JP2005086269A - イメージ読取装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 原稿の種類に応じたイメージ読取り処理を行えることができるようにする。
【解決手段】 イメージ読取装置(1)は、原稿に光を照射してその原稿の反射光を受光体に受光させるための反射光源(13)と、原稿に光を照射してその原稿の透過光を前記受光体に受光させるための光源であって、ポジの読み取りのためのポジ光源(15)と、原稿に光を照射してその原稿の透過光を前記受光体に受光させるための光源であって、ネガの読取りのためのネガ光源(17)と、前記原稿の種類に応じて、前記反射原稿、前記ポジ原稿及び前記特殊原稿を選択的に使用して読取り処理を実行する制御手段(31)とを備える。
【選択図】 図4

Description

本発明は、原稿のイメージを読取るための技術に関する。
従来、原稿に光を照射してその原稿の反射光を得るために使用されるランプ(以下、「反射ランプ」と言う)と、原稿に光を照射してその原稿の透過光を得るために使用されるランプ(以下、「透過ランプ」と言う)との2つのランプを搭載することができるイメージ読取装置が知られている。
特開平09−055830号公報
透過ランプが使用される場合の読取り対象原稿として、例えば、35mmフィルムやブローニーフィルム等の写真フィルムが考えられる。写真フィルムには、ネガフィルムとポジフィルムの2種類がある。
このため、写真フィルムを、上述した従来のイメージ読取装置を用いて読取る場合、その写真フィルムがネガフィルムであるかポジフィルムであるかに関わらず、同一の透過ランプが使用される。
しかし、ネガフィルムとポジフィルムは特性が異なるため、その読み取りの結果が必ずしも良好になるとは限らない。
このような問題点は、写真フィルム以外の原稿の読み取りの際にも存在し得る。
従って、本発明の目的は、原稿の種類に応じたイメージ読取り処理を行えることができるようにすることにある。
本発明に従うイメージ読取装置は、原稿に光を照射してその原稿の反射光を受光体に受光させるための反射光源と、原稿に光を照射してその原稿の透過光を前記受光体に受光させるための光源であって、ポジの読み取りのためのポジ光源と、原稿に光を照射してその原稿の透過光を前記受光体に受光させるための光源であって、ネガの読取りのためのネガ光源と、前記原稿の種類に応じて、前記反射原稿、前記ポジ原稿及び前記ネガ原稿を選択的に使用して読取り処理を実行する制御手段とを備える。
第1の好適な実施形態では、前記ネガ光源は、原稿に光を照射してその原稿の反射光又は透過光を前記受光体に受光させるための光源であって、特殊原稿の読取りのための特殊光源であっても良い。ここで、特殊光源とは、例えば、光のRGB成分比率が均等ではない光(つまりRGB成分比率が不均等である光)を発する光源であり、特殊原稿とは、例えば、そのような光を使用して読取るのに適した原稿である。
第2の好適な実施形態では、前記受光体は、受けた光の光量に応じた電荷を蓄積し出力するイメージセンサであり、前記ネガ光源は、RGB成分比率が不均等な光を発する光源であり、前記制御手段は、前記ネガ光源が発する光の前記RGB成分比率に基づいて、前記イメージセンサにおいて電荷を蓄積する時間長を調節する。具体的には、例えば、制御手段は、イメージセンサのRGB成分の電荷蓄積時間長の比を、特殊光源が発する光のRGB成分比率の逆数比になるように調節し、その後、その光のRGB成分比率のうち最も小さい値の色成分(つまり最も光量が小さい色成分)の光についての電荷蓄積時間長に、他の色成分の光についての電荷蓄積時間長を揃えるようにする。
第3の好適な実施形態では、前記制御手段は、前記原稿の反射光を利用する読取り処理を行う場合、前記原稿の読取イメージデータの画質よりも、前記読取り処理の速度を優先するための制御を行う。
第4の好適な実施形態では、第3の好適な実施形態において、前記受光体は、受けた光の光量に応じた電荷を蓄積し出力するイメージセンサであり、所定のゲインに基づいて前記イメージセンサの出力を増幅する増幅手段を備え、前記制御手段は、前記イメージセンサでの読取りに関する読取り時間長を一定にし、前記増幅手段の前記ゲインを調節する。
第5の好適な実施形態では、前記制御手段は、前記原稿の透過光を利用する読取り処理を行う場合、前記読取り処理の速度よりも、前記原稿の読取イメージデータの画質を優先するための制御を行う。
第6の好適な実施形態では、第5の好適な実施形態において、前記受光体は、受けた光の光量に応じた電荷を蓄積し出力するイメージセンサであり、所定のゲインに基づいて前記イメージセンサの出力を増幅する増幅手段を備え、前記制御手段は、前記増幅手段の前記ゲインを一定にし、前記イメージセンサでの読取りに関する読取り時間長を調節する。
第7の好適な実施形態では、イメージ読取装置は、光源からの光の反射光又は透過光を前記受光体が受けることができるように前記原稿がセットされた原稿ホルダの挿入を受けるホルダ挿入部と、前記ホルダ挿入部に挿入された前記原稿ホルダを所定の方向に搬送する搬送手段とを備え、前記搬送手段による前記原稿ホルダの搬送に伴って、前記受光体が前記原稿の反射光又は透過光を受けるようになっている。
第8の好適な実施形態では、第4及び第7の好適な実施形態において、前記制御手段は、前記原稿ホルダの所定部分を反射した光を受けた前記イメージセンサから前記増幅手段を介して信号を受け、前記受けた信号に関する値に基づいて、前記増幅手段の前記ゲインを調節する。ここで、「受けた信号に関する値」とは、例えば、制御手段に入力される信号値又はその信号に基づいて前記制御手段から出力される信号値である。
第9の好適な実施形態では、第6及び第7の好適な実施形態において、前記制御手段は、前記原稿ホルダの所定部分を透過した光を受けた前記イメージセンサから前記増幅手段を介して信号を受け、前記受けた信号に関する値に基づいて、前記イメージセンサでの前記読取り時間長を調節する。ここで、「受けた信号に関する値」とは、例えば、制御手段に入力される信号値又はその信号に基づいて前記制御手段から出力される信号値である。
本発明に従うイメージ読取装置は、イメージ読取り機能を有する装置であれば、複写装置等の多機能のイメージスキャナであっても良い。
本発明によれば、イメージ読取装置には、原稿に光を照射してその原稿の反射光を受光体に受光させるための反射光源と、原稿に光を照射してその原稿の透過光を受光体に受光させるための光源であって、ポジの読み取りのためのポジ光源と、原稿に光を照射してその原稿の透過光を前記受光体に受光させるための光源であって、ネガの読取りのためのネガ光源とが備えられており、原稿の種類に応じて、反射光源、ポジ光源及びネガ光源が選択的に使用されて読取り処理が実行される。これにより、原稿の種類に応じたイメージ読取り処理を行うことができる。
本発明は、種々のイメージ読取装置に適用し得るが、以下、そのイメージ読取装置が、後述する「原稿ホルダ挿入タイプスキャナ」である場合を例に採り、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る原稿ホルダ挿入タイプスキャナの概観を示す。
原稿ホルダ挿入タイプスキャナ(以下、単に「スキャナ」と言う)1は、原稿がイメージ読取り可能に搭載された原稿ホルダ11の挿入を受け、その挿入された原稿ホルダ11にある原稿のイメージを読取ることができるようになっている装置である。
このスキャナ1は、不揮発性のカード型メモリの挿入が可能なメモリカードスロット5と、スキャナ1に対し種々の命令(例えば原稿ホルダ11の排出命令)等を行うための操作パネル(例えば液晶のタッチ式パネル))7と、原稿ホルダ11の挿入が可能なホルダスロット9とが備えられている。また、このスキャナ1は、種々の外部装置3と所定の通信インターフェース(例えばUSB)を介して通信可能に接続することができるようになっている。
このスキャナ1において、原稿が搭載されている原稿ホルダ11がホルダスロット9に挿入されると、その原稿ホルダ11が、内部の図示しないホルダローディング機構によってホルダスロット9から奥へと案内され、その過程で、原稿ホルダ11にイメージ読取り可能に搭載されている原稿の読取り処理が行われる。その読取り処理によって生成される原稿イメージデータは、スキャナ1に搭載されている図示しない読取りイメージ出力部によって出力される。その読取イメージ出力部は、例えば、以下の(1)〜(5)、
(1)スキャナ1に通信可能に接続されているパーソナルコンピュータ等のホスト装置に有線又は無線で原稿イメージデータを送信するデータ送信部、
(2)インターネット等の通信ネットワークを介してイメージスキャナ1に通信可能に接続されている遠隔の情報処理装置に原稿イメージデータを例えば電子メールで送信するデータ送信部、
(3)原稿イメージデータを公衆電話網を介してファクシミリで所定の又はユーザ所望の宛先に送信するファクシミリ送信部、
(4)イメージスキャナ1に着脱可能に装着された外部記憶装置(例えば、メモリカードスロット5に挿入されているカード型メモリ又は外付け式のハードディスク装置)に原稿イメージデータを格納するデータ格納部、
(5)原稿イメージデータを所定の印刷媒体(例えば普通紙又は光沢紙等)にインクジェット方式又は電子写真方式等により印刷する、又はその印刷ジョブデータを生成してプリンタに送信する印刷部、
のうちの少なくとも1つである。そのため、上記の外部装置3は、例えば、パーソナルコンピュータ等のホスト装置、プリンタ、インターネット等の通信ネットワークに接続されている遠隔の装置、ファクシミリ装置、又は外付け式のハードディスク装置である。
図2は、スキャナ1において行われるイメージ読取りの様子を示す。なお、以下の説明では、適宜、透過率よりも反射率の方が高い原稿(例えば紙やハガキ等)を「反射原稿」と言い、逆に、反射率よりも透過率の方が高い原稿(例えば、35mmフィルムやブローニーフィルム等の写真フィルム)を「透過原稿」と言う。
スキャナ1には、第1〜第3の光源が用意される。
第1の光源は、原稿に光を照射してその原稿の反射光をリニアCCD19等の受光体(例えばイメージセンサ或いは感光体)に受光させるためのランプ13である。このランプ13は、反射原稿を読取る場合に使用されるものであり、それ故、以下、このランプを「反射ランプ」と称する。この反射ランプ13が発する光に含まれるRGB成分の比率は、例えば、およそ、R:G:B=1:1:1となっている。
第2の光源は、原稿に光を照射してその原稿の透過光をリニアCCD19等の受光体(例えばイメージセンサ或いは感光体)に受光させるためのランプ15である。このランプ15は、35mmフィルム或いはブローニーフィルム等の写真フィルムのうちのポジフィルムを読取る場合に使用されるポジフィルム専用のものである。そのため、以下、このランプを「ポジランプ」と称する。このポジランプ15が発する光に含まれるRGB成分の比率は、例えば、およそ、R:G:B=1:1:1となっている。
第3の光源は、ポジランプ15と同様に、原稿に光を照射してその原稿の透過光をリニアCCD19等の受光体(例えばイメージセンサ或いは感光体)に受光させるためのランプ17である。しかし、このランプ17は、写真フィルムのうちのネガフィルムを読取る場合に使用されるネガフィルム専用のものである。そのため、以下、このランプを「ネガランプ」と称する。このネガランプ17が発する光に含まれるRGB成分の比率は、例えば、およそ、R:G:B=1:2:3となっている。従って、ネガランプ17が発する光は、反射ランプ13やポジランプ15に比べると青白い光となる。
反射ランプ13、ポジランプ15、及びネガランプ17は、所定種類のランプ(例えば、蛍光水銀ランプ、チョークレス水源ランプ等の水銀ランプ)であるが、全てのランプ13〜17が同じ種類のランプであっても良いし異なる種類のランプであっても良い。
原稿をイメージ読取り可能に搭載している原稿ホルダ11がスキャナ1に挿入されると、図示しないホルダローディング機構(例えば、原稿ホルダ11を搬送するためのベルトやそのベルトを動かすためのモータ等を含む機構)によって、原稿ホルダ11が、ホルダスロット9から奥へと取り込まれる。この原稿ホルダ11には、複数種類、例えば、図3に示すように、反射用ホルダ11Aと、透過用ホルダ11Bとの2種類ある。
反射用ホルダ11Aは、反射原稿がセットされるホルダであり、反射ランプ13からの光を受ける照射領域12Aと、原稿読み取り領域14Aとを有している。照射領域12Aには、後述するAFE(アナログ・フロント・エンド)の属性(例えばゲイン)の調整処理のために使用される白基準シートが備えられている。原稿読取り領域14Aには、セットされた反射原稿が受光可能な状態で表れるようになっており、この状態で、紙面表方向から反射原稿に反射ランプ13が発した光が照射されると、その光が反射原稿によって反射され、それの反射光が反射原稿から紙面表方向に照射されることとなる。
透過用ホルダ11Bは、透過原稿(例えばポジフィルム及びネガフィルムの少なくとも一方)がセットされるホルダであり、ポジランプ15又はネガランプ17からの光を受ける照射領域12Bと、原稿読み取り領域14Bとを有している。照射領域12Bは、光を透過する窓(例えば、単に打ち抜かれた状態でも良いし、そこに透過率の高い板が張られたものでも良い)になっており、リニアCCD19の制御のために使用される領域である。原稿読取り領域14Bには、セットされた1又は複数の透過原稿(例えばローディング方向に長い写真フィルム)が受光可能な状態で表れるようになっており、この状態で、紙面表方向から透過原稿にポジランプ15又はネガランプ17が発した光が照射されると、その光が透過原稿を透過し、それの透過光が透過原稿から紙面裏方向に照射されることとなる。
図4は、スキャナ1内部の構成を示すブロック図である。
スキャナ1には、リニアCCD19からの出力をデジタル信号に変換して出力するAFE(アナログ・フロント・エンド)35と、AFE35から出力されたデジタル信号を受けて図示しないイメージメモリ(例えばRAM)に出力してそのメモリに原稿イメージデータを蓄積するASIC31等の読取り制御回路とが備えられている。また、スキャナ1には、商用電源からの電力を所定の構成要素(例えばASIC31)に供給する電源回路30と、電源回路30から光源13〜17及びCCD19へ供給される電力を制御する電源制御回路36とが備えられている。
ASIC31には、種々の要素、例えば、クロックジェネレータ34と、メイン制御部(例えばCPU)33とが備えられている。クロックジェネレータ34は、所定のシフトパルスを生成してリニアCCD19に入力し、それによって、リニアCCD19において、電荷の蓄積の開始及び終了や、蓄積された電荷の転送の開始及び終了が行われる。メイン制御部33は、スキャナ1の種々の処理の制御、例えば、電源制御回路36をして、反射ランプ13、ポジランプ15、ネガランプ17及びリニアCCD19への電源のオン/オフを制御せしめたり、クロックジェネレータ34をして、シフトパルスをリニアCCD19に送信するタイミングを制御せしめたり、図示しないホルダローディング機構をして、原稿ホルダ11の位置や搬送速度を制御せしめたりする。
以下、ASIC31が行う制御の流れについて詳細に説明する。なお、以下の説明では、スキャナ1に対する命令は、所定のユーザインターフェース(例えば、操作パネル7、又は、スキャナ1に接続されている外部装置3のディスプレイ画面に表示されているGUI、以下、「GUI」と総称する)を用いてユーザが行った操作内容に対応したものとする。
図5は、スキャナ1の電源が投入された時のASIC31の動作フローを示す。
スキャナ1の電源が投入されると(又は、所定のエラー状態からのリセット処理が行われると)、ASIC31は、以下の(A−1)ステップを行う。
(A−1)ステップ
ASIC31は、電源制御回路36を制御して、図6に示すように、反射ランプ13の通電時間(例えば0.33秒間)、ポジランプ15の通電時間(例えば0.33秒間)、ネガランプ17の通電時間(例えば0.33秒間)を順次に切り替えていくようにデューティ点灯を行う。換言すれば、ASIC31は、ランプ13、15及び17の各々のオン/オフを適時に切り替える。図6の例では、1サイクルの時間は約1秒であり、各ランプ13、15及び17のデューティ比(電源ON状態時間と電源OFF状態時間の比)は、1:2である。
以上が、図5の(A−1)ステップでの動作である。
なお、このようにデューティ点灯を行うことは、以下のような効果がある。
すなわち、反射ランプ13、ポジランプ15及びネガランプ17の各々は、それの電源をターンオンしても直ちにそれの光量が安定するわけではなく、それの電源がターンオンしてから光量が安定するまでのウォームアップに一定時間(例えば約1分間)かかる。そのため、原稿の読み取り開始直前にウォームアップを開始すると、実際に読取り可能な程度に光量が安定するまで時間がかかり、結果として、読取りに要する時間が長くなってしまう。だからと言って、スキャナ1の電源が投入されてから、原稿ホルダ11A又は11Bが挿入されそれの読取り処理が開始されるまでの間中、ランプ13、15及び17の電源をオン状態にし続けると、電力の消費量が無駄に多くなる。
そこで、本実施例のように、ASIC31が、スキャナ1の電源が投入されてから、原則として少なくとも原稿ホルダ11A又は11Bのローディングが開始されるまでの間、上述したようなデューティ点灯を行い続けることで、実際に読取り処理を開始するためのランプ13、15及び17のウォームアップ時間をそれぞれ短縮することができ、且つ、電力の消費量も抑えることができる。
さて、原稿ホルダ11A又は11Bが挿入されたことを検出するためのセンサがスキャナ1に備えられていて、スキャナ1に原稿ホルダ11A又は11Bが挿入されると、ASIC31は、そのセンサからの信号に基づいて、原稿ホルダ11A又は11Bの挿入を検出することができる。
ASIC31は、原稿ホルダ11A又は11Bの挿入が検出される前に、ユーザによるGUIの操作等によって、読取り対象の原稿の種類(例えば、反射原稿、ポジフィルム及びネガフィルム)が選択された場合は、上述した(A−1)ステップを維持する、つまり、デューティ点灯を行い続ける。
また、ASIC31は、原稿ホルダ11がスキャナ1に挿入されたことを検出したときは、以下の(A−2)ステップを行う。さらに、ASIC31は、デューティ点灯を開始してからの経過時間をカウントしており、所定イベント(例えば、原稿ホルダの挿入又は排出命令)が検出されることなく、その経過時間が所定時間(例えば14分間)を超えたときも、以下の(A−2)ステップを行う。
(A−2)ステップ
ASIC31は、電源制御回路36を制御して、全てのランプ13、15及び17の電源をオフ状態にする。この状態のときに、ASIC31は、挿入された原稿ホルダ11A又は11Bのローディングを開始し、そのホルダの種類を識別してローディングを終了し、それと共に、原稿ホルダ11A又は11Bを、ホームポジション(例えば、ランプ13、15又は17が発した光がホルダの照射領域12A又は12Bに当たる位置)に到達させ、その場所で、原稿ホルダ11A又は11Bを待機状態にする。
以上が、(A−2)ステップでの動作である。
全てのランプ13、15及び17の電源がオフにされている状態は、原稿ホルダ11A又は11Bのローディングが終了するまで維持される。原稿ホルダの種類の判別は、種々の方法で行うことができる。例えば、スキャナ1が原稿ホルダ11の搬送路近傍に複数個のセンサ(例えばフォトカプラ)を備え、ASIC31が、どのセンサからの信号に変化があったかを識別することにで、原稿ホルダの種類を判別することができる(この場合において、そのセンサが光センサであれば、例えば、原稿ホルダ11A及び11Bの各々は、そのホルダの種類に基づくホルダ上の場所に、発光素子が発する光を透過してその光を受光素子が受光可能なように光透過用窓を有する)。また、ASIC31は、ユーザからGUIを介してホルダ種類の入力を受け、その入力された情報に基づいて、原稿ホルダの種類を判別することもできる。
全てのランプ13、15及び17の電源がオフ状態のとき、ASIC31が、挿入された原稿ホルダが透過用ホルダ11Bであることを識別し、且つ、ユーザからGUIを介してポジフィルム読取りが選択されていなければ、後述する(B−1)ステップを行う。
また、そのオフ状態のとき、ASIC31が、挿入された原稿ホルダが透過用ホルダ11Bであることを識別し、且つ、ユーザからGUIを介してポジフィルム読取りが選択されていれば、後述する(D−1)ステップを行う。
また、そのオフ状態のとき、ASIC31が、挿入された原稿ホルダが反射用ホルダ11Aであることを識別したならば、後述する(F−1)ステップを行う。
また、そのオフ状態のとき、スキャナ1へのアクセス(例えば、GUIの操作又は原稿ホルダの挿入或いは排出命令)が検出されたときは、ASIC31は、上述した(A−1)ステップを行う(つまりデューティ点灯を行う)。
図7は、ネガフィルム読取り時の動作遷移図である。この図を参照して、(B−1)ステップ等について説明する。
(B−1)ステップ
ASIC31は、電源制御回路36を制御して、ネガランプ17のみの電源をターンオンしてネガランプ17のみを点灯させ、他のランプ13、15の電源はオフ状態にする。具体的には、例えば、ASIC31は、スキャナ1に挿入された原稿ホルダ11A又は11Bのローディングの実行中は全てのランプ13、15及び17の電源をオフ状態にするが((A−2)ステップ)、原稿ホルダが透過用ホルダ11Bであることを識別してローディングが終了したとき、ユーザからGUIを介してポジフィルム読取りが選択されていなければ、図8に示すように、ネガランプ17のみの電源をターンオンしてネガランプ17のみを点灯させ、他のランプ13、15の電源はオフ状態にする。透過用ホルダ11Bが識別されてローディングが終了した時点では、ネガとポジのどちらの読取り処理を行うことになるのかは不明であるが、ポジランプ15よりもネガランプ17の方が光量が安定するまでに長時間を要する場合は、上記のようにポジランプ15よりもネガランプ17を先にターンオンすることにより、以後、ネガとポジのどちらの読取り処理を行うことになっても、迅速に読取り処理を開始することが可能である。
以上が、(B−1)ステップでの動作である。
なお、この状態において、ユーザがGUIを操作してネガ読取りを選択する等によって、スキャナ1がネガ読取りコマンドを受信したときは、ASIC31は、後述する(C−1)ステップを行う。
また、この状態において、ユーザがGUIを操作してポジ読取りを選択する等によって、スキャナ1がポジ読取りコマンドを受信したときは、ASIC31は、後述する(D−1)ステップを行う。その際、ASIC31は、電源制御回路36を制御して、ネガランプ17の電源をターンオフしてネガランプ17を消灯させる。
また、この状態において、挿入されている原稿ホルダがイジェクトされたときは(又はスキャナ1が原稿ホルダのイジェクト命令を受けたときは)、ASIC31は、上述した(A−1)ステップを行う(つまりデューティ点灯を行う)。
また、ASIC31は、ネガランプ17の電源をターンオンしたときは、その時点からの経過時間をカウントし、所定イベント(例えば上記コマンドの受信)が検出されることなくその経過時間が所定時間(例えば20秒間)を越えたならば、以下の(B−2)ステップを行う。
(B−2)ステップ
ASIC31は、電源制御回路36を制御して、ネガランプ17の点灯(つまりネガランプ17の電源のオン状態)を継続して待機する。
以上が、(B−2)ステップでの動作である。
なお、この状態において、ユーザがGUIを操作してネガ読取りを選択する等によって、スキャナ1がネガ読取りコマンドを受信したときは、ASIC31は、後述する(C−2)ステップを行う。
また、この状態において、ユーザがGUIを操作してポジ読取りを選択する等によって、スキャナ1がポジ読取りコマンドを受信したときは、ASIC31は、後述する(D−1)ステップを行う。その際、ASIC31は、電源制御回路36を制御して、ネガランプ17の電源をターンオフしてネガランプ17を消灯させる。
また、この状態において、挿入されている原稿ホルダがイジェクトされたときは(又はスキャナ1が原稿ホルダのイジェクト命令を受けたときは)、ASIC31は、上述した(A−1)ステップを行う(つまりデューティ点灯を行う)。
また、この待機状態になってから、所定のイベント(例えば操作パネル7)が検出されることなく所定時間(例えば14分間)が経過したら、ASIC31は、以下の(B−3)ステップを行う。
(B−3)ステップ
ASIC31は、電源制御回路36を制御して、ネガランプ17の電源をターンオフしネガランプ17を消灯させる。
以上が、(B−3)ステップでの動作である。
なお、このようにネガランプ17の電源がオフ状態のときにおいて、ユーザがGUIを操作してポジ読取りを選択する等によって、スキャナ1がポジ読取りコマンドを受信したときは、ASIC31は、後述する(D−1)ステップを行う。
また、この状態において、挿入されている原稿ホルダがイジェクトされたときは(又はスキャナ1が原稿ホルダのイジェクト命令を受けたときは)、ASIC31は、上述した(A−1)ステップを行う(つまりデューティ点灯を行う)。
また、この状態において、ユーザがGUIを操作してネガ読取りを選択する等によって、スキャナ1がネガ読取りコマンドを受信したときは、ASIC31は、以下の(C−1)ステップを行う。
(C−1)ステップ
この(C−1)ステップは、ネガランプ17の電源がオフ状態からオン状態に切り替えられるとき、具体的には、例えば、反射ランプ13の制御(F及びGステップ)又はポジランプ15の制御(D及びEステップ)が行われている状態からネガランプ17の制御を行うとき、又は、ネガランプ17が待機(消灯)していた状態からネガランプ17の制御を開始するときに行われる。
ASIC31は、電源制御回路36を制御し、ネガランプ17の電源をターンオンしてネガランプ17を点灯させることで、ネガランプ17のウォームアップを行う。ASIC31は、ネガランプ17の光量が安定したことを検出した(又は、ネガランプ17の電源をターンオンしてから所定時間(例えば20秒)が経過した)時点で、ウォームアップが完了したものとして後述の(C−2)ステップを行う。
以上が、(C−1)ステップでの動作である。
なお、この(C−1)ステップにおいて、光量の安定の検出は、所定の条件が満たされたときに行われる。具体的には、例えば、図9に示すように、ASIC31が、所定時間毎(例えば約1秒毎)に下式(1)、
変化比率=1+{(P1−P0)/P0}/Δt
≒P1/P0(Δtが十分1秒に近い場合)・・・・(1)
で求められる変化比率(単位時間(例えば1秒)当たりの光量変化の比率)が所定範囲(例えば0.99以上1.01以下)であるか否かを判断し、その判断結果が肯定的であるときに、光量の安定が検出される。なお、この判断において、得られる光量の値は、リニアCCD19に主走査方向(原稿ホルダと搬送方向と直行する方向)に沿って列になって並んでいる画素センサの出力に基づく値であるが、この判断では、その光量の値は、例えば、光量の立ち上がりが遅い主走査方向中央部分にある50個の画素センサの出力の合計値である。
また、この(C−1)ステップにおいて、ネガランプ17の電源をターンオンしてから(つまりネガランプ17が点灯してから)所定時間(例えば20秒間)が経過した時点でも、50個の画素センサの出力値の平均(又は少なくとも1つの画素センサの出力値)が50/255以下の場合は、ASIC31は、後述する(I)ステップ、例えば、ネガランプ17に関するエラーをユーザに報知する。
さて、次に(C−2)ステップの動作を説明する。
(C−2)ステップ
ASIC31は、透過用ホルダ11Bに実際にセットされている原稿の種類に関わらず、ネガのための読取り処理を行う。
具体的には、ASIC31は、ネガランプ17やリニアCCD19のイニシャライズ、例えば、ALOC(Auto Lamp On Time Control)を行ってネガランプ17の点灯時間(換言すれば、ネガランプ17の電源をオン状態にし続ける時間)を決定する。次に、ASIC31は、ネガランプ17から透過用ホルダ11Bの照射領域12Bを透過した光を受けたリニアCCD19の出力値に基づいて、リニアCCD19における所定の処理時間長を制御する(詳細は後述する)。その後、ASIC31は、ホルダローディング機構を制御して透過用ホルダ11Bをローディング方向に搬送すると共に、それに伴ってリニアCCD19からAFE35を介してデジタルデータを受信し、それを図示しないイメージメモリに蓄積する。これにより、透過用ホルダ11Bの搬送が終了すると、そのホルダ11Bにセットされている原稿の読取イメージデータがイメージメモリに存在し、そのイメージデータは、所定のタイミングで、前述した読取りイメージ出力部に出力される。
以上が、(C−2)ステップである。
ASIC31は、ネガの読取り処理の間は、ネガランプ17の電源のオン状態を維持して、ネガランプ17を点灯し続ける。そして、ASIC31は、ネガの読取り処理が完了したら、原稿ホルダ11Bをホームポジションに戻すと共に、上述した(B−2)ステップを実行する(なお、ASIC31は、(B−2)ステップを行う代わりに、ネガランプ17を消灯しても良いし、或いは、少なくともネガランプ17をデューティ点灯しても良い)。
図10は、ポジフィルム読取り時の動作遷移図である。この図を参照して、(D−1)ステップ等について説明する。
(D−1)ステップ
ASIC31は、電源制御回路36を制御して、ポジランプ15のみの電源をターンオンしてポジランプ15のみを点灯させ、他のランプ13、17の電源はオフ状態にする。
以上が、(D−1)ステップでの動作である。
ASIC31は、(B−2)ステップ等においてスキャナ1がポジ読取りコマンドを受信することによりこの(D−1)ステップを行ったならば、その後、ポジランプ15のウォームアップ処理(後述する(E−1)ステップ)を行う。一方、それ以外の原因によって(D−1)ステップを行ったときは、ASIC31は、この(D−1)ステップでの状態において、スキャナ1がポジ読取りコマンドを受信したときも、ポジランプ15のウォームアップ処理(後述する(E−1)ステップ)を行う。
また、この(D−1)ステップでの状態において、ユーザがGUIを操作してネガ読取りを選択する等によって、スキャナ1がネガ読取りコマンドを受信したときは、ASIC31は、前述した(B−1)ステップを行う。その際、ASIC31は、電源制御回路36を制御して、ポジランプ15の電源をターンオフしてポジランプ15を消灯させる。
また、この状態において、挿入されている原稿ホルダがイジェクトされたときは(又はスキャナ1が原稿ホルダのイジェクト命令を受けたときは)、ASIC31は、上述した(A−1)ステップを行う(つまりデューティ点灯を行う)。
また、ASIC31は、ポジランプ15の電源をターンオンしたときは、その時点からの経過時間をカウントし、所定イベント(例えば上記コマンドの受信)が検出されることなくその経過時間が所定時間(例えば20秒間)を越えたならば、以下の(D−2)ステップを行う。
(D−2)ステップ
ASIC31は、電源制御回路36を制御して、ポジランプ15の点灯(つまりポジランプ15の電源のオン状態)を継続して待機する。
以上が、(D−2)ステップでの動作である。
なお、この状態において、スキャナ1がポジ読取りコマンドを受信したときは、ASIC31は、後述する(E−2)ステップを行う。
また、この状態において、スキャナ1がネガ読取りコマンドを受信したときは、ASIC31は、前述した(B−1)ステップを行う。その際、ASIC31は、電源制御回路36を制御して、ポジランプ15の電源をターンオフしてポジランプ15を消灯させる。
また、この状態において、挿入されている原稿ホルダがイジェクトされたときは(又はスキャナ1が原稿ホルダのイジェクト命令を受けたときは)、ASIC31は、上述した(A−1)ステップを行う(つまりデューティ点灯を行う)。
また、この待機状態になってから、所定のイベント(例えば操作パネル7)が検出されることなく所定時間(例えば14分間)が経過したら、ASIC31は、以下の(D−3)ステップを行う。
(D−3)ステップ
ASIC31は、電源制御回路36を制御して、ポジランプ15の電源をターンオフしポジランプ15を消灯させる。
以上が、(D−3)ステップでの動作である。
なお、このようにポジランプ15の電源がオフ状態のときに、スキャナ1がネガ読取りコマンドを受信したときは、ASIC31は、前述した(B−1)ステップを行う。
また、この状態において、挿入されている原稿ホルダがイジェクトされたときは(又はスキャナ1が原稿ホルダのイジェクト命令を受けたときは)、ASIC31は、上述した(A−1)ステップを行う(つまりデューティ点灯を行う)。
また、この状態において、スキャナ1がポジ読取りコマンドを受信したときは、ASIC31は、以下の(E−1)ステップを行う。
(E−1)ステップ
ASIC31は、電源制御回路36を制御し、ポジランプ15のウォームアップを行う。ASIC31は、ポジランプ15が点灯してそれの光量が安定したことを検出した(又は、ポジランプ15の電源をターンオンしてから所定時間(例えば20秒)が経過した)時点で、ウォームアップが完了したものとして後述の(E−2)ステップを行う。
以上が、(E−1)ステップでの動作である。
なお、この(E−1)ステップにおいて、光量の安定の検出は、所定の条件が満たされたときに行われる。具体的には、例えば、ネガランプ17の光量の安定を検出する方法と同じ方法で行われる。
この(E−1)ステップにおいて、ポジランプ15の電源をターンオンしてから(つまりポジランプ15が点灯してから)所定時間(例えば20秒間)が経過した時点でも、上記50個の画素センサの出力値の平均(又は少なくとも1つの画素センサの出力値)が50/255以下の場合は、ASIC31は、後述する(I)ステップ、例えば、ポジランプ15に関するエラーをユーザに報知する。
さて、次に(E−2)ステップの動作を説明する。
(E−2)ステップ
ASIC31は、透過用ホルダ11Bに実際にセットされている原稿の種類に関わらず、ポジのための読取り処理を行う。
具体的には、ASIC31は、ポジランプ15やリニアCCD19のイニシャライズ、例えば、ALOC(Auto Lamp On Time Control)を行ってポジランプ15の点灯時間(換言すれば、ポジランプ15の電源をオン状態にし続ける時間)を決定する。次に、ASIC31は、ポジランプ15から透過用ホルダ11Bの照射領域12Bを介して光を受けたリニアCCD19の出力値に基づいて、リニアCCD19における所定の処理時間長を制御する(詳細は後述する)。その後、ASIC31は、ホルダローディング機構を制御して透過用ホルダ11Bをローディング方向に搬送すると共に、それに伴ってリニアCCD19からAFE35を介してデジタルデータを受信し、それを図示しないイメージメモリに蓄積する。これにより、透過用ホルダ11Bの搬送が終了すると、そのホルダ11Bにセットされている原稿の読取イメージデータがイメージメモリに存在し、そのイメージデータは、所定のタイミングで、前述した読取りイメージ出力部に出力される。
以上が、(E−2)ステップである。
ASIC31は、ポジの読取り処理の間は、ポジランプ15の電源のオン状態を維持して、ポジランプ15を点灯し続ける。そして、ASIC31は、ポジの読取り処理が完了したら、原稿ホルダ11Bをホームポジションに戻すと共に、上述した(D−2)ステップを実行する(なお、ASIC31は、(D−2)ステップを行う代わりに、ポジランプ15を消灯しても良いし、或いは、少なくともポジランプ15をデューティ点灯しても良い)。
図11は、反射原稿読取り時の動作遷移図である。この図を参照して、(F−1)ステップ等について説明する。
(F−1)ステップ
ASIC31は、電源制御回路36を制御して、反射ランプ13のみの電源をターンオンして反射ランプ13のみを点灯させ、他のランプ15、17の電源はオフ状態にする。
以上が、(F−1)ステップでの動作である。
ASIC31は、上述したローディングのときに、挿入された原稿ホルダ種類が反射用ホルダ11Aであることを識別したことにより、この(F−1)ステップを行ったならば、その後、反射ランプ13のウォームアップ処理(後述する(G−1)ステップ)を行う。一方、それ以外の原因によって(F−1)ステップを行ったときは、ASIC31は、この(F−1)ステップでの状態において、スキャナ1が反射読取りコマンドを受信したときも、反射ランプ13のウォームアップ処理(後述する(G−1)ステップ)を行う。
また、この状態において、挿入されている原稿ホルダ11Aがイジェクトされたときは(又はスキャナ1が原稿ホルダのイジェクト命令を受けたときは)、ASIC31は、上述した(A−1)ステップを行う(つまりデューティ点灯を行う)。
また、ASIC31は、反射ランプ13の電源をターンオンしたときは、その時点からの経過時間をカウントし、所定イベント(例えば上記コマンドの受信)が検出されることなくその経過時間が所定時間(例えば20秒間)を越えたならば、以下の(F−2)ステップを行う。
(F−2)ステップ
ASIC31は、電源制御回路36を制御して、反射ランプ13の点灯(つまり反射ランプ13の電源のオン状態)を継続して待機する。
以上が、(F−2)ステップでの動作である。
なお、この状態において、スキャナ1が反射読取りコマンドを受信したときは、ASIC31は、後述する(G−2)ステップを行う。
また、この状態において、挿入されている原稿ホルダ11Aがイジェクトされたときは(又はスキャナ1が原稿ホルダのイジェクト命令を受けたときは)、ASIC31は、上述した(A−1)ステップを行う(つまりデューティ点灯を行う)。
また、この待機状態になってから、所定のイベント(例えば操作パネル7)が検出されることなく所定時間(例えば14分間)が経過したら、ASIC31は、以下の(F−3)ステップを行う。
(F−3)ステップ
ASIC31は、電源制御回路36を制御して、反射ランプ13の電源をターンオフし反射ランプ13を消灯させる。
以上が、(F−3)ステップでの動作である。
なお、このように反射ランプ13の電源がオフ状態のときに、挿入されている原稿ホルダがイジェクトされたときは(又はスキャナ1が原稿ホルダのイジェクト命令を受けたときは)、ASIC31は、上述した(A−1)ステップを行う(つまりデューティ点灯を行う)。
また、この状態において、スキャナ1が反射読取りコマンドを受信したときは、ASIC31は、以下の(G−1)ステップを行う。
(G−1)ステップ
この(G−1)ステップは、例えば、反射ランプ13の電源がオフ状態からオン状態に切り替えられるときに行われる。
ASIC31は、電源制御回路36を制御し、反射ランプ13のウォームアップを行う。ASIC31は、反射ランプ13が点灯してそれの光量が安定したことを検出した(又は、反射ランプ13の電源をターンオンしてから所定時間(例えば20秒)が経過した)時点で、ウォームアップが完了したものとして後述の(G−2)ステップを行う。
以上が、(G−1)ステップでの動作である。
なお、この(G−1)ステップにおいて、光量の安定の検出は、所定の条件が満たされたときに行われる。具体的には、例えば、反射ランプ13の光量の安定を検出する方法と同じ方法で行われる。
この(G−1)ステップにおいて、反射ランプ13の電源をターンオンしてから(つまり反射ランプ13が点灯してから)所定時間(例えば20秒間)が経過した時点でも、上記50個の画素センサの出力値の平均(又は少なくとも1つの画素センサの出力値)が50/255以下の場合は、ASIC31は、後述する(I)ステップ、例えば、反射ランプ13に関するエラーをユーザに報知する。
さて、次に(G−2)ステップの動作を説明する。
(G−2)ステップ
ASIC31は、反射用ホルダ11Aに実際にセットされている原稿の種類に関わらず、反射原稿の読取り処理を行う。
具体的には、ASIC31は、反射ランプ13やリニアCCD19のイニシャライズ、例えば、ALOC(Auto Lamp On Time Control)を行って反射ランプ13の点灯時間(換言すれば、反射ランプ13の電源をオン状態にし続ける時間)を決定する。次に、ASIC31は、反射ランプ13から反射用ホルダ11Aの照射領域12A(例えば白基準シート)を反射した光を受けたリニアCCD19の出力値に基づいて、AFE35のゲイン(信号電荷の増幅率)を制御する(詳細は後述する)。その後、ASIC31は、ホルダローディング機構を制御して反射用ホルダ11Aをローディング方向に搬送すると共に、それに伴ってリニアCCD19からAFE35を介してデジタルデータを受信し、それを図示しないイメージメモリに蓄積する。これにより、反射用ホルダ11Aの搬送が終了すると、そのホルダ11Aにセットされている原稿の読取イメージデータがイメージメモリに存在し、そのイメージデータは、所定のタイミングで、前述した読取りイメージ出力部に出力される。
以上が、(G−2)ステップである。
ASIC31は、反射原稿の読取り処理の間は、反射ランプ13の電源のオン状態を維持して、反射ランプ13を点灯し続ける。そして、ASIC31は、反射原稿の読取り処理が完了したら、原稿ホルダ11Aをホームポジションに戻すと共に、上述した(F−2)ステップを実行する(なお、ASIC31は、(F−2)ステップを行う代わりに、反射ランプ13を消灯しても良いし、或いは、少なくとも反射ランプ13をデューティ点灯しても良い)。
(I)ステップ
ASIC31は、所定のエラー、例えば、各ランプ13、15又は17に関するエラーを検出したときは、それに関するエラーをGUIに表示する等してユーザに報知する。また、ASIC31は、所定のエラー(例えば、各ランプ13、15又は17に関するエラー)が検出されたときは、全てのランプ13、15及び17の電源をターンオフして、全てのランプ13、15及び17を消灯する。
以上が、(I)ステップについてである。
なお、この状態において、スキャナ1本体の電源の再投入や、ユーザがGUIを操作する等して所定のリセットコマンド(換言すれば初期化コマンド)をスキャナ1が受けたときは、ASIC31は、上述した(A−1)ステップ、つまりデューティ点灯を行う。なお、スキャナ1がリセットコマンドを受信したとき、ASIC31は、原稿ホルダが挿入されているときは、それを排出させても良い。
さて、上述した処理流れを整理すると、例えば以下のことが言える。
(1)所定のとき(例えば、スキャナ1本体の電源が投入されたとき、原稿ホルダがイジェクトされたとき、リセットコマンドを受信したとき)から、原稿ホルダ11A又は11Bが挿入されてローディングが開始されるときまでの間、ASIC31は、図6に示したようなデューティ点灯制御を行う。
(2)挿入された原稿ホルダのローディングを開始する時、ASIC31は、そのデューティ点灯を止めて、全てのランプ13、15及び17の電源をオフ状態にする。
(3)ASIC31は、ローディングの最中に、挿入された原稿ホルダが透過用ホルダ11Bであることを識別したときは、ローディングを終了したときに、図8に示したように、ネガランプ17のみの電源をターンオンする。一方、そのローディングの最中に、挿入された原稿ホルダが反射用ホルダ11Aであることを識別したときは、ASIC31は、図12に示すように、反射ランプ13のみの電源をターンオンする。
(4)図6に示したデューティ点灯から、特定のランプ13、15又は17のみの点灯に切り替わる契機としては、例えば、GUIから読取り対象の原稿種類が選択されたときと、原稿ホルダ11がスキャナ1に挿入されたときとがある。逆に、特定のランプ13、15又は17のみの制御からデューティ点灯への切り替わりの契機としては、例えば、挿入されている原稿ホルダ11がスキャナ1から排出されたと判断されたときがある。
(5)GUI等を用いて透過原稿の種類(例えばネガかポジか)が選択されず、透過用ホルダ11Bが先にスキャナ1に挿入された場合は、ASIC31は、ネガランプ17を点灯させる。一方、先にGUIの操作等により透過原稿の種類が選択され、後から透過用ホルダ11Bが挿入された場合は、ASIC31は、どのランプを点灯するかは、選択された透過原稿の種類にマッチした種類のランプ(つまりポジランプ15又はネガランプ17)を点灯する。
(6)ASIC31は、読取り処理終了後も、原稿ホルダ11がスキャナ1に挿入されている限り、制御対象ランプを切り替えない(例えば、反射原稿の読取り処理終了後、反射用ホルダ11Aがイジェクトされないときは、制御対象ランプは反射ランプ13のみである)。ただし、透過原稿に限って、GUIの操作等により読取り対象原稿の種類の変更(すなわち、ネガとポジの交換)が行われた場合は、ASIC31は、制御対象ランプを切り替える(例えば、ポジランプ15を消灯してネガランプ17を点灯するか、或いは、ネガランプ17を消灯してポジランプ15を点灯する)。
(7)透過原稿用のランプ15又は17(或いは反射ランプ13)が点灯している場合、ASIC31は、その状態から別の種類のランプである反射ランプ13(或いは透過原稿用のランプ15又は17)への点灯の切り替えは行わない。反射ランプ13と透過ランプ15又は17の切り替えは、前述したように、挿入されている原稿ホルダ11A又は11Bの排出を伴うので、必ずデューティ点灯を経てからランプの切り替えが行われる。
(8)スキャナ1がリセットコマンドを受信した時に原稿ホルダが排出されたならば、ASIC31は、(A−1)ステップのデューティ点灯を行う。
(9)ランプ13、15又は17のイニシャライズは、原稿ホルダ11A、11Bの種類が識別され、且つ、その原稿ホルダがホームポジション(例えば、照射領域12A又は12Bからの反射光又は透過光をリニアCCD19が受光できる位置)に固定されてから開始される。
なお、上述した処理流れについて、種々の変形例が考えられる。
例えば、ASIC31は、ローディング中に透過用ホルダ11Bを識別した場合、ローディングが終了したら、ネガランプ17のみをターンオンする代わりに、ネガランプ17のみをデューティ点灯させても良いし、或いは、ネガランプ17とポジランプ15のみをデューティ点灯させても良い。
また、ランプ13、15及び17のデューティ点灯は、図6に示したような態様に限らず、例えば、2以上のランプの通電時間の一部又は全部が重なり合っても良いし、全てのランプ13、15及び17の通電時間が同じでなくても良いし、デューティの1サイクルは約1秒に限らず所定の時間長であっても良い。さらに、例えば、3つのランプ13、15及び17のデューティ比が全て同じでなくても良く、一例として、光量が安定するまでに最も時間がかかるランプ(例えばネガランプ17)のデューティを最も大きくしても良い(つまり1サイクルにおける通電時間が最も長くなっても良い)。また、例えば、ポジランプ15又はネガランプ19からオン状態が開始されても良い。また、例えば、光量が安定するまでに最も長い時間がかかる(つまりウォーミングアップを開始してから終了するまでに最も長い時間がかかる)ランプからオン状態をスタートしても良い。
また、例えば、ASIC31は、デューティ点灯を行っているときにローディングを開始する場合、必ずしも全てのランプ13、15及び17を消灯させなくても良く、一例として、少なくとも1つのランプのデューティ点灯を行っても良いし、或いは、少なくとも1つのランプを点灯し続けても良い。
また、例えば、読取り対象の透過原稿の種類をユーザが入力する代わりに、透過用ホルダ11Bにセットされている透過原稿の種類がポジであるかネガであるかまでをも自動的に識別することができるようにしても良い。具体的には、例えば、透過用ホルダ11Bには、ポジ用の透過用ホルダとネガ用の透過用ホルダとがあって、反射用ホルダ11Aと透過用ホルダ11Bとを識別する方法と略同様の方法で、ポジ用の透過用ホルダとネガ用の透過用ホルダとをASIC31が自動で識別することができるようにしても良い。或いは、例えば、ポジランプ15又はネガランプ17から透過原稿を介して光を受けたリニアCCD19の出力値に基づいて、ASIC31が、その透過原稿がポジであるかネガであるかを判別しても良い。更に、例えば、透過原稿がポジ(又はネガ)であると判別されたにも関わらず、ネガ(又はポジ)の読取り処理が命令されたときは、ASIC31が、その読取り処理にマッチした原稿をセットすることの命令或いはエラー等をGUIを介してユーザに伝えても良い。
ところで、反射原稿、ポジ及びネガの各々の読取り処理では、原稿ホルダにセットされている原稿の読取りが実際に行われる前に、ASIC31が、そのホルダの照射領域12A又は12Bから光を受けたリニアCCD19から出力された信号値に基づいて、AFE35の属性(例えばゲイン)、又はリニアCCD19の動作を制御する。以下、反射原稿、ポジ及びネガの各々の読取り処理で行われる上記制御について具体的に説明する。
(1)反射原稿の読取り処理
反射原稿の読取り処理(上述した(G−2)ステップ)が始まったとき、図13に示すように、反射ランプ13が発し、反射用ホルダ11Aの照射領域12A(例えば白基準シート)に反射された光を、リニアCCD19が受けて、リニアCCD19が、その光の光量に応じた信号電荷を出力する。そして、その信号電荷は、AFE35によって所定の処理(例えば増幅及びアナログ/デジタル変換)が施され、それにより、AFE35からデジタルデータ(リニアCCD19に配置されている各画素センサの出力値)がASIC31に入力される。ASIC31は、そのデジタルデータを所定の場所(例えば図示しないRAM)に出力すると共に、その出力されたデジタルデータの値が所定の範囲内に入るように、AFE35のゲインを調節する(例えば64段階のうちの適切な段階に調節する)。なお、その「所定の範囲」とは、例えば、X1/255以上X2/255以下であり、より具体的には、例えば、X1=210、X2=235である。
このようにして、AFE35のゲインを調節した後、反射用ホルダ11Aにセットされている反射原稿の読取りが開始される。なお、その際、図14に示すように、リニアCCD19の1ライン毎の読取り時間長TSH(直前回の1ラインの電荷転送時間長と、今回の電荷蓄積時間長とを含んだ時間長、以下、「ライン読取り時間長」と言う)は、予め定められている時間長(例えば約8.3ミリ秒間)であり、変動することはない。換言すれば、ASIC31のクロックジェネレータ34が発するシフトパルス41の出力周期は、予め定められた周期であって変動することがない。このため、後述するように、反射原稿読取りの速度は、ライン読取り時間長が制御される透過原稿読取りの速度に比べて早くなることが多いと考えられる。
(2)ポジの読取り処理
ポジの読取り処理(上述した(E−2)ステップ)が始まったとき、図15に示すように、ポジランプ15が発し、透過用ホルダ11Bの照射領域12B(例えば透過窓)を透過した光を、リニアCCD19が受けて、リニアCCD19が、その光の光量に応じた信号電荷を出力する。そして、その信号電荷は、AFE35によってデジタルデータに変換されて、ASIC31に入力される。ASIC31は、そのデジタルデータを所定の場所(例えば図示しないRAM)に出力すると共に、その出力されたデジタルデータの値が所定の範囲内(例えば、X1/255以上X2/255以下であり、より具体的には、例えば、X1=210、X2=235)に入るように、リニアCCD19のライン読取り時間長を調節する。具体的には、ASIC31は、その出力されたデジタルデータの値が、上記所定の範囲内に入るように、図16に示すように、ライン読取り時間長(すなわち、クロックジェネレータ34が発するメインシフトパルス51の出力周期)TSHや、直前回の1ラインの電荷転送時間長(すなわち、メインシフトパルス51を出力してからサブシフトパルス53を出力するまでの時間)Tを制御する。換言すれば、ASIC31は、ASIC31から出力されたデジタルデータの値が、上記所定の範囲内に入るように、その電荷転送時間長Tと、今回の電荷蓄積時間長(すなわち、サブシフトパルス53を出力してからメインシフトパルス51を出力するまでの時間)Tとを制御する。
以上の処理は、リニアCCD19のRGBの各々について行われる。
このようにして、リニアCCDのライン読取り時間長TSH等が調節された後(例えばその時間長TSHが約8.3ミリ秒に設定された後)、透過用ホルダ11Bにセットされている原稿についてポジの読取りが開始される。
なお、ポジの読取り処理において、ASIC31は、RGBについての電荷蓄積時間長Tを同じ時間長にするが、この場合、リニアCCD19から出力される上記透過光に応じた出力値が、完全には、RGB=1:1:1の光を受けたときの出力値にならない場合が有り得る。その場合は、ASIC31は、反射原稿の読取り処理のように、AFE35のゲインを調節することによって、受信するデジタルデータの値(つまり各画素の値)を調節し、それにより、所望のRGB比率(ここでは1:1:1)の光を受けたときの出力値により近い出力値を得るようにしても良い。
(3)ネガの読取り処理
ネガの読取り処理(上述した(C−2)ステップ)が始まったとき、図17に示すように、ネガランプ17が発し、透過用ホルダ11Bの照射領域12B(例えば透過窓)を透過した光を、リニアCCD19が受けて、リニアCCD19が、その光の光量に応じた信号電荷を出力する。そして、その信号電荷は、AFE35によってデジタルデータに変換されて、ASIC31に入力される。ASIC31は、そのデジタルデータを所定の場所(例えば図示しないRAM)に出力すると共に、その出力されたデジタルデータの値が所定の範囲内(例えば、X1/255以上X2/255以下であり、より具体的には、例えば、X1=210、X2=235)に入るように、リニアCCD19のライン読取り時間長を調節する。具体的には、以下のように調節される。
すなわち、まず、ASIC35から出力されたデジタルデータの値が上記所定の範囲内に入るような電荷が、リニアCCD19のRGB全ての画素センサに蓄積されるようにするため、図18(A)に示すように、ASIC31は、ネガランプ17が発する光のRGB成分比率に応じて、リニアCCD19のRGBにおける今回の電荷蓄積時間長(すなわち、サブシフトパルス63が出力されてからメインシフトパルス61が出力されるまでの間の時間長)をばらつかせる。より具体的には、例えば、ネガランプ17が発する光のRGB成分比率が、R:G:B=1:2:3になっている場合、RGB全ての画素センサに同じ電荷が蓄積されるようにするために、図18(A)に示すように、RGBにおけるターゲットラインの電荷蓄積時間長は、光のRGB成分比率の逆数比、すなわち、3:2:1になる。ここで、最も大きい比率となっている(つまり最も光量が小さい)色成分(R)の光についての電荷蓄積時間長は、前述したように、ASIC31から出力されたデジタルデータの値が所定の範囲内に入るような時間長に調節される。
次に、ASIC31は、図18(B)に示すように、ネガランプ17が発する光の成分のうちG及びBの電荷蓄積時間長を、その光の成分のうち一番光量が小さいRの電荷蓄積時間長に合わせる。これにより、ASIC35から出力されたデジタルデータの値(ホルダ11Bの照射領域12Bを透過したときの値)が上記所定の範囲内に入るようになったと共に、ネガランプ17を使用したネガの読取り処理においてリニアCCD19から出力される画素データの値は、ネガランプ17の光のRGB成分比率が反映された値となる。
このようにして、リニアCCDのライン読取り時間長TSH等が調節された後、透過用ホルダ11Bにセットされている原稿についてネガの読取りが開始される。
なお、ネガの読取り処理において、ASIC31は、RGBについての電荷蓄積時間長を、ネガランプ17が発する光のRGB成分比率の逆数比にするが、この場合、リニアCCD19から出力される上記透過光に応じた出力値が、完全には、RGB=1:2:3の光を受けたときの出力値にならない場合が有り得る。その場合は、ASIC31は、反射原稿の読取り処理のように、AFE35のゲインを調節することによって、受信するデジタルデータの値(つまり各画素の値)を調節し、それにより、所望のRGB比率(ここでは1:2:3)の光を受けたときの出力値により近い出力値を得るようにしても良い。
以上が、ネガの読取り処理においてASIC31がリニアCCD19に対して行う制御についである。なお、上記説明(特に図18(A))によれば、直前回の1ラインの電荷転送時間長は、R成分よりもG成分及びB成分が長くなるが、G成分及びB成分についての信号電荷の転送では、実際は、時刻t1〜t2の間で行われ、時刻t2〜t3及び時刻t2〜t4はスキップされる(特段何の処理も行われていない状態となる)。また、ASIC31は、例えば、図18(A)において、ライン読取り時間長は、ポジのときと同じ時間長(例えば約8.3ミリ秒)にするように制御する。
さて、上述の説明によれば、写真フィルム等の透過原稿では、AFE35のゲインが調節される代わりに、リニアCCD19が制御される。これは、以下の理由による。
すなわち、反射原稿の読み取りの場合は、高い画質よりも速い読取り速度の方が求められることが多いと考えられる。その場合は、リニアCCD19のライン読取り時間長を調節するよりも、ライン読取り時間長は一定でAFE35の属性(例えばゲイン)を調節することの方が好ましい。画質を大きく劣化させることなく読取り速度を速くすることができるからである。
しかし、透過原稿の読み取りの場合、読取り速度が速いことよりも、高画質の読取りイメージデータが求められることが多いと考えられるので、読取り速度よりも読取イメージデータの画質を優先することが望ましい。その場合に、反射原稿の場合と同様にAFE35のゲインを上げると、ノイズが大きくなって、画質が向上せず却って劣化する場合がある。そのため、透過原稿の読取り処理では、AFE35のゲインを一定にして、リニアCCD19のライン読取り時間長を調節する。これにより、読取り速度は反射原稿の読取り速度よりも劣るが、反射原稿の読取り処理に比べて高画質の読取りイメージデータを得ることができる。
以上、上述した実施例によれば、スキャナ1には、3種類の原稿にそれぞれ対応した3つのランプ13、15及び17が搭載され、原稿の読取り処理の際には、その原稿の種類に対応したランプ13、15又は17が使用される。具体的には、スキャナ1には、反射原稿に対しては反射ランプ13が搭載され、且つ、透過原稿用のランプとして、ポジランプ15とネガランプ17とが搭載され、ポジの読取りの時にはポジランプ15が使用され、ネガの読取りの時にはネガランプ17が使用される。そして、各ランプ13、15及び17が発する光のRGB成分の比率が、そのランプに対応した種類の原稿を読取るのに適した比率になっている。このため、反射原稿、ポジ及びネガのどれを読取っても、良質な原稿イメージデータを得ることができる。
また、上述した実施例によれば、RGB各成分比率が不均等である光を照射された方が、それが均等である光を照射された場合に比べて、良質な読取りイメージデータが得られるようになっている特殊原稿(例えばネガフィルム)があるが、その特殊原稿の読取りに使用されるランプは、RGB各成分比率が均等でなく、且つ、その特殊原稿の読取りに適したRGB成分比率の光を発するようになっている。そして、リニアCCD19のRGB各色成分の電荷蓄積時間長の比率は、そのRGB成分比率に基づいて設定される。具体的には、リニアCCD19のRGB各色成分の電荷蓄積時間長は、一旦、上記RGB成分比率の逆数比とされ、その後で、一番光量の小さい色成分の電荷蓄積時間長に、他の色成分の電荷蓄積時間長が揃えられる。より具体的には、例えば、ネガランプ17の発する光のRGB成分比率は、均等ではなく、且つ、既にネガの読取りに適した比率「R:G:B=1:2:3」になっており、リニアCCD19のRGB各色成分の電荷蓄積時間長の比率は、一旦、「R:G:B=3:2:1」にされ。その後、一番光量の小さい色成分(R)の電荷蓄積時間長に、他の色成分(G及びB)の電荷蓄積時間長が揃えられる。このため、ネガに照射される光のRGB成分比率が均等である場合に比べて、短時間で高画質の読取りイメージデータを得ることが図れる。すなわち、ネガランプ17の発する光のRGB成分比率が均等である場合、例えば、「R:G:B=1:2:3」の光量が反映されたCCD出力値を得るためには、Rの電荷蓄積時間長を基準とすると、GはRの2倍、BはR3倍の電荷蓄積時間長が必要となり、それ故、読取りに要する時間が長くなり得るが、本実施例では、上述した処理を行うことにより、ネガランプ17の発する光のRGB成分比率が均等である場合よりも読取りに要する時間を短縮することが図れる。
また、上述した実施例によれば、スキャナ1の電源が投入される等の所定の時点から、原則として少なくとも原稿ホルダのローディングが開始されるまでの間、全てのランプ13、15及び17がデューティ点灯される。これにより、実際に読取り処理を開始するためのランプ13、15及び17のウォームアップ時間をそれぞれ短縮することができ、且つ、電力の消費量も抑えることができる。
以上、本発明の好適な実施例を説明したが、これは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこの実施例にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。例えば、本発明は、原稿ホルダ挿入タイプスキャナに限らず、他の種類のイメージ読取り装置、一例として、フラットベッドタイプのスキャナ、複写装置等にも適用することができる。また、例えば、必ずしも、スキャナ1の内部に、上述した3つのランプ13、15及び17の全てが搭載されていなくても良く、一例として、ポジランプ13及びネガランプ17の少なくとも1つを搭載したカートリッジをスキャナ1に取り付けることで、そのカートリッジに搭載されているランプとスキャナ1とが電気的に接続されるようになっていても良い。また、ASIC31は、上記構成に限らない(例えば、CPUやメモリはASICから離れた別の場所にあっても良い)。また、上記実施例でASIC31の処理として説明した処理は、ソフトウェア、或いはソフトウェアとハードウェアの組合せなど他の方法により行われても良い。
本発明の一実施例に係る原稿ホルダ挿入タイプスキャナの概観を示す。 スキャナ1において行われるイメージ読取りの様子を示す。 反射用ホルダ11Aと、透過用ホルダ11Bとを示す。 スキャナ1内部の構成を示すブロック図。 スキャナ1の電源が投入された時のASIC31の動作フローを示す。 ランプ13、15及び17をデューティ点灯しているときのランプ13、15及び17の電源状態を示す。 ネガフィルム読取り時の動作遷移図 原稿ホルダが透過用ホルダ11Bであることが識別されてローディングが終了したときのランプ13、15及び17の電源状態を示す。 光量の安定の検出方法を説明するための図。 ポジフィルム読取り時の動作遷移図。 反射原稿読取り時の動作遷移図。 原稿ホルダが反射用ホルダ11Aであることが識別されてローディングが終了したときのランプ13、15及び17の電源状態を示す。 反射原稿の読取り処理のときにAFE35のゲインが調節されることを示す図。 反射原稿の読取り処理のときの、リニアCCD19の1ライン毎の読取り時間長TSHを表す図。 ポジの読取り処理のときにリニアCCD19が制御されることを示す図。 ポジの読取り処理のときに行われる制御であって、リニアCCD19の読取り時間長TSHの制御を説明するための図。 ネガの読取り処理のときにリニアCCD19が制御されることを示す図。 ネガの読取り処理のときに行われる制御であって、リニアCCD19のRGB各色の電荷蓄積時間長の制御の様子を示す図。
符号の説明
1 原稿ホルダ挿入タイプスキャナ
11 原稿ホルダ
11A 反射用ホルダ
11B 透過用ホルダ
13 反射ランプ
15 ポジランプ
17 ネガランプ
19 リニアCCD
31 ASIC
35 AFE
36 電源制御回路

Claims (10)

  1. 原稿に光を照射してその原稿の反射光を受光体に受光させるための反射光源と、
    原稿に光を照射してその原稿の透過光を前記受光体に受光させるための光源であって、ポジの読み取りのためのポジ光源と、
    原稿に光を照射してその原稿の透過光を前記受光体に受光させるための光源であって、ネガの読取のためのネガ光源と、
    前記原稿の種類に応じて、前記反射光源、前記ポジ光源及び前記ネガ光源を選択的に使用して読取り処理を実行する制御手段と
    を備えるイメージ読取装置。
  2. 前記受光体は、受けた光の光量に応じた電荷を蓄積し出力するイメージセンサであり、
    前記ネガ光源は、RGB成分比率が不均等な光を発する光源であり、
    前記制御手段は、前記ネガ光源が発する光の前記RGB成分比率に基づいて、前記イメージセンサにおいて電荷を蓄積する時間長を調節する、
    請求項1記載のイメージ読取装置。
  3. 前記制御手段は、前記原稿の反射光を利用する読取り処理を行う場合、前記原稿の読取イメージデータの画質よりも、前記読取り処理の速度を優先するための制御を行う、
    請求項1記載のイメージ読取装置。
  4. 前記受光体は、受けた光の光量に応じた電荷を蓄積し出力するイメージセンサであり、
    所定のゲインに基づいて前記イメージセンサの出力を増幅する増幅手段を備え、
    前記制御手段は、前記イメージセンサでの読取りに関する読取り時間長を一定にし、前記増幅手段の前記ゲインを調節する、
    請求項3記載のイメージ読取装置。
  5. 前記制御手段は、前記原稿の透過光を利用する読取り処理を行う場合、前記読取り処理の速度よりも、前記原稿の読取イメージデータの画質を優先するための制御を行う、
    請求項1記載のイメージ読取装置。
  6. 前記受光体は、受けた光の光量に応じた電荷を蓄積し出力するイメージセンサであり、
    所定のゲインに基づいて前記イメージセンサの出力を増幅する増幅手段を備え、
    前記制御手段は、前記増幅手段の前記ゲインを一定にし、前記イメージセンサでの読取りに関する読取り時間長を調節する、
    請求項5記載のイメージ読取装置。
  7. 光源からの光の反射光又は透過光を前記受光体が受けることができるように前記原稿がセットされた原稿ホルダの挿入を受けるホルダ挿入部と、
    前記ホルダ挿入部に挿入された前記原稿ホルダを所定の方向に搬送する搬送手段と
    を備え、前記搬送手段による前記原稿ホルダの搬送に伴って、前記受光体が前記原稿の反射光又は透過光を受けるようになっている、
    請求項1記載のイメージ読取装置。
  8. 前記制御手段は、前記原稿ホルダの所定部分を反射した光を受けた前記イメージセンサから前記増幅手段を介して信号を受け、前記受けた信号に関する値に基づいて、前記増幅手段の前記ゲインを調節する、
    請求項4及び7記載のイメージ読取装置。
  9. 前記制御手段は、前記原稿ホルダの所定部分を透過した光を受けた前記イメージセンサから前記増幅手段を介して信号を受け、前記受けた信号に関する値に基づいて、前記イメージセンサでの前記読取り時間長を調節する、
    請求項6及び7記載のイメージ読取装置。
  10. 原稿に光を照射してその原稿の反射光を受光体に受光させるための反射光源と、
    原稿に光を照射してその原稿の透過光を前記受光体に受光させるための光源であって、ポジの読み取りのためのポジ光源と、
    原稿に光を照射してその原稿の反射光又は透過光を前記受光体に受光させるための光源であって、ネガの読取りのためのネガ光源と
    を、前記原稿の種類に応じて選択するステップと、
    前記選択された光源を使用して読取り処理を実行するステップと
    を有するイメージ読取方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007088616A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Seiko Epson Corp 画像読み取り装置及びその原稿ホルダ
JP2013197848A (ja) * 2012-03-19 2013-09-30 ▲うぇい▼強科技股▲ふん▼有限公司 スキャナのためのオートホワイトバランス調整方法

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