JP2019058210A - 酸素飽和度推定装置、酸素飽和度測定装置、酸素飽和度推定プログラム、及び酸素飽和度推定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕測定対象に照射されたN種類(Nは3以上の整数)の波長成分の光を含む照射光の照射強度と、前記測定対象を透過した透過光の受光強度とに基づいて、前記測定対象の酸素飽和度を算出する計算部を備え、前記受光強度は、時間経過に伴う前記測定対象の血液中の血流変化に応じた強度を測定したものであり、前記計算部は、前記照射強度及び前記受光強度に基づいて、前記波長成分それぞれにおける全体吸光度を算出し、前記全体吸光度を、酸素化ヘモグロビンのモル吸光係数とモル濃度との積からなる減衰項と、脱酸素化ヘモグロビンのモル吸光係数とモル濃度との積からなる減衰項と、前記酸素化ヘモグロビン及び前記脱酸素化ヘモグロビン以外の要素による減衰項とのそれぞれの和からなる時間の関数として表した、N種類の波長に対応するN元の連立方程式を解いて、前記酸素化ヘモグロビンのモル濃度と前記脱酸素化ヘモグロビンのモル濃度とを算出し、前記酸素化ヘモグロビンによる減衰項のモル濃度と、前記脱酸素化ヘモグロビンによる減衰項のモル濃度とから前記酸素飽和度を算出することを特徴とする、酸素飽和度推定装置。
〔3〕前記酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビン以外の吸光物質による減衰項は、メラニン、水、及び脂肪からなる群より選ばれる少なくとも一つによる減衰項を含む、〔2〕に記載の酸素飽和度推定装置。
〔4〕前記計算部は、最小二乗法を用いて前記連立方程式を解き、前記連立方程式を解く際に、前記酸素化ヘモグロビンによる減衰項と、前記脱酸素化ヘモグロビンによる減衰項とが時間経過により変化して、前記酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビン以外の吸光物質による減衰項が時間経過により変化しないとして、各減衰項を算出する、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の酸素飽和度推定装置。
〔5〕前記計算部は、前記測定対象についての前記連立方程式を解いて、前記酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビン以外の吸光物質による減衰項を算出することで予め取得し、前記連立方程式を解く際に、前記全体吸光度から、予め取得した前記酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビン以外の吸光物質による減衰項を差し引いて、前記酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビンによる減衰項を算出する〔4〕に記載の酸素飽和度推定装置。
〔7〕前記測定対象が、人又は人以外の動物であり、前記照射部は、前記照射光を前記測定対象の水かき部分に照射し、前記受光部は、前記水かき部分を透過した前記透過光を検出する、〔6〕に記載の酸素飽和度測定装置。
〔8〕前記測定対象において、前記透過光を検出する部位よりも上流側の血管を圧迫して、前記血流変化を生じさせる圧迫部をさらに備える〔6〕又は〔7〕に記載の酸素飽和度測定装置。
ことを特徴とする、酸素飽和度推定プログラム。
本実施形態に係る酸素飽和度測定装置(以降、「測定装置」ともいう。)は、照射部と、受光部と、圧迫部と、酸素飽和度推定装置(以降、「推定装置」ともいう。)とを備えている。推定装置は、測定対象に照射された照射光の照射強度と、測定対象を透過した透過光の受光強度とに基づいて、測定対象の血液中の酸素飽和度を算出する計算部を備える。このとき、照射光は、N種類(Nは3以上の整数)の波長成分の光を含んでいる。すなわち、照射光は、少なくとも3種類の波長成分の光を含んでいる。また、計算部は、時間経過に伴う測定対象の血流変化に応じた強度を測定した受光強度に基づいて、測定対象の酸素飽和度を算出する。
本実施形態に係る酸素飽和度測定装置の構成について、図1,図2を参照して説明する。
[2−1.ハードウェア構成]
図1に示すように、測定装置100は、推定装置200と、これに接続される照射ユニット10、受光ユニット20、及びカフ30を備えている。また、推定装置200は、キーボード、マウス等の入力装置(図示略)をさらに備えている。推定装置200は、例えば、受光ユニット20で得られたデータを処理するためのコンピュータによって構成されている。推定装置200は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)40、メモリ50、表示装置60、及び入出力インターフェース(図示略)を備え、これらがデータを転送するための経路であるバス(図示略)によって接続されている。推定装置200は、入出力インターフェースを介して、照射ユニット10、受光ユニット20、カフ30、及び入力装置と接続されている。
以下、各部の構成を説明する。
照射ユニット10は、測定対象に対して光を照射する照射装置である。照射ユニット10は、第一光源11、第二光源12、第三光源13、第四光源14、第五光源15、及び第六光源16を有している。これらを特に区別しない場合には、「光源11〜16」と総称する。光源11〜16は、特に限定されないが、例えば、LED(Light Emitting Diode)、LD(Laser Diode)、キセノンランプ等のハロゲンランプ、白熱灯等が挙げられる。これらの中でも、酸素飽和度に適した光量と波長を選択でき、小型化に適している観点から、LEDが好ましい。照射ユニット10は、光源11〜16から出射された光をそのまま測定対象に対して照射してもよく、光源11〜16から出射された光を所望の分光特性を有するフィルタと組み合わせて、このフィルタを通過した光を測定対象に対して照射してもよい。また、光源11〜16から出射された光は、例えば、光ファイバ、導光板、レンズ及びミラー等の図示しない導光手段を用いて導光されて、測定対象に照射されるようにしてもよい。
受光ユニット20は、測定対象を透過した透過光を検出する受光装置である。受光ユニット20は、光を検出する検出素子21を有している。検出素子21は、特に限定されないが、例えば、PINフォトダイオード、PN接合・フォトダイオード等のフォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトレジスタ等のフォトディテクタが挙げられる。これらの中でも、フォトダイオードが好ましい。受光ユニット20は、測定対象を透過した透過光を検出して、透過光の受光強度を測定する。そして、受光強度に応じた電流値が受光ユニット20の測定値として出力される。受光ユニット20は、照射ユニット10の光源11〜16の各ピーク波長に応じた、少なくとも6種類の波長の受光強度を測定することが好ましい。
受光ユニット20は、分光器によって検出した透過光から所望の波長の単色光を得ることができる。そして、得られた単色光の受光強度を測定することができる。さらに、分光器によって単色光の波長を変化させることで、透過光の吸収スペクトルを得ることができる。
カフ30は、測定対象に装着されて、その装着部位付近を圧迫して、血流変化を生じさせる圧迫装置である。カフ30は、ポンプ31と、圧力センサ32と、図示しない空気袋(図示略)を有している。この空気袋が装着部位において、その周囲に巻回されることで、カフ30が測定対象に装着される。ポンプ31から空気袋に空気を送り込み膨らませることで、測定対象を圧迫することができる。このとき、圧力センサ32はカフ30内の圧力を検出することで、ポンプ31の動作を制御して、所望のカフ圧で測定対象を圧迫することができるようになっている。透過光を検出する部位が手のひらの水かきである場合には、カフ30の装着部位は、その上流側となる上腕部であることが好ましい。
CPU40は、種々の制御や演算を行なう処理装置であり、メモリ50に格納された後述する本件のプログラムを読み出して実行することにより、種々の機能を実現する。そして、CPU40が、これらのプログラムを実行することにより、図2で示すように、処理部140の各機能手段としてそれぞれ機能する。なお、処理部140における処理機能の実現手段はプログラムに限定されず、推定装置200に搭載されるハードウェアにより実現されてもよい。例えば、処理部140を、ROM,RAM,CPU等を内蔵したワンチップマイコンとして構成してもよいし、あるいは、デジタル回路やアナログ回路といった電子回路として形成してもよい。
メモリ50は、種々のデータやプログラムを格納するデータ記憶装置である。メモリ50は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリや、ROM、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、またはHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Device)等によって実現される。
表示装置60としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Light-Emitting Diode Display)等のディスプレイが用いられる。
図2に示すように、測定装置100を機能的に表すと、照射部110、受光部120、圧迫部130、及び推定装置200を備えて構成される。推定装置200は、処理部140、記憶部150、及び表示部160を備える。
以下、各部の構成を説明する。
照射部110は、照射ユニット10である。本実施形態の照射部110は、6種類の波長成分の光を含む照射光を測定対象に照射する。推定装置200は、照射部110から照射される照射光のタイミングを制御することで、所定の時間又は周期で測定対象に照射光を照射することができる。また、推定装置200は、照射部110から照射される照射光の照射強度を制御することができる。
受光部120は、受光ユニット20である。受光部120は、測定対象を透過した透過光を検出して、透過光の受光強度を測定する。本実施形態の受光部120は、少なくとも照射部110から出射される照射光に応じた種類の波長の受光強度を測定する。受光部120は、受光強度を表す受光信号を推定装置200に出力する。推定装置200は、受光部120で透過光を検出するタイミング及び検出波長を制御することができる。
圧迫部130は、カフ30である。圧迫部130は、測定対象において、透過光を検出する部位よりも血液の上流部分を圧迫して、血流変化を生じさせる。圧迫部130によるカフ30の動作によって、カフ30の装着部位における組織が圧迫されると共に、装着部位における血管が圧迫される。これにより、測定部位へと向かう血管の血流が妨げられて、測定部位へ流れる血液の量が減少する。カフ30の装着部位を圧迫して所定の期間が経過した後に、カフ30による組織及び血管の圧迫を解除することで、血管に血液が流入して、測定部位へと流れる血液の量が圧迫前と同程度にまで回復する。このようにして、測定部位における血流変化を生じさせることができる。推定装置200は、圧迫部130による圧迫のタイミングを制御することで、所定の時間又は周期で測定部位の血流変化を生じさせることができる。また、推定装置200は、圧迫部130によるカフ30の圧力を制御することで、測定部位の血流量を変化させることができる。
また、圧迫部130によるカフ30の圧力は特に限定されないが50mmHg以上、240mmHg以下が好ましい。
記憶部150は、メモリ50を用いてデータを格納している。記憶部150は、受光部120で得られた情報、及び処理部140で信号処理された情報を格納することができる。例えば、記憶部150は、受光部120で測定された受光強度を格納することができる。また、記憶部150は、計算部141で照射強度及び受光強度から算出される吸光度を格納することができる。また、記憶部150は、計算部141で算出される減衰項を格納することができる。また、記憶部150は、CPU40に実行させることで、後述する計算部141としてそれぞれ機能させるプログラムを予め保存する。これらのプログラムをあわせて、本件のプログラム(推定プログラム)と称する。
処理部140は、CPU40で演算処理される機能部位であり、各機能は個別のプログラムとして構成されている。処理部140は、図2で示すように、計算部141として機能する。
〔酸素飽和度の算出について(1)〕
計算部141は、照射光の照射強度と透過光の受光強度とに基づいて、測定対象の酸素飽和度を算出するものである。なお、ここでの受光強度は、圧迫部130によって透過光を検出する部位よりも上流側を圧迫して血流変化を生じさせることで、時間経過に伴う測定対象の血流変化に応じた強度を測定したものが用いられる。
まず、計算部141は、下記式(1)によって、照射光の照射強度と透過光の受光強度とから、全体吸光度Aを求めることができる。
I(λ,t)は、時間tにおける、波長λに対する透過光の受光強度を表す。
I0(λ,t)は、時間tにおける、波長λに対する照射強度を表す。)
εHbO2(λ)は、波長λに対する、酸素化ヘモグロビンのモル吸光係数を表す。
εHb(λ)は、波長λに対する、脱酸素化ヘモグロビンのモル吸光係数を表す。
εmelanin(λ)は、波長λに対する、メラニンのモル吸光係数を表す。
εwater(λ)は、波長λに対する、水のモル吸光係数を表す。
εfat(λ)は、波長λに対する、脂肪のモル吸光係数を表す。
CHbO2(t)は、時間tにおける、酸素化ヘモグロビンのモル濃度を表す。
CHb(t)は、時間tにおける、脱酸素化ヘモグロビンのモル濃度を表す。
Cmelanin(t)は、時間tにおける、メラニンのモル濃度を表す。
Cwater(t)は、時間tにおける、水のモル濃度を表す。
Cfat(t)は、時間tにおける、脂肪のモル濃度を表す。
G(t)は、時間tにおける、散乱光による減衰項を表す。)
εHbO2(λ)、εHb(λ)、εmelanin(λ)、εwater(λ)、εfat(λ)は、上付き文字に記載の第1から第NまでのN個の波長λに対するモル吸光係数をそれぞれ表す。各モル吸光係数の下付文字との対応関係は、式(2)の説明と同様である。
CHbO2(t)、CHb(t)、Cmelanin(t)、Cwater(t)、Cfat(t)、G(t)は、式(2)の説明と同様である。)
上述の通り、計算部141は、他の吸光物質による減衰項が時間経過により変化しないとして、酸素飽和度の算出を行うことが好ましい。このとき、計算部141は、以下に説明するステップ1とステップ2との2ステップにより酸素飽和度の算出を行うことがさらに好ましい。
予め、測定位置の上流部分を圧迫して血流関連成分のみ変化させた状態において、酸素化ヘモグロビンによる減衰項と、脱酸素化ヘモグロビンによる減衰項と、散乱光による減衰項が時間経過により変化して、他の吸光物質(メラニン、水、及び脂肪)による減衰項が、時間変化しないと仮定して、式(2)中の各減衰項を算出する。ここで、酸素化ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビン、メラニン、水、及び脂肪による減衰項は、各減衰項のモル濃度とモル吸光係数との積により得られる。そして、モル吸光係数は時間経過によらず一定と考えられる。このため、計算部141は、最小二乗法を用いて、式(5)のモル濃度Cが最小となる解を算出する際に、酸素化ヘモグロビンによる減衰項のモル濃度と、脱酸素化ヘモグロビンによる減衰項のモル濃度とが時間経過により変化して、メラニン、水、及び脂肪による減衰項のモル濃度が時間経過により変化しないと仮定して、各減衰項のモル濃度を算出する。この際、散乱による減衰は、ヘモグロビンが散乱体としても振舞うことから血流変化による影響を受けると想定している。さらに、算出された各減衰項のモル濃度とモル吸光係数との積から、各減衰項の値を算出することができる。中でも、他の吸光物質による減衰項を算出することが好ましい。
ステップ1以降に測定を行った場合において、照射強度と受光強度に基づいて算出される全体吸光度から、ステップ1で算出された他の吸光物質による減衰項を差し引いて、酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビンによる減衰項を算出する。
なお、ステップ2の手法は、ステップ1で算出された吸光度を用いるものであるが、他の吸光物質による減衰項の値には個人差があるため、通常は、ステップ1で測定した同一人物の減衰項を、ステップ2で用いることができる。
表示部160は、表示装置60である。表示部160は、受光部120で得られた情報、処理部140で信号処理された情報、及び記憶部150に格納される情報等を表示することができる。例えば、表示部160は、受光部120で測定された受光強度を表示することができる。また、表示部160は、計算部141で算出される全体吸光度、及び各減衰項の値、並びに酸素飽和度を表示することができる。
上述した測定装置100及び推定装置200の動作によって行う、本実施形態の酸素飽和度の推定方法について、図10,図11のフローチャートを参照して説明する。ここでは、図10のフローチャートを参照して、上述した計算部141によるステップ1の処理を経て酸素飽和度を算出する場合を例に挙げて説明する。また、図11のフローチャートを参照して、上述した計算部141によるステップ2の処理を経て酸素飽和度を算出する場合を例に挙げて説明する。
まず、圧迫部130によって、測定対象の透過光を検出する部位よりも上流部分を圧迫して、測定部位に血流変化を生じさせる(ステップS101)。
次に、照射部110は、照射光を測定対象の測定部位である水かき部分に照射する(ステップS102)。ここでは、6種類の波長成分の光を含む照射光を照射している。また、照射部110は、推定装置200の制御によって、所望の照射強度の照射光が出射される。
ステップS201〜S203では、ステップS101〜S103と同様にして、上流部分を圧迫して、測定部位に血流変化を生じさせた状態で、照射光の照射と透過光の受光強度の測定を行う。さらに、計算部141は、ステップS104と同様に、照射光の照射強度と、透過光の受光強度に基づいて、照射光の波長成分それぞれにおける全体吸光度を算出する(ステップS204)。
〔1〕推定装置200は、計算部141による演算によって、時間経過に伴う測定対象の血流変化に応じた強度を測定した受光強度及び照射強度に基づいて全体吸光度を算出する。さらに、全体吸光度をヘモグロビンによる減衰項と、ヘモグロビン以外の要素による減衰項との和からなる時間の関数として表した連立方程式を解くことで、酸素化ヘモグロビンのモル濃度と脱酸素化ヘモグロビンのモル濃度とを算出し、酸素飽和度を算出することができる。このように推定装置200では、血流の時間変化を利用することで、測定対象に含まれるヘモグロビン以外の成分の影響を抑えて、酸素飽和度を算出することができる。またこのとき、例えば血流を遮断する程度に圧迫を加えることや、そのための圧迫の制御、または測定部位における圧迫を要求するものではない。したがって、測定に伴って測定部位に及ぼされる影響が抑えられたものとなり、酸素飽和度の推定精度を向上させることができる。
測定装置100及び推定装置200は、測定対象を透過した透過光の強度を測定することによって、被検体(測定対象)の酸素飽和度の測定に用いられる。測定対象は特に限定されないが、例えば、人や、人以外の動物等が挙げられる。
上記の実施形態では、圧迫部130として、カフ30を用いて測定部位の上流部分で圧迫を行い、血流変化を生じさせる場合を例に挙げて説明した。圧迫部130はこれに限定されない。例えば、測定部位の上流部分を手で抑えたり、駆血帯を巻きつけたりすることで圧迫し、血流変化を生じさせてもよい。
200 酸素飽和度推定装置
10 照射ユニット
20 受光ユニット
30 カフ
110 照射部
120 受光部
130 圧迫部
140 処理部
Claims (10)
- 測定対象に照射されたN種類(Nは3以上の整数)の波長成分の光を含む照射光の照射強度と、前記測定対象を透過した透過光の受光強度とに基づいて、前記測定対象の血液中の酸素飽和度を算出する計算部を備え、
前記受光強度は、時間経過に伴う前記測定対象の血流変化に応じた強度を測定したものであり、
前記計算部は、
前記照射強度及び前記受光強度に基づいて、前記波長成分それぞれにおける全体吸光度を算出し、
前記全体吸光度を、酸素化ヘモグロビンのモル吸光係数とモル濃度との積からなる減衰項と、脱酸素化ヘモグロビンのモル吸光係数とモル濃度との積からなる減衰項と、前記酸素化ヘモグロビン及び前記脱酸素化ヘモグロビン以外の要素による減衰項とのそれぞれの和からなる時間の関数として表した、N種類の波長に対応するN元の連立方程式を解いて、前記酸素化ヘモグロビンのモル濃度と前記脱酸素化ヘモグロビンのモル濃度とを算出し、
前記酸素化ヘモグロビンによる減衰項のモル濃度と、前記脱酸素化ヘモグロビンによる減衰項のモル濃度とから前記酸素飽和度を算出する
ことを特徴とする、酸素飽和度推定装置。 - 前記酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビン以外の要素による減衰項は、前記酸素化ヘモグロビン及び前記脱酸素化ヘモグロビン以外の吸光物質による減衰項と、散乱光による減衰項とを含む、
請求項1に記載の酸素飽和度推定装置。 - 前記酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビン以外の吸光物質による減衰項は、メラニン、水、及び脂肪からなる群より選ばれる少なくとも一つによる減衰項を含む、
請求項2に記載の酸素飽和度推定装置。 - 前記計算部は、
最小二乗法を用いて前記連立方程式を解き、
前記連立方程式を解く際に、前記酸素化ヘモグロビンによる減衰項と、前記脱酸素化ヘモグロビンによる減衰項とが時間経過により変化して、前記酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビン以外の吸光物質による減衰項が時間経過により変化しないとして、各減衰項を算出する、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸素飽和度推定装置。 - 前記計算部は、
前記測定対象についての前記連立方程式を解いて、前記酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビン以外の吸光物質による減衰項を算出することで予め取得し、
前記連立方程式を解く際に、前記全体吸光度から、予め取得した前記酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビン以外の吸光物質による減衰項を差し引いて、前記酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビンによる減衰項を算出する請求項4に記載の酸素飽和度推定装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の酸素飽和度推定装置と、
前記照射光を前記測定対象に照射する照射部と、
前記透過光を検出して、前記透過光の受光強度を測定する受光部とを備える
ことを特徴とする、酸素飽和度測定装置。 - 前記測定対象が、人又は人以外の動物であり、
前記照射部は、前記照射光を前記測定対象の水かき部分に照射し、
前記受光部は、前記水かき部分を透過した前記透過光を検出する、
請求項6に記載の酸素飽和度測定装置。 - 前記測定対象において、前記透過光を検出する部位よりも上流側の血管を圧迫して、前記血流変化を生じさせる圧迫部をさらに備える
請求項6又は7に記載の酸素飽和度測定装置。 - コンピュータを、
測定対象に照射されたN種類(Nは3以上の整数)の波長成分の光を含む照射光の照射強度と、前記測定対象を透過した透過光の受光強度とに基づいて、前記測定対象の血液中の酸素飽和度を算出する計算部として機能させ、
前記受光強度は、時間経過に伴う前記測定対象の血流変化に応じた強度を測定したものであり、
前記計算部は、
前記照射強度及び前記受光強度に基づいて、前記波長成分それぞれにおける全体吸光度を算出し、
前記全体吸光度を、酸素化ヘモグロビンのモル吸光係数とモル濃度との積からなる減衰項と、脱酸素化ヘモグロビンのモル吸光係数とモル濃度との積からなる減衰項と、酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビン以外の要素による減衰項とのそれぞれの和からなる時間の関数として表した、N種類の波長に対応するN元の連立方程式を解いて、前記酸素化ヘモグロビンのモル濃度と前記脱酸素化ヘモグロビンのモル濃度とを算出し、
前記酸素化ヘモグロビンによる減衰項のモル濃度と、前記脱酸素化ヘモグロビンによる減衰項のモル濃度とから前記酸素飽和度を算出する、
ことを特徴とする、酸素飽和度推定プログラム。 - 測定対象に照射されたN種類(Nは3以上の整数)の波長成分の光を含む照射光の照射強度と、前記測定対象を透過した透過光の、時間経過に伴う前記測定対象の血流変化に応じた強度を測定した受光強度に基づいて、前記波長成分それぞれにおける全体吸光度を算出するステップと、
前記全体吸光度を、酸素化ヘモグロビンのモル吸光係数とモル濃度との積からなる減衰項と、脱酸素化ヘモグロビンのモル吸光係数とモル濃度との積からなる減衰項と、酸素化ヘモグロビン及び脱酸素化ヘモグロビン以外の要素による減衰項とのそれぞれの和からなる時間の関数として表した、N種類の波長に対応するN元の連立方程式を解いて、前記酸素化ヘモグロビンのモル濃度と前記脱酸素化ヘモグロビンのモル濃度とを算出するステップと、
前記酸素化ヘモグロビンによる減衰項のモル濃度と、前記脱酸素化ヘモグロビンによる減衰項のモル濃度とから酸素飽和度を算出するステップとを備える、
ことを特徴とする、酸素飽和度推定方法。
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