JP2023069585A - 代謝測定装置、代謝算出方法および代謝算出プログラム - Google Patents

代謝測定装置、代謝算出方法および代謝算出プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】身体の代謝を非侵襲且つ短時間で測定する。【解決手段】代謝測定装置は、生体50に入力される測定光L1を出力する光源11と、生体50の内部を伝播した測定光L1を検出し、測定光L1の強度に応じた検出信号を生成する光検出器12と、演算部と、を備える。演算部は、検出信号に基づいて、血液中のO2Hb濃度と光路内の血管体積とに依存する時間的相対変化量である第1パラメータと、血液中のHHb濃度と光路内の血管体積とに依存する時間的相対変化量である第2パラメータとに基づいて、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中のHHb濃度に関する数値を求める。演算部は、この数値に基づいて、代謝の度合いに関するデータを求める。【選択図】図2

Description

本開示は、代謝測定装置、代謝算出方法および代謝算出プログラムに関する。
特許文献1には、血糖値測定装置が開示されている。この血糖値測定装置は、光出力部と、光検出部と、演算部と、を備える。光出力部は、生体に入力される測定光を出力する。光検出部は、生体の内部を伝播した測定光を検出し、測定光の強度に応じた検出信号を生成する。演算部は、検出信号に基づいて、酸素化ヘモグロビン濃度に関する第1パラメータの時間的変化と脱酸素化ヘモグロビン濃度に関する第2パラメータの時間的変化との時間ずれを求め、時間ずれに基づいて血糖値に関するデータを求める。
特開2018-57511号公報
近年、身体の代謝を非侵襲で測定するための装置及び方法が開発されている。例えば、体内におけるブドウ糖の代謝によって生じる熱流量を温度計により測定し、その熱流量から血糖値を推定するものがある。しかしながらこのような方式では、身体の一部から温度計への熱伝導に或る程度の時間を要するため、測定に時間がかかるという問題がある。
本開示は、身体の代謝を非侵襲且つ短時間で測定することが可能な代謝測定装置、代謝算出方法および代謝算出プログラムを提供することを目的とする。
本開示による代謝測定装置は、生体の代謝の度合いを測定する装置であって、光出力部と、光検出部と、演算部と、を備える。光出力部は、生体に入力される測定光を出力する。光検出部は、生体の内部を伝播した測定光を検出し、測定光の強度に応じた検出信号を生成する。演算部は、該検出信号に基づいて、代謝の度合いに関するデータを出力する。演算部は、第1演算部と、第2演算部と、第3演算部と、を有する。第1演算部は、上記検出信号に基づいて、血液中の酸素化ヘモグロビン濃度と光路内の血管体積とに依存する、或るタイミングからの時間的相対変化量である第1パラメータと、血液中の脱酸素化ヘモグロビン濃度と光路内の血管体積とに依存する、或るタイミングからの時間的相対変化量である第2パラメータとを求める。第2演算部は、第1パラメータ及び第2パラメータに基づいて、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中の酸素化ヘモグロビン濃度に関する第3パラメータ、及び、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中の脱酸素化ヘモグロビン濃度に関する第4パラメータのうち少なくとも一つのパラメータを求める。第3演算部は、少なくとも一つのパラメータに基づいて、代謝の度合いに関するデータを求める。
本開示による代謝算出方法は、生体の代謝の度合いを算出する方法であって、第1演算ステップと、第2演算ステップと、第3演算ステップと、を含む。第1演算ステップでは、生体における、血液中の酸素化ヘモグロビン濃度と光路内の血管体積とに依存する、或るタイミングからの時間的相対変化量である第1パラメータと、血液中の脱酸素化ヘモグロビン濃度と光路内の血管体積とに依存する、或るタイミングからの時間的相対変化量である第2パラメータとを求める。第2演算ステップでは、第1パラメータ及び第2パラメータに基づいて、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中の酸素化ヘモグロビン濃度に関する第3パラメータ、及び、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中の脱酸素化ヘモグロビン濃度に関する第4パラメータのうち少なくとも一つのパラメータを求める。第3演算ステップでは、少なくとも一つのパラメータに基づいて、代謝の度合いに関するデータを求める。
本開示による代謝算出プログラムは、生体の代謝の度合いを算出するプログラムであって、第1演算ステップと、第2演算ステップと、第3演算ステップと、をコンピュータに実行させる。第1演算ステップでは、生体における、血液中の酸素化ヘモグロビン濃度と光路内の血管体積とに依存する、或るタイミングからの時間的相対変化量である第1パラメータと、血液中の脱酸素化ヘモグロビン濃度と光路内の血管体積とに依存する、或るタイミングからの時間的相対変化量である第2パラメータとを求める。第2演算ステップでは、第1パラメータ及び第2パラメータに基づいて、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中の酸素化ヘモグロビン濃度に関する第3パラメータ、及び、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中の脱酸素化ヘモグロビン濃度に関する第4パラメータのうち少なくとも一つのパラメータを求める。第3演算ステップでは、少なくとも一つのパラメータに基づいて、代謝の度合いに関するデータを求める。
身体の代謝の度合いは、血液中の酸素化ヘモグロビン濃度および脱酸素化ヘモグロビン濃度と相関を有する。したがって、血液中の酸素化ヘモグロビン濃度および脱酸素化ヘモグロビン濃度のうち少なくとも一方を測定することにより、身体の代謝の度合いを非侵襲且つ短時間で測定することができる。これらのヘモグロビン濃度を測定する方式として、近赤外分光法(NIRS)がある。この方式では、測定光の光路内に存在する体組織における各ヘモグロビン濃度を測定する。しかしながら、血液中の各ヘモグロビン濃度そのものが得られるわけではなく、得られる数値は、血液中の各ヘモグロビン濃度と光路内の血管体積とに依存する。したがって、光路内の血管体積の変動(特に心臓の拍動による血管の内径の変動)の影響を受けてしまい、そのままでは身体の代謝を精度良く算出することができない。
そこで、上記の装置、方法及びプログラムでは、まず、第1演算部(第1演算ステップ)において、従来のNIRSと同様にして、血液中の酸素化ヘモグロビン濃度及び光路内の血管体積に依存する時間的相対変化量である第1パラメータと、血液中の脱酸素化ヘモグロビン濃度及び光路内の血管体積に依存する時間的相対変化量である第2パラメータとを求める。そして、第2演算部(第2演算ステップ)において、第1パラメータ及び第2パラメータに基づいて、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中の酸素化ヘモグロビン濃度に関する第3パラメータ、及び、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中の脱酸素化ヘモグロビン濃度に関する第4パラメータのうち少なくとも一つのパラメータを求める。本発明者の研究により、このように、NIRSにより得られた数値に基づく演算によって、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中の各ヘモグロビン濃度に関するパラメータが得られることが見出された。この少なくとも一つのパラメータに基づいて、第3演算部(第3演算ステップ)において、代謝の度合いに関するデータを求めることができる。したがって、上記の装置、方法およびプログラムによれば、身体の代謝の度合いを、非侵襲で精度良く測定することができ、且つ、従来のNIRSと同等の短い時間で測定することができる。なお、上記の装置、方法及びプログラムにおいて血管体積とは、光路中の血管総内容積を指す。
代謝測定装置において、第2演算部は、光路内の血管体積が一定であると見なして少なくとも一つのパラメータを求めてもよい。同様に、代謝算出方法及び代謝算出プログラムの第2演算ステップにおいて、光路内の血管体積が一定であると見なして少なくとも一つのパラメータを求めてもよい。この場合、身体の代謝の度合いを簡便に測定することができる。
代謝測定装置は、第1パラメータ及び第2パラメータから光路内の血管体積の変動成分に関する数値を求める第4演算部を更に備えてもよい。そして、第3演算部は、第4演算部により求められた光路内の血管体積の変動成分に関する数値に更に基づいて代謝の度合いに関するデータを求めてもよい。同様に、代謝算出方法及び代謝算出プログラムは、第3演算ステップの前に、第1パラメータ及び第2パラメータから光路内の血管体積の変動成分に関する数値を求める第4演算ステップを更に含んでもよい。そして、第3演算ステップでは、第4演算ステップにおいて求められた光路内の血管体積の変動成分に関する数値に更に基づいて代謝の度合いに関するデータを求めてもよい。このように、NIRSにより得られた数値に基づく演算によって、光路内の血管体積の変動成分を求め得る。本発明者の研究によれば、光路内の血管体積の変動成分に関する数値に更に基づいて代謝の度合いに関するデータを求めることによって、光路内の血管体積の変動による測定精度の低下を抑制することができる。なお、光路内の血管体積の変動は、例えば、或る測定から次の測定までの期間における総ヘモグロビン量の増減、光出力部及び光検出部の脱着による光路の変化、または、局所血流量変化による光路中の血管体積の変化などによって生じ得る。
代謝測定装置は、第1パラメータ及び第2パラメータの定常成分を抽出する第4演算部を更に備えてもよい。そして、第3演算部は、第4演算部により求められた第1パラメータ及び第2パラメータの定常成分に更に基づいて代謝の度合いに関するデータを求めてもよい。同様に、代謝算出方法及び代謝算出プログラムは、第3演算ステップの前に、第1パラメータ及び第2パラメータの定常成分を抽出する第4演算ステップを更に含んでもよい。そして、第3演算ステップでは、第4演算ステップにおいて求められた第1パラメータ及び第2パラメータの定常成分に更に基づいて代謝の度合いに関するデータを求めてもよい。第1パラメータ及び第2パラメータの定常成分は、光路内の血管体積と相関を有する。したがって、第1パラメータ及び第2パラメータの定常成分に更に基づいて代謝の度合いに関するデータを求めることにより、光路内の血管体積の変動による測定精度の低下を抑制することができる。
代謝測定装置において、第2演算部は、第3パラメータを求める場合、下記の数式(1)に基づいて第3パラメータを求め、第4パラメータを求める場合、下記の数式(2)に基づいて第4パラメータを求めてもよい。同様に、代謝算出方法および代謝測定プログラムの第2演算ステップにおいて、第3パラメータを求める場合、下記の数式(1)に基づいて第3パラメータを求め、第4パラメータを求める場合、下記の数式(2)に基づいて第4パラメータを求めてもよい。但し、SpO2は酸素飽和度、Noxy(t)は第1パラメータ、Ndeoxy(t)は第2パラメータ、Coxy,ACは第3パラメータ、Cdeoxy,ACは第4パラメータ、VDCは光路内の血管体積の定常成分、αは定数である。
Figure 2023069585000002

Figure 2023069585000003

これにより、身体の代謝の度合いを更に精度良く算出することができる。
代謝測定装置において、第3演算部は、代謝の度合いと血糖値との予め取得された関係に基づいて、生体の血糖値を更に求めてもよい。同様に、代謝算出方法及び代謝測定プログラムの第3演算ステップにおいて、代謝の度合いと血糖値との予め取得された関係に基づいて、生体の血糖値を更に求めてもよい。この場合、血糖値を非侵襲且つ短時間で測定することができる。
代謝測定装置において、第2演算部は、上記少なくとも一つのパラメータから所定の特徴量を抽出し、第3演算部は、所定の特徴量と代謝の度合いとの予め取得された関係に基づいて、代謝の度合いに関するデータを求めてもよい。同様に、代謝算出方法及び代謝測定プログラムの第2演算ステップにおいて、上記少なくとも一つのパラメータから所定の特徴量を抽出し、第3演算ステップにおいて、所定の特徴量と代謝の度合いとの予め取得された関係に基づいて、代謝の度合いに関するデータを求めてもよい。この場合、代謝の度合いに関するデータを簡便な演算により精度良く求めることができる。また、この場合、所定の特徴量は、少なくとも一つのパラメータの最大値、時間平均値、ピーク・ピーク値、及び時間積分値のうち少なくとも一つであってよい。
本開示による代謝測定装置、代謝算出方法および代謝算出プログラムによれば、身体の代謝を非侵襲且つ短時間で測定することができる。
図1は、実施形態による代謝測定装置の概念図である。 図2は、実施形態による光計測器の概念図である。 図3は、代謝測定装置1の構成例を示すブロック図である。 図4は、CPUにより実現される演算部の機能を示すブロック図である。 図5は、光路内の血管体積について説明するための模式図である。図5(a)は、測定光の或る光路内において血管の密度が疎である場合を示す。図5(b)は、図5(a)と同じ長さの光路内において血管の密度が図5(a)よりも密である場合を示す。 図6は、光路内の血管体積について説明するための模式図である。図6(a)は、測定光の光路長が短い場合を示す。図6(b)は、血管の密度が図6(a)と同じであって光路の光路長が図6(a)よりも長い場合を示す。 図7は、光路内の血管体積について説明するための模式図である。図7(a)は、血管が細い場合を示す。図7(b)は、血管が図7(a)よりも太い場合を示す。 図8(a)は、波長660mmにおける検出光強度の時間変化と、波長910mmにおける検出光強度の時間変化と、を示すグラフである。図8(b)は、波長660mmにおけるΔoxy-Hbの時間変化と、波長910mmにおけるΔdeoxy-Hbの時間変化と、を示すグラフである。図8(c)は、図8(b)に示されたグラフに対して、心拍周波数よりも小さい低周波成分を除去するフィルタ処理を行ったグラフである。 図9(a)は、HHb濃度の時間的相対変化量の時間変化の一例を示すグラフである。図9(b)は、数式(29)の右辺の値の時間変化の一例を示すグラフである。 図10は、実施形態による代謝算出方法を示すフローチャートである。 図11(a)は、HHb濃度の時間的相対変化量の時間波形を示すグラフである。図11(b)は、図11(a)に対応する、OHb濃度の時間的相対変化量の時間波形を示すグラフである。 図12(a)~(c)それぞれは、3名の被検者それぞれの測定結果を示すグラフである。 図13は、代謝測定装置によって推定した代謝指標と、実際の血糖値との関係を示すグラフである。 図14は、検討のため模擬的に生成された正弦波状の時間波形であってホワイトノイズが重畳したグラフG51と、グラフG51に積分型フィルタを施したグラフG52と、グラフG51に微分型フィルタを施したグラフG53と、を示すグラフである。 図15(a)のグラフG61,G62それぞれは、図14のグラフG51,G52それぞれの最大値を抽出した結果を示す。図15(b)のグラフG71,G72それぞれは、図14のグラフG51,G52それぞれのピーク・ピーク値を抽出した結果を示す。図15(c)のグラフG81,G82それぞれは、図14のグラフG51,G52それぞれの時間平均値を抽出した結果を示す。 図16は、検討のため模擬的に生成された正弦波状の時間波形であって低周波のうねりが重畳したグラフG91と、グラフG91に積分型フィルタを施したグラフG92と、グラフG91に微分型フィルタを施したグラフG93と、を示すグラフである。 図17(a)のグラフG101~G103それぞれは、図16のグラフG91~G93それぞれの最大値を抽出した結果を示す。図17(b)のグラフG111~G113それぞれは、図16のグラフG91~G93それぞれのピーク・ピーク値を抽出した結果を示す。図17(c)のグラフG121~G123それぞれは、図16のグラフG91~G93それぞれの時間平均値を抽出した結果を示す。
以下、添付図面を参照しながら本開示による代謝測定装置、代謝算出方法および代謝算出プログラムの実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本実施形態による代謝測定装置1の概念図である。代謝測定装置1は、光計測器(プローブ)10と、本体部30とを備える。本体部30は、光計測器10によって生体50から検出された光の強度に基づいて、生体50の代謝の度合いを測定する。光計測器10は、例えば、指又は耳といった生体50を挟んでもよく、頭部といった生体50に対して伸縮性のバンドにより固定されてもよい。本体部30は、測定した代謝の度合いに関するデータを被検者に知らせる。本体部30は、例えばスマートフォンあるいはタブレット端末などのスマートデバイス等のコンピュータによって構成され得る。光計測器10は、ケーブル18を介して本体部30と電気的に接続される。
図2は、本実施形態による光計測器10の概念図である。光計測器10は、光源(光出力部)11と光検出器(光検出部)12とを有する。光源11は、生体50の皮膚51の表面における所定の光入力位置に入力され、測定光L1を出力する。測定光L1の波長は、N個(Nは2以上の整数)の所定の波長(λ,λ,…,λ)に順次切り替えられる。この測定光L1は、生体50の内部を伝播し、生体50の皮膚51の表面から出力される。光検出器12は、生体50の皮膚51の表面における所定の光検出位置から出力される測定光L1を検出し、検出された測定光L1の強度に応じた検出信号を生成する。所定の波長は、例えば可視光の赤波長域から近赤外領域(670nm~2500nm)に含まれる。一例ではN=3であり、λ、λ2、λは例えばそれぞれ735nm、810nm、及び850nmである。光検出器12において分光計測が可能であれば、光源11は、所定の波長(λ,λ,…,λ)を含む波長帯域を有するブロードな測定光L1を出力してもよい。
光源11は、例えば発光ダイオード(LED)あるいはレーザダイオード(LD)、スーパールミネッセントダイオード(SLD)などの半導体発光素子である。光源11から出力された測定光L1は、生体50の皮膚51の表面に対してほぼ垂直に入力される。光検出器12は、光検出素子及びプリアンプを有する。光検出器12は、生体50の内部を伝搬した測定光L1を検出し、測定光L1の強度に応じた検出信号を生成する。光検出素子は、例えば、光源から出力される測定光L1の中心波長を含む波長域に受光感度を有するフォトダイオードあるいはアバランシェフォトダイオードなどのポイントセンサ、またはCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどのイメージセンサである。プリアンプは、光検出素子から出力される光電流を積分し、増幅する。光検出器12は、微弱な測定光L1を感度良く検出して検出信号を生成し、この信号を本体部30へケーブル18を介して伝送する。
図3は、代謝測定装置1の構成例を示すブロック図である。本体部30は、CPU24と、ディスプレイ25と、ROM26と、RAM27と、データバス28と、コントローラ29と、入力部31とを有するコンピュータである。コントローラ29は、光源制御部21と、サンプルホールド回路22と、アナログ/デジタル(A/D)変換回路23とを含む。
光源制御部21は、光計測器10からの光出力を制御する。コントローラ29は、例えば測定光L1の出力時間間隔、及び測定光L1の強度を制御する。光源制御部21は、データバス28と、光計測器10の光源11とに電気的に接続されている。光源制御部21は、光源11の駆動を指示するための指示信号を、CPU24からデータバス28を通じて受ける。指示信号には、光源11から出力される測定光L1の光強度及び波長(例えば波長λ,λ,…,λのうちいずれかの波長)などの情報が含まれている。光源制御部21は、CPU24から受けた指示信号に基づいて光源11を駆動する。光源制御部21は、ケーブル18を介して光計測器10へ駆動信号を出力する。
サンプルホールド回路22及びA/D変換回路23は、光計測器10からケーブル18を介して伝送される検出信号を入力してこれを保持し、デジタル信号化を行ってCPU24に出力する。サンプルホールド回路22は、検出信号を保持するタイミングを示すサンプル信号をCPU24からデータバス28を介して受け取る。サンプルホールド回路22は、サンプル信号を受けると、光計測器10から入力された検出信号を保持する。サンプルホールド回路22は、A/D変換回路23に電気的に接続されており、保持した検出信号をA/D変換回路23へ出力する。
CPU24は、本実施形態における演算部である。CPU24は、A/D変換回路23から受けた検出信号に基づいて、生体50の代謝の度合い及び/または血糖値に関するデータを算出する。CPU24は、算出したデータを、データバス28を介してディスプレイ25へ送る。なお、検出信号に基づく代謝の度合いの算出方法については後述する。ディスプレイ25は、データバス28に電気的に接続されており、データバス28を介してCPU24から送られた結果を表示する。なお、ディスプレイ25及び入力部31は、例えば、タッチパネルディスプレイによって構成されてもよい。
図4は、CPU24により実現される演算部40の機能を示すブロック図である。図4に示すように、演算部40は、測定制御部41と、NIRS演算部42(第1演算部)と、濃度演算部43(第2演算部)と、代謝指標演算部44(第3演算部)と、血管体積演算部45(第4演算部)と、を有する。
測定制御部41は、CPU24がコントローラ29を制御することにより実現される。測定制御部41は、ダーク計測処理411と、光出力処理412と、光検出処理413とを、測定光L1の波長を変更しながら繰り返し行う。ダーク計測処理411では、光源11から測定光L1を出力しない状態で、光検出器12からの検出信号を取得する。これにより、光検出器12の光検出素子の暗電流レベルを測定することができる。光出力処理412では、光源11から測定光L1を出力し、測定光L1を生体50に入射させる。光検出処理413では、生体50を伝搬した測定光L1を光検出器12において検出し、得られた検出信号をA/D変換回路23においてデジタル信号に変換する。最初の光出力処理412及び光検出処理413では、波長λの測定光L1を用いる。次の光出力処理412及び光検出処理413では、波長λの測定光L1を用いる。以降、第N番目の光出力処理412及び光検出処理413まで、測定光L1の波長を変更しながら処理を繰り返す。なお、図4に示す例では波長を変更する毎にダーク計測処理411を行っているが、ダーク計測処理411を最初の光出力処理412の前にのみ行ってもよい。測定制御部41は、波長λの光検出処理413ののち、波長λのダーク計測処理411に戻る。そして、この動作を、検出信号が所定のデータ長に達するまで繰り返す。
NIRS演算部42は、測定制御部41において得られた光計測器10からの各波長の検出信号をバッファ421に蓄積する。NIRS演算部42は、光計測器10からの検出信号に基づいて、酸素化ヘモグロビン(以下、OHbとする)及び脱酸素化ヘモグロビン(以下、HHbとする)による測定光L1に対する吸収あるいは散乱などの影響を考慮して、Δoxy-Hb(第1パラメータ)及びΔdeoxy-Hb(第2パラメータ)を求めるNIRS計算処理422を行う。Δoxy-Hbは、OHbの吸光度合いに基づいて算出される、或るタイミング(典型的には測定開始時)からの時間的相対変化量であって、血液中のOHb濃度と光路内の血管体積とに依存する数値である。言い換えると、Δoxy-Hbは、光路内に存在するOHbの個数に基づく数値である。同様に、Δdeoxy-Hbは、HHbによる吸光度合いに基づいて算出される、或るタイミング(典型的には測定開始時)からの時間的相対変化量であって、血液中のHHb濃度と光路内の血管体積とに依存する数値である。言い換えると、Δdeoxy-Hbは、光路内に存在するHHbの個数に基づく数値である。なお、本明細書において血管体積とは、光路中の血管総内容積を指すものとする。
光路内の血管体積は、血管密度、光路長及び血管の太さと密接な相関を有する。図5及び図6は、光路内の血管体積について説明するための模式図である。図5(a)は、測定光L1の或る光路内において血管Bの密度が疎である場合を示し、図5(b)は、図5(a)と同じ長さの光路内において血管Bの密度が図5(a)よりも密である場合を示す。図5(a)に示すように血管Bの密度が疎である場合、光路が血管Bを通る回数が少ないため、ヘモグロビンによる光吸収は小さくなる。一方、図5(b)に示すように血管Bの密度が密である場合、光路が血管Bを通る回数が多いため、ヘモグロビンによる光吸収は大きくなる。また、図6(a)は、測定光L1の光路長が短い場合を示し、図6(b)は、血管Bの密度が図6(a)と同じであって測定光L1の光路長が図6(a)よりも長い場合を示す。図6(a)に示すように測定光L1の光路長が短い場合、光路が血管Bを通る回数が少ないため、ヘモグロビンによる光吸収は小さくなる。一方、図6(b)に示すように測定光L1の光路長が長い場合、光路が血管Bを通る回数が多いため、ヘモグロビンによる光吸収は大きくなる。また、図7(a)は血管Bが細い場合を示し、図7(b)は血管Bが図7(a)よりも太い場合を示す。図7(a)に示すように血管Bが細い場合、光路が血管Bを通る距離が短くなるため、ヘモグロビンによる光吸収は小さくなる。一方、図7(b)に示すように血管Bが太い場合、光路が血管Bを通る距離が長くなるため、ヘモグロビンによる光吸収は大きくなる。
すなわち、光路内の血管密度が大きくなるほど血管体積は大きくなり、光路内の血管密度が小さくなるほど血管体積は小さくなる。また、測定光L1の光路長が長くなるほど血管体積は大きくなり、測定光L1の光路長が短くなるほど血管体積は小さくなる。また、光路内の血管の平均径が大きくなるほど血管体積は大きくなり、光路内の血管の平均径が小さくなるほど血管体積は小さくなる。
Δoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbの算出方法について詳細に説明する。なお、この説明において測定光L1の波長(λ,λ,…,λ)の個数Nは3とする。或る光検出位置において、時刻Tにおける測定光波長λ~λそれぞれに応じた検出信号の値をDλ1(T)~Dλ3(T)、同じく時刻Tにおける値をDλ1(T)~Dλ3(T)とすると、時刻T~Tにおける検出光強度の変化量は、次の(3)~(5)式のように表される。
Figure 2023069585000004

Figure 2023069585000005

Figure 2023069585000006

ただし、(3)~(5)式において、ΔOD(T)は波長λの検出光強度の時刻Tからの時間的相対変化量、ΔOD(T)は波長λの検出光強度の時刻Tからの時間的相対変化量、ΔOD(T)は波長λの検出光強度の時刻Tからの時間的相対変化量である。図8(a)は、波長660mmにおける検出光強度の時間変化(グラフG11)と、波長910mmにおける検出光強度の時間変化(グラフG12)と、のそれぞれ一例を示すグラフである。図8(a)において、横軸は時間(単位:秒)を示し、縦軸は検出信号(単位:×10カウント)を示す。
時刻Tから時刻Tまでの間におけるΔoxy-Hb及びΔdeoxy-HbをそれぞれNoxy(T)及びNdeoxy(T)とすると、これらは次の(6)式によって求めることができる。
Figure 2023069585000007

ただし、(6)式において、係数a11~a23は、波長λ、λ、及びλの光に対するOHb及びHHbの吸光係数から求まる定数である。NIRS演算部42は、このような演算を、時刻T以降も周期的に行う。NIRS演算部42は、このような演算によって、各時刻T,T,T,・・・においてΔoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbを周期的に算出する。Δoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbの算出周期は例えば16ミリ秒である。図8(b)は、波長660mmにおけるΔoxy-Hbの時間変化(グラフG21)と、波長910mmにおけるΔdeoxy-Hbの時間変化(グラフG22)と、のそれぞれ一例を示すグラフである。図8(b)において、横軸は時間(単位:秒)を示し、縦軸は光吸収量(任意単位)を示す。
また、NIRS演算部42は、Δoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbから酸素飽和度(SpO)を算出するSpO計算処理423を行う。図8(c)は、図8(b)に示されたグラフに対して、心拍周波数よりも小さい低周波成分を除去するフィルタ処理を行ったグラフである。図8(c)において、横軸は時間(単位:秒)を示し、縦軸は光吸収量(任意単位)を示す。図8(c)に示されるΔoxy-Hbの振幅AHb、及びΔdeoxy-Hbの振幅AHHbに基づいて、SpOは、例えば下記の(7)式によって求められる。なお、SpOとは、一般的には脈波振幅より推定した動脈血における酸素飽和度の値を指すが、本明細書においては、動脈や末梢血管などを含む測定部位における局所的な酸素飽和度の値を指すものとする。
Figure 2023069585000008
濃度演算部43は、NIRS演算部42において算出されたΔoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbに基づいて、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中のHHb濃度に関する数値(第4パラメータ)を求める濃度計算処理431を行う。血液中のHHb濃度に関する数値は、例えば、HHb濃度の或るタイミング(典型的には測定開始時である時刻T)からの時間的相対変化量である。
図9(a)は、HHb濃度の時間的相対変化量の時間変化の一例を示すグラフである。図9(a)において、横軸は時間(単位:秒)を示し、縦軸はHHb濃度の時間的相対変化量(任意単位)を示す。
以下、HHb濃度の或るタイミングからの時間的相対変化量を求める方法について、詳細に説明する。ここでは、下記の(1)~(3)を前提条件とする。
(1)NIRS演算部42によって算出されるΔoxy-Hb,Δdeoxy-Hbの時間波形は、血管体積と各ヘモグロビン濃度との積に比例する。
(2)Δoxy-Hb,Δdeoxy-Hbの時間波形は、時間的に変化しない定常成分(直流成分)と、心拍周波数及びその高調波に応じた周期で変動する変動成分(交流成分)とから成るものとし、0Hzから心拍周波数までの範囲内に低周波のうねり成分は存在しないものとする。
(3)測定開始時刻からの短い時間であれば血管内の水分量はほぼ一定であり、総ヘモグロビン濃度は一定であるものとする。
上記の前提条件(1)より、下記の数式(8)が与えられる。なお、Coxy(t)は時間tにおけるOHb濃度、Cdeoxy(t)は時間tにおけるHHb濃度、V(t)は光路内の血管体積である。
Figure 2023069585000009
また、上記の前提条件(2)より、下記の数式(9)~(11)が与えられる。なお、Coxy,DC及びCdeoxy,DCは、それぞれOHb濃度及びHHb濃度の定常成分である。Coxy,AC(t)及びCdeoxy,AC(t)は、それぞれOHb濃度及びHHb濃度の変動成分である。VDCは、血管体積の定常成分である。VAC(t)は、血管体積の変動成分である。tは測定開始時刻であり、Tは測定開始時刻から現在時刻までの時間間隔である。
Figure 2023069585000010

Figure 2023069585000011

Figure 2023069585000012
また、上記の前提条件(3)より、下記の数式(12)が与えられる。const.は定数を意味する。
Figure 2023069585000013
数式(8)、(9)、(11)より下記の数式(13)が得られる。
Figure 2023069585000014
数式(13)に数式(12)を適用すると、下記の数式(14)が得られる。
Figure 2023069585000015

数式(14)において、定数項の除去のため両辺を時間微分し、適当な比例係数αをおくと、下記の数式(15)が得られる。なお、文字の上に付されたドットは時間微分を表す。
Figure 2023069585000016

このように、NIRS演算部42により得られるΔoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbの時間波形の和をとり、さらにそのAC成分を抽出することで、ヘモグロビン濃度の影響を排除し、血管体積の変動成分VAC(t)を取り出すことが可能となる。
oxy(t)に関する数式(13)と同様に、Ndeoxy(t)に関する数式(16)が成り立つ。
Figure 2023069585000017

上記の数式(15)において用いられた比例係数αは、Noxy(t)及びNdeoxy(t)の双方に対して共通である。したがって、数式(16)を変形すると、下記の数式(17)が得られる。
Figure 2023069585000018

上記の数式(15)において、定数項の除去のため両辺を時間微分すると、下記の数式(18)が得られる。
Figure 2023069585000019

数式(18)においてVAC(t)の微分項を除去するために上記の数式(15)を適用すると、下記の数式(19)が得られる。
Figure 2023069585000020

数式(19)において、Cdeoxy,AC(t)の微分項について整理すると、下記の数式(20)が得られる。
Figure 2023069585000021

この数式(20)において、更に仮定を導入して数式を簡略化する。まず、拍動による血管体積の変動は、血管体積の平均値と比較して微小であると考えられる。したがって、下記の数式(21)の近似を行う。
Figure 2023069585000022

拍動によるデオキシヘモグロビン濃度の変動もまた、デオキシヘモグロビン濃度の平均値と比較して微小であると考えられる。したがって、下記の数式(22)の近似を行う。
Figure 2023069585000023

数式(21)及び(22)の近似を数式(20)に適用すると、下記の数式(23)が得られる。
Figure 2023069585000024
ここで、酸素飽和度SpOは以下の数式(24)により表される。
Figure 2023069585000025

数式(24)を数式(23)に適用すると、数式(25)が得られる。
Figure 2023069585000026

数式(25)の左辺の原始関数Cdeoxy,AC(t)が、平均値がゼロである周期関数であると仮定すると、定数項は0となるので、数式(25)の両辺を時間積分した下記の数式(26)も同様に成り立つ。
Figure 2023069585000027

数式(26)を変形すると、Cdeoxy,AC(t)、Noxy(t)、Ndeoxy(t)、及びSpOに関する数式(27)が得られる。
Figure 2023069585000028

なお、光計測器10の着脱または血流量の変動などがなければ、光路内の血管体積V(t)を或る決められた期間内(たとえば数分~数か月)において一定であると見なすことができるので、(α/VDC)を定数とみなすことができる。一例では、血管体積V(t)を一定であると見なす。その場合、後述する血管体積演算部45は不要である。また、血流量の変動による定常成分VDCのドリフト、及び/または光計測器10の着脱により生じる定常成分VDCのオフセットをエンジニアリング的に抑制可能(例えば、光計測器10の取付位置及び取付角度が毎回同じになるように光計測器10の形状が最適化されている場合等)であれば、光計測器10の着脱または血流量の変動などがあっても、(α/VDC)を定数とみなすことができる場合がある。
前述したように、NIRS演算部42において求められるNoxy(t),Ndeoxy(t)は、血液中の各ヘモグロビン濃度と光路内の血管体積とに依存する数値であるが、以上に示されたように、所定の計算処理を施すことによって、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中のHHb濃度のみに関する数値を得ることができる。濃度演算部43は、HHb濃度に関する数値として、例えばHHb濃度の時間的相対変化量を、上記の数式(27)に基づいて算出することができる。
なお、例えば、測定開始時点において採血などの方法により実際のCoxy(t)、Cdeoxy(t)またはこれらの和である総ヘモグロビン濃度Coxy(t)+Cdeoxy(t)を測定すれば、数式(27)によって得られた数値との比較により、定数(α/VDC)の値を得ることができる。その場合、濃度演算部43は、上記の数式(27)に基づいて、HHb濃度の絶対量を継続的に算出することができる。
本実施形態の濃度演算部43は、HHb濃度に関する数値から所定の特徴量を抽出する特徴量抽出処理432を更に行う。所定の特徴量とは、例えば、HHb濃度に関する数値の最大値、時間平均値、ピーク・ピーク値、及び時間積分値のうち少なくとも一つである。
代謝指標演算部44は、HHb濃度に関する数値と、代謝の度合いとの所定の関係に基づいて、代謝の度合いに関するデータ(代謝指標)を求める代謝指標推定処理441を行う。本実施形態の代謝指標推定処理441では、濃度演算部43からの所定の特徴量と代謝の度合いとの予め取得された関係に基づいて、代謝の度合いに関するデータ(代謝指標)を求める。所定の特徴量と代謝の度合いとの関係に関するデータテーブルは、例えば図3に示されたROM26に格納されている。
代謝指標演算部44は、代謝の度合いと血糖値との予め取得された関係に基づいて、生体50の血糖値を更に求めてもよい。代謝の度合いと血糖値との関係に関するデータテーブルは、例えば図3に示されたROM26に格納されている。代謝の度合いと血糖値との関係には個人差があるため、このデータテーブルは、被検者毎に用意されてもよい。また、この予め取得される代謝の度合いと血糖値との関係は、年齢による代謝量の変化及び/又は糖尿病などの疾病の進行による代謝機能の変化に応じて、適宜補正されていてもよい。具体的には、代謝の度合いと血糖値との関係は、被検者の年齢、性別、身長、疾病の進行度に応じて補正されていてもよい。
続いて、血管体積演算部45について説明する。血管体積演算部45は、NIRS演算部42において求められたΔoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbから、代謝の度合いに関するデータにおける血管体積の定常成分VDC(数式(27)を参照)を補正するための値(血管体積指標)を求める血管体積推定処理451を行う。代謝指標演算部44は、血管体積演算部45により求められた値に基づいて、代謝の度合いに関するデータを補正する。これにより、光計測器10の着脱または血流量の変動などがあっても、代謝の度合いに関するデータを再現性良く求めることができる。
上記の数式(15)を変形すると、下記の数式(28)が得られる。
Figure 2023069585000029

数式(28)の両辺を時間積分し、さらにその後に周期的変動成分のみを取り出すと、下記の数式(29)が得られる。
Figure 2023069585000030

すなわち、NIRS演算部42において求められたΔoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbの和は、血管体積の変動成分VAC(t)に比例する。血管体積の変動成分VAC(t)の振幅は、血管体積の定常成分VDCと強い相関があると考えられる。故に、血管体積演算部45は、数式(29)から血管体積の変動成分VAC(t)に関する数値を算出し、該数値と血管体積の定常成分VDCとの所定の関係に基づいて、代謝の度合いに関するデータにおける血管体積の定常成分VDCを補正するための値を求めることができる。この場合、血流量の変動による定常成分VDCのドリフト、及び/または光計測器10の着脱により生じる定常成分VDCのオフセットをエンジニアリング的に抑制しなくても、Δoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbから数値計算によって定常成分VDCを補正することが可能となる。なお、血管体積の変動成分VAC(t)に関する数値と血管体積の定常成分VDCとの所定の関係に関するデータテーブルは、例えば図3に示されたROM26に格納されている。
血管体積指標は、数式(29)の右辺の値を有してもよい。図9(b)は、数式(29)の右辺の値の時間変化の一例を示すグラフである。図9(b)において、横軸は時間(単位:秒)を示し、縦軸は数式(29)の右辺の値、すなわち数式(30)の値を示す。
Figure 2023069585000031

なお、この数式(30)の値は、Δoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbの和のAC成分と等しい。
また、血管体積指標は、数式(30)の値から所定の特徴量を抽出したものであってもよい。所定の特徴量とは、例えば、数式(30)の値の最大値、時間平均値、ピーク・ピーク値、及び時間積分値のうち少なくとも一つである。
血管体積演算部45は、血管体積推定処理451において、例えばローパスフィルタ処理により、Δoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbの定常成分、すなわちNoxy(t)及びNdeoxy(t)の定常成分を抽出してもよい。Δoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbの定常成分は、血管体積の定常成分VDCと強い相関があると考えられる。故に、血管体積演算部45は、Δoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbの定常成分と血管体積の定常成分VDCとの所定の関係に基づいて、代謝の度合いに関するデータにおける血管体積の定常成分VDCを補正するための値(NIRS DC値指標)を求めることができる。よって、この場合においても、血流量の変動による定常成分VDCのドリフト、及び/または光計測器10の着脱により生じる定常成分VDCのオフセットをエンジニアリング的に抑制しなくても、Δoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbから数値計算によって定常成分VDCを補正することが可能となる。
次に、代謝測定装置1の動作を説明する。併せて、本実施形態による代謝算出方法について説明する。この代謝算出方法は、例えばROM26などの非一時的記憶媒体に記憶されたプログラムをCPU24が読み出し実行することによって好適に実施される。図10は、本実施形態による代謝算出方法を示すフローチャートである。以下の説明では図4を併せて参照する。
まず、ステップS11では、測定光L1の波長をλとして、ダーク計測処理411、光出力処理412、及び光検出処理413を行う。なお、ダーク計測処理411、光出力処理412、及び光検出処理413の詳細は前述したとおりである。次に、ステップS12では、測定光L1の波長をλとして、ダーク計測処理411、光出力処理412、及び光検出処理413を再び行う。このように、ダーク計測処理411、光出力処理412、及び光検出処理413を、測定光L1の波長λまで波長を変更しながら繰り返し行う(ステップS13)。そして、ステップS11~S13を、バッファ421に蓄積される検出信号のデータ長が規定の長さ(言い換えると所定のデータ長)に達するまで繰り返す(ステップS14:NO)。
バッファ421に蓄積される検出信号のデータ長が規定の長さに達したのち(ステップS14:YES)、NIRS計算処理422によってΔoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbを算出する(ステップS15、第1演算ステップ)。加えて、このステップS15では、SpO計算処理423によって、Δoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbから酸素飽和度(SpO)を算出する。NIRS計算処理422及びSpO計算処理423の詳細は前述したとおりである。
ステップS15ののち、濃度計算処理431によって、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中のHHb濃度に関する数値を求める(ステップS16、第2演算ステップ)。血液中のHHb濃度に関する数値は、例えば、HHb濃度の或るタイミング(典型的には測定開始時)からの時間的相対変化量である。加えて、このステップS16では、特徴量抽出処理432によって、HHb濃度に関する数値から所定の特徴量を抽出する特徴量抽出処理432を行う。濃度計算処理431及び特徴量抽出処理432の詳細は前述したとおりである。
ステップS16ののち、血管体積推定処理451によって、NIRS演算部42において求められたΔoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbから、代謝の度合いに関するデータにおける血管体積の定常成分VDCを補正するための値(血管体積指標)を求める(ステップS17、第4演算ステップ)。また、このステップS17において、血管体積推定処理451によって、例えばローパスフィルタ処理により、Δoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbの定常成分、すなわちNoxy(t)及びNdeoxy(t)の定常成分を抽出する。なお、血管体積指標を求める処理と、Δoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbの定常成分を抽出する処理とは、いずれか一方のみ行ってもよく、両方を行ってもよい。血管体積推定処理451の詳細は前述したとおりである。
ステップS17ののち、代謝指標推定処理441によって、HHb濃度に関する数値と、代謝の度合いとの所定の関係に基づいて、代謝の度合いに関するデータ(代謝指標)を求める(ステップS18、第3演算ステップ)。このステップS17では、代謝の度合いと血糖値との予め取得された関係に基づいて、生体50の血糖値を更に求めてもよい。代謝指標推定処理441及び血糖値の算出の詳細は前述したとおりである。
上記の説明では濃度演算部43がHHb濃度に関する数値を算出し、代謝指標演算部44がHHb濃度に関する数値に基づいて代謝の度合いに関するデータを求めている。これに限らず、濃度演算部43がOHb濃度に関する数値を算出し、代謝指標演算部44がOHb濃度に関する数値に基づいて代謝の度合いに関するデータを求めてもよい。図11(a)は、図9(a)に示した、HHb濃度の時間的相対変化量の時間波形を示すグラフである。図11(b)は、図11(a)に対応する、OHb濃度の時間的相対変化量の時間波形を示すグラフである。図11(a)と図11(b)との比較から明らかなように、OHb濃度に関する数値の時間波形は、HHb濃度に関する数値の時間波形を上下反転した形状を有する。これは、総ヘモグロビン濃度を一定とみなしていることによる。したがって、HHb濃度に関する数値を用いる場合と同様に、OHb濃度に関する数値を用いても、代謝の度合いに関するデータを求めることができる。また、例えば、HHb濃度に関する数値に基づいて得られる代謝の度合いに関するデータと、OHb濃度に関する数値に基づいて得られる代謝の度合いに関するデータとの双方を求め、これらを平均する等によって最終的な代謝の度合いに関するデータの精度を高めてもよい。その場合、濃度演算部43は、HHb濃度に関する数値と、OHb濃度に関する数値との双方を求めるとよい。
すなわち、濃度演算部43は、濃度計算処理431において、NIRS演算部42において算出されたΔoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbに基づいて、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中のOHb濃度に関する数値(第3パラメータ)、及び、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中のHHb濃度に関する数値(第4パラメータ)のうち少なくとも一方を求めてもよい。血液中のOHb濃度に関する数値は、例えば、OHb濃度の或るタイミング(典型的には測定開始時)からの時間的相対変化量である。そして、代謝指標演算部44は、代謝指標推定処理441において、OHb濃度に関する数値、HHb濃度に関する数値、またはこれらの双方と、代謝の度合いとの所定の関係に基づいて、代謝の度合いに関するデータ(代謝指標)を求めてもよい。この場合、上記の説明中におけるHHb濃度は、OHb濃度に適宜置き換えられる。また、上記の数式(27)は、Coxy,AC(t)、Noxy(t)、Ndeoxy(t)、及びSpOに関する下記の数式(31)に置き換えられる。
Figure 2023069585000032
以上に説明した本実施形態の代謝測定装置1、代謝算出方法および代謝算出プログラムによって得られる効果について、従来の課題とともに説明する。
近年、身体の代謝を非侵襲で測定するための装置及び方法が開発されている。例えば、体内におけるブドウ糖の代謝によって生じる熱流量を温度計により測定し、その熱流量から血糖値を推定するものがある。しかしながらこのような方式では、身体の一部から温度計への熱伝導に或る程度の時間を要するため、測定に時間がかかるという問題がある。また、例えば、身体の一部に取り付けた加速度計の計測値に基づいて身体の動きの程度を推定し、消費カロリーを算出するものがある。また、口及び鼻を覆うマスク状の測定装置によって呼気及び吸気に含まれる酸素量を測定し、呼気の酸素量と吸気の酸素量との比較によって、体内で消費された酸素量を算出するものがある。また、中赤外波長域におけるグルコースの吸収ピークを利用した吸光度測定によって血糖値を推定するものがある。また、体内におけるブドウ糖の代謝によって生じる熱流量を温度計により測定し、その熱流量から血糖値を推定するものがある。
しかしながら、上述した各装置にはそれぞれ課題があり、広く普及するには至っていない。例えば、身体の一部に取り付けた加速度計の計測値に基づいて消費カロリーを算出する方式においては、運動を伴わない基礎代謝を測定することが困難である。また、呼気の酸素量と吸気の酸素量との比較によって、体内で消費された酸素量を算出する方式においては、測定装置の常時着用が困難であり、長時間の測定には適していない。また、グルコースの吸収ピークを利用して吸光度を測定する方式においては、体内組織に占めるグルコースの濃度が極めて小さいので、グルコースの濃度を精度良く測定することは極めて困難である。また、体内におけるブドウ糖の代謝によって生じる熱流量を測定する方式においては、温度計による熱流量の測定に時間がかかる。
身体の代謝の度合いは、血液中のOHb濃度およびHHb濃度と相関を有する。したがって、血液中のOHb濃度およびHHb濃度のうち少なくとも一方を測定することにより、身体の代謝の度合いを非侵襲且つ短時間で測定することができる。血液中のOHb濃度およびHHb濃度を測定する方式として、近赤外分光法(NIRS)がある。この方式では、測定光の光路内に存在する体組織における各ヘモグロビン濃度を測定する。すなわち、血液中の各ヘモグロビン濃度そのものが得られるわけではなく、得られる数値は、血液中の各ヘモグロビン濃度と光路内の血管体積とに依存する。したがって、光路内の血管体積の変動(特に心臓の拍動による血管の内径の変動)の影響を受けてしまい、そのままでは身体の代謝を精度良く算出することができない。
そこで、本実施形態では、まず、NIRS演算部42及びステップS15において、従来のNIRSと同様にして、血液中のOHb濃度及び光路内の血管体積に依存する時間的相対変化量であるΔoxy-Hbと、血液中のHHb濃度及び光路内の血管体積に依存する時間的相対変化量であるΔdeoxy-Hbとを求める。そして、濃度演算部43及びステップS16において、Δoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbに基づいて、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中のOHb濃度に関する数値、及び、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中のHHb濃度に関する数値のうち少なくとも一つの数値を求める。本発明者の研究により、このように、NIRSにより得られた数値に基づく演算によって、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中の各ヘモグロビン濃度に関する数値が得られることが見出された。この少なくとも一つの数値に基づいて、代謝指標演算部44(ステップS18)において、代謝の度合いに関するデータを求めることができる。したがって、本実施形態によれば、生体50の代謝の度合いを非侵襲で精度良く測定することができ、また、従来のNIRSと同等の短い時間で測定することができる。更には、運動を伴わない基礎代謝を測定することが可能となり、また、測定装置の常時着用が容易で長時間の測定が可能になる。
前述したように、濃度演算部43は、光路内の血管体積が一定であると見なして、血液中のOHb濃度及び/またはHHb濃度に関する数値を求めてもよい。同様に、ステップS16において、光路内の血管体積が一定であると見なして、血液中のOHb濃度及び/またはHHb濃度に関する数値を求めてもよい。或る決められた期間内(たとえば数分~数か月)において光路内の血管体積が一定であると見なすことができる場合などにおいては、これにより生体50の代謝の度合いを簡便に測定することができる。
本実施形態のように、代謝測定装置1は、Δoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbから光路内の血管体積の変動成分に関する数値を求める血管体積演算部45を備えてもよい。そして、代謝指標演算部44は、血管体積演算部45により求められた光路内の血管体積の変動成分に関する数値に更に基づいて、代謝の度合いに関するデータを求めてもよい。同様に、代謝算出方法及び代謝算出プログラムは、ステップS18の前に、Δoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbから光路内の血管体積の変動成分に関する数値を求めるステップS17を含んでもよい。そして、ステップS18では、ステップS17において求められた光路内の血管体積の変動成分に関する数値に更に基づいて、代謝の度合いに関するデータを求めてもよい。このように、NIRSにより得られた数値に基づく演算によって、光路内の血管体積の変動成分を求め得る。本発明者の研究によれば、光路内の血管体積の変動成分に関する数値に更に基づいて代謝の度合いに関するデータを求めることによって、光路内の血管体積の変動による測定精度の低下を抑制することができる。なお、光路内の血管体積の変動は、例えば、或る測定から次の測定までの期間における総ヘモグロビン量の増減、光計測器10の脱着による光路の変化、または、局所血流量変化による光路中の血管体積の変化などによって生じ得る。
本実施形態のように、代謝測定装置1は、Δoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbの定常成分を抽出する血管体積演算部45を備えてもよい。そして、代謝指標演算部44は、血管体積演算部45により求められたΔoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbの定常成分に更に基づいて、代謝の度合いに関するデータを求めてもよい。同様に、代謝算出方法及び代謝算出プログラムは、ステップS18の前に、Δoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbの定常成分を抽出するステップS17を含んでもよい。そして、ステップS18では、ステップS17において求められたΔoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbの定常成分に更に基づいて、代謝の度合いに関するデータを求めてもよい。Δoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbの定常成分は、光路内の血管体積と相関を有する。したがって、Δoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbの定常成分に更に基づいて代謝の度合いに関するデータを求めることにより、光路内の血管体積の変動による測定精度の低下を抑制することができる。
本実施形態のように、濃度演算部43は、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中のOHb濃度及びHHb濃度に関する数値を、それぞれ数式(31)及び(27)に基づいて求めてもよい。同様に、ステップS16において、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中のOHb濃度及びHHb濃度に関する数値を、それぞれ数式(31)及び(27)に基づいて求めてもよい。これにより、生体50の代謝の度合いを更に精度良く算出することができる。
本実施形態のように、代謝指標演算部44は、代謝の度合いと血糖値との予め取得された関係に基づいて生体50の血糖値を求めてもよい。同様に、ステップS18において、代謝の度合いと血糖値との予め取得された関係に基づいて生体50の血糖値を求めてもよい。この場合、血糖値を非侵襲且つ短時間で測定することができる。なお、前述したように、この予め取得される代謝の度合いと血糖値との関係は、年齢による代謝量の変化及び/又は糖尿病などの疾病の進行による代謝機能の変化に応じて、適宜補正されていてもよい。具体的には、代謝の度合いと血糖値との関係は、被検者の年齢、性別、身長、疾病の進行度に応じて補正されていてもよい。
本実施形態のように、濃度演算部43は、血液中のOHb濃度及び/またはHHb濃度に関する数値から所定の特徴量を抽出し、代謝指標演算部44は、所定の特徴量と代謝の度合いとの予め取得された関係に基づいて、代謝の度合いに関するデータを求めてもよい。同様に、ステップS16において、血液中のOHb濃度及び/またはHHb濃度に関する数値から所定の特徴量を抽出し、ステップS18において、所定の特徴量と代謝の度合いとの予め取得された関係に基づいて、代謝の度合いに関するデータを求めてもよい。この場合、代謝の度合いに関するデータを簡便な演算により精度良く求めることができる。
(実施例)
本発明者は、上記実施形態による代謝測定装置1を用いて3名の被検者の代謝指標を推定するとともに、参考例として、家庭用侵襲式血糖計を用いて同じ被検者の血糖値を測定した。なお、実験条件は下記の通りである。
・糖質を多く含む食品を摂取後、11日にわたって所定の時間間隔で代謝測定装置1及び侵襲式血糖計を用いて測定を実施
・摂取物:コカ・コーラ(登録商標)1000ml
・代謝測定装置1の光計測器10:耳たぶ用パルスオキシメータ
・測定姿勢:仰臥位
図12(a)~(c)それぞれは、3名の被検者それぞれの測定結果を示すグラフである。図12(a)~(c)において、右縦軸は血糖値(単位:mg/dl)を表し、左縦軸は代謝指標(任意単位)を表し、横軸は時間(単位:分)を表す。各図において、グラフG41は代謝測定装置1による結果(右縦軸を参照)を示し、グラフG42は侵襲式血糖計による結果(左縦軸を参照)を示す。図12(a)~(c)を参照すると、代謝測定装置1によって推定した代謝指標の増減の傾向と、実際の血糖値の増減の傾向とが、極めて近似していることがわかる。
図13は、代謝測定装置1によって推定した代謝指標と、実際の血糖値との関係を示すグラフである。図13において、縦軸は代謝指標(任意単位)を表し、横軸は血糖値(単位:mg/dl)を表す。図中のプロットP1は或る被検者の測定結果を示し、図中のプロットP2は別の被検者の測定結果を示し、図中のプロットP3は更に別の被検者の測定結果を示す。図中の直線R1は、プロットP1~P3の回帰直線である。この直線R1の決定係数Rは0.4と大きい。このように、代謝測定装置1によって推定した代謝指標と、実際の血糖値との間には、ほぼ線形な関係が存在することがわかる。
一般的に、血糖値と代謝指標との間には密接な関係がある。上記の実験結果は、上記実施形態の代謝測定装置1が、被検者の代謝指標を精度良く推定できることを示している。
(変形例)
上記実施形態においては、濃度演算部43が、血液中のOHb濃度及び/またはHHb濃度に関する数値から所定の特徴量(最大値、時間平均値、ピーク・ピーク値、時間積分値)を抽出している。この場合、濃度演算部43は、まずOHb濃度及び/またはHHb濃度に関する数値に対してフィルタ処理を行い、フィルタ処理後の数値から所定の特徴量を抽出してもよい。このフィルタ処理に用いられるフィルタは、例えば、微分型フィルタ、積分型フィルタ、移動平均フィルタ、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、及びバンドパスフィルタのうち少なくとも一つである。
ここで、種々のフィルタと特徴量との組み合わせについて検討する。図14は、検討のため模擬的に生成された正弦波状の時間波形であってホワイトノイズが重畳したもの(グラフG51)と、グラフG51に積分型フィルタを施したもの(グラフG52)と、グラフG51に微分型フィルタを施したもの(グラフG53)と、を示すグラフである。図14において、縦軸は信号値(任意単位)を表し、横軸は時間(単位:秒)を表す。図14に示されるように、時間波形にホワイトノイズが重畳している場合、微分型フィルタでは却ってノイズが強調されてしまい、好ましくない。これに対し、積分型フィルタではノイズが効果的にスムージングされていることがわかる。
図15(a)のグラフG61,G62それぞれは、図14のグラフG51,G52それぞれの最大値を抽出した結果を示す。図15(b)のグラフG71,G72それぞれは、図14のグラフG51,G52それぞれのピーク・ピーク値を抽出した結果を示す。図15(c)のグラフG81,G82それぞれは、図14のグラフG51,G52それぞれの時間平均値を抽出した結果を示す。なお、図15(a)~(c)において、縦軸はそれぞれの値を表し、横軸は時間(単位:秒)を表す。図中の破線は理想値を表す。図15(a)~(c)を参照すると、元の時間波形にホワイトノイズが重畳している場合には、いずれの特徴量においても、積分型フィルタの適用により理想値に小さな誤差で収束しており、推定精度が向上していることがわかる。なお、ピーク・ピーク値を特徴量とする場合には、時間平均値を特徴量とする場合と比較して、収束が早くなる。また、時間平均値を特徴量とする場合には、ピーク・ピーク値を特徴量とする場合と比較して、インパルス的なノイズに強くなる。
図16は、検討のため模擬的に生成された正弦波状の時間波形であって低周波のうねりが重畳したもの(グラフG91)と、グラフG91に積分型フィルタを施したもの(グラフG92)と、グラフG91に微分型フィルタを施したもの(グラフG93)と、を示すグラフである。図16において、縦軸は信号値(任意単位)を表し、横軸は時間(単位:秒)を表す。図16に示されるように、時間波形に低周波のうねりが重畳している場合、積分型フィルタでは値が発散してしまい、好ましくない。これに対し、微分型フィルタでは低周波のうねりが効果的に除去されていることがわかる。
図17(a)のグラフG101~G103それぞれは、図16のグラフG91~G93それぞれの最大値を抽出した結果を示す。図17(b)のグラフG111~G113それぞれは、図16のグラフG91~G93それぞれのピーク・ピーク値を抽出した結果を示す。図17(c)のグラフG121~G123それぞれは、図16のグラフG91~G93それぞれの時間平均値を抽出した結果を示す。なお、図17(a)~(c)において、縦軸はそれぞれの値を表し、横軸は時間(単位:秒)を表す。図中の破線は理想値を表す。図17(a)~(c)を参照すると、元の時間波形に低周波のうねりが重畳している場合には、いずれの特徴量においても、微分型フィルタの適用により理想値に早く、且つ小さな誤差で収束しており、推定精度が向上していることがわかる。なお、この場合においても、ピーク・ピーク値を特徴量とする場合には、時間平均値を特徴量とする場合と比較して、収束が早くなる。また、時間平均値を特徴量とする場合には、ピーク・ピーク値を特徴量とする場合と比較して、インパルス的なノイズに強くなる。
本発明による代謝測定装置、代謝算出方法および代謝算出プログラムは、上述した実施形態及び実施例に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では演算部40がスマートデバイス等の本体部30に内蔵されている例を示したが、演算部40は、例えばクラウドサーバーあるいはパーソナルコンピュータなど、本体部30とは別に設けられてもよい。その場合、演算部40は、本体部30と無線あるいはインターネットなどのネットワークにより接続されてもよい。また、上記実施形態では一つの演算部40がNIRS演算部42、濃度演算部43および代謝指標演算部44を含んでいるが、NIRS演算部42、濃度演算部43および代謝指標演算部44のうち少なくとも一つの演算部は、他の演算部と別個に設けられてもよい。
また、上記実施形態ではΔoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbを算出する方法としてMBL法(モディファイド・ベア・ランバート法)を示したが、SRS法(空間分解分光法)など他の近赤外分光法を用いてもよい。
また、上記実施形態では、血管体積の変動成分に関する数値、並びにΔoxy-Hb及びΔdeoxy-Hbの定常成分を用いて代謝の度合いに関するデータを補正しているが、これらに加えて、或いはこれらとは別に、気温、体温、ヘマトクリット値を用いて代謝の度合いに関するデータを補正してもよい。
1…代謝測定装置、10…光計測器、11…光源、12…光検出器、18…ケーブル、21…光源制御部、22…サンプルホールド回路、23…A/D変換回路、24…CPU、25…ディスプレイ、26…ROM、27…RAM、28…データバス、29…コントローラ、30…本体部、31…入力部、40…演算部、41…測定制御部、42…NIRS演算部、43…濃度演算部、44…代謝指標演算部、45…血管体積演算部、50…生体、51…皮膚、411…ダーク計測処理、412…光出力処理、413…光検出処理、421…バッファ、422…NIRS計算処理、423…SpO計算処理、431…濃度計算処理、432…特徴量抽出処理、441…代謝指標推定処理、451…血管体積推定処理、B…血管、L1…測定光。

Claims (20)

  1. 生体の代謝の度合いを測定する代謝測定装置であって、
    前記生体に入力される測定光を出力する光出力部と、
    前記生体の内部を伝播した前記測定光を検出し、前記測定光の強度に応じた検出信号を生成する光検出部と、
    前記検出信号に基づいて、代謝の度合いに関するデータを出力する演算部と、
    を備え、
    前記演算部は、
    前記検出信号に基づいて、血液中の酸素化ヘモグロビン濃度と光路内の血管体積とに依存する、或るタイミングからの時間的相対変化量である第1パラメータと、血液中の脱酸素化ヘモグロビン濃度と光路内の血管体積とに依存する、或るタイミングからの時間的相対変化量である第2パラメータとを求める第1演算部と、
    前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中の酸素化ヘモグロビン濃度に関する第3パラメータ、及び、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中の脱酸素化ヘモグロビン濃度に関する第4パラメータのうち少なくとも一つのパラメータを求める第2演算部と、
    前記少なくとも一つのパラメータに基づいて、前記代謝の度合いに関するデータを求める第3演算部と、
    を有する、代謝測定装置。
  2. 前記第2演算部は、光路内の血管体積が一定であると見なして前記少なくとも一つのパラメータを求める、請求項1に記載の代謝測定装置。
  3. 前記第1パラメータ及び前記第2パラメータから光路内の血管体積の変動成分に関する数値を求める第4演算部を更に備え、
    前記第3演算部は、前記第4演算部により求められた光路内の血管体積の変動成分に関する数値に更に基づいて前記代謝の度合いに関するデータを求める、請求項1に記載の代謝測定装置。
  4. 前記第1パラメータ及び前記第2パラメータの定常成分を抽出する第4演算部を更に備え、
    前記第3演算部は、前記第4演算部により求められた前記第1パラメータ及び前記第2パラメータの定常成分に更に基づいて前記代謝の度合いに関するデータを求める、請求項1に記載の代謝測定装置。
  5. 前記第2演算部は、前記第3パラメータを求める場合、下記の数式(1)に基づいて前記第3パラメータを求め、前記第4パラメータを求める場合、下記の数式(2)に基づいて前記第4パラメータを求める、請求項1~4のいずれか1項に記載の代謝測定装置(但し、SpO2は酸素飽和度、Noxy(t)は前記第1パラメータ、Ndeoxy(t)は前記第2パラメータ、Coxy,ACは前記第3パラメータ、Cdeoxy,ACは前記第4パラメータ、VDCは光路内の血管体積の定常成分、αは定数)。
    Figure 2023069585000033

    Figure 2023069585000034
  6. 前記第3演算部は、前記代謝の度合いと血糖値との予め取得された関係に基づいて前記生体の血糖値を更に求める、請求項1~5のいずれか1項に記載の代謝測定装置。
  7. 前記第2演算部は、前記少なくとも一つのパラメータから所定の特徴量を抽出し、
    前記第3演算部は、前記所定の特徴量と前記代謝の度合いとの予め取得された関係に基づいて前記代謝の度合いに関するデータを求める、請求項1~6のいずれか1項に記載の代謝測定装置。
  8. 前記所定の特徴量は、前記少なくとも一つのパラメータの最大値、時間平均値、ピーク・ピーク値、及び時間積分値のうち少なくとも一つである、請求項7に記載の代謝測定装置。
  9. 生体の代謝の度合いを算出する代謝算出方法であって、
    前記生体における、血液中の酸素化ヘモグロビン濃度と光路内の血管体積とに依存する、或るタイミングからの時間的相対変化量である第1パラメータと、血液中の脱酸素化ヘモグロビン濃度と光路内の血管体積とに依存する、或るタイミングからの時間的相対変化量である第2パラメータとを求める第1演算ステップと、
    前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中の酸素化ヘモグロビン濃度に関する第3パラメータ、及び、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中の脱酸素化ヘモグロビン濃度に関する第4パラメータのうち少なくとも一つのパラメータを求める第2演算ステップと、
    前記少なくとも一つのパラメータに基づいて、前記代謝の度合いに関するデータを求める第3演算ステップと、
    を含む、代謝算出方法。
  10. 前記第2演算ステップでは、光路内の血管体積が一定であると見なして前記少なくとも一つのパラメータを求める、請求項9に記載の代謝算出方法。
  11. 前記第3演算ステップの前に、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータから光路内の血管体積の変動成分に関する数値を求める第4演算ステップを更に含み、
    前記第3演算ステップでは、前記第4演算ステップにおいて求められた光路内の血管体積の変動成分に関する数値に更に基づいて前記代謝の度合いに関するデータを求める、請求項9に記載の代謝算出方法。
  12. 前記第3演算ステップの前に、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータの定常成分を抽出する第4演算ステップを更に含み、
    前記第3演算ステップでは、前記第4演算ステップにおいて求められた前記第1パラメータ及び前記第2パラメータの定常成分に更に基づいて前記代謝の度合いに関するデータを求める、請求項9に記載の代謝算出方法。
  13. 前記第2演算ステップでは、前記第3パラメータを求める場合、下記の数式(3)に基づいて前記第3パラメータを求め、前記第4パラメータを求める場合、下記の数式(4)に基づいて前記第4パラメータを求める、請求項9~12のいずれか1項に記載の代謝算出方法(但し、SpO2は酸素飽和度、Noxy(t)は前記第1パラメータ、Ndeoxy(t)は前記第2パラメータ、Coxy,ACは前記第3パラメータ、Cdeoxy,ACは前記第4パラメータ、VDCは光路内の血管体積の定常成分、αは定数)。
    Figure 2023069585000035

    Figure 2023069585000036
  14. 前記第3演算ステップでは、前記代謝の度合いと血糖値との予め取得された関係に基づいて前記生体の血糖値を更に求める、請求項9~13のいずれか1項に記載の代謝算出方法。
  15. 前記第2演算ステップでは、前記少なくとも一つのパラメータから所定の特徴量を抽出し、
    前記第3演算ステップでは、前記所定の特徴量と前記代謝の度合いとの予め取得された関係に基づいて前記代謝の度合いに関するデータを求める、請求項9~14のいずれか1項に記載の代謝算出方法。
  16. 前記所定の特徴量は、前記少なくとも一つのパラメータの最大値、時間平均値、ピーク・ピーク値、及び時間積分値のうち少なくとも一つである、請求項15に記載の代謝算出方法。
  17. 生体の代謝の度合いを算出する代謝算出プログラムであって、
    前記生体における、血液中の酸素化ヘモグロビン濃度と光路内の血管体積とに依存する、或るタイミングからの時間的相対変化量である第1パラメータと、血液中の脱酸素化ヘモグロビン濃度と光路内の血管体積とに依存する、或るタイミングからの時間的相対変化量である第2パラメータとを求める第1演算ステップと、
    前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中の酸素化ヘモグロビン濃度に関する第3パラメータ、及び、光路内の血管体積の影響が排除された、血液中の脱酸素化ヘモグロビン濃度に関する第4パラメータのうち少なくとも一つのパラメータを求める第2演算ステップと、
    前記少なくとも一つのパラメータに基づいて、前記代謝の度合いに関するデータを求める第3演算ステップと、
    をコンピュータに実行させる、代謝算出プログラム。
  18. 前記第2演算ステップでは、光路内の血管体積が一定であると見なして前記少なくとも一つのパラメータを求める、請求項17に記載の代謝算出プログラム。
  19. 前記第3演算ステップの前に、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータから光路内の血管体積の変動成分に関する数値を求める第4演算ステップを更に含み、
    前記第3演算ステップでは、前記第4演算ステップにおいて求められた光路内の血管体積の変動成分に関する数値に更に基づいて前記代謝の度合いに関するデータを求める、請求項17に記載の代謝算出プログラム。
  20. 前記第3演算ステップの前に、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータの定常成分を抽出する第4演算ステップを更に含み、
    前記第3演算ステップでは、前記第4演算ステップにおいて求められた前記第1パラメータ及び前記第2パラメータの定常成分に更に基づいて前記代謝の度合いに関するデータを求める、請求項17に記載の代謝算出プログラム。
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