JP2016187539A - 生体情報測定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】パルスフォトメータの原理を用いて血中吸光物質の濃度を算出する生体情報測定システムを提供する。
【解決手段】発光部10は、第一波長λ1を含む第一の光、および第二波長λ2を含む第二の光を出射し受光部20は、被検者の生体組織2を透過または反射した第一の光の受光強度I1および第二の光の受光強度I2に応じて、それぞれ第一信号S1および第二信号S2を出力する。処理期間設定部30は、第一信号S1と第二信号S2の一方について被検者の心周期に対応する信号周期を抽出し、信号周期内における生体組織2への動脈血の流入の影響が支配的な第一部分、生体組織2からの静脈血の流出の影響が支配的な第二部分の一方について、処理期間を設定する。濃度算出部50は、第一変化量ΔA1と第二変化量ΔA2に基づいて、被検者の血中吸光物質の濃度Cを算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体情報を測定するシステムに関する。
この種のシステムを構成する装置の一例として、パルスフォトメータが知られている。パルスフォトメータは、被検者の生体情報の一例である血中吸光物質濃度を算出する装置として知られている。具体的には、複数の波長の光が、被検者の生体組織に照射される。当該複数の波長は、当該血中吸光物質濃度によって血液の吸光係数の比が異なる波長の組合せとして定められる。当該生体組織を透過または反射した各波長の光量が検出される。各波長の光量は、当該被検者の血液の脈動によって変化する。したがって、脈動に起因する各波長の光量の経時変化が、脈波信号として取得される。各波長に係る脈波信号の振幅は、当該波長に係る減光度変化量に対応する。血中吸光物質濃度は、各波長に係る減光度変化量の比に基づいて算出される(例えば、特許文献1を参照)。
血中吸光物質濃度の例としては、動脈血酸素飽和度が知られている。動脈血酸素飽和度は、酸素運搬が可能なヘモグロビン量に対する酸素化ヘモグロビンの割合を示している。すなわち、酸素化ヘモグロビンは、血中吸光物質の一例である。他の血中吸光物質の例としては、生体組織の循環時間を測定するために血流中に投与される指示薬としての色素が挙げられる。
特公昭53−026437号公報
本発明は、パルスフォトメータの原理を用いて様々な生体情報を簡易に測定することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明がとりうる第一の態様は、生体情報測定システムであって、
第一波長を含む第一の光、および第二波長を含む第二の光を出射する発光部と、
被検者の生体組織を透過または反射した前記第一の光の受光強度および前記第二の光の受光強度に応じて、それぞれ第一信号および第二信号を出力する受光部と、
前記第一信号と前記第二信号の一方について前記被検者の心周期に対応する信号周期を抽出し、当該信号周期内における前記生体組織への動脈血の流入の影響が支配的な第一部分、および前記生体組織からの静脈血の流出の影響が支配的な第二部分の一方について、処理期間を設定する処理期間設定部と、
前記処理期間における前記第一信号に基づいて、前記第一の光の減光度変化量に対応する第一変化量を取得する第一変化量取得部と、
前記処理期間における前記第二信号に基づいて、前記第二の光の減光度変化量に対応する第二変化量を取得する第二変化量取得部と、
前記第一変化量と前記第二変化量に基づいて、前記被検者の血中吸光物質の濃度を算出する濃度算出部と、
前記濃度を出力する出力部と、
を備えている。
前記血中吸光物質の例としては、酸素化ヘモグロビン、還元ヘモグロビン、色素などが挙げられる。
このような構成によれば、受光部における受光強度に対応する信号より得られる被検者の心周期に対応する信号周期が、生体組織へ流入する動脈血の影響が支配的な部分と、生体組織から流出する静脈血の影響が支配的な部分とに区分される。そして、両部分の一方についてのみ処理期間が設定され、各波長の光の減光度変化量が取得される。処理期間は、必然的に、被検者の心臓の拡張期または収縮期よりも短い時間となる。すなわち、被検者の血中吸光物質濃度を、演算負荷を抑制しつつ高速に算出できる。したがって、パルスフォトメータの原理を用いて生体情報を簡易に測定できる。
上記第一の態様に係る生体情報測定システムは、以下のように構成されうる。
前記第一信号と前記第二信号の前記一方を微分することにより微分信号を取得する微分信号取得部を備えており、
前記処理期間設定部は、前記微分信号の最小値に基づいて、前記第一部分に前記処理期間を設定する。
このような構成によれば、第一信号または第二信号を微分するという簡易な処理のみで、生体組織への動脈血の流入の影響が最も支配的になる特徴点に処理期間を設定できる。したがって、パルスフォトメータの原理を用いて生体情報を簡易に測定可能である上記構成の効果を高めることができる。
または、上記第一の態様に係る生体情報測定システムは、以下のように構成されうる。
前記第一信号と前記第二信号の前記一方を微分することにより微分信号を取得する微分信号取得部を備えており、
前記処理期間設定部は、前記微分信号の最大値に基づいて、前記第二部分に前記処理期間を設定する。
このような構成によれば、第一信号または第二信号を微分するという簡易な処理のみで、生体組織からの静脈血の流出の影響が最も支配的になる特徴点に処理期間を設定できる。したがって、パルスフォトメータの原理を用いて生体情報を簡易に測定可能である上記構成の効果を高めることができる。
上記の目的を達成するために、本発明がとりうる第二の態様は、生体情報測定システムであって、
第一波長を有する第一の光、および第二波長を有する第二の光を出射する発光部と、
被検者の生体組織を透過または反射した前記第一の光の受光強度および前記第二の光の受光強度に応じて、それぞれ第一信号および第二信号を出力する受光部と、
前記第一信号と前記第二信号のそれぞれについて前記被検者の心周期に対応する信号周期を抽出し、当該信号周期内における前記生体組織への動脈血の流入の影響が支配的な第一部分に第一処理期間を設定し、当該信号周期内における前記生体組織からの静脈血の流出の影響が支配的な第二部分に第二処理期間を設定する処理期間設定部と、
前記第一処理期間における前記第一信号に基づいて、前記第一処理期間における前記第一の光の減光度変化量に対応する第一変化量を取得する第一変化量取得部と、
前記第一処理期間における前記第二信号に基づいて、前記第一処理期間における前記第二の光の減光度変化量に対応する第二変化量を取得する第二変化量取得部と、
前記第一変化量と前記第二変化量に基づいて、前記第一処理期間における前記被検者の血中吸光物質の濃度に対応する第一濃度を算出する第一濃度算出部と、
前記第二処理期間における前記第一信号に基づいて、前記第二処理期間における前記第一の光の減光度変化量に対応する第三変化量を取得する第三変化量取得部と、
前記第二処理期間における前記第二信号に基づいて、前記第二処理期間における前記第二の光の減光度変化量に対応する第四変化量を取得する第四変化量取得部と、
前記第三変化量と前記第四変化量に基づいて、前記第二処理期間における前記被検者の前記血中吸光物質の濃度に対応する第二濃度を算出する第二濃度算出部と、
前記第一濃度と前記第二濃度に基づいて、前記生体組織における血液の循環時間を算出する循環時間算出部と、
前記第一濃度、前記第二濃度、および前記循環時間の少なくとも一つを出力する出力部と、
を備えている。
前記血中吸光物質の例としては、酸素化ヘモグロビン、還元ヘモグロビン、色素などが挙げられる。
このような構成によれば、受光部における受光強度に対応する信号より得られる被検者の心周期に対応する信号周期が、生体組織へ流入する動脈血の影響が支配的な部分と、生体組織から流出する静脈血の影響が支配的な部分とに区分される。そして、両部分について各波長の光の減光度変化量が取得されることにより、経時変化特性が異なる二種の血中吸光物質濃度が取得される。これにより、侵襲を伴わないパルスフォトメータの原理を用いながらも、生体組織における血液の循環時間が算出されうる。第一処理期間と第二処理期間は、必然的に、被検者の心臓の拡張期または収縮期よりも短い時間となる。すなわち、被検者の血中吸光物質濃度および血液の循環時間を、演算負荷を抑制しつつ高速に算出できる。したがって、パルスフォトメータの原理を用いて生体情報を簡易に測定できる。
上記第二の態様に係る生体情報測定システムは、以下のように構成されうる。
前記循環時間算出部は、前記第一濃度が最大値をとる時刻と前記第二濃度が最大値をとる時刻の時間差に基づいて、前記循環時間を算出する。
または、上記第二の態様に係る生体情報測定システムは、以下のように構成されうる。
前記循環時間算出部は、前記第一濃度が閾値を上回る時刻と、前記第二濃度が当該閾値を上回る時刻との時間差に基づいて、前記循環時間を算出する。
または、上記第二の態様に係る生体情報測定システムは、以下のように構成されうる。
前記循環時間算出部は、前記第一濃度の経時変化より得られる第一平均循環時間と、前記第二濃度の経時変化より得られる第二平均循環時間との差分に基づいて、前記循環時間を算出する。
または、上記第二の態様に係る生体情報測定システムは、以下のように構成されうる。
前記循環時間算出部は、前記第一濃度と前記第二濃度の相互相関関数に基づいて、前記循環時間を算出する。
上記第二の態様に係る生体情報測定システムは、以下のように構成されうる。
前記被検者が吸入する空気を供給する空気回路と、
前記空気に含まれる酸素の濃度を調節する酸素濃度調節部と、
を備えている。
このような構成によれば、被検者が吸入する空気に含まれる酸素濃度を変化させることにより、生体組織を通過する血液の動脈血酸素飽和度を変化させることができる。すなわち、血流への指示薬の投与を必要とすることなく、パルスオキシメータの原理を用いて、被検者の生体組織における血液の循環時間を測定できる。したがって、パルスフォトメータの原理を用いて、被検者の生体情報をより簡易に測定できる。
上記第二の態様に係る生体情報測定システムは、以下のように構成されうる。
前記生体組織よりも血流の上流側を圧迫できるように、前記被検者に装着可能とされたカフと、
前記カフの圧力を制御可能な圧力制御部と、
を備えている。
このような構成によれば、カフによる圧迫で血流を止めることにより、生体組織を通過する血液の動脈血酸素飽和度を変化させることができる。すなわち、血流への指示薬の投与を必要とすることなく、パルスオキシメータの原理を用いて、被検者の生体組織における血液の循環時間を測定できる。したがって、パルスフォトメータの原理を用いて、被検者の生体情報をより簡易に測定できる。
上記第二の態様に係る生体情報測定システムは、以下のように構成されうる。
前記循環時間の値が所定の範囲外である場合に報知を行なう報知部を備えている。
このような構成によれば、報知部による報知を通じて、末梢循環不全の判断を支援できる。例えば、循環時間の値が所定の範囲を下回る場合、敗血症の病態を疑うことが可能である。
上記の目的を達成するために、本発明がとりうる第三の態様は、生体情報測定システムであって、
第一波長を有する第一の光、および第二波長を有する第二の光を出射する発光部と、
被検者の生体組織を透過または反射した前記第一の光の受光強度および前記第二の光の受光強度に応じて、それぞれ第一信号および第二信号を出力する受光部と、
前記第一信号と前記第二信号の相関係数を取得する相関係数取得部と、
前記相関係数の経時変化に基づいて、前記生体組織における血液の循環時間を算出する循環時間算出部と、
前記循環時間を出力する出力部と、
を備えている。
このような構成によれば、血流への指示薬の投与を必要とすることなく、パルスオキシメータの原理を用いて、被検者の生体組織における血液の循環時間を測定できる。さらに、第一信号と第二信号の相関係数を取得するという簡易な処理で循環時間を算出できる。したがって、パルスフォトメータの原理を用いて、被検者の生体情報をより簡易に測定できる。
上記第三の態様に係る生体情報測定システムは、以下のように構成されうる。
前記循環時間の値が所定の範囲外である場合に報知を行なう報知部を備えている。
このような構成によれば、報知部による報知を通じて、末梢循環不全の判断を支援できる。例えば、循環時間の値が所定の範囲を下回る場合、敗血症の病態を疑うことが可能である。
第一実施形態に係る生体情報測定システムの構成を示すブロック図である。 図1の生体情報測定システムが行なう処理を説明する図である。 第二実施形態に係る生体情報測定システムの構成を示すブロック図である。 図3の生体情報測定システムが行なう処理を説明する図である。 図3の生体情報測定システムが行なう処理を説明する図である。 図3の生体情報測定システムが行なう処理を説明する図である。 第三実施形態に係る生体情報測定システムの構成を示すブロック図である。 図7の生体情報測定システムが行なう処理を説明する図である。 図7の生体情報測定システムが行なう処理を説明する図である。
添付の図面を参照しつつ、実施形態の例を以下詳細に説明する。
図1は、第一実施形態に係る生体情報測定システム1(以下、測定システム1と略称する)の機能構成を示すブロック図である。
測定システム1は、発光部10を備えている。発光部10は、第一波長λ1を含む第一の光と第二波長λ2を含む第二の光を出射するように構成されている。第一波長λ1の例としては、880nmや940nmが挙げられる。第二波長λ2の例としては、660nmや805nmが挙げられる。第一の光は、例えば半導体発光素子より出射される。第二の光は、例えば半導体発光素子より出射される。半導体発光素子の例としては、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード、有機EL素子などが挙げられる。
第一波長λ1と第二波長λ2は、濃度を算出しようとする血中吸光物質の種別に応じて適宜に定められる。血中吸光物質の例としては、酸素化ヘモグロビンや、血流中に投与される色素(インドシアニングリーンなど)が挙げられる。具体的には、当該血中吸光物質の濃度によって血液の吸光係数の比が実質的に異なる組合せとなるように各波長が決定される。
測定システム1は、受光部20を備えている。受光部20は、被検者の生体組織2を透過または反射した第一の光の強度I1に応じて、第一信号S1を出力するように構成されている。また、受光部20は、当該生体組織2を透過または反射した第二の光の強度I2に応じて、第二信号S2を出力するように構成されている。受光部20は、例えば、第一波長λ1と第二波長λ2に感度を有する光センサである。光センサの例としては、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトレジスタなどが挙げられる。
測定システム1は、処理期間設定部30を備えている。処理期間設定部30は、第一信号S1と第二信号S2の一方について被検者の心周期に対応する信号周期を抽出し、当該信号周期内における生体組織2への動脈血の流入の影響が支配的な第一部分、および生体組織2からの静脈血の流出の影響が支配的な第二部分の一方について、処理期間を設定するように構成されている。
第一信号S1について上記の処理を行なう場合について、図2の(A)を参照しつつ説明する。同図に示された波形は、第一信号S1の強度の経時変化に対応している。前述のように、第一信号S1の強度は、受光部20における第一の光の強度I1に対応している。したがって、同図において、横軸は時間を示している。縦軸は、第一の光の強度I1の対数値を示している。処理期間設定部30は、所定のサンプリング周期ごとに第一信号S1の強度を取得するように構成されている。波形に沿って示された複数の小さな丸の各々は、各サンプリング時点において取得された第一信号S1の強度を示している。
同図において、上記対数値の極大値はIdiaとして示され、上記対数値の極小値はIsysとして示されている。上記対数値が極大値Idiaをとる時点は、tdiaとして示されている。上記対数値が極小値Isysをとる時点は、tsysとして示されている。処理期間設定部30は、時点tdiaから時点tdiaまでの時間、あるいは時点tsysから時点tsysまでの時間を、被検者の心周期に対応する信号周期とみなすように構成されている。
この信号周期のうち、第一の光の強度I1が減少する時点tdiaから時点tsysまでの部分T1(第一部分の一例)は、生体組織2への動脈血の流入の影響が支配的である。また、この信号周期のうち、第一の光の強度I1が増加する時点tsysから時点tdiaまでの部分T2(第二部分の一例)は、生体組織2からの静脈血の流出が支配的である。処理期間設定部30は、部分T1と部分T2の一方について、後述する減光度変化量を取得するための処理期間を設定するように構成されている。当該処理期間は、部分T1と部分T2の各々よりも短い期間であって、サンプリング周期の少なくとも一回分として定められる。同図において、部分T1について設定された処理期間は、tinとして示されている。部分T2について設定された処理期間は、toutとして示されている。
図示を省略するが、処理期間設定部30は、第二信号S2についても同じ処理を実行可能に構成されている。処理が適用される信号は、濃度を算出しようとする血中吸光物質の種別に応じて適宜に定められる。
測定システム1は、第一変化量取得部41を備えている。第一変化量取得部41は、処理期間設定部30により設定された処理期間における第一信号S1(T)に基づいて、第一の光の減光度変化量に対応する第一変化量ΔA1を取得するように構成されている。
処理期間設定部30により設定された処理期間が第一部分T1におけるtinである場合、第一変化量ΔA1は、次式により求められる。

ΔA1=log[I1(t1)/I1(t2)]
=log[I1(t1)]−log[I1(t2)]

ここで、t1は処理期間tinの始点を表しており、t2は処理期間tinの終点を表している。
処理期間設定部30により設定された処理期間が第二部分T2におけるtoutである場合、第一変化量ΔA1は、次式により求められる。

ΔA1=log[I1(t4)/I1(t3)]
=log[I1(t4)]−log[I1(t3)]

ここで、t3は処理期間toutの始点を表しており、t4は処理期間toutの終点を表している。
測定システム1は、第二変化量取得部42を備えている。第二変化量取得部42は、処理期間設定部30により設定された処理期間における第二信号S2(T)に基づいて、第二の光の減光度変化量に対応する第二変化量ΔA2を取得するように構成されている。
処理期間設定部30により設定された処理期間が第一部分T1におけるtinである場合、第二変化量ΔA2は、次式により求められる。

ΔA2=log[I2(t1)/I2(t2)]
=log[I2(t1)]−log[I2(t2)]

ここで、t1は処理期間tinの始点を表しており、t2は処理期間tinの終点を表している。
処理期間設定部30により設定された処理期間が第二部分T2におけるtoutである場合、第二変化量ΔA2は、次式により求められる。

ΔA2=log[I2(t4)/I2(t3)]
=log[I2(t3)]−log[I2(t3)]

ここで、t3は処理期間toutの始点を表しており、t4は処理期間toutの終点を表している。
測定システム1は、濃度算出部50を備えている。濃度算出部50は、第一変化量取得部41により取得された第一変化量ΔA1と第二変化量取得部42により取得された第二変化量ΔA2に基づいて、被検者の血中吸光物質濃度Cを算出するように構成されている。具体的には、濃度算出部50は、第一変化量ΔA1と第二変化量ΔA2の比である変化量比Φを算出するように構成されている。血中吸光物質濃度Cは、変化量比Φの関数として、次式で与えられる。関数fは、血中吸光物質により異なる。

C=f(Φ)
血中吸光物質濃度として動脈血酸素飽和度を算出する場合、酸素運搬が可能なヘモグロビン量に対する酸素化ヘモグロビンの割合を求めていることになる。当該割合が増えるに伴い、還元ヘモグロビンの割合は減少する。すなわち、動脈血酸素飽和度を算出する場合、還元ヘモグロビンを血中吸光物質濃度とみなしているとも言える。
測定システム1は、出力部60を備えている。出力部60は、濃度算出部50により算出された濃度Cを出力するように構成されている。出力部60は、様々な態様をとりうる。例えば、出力部60は、濃度Cを視認可能に出力する表示部とされうる。あるいは、出力部60は、濃度Cを音声として出力するように構成されうる。あるいは、出力部60は、濃度Cを示す信号を外部に出力可能な端子として構成されうる。
本実施形態においては、受光部20における受光強度に対応する信号より得られる被検者の心周期に対応する信号周期が、生体組織2へ流入する動脈血の影響が支配的な部分と、生体組織2から流出する静脈血の影響が支配的な部分とに区分されている。そして、両部分の一方についてのみ処理期間が設定され、各波長の光の減光度変化量が取得される。処理期間は、必然的に、被検者の心臓の拡張期または収縮期よりも短い時間となる。すなわち、被検者の血中吸光物質濃度を、演算負荷を抑制しつつ高速に算出できる。したがって、パルスフォトメータの原理を用いて生体情報を簡易に測定できる。
図1に破線で示すように、測定システム1は、微分信号取得部31を備えうる。微分信号取得部31は、処理期間設定部30が処理期間の設定を行なう第一信号S1と第二信号S2の一方を微分することにより、微分信号を取得するように構成されている。同図においては、第一信号S1の微分信号がDS1で示され、第二信号S2の微分信号がDS2で示されている。
図2の(B)を参照しつつ、第一信号S1より微分信号DS1を取得する場合について説明する。同図に示された波形は、微分信号DS1の強度の経時変化に対応している。前述のように、微分信号DS1の強度は、受光部20における第一の光の強度I1の微分値に対応している。したがって、同図において、横軸は時間を示している。縦軸は、第一の光の強度I1の対数値の微分値を示している。
同図において、上記微分値の最大値はDIdiaとして示され、上記微分値の最小値はDIsysとして示されている。微分値は、第一の光が通過する血液量の変化量、すなわち血流量に対応する。したがって、微分値の最小値DIsysは、動脈血の流入量が静脈血の流出量に対して最も大きくなる点を意味している。微分値の最大値DIdiaは、静脈血の流出量が動脈血の流入量に対して最も大きくなる点を意味している。
この場合、処理期間設定部30は、微分値の最小値DIsysに対応する微分信号DS1の最小値に基づいて、心周期の第一部分T1に処理期間tinを設定するように構成されている。例えば、処理期間tinは、部分T1よりも短い期間であって、微分信号DS1の最小値に対応する時点から始まる第一信号S1のサンプリング周期の少なくとも一回分として定められる。
このような構成によれば、第一信号S1を微分するという簡易な処理のみで、生体組織2への動脈血の流入の影響が最も支配的になる特徴点に処理期間tinを設定できる。したがって、パルスフォトメータの原理を用いて生体情報を簡易に測定可能である上記構成の効果を高めることができる。
あるいは、処理期間設定部30は、微分値の最大値DIdiaに対応する微分信号DS1の最大値に基づいて、心周期の第二部分T2に処理期間toutを設定するように構成されている。例えば、処理期間toutは、部分T2よりも短い期間であって、微分信号DS1の最大値に対応する時点から始まる第一信号S1のサンプリング周期の少なくとも一回分として定められる。
このような構成によれば、第一信号S1を微分するという簡易な処理のみで、生体組織2からの静脈血の流出の影響が最も支配的になる特徴点に処理期間toutを設定できる。したがって、パルスフォトメータの原理を用いて生体情報を簡易に測定可能である上記構成の効果を高めることができる。
図示を省略するが、微分信号取得部31は、第二信号S2についても同じ処理を実行可能に構成されている。処理が適用される信号は、濃度を算出しようとする血中吸光物質の種別に応じて適宜に定められる。
測定システム1において、処理期間設定部30、微分信号取得部31、第一変化量取得部41、第二変化量取得部42、および濃度算出部50の機能は、通信可能に接続されたプロセッサとメモリの協働により実行されるソフトウェアにより実現されている。プロセッサの例としては、CPUやMPUが挙げられる。メモリの例としては、RAMやROMが挙げられる。しかしながら、処理期間設定部30、微分信号取得部31、第一変化量取得部41、第二変化量取得部42、および濃度算出部50の少なくとも一つの機能は、回路素子などのハードウェアにより、あるいはハードウェアとソフトウェアの組合せにより実現されうる。
図3は、第二実施形態に係る生体情報測定システム101(以下、測定システム101と略称する)の機能構成を示すブロック図である。第一実施形態に係る測定システム1と実質的に同一の構成または機能を有する要素については、同一の参照符号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
測定システム101は、処理期間設定部130を備えている。処理期間設定部130は、第一信号S1と第二信号S2のそれぞれについて被検者の心周期に対応する信号周期を抽出するように構成されている。第一信号S1について上記の処理を行なう場合について、図4の(A)を参照しつつ説明する。同図は、図2の(A)に示したものと同一であるため、繰り返しとなる説明は省略する。処理期間設定部130は、第二信号S2についても同じ処理を実行可能に構成されている。
処理期間設定部130は、時点tdiaから時点tdiaまでの時間、あるいは時点tsysから時点tsysまでの時間を、被検者の心周期に対応する信号周期とみなすように構成されている。処理期間設定部130は、当該信号周期内における生体組織2への動脈血の流入の影響が支配的な第一部分T1に第一処理期間tinを設定し、生体組織2からの静脈血の流出の影響が支配的な第二部分T2に第二処理期間toutを設定するように構成されている。当該処理期間は、部分T1と部分T2の各々よりも短い期間であって、サンプリング周期の少なくとも一回分として定められる。
第一処理期間と第二処理期間の設定に際しては、第一実施形態に係る測定システム1を参照して説明した微分信号取得部31の構成と機能を適用できる。
測定システム101は、第一変化量取得部141を備えている。第一変化量取得部141は、処理期間設定部130により設定された第一処理期間tinにおける第一信号S1(T1)に基づいて、第一処理期間tinにおける第一の光の減光度変化量に対応する第一変化量ΔA1を取得するように構成されている。第一変化量ΔA1は、次式により求められる。

ΔA1=log[I1(t1)/I1(t2)]
=log[I1(t1)]−log[I1(t2)]

ここで、t1は第一処理期間tinの始点を表しており、t2は第一処理期間tinの終点を表している。
測定システム101は、第二変化量取得部142を備えている。第二変化量取得部142は、処理期間設定部130により設定された第一処理期間tinにおける第二信号S2(T1)に基づいて、第一処理期間tinにおける第二の光の減光度変化量に対応する第二変化量ΔA2を取得するように構成されている。第二変化量ΔA2は、次式により求められる。

ΔA2=log[I2(t1)/I2(t2)]
=log[I2(t1)]−log[I2(t2)]

ここで、t1は第一処理期間tinの始点を表しており、t2は第一処理期間tinの終点を表している。
測定システム101は、第三変化量取得部143を備えている。第三変化量取得部143は、処理期間設定部130により設定された第二処理期間toutにおける第一信号S1(T2)に基づいて、第二処理期間toutにおける第一の光の減光度変化量に対応する第三変化量ΔA3を取得するように構成されている。第三変化量ΔA3は、次式により求められる。

ΔA3=log[I1(t4)/I1(t3)]
=log[I1(t4)]−log[I1(t3)]

ここで、t3は第二処理期間toutの始点を表しており、t4は第二処理期間toutの終点を表している。
測定システム101は、第四変化量取得部144を備えている。第四変化量取得部144は、処理期間設定部130により設定された第二処理期間toutにおける第二信号S2(T2)に基づいて、第二処理期間toutにおける第二の光の減光度変化量に対応する第四変化量ΔA4を取得するように構成されている。第四変化量ΔA4は、次式により求められる。

ΔA4=log[I2(t4)/I2(t3)]
=log[I2(t3)]−log[I2(t3)]

ここで、t3は処理期間toutの始点を表しており、t4は処理期間toutの終点を表している。
測定システム101は、第一濃度算出部151を備えている。第一濃度算出部151は、第一変化量取得部141により取得された第一変化量ΔA1と第二変化量取得部142により取得された第二変化量ΔA2に基づいて、第一処理期間tinにおける被検者の血中吸光物質濃度に対応する第一濃度C1を算出するように構成されている。具体的には、第一濃度算出部151は、第一変化量ΔA1と第二変化量ΔA2の比である第一変化量比Φinを算出するように構成されている。第一濃度C1は、第一変化量比Φinの関数として、次式で与えられる。関数f1は、血中吸光物質により異なる。

C1=f1(Φin
測定システム101は、第二濃度算出部152を備えている。第二濃度算出部152は、第三変化量取得部143により取得された第三変化量ΔA3と第四変化量取得部144により取得された第四変化量ΔA4に基づいて、第二処理期間toutにおける被検者の血中吸光物質濃度に対応する第二濃度C2を算出するように構成されている。具体的には、第二濃度算出部152は、第三変化量ΔA3と第四変化量ΔA4の比である第二変化量比Φoutを算出するように構成されている。第二濃度C2は、第二変化量比Φoutの関数として、次式で与えられる。関数f2は、血中吸光物質により異なる。

C2=f2(Φout
測定システム101は、循環時間算出部153を備えている。循環時間算出部153は、第一濃度算出部151により算出された第一濃度C1と第二濃度算出部152により算出された第二濃度C2に基づいて、生体組織2における血液の循環時間Ttを算出するように構成されている。
図4の(B)は、循環時間算出部153の動作を説明するための図である。第一濃度C1に対応する第一変化量比Φinと第二濃度C2に対応する第二変化量比Φoutの経時変化を示している。同図における丸印は、従来のパルスフォトメータにより取得される減光度変化量の経時変化を比較例として示している。従来のパルスフォトメータにおいては、受光部による受光強度が最大値をとる時点(すなわちtdia)から当該受光強度が最小値をとる時点(すなわちtsys)の間で、各波長の光について減光度が取得され、減光度比が算出される。ここでは、第一波長λ1として940nmが選ばれ、第二波長λ2として805nmが選ばれている。第一変化量比Φinと第二変化量比Φoutは、次式により算出されている。

Φin=ΔA2/ΔA1
Φout=ΔA4/ΔA3
生体組織2に流入する動脈血の影響が支配的である第一変化量比Φinの経時変化は、原理的に従来のパルスフォトメータにより算出される変化量比に似た経時変化をする。しかしながら、生体組織2から流出する静脈血の影響が支配的である第二変化量比Φoutの経時変化は、第一変化量比Φinとは大きく異なる経時変化をする。具体的には、第二変化量比Φoutは、第一変化量比Φinに遅れて単調増加し、単調減少する。この時間的な遅れが、算出すべき生体組織2における血液の循環時間Ttに対応している。
測定システム101は、出力部160を備えている。出力部160は、第一濃度算出部151により算出された第一濃度C1、第二濃度算出部152により算出された第二濃度C2、および循環時間算出部153により算出された循環時間Ttの少なくとも一つを出力するように構成されている。出力部160は、様々な態様をとりうる。例えば、出力部160は、第一濃度C1、第二濃度C2、および循環時間Ttの少なくとも一つを視認可能に出力する表示部とされうる。あるいは、出力部160は、第一濃度C1、第二濃度C2、および循環時間Ttの少なくとも一つを音声として出力するように構成されうる。あるいは、出力部160は、第一濃度C1、第二濃度C2、および循環時間Ttの少なくとも一つを示す信号を外部に出力可能な端子として構成されうる。
従来、循環時間の測定には、指示薬希釈法が用いられる。指示薬には色素が用いられることが多い。生体組織に流入する血流の上流に色素が投与され、当該生体組織に流入する血液が流れる血管と、当該生体組織から流出する血液が流れる血管のそれぞれにおいて、血中色素濃度の経時変化を示す色素濃度図が描かれる。
生体組織に流入する動脈血が流れる測定点Aにおいて色素濃度を測定すると、図5の(A)に示されるような色素濃度図が得られる。時刻0は、色素を投与した時刻である。投与した色素は、血流により拡散しながら生体組織に運ばれる。測定点Aで得られる色素濃度図は、単調増加し、単調減少する単一のピークを有する曲線となる。色素を投与した時刻から、曲線下面積(AUC)を二分する時刻までの時間は、平均循環時間(MTT)と称される。同図においては、測定点Aにおける平均循環時間がMTTAとして示されている。
生体組織を通過した色素は、静脈血が流れる測定点Bに現れる。測定点Bにおいて色素濃度を測定すると、図5の(B)に示されるような色素濃度図が得られる。時刻0は、色素を投与した時刻である。測定点Aよりも遅れて単調増加し、拡散された分だけピーク値が低い曲線となる。同図においては、測定点Bにおける平均循環時間がMTTBとして示されている。
生体組織の通過に伴い色素が消失することはないため、測定点Aにおける色素濃度図の曲線下面積と測定点Bにおける色素濃度図の曲線下面積は同一である。図5の(C)に示されるMTTAとMTTBの時間差(MTTAtoB)は、色素が生体組織を通過する時間、すなわち当該生体組織における血液の循環時間に対応している。
測定点Aと測定点Bのそれぞれにカテーテルを挿入し、連続採血を行ないながら色素濃度を測定すれば(キュベット法)、MTTAとMTTBの時間差に相当する血液の循環時間が得られる。しかしながら、カテーテルによる侵襲は、被検者にとって過大な負担となる。
非侵襲的な手法として、パルス式色素希釈法が知られている。当該手法においては、パルスフォトメータの原理を用い、動脈血中の色素濃度が連続的に測定される。しかしながら、当該手法において得られるのは、あくまで動脈血中の色素濃度のみであるため、MTTAを得ることはできても、MTTAとMTTBの時間差を得ることはできない。図4の(B)において比較例として示した曲線は、パルス式色素希釈法により得られる色素濃度図に対応している。
本実施形態においては、受光部20における受光強度に対応する信号より得られる被検者の心周期に対応する信号周期が、生体組織2へ流入する動脈血の影響が支配的な部分と、生体組織2から流出する静脈血の影響が支配的な部分とに区分されている。そして、両部分について各波長の光の減光度変化量が取得されることにより、図5の(A)と(B)に示された色素濃度図のように、経時変化特性が異なる二種の血中吸光物質濃度が取得されている。これにより、侵襲を伴わないパルスフォトメータの原理を用いながらも、生体組織2における血液の循環時間Ttが算出されうる。
第一処理期間と第二処理期間は、必然的に、被検者の心臓の拡張期または収縮期よりも短い時間となる。すなわち、被検者の血中吸光物質濃度および血液の循環時間を、演算負荷を抑制しつつ高速に算出できる。したがって、パルスフォトメータの原理を用いて生体情報を簡易に測定できる。
図4の(B)に示された第一濃度C1に対応する第一変化量比Φinと第二濃度C2に対応する第二変化量比Φoutから循環時間Ttを求める手法としては、幾つかの例が考えられる。
図4の(B)に示された例においては、図5の(C)に示された例のように、各変化量比の経時変化より得られる平均循環時間の差分に基づいて、循環時間Ttが算出されている。具体的には、第一変化量比Φinの経時変化より曲線下面積(AUC)を二分する時刻までの時間が、第一平均循環時間として取得される。同様に、第二変化量比Φoutの経時変化より曲線下面積(AUC)を二分する時刻までの時間が、第二平均循環時間として取得される。循環時間Ttは、第一平均循環時間と第二平均循環時間の差分として算出される。
あるいは、第一変化量比Φinが最大値をとる時刻と第二変化量比Φoutが最大値をとる時刻の時間差に基づいて、循環時間Ttが算出されうる。
あるいは、第一変化量比Φinが所定の閾値を上回る時刻と、第二変化量比Φoutが当該閾値を上回る時刻との時間差に基づいて、循環時間Ttが算出されうる。この場合、当該閾値は、第一変化量比Φinの最大値よりも低い値をとる第二変化量比Φoutの最大値よりもさらに低い値として設定される必要がある。
あるいは、第一変化量比Φinと第二変化量比Φoutの相互相関関数に基づいて循環時間Ttが算出されうる。第一変化量比Φinの経時変化特性と第二変化量比Φoutの経時変化特性は類似しているため、第一変化量比Φinに係る基準時刻から相互相関関数の最大値が得られる時刻までの時間を、第一変化量比Φinの経時変化に対する第二変化量比Φoutの経時変化の遅れと見なすことができる。この遅れが、循環時間Ttとして算出される。
循環時間Ttは、動脈血酸素飽和度の経時変化から算出することも可能である。そのような幾つかの例について、以下説明する。
図3に破線で示されるように、測定システム101は、空気回路111と酸素濃度調節部112を備えうる。この場合、空気回路111は、被検者が吸入する空気を供給可能に構成されている。酸素濃度調節部112は、空気回路111を通じて供給される空気に含まれる酸素濃度FiO2を調節するように構成されている。
酸素濃度調節部112は、空気回路111を通じて被検者に吸入される空気における酸素濃度FiO2を所定期間低下させる。その後、酸素濃度調節部112は、当該酸素濃度FiO2を通常値まで復帰させる。図6の(A)は、この場合において第一濃度算出部151に算出される第一濃度C1に対応する第一変化量比Φinと第二濃度算出部152により算出される第二濃度C2に対応する第二変化量比Φoutの経時変化を示している。ここでは、第一波長λ1として940nmが選ばれ、第二波長λ2として660nmが選ばれている。第一変化量比Φinと第二変化量比Φoutは、次式により算出されている。

Φin=ΔA2/ΔA1
Φout=ΔA4/ΔA3
第一変化量比Φinと第二変化量比Φoutは、動脈血酸素飽和度と負の相関を示す。そのため、第一変化量比Φinと第二変化量比Φoutの低下は、動脈血酸素飽和度の上昇を意味している。したがって、酸素濃度FiO2の低下に伴って各変化量比は上昇し、酸素濃度FiO2の上昇に伴って各変化量比は低下する。先に示された例と同様に、生体組織2に流入する動脈血の影響が支配的である第一変化量比Φinの経時変化は、従来のパルスフォトメータにより算出される変化量比に似た経時変化をする。しかしながら、生体組織2から流出する静脈血の影響が支配的である第二変化量比Φoutの経時変化は、第一変化量比Φinとは大きく異なる経時変化をする。具体的には、第二変化量比Φoutは、第一変化量比Φinに遅れて単調増加し、単調減少する。
本例においては、第一変化量比Φinが低下を開始する時点の値を100%とし、第一変化量比Φinが低下を終えた時点の値を0%とした場合に、50%に対応する値まで第一変化量比Φinが低下した時刻と、50%に対応する値まで第二変化量比Φoutが低下した時刻との時間差が、循環時間Ttとして算出されている。
酸素濃度調節部112による酸素濃度FiO2の低下は、被検者が息を止めている状態を疑似的に再現しているとも言える。したがって、被検者が覚醒しているのであれば、当該被検者に息止めをさせることによっても、上述の動脈血酸素飽和度の変化を引き起こすことが可能である。また、発光部10と受光部20を被検者の手指先の組織に装着した状態で、当該被検者に挙手をさせることによっても、上述の動脈血酸素飽和度の変化を引き起こすことが可能である。
このような構成によれば、血流への指示薬の投与を必要とすることなく、パルスオキシメータの原理を用いて、被検者の生体組織2における血液の循環時間Ttを測定できる。したがって、パルスフォトメータの原理を用いて、被検者の生体情報をより簡易に測定できる。また、一定時間ごとに酸素濃度調節部112により酸素濃度を調節し、循環時間Ttの算出を行なうことによって、循環時間Ttの変化履歴を取得できる。これにより、被検者の末梢循環の悪化や改善の傾向を知ることができる。
図3に破線で示されるように、測定システム101は、カフ113と圧力制御部114を備えうる。この場合、カフ113は、被検者の生体組織2よりも血流の上流側を圧迫できるように、被検者に装着可能とされている。例えば、発光部10と受光部20が手指の先に装着される場合、カフ113は、当該手指における血流の上流側(第二関節と第三関節の間など)に装着される圧力制御部114は、カフ113の圧力を制御可能に構成されている。
圧力制御部114は、カフ113に空気を送ることによってカフ113の圧力を上昇させる。圧力制御部114は、カフ113の圧力が所定値に達すると、その状態を所定時間維持する。これにより、カフ113が装着された箇所が圧迫を受ける。所定時間が経過すると、圧力制御部114は、カフ113の圧力を解放する。図6の(B)は、この場合において第一濃度算出部151に算出される第一濃度C1に対応する第一変化量比Φinと第二濃度算出部152により算出される第二濃度C2に対応する第二変化量比Φoutの経時変化を示している。図6の(A)と同じ点に関しては、繰り返しとなる説明を省略する。
圧迫期間中は、血流が止まるため、心周期に対応する信号周期を有する第一信号S1と第二信号S2が得られない。したがって、第一変化量比Φinと第二変化量比Φoutも得られない。カフ113の圧力が解放されると、最初の心拍に対応する信号周期において、第一変化量比Φinと第二変化量比Φoutは大きく乖離する。この乖離は、動脈血と静脈血の酸素飽和度の差に起因している。圧迫解放直後は、静脈血を含む生体組織2の酸素飽和度は低下している。そこへ酸素飽和度の高い静脈血が流入してくる。酸素飽和度の低い血液が流出していくにつれて、第一変化量比Φinと第二変化量比Φoutの差は、減少していく。圧迫解放時から両者の差がほとんどなくなる定常状態に達するまでの時間が、循環時間Ttとして算出される。定常状態への到達時刻は、例えば、第一変化量比Φinと第二変化量比Φoutの差が所定の閾値以下となる時刻とされうる。
このような構成によっても、血流への指示薬の投与を必要とすることなく、パルスオキシメータの原理を用いて、被検者の生体組織2における血液の循環時間Ttを測定できる。したがって、パルスフォトメータの原理を用いて、被検者の生体情報をより簡易に測定できる。また、一定時間ごとに圧力制御部114によりカフ113の圧力を調節し、循環時間Ttの算出を行なうことによって、循環時間Ttの変化履歴を取得できる。これにより、被検者の末梢循環の悪化や改善の傾向を知ることができる。
図3に破線で示されるように、測定システム101は、報知部161を備えうる。報知部161は、循環時間算出部153により算出された循環時間Ttの値が所定の範囲にない場合に、報知を行なうように構成されている。報知部161は、様々な態様をとりうる。例えば、報知部161は、循環時間算出部153により算出された循環時間Ttの値が所定の範囲にない事実を視認可能に報知する。あるいは、報知部161は、当該事実を音声として出力する。あるいは、報知部161は、当該事実を示す信号を外部に出力する。
このような構成によれば、報知部161による報知を通じて、末梢循環不全の判断を支援できる。例えば、循環時間Ttの値が所定の範囲を下回る場合、敗血症の病態を疑うことができる。
敗血症の病態においては、動脈および細動脈の拡張、末梢動脈抵抗の減少、心拍出量の増加がまず生じる。この段階は、warm shockと称される。この状態では、血液は、毛細血管を避けて動脈から静脈へ流れるため、末梢組織は酸素不足となる。この毛細血管を通らない血流は、シャント血流と称される。病態が進行すると、心拍出量が減少し、血圧が低下し、ショック症状が発現する。この段階では、末梢組織には酸素代謝異常が生じる。したがって、warm shockの段階で病態を発見し、早期に治療を開始することが重要である。シャント血流が存在する場合、血流が末梢組織を通過しないため、動脈と静脈の酸素飽和度の差が小さくなる。そのため、当該末梢組織における血液の循環時間が短くなる。上記の構成によれば、パルスオキシメータの原理を利用した簡易な測定で、敗血症の病態の早期発見を支援できる。
測定システム101において、処理期間設定部130、第一変化量取得部141、第二変化量取得部142、第三変化量取得部143、第四変化量取得部144、第一濃度算出部151、第二濃度算出部152、および循環時間算出部153の機能は、通信可能に接続されたプロセッサとメモリの協働により実行されるソフトウェアにより実現されている。プロセッサの例としては、CPUやMPUが挙げられる。メモリの例としては、RAMやROMが挙げられる。しかしながら、処理期間設定部130、第一変化量取得部141、第二変化量取得部142、第三変化量取得部143、第四変化量取得部144、第一濃度算出部151、第二濃度算出部152、および循環時間算出部153の少なくとも一つの機能は、回路素子などのハードウェアにより、あるいはハードウェアとソフトウェアの組合せにより実現されうる。
図7は、第三実施形態に係る生体情報測定システム201(以下、測定システム201と略称する)の機能構成を示すブロック図である。第一実施形態に係る測定システム1および第二実施形態に係る測定システム101と実質的に同一の構成または機能を有する要素については、同一の参照符号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
測定システム201は、相関係数取得部231を備えている。相関係数取得部231は、受光部20から出力された第一信号S1と第二信号S2の相関係数Ccを取得するように構成されている。
測定システム201は、循環時間算出部253を備えている。循環時間算出部253は、相関係数取得部231が取得した相関係数Ccに基づいて、生体組織2における血液の循環時間Ttを算出するように構成されている。
第二実施形態に係る測定システム101においては、生体組織2に流入する血液と生体組織2から流出する血液との間に血中吸光物質濃度に差があることを利用し、循環時間Ttを算出している。本実施形態においては、被検者の心周期に対応する信号周期における第一信号S1の波形と、当該信号周期における第二信号S2の波形との間に相違があることに着目し、当該差異に基づいて循環時間Ttが算出される。
図8の(A)は、被検者に息を止めさせ、所定時間の後に呼吸を再開させた場合における、第一の光の強度I1の対数値と第二の光の強度I2の対数値の経時変化を示している。第一波長λ1として940nmが選ばれており、第二波長λ2として660nmが選ばれている。同図の左右方向中程において、強度I2の直流成分が増加していることが確認できる。この現象は、呼吸の再開によって酸素飽和度が上昇した血液が生体組織2に到達したことに起因している。
図8の(B)は、この場合において、第二実施形態に係る測定システム201により測定された第一変化量比Φinと第二変化量比Φoutの経時変化を示している。
図8の(C)は、図8の(A)に示された強度I1の経時変化波形と強度I2の経時変化波形の相関係数の経時変化を示している。図8の(B)の比較から明らかなように、相関係数Ccの低下は、第一変化量比Φinと第二変化量比Φoutが乖離する期間に生じている。すなわち、生体組織2に流入する血液と生体組織2から流出する血液との間に酸素飽和度の差が存在すると、強度I1の経時変化波形と強度I2の経時変化波形は相似でなくなる。
図8の(D)は、図8の(A)において符号tにより指示された箇所(一信号周期)を拡大して示したものである。当該箇所は、相関係数Ccが低い信号周期である。図8の(E)は、横軸に強度I1の対数値をとり、縦軸に強度I2の対数値をとった場合における、当該信号周期内の両値の経時変化を記録したリサージュ波形である。
図8の(F)は、図8の(A)において符号tにより指示された箇所(一信号周期)を拡大して示したものである。当該箇所は、相関係数Ccが高い信号周期である。図8の(G)は、図8の(E)に対応するリサージュ波形である。
図8の(E)に示されたように、相関係数Ccが低い場合は、血流の流入相と流出相で酸素飽和度の違いに起因してリサージュ図形の傾きに大きな変化が現れる。図8の(G)に示されたように、相関係数Ccが高い場合は、血流の流入相と流出相で酸素飽和度の相違が小さいため、リサージュ図形の傾きに大きな変化が現れない。
循環時間算出部253は、相関係数Ccが低下してから元に戻るまでの時間を、循環時間Ttとして算出するように構成されている。例えば、図8の(C)に示されるように、所定の閾値thが適宜に設定される。循環時間算出部253は、相関係数Ccが閾値thを下回っている時間を循環時間Ttと定めるように構成されうる。循環時間Ttは、図8の(E)と(G)に示されたリサージュ波形に係る適宜の規則に基づいて定められてもよい。
相関係数取得部231が相関係数Ccを取得するための期間は、被検者の心周期に対応する一信号周期に限られない。当該期間は、循環時間に比べて十分短い時間(1秒など)であれば、適宜に定められうる。
本例においては、被検者に息止めをさせることによって動脈血酸素飽和度に変化を生じさせている。しかしながら、第二実施形態に係る測定システム201を参照して説明した空気回路111および酸素濃度調節部112の組合せや、カフ113と圧力制御部114の組合せを利用して動脈血酸素飽和度に変化を生じさせてもよい。
本実施形態の構成によれば、血流への指示薬の投与を必要とすることなく、パルスオキシメータの原理を用いて、被検者の生体組織2における血液の循環時間Ttを測定できる。さらに、第一信号S1と第二信号S2の相関係数を取得するという簡易な処理で循環時間Ttを算出できる。したがって、パルスフォトメータの原理を用いて、被検者の生体情報をより簡易に測定できる。
図9の(A)は、被検者の手指先に発光部10と受光部20を装着して挙手および息止めをさせ、所定時間の後に呼吸を再開させた場合における、第一の光の強度I1の対数値と第二の光の強度I2の対数値の経時変化を示している。第一波長λ1として940nmが選ばれており、第二波長λ2として660nmが選ばれている。図9の(B)は、この場合において、第二実施形態に係る測定システム201により測定された第一変化量比Φinと第二変化量比Φoutの経時変化を示している。
図9の(C)は、図9の(A)に示された強度I1の経時変化波形と強度I2の経時変化波形の相関係数の経時変化を示している。本例の場合、図9の(B)から明らかなように、第一変化量比Φinと第二変化量比Φoutの経時変化に顕著な差異は生じない。しかしながら、強度I1の経時変化波形と強度I2の経時変化波形の相関係数を取得すると、両者の差異が容易に確認できる。したがって、本実施形態の構成によれば、第一変化量比Φinと第二変化量比Φoutの経時変化に顕著な差異を確認しにくい場合においても、循環時間Ttを容易に算出できる。
測定システム201において、相関係数取得部231と循環時間算出部253の機能は、通信可能に接続されたプロセッサとメモリの協働により実行されるソフトウェアにより実現されている。プロセッサの例としては、CPUやMPUが挙げられる。メモリの例としては、RAMやROMが挙げられる。しかしながら、相関係数取得部231と循環時間算出部253の少なくとも一方の機能は、回路素子などのハードウェアにより、あるいはハードウェアとソフトウェアの組合せにより実現されうる。
上記の各実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の各実施形態に係る構成は、本発明の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。また、等価物が本発明の技術的範囲に含まれることは明らかである。
1、101:生体情報測定システム、2:生体組織、10:発光部、111:空気回路、112:酸素濃度調節部、113:カフ、114:圧力制御部、20:受光部、30、130:処理期間設定部、31:微分信号取得部、41、141:第一変化量取得部、42、142:第二変化量取得部、143:第三変化量取得部、144:第四変化量取得部50:濃度算出部、151:第一濃度算出部、152:第二濃度算出部、153:循環時間算出部、60、160:出力部、161:報知部、λ1:第一波長、λ2:第二波長、I1:第一の光の強度、I2:第二の光の強度、S1:第一信号、S2:第二信号、ΔA1:第一変化量、ΔA2:第二変化量、ΔA3:第三変化量、ΔA4:第四変化量、C、C1、C2:血中吸光物質の濃度、FiO2:酸素濃度、Tt:血液の循環時間、Cc:相関係数

Claims (17)

  1. 第一波長を含む第一の光、および第二波長を含む第二の光を出射する発光部と、
    被検者の生体組織を透過または反射した前記第一の光の受光強度および前記第二の光の受光強度に応じて、それぞれ第一信号および第二信号を出力する受光部と、
    前記第一信号と前記第二信号の一方について前記被検者の心周期に対応する信号周期を抽出し、当該信号周期内における前記生体組織への動脈血の流入の影響が支配的な第一部分、および前記生体組織からの静脈血の流出の影響が支配的な第二部分の一方について、処理期間を設定する処理期間設定部と、
    前記処理期間における前記第一信号に基づいて、前記第一の光の減光度変化量に対応する第一変化量を取得する第一変化量取得部と、
    前記処理期間における前記第二信号に基づいて、前記第二の光の減光度変化量に対応する第二変化量を取得する第二変化量取得部と、
    前記第一変化量と前記第二変化量に基づいて、前記被検者の血中吸光物質の濃度を算出する濃度算出部と、
    前記濃度を出力する出力部と、
    を備えている、生体情報測定システム。
  2. 前記第一信号と前記第二信号の前記一方を微分することにより微分信号を取得する微分信号取得部を備えており、
    前記処理期間設定部は、前記微分信号の最小値に基づいて、前記第一部分に前記処理期間を設定する、
    請求項1に記載の生体情報測定システム。
  3. 前記第一信号と前記第二信号の前記一方を微分することにより微分信号を取得する微分信号取得部を備えており、
    前記処理期間設定部は、前記微分信号の最大値に基づいて、前記第二部分に前記処理期間を設定する、
    請求項1に記載の生体情報測定システム。
  4. 前記血中吸光物質は、酸素化ヘモグロビンまたは還元ヘモグロビンである、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の生体情報測定システム。
  5. 前記血中吸光物質は、色素である、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の生体情報測定システム。
  6. 第一波長を有する第一の光、および第二波長を有する第二の光を出射する発光部と、
    被検者の生体組織を透過または反射した前記第一の光の受光強度および前記第二の光の受光強度に応じて、それぞれ第一信号および第二信号を出力する受光部と、
    前記第一信号と前記第二信号のそれぞれについて前記被検者の心周期に対応する信号周期を抽出し、当該信号周期内における前記生体組織への動脈血の流入の影響が支配的な第一部分に第一処理期間を設定し、当該信号周期内における前記生体組織からの静脈血の流出の影響が支配的な第二部分に第二処理期間を設定する処理期間設定部と、
    前記第一処理期間における前記第一信号に基づいて、前記第一処理期間における前記第一の光の減光度変化量に対応する第一変化量を取得する第一変化量取得部と、
    前記第一処理期間における前記第二信号に基づいて、前記第一処理期間における前記第二の光の減光度変化量に対応する第二変化量を取得する第二変化量取得部と、
    前記第一変化量と前記第二変化量に基づいて、前記第一処理期間における前記被検者の血中吸光物質の濃度に対応する第一濃度を算出する第一濃度算出部と、
    前記第二処理期間における前記第一信号に基づいて、前記第二処理期間における前記第一の光の減光度変化量に対応する第三変化量を取得する第三変化量取得部と、
    前記第二処理期間における前記第二信号に基づいて、前記第二処理期間における前記第二の光の減光度変化量に対応する第四変化量を取得する第四変化量取得部と、
    前記第三変化量と前記第四変化量に基づいて、前記第二処理期間における前記被検者の前記血中吸光物質の濃度に対応する第二濃度を算出する第二濃度算出部と、
    前記第一濃度と前記第二濃度に基づいて、前記生体組織における血液の循環時間を算出する循環時間算出部と、
    前記第一濃度、前記第二濃度、および前記循環時間の少なくとも一つを出力する出力部と、
    を備えている、生体情報測定システム。
  7. 前記循環時間算出部は、前記第一濃度が最大値をとる時刻と前記第二濃度が最大値をとる時刻の時間差に基づいて、前記循環時間を算出する、
    請求項6に記載の生体情報測定システム。
  8. 前記循環時間算出部は、前記第一濃度が閾値を上回る時刻と、前記第二濃度が当該閾値を上回る時刻との時間差に基づいて、前記循環時間を算出する、
    請求項6に記載の生体情報測定システム。
  9. 前記循環時間算出部は、前記第一濃度の経時変化より得られる第一平均循環時間と、前記第二濃度の経時変化より得られる第二平均循環時間との差分に基づいて、前記循環時間を算出する、
    請求項6に記載の生体情報測定システム。
  10. 前記循環時間算出部は、前記第一濃度と前記第二濃度の相互相関関数に基づいて、前記循環時間を算出する、
    請求項6に記載の生体情報測定システム。
  11. 前記血中吸光物質は、色素である、
    請求項6から10のいずれか一項に記載の生体情報測定システム。
  12. 前記血中吸光物質は、酸素化ヘモグロビンまたは還元ヘモグロビンである、
    請求項6から10のいずれか一項に記載の生体情報測定システム。
  13. 前記被検者が吸入する空気を供給する空気回路と、
    前記空気に含まれる酸素の濃度を調節する酸素濃度調節部と、
    を備えている、
    請求項12に記載の生体情報測定システム。
  14. 前記生体組織よりも血流の上流側を圧迫できるように、前記被検者に装着可能とされたカフと、
    前記カフの圧力を制御可能な圧力制御部と、
    を備えている、
    請求項12に記載の生体情報測定システム。
  15. 前記循環時間の値が所定の範囲外である場合に報知を行なう報知部を備えている、
    請求項6から14のいずれか一項に記載の生体情報測定システム。
  16. 第一波長を有する第一の光、および第二波長を有する第二の光を出射する発光部と、
    被検者の生体組織を透過または反射した前記第一の光の受光強度および前記第二の光の受光強度に応じて、それぞれ第一信号および第二信号を出力する受光部と、
    前記第一信号と前記第二信号の相関係数を取得する相関係数取得部と、
    前記相関係数の経時変化に基づいて、前記生体組織における血液の循環時間を算出する循環時間算出部と、
    前記循環時間を出力する出力部と、
    を備えている、生体情報測定システム。
  17. 前記循環時間の値が所定の範囲外である場合に報知を行なう報知部を備えている、
    請求項16のいずれか一項に記載の生体情報測定システム。
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