用いて被検体を透過した光或いは反射した光を計測し、波長毎の光強度変化を計測する光計測部と、計測した光の強度変化と前記被検体に含まれる特定物質の光学特性とから前記被検体の特定物質の変化を算出し、表示する処理部とを備えた生体光計測装置において、
前記処理部は、所定の生体現象について仮想的光学特性を記憶する手段と、前記光計測部において計測した光の強度変化と前記仮想的光学特性を用いて被検体における所定の生体現象変化を算出し表示する手段とを備えたことを特徴とする生体光計測装置。 - 前記処理部は、前記所定の生体現象についての仮想的光学特性を、複数の特定物質の光学特性の関数として算出することを特徴とする請求項1記載の生体光計測装置。
- 前記記憶する手段は、前記仮想的光学特性の波長特性をテーブル又は関数として保存することを特徴とする請求項1又は2記載の生体光計測装置。
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