JP2005084616A - 多光子吸収露光装置 - Google Patents

多光子吸収露光装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005084616A
JP2005084616A JP2003319734A JP2003319734A JP2005084616A JP 2005084616 A JP2005084616 A JP 2005084616A JP 2003319734 A JP2003319734 A JP 2003319734A JP 2003319734 A JP2003319734 A JP 2003319734A JP 2005084616 A JP2005084616 A JP 2005084616A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
pulsed light
multiphoton absorption
exposure apparatus
branched
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003319734A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeharu Tani
武晴 谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2003319734A priority Critical patent/JP2005084616A/ja
Publication of JP2005084616A publication Critical patent/JP2005084616A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Abstract

【課題】 多光子吸収露光装置において、多光子吸収材料の深さ方向の分解能を高く確保した上で、複数本の光によって多光子吸収材料の相近接した領域を露光可能とする。
【解決手段】 多光子吸収材料18に対して、所定の収束位置Fで収束する状態にパルス光10a、10b、10cを照射して該多光子吸収材料18を露光させる装置において、パルス光10を発生させる1つの光源11と、この光源11から発せられたパルス光10を複数系統に分岐させる部分透過ミラー12、13等からなる光分岐手段と、複数系統に分岐されたパルス光10a、10bおよび10cに、互いに時間軸上で重ならずに前記収束位置Fに到達するように光路差を与える手段(例えば部分透過ミラー12、13およびミラー14の組合せからなる)とを設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非線形光学効果の一つである2光子吸収等の多光子吸収を利用して、記録媒体等を露光させる多光子吸収露光装置に関するものである。
物質における通常の光吸収は1光子が吸収される現象であるが、超短パルスレーザ光等の高パワーの光を照射すると、2光子あるいは3光子以上が同時に吸収される、いわゆる多光子吸収が起きる。2光子吸収を例に挙げると、その場合は物質が通常の2倍のエネルギーを受けるので、本来波長λの光を吸収する物質に対し波長2λ(つまりエネルギーが1/2)の高パワーの光を照射して2光子吸収させることにより、波長λの光を照射した場合と同等の反応を生じさせることができる。
この2光子吸収等の多光子吸収は、光吸収確率が光子密度に比例して上昇する現象であるので、多光子吸収材料に対して収束光を照射すれば、光子密度が最大になるその収束位置近傍のみで選択的に多光子吸収を起こすことができる。そこで、多光子吸収によって例えば相変化、屈折率変化、化学的変化等を引き起こす材料から記録材料を形成し、その記録材料を収束光で露光するようにすれば、記録材料の深さ方向(収束光の進行方向)位置が一定のある一面(一層)を走査露光して情報を記録した後、収束光の収束位置を変えて次々と同様の露光をすることにより、複数層に情報を記録可能となる。特許文献1には、このように多光子吸収材料を収束光で走査露光して情報記録を行う装置の例が記載されている。
一方、上述のように収束光の収束位置近傍のみで多光子吸収を起こすことができることを利用して、光重合反応等を呈する多光子吸収材料を収束光によって3次元露光することにより、該材料を3次元的に光造形する方法も提案されている。非特許文献1および2には、そのようにして多光子吸収材料を3次元的に光造形する装置の例が記載されている。そして、特に非特許文献2には、1本のレーザビームをマイクロレンズアレイによって複数本に分岐してそれぞれ収束させ、それらの分岐された各レーザビームによって3次元構造を複数並列的に造形する方法も記載されている。
また特許文献2には、2光子吸収断面積の大きい、好ましい多光子吸収材料の例が記載されている。このような多光子吸収材料を、上述の光造形に適用可能とするためには、例えば光硬化性樹脂を含有させればよい。
特開平11−224433号公報 特開2003−20469号公報 OPTICS LETTERS(オプティクス・レターズ) /Vol.22,No.3/January 15,1997 p132-134 第50回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集(2000年3月)27p-YN-4
ところで、上述のように多光子吸収材料を収束光により走査露光して3次元的な情報記録や光造形等を行う場合、1つの光を利用するのでは、記録や造形等に要する時間が長くなってしまう。そこで、複数の光源を用意して、複数の光で同時に複数箇所を露光することも考えられる。しかしその場合は、一般に光源として使用される短パルスレーザが高価であることから、記録や造形等のコストが高くなってしまうという問題が生じる。
前記非特許文献2に記載されているように、1本の光を複数本に分岐して用いる場合は、光源を1つだけ用いて複数箇所を同時に露光できるので、コストの面では有利である。しかしその方法は、同じ造形物や記録体を互いに離れた位置において複数同時に形成するためにしか適用できず、多光子吸収材料において互いに近接した部分を複数本の光で一度に露光することは困難となっている。
つまり、1本の光から分岐された複数本の光を、多光子吸収材料の相近接した領域において収束させると、光子密度が高い領域は収束位置だけでなく、その前後(多光子吸収材料の深さ方向奥側と手前側)にも拡がるようになるので、この深さ方向の分解能が低下してしまう。この多光子吸収材料深さ方向の分解能が低いと、前述した複数層への情報記録においては、記録層の間隔を大きく設定する必要が生じて記録容量の低下を招き、また前述した3次元光造形においては、多光子吸収材料の深さ方向の精細度が劣化することになる。
したがって、非特許文献2に記載されている方法では、例えば互いに近接した複数トラックを複数本の光で同時露光して高速記録を実現したり、複数本の光によって多光子吸収材料中の比較的広い領域を一度に加工、造形するようなことは困難となっている。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、多光子吸収材料の深さ方向の分解能を高く確保した上で、複数本の光によって多光子吸収材料の相近接した領域を露光することができる多光子吸収露光装置を提供することを目的とする。
本発明による多光子吸収露光装置は、多光子吸収露光は通常短パルス光を用いてなされることに着目し、複数のパルス光が互いに時間をずらして多光子吸収材料内の収束位置に到達するようにしたもので、より具体的には、
多光子吸収材料に対して、所定の収束位置で収束する状態にパルス光を照射して該多光子吸収材料を露光させる装置において、
前記パルス光を発生させる1つの光源と、
この光源から発せられたパルス光を複数系統に分岐させる光分岐手段と、
複数系統に分岐された前記パルス光に、互いに時間をずらして前記収束位置に到達するように光路差を与える手段とを備えたことを特徴とするものである。
なお、上記構成を有する本発明の多光子吸収露光装置においては、複数系統に分岐されたパルス光を、前記収束位置において収束スポットが互いに横方向にずれる状態に集光する手段が設けられることが望ましい。
また本発明の多光子吸収露光装置においては、複数系統に分岐される前のパルス光を変調する手段や、あるいは複数系統に分岐された後のパルス光を、互いに独立して変調する手段が設けられることが望ましい。
また、前記パルス光を複数系統に分岐させる光分岐手段は、例えば部分透過ミラーから構成することができる。
他方、複数系統に分岐されたパルス光に前記光路差を与える手段は、例えば部分透過ミラーおよびミラーの組合せから構成することもできるし、さらには、複数系統のパルス光毎に厚さが変えられた光透過部材から構成することもできる。なお、この「複数系統のパルス光毎に厚さが変えられた光透過部材」とは、分岐された各パルス光を別個に透過させる部材は勿論のこと、分岐される前の1本のパルス光において、互いに分岐されることになる成分を別個に透過させるような部材も含むものとする。
本発明の多光子吸収露光装置においては、複数のパルス光が互いに時間をずらして多光子吸収材料内の収束位置に到達するように構成されているので、それら複数のパルス光によって多光子吸収材料の相近接した領域を露光するようにしても、光子密度が高い領域が収束位置の前後方向(多光子吸収材料の深さ方向)に拡がることがない。そこでこの多光子吸収露光装置によれば、多光子吸収材料の深さ方向の分解能を高く確保した上で、複数本の光によって多光子吸収材料の相近接した領域を露光可能となる。
また本発明の多光子吸収露光装置において、特に、複数系統に分岐されたパルス光を、収束位置において収束スポットが互いに横方向にずれる状態に集光する手段が設けられた場合は、例えばそれらのパルス光によって光造形する多光子吸収材料の広い領域を一度に露光、造形したり、あるいは、例えばそれらのパルス光によって情報記録する多光子吸収材料の複数箇所に一度に情報記録することも可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による多光子吸収露光装置の概略側面形状を示すものである。この多光子吸収露光装置は一例として3次元光造形装置として構成されたものであり、図示のように露光光としてのパルス光10を発するパルスレーザ11と、上記パルス光10の光路に順次配置されてパルス光10を例えば3系統に分岐させる部分透過ミラー12および13と、部分透過ミラー12で反射したパルス光10a、部分透過ミラー12を透過した後部分透過ミラー13で反射したパルス光10bおよび、部分透過ミラー13を透過した後ミラー14で反射したパルス光10cが入射するように配置されたレンズ光学系16と、このレンズ光学系16を通過して発散光となった各パルス光10a、10bおよび10cを収束させる集光レンズ17と、液状の光造形用樹脂18を貯えた樹脂槽25と、この樹脂槽25を保持してx、y、zの3方向に微小量ずつ直線移動させる3軸移動テーブル19とを備えている。なお図中では、レンズ光学系16を通過したパルス光10a、10bおよび10cの光路を明確にするために、それらにハッチングを付して示してある。
またこの多光子吸収露光装置は、パルスレーザ11と部分透過ミラー12との間においてパルス光10の光路に挿入された、例えばAOM(音響光学光変調器)等の光変調器20と、この光変調器20を駆動する変調器駆動回路21と、この変調器駆動回路21の動作を制御する制御回路22とを備えている。
上記パルスレーザ11は例えばTi:サファイアレーザからなり、本実施形態においてその平均出力は1W、発振波長は780nm、パルス繰り返し周波数は82MHz、パルス幅は100fs(フェムト・秒)である。また集光レンズ17としては、NA(開口数)0.9で倍率100倍のものが用いられている。また部分透過ミラー12、13およびミラー14としては、反射率が各々33%、50%、100%のものが用いられ、分岐されたパルス光10a、10bおよび10cの強度が互いに略等しくなるようにされている。一方光造形用樹脂18としては、2光子吸収を起こす例えばエポキシ樹脂等の紫外線硬化型樹脂が適用されている。そのような樹脂の具体例としては、前述の特許文献2に記載されているディーメック社製SCR−701等が挙げられる。
以下、この多光子吸収露光装置による露光処理について説明する。3次元造形のための露光を行う際には、3軸移動テーブル19によりまず樹脂槽25が、つまり光造形用樹脂18が所定のz方向位置に保たれ、この状態でパルスレーザ11が駆動されてそこからパルス光10が射出される。そして制御回路22が、造形する3次元形状を示す信号S1に基づいて変調器駆動回路21の動作を制御し、上記パルス光10が例えばON-OFF変調される。
変調されたパルス光10は部分透過ミラー12および13により3系統のパルス光10a、10bおよび10cに分岐され、これらのパルス光10a、10bおよび10cは集光レンズ17の作用により、各々光造形用樹脂18の内部で収束する。なお、このときレンズ光学系16の作用により、各パルス光10a、10bおよび10cの収束スポットは、図中概略的にハッチングを付した楕円で示すように、重ならないで互いに少しずつx方向にずれた状態となる。またこれらのパルス光10a、10bおよび10cは、当然分岐前のパルス光10と同様に変調されている。
そして光造形用樹脂18は上記所定のz方向位置内において、3軸移動テーブル19により所定の手順でx、y方向に微小量ずつ移動され、それにより該光造形用樹脂18は、各パルス光10a、10bおよび10cにより全面的に2次元走査露光される。パルス光10a、10bおよび10cは前述のように100fsと極めて短いパルス幅のものであって、該パルス光10a、10bおよび10cの収束位置およびその近傍では光子密度が著しく高い状態となっている。そこで、上記収束位置およびその近傍のみにおいて光造形用樹脂18が前述の2光子吸収を起こし、波長390nm(=780nm/2)の紫外光を吸収した場合と同様に該光造形用樹脂18が光重合し、硬化する。
以上のパルス光10a、10bおよび10cによる2次元走査が終了すると、3軸移動テーブル19により樹脂槽25が、つまり光造形用樹脂18がz方向に所定の微小量だけ移動され、この状態で上記と同様に、変調されているパルス光10a、10bおよび10cによる2次元走査露光がなされる。以下同様に、パルス光10a、10bおよび10cによる2次元走査と光造形用樹脂18のz方向移動が繰り返され、最終的に光造形用樹脂18は、パルス光10a、10bおよび10cによって3次元的に走査露光される。それにより光造形用樹脂18は、前記信号S1に対応した3次元形状に硬化し、所定の形に造形される。
前述した通り、パルス光10a、10bおよび10cの収束スポットは、重ならないで互いに少しずつx方向にずれた状態となっているので、一つの収束スポットで光造形用樹脂18を露光させる場合と比べると、1回のパルス光照射につき、より大きな範囲を露光可能となる。
またパルス光10a、10bおよび10cは、部分透過ミラー12、13およびミラー14の作用により光路差が与えられ、互いに所定の時間遅延して収束位置Fに到達する。この遅延時間は、図2の(a)、(b)に例えばパルス光10aと10bとの関係で示す通り、パルス間隔Ipより短くする場合は、最短でT1(=パルス幅Wp)、最長でT2(=パルス間隔Ip−パルス幅Wp)として、パルス光10a、10bおよび10cが互いに時間をずらして収束位置Fに到達するようにする。また、この遅延時間をパルス間隔Ipより長くしてもよく、そのようにする場合は最短でn・Ip+T1、最長でn・Ip+T2とする(ただしn=1,2,3・・・・)。
パルス光10a、10bおよび10cの間の光路差をLとすると、上記遅延時間は、cを空気中の光速としてL/cとなる。本実施形態では一例としてL=1mmとし、この場合は遅延時間L/c=3.3ps(ピコ・秒)となる。他方、前述したようにパルス光10の繰り返し周波数は82MHzであるので、パルス間隔Ip=12nsである。つまり本実施形態において、パルス光10a、10bおよび10c間の遅延時間はパルス間隔Ipよりも短く、そしてこの遅延時間は上記T1(=パルス幅Wp=100fs)よりも長く、かつ上記T2(=パルス間隔Ip−パルス幅Wp=12ns)よりも短くなっている。
したがってパルス光10a、10bおよび10cは、互いに時間をずらして収束位置Fに到達し、それにより、光造形用樹脂18の露光におけるz方向の分解能が高く保たれる。以下、この点について図3を参照して説明する。同図(1)および(2)はそれぞれ、図1に示した構成において、仮に1本のパルス光10bだけで露光がなされる場合、3本のパルス光10a、10bおよび10cが同時に照射されて露光がなされる場合の光路を示すものである。同図(1)の場合は、光子密度が収束位置Fで最大となり、該収束位置Fの前後方向(図中のz方向、つまり光造形用樹脂18の深さ方向)にずれた位置では光子密度が急激に低下する。それに対して同図(2)の場合は、3本のパルス光10a、10bおよび10cが重なる領域が生じるため、収束位置Fの前後方向に亘る光子密度の変化が比較的緩やかになり、この方向の分解能が低くなってしまう。他方、本実施の形態において、光路そのものは同図(2)と同様になるが、3本のパルス光10a、10bおよび10cは互いに時間をずらして照射されて、それらのうちの複数が互いに重なることはないので、光子密度の変化状態は同図(1)の場合と同様となり、よって、この方向の分解能が高いものとなる。
なお、以上の説明から明らかな通り本実施形態においては、部分透過ミラー12および13がパルス光10を複数系統に分岐する手段を構成し、部分透過ミラー12、13およびミラー14が、分岐されたパルス光10a、10bおよび10cに光路差を与える手段を構成している。
また、一度に露光できる領域をより大きくするためには、当然、パルス光を分岐させる数をより多くするのが好ましい。上記実施の形態では、この分岐数は3であるが、分岐数を10とした場合について、本発明の効果を具体的に説明する。
例えば、1本のパルス光を1回照射して光造形用樹脂18を硬化させることができる領域が幅0.5μmである場合、1本のパルス光を使用する収束位置F内で幅5μmに亘る領域を露光させようとすると、パルス光照射後にその収束位置を横方向に移動させる操作を繰り返して、合計10回の露光を行う必要がある。そのときの露光所要時間は、1回のパルス光照射操作に1ms(ミリ・秒)、横移動操作に10msを要するとすると、1ms×10+10ms×9=100msとなる。
その一方、10本に分岐させたパルス光で露光する場合は、1回のパルス光照射で同じ広さの領域を露光させることができ、その所要時間は1msである。ただしその場合、10本のパルス光で同時に露光させると、前述の通り、収束位置の前後方向の分解能が低くなってしまう。この方向の露光分解能が、1本のパルス光使用の場合で0.5μmであるとすると、10本のパルス光使用の場合は2μm程度まで低下してしまう。それに対して、10本のパルス光を使用し、それらを互いに時間をずらして照射する場合は、露光所要時間は1msで、上記露光分解能も0.5μmのままに保つことができる。なお、分岐させた複数のパルス光の遅延時間は前述したように通常ps(ピコ・秒)オーダーとなるので、この遅延時間を含んでも、1回のパルス光照射操作を、遅延が無い場合と同様に1msで行うことは十分可能である。
次に図4を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。なおこの図4において、図1中の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する(以下、同様)。
この第2の実施形態の多光子吸収露光装置は、光ディスクに多層記録を行う情報記録装置を構成するものであり、2光子吸収材料からなる光ディスク28を保持して回転させるスピンドル29を備えたディスク駆動手段30と、このディスク駆動手段30を保持して垂直な2本のガイド部材31、31に沿って上下移動させる昇降手段32とを備えている。さらにこの多光子吸収露光装置は、3系統に分岐されたパルス光10a、10bおよび10cの光路に各々シャッターセル15a、15bおよび15cが位置するように配設された液晶シャッターアレイ15と、制御回路22により制御されて上記液晶シャッターアレイ15を駆動するシャッターアレイ駆動回路24とを備えている。
光ディスク28は、2光子吸収による分子の異性化により屈折率変化や着色等を呈する材料から構成され、パルス光10a、10bあるいは10cにより露光した部分毎にそのような屈折率変化や着色等が生じるので、その有無の形で情報を記録することができる。
本装置により情報記録を行う際には、パルスレーザ11が駆動されるとともにディスク駆動手段30により光ディスク28が回転される。そのとき、制御回路22が記録情報S2に基づいてシャッターアレイ駆動回路24の動作を制御し、該駆動回路24により液晶シャッターアレイ15の各シャッターセル15a、15bおよび15cが開閉される。こうして、パルス光10a、10bおよび10cが記録情報S2に基づいて変調されるので、結局、該記録情報S2に基づいて光ディスク28の露光が制御され、情報記録がなされる。
パルス光10a、10bあるいは10cの収束位置Fに沿った光ディスク28の一面内において、所定のトラックに沿って情報記録がなされ、さらに図示外の水平移動手段により光ディスク28が径方向に移動されて、該光ディスク28の上記一面内で2次元的に情報記録がなされると、昇降手段32によりディスク駆動手段30が、つまり光ディスク28が回転軸方向(図中の上下方向)に所定の微小量だけ移動され、この状態で上記と同様に、変調されたパルス光10a、10bおよび10cによる2次元走査露光がなされる。以下同様に、パルス光10a、10bおよび10cによる2次元走査と光ディスク28の回転軸方向移動が繰り返され、該光ディスク28に多層記録がなされる。
ここで、パルス光10a、10bおよび10cの収束スポットは、重ならないで互いに少しずつ横方向(記録トラックに沿った方向)にずれるようになっているので、1回のパルス光照射につき、3箇所に情報を記録可能となる。
また本実施形態においても、パルス光10a、10bおよび10cは、部分透過ミラー12、13およびミラー14の作用により光路差が与えられ、互いに所定の時間遅延して収束位置Fに到達するようになっている。そこで本実施形態でも、第1の実施形態におけるのと同様に、パルス光10a、10bおよび10cの収束位置Fの前後方向(光ディスク28の厚さ方向)の分解能を高く保つことができる。
なお、このような記録装置においても、パルス光10の分岐数は3に限られるものではなく、必要に応じて適宜その他の分岐数が採用されてもよい。
次に図5を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。この第3の実施形態の多光子吸収露光装置は、第1実施形態の装置と同様に3次元光造形装置を構成するものであるが、第1実施形態の装置とは、パルス光を分岐する手段および、分岐された各パルス光に光路差を与える手段が異なるものである。
すなわち本実施形態においては、3次元形状を示す信号に基づいて変調されたパルス光10の光路に、側面視状態で約1/3、約2/3および全部の領域に入り込む第1の平行平板40、第2の平行平板41および第3の平行平板42が挿入され、そしてこれらの平行平板40〜42を通過したパルス光10の光路には、3つの集光レンズ43a、43bおよび43が並設されてなるレンズアレイ43が挿入されている。そこで、上記集光レンズ43a、43bおよび43に入射したパルス光10は、各々該集光レンズ43a、43bおよび43により集光されてパルス光10a、10bおよび10cに分岐される。こうして分岐されたパルス光10a、10bおよび10cはレンズ光学系16に入射し、それ以降は第1の実施形態におけるのと同様の光路を辿って、光造形に利用される。
ここで上記パルス光10a、10bおよび10cは、平行平板40〜42の作用により、互いに遅延してレンズ光学系16に入射する。つまり、平行平板40〜42の屈折率が共通のn、厚さも共通のLであるとすると、パルス光10aと10bとの間およびパルス光10bと10cとの間の光路差はL・(n−1)で、遅延時間はcを空気中の光速としてL・(n−1)/cとなる。そこで、この遅延時間を第1の実施形態におけるのと同様の範囲内に設定しておけば、パルス光10a、10bおよび10cが互いに時間をずらして光造形用樹脂18に入射するようになり、光造形用樹脂18の深さ方向の分解能が高く保たれる。
なお、以上の説明から明らかな通り本実施形態においては、レンズアレイ43がパルス光10を複数系統に分岐する手段を構成し、平行平板40〜42が分岐されたパルス光10a、10bおよび10cに光路差を与える手段を構成している。これらのレンズアレイ43および平行平板40〜42は、図4に示した情報記録装置に適用することも勿論可能である。
また、分岐されたパルス光に光路差を与える手段としては、以上の各実施形態において用いられた手段の他、例えば各パルス光毎に長さを変えた光ファイバや、光導波路等を用いることもできる。
本発明の第1の実施形態による多光子吸収露光装置を示す概略側面図 図1の装置において分岐されたパルス光の遅延時間を説明する図 図1の装置が奏する効果を説明する図 本発明の第2の実施形態による多光子吸収露光装置を示す概略側面図 本発明の第1の実施形態による多光子吸収露光装置を示す概略側面図
符号の説明
10 分岐前のパルス光
10a、10b、10c 分岐されたパルス光
11 パルスレーザ
12、13 部分透過ミラー
14 ミラー
15 液晶シャッターアレイ
16 レンズ光学系
17 集光レンズ
18 光造形用樹脂
19 3軸移動テーブル
20 光変調器
21 変調器駆動回路
22 制御回路
28 光ディスク
30 ディスク駆動手段
31 ガイド部材
32 昇降手段
40〜42 平行平板
43 レンズアレイ

Claims (7)

  1. 多光子吸収材料に対して、所定の収束位置で収束する状態にパルス光を照射して該多光子吸収材料を露光させる装置において、
    前記パルス光を発生させる1つの光源と、
    この光源から発せられたパルス光を複数系統に分岐させる光分岐手段と、
    複数系統に分岐された前記パルス光に、互いに時間をずらして前記収束位置に到達するように光路差を与える手段とを備えたことを特徴とする多光子吸収露光装置。
  2. 前記複数系統に分岐されたパルス光を、前記収束位置において収束スポットが互いに横方向にずれる状態に集光する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の多光子吸収露光装置。
  3. 前記複数系統に分岐される前のパルス光を変調する手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の多光子吸収露光装置。
  4. 前記複数系統に分岐された後のパルス光を、互いに独立して変調する手段を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の多光子吸収露光装置。
  5. 前記パルス光を複数系統に分岐させる光分岐手段が、部分透過ミラーから構成されていることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の多光子吸収露光装置。
  6. 前記複数系統に分岐されたパルス光に前記光路差を与える手段が、部分透過ミラーおよびミラーの組合せから構成されていることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の多光子吸収露光装置。
  7. 前記複数系統に分岐されたパルス光に前記光路差を与える手段が、複数系統のパルス光毎に厚さが変えられた光透過部材から構成されていることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の多光子吸収露光装置。
JP2003319734A 2003-09-11 2003-09-11 多光子吸収露光装置 Withdrawn JP2005084616A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003319734A JP2005084616A (ja) 2003-09-11 2003-09-11 多光子吸収露光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003319734A JP2005084616A (ja) 2003-09-11 2003-09-11 多光子吸収露光装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005084616A true JP2005084616A (ja) 2005-03-31

Family

ID=34418600

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003319734A Withdrawn JP2005084616A (ja) 2003-09-11 2003-09-11 多光子吸収露光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005084616A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5133158B2 (ja) 多重ビームレーザー装置
JPH05197955A (ja) 立体光記録媒体及び立体光記録装置
US6841340B2 (en) Optical fabricating method and apparatus
JP2003340924A (ja) 積層造形装置
CN102656421A (zh) 利用结构化光学元件和聚焦光束的激光刻图
KR100535195B1 (ko) 글래스내에 제조된 3차원 광 메모리 소자의 데이터를초단광 펄스에 의해 재기록하는 방법
US7241550B2 (en) Method and apparatus for multiphoton-absorption exposure wherein exposure condition is changed with depth of convergence position
JP2005066629A (ja) 超短光パルスによる透明材料の接合方法、物質接合装置、接合物質
JP2003340923A (ja) 光造形装置
JP2005084616A (ja) 多光子吸収露光装置
US7811484B2 (en) Apparatus for producing three-dimensional structure
US20080272346A1 (en) Multi-Photon Absorber Medium and Method of Exposure Using the Same
JP2005210103A5 (ja)
US20040155203A1 (en) Device and method for optical processing for processing inorganic transparent material by optical patterning
JP2003014915A (ja) Dammann型グレーティングをつけた光学素子
JP4264235B2 (ja) 3次元フォトニック結晶を形成する方法
US20070207570A1 (en) Apparatuses and methods for forming identifying characters on semiconductor device and wafers
JP4173792B2 (ja) 3次元フォトニック結晶を形成する方法
JP4596817B2 (ja) 光アドレス装置
US20210265798A1 (en) Method of optical pulse delivery to multiple locations on a substrate
TWI268854B (en) Laminated shaping device
JPH1011756A (ja) 光学デバイスの光学的操作方法及び光学制御デバイス
JPH09318831A (ja) 直接描画方法
JP2004347642A (ja) 再書き込み可能な光学素子材料
JPH0231329A (ja) 多重記録方法及び多重記録再生装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20061205