JP2005085362A - ディスクカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】ディスク状記録媒体の中心孔を挟んで互いに対向する一方の外縁部から他方の外縁部に亘る領域を露出可能としつつ、カートリッジ本体に加わる力に起因するディスク状記録媒体の破損を回避し得るディスクカートリッジを提供する。
【解決手段】互いに嵌合可能に形成された下シェルおよび上シェル4を有するカートリッジ本体2内にディスク状記録媒体が収容され、下シェルには、カートリッジ本体2内に収容されたディスク状記録媒体の中心孔を挟んで互いに対向する一方の外縁部から他方の外縁部に亘る領域を露出可能なディスクアクセス用の開口部3aが形成され、上シェル4には、上シェル4に嵌合させた状態の下シェルにおける開口部3aを横切るようにして上シェル4とは別体に形成した補強部材7がその内面に固定されている。
【選択図】図5
【解決手段】互いに嵌合可能に形成された下シェルおよび上シェル4を有するカートリッジ本体2内にディスク状記録媒体が収容され、下シェルには、カートリッジ本体2内に収容されたディスク状記録媒体の中心孔を挟んで互いに対向する一方の外縁部から他方の外縁部に亘る領域を露出可能なディスクアクセス用の開口部3aが形成され、上シェル4には、上シェル4に嵌合させた状態の下シェルにおける開口部3aを横切るようにして上シェル4とは別体に形成した補強部材7がその内面に固定されている。
【選択図】図5
Description
本発明は、下シェルおよび上シェルを備えて構成されたカートリッジ本体内にディスク状記録媒体が収容されたディスクカートリッジに関するものである。
この種のディスクカートリッジとして、カートリッジ筐体12内(ディスク収納室16)に光ディスク11を収容したディスク記録媒体装置10が特開2003−115181号公報に開示されている。このディスク記録媒体装置10は、同公報の図1に示すように、上シェル13、中シェル14および下シェル15を有するカートリッジ筐体12と、ディスク収納室16に収容される光ディスク11と、中シェル14および下シェル15の間に配設されたシャッタ部材18a,18bとを備えている。この場合、中シェル14は、光ディスク11を載置するためのディスクトレイとして機能すると共に、上シェル13および下シェル15の間に挟み込まれるようにして光ディスク11と共にディスク収納室16に収容される。この場合、中シェル14は、記録再生装置に対するディスク記録媒体装置10の装填時および排出時において記録再生装置によって上シェル13および下シェル15に対して回転させられることにより、下シェル15における開口部25の一部を開閉する。また、シャッタ部材18a,18bは、中シェル14によって軸支されると共に、中シェル14の回転に伴って中シェル14に対して回転させられて中シェル14と相俟って下シェル15の開口部25を開閉する。
一方、上シェル13は、全体として浅皿状に形成されると共に、下シェル15を嵌合可能に(取り付け可能に)構成されている。また、下シェル15は、カートリッジ筐体12内の光ディスク11に対するディスクアクセスを可能とする開口部25が形成されて上シェル13に嵌合可能に構成されている。この場合、開口部25は、テーブル用開口部25aおよびヘッド用開口部25b,25bがカートリッジ筐体12の前後方向に連続して形成されている。これにより、カートリッジ筐体12に収容した光ディスク11のセンタ穴11aを挟んで互いに対向する一方の外縁部から他方の外縁部に亘る長方形状の領域を露出することが可能となり、テーブル用開口部25aを介して光ディスク11をクランプして回転させつつ、ヘッド用開口部25b,25bを介して同時に2つの光学ヘッドを用いて記録データを記録再生することが可能となっている。
特開2003−115181号公報(第6−14頁、図1)
ところが、従来のディスク記録媒体装置10には、以下の問題点がある。すなわち、このディスク記録媒体装置10では、カートリッジ筐体12内の光ディスク11に対して2つの光学ヘッドを同時に用いて記録データを記録再生可能とするために、センタ穴11aを挟んで互いに対向する一方の外縁部から他方の外縁部に亘る長方形状の領域を露出可能な開口部25が下シェル15に形成されている。この場合、この種のディスク記録媒体装置10(ディスクカートリッジ)としては、例えば、鞄などに収容して携帯する際に加わる外力や記録再生装置に装填する際に加わる力などに起因してカートリッジ筐体12が変形してカートリッジ筐体12または光ディスク11の破損を招く事態や、記録再生装置内でカートリッジ筐体12が変形して(歪んで)記録再生不良が生じる事態を回避するために、カートリッジ筐体12がある程度の剛性を有している必要がある。一方、中シェル14およびシャッタ部材18a,18bが上シェル13および下シェル15のいずれにも固定されていないため、中シェル14およびシャッタ部材18a,18bによってカートリッジ筐体12の剛性を高めることが困難となっている。したがって、その厚み方向で開口部25と重なる部位においては、カートリッジ筐体12の剛性に寄与する部材が上シェル13しか存在しないため、従来のディスク記録媒体装置10には、カートリッジ筐体12を折り曲げようとする力に対して非常に弱い結果、カートリッジ筐体12自体や光ディスク11の破損、および記録再生不良を招くおそれがあるという問題点が存在する。
この場合、上シェル13を例えばガラス繊維入り樹脂等で成形して上シェル13単体の剛性を高めることにより、カートリッジ筐体12全体としての剛性を高める構成を採用することも考えられる。しかし、この構成を採用した場合、ガラス繊維入り樹脂等が透過性を有していないため、上シェル13を透してカートリッジ筐体12内の光ディスク11を視認することができなくなる。このため、カートリッジ筐体12の美観が損ねられると共に、カートリッジ筐体12に対して採用可能なデザインが極く狭い範囲内(カートリッジ筐体12内の光ディスク11を視認できないデザイン)に限られてしまう。また、上シェル13を十分に厚くして上シェル13単体の剛性を高めることにより、カートリッジ筐体12全体としての剛性を高める構成を採用することも考えられる。ところが、この構成を採用した場合、上シェル13を厚くした分だけカートリッジ筐体12が全体として厚くなるため、ディスク記録媒体装置10に対して規定されているサイズの規格を満たすのが困難となるおそれがある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、ディスク状記録媒体の中心孔を挟んで互いに対向する一方の外縁部から他方の外縁部に亘る領域を露出可能としつつ、カートリッジ本体に加わる力に起因するカートリッジ本体およびディスク状記録媒体の破損や記録再生不良の発生を回避し得るディスクカートリッジを提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく本発明に係るディスクカートリッジは、互いに嵌合可能に形成された下シェルおよび上シェルを有するカートリッジ本体内にディスク状記録媒体が収容され、前記下シェルには、当該カートリッジ本体内に収容された前記ディスク状記録媒体の中心孔を挟んで互いに対向する一方の外縁部から他方の外縁部に亘る領域を露出可能なディスクアクセス用開口部が形成され、前記上シェルには、当該上シェルに嵌合させた状態の前記下シェルにおける前記ディスクアクセス用開口部を横切るようにして当該上シェルとは別体に形成した補強部材がその内面に固定されている。この場合、上シェルに対する補強部材の固定方法としては、接着剤を用いる方法、上シェルに形成した溶着用リブを超音波溶着機で溶融して補強部材を固定する方法、および上シェルに形成した係止用爪によって補強部材を係止して固定する方法などの各種の固定方法を採用することができる。
この場合、その内径が前記ディスク状記録媒体の直径よりも大径のリング状となるように前記補強部材を形成するのが好ましい。
また、繊維強化樹脂および金属のいずれかで前記補強部材を形成するのが好ましい。
本発明に係るディスクカートリッジによれば、上シェルに嵌合させた状態の下シェルにおけるディスクアクセス用開口部を横切るようにして上シェルとは別体に形成した補強部材を上シェルの内面に固定したことにより、2つの光学ヘッドを同時に用いてディスク状記録媒体に対する記録再生を実行可能としつつ、外力が加わった際における(折り曲げなどに対して)カートリッジ本体自体およびディスク状記録媒体の破損や記録再生不良の発生を十分に回避し得る程度の高い剛性を有するカートリッジ本体を備えたディスクカートリッジを提供することができる。この場合、上シェルとは別体に形成した補強部材を上シェルの内面に固定する構成を採用したことにより、例えば、透過性を有する樹脂材料で上シェルを形成すると共に、折り曲げなどに強い高い剛性の部材で補強部材を形成して上シェルに固定することができるため、上シェルを透してのディスク状記録媒体に対する十分な視認性を確保して各種のデザインを採用可能としつつ、カートリッジ本体の剛性を十分に高めることができる。
また、本発明に係るディスクカートリッジによれば、その内径がディスク状記録媒体の直径よりも大径のリング状に形成した補強部材を用いることにより、上シェルを透してのディスク状記録媒体に対する良好な視認性を維持して、美観を損ねることなく剛性を高めることができる。
さらに、本発明に係るディスクカートリッジによれば、繊維強化樹脂および金属のいずれかで補強部材を形成したことにより、例えば、上シェル自体をガラス繊維入り樹脂等で成形してその剛性を高める構成とは異なり、上シェルを透してのディスク状記録媒体に対する視認性を低下させることなく剛性を高めることができると共に、各種のデザインを採用してカートリッジ本体の美観を向上させることができる。また、上シェルを厚くして上シェル単体の剛性を高めることによってカートリッジ本体全体としての剛性を高める構成とは異なり、カートリッジ本体全体としての厚みをそれほど厚くすることなく(ディスクカートリッジに対して規定されたサイズ上の規格を満たしつつ)、カートリッジ本体自体およびディスク状記録媒体の破損や記録再生不良の発生を十分に回避し得る程度の高い剛性を有するカートリッジ本体を備えたディスクカートリッジを提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るディスクカートリッジの最良の形態について説明する。
最初に、ディスクカートリッジ1の構成について、図面を参照して説明する。
図1,2に示すディスクカートリッジ1は、各種記録データの記録および再生が可能に構成されたカートリッジ式の情報記録媒体であって、カートリッジ本体2、ディスクトレイ5およびシャッタ部材6などを備えて光ディスク10を収納可能に構成されている。なお、図2では、本発明についての理解を容易とするために、その厚み方向のサイズを誇張して大きく図示している。この場合、光ディスク10は、一例として、片面仕様の書き換え型のディスク状記録媒体であって、図2に示すように、その中心部には、記録再生装置にクランプさせるための直径15mm程度の中心孔10aが形成されている。この光ディスク10は、後述するようにカートリッジ本体2の上シェル4に取り付けられた円板状のクランピングプレート10bが記録再生装置によって下シェル3側に引き寄せられることによって記録再生装置にクランプされる。一方、図1,2に示すように、カートリッジ本体2は、互いに嵌合可能に形成された下シェル3および上シェル4を備えている。
下シェル3は、図3に示すように、下シェル本体11a,11bを備えて、一例として、ポリカーボネート(または、ABS樹脂等)を用いて射出成形で製造されている。具体的には、下シェル3(下シェル本体11a,11b)は、底板12aと、底板12aの外縁部に立設されてカートリッジ本体2の側面部分を構成する側壁12bと、カートリッジ本体2内にディスク収容部を形成する隔壁12cとを備えている。この下シェル3は、上シェル4に嵌合させた状態(上シェル4と一体化させた状態)において本発明におけるディスクアクセス用開口部に相当する開口部3aが両下シェル本体11a,11bにおける底板12a,12aの間に形成されるように構成されている。この場合、開口部3aは、光ディスク10に対する記録データの記録再生時にカートリッジ本体2内の光ディスク10に対するディスクアクセス(記録再生装置によるクランプや、光学ヘッドを介してのレーザービームの照射等)を可能とする孔であって、光ディスク10の中心孔10aを挟んで互いに対向する一方の外縁部から他方の外縁部に亘る長方形状の領域Aを露出可能な形状および大きさに形成されている。この構成により、このディスクカートリッジ1では、2つの光学ヘッドを同時に用いて光ディスク10に対する記録データの記録および再生を行うことが可能となっている。また、両下シェル本体11a,11bの各底板12aには、シャッタ部材6のスリット52(図8参照)に挿入されて、後述するようにディスクトレイ5の回転に伴ってシャッタ部材6をスライドさせるための凸部13がそれぞれ立設されている。
上シェル4は、図4に示すように、天板22aと、天板22aの外縁部に立設されて下シェル3の側壁12bと相俟ってカートリッジ本体2の側面部分を構成する側壁22bと、下シェル3の隔壁12cと相俟ってカートリッジ本体2内にディスク収容部を形成する隔壁22cとを備えて、一例として、透過性を有するポリカーボネートを用いて射出成形で製造されている。また、図5に示すように、このディスクカートリッジ1では、上シェル4の天板22aにおける隔壁22cの内側(本発明における上シェルの内面)に例えば接着剤によって補強部材7が固定されている。補強部材7は、図6に示すように、上シェル4の隔壁22cによって形成される円形領域(ディスク収容部)の直径とほぼ同径の(ほぼ等しい直径の)円筒状部31と、円筒状部31の下端部において折り曲げ形成された鍔部32とを厚み0.5mm程度のステンレス鋼(本発明における金属の一例)を用いて一体的に構成されている。この場合、補強部材7における鍔部32は、カートリッジ本体2内における補強部材7と光ディスク10との接触を回避するために、その内径が光ディスク10の直径よりも僅かに(光ディスク10が鍔部32に接触しない程度に)大径に規定されている。これにより、上シェル4に補強部材7を固定した状態における上シェル4を透しての光ディスク10に対する視認性の低下も回避されている。また、図2に示すように、上シェル4の中央部には、リング状の取り付け部材10cによってクランピングプレート10bが取り付けられている。この場合、クランピングプレート10bは、上シェル4に対して回転可能で、天板22aに対する接離方向で僅かに移動可能に取り付けられている。
ディスクトレイ5は、図7に示すように、下シェル3の両下シェル本体11a,11b間に形成される開口部3aとほぼ同形状の開口部5aが形成された円板状の底板41と、底板41の外縁部に立設された側壁42とで光ディスク10を載置可能な浅皿状に形成されて、図2に示すように、光ディスク10と共にカートリッジ本体2内に回動可能に収容されている。この場合、図7に示すように、底板41の下面には、シャッタ部材6を軸支するための凸部43,43が立設されている。また、側壁42には、記録再生装置におけるシャッタ開閉手段(図示せず)が噛合可能な噛合用歯部44が形成されている。なお、同図では、噛合用歯部44における各歯の図示を省略している。この場合、このディスクトレイ5は、常態においては、ロック部材8(図1参照)によってカートリッジ本体2に対する回動が規制されている。シャッタ部材6は、図8に示すように、その一端部にディスクトレイ5の凸部43が挿通可能な孔51が形成されると共に、その他端部側に下シェル3の凸部13が挿通可能なスリット52が形成されて、図2に示すように、下シェル3とディスクトレイ5との間に挟み込まれるようにしてカートリッジ本体2内に収容されている。
次に、ディスクカートリッジ1の使用方法について、図面を参照して説明する。
このディスクカートリッジ1では、図1に示すように、記録再生装置から取り外されている状態のときには、下シェル3の開口部3aが、ディスクトレイ5とシャッタ部材6とによって閉塞されている。一方、ディスクカートリッジ1を記録再生装置に装填した際には、ディスクカートリッジ1が記録再生装置によって矢印Iの向きで装置内部に引き込まれる。なお、同図では下シェル3を上向きした状態を図示しているが、実際の使用に際しては、上シェル4を上向きにした状態で記録再生装置に装填する。この際には、記録再生装置のシャッタ開閉手段によってディスクトレイ5が回動させられ、これにより、シャッタ部材6がディスクトレイ5に対して回転させられて開口部3aが開口される。具体的には、この際には、まず、シャッタ開閉手段がロック部材8に当接することにより、ロック部材8がカートリッジ本体2に対して回動させられてディスクトレイ5の回動が許容される。
次に、ディスクカートリッジ1が記録再生装置内にさらに引き込まれた際には、シャッタ開閉手段がディスクトレイ5の噛合用歯部44に噛合して、この状態でディスクカートリッジ1がさらに引き込まれることによってディスクトレイ5が図1に示す矢印B1の向きでカートリッジ本体2に対して回動させられる。この際には、ディスクトレイ5の回動に伴ってシャッタ部材6が孔51(ディスクトレイ5の凸部43)を中心として回動(スライド)させられる。次いで、ディスクカートリッジ1が記録再生装置内にさらに引き込まれた際には、下シェル3の開口部3aとディスクトレイ5の開口部5aとがディスクカートリッジ1の厚み方向において重ね合わされると共に、シャッタ部材6,6が回動させられて開口部5a上から移動させられる。これにより、光ディスク10の領域Aが露出して、カートリッジ本体2の外部からの光ディスク10に対するディスクアクセスが可能な状態となる。この後、記録再生装置によってクランピングプレート10bが磁気的に吸引されて中心孔10aの口縁部がクランプされ、開口部3aを介してのレーザービームの照射(記録データの記録または再生)が実行される。
一方、記録データの記録再生を完了したディスクカートリッジ1を記録再生装置から取り出す際には、記録再生装置のシャッタ開閉手段によってディスクトレイ5が図1に示す矢印B2の向きで回動させられると共に、その回動に伴ってシャッタ部材6が回動させられて、ディスクトレイ5およびシャッタ部材6,6によって開口部3aが閉塞される。これにより、カートリッジ本体2、ディスクトレイ5およびシャッタ部材6,6によってカートリッジ本体2内の光ディスク10が保護される。
また、この状態(開口部3aが閉塞された状態)のディスクカートリッジ1を例えば鞄に入れて携帯する際には、上シェル4に固定された補強部材7によってカートリッジ本体2の変形が阻止される。具体的には、このディスクカートリッジ1では、前述したように、ステンレス鋼で上シェル4とは別体に形成されたリング状の補強部材7が上シェル4の天板22aに固定されている。この場合、図5に示すように、補強部材7は、上シェル4に嵌合させた状態の下シェル3における開口部3aを横切るようにして上シェル4の天板22aに固定されている。したがって、別個独立した下シェル本体11a,11bで構成されている下シェル3を採用しているにも拘わらず、天板22aに固定した補強部材7によって上シェル4単体の剛性が十分に高められているため、カートリッジ本体2全体としての剛性が従来のディスク記録媒体装置10におけるカートリッジ筐体12よりも十分に高められている。このため、このディスクカートリッジ1を鞄などに入れて携帯した際において、カートリッジ本体2に対して折り曲げようとする外力が加わったときであっても、カートリッジ本体2の変形(折れ曲がり)が回避されると共に、記録再生装置内での記録再生不良の発生が回避される。また、ステンレス鋼で形成した補強部材7が十分に薄厚のため、カートリッジ本体2全体としての厚みをそれほど厚くすることなく、その剛性が十分に高められている。さらに、補強部材7における鍔部32の内径を光ディスク10の直径よりも大径となるように規定したことにより、カートリッジ本体2内における補強部材7と光ディスク10との接触が回避されると共に、補強部材7の存在に起因しての上シェル4を透しての光ディスク10に対する視認性の低下が回避されている。
このように、このディスクカートリッジ1によれば、上シェル4に嵌合させた状態の下シェル3における開口部3aを横切るようにして上シェル4とは別体に形成した補強部材7を上シェル4の内面に固定したことにより、2つの光学ヘッドを同時に用いて光ディスク10に対する記録再生を実行可能としつつ、外力が加わった際における(折り曲げなどに対して)カートリッジ本体2自体および光ディスク10の破損や記録再生不良の発生を十分に回避し得る程度の高い剛性を有するカートリッジ本体2を備えたディスクカートリッジ1を提供することができる。この場合、上シェル4とは別体に形成した補強部材7を天板22aに固定する構成を採用したことにより、例えば、透過性を有する樹脂材料(この例では、ポリカーボネート)で上シェル4を形成すると共に、折り曲げなどに強い高い剛性の部材(この例では、ステンレス鋼)で補強部材7を形成して上シェル4に固定することができるため、上シェル4を透しての光ディスク10に対する十分な視認性を確保して各種のデザインを採用可能としつつ、カートリッジ本体2の剛性を十分に高めることができる。
また、このディスクカートリッジ1によれば、その内径が光ディスク10の直径よりも大径のリング状に形成した補強部材7を用いることにより、上シェル4を透しての光ディスク10に対する良好な視認性を維持して美観を損ねることなく剛性を高めることができる。
さらに、このディスクカートリッジ1によれば、金属(この場合、ステンレス鋼)で補強部材7を形成したことにより、例えば、上シェル自体をガラス繊維入り樹脂等で成形してその剛性を高める構成とは異なり、上シェル4を透しての光ディスク10に対する視認性を低下させることなく剛性を高めることができると共に、各種のデザインを採用してカートリッジ本体の美観を向上させることができる。また、上シェルを厚くして上シェル単体の剛性を高めることによってカートリッジ本体全体としての剛性を高める構成とは異なり、カートリッジ本体全体としての厚みをそれほど厚くすることなく(ディスクカートリッジ1に対して規定されたサイズ上の規格を満たしつつ)、カートリッジ本体2自体および光ディスク10の破損や記録再生不良の発生を十分に回避し得る程度の高い剛性を有するカートリッジ本体2を備えたディスクカートリッジ1を提供することができる。
なお、本発明は、上記した構成に限定されない。例えば、本発明におけるディスク状記録媒体としては、上記した書き換え型の光ディスク10に限定されず、再生専用タイプの光ディスクや、追記型の光ディスクなどの各種の光ディスクが含まれるばかりでなく、光磁気ディスクや磁気ディスクが含まれる。さらに、上記の構成では、ステンレス鋼によって補強部材7を形成しているが、本発明における補強部材の材質はこれに限定されず、ガラス繊維入り樹脂およびカーボン繊維入り樹脂等の繊維強化樹脂や、ステンレス鋼以外の各種金属材料などを用いることができる。この場合、繊維強化樹脂を用いる構成では、ステンレス鋼等の金属材料と比較して軽量のため、カートリッジ本体の剛性を高めつつ、ディスクカートリッジ1全体としての自重を十分に軽くすることができる。
また、前述したディスクカートリッジ1では、その内径が光ディスク10の直径よりも大径のリング状に形成した補強部材7を上シェル4の内面(天板22a)に固定する構成を採用しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、図9に示すディスクカートリッジ1Aのように、上シェル4に嵌合させた状態の下シェル3(図示せず)における開口部3aを横切るようにして、その外形がカートリッジ本体2の左右方向(記録再生装置内に抜き差しする方向と直交する方向)に長い三日月状の補強部材7A,7Aを上シェル4における隔壁22cの内側(天板22aの内面)に貼付する構成を採用することもできる。この構成によれば、上シェル4の中央部分(補強部材7A,7Aの間)から上シェル4を透しての光ディスク10に対する十分な視認性を確保しつつ、前述したディスクカートリッジ1と同様にして補強部材7A,7Aによってカートリッジ本体2Aの剛性を高めて光ディスク10の破損を回避することができる。なお、補強部材7A,7Aの輪郭形状は三日月状に限定されるものではなく、その貼付位置も適宜規定することができる。例えば、同図に破線で示すように、下シェル3(図示せず)における開口部3aを横切るようにして、その外形がカートリッジ本体2の左右方向に長い長方形形状の補強部材7Bを上シェル4における隔壁22cの内側(天板22aの内面における中央部位)に貼付する構成を採用することもできる。
さらに、前述したディスクカートリッジ1では、別個独立した下シェル本体11a,11bを有する下ケース3を備えてカートリッジ本体2を構成したが、本発明はこれに限定されず、例えば、図10に示すディスクカートリッジ1Bのように、連結部11c,11dによって下シェル本体11a,11bを一体的に連結した下シェル3Bを採用してカートリッジ本体2Bを構成することもできる。加えて、本発明におけるディスクアクセス用開口部の開口形状は、上記の例のようにカートリッジ本体の前後方向に長い長方形形状の開口形状に限定されるものではなく、カートリッジ本体の左右方向に長い長方形形状の開口形状や、方形状のカートリッジ本体における対角線方向に長い長方形形状の開口形状であってもよい。
1,1A,1B ディスクカートリッジ
2,2A,2B カートリッジ本体
3,3B 下シェル
3a 開口部
4 上シェル
5 ディスクトレイ
6 シャッタ部材
7,7A,7B 補強部材
10 光ディスク
10a 中心孔
11a,11b 下シェル本体
11c,11d 連結部
12a 底板
12b,22b 側壁
12c,22c 隔壁
13,43 凸部
22a 天板
31 円筒状部
32 鍔部
A 領域
2,2A,2B カートリッジ本体
3,3B 下シェル
3a 開口部
4 上シェル
5 ディスクトレイ
6 シャッタ部材
7,7A,7B 補強部材
10 光ディスク
10a 中心孔
11a,11b 下シェル本体
11c,11d 連結部
12a 底板
12b,22b 側壁
12c,22c 隔壁
13,43 凸部
22a 天板
31 円筒状部
32 鍔部
A 領域
Claims (3)
- 互いに嵌合可能に形成された下シェルおよび上シェルを有するカートリッジ本体内にディスク状記録媒体が収容され、
前記下シェルには、当該カートリッジ本体内に収容された前記ディスク状記録媒体の中心孔を挟んで互いに対向する一方の外縁部から他方の外縁部に亘る領域を露出可能なディスクアクセス用開口部が形成され、
前記上シェルには、当該上シェルに嵌合させた状態の前記下シェルにおける前記ディスクアクセス用開口部を横切るようにして当該上シェルとは別体に形成した補強部材がその内面に固定されているディスクカートリッジ。 - 前記補強部材は、その内径が前記ディスク状記録媒体の直径よりも大径のリング状に形成されている請求項1記載のディスクカートリッジ。
- 前記補強部材は、繊維強化樹脂および金属のいずれかで形成されている請求項1または2記載のディスクカートリッジ。
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- 2004-09-08 WO PCT/JP2004/013037 patent/WO2005027125A1/ja active Application Filing
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060904 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20070807 |