JP4699104B2 - 背裏材および肩バンド並びにそれらを用いた鞄 - Google Patents
背裏材および肩バンド並びにそれらを用いた鞄 Download PDFInfo
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Description
(1)表面に実質的に連続する凸部とそれに隣接する凹部を有し、該凸部と該凹部の高低差が50〜800μm、隣接する凹部の垂直投影面積が3〜30mm2、凹部同士の平均間隔が0.5〜5mmであり、厚さ方向の20%圧縮応力が0.1〜1.0kg/cm2であるシート(A)を少なくとも一部に用いた背裏材または肩バンド材
(2)凹部の垂直投影面積の総面積が、シート(A)の表面の面積の30〜60%である前記(1)の背裏材または肩バンド材
(3)シート(A)の表面に存在する凹部の形状が半球状である前記(1)または(2)の背裏材または肩バンド材
(4)シート(A)が繊維基材を含むものである前記(1)〜(3)のいずれかの背裏材または肩バンド材
(5)シート(A)の表面が高分子弾性体で形成されている前記(1)〜(4)のいずれかの背裏材または肩バンド材
(6)シート(A)の少なくとも表面に、消臭剤もしくは抗菌剤が付与されている前記(1)〜(5)のいずれかの背裏材または肩バンド材
(7)前記(1)〜(6)のいずれかの背裏材または肩バンド材を用いた鞄。
及びである。
また、シート(A)の表面は高分子弾性体で形成することが好ましく、「実質的に連続する凸部」は高分子弾性体からなることがより好ましい。「実質的に連続する凸部」を有するシートの形成方法としては、安定的に所望の凹凸形状が付与可能な方法であれば、従来公知の方法が何れも採用可能である。例えば、少なくとも表面が高分子弾性体からなる層により形成されたシート(A)の表面を、所望の凹凸形状を有するエンボスロール等により型押しをする方法、あるいは所望の凹凸形状を有する離型シートに高分子弾性体液を流延・固化させて形成した高分子弾性体層をシート(A)の表面層として使用する方法などを採用することができる。
なお、本発明でいう「凸部と凹部の高低差」とは、凸部の最も高い部分とその凸部に隣接する連続する凹部の最も深い部分の高低差を断面写真にて測定し、10点の測定値を平均した値をいう。
凹部の形状を半球状とすることで、立体感が強調された独特の外観が得られると共に、立体形状自体の耐久性、耐磨耗性において良好な結果が得られるだけでなく、安定的に良好なクッション性あるいはフィット性が得られるようになる。
なお、「凹部同士の平均間隔」とは、表面を電子顕微鏡にて撮影し、任意の凹部10点を選び、その凹部の外周を基準に隣りあう凹部の最短距離を測定した平均値をいう。また、凹部が前記のとおり全て曲線であれば、シート表面の垂線となす角度が45°の部分を凹部と凸部との境界とし、あるいは角があればその部分を凹部と凸部との境界として、境界線に囲まれた部分を外周とする。
ポリウレタン系樹脂の代表例としては、例えば、平均分子量500〜3000のポリエステルジオ−ル、ポリエーテルジオール、ポリエステルエーテルジオール、ポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオールなどから選ばれた少なくとも1種類のポリマージオールと、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの芳香族系、脂環族系、脂肪族系の有機ジイソシアネートなどから選ばれた少なくとも1種の有機ジイソシアネートと、ジオール、ジアミン、ヒドロキシアミン、ヒドラジン、ヒドラジドなどの活性水素原子を少なくとも2個有する低分子化合物から選ばれた少なくとも1種類の鎖伸長剤とを所定のモル比で反応させることにより得られる各種のポリウレタンが挙げられる。ポリウレタンは、必要に応じて、複数種のポリウレタンを混合したものを用いてもよく、また合成ゴム、ポリエステルエラストマー、ポリ塩化ビニルなどの重合体を添加して得た重合体組成物として使用することもできる。
また低コスト化などの目的で、必要とする質量の約2倍の繊維絡合体に高分子弾性体溶液を含浸・凝固させた後にバンドナイフなどにより厚さ方向に分割することにより、効率よく1度に2枚の繊維基材を製造することもできる。
ポリウレタン系樹脂としては、前記した各種のポリウレタンが挙げられる。また、必要に応じて複数種のポリウレタンを混合したものを用いてもよく、また合成ゴム、ポリエステルエラストマー、ポリ塩化ビニルなどの重合体を添加して得られる、ポリウレタンを主体とした重合体組成物として使用することもできる。主体として用いられるポリウレタンとしては、耐加水分解性、弾性などの点で、ポリカーボネート系のポリマージオールを主体として使用したものが好ましく用いられる。
(1)極細繊維の繊度
繊維断面を電子顕微鏡で撮影し、その写真から任意に選び出した50本の極細繊維の断面積の平均値から算出した。
(2)厚さ
JIS L1096に従って、240g/cm2荷重時の厚さを測定した。
(3)20%圧縮応力
圧縮弾性試験機を用いて試験用シート(10cm×10cm)の厚さ方向に荷重をかけその厚さを測定する。荷重240g/cm2の時の厚さを基準とし、厚さが20%減少した時の荷重を読みとり、1cm2当たりの荷重に変換し20%圧縮応力とする。
実施例1において、エンボスロールにて付与する凹凸模様として、フラットな毛穴ジボ状、即ち平均半径20μmで、平均高低差が40μmの円筒状の陥没が2000個/cm2と多数存在する形状のシート表面が得られるエンボスロールを使用した以外は、実施例1と同様の条件で処理した。得られた凹凸形状は、連続した凸部とそれに隣接する凹部との高低差が何れの場所においてもほぼ同様の大きさであって、その平均値が40μmであり、凹部の形状は円筒状を有していた。また凹部の垂直投影面積、即ちシート表面に垂直な上面方向からの凹部の投影面積が何れの凹部もほぼ同様の大きさであって、その平均値が0.001mm2であり、凹部同士の平均間隔が0.18mmであり、凹部の投影面積の合計面積に対する割合がシート全体の投影面積の2.5%であった。また、得られた背裏材用シートおよび肩バンド用シートの20%圧縮応力は、それぞれ1.2kg/cm2および1.8kg/cm2であった。得られたランドセルを用いて10人の小学生の児童に対してモニター試験を行った結果、実施例1で得られたランドセルと比してクッション性およびフィット性に劣るため、いずれの児童も「従来のランドセルと同等」と評価した。
実施例1において、エンボス処理の温度130℃、圧力4kg/cm2、処理速度4m/分として連続した凸部に隣接して存在する凹部との高低差を30μmとした以外は、実施例1と同様の条件で処理した。得られた凹凸形状は、連続した凸部とそれに隣接する凹部との高低差が何れの場所においてもほぼ同様の大きさであって、その平均値が30μmであり、凹部の形状は極浅い半球状を有していた。また凹部の垂直投影面積、即ちシート表面に垂直な上面方向からの凹部の投影面積が何れの凹部もほぼ同様の大きさであって、その平均値が6mm2であり、凹部同士の平均間隔が1.7mmであり、凹部の投影面積の合計面積に対する割合がシート全体の投影面積の34%であった。また、得られた背裏材用シートおよび肩バンド用シートの20%圧縮応力は、それぞれ1.1kg/cm2および1.5kg/cm2であった。得られたランドセルを用いて10人の小学生の児童に対してモニター試験を行った結果、実施例1で得られたランドセルと比してクッション性あるいはフィット性に劣るため、いずれの児童も「従来のランドセルと同等」と評価した。
実施例1において、高さ1mm、上面からの投影面積が60mm2の半球状の凸部を有するエンボスロールを用いることにより、連続した凸部に隣接して存在する凹部の垂直投影面積を50mm2とした以外は、実施例1と同様の条件で処理した。得られた凹凸形状は、連続した凸部とそれに隣接する凹部との高低差が何れの場所においてもほぼ同様の大きさであって、その平均値が400μmであり、凹部の形状は極浅い半球状を有していた。また凹部の垂直投影面積、即ちシート表面に垂直な上面方向からの凹部の投影面積が何れの凹部もほぼ同様の大きさであって、その平均値が50mm2であり、凹部同士の平均間隔が0.9mmであり、凹部の投影面積の合計面積に対する割合がシート全体の投影面積の63%であった。また、得られた背裏材用シートおよび肩バンド用シートの20%圧縮応力は、それぞれ0.3kg/cm2および0.6kg/cm2であった。得られたランドセルを用いて10人の小学生の児童に対してモニター試験を行った結果、実施例1で得られたランドセルと同等のクッション性あるいはフィット性を有するため、いずれの児童も「従来のランドセルよりも着用感が良好で持ち易い」と評価した。しかし、実着用時に硬い異物と接触することを想定した耐摩耗性テスト結果は実用上問題のあるレベルであり、商品価値は低いものであった。
Claims (7)
- 表面に実質的に連続する凸部とそれに隣接する凹部を有し、該凸部と該凹部の高低差が50〜800μm、隣接する凹部の垂直投影面積が3〜30mm2、凹部同士の平均間隔が0.5〜5mmであり、厚さ方向の20%圧縮応力が0.1〜1.0kg/cm2であるシート(A)を少なくとも一部に用いた背裏材または肩バンド材。
- 凹部の垂直投影面積の総面積が、シート(A)の表面の面積の30〜60%である請求項1に記載の背裏材または肩バンド材。
- シート(A)の表面に存在する凹部の形状が半球状である請求項1または2のいずれか1項に記載の背裏材または肩バンド材。
- シート(A)が繊維基材を含むものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の背裏材または肩バンド材。
- シート(A)の表面が高分子弾性体で形成されている請求項1〜4のいずれかに1項に記載の背裏材または肩バンド材。
- シート(A)の少なくとも表面に、消臭剤もしくは抗菌剤が付与されている請求項1〜5のいずれかに1項に記載の背裏材または肩バンド材。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の背裏材または肩バンド材を用いた鞄。
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JP2005184821A JP4699104B2 (ja) | 2005-06-24 | 2005-06-24 | 背裏材および肩バンド並びにそれらを用いた鞄 |
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Publications (2)
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Country Status (1)
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Citations (4)
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- 2005-06-24 JP JP2005184821A patent/JP4699104B2/ja active Active
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