JP2005087315A - 気体充填型スポーツ用ボール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 繊維基材の表層に高分子重合体層を有するシートで被覆されたスポーツ用ボールあって、該高分子重合体層は、一次凸部と該一次凸部の上面に形成された二次凹凸部を有し、該一次凸部は、その平均高低差(A)が50〜1000μmで、その上面の投影面積が1〜300mm2であり、該二次凹凸部は、その平均高低差(B)が5〜200μmで、その凸部同士の平均間隔が100〜500μmであり、かつA≧Bであることを特徴とする気体充填型スポーツ用ボールである。
【選択図】なし
Description
例えば、分子中に水酸基を有するポリウレタン樹脂、分子中に水酸基を有する液状ゴム、無機または有機充填剤、及びイソシアネートプレポリマーを配合した被膜用組成物をシート表面にコートする方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1の方法では、手に発生する汗はコート面である程度は吸収されるものの、その吸収限度を超えるとその性能を発揮できないため、長時間の連続使用には適していない。また汗を吸収した樹脂等は、可塑化され当初の触感と異なるものとなり、連続使用には向かない。
しかし、特許文献2の滑り止め材では、非常に多くのタックがあり、柔らかいために表面強度が低く、特にバスケットボール等のハードな使用には耐えない。
さらに、ゴム系素材にゼラチンを混入して加熱し発泡成形した後、その成形物の表面スキン層の一部を取り除き、表面のゼラチンを熱水で除去して表面を多孔構造とする合成皮革材が提案されている(特許文献3参照)。
しかし、特許文献3の皮革材も、摩耗強度が不足しており、耐久性を要するボール用素材としての使用には適さない。
さらに、多孔構造の微細凹凸を有する表面層を得る方法として、表面に凹凸が形成された離型基材上に水溶性の無機微粒子と2液型ウレタン樹脂とイソシアネート系硬化剤とを含有する分散液を塗布して基材と積層し、該2液型ウレタン皮膜が硬化した後に前記離型基材を剥離して、水溶性の無機微粒子を水抽出して、凹凸模様の凸部に微細凹凸を有する多孔構造の表面層を得る方法が提案されている(特許文献4参照)。
しかしながら、特許文献4の方法においても、摩耗強度が不足していると共に表面の微細凹凸が丸みを帯びて不規則に発現している為、ボール用素材として使用した場合に良好なグリップ性を得ることは出来ない。
しかし、特許文献5及び6の素材は、汚れが付きやすいために、長期間使用しているとさらに汚れがつき、効果が極端に落ち、使用に耐えなくなる。
また、基体層およびその表面に形成された立毛面からなり、かつ該基体層表面には内部に連通する孔を有している皮革様シートにおいて、その該立毛面には、スチレン−イソプレンブロック共重合体またはその水素添加物で代表されるノンスリップ性を付与する樹脂が非連続状に付与されている皮革様シートが提案されている(特許文献7参照)。
しかしながら、特許文献7の皮革様シートにおいては、スエード調の立毛面にノンスリップ性の樹脂が浸透しているために、ノンスリップ性の樹脂の効果が充分に発揮できないものである。
このような状況に鑑み、十分な表面摩耗強度と優れたノンスリップ性を有するのスポーツ用ボールの開発が望まれていた。
すなわち、本発明は
(1)繊維基材の表層に高分子重合体層を有するシートで被覆されたスポーツ用ボールあって、該高分子重合体層は、一次凸部と該一次凸部の上面に形成された二次凹凸部を有し、該一次凸部は、その平均高低差(A)が50〜1000μmで、その上面の投影面積が1〜300mm2であり、該二次凹凸部は、その平均高低差(B)が5〜200μmで、その凸部同士の平均間隔が100〜500μmであり、かつA≧Bであることを特徴とする気体充填型スポーツ用ボール、
(2)繊維基材が、繊維絡合体と高分子弾性体からなる皮革様繊維基材である(1)に記載の気体充填型スポーツ用ボール、
(3)繊維基材が、3次元絡合不織布の内部に高分子弾性体が含浸されたものである(1)または(2)に記載の気体充填型スポーツ用ボール、
(4)前記二次凹凸部の全投影面積の割合がシート全体の面積比率で30〜85%である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の気体充填型スポーツ用ボール、
(5)前記高分子重合体層を構成する樹脂がノンスリップ性を有する樹脂であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の気体充填型スポーツ用ボール、
(6)前記二次凹凸部の少なくとも凸部にノンスリップ性を有する樹脂が付与されていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の気体充填型スポーツ用ボール、
(7)前記一次凸部の上面が凹部と異なる色調を有している(1)〜(6)のいずれか1項に記載の気体充填型スポーツ用ボール、及び
(8)(1)〜(7)のいずれか1項に記載のバスケットボール
を提供するものである。
このような極細繊維を得る方法としては、(a)目的とする平均繊度の極細繊維を直接紡糸する方法、及び(b)一旦目的とする繊度より太い極細繊維発生型繊維を紡糸し、次いで目的とする平均繊度の極細繊維に変成する方法が挙げられる。
極細繊維発生型繊維を経由して極細繊維を得る方法(b)としては、相溶性を有していない2種以上の熱可塑性ポリマーを複合紡糸または混合紡糸し、この繊維から該ポリマーの少なくとも一成分を抽出除去又は分解除去、あるいは構成ポリマーの界面でポリマーを分割剥離する方法が一般的である。少なくとも一成分を除去するタイプの極細繊維発生型繊維の代表的な繊維の形態としては、いわゆる「海島型繊維」と呼ばれるものや、「多層積層型繊維」などが挙げられる。
海島型繊維の場合には海成分ポリマーを抽出除去又は分解除去することにより、また多層積層型繊維の場合には少なくとも何れかの積層成分ポリマーを抽出除去又は分解除去することにより、残った島成分からなる極細繊維束が得られる。また、構成ポリマーの界面で剥離分割するタイプの極細繊維発生型繊維の代表的な繊維の形態としては、いわゆる花弁状積層型繊維や多層積層型繊維などが挙げられ、物理的処理、あるいは化学的処理により積層する異種ポリマー間の界面で相互に剥離させることにより極細繊維束が得られる。
また海島型繊維または多層積層型繊維の海成分ポリマーとしては、島成分ポリマーよりも溶融粘度が低く、島成分との溶解性、分解性を異にし、海成分の溶解、除去に用いられる溶剤または分解剤等への溶解性が大きく、島成分との相溶性の小さいポリマーが好ましい。例えばポリエチレン、変性ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、変性ポリスチレン、変性ポリエステルなどが好適に用いられる。
これらの高分子弾性体は、水分散液あるいは有機溶剤溶液として繊維絡合体に含浸した後、水分散液を使用する場合は主に乾式法、有機溶剤溶液を使用する場合は主に湿式法により、スポンジ状に凝固させる。水分散液を使用する場合は、感熱ゲル化剤を添加しておくと、乾式法、あるいはこれにスチーミングや遠赤外加熱などの方法を組み合わせることで厚み方向により均一な凝固が可能であり、また有機溶剤を使用する場合は、凝固性調整剤を併用することで、より均一な空隙を得ることもできるため好ましく採用される。繊維絡合体、とりわけ3次元絡合不織布に含浸した高分子弾性体をスポンジ状に凝固させることにより、天然皮革に類似した風合いやボール用および手袋用素材に適した諸物性を有する基材を得ることができる。
ポリウレタン系樹脂の代表例としては、例えば、平均分子量500〜3000のポリエステルジオ−ル、ポリエーテルジオール、ポリエステルエーテルジオール、ポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオールなどから選ばれた少なくとも1種類のポリマージオールと、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの芳香族系、脂環族系、脂肪族系の有機ジイソシアネートなどから選ばれた少なくとも1種の有機ジイソシアネートと、ジオール、ジアミン、ヒドロキシアミン、ヒドラジン、ヒドラジドなどの活性水素原子を少なくとも2個有する低分子化合物から選ばれた少なくとも1種類の鎖伸長剤とを所定のモル比で反応させることにより得られる各種のポリウレタンが挙げられる。ポリウレタンは、必要に応じて、複数種のポリウレタンを混合したものを用いてもよく、また合成ゴム、ポリエステルエラストマー、ポリ塩化ビニルなどの重合体を添加して得た重合体組成物として使用することもできる。
一方、繊維シートの段階で極細繊維化処理をした場合には、高分子弾性体により極細繊維束が強く拘束されるため、皮革様基材の風合いがより硬くなる傾向にあるものの、皮革様基材中の高分子弾性体比率を少なくすることで硬くなる傾向は抑えることが十分に可能であり、繊維の比率がより高い場合に得られる充実感のあるしっかりした風合いを目的とする場合には好ましい方法でもある。
また、繊維基材における繊維と高分子弾性体との質量比は、物性や風合いの調節のために適宜選択すればよく、本発明の本質的な意味において特に限定されるものではない。ボール用、手袋用素材の風合いとして一般的に好まれるような皮革様の繊維基材としては、上記した複合シートの段階で極細繊維化する場合は、繊維/高分子弾性体の質量比は35/65〜65/35、好ましくは40/60〜60/40の範囲であり、一方、繊維シートの段階で極細繊維化する場合は、繊維/高分子弾性体の質量比は65/35〜95/5、好ましくは60/40〜90/10の範囲である。
本発明において、高分子重合体層の一次凸部または二次凹凸部をエンボスロールまたは平板エンボス等を用いて形成する場合は、高分子重合体層が多孔質状態となっていることが好ましく、乾式法または湿式法で凝固、乾燥させる方法が好ましい。また、二次凹凸部をグラビアロールや離型紙を用いた転写方式で形成する場合は、特に制限はないが、表面タッチや風合いの点から乾式法または湿式法で凝固、乾燥させる方法が好ましい。凝固、乾燥の方法としては、分散液を使用する場合は、発泡剤などの添加剤を使用し乾式法により凝固、乾燥を連続的に実施する方法が一般的であり、溶液を使用する場合は、高分子重合体の貧溶剤を含む処理液を塗布、あるいは処理浴内へ浸漬することにより高分子重合体を多孔質状態で凝固させる方法が一般的で好ましい方法である。
繊維基材として、繊維絡合体と高分子弾性体からなる繊維基材を採用する場合は、基材に含浸させる高分子弾性体の凝固と高分子重合体層(多孔質表面層)を形成する高分子重合体の凝固とが同時に完了するような方法を採用すると、凝固後の乾燥を1回で済ませることができる上、得られた皮革様シートにおいて繊維基材と高分子重合体層(多孔質表面層)との一体感が得られやすいので、本発明において好ましく採用される方法である。
ポリウレタン系樹脂としては、平均分子量500〜3000のポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルエーテルジオール、ポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオールなどから選ばれた少なくとも1種類のポリマージオールと、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの芳香族系、脂環族系、脂肪族系の有機ジイソシアネートなどから選ばれた少なくとも1種の有機ジイソシアネートと、ジオール、ジアミン、ヒドロキシアミン、ヒドラジン、ヒドラジドなどの活性水素原子を少なくとも2個有する低分子化合物から選ばれた少なくとも1種類の鎖伸長剤とを所定のモル比で反応させることにより得られる各種のポリウレタンが挙げられる。また、必要に応じて複数種のポリウレタンを混合したものを用いてもよく、また合成ゴム、ポリエステルエラストマー、ポリ塩化ビニルなどの重合体を添加して得られる、ポリウレタンを主体とした重合体組成物として使用することもできる。主体として用いられるポリウレタンとしては、耐加水分解性、弾性などの点で、ポリテトラメチレングリコールに代表されるポリエーテル系のポリマージオールを主体として使用したものが好ましく用いられる。
また、一次凸部の上面の投影面積は1〜300mm2であり、好ましくは1〜100mm2、更に好ましくは1〜50mm2である。一次凸部の上面の投影面積が1mm2に満たない場合は、ノンスリップ性は良好となるが、シャープな二次凸部を付与することが困難になると共に、ボールとして使用した際の耐摩耗性が低下する。一次凸部の上面の投影面積が300mm2を超えた場合、掌でボールを把持した際に、一本の指先で把持する一次凸部の個数が減少し、ボール表面に指先の力が均一に分散するため、一次凸部の上面に二次凹凸部を形成しても良好なノンスリップ性は得られない。
ここで、一次凸部の上面の投影面積とは、一つ一つの一次凸部の高低差の最も大きい部分をとらえて、それを凸部の高さ(L)とし、底部から3分の1の高さ(L/3)におけるその一次凸部の投影面積(断面積)をいう。二個以上の一次凸部が部分的に重なりあっているような場合は、重なり合っている部分の投影面積が一次凸部一つの投影面積の25%以下であれば、重なり合った一次凸部の一つ一つをそれぞれ一次凸部とする。
一次凸部の全投影面積の割合は、シート全体の投影面積比率で30〜85%であり、好ましくは40〜70%である。
また、着色処理としてはエンボス処理の前、後のいずれかでも可能であるが、エンボス処理での変色性を考慮すればエンボス前に着色処理を行うことが良好である。着色剤としては、耐熱性、耐光性、摩擦堅牢度の点から顔料が最良である。着色剤の処理方法としては、グラビア法、染色方法、リバースコート、ダイレクトコート等の方法があるが、生産性、コスト等を考慮すればグラビア法が最適である。
図1〜8は、本発明における二次凹凸部の一例を示す平面模式図である。図1及び2は、直線部分が二次凹凸部の凸部を示し、図3は、円周部分が二次凹凸部の凹部を示し、図4及び5は、塗りつぶし部分が二次凹凸部の凸部を示し、図6〜8は、塗りつぶし部分が二次凹凸部の凹部を示す。
二次凹凸部の凸部の平均間隔は100〜500μmであり、好ましくは110〜350μmである。凹凸部の凸部の平均間隔が100μmに満たない場合、このボールをつかむ手の指紋の微細凹凸の間隔と比較して狭すぎるため、良好なノンスリップ性を得ることは出来ない。凸部の平均間隔が500μmを超える場合は、指紋の凹凸模様との引っ掛り部分が減少するため良好なノンスリップ性を得ることは出来ない。ここで、図6及び7のように二次凹凸部が放射線状に配列されている場合の二次凹凸部の凸部の間隔は、一つの一次凸部の上面における最大間隔と最小間隔の平均距離である。
二次凹凸部の全投影面積の割合は、一次凸部と同様にシート全体の面積比率で30〜85%であり、特に40〜70%であることが好ましい。二次凹凸部の面積比率が30%に満たない場合は、このボールをつかむ手の指紋の微細凹凸とかみ合う部分が不足し、良好なノンスリップ性を得ることは出来ず、85%を超える場合は、隣接する一次凸部間の間隔が狭くなりすぎ一次凸部を付与した効果が得られなくなり、良好なノンスリップ性が得られない。
またノンスリップ性を付与する樹脂には、ポリテルペン樹脂、石油系炭化水素樹脂など公知の粘着付与剤を添加しても良い。また無機又は有機の粒子や粉体等を添加することによりノンスリップ性を調節することも可能である。さらに軟化剤、充墳剤、老化防止剤などを、表面の摩擦抵抗が低下しない範囲であれば表面樹脂に添加してもよい。
ノンスリップ性を付与する樹脂を塗布する方法としては、非連続状態にて塗布する方法が用いられる。具体的な方法としては、グラビアロールを用いて転写する方法、スプレー法による塗布、ナイフコートなど表面に一定の厚みを持って全面にコートする方法、工程紙など基材に樹脂を全面塗布して製膜し、接着層を介して基体層に接着する方法、押し出し機からダイを通じて基体層上に均一に押し出して表面に製膜する方法等がある。
島成分が6−ナイロンであって、海成分が高流動性低密度ポリエチレン(海成分/島成分比率=50/50)からなる海島型混合紡糸繊維を溶融紡糸した。得られた繊維を延伸、クリンプ、カットして、3.5デニール、カット長さ51mmのステープルを得た。このステープルをカードに通し、クロスラッパー方式によりウエブとし積層した。次に針に1箇所のバーブのついたフェルト針を用いて980P/cm2の針刺し密度でニードルパンチして目付450g/m2の不織布を得た。この不織布を加熱乾燥、プレスして表面を平滑にした後に16%のポリエーテル系ポリウレタンのジメチルホルムアミド(DMFと略す)溶液を含浸し、DMF水溶液で凝固し、湯洗、熱トルエンで繊維中のポリエチレンを抽出除去し、6−ナイロンの極細繊維と多孔質状のポリウレタンからなる人工皮革様の繊維基材を得た。
次に、その上に、エンボスロールを用いて、温度150℃、圧力1.5kg/cm、処理速度2m/分で型押しを行って二次凹凸部を形成した。二次凹凸部は、平均高低差(B)15μmで、その凸部同士の平均間隔が170μmで、二次凹凸部の全投影面積の割合が基材シートの全表面積の50%であった。この二次凹凸部に、ノンスリップ性を付与する樹脂としてポリカーボネート系ポリウレタン(株式会社セイコー化成製、U−5811)を用いて、150メッシュのロールにより2段塗布した。
以上により得られたシートで被覆したバスケットボールを作製したところ、一次凹凸の凹部と凸部で色調が異なって見え、バスケットボールとしては非常に高級感のある外観であり、バスケットボールの試合に使用したところ、長期間使用しても、良好なノンスリップ性を維持していた。
実施例1において、一次凸部とその上面に異なる色調を付与しない、さらに二次凹凸部を付与しない以外は、同様の条件で処理した。得られたシートを表面に有するバスケットボールを作成して使用したところ、非常に滑りやすいものであった。
実施例1において、二次凹凸部を付与しない以外は同様の条件で処理した。得られた皮革様シートは、表面のヌメリ感はあるものの、バスケットボールを作成して使用したところ滑りやすくノンスリップ性は不十分であった。
実施例1において、一次凸部とその上面に異なる色調を付与しない以外は同様の条件で処理した。得られた皮革様シートは、表面のヌメリ感はあるものの、バスケットボールを作成して使用したところ非常に滑りやすくノンスリップ性は不十分であった。
実施例1において、エンボス処理の速度を4m/minとして一次凸部の平均高低差を30μmとした以外は同様の条件で処理した。得られた皮革様シートは、表面のヌメリ感はあるものの、バスケットボールを作成して使用したところノンスリップ性は不十分であった。
実施例1において、二次凹凸部の凸部の平均間隔が70μmのエンボスロールを用いて処理を行った以外は同様の条件で処理した。得られた皮革様シートは、表面のヌメリ感はあるものの、バスケットボールを作成して使用したところノンスリップ性は不十分であった。
この実施例1で作製した人工皮革様の繊維基材の表面にポリエーテル系ポリウレタン(大日本インキ化学工業株式会社製、MP−105)の固形分20%DMF溶液を400g/m2塗布し、水中で凝固して多孔表面層となった高分子重合体層を形成した。その上に、茶色顔料を含むエーテル系ポリウレタンインクで着色し、実施例1より凸部の面積の広いバスケットボール用エンボスロールを使用して、温度180℃、圧力8kg/cm、処理速度1.2m/分で型押しを行って、直径3.8mmの円形の凸部の平均高低差(A)が170μmで、その上面の投影面積が11.1mm2で、凸部の全投影面積が基材シートの全投影面積の48%である一次凸部を形成した。得られた一次凸部の上面のみを、先に着色した色にカーボンブラックを添加して黒味方向に色調を変化させたエーテル系ポリウレタンインクで着色した。
次に、その上に、エンボスロールを用いて、温度150℃、圧力1.5kg/cm、処理速度2m/分で型押しを行って二次凹凸部を形成した。二次凹凸部は、平均高低差(B)15μmで、その凸部同士の平均間隔が170μmで、二次凹凸部の全投影面積の割合が基材シートの全表面積の45%であった。この二次凹凸部に、ノンスリップ性を付与する樹脂としてポリカーボネート系ポリウレタン(株式会社セイコー化成製、U−5811)を用いて、150メッシュのロールにより2段塗布した。
以上により得られたシートで被覆したバスケットボールを作製したところ、一次凹凸の凹部と凸部で色調が異なって見え、バスケットボールとしては非常に高級感のある外観であり、バスケットボールの試合に使用したところ、長期間使用しても、良好なノンスリップ性を維持していた。
Claims (8)
- 繊維基材の表層に高分子重合体層を有するシートで被覆されたスポーツ用ボールあって、該高分子重合体層は、一次凸部と該一次凸部の上面に形成された二次凹凸部を有し、該一次凸部は、その平均高低差(A)が50〜1000μmで、その上面の投影面積が1〜300mm2であり、該二次凹凸部は、その平均高低差(B)が5〜200μmで、その凸部同士の平均間隔が100〜500μmであり、かつA≧Bであることを特徴とする気体充填型スポーツ用ボール。
- 繊維基材が、繊維絡合体と高分子弾性体からなる皮革様繊維基材である請求項1に記載の気体充填型スポーツ用ボール。
- 繊維基材が、3次元絡合不織布の内部に高分子弾性体が含浸されたものである請求項1または2に記載の気体充填型スポーツ用ボール。
- 前記二次凹凸部の全投影面積の割合がシート全体の面積比率で30〜85%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の気体充填型スポーツ用ボール。
- 前記高分子重合体層を構成する樹脂がノンスリップ性を有する樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の気体充填型スポーツ用ボール。
- 前記二次凹凸部の少なくとも凸部にノンスリップ性を有する樹脂が付与されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の気体充填型スポーツ用ボール。
- 前記一次凸部の上面が凹部と異なる色調を有している請求項1〜6のいずれか1項に記載の気体充填型スポーツ用ボール。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のバスケットボール。
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