JP4596817B2 - 光アドレス装置 - Google Patents

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Description

本発明は光アドレス装置に係わり、特に、電気的な配線や機械的な駆動部を配設することなく、全光学的な走査により高速かつ大容量で高密度な光情報を出力することのできる光アドレス装置に関する。
光ファイバ通信技術の進展により、情報の伝送容量は急速に増大している。そして、高速かつ大容量の情報伝達が進むに連れて、その情報端末装置であるディスプレイ、記憶装置や印刷装置等への情報の高密度化、高速化及び大容量化の要求が高まっている。現在、情報端末の一種であるフラットパネルディスプレイでは、画素毎に電気配線が施され、かつ画素毎に薄膜トランジスタ(TFT)を配設することで、画像の表示を行っている。
例えば、液晶ディスプレイでは、対向する絶縁基板間に液晶が挟まれ、この液晶に選択的に電圧が印加される構成となっている。これら基板の少なくとも一方にはTFTによるスイッチング素子、及びこれと接続する画素電極が形成されている。このTFTアレイ基板には、スイッチング素子に信号を与えるための電気信号配線がマトリクス状に形成されている(特許文献1参照)。
また、一方でレーザ光を2次元面内を走査し画像表示を行う方法がある。例えば、グレーティングライトバルブプロジェクターである(非特許文献1参照)。
特願2003−315831号公報 Grating Light Valve Technology for Projection Displays, R.W. Corrigan, D.T. Amm, and C.S. Gudeman, International Display Workshop, Kobe Japan, 9 Dec 1998, Paper Number LAD5-1
しかしながら、上記のフラットパネルディスプレイでは、画素毎に配線及びトランジスタを駆動するため、消費電力が大きくなるおそれがあった。また、上述の機械的な駆動部をもつレーザスキャニング画像出力装置では、装置が大型化したり、書き込みの高速度化や解像度の向上が困難となるおそれがあった。
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、電気的な配線や機械的な駆動部を配設することなく、全光学的な走査により高速かつ大容量で高密度な光情報を出力することのできる光アドレス装置を提供することを目的とする。
このため本発明(請求項1)は、一定方向に複数形成され、所定の時間変化をもつ第1の変調光が入射される第1の光導波路を有する第1の基板と、該第1の光導波路と交差する方向に複数形成され、前記第1の変調光と異なる第2の変調光が入射される第2の光導波路を有し、前記第1の基板の上に積層された第2の基板と、前記第1の光導波路内を伝播する第1の変調光及び前記第2の光導波路内を伝播する第2の変調光から、それぞれ所定の割合の光を第1の出力光及び第2の出力光として各々の光導波路と垂直な方向に出力する光出力手段と、前記第2の出力光の照射により不透明部分が透明に変化され、該透明にされた部分及び前記第2の光導波路を通過して前記第1の出力光が外部に出力される前記第2の基板の上に積層された光スイッチ層とを備え、前記第2の出力光は前記光スイッチ層の感度領域内の波長を有する光であり、かつ前記第1の出力光は前記光スイッチ層の感度領域外の波長を有する光であることを特徴とする。
また、本発明(請求項2)は、前記第2の変調光の入力タイミングを調整することで前記第2の光導波路に沿って前記光スイッチ層の複数の箇所を透明化し、該透明生成された箇所に対し前記第1の変調光の入力タイミングを調整することで前記第1の出力光を前記第2の光導波路を通過し外部に出力させるタイミング調整手段を備えて構成した。
第1の光導波路及び第2の光導波路は交差するように形成される。第1の変調光及び第2の変調光が交差した部分では、第2の出力光の照射により光スイッチ層の不透明部分が透明に変化される。そのため、この透明にされた部分を通過して第1の出力光が外部に出力される。従って、第1の変調光及び第2の変調光それぞれの入力タイミングを調整することで、全光学的な走査により特定のアドレスから光を出力することができる。
このことにより、機械的な駆動部を配設することなく光を出力することができるので、第1の光導波路及び第2の光導波路の幅と同程度の小さな画素を実現することができる。そのため、大容量でかつ高密度な光の出力が可能となる。
電気的な配線やトランジスタのスイッチング、機械的な駆動を介在することなく光を出力することができるので、高速表示が可能となる。また、第1の光導波路及び第2の光導波路を長くすることで、大型の超多画素な2次元画像の高速表示が可能となる。
さらに、電気的な配線やトランジスタの駆動によらず、第1の変調光及び第2の変調光の伝播により全光学的な走査で光の出力が行われるため、消費電力を低くでき、光アドレス装置からの発熱を抑えることができる。
なお、第2の変調光には、例えば光スイッチ層の感度波長領域内の波長を有する光が用いられる。また、第1の変調光には、例えば光スイッチ層の感度波長領域外の波長を有する光が用いられる。
さらに、本発明(請求項3)は、一経路で形成され、一端から所定の時間変化をもつ第1の変調光が入射されるとともに、他端から該第1の変調光と異なる第2の変調光が入射される光導波路と、該光導波路内を伝播する第1の変調光及び第2の変調光から、それぞれ独立に所定の割合の光を第1の出力光及び第2の出力光として該光導波路と垂直な方向に出力する光出力手段と、前記第2の出力光の照射により光スイッチ層の不透明部分が透明に変化され、該透明にされた部分を通過して前記第1の出力光が外部に出力される光スイッチ層とを備えて構成した。
第1の変調光及び第2の変調光は、一経路で構成された光導波路内を伝播する。第1の変調光及び第2の変調光が交差した部分では、第2の出力光の照射により光スイッチ層の不透明部分が透明に変化される。そのため、この透明にされた部分を通過して第1の出力光が外部に出力される。従って、第1の変調光及び第2の変調光それぞれの入力タイミングを調整することで、全光学的な走査により特定のアドレスから光を出力することができる。
このことにより、画素毎に電気的な配線や機械的な駆動部等を配設することなく光を出力することができるので、上記と同様に高速かつ大容量で高密度な光の出力が可能となる。また、第1の変調光及び第2の変調光の入力箇所を光導波路の両端の2箇所のみとしているので、光アドレス装置の構成を簡略化して部品コストを低減することができる。
さらに、本発明は、一定方向に複数形成され、所定の時間変化をもつ第1の変調光が入射される第1の光導波路と、該第1の光導波路と交差する方向に複数形成され、前記第1の変調光と異なる第2の変調光が入射される第2の光導波路と、前記第1の光導波路内を伝播する第1の変調光及び前記第2の光導波路内を伝播する第2の変調光から、それぞれ所定の割合の光を第1の出力光及び第2の出力光として各々の光導波路と垂直な方向に出力する光出力手段と、前記第1の出力光及び前記第2の出力光が入射されることで励起発光する2光子吸収体とを備えて構成されてもよい
第1の光導波路及び第2の光導波路は交差するように形成されるため、この交差した部分では第1の出力光及び第2の出力光が2光子吸収体に入射される。そのため、2光子吸収体が励起発光され、この2光子吸収体の面から光が垂直に出力される。従って、第1の変調光及び第2の変調光それぞれの入力タイミングを調整することで、全光学的な走査により特定のアドレスから光を出力することができる。
このことにより、画素毎に電気的な配線や機械的な駆動部等を配設することなく光を出力することができるので、上記と同様に高速かつ大容量で高密度な光の出力が可能となる。また、光スイッチ層を備えずに光の出力ができるので、材料選択の自由度等を上げることができる。
さらに、本発明は、シリアルに光情報を出力するシリアル光情報出力手段と、該シリアル光情報出力手段から出力された光情報を光学的に広げる光学的手段と、該光学的手段により広げられた光情報が照射される光スイッチデバイスと、該光スイッチデバイスを通過した光情報が出力される出力面とを備え、前記光スイッチデバイスは、異なる伝播方向をもち、かつ所定の時間変化をもつ複数の制御光が交差するように入射される光導波層と、該光導波層内を伝播する制御光から、それぞれ独立に所定の割合の光を出力光として各々の光導波路と垂直な方向に出力する光出力手段と、前記制御光が交差した部分からの前記出力光の照射により不透明部分が透明に変化される光スイッチ層とを有し、前記シリアル光情報出力手段から出力される光情報の出力タイミング及び該光情報の前記出力面への出力位置に応じて、前記各制御光の入射タイミングが制御されることを特徴としてもよい
光スイッチ層は、制御光が交差した部分でのみ不透明部分が透明に変化される。そして、交差部分で制御光が重畳されたときの光強度のピーク値が、光スイッチ層の応答する光強度のしきい値を超えるように、光スイッチ層の感度や制御光の強度が最適化される。
シリアル光情報出力手段から出力された光情報は、光スイッチ層の透明に変化された部分を通過することで、出力面に出力される。そのため、シリアル光情報出力手段の出力タイミングと光情報の出力面への位置に応じて、各制御光の入射タイミングを制御することで、全光学的な走査により光スイッチデバイス上の特定のアドレスから光情報を出力することができる。
このことにより、画素毎に電気的な配線や機械的な駆動部等を配設することなく光情報を出力することができるので、高速かつ大容量で高密度な光情報の出力が可能となる。
また、複数の制御光を有し、制御光の交差部分で光スイッチ層を透明に切りかえる構成であるため、交差部分での光強度のピーク値等を高くすることができる。そのため、光スイッチ層の切りかえに必要な光強度等を容易に得ることができる。
さらに、本発明は、シリアルに光情報を出力するシリアル光情報出力手段と、該シリアル光情報出力手段から出力された光情報を光学的に第1の方向に広げる第1の光学的手段と、該第1の光学的手段により第1の方向に広げられた光情報が照射される第1の光スイッチデバイスと、該第1の光スイッチデバイスを通過した光情報を光学的に前記第1の方向へ集光しつつ、該第1の方向と異なる第2の方向に広げる第2の光学的手段と、該第2の光学的手段により第2の方向に広げられた光情報が照射される第2の光スイッチデバイスと、該第2の光スイッチデバイスを通過した光情報が出力される出力面とを備え、前記第1の光スイッチデバイスは、所定の時間変化をもつ第1の変調光が入射される第1の光導波路と、該第1の光導波路内を伝播する第1の変調光から、所定の割合の光を第1の出力光として該第1の光導波路と垂直な方向に出力する第1の光出力手段と、前記第1の出力光の照射により不透明部分が透明に変化される第1の光スイッチ層とを有し、前記第2の光スイッチデバイスは、所定の時間変化をもつ第2の変調光が入射される第2の光導波路と、該第2の光導波路内を伝播する第2の変調光から、所定の割合の光を第2の出力光として該第2の光導波路と垂直な方向に出力する第2の光出力手段と、前記第2の出力光の照射により不透明部分が透明に変化される第2の光スイッチ層とを有し、前記シリアル光情報出力手段から出力される光情報の出力タイミング及び該光情報の前記出力面への出力位置に応じて、前記第1の変調光の入射タイミング及び前記第2の変調光の入射タイミングが制御されることを特徴としてもよい
シリアル光情報出力手段から出力された光情報は、第1の光スイッチ層及び第2の光スイッチ層の透明に変化された部分を通過することで、出力面に出力される。そのため、シリアル光情報出力手段の出力タイミングと光情報の出力面への位置に応じて、第1の変調光及び第2の変調光の入射タイミングを制御することで、全光学的な走査により第1の光スイッチデバイス及び第2の光スイッチデバイス上の特定のアドレスから光情報を出力することができる。
このことにより、画素毎に電気的な配線や機械的な駆動部等を配設することなく光情報を出力することができるので、上記と同様に高速かつ大容量で高密度な光情報の出力が可能となる。
また、第1の光スイッチデバイス及び第2の光スイッチデバイスとして、例えば一画素程度の幅を有する棒状の光スイッチデバイスを用いることができる。そのため、両光導波路内での光の拡散が抑えられ、効率良く十分な強度の光で光スイッチデバイスを制御することができ、十分な変調特性を得ることができる。また、第1の変調光及び第2の変調光の光源等の低出力化を図ることができるので、ハンドリングが容易で小型な光源等を使用できる。さらに、棒状の光スイッチデバイスの幅を細くすることで簡単に画素の微細化を図ることができる。
さらに、本発明(請求項4)は、前記光出力手段はグレーティング構造又は散乱構造からなることを特徴とする。
このことにより、効率良く、かつ簡単な構成で光を光導波路と垂直な方向に出力することができる。
さらに、本発明(請求項5)は、前記光導波路から出力される光量は、該光導波路のいずれの地点においても均一であることを特徴とする。
このことにより、光量の場所むらを無くすことができる。また、光スイッチ層、第1の光スイッチ層、第2の光スイッチ層を確実に透明にしたり、2光子吸収体を確実に励起発光させることができる。
さらに、本発明は、前記第1の光出力手段及び前記第2の光出力手段は、それぞれがグレーティング構造又は散乱構造からなることを特徴としてもよい
さらに、本発明は、前記第1の光導波路及び前記第2の光導波路から出力されるそれぞれの光量は、該各光導波路のいずれの地点においても均一であることを特徴としてもよい
第2の出力光の照射により不透明部分が透明に変化され、この透明にされた部分を通過して第1の出力光が外部に出力される光スイッチ層を備えて構成したので、第1の変調光及び第2の変調光それぞれの入力タイミングを調整することで、全光学的な走査により特定のアドレスから光を出力することができる。従って、画素毎に電気的な配線や機械的な駆動部等を配設することなく光を出力することができるので、高速かつ大容量で高密度な光の出力が可能となる。
以下、本発明の第1実施形態(請求項1に相当する)について説明する。
本発明の第1実施形態である光アドレス装置の構成図を図1に、パネルの部分拡大断面図を図2に示す。
図1及び図2において、光アドレス装置100は平板状のパネル101を備えている。このパネル101は、それぞれが数μm厚で積層された2枚の基板111、121と、一方の基板111に積層された光スイッチ層131とを有している。
基板111内には、導波方向が基板111の一辺と平行(以下本実施形態でx方向という)になるように形成されたx方向光導波路113が敷設されている。このx方向光導波路113は、基板111の厚さと同程度の直径が数μmで形成され、一定のピッチで多数本設けられている。x方向光導波路113には、例えば平板(図示略)上に配置された石英やポリマー材料が用いられたり、光ファイバ、プラスティックファイバ、フォトニックファイバ、ロッドレンズ等や、導波路機能を有するフォトニック結晶等が用いられる。
さらに、x方向光導波路113は、内部を伝播する光に対し、この光を光スイッチ層131側に向けて垂直に出力する構造を有している。
例えば、図3に示すようにx方向光導波路113内には、光の伝播方向に対して約45°の回折格子115が形成されている。そして、この回折格子115には入力光(後述するデータ光163)の波長に対してブラッグ回折条件を満たすようにグレーティングのピッチ間隔が設定されており、このピッチ間隔が例えば入力光の波長の1/(21/2)とされている。これにより、x方向光導波路113には、入力光(図中データ光163で示す)の波長の光のみを選択的に回折して垂直方向に出力する波長選択性が生じている。
また、回折格子115は、その位相分布がx方向光導波路113の入口113a付近と出口113b付近とで調整されることで、入力光(データ光163)の入口113a付近での出力光量163aと出口113b付近での出力光量163bとの差を小さくし、x方向光導波路113内の各位置からの均一な光出力が行えるようになっている。
ただし、回折格子115以外にも、図4に示すようにx方向光導波路113の表面やその内部に散乱構造116を形成することで、内部を伝播する光を光スイッチ層131側に向けて垂直に出力できるようにしても良い。この場合も、入口113a付近と出口113b付近とで散乱の強さ等を変化させることで、x方向光導波路113内の各位置からの均一な光出力が行える。回折格子115、散乱構造116は光出力手段に相当する。
さらに、隣接するx方向光導波路113間には、互いの間の光漏れを防止するために、光を透過しない吸収体(図示略)が設けられている。この吸収体の材料としては、導波する光の波長に対して吸収特性の大きいものを選択する。例えば、アゾ系、インジゴ系、ペリレン系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系の有機顔料等が使用できる。また、カドミウム、コバルト、酸化クロム等の無機顔料も使用できる。
一方、図2に示すように、基板121内には、導波方向がx方向光導波路113と垂直(以下本実施形態でy方向という)になるように形成されたy方向光導波路123が敷設されている。このy方向光導波路123も、基板121の厚さと同程度の直径が数μmで形成され、一定のピッチで多数本設けられている。また、y方向光導波路123も、x方向光導波路113と同じ材料で構成されている。さらに、y方向光導波路123にも、内部を伝播する光(後述するアドレス光173)を選択的に光スイッチ層131側に向けて垂直に出力する構造等が形成されている(図3又は図4参照)。
光スイッチ層131は、光の照射又は非照射に伴い、数十ps〜数ps以下の応答速度で透明又は不透明が切りかえられるようになっている。この光スイッチ層131には、光制御型の高速応答スイッチが用いられ、例えば材料として化合物半導体や、大面積化が容易な有機色素膜等が用いられる。また、特に3次の非線形光学効果の大きい有機材料であるフタロシアニンやメロシアニン、ポリシアン、ポリジアセチレン、ポリアリーレンビニレン、ジエチルアミノニトロスチルベン、スクエアリリウム色素等が利用される。
そして、図1に示すように、各x方向光導波路113には、パネル101の出力点から出力されるデータに相当する光パルス161が、光分配器162を経由して、データ光163として入力されるようになっている。このデータ光163には、数百〜数十フェムト秒の短パルス光等が使用される。また、データ光163は、光スイッチ層131の感度波長領域内の波長を有する光となっており、例えば近赤外光や赤外光等である。
一方、各y方向光導波路123には、光源171から出力されたパルス光(図示略)が、光分配器172で分配されて、アドレス光173として入力されるようになっている。アドレス光173には、y方向光導波路毎に適当な遅延が設けられている。そして、光源171にはナノ秒〜ピコ秒オーダーのパルスレーザが使用される。また、アドレス光173は、光スイッチ層131の感度波長領域外の波長を有する光である。
次に、データ光163及びアドレス光173の交差部分133から光が出力される原理について説明する。データ光163及びアドレス光173の交差部分133の機能説明図を図5に示す。
図5において、x方向光導波路113に入力されたデータ光163は、ある割合の光を光スイッチ層131側に出力し続けながら、x方向光導波路113内を伝播する。光スイッチ層131のうちデータ光163が照射された部分には、透明部分132が形成される。
一方、y方向光導波路123に入力されたアドレス光173も、ある割合の光を光スイッチ層131側に出力し続けながら、y方向光導波路123内を伝播する。そして、データ光163及びアドレス光173の交差部分133では、光スイッチ層131の透明部分132から、アドレス光173がx方向光導波路113及び透明とされた光スイッチ層131の部分を透過して、パネル101から垂直に出力される。結果として、アドレス光173はデータ光163により変調された光となって出力される。
このとき、アドレス光173がx方向光導波路113を透過するに際しては、x方向光導波路113には、例えばデータ光163の波長の光のみを選択的に回折する回折格子115が形成されているため、データ光163と波長の異なるアドレス光173はx方向光導波路113を透過することができる。
また、x方向光導波路113に例えば散乱構造116を形成した場合にも、パネル101の出力側に図示しない結像光学系(レンズ)を別途配設することで、光を集光できる。
以上により、データ光163及びアドレス光173の交差部分133から光を出力することができる。そのため、データ光163及びアドレス光173それぞれの入力タイミングを調整することで、全光学的な走査によりパネル101上の特定のアドレスから光を出力することができる。
従って、機械的な駆動部を配設することなく光を出力することができるので、x方向光導波路113及びy方向光導波路123の直径と同程度の数μm角の小さな画素を実現できる。そのため、大容量でかつ高密度な光の出力が可能となる。
電気的な配線やトランジスタのスイッチング、機械的な駆動を介在することなく光を出力することができるので、高速表示が可能となる。また、x方向光導波路113及びy方向光導波路123を長くすることで、大型の超多画素な2次元画像の高速表示が可能となる。
さらに、電気的な配線やトランジスタの駆動によらず、データ光163及びアドレス光173の伝播により全光学的な走査で光の出力が行われるため、消費電力を低くでき、パネル101等からの発熱を抑えることができる。
ここで、上記第1実施形態で用いたパネル101の実施例を図6に示す。
図6において、x方向長10cm及びy方向長10cmのパネル101を想定する。そして、このパネル101内に直径3μmのx方向光導波路113及び直径3μmのy方向光導波路123を、それぞれ6μmのピッチで縦横に配置する。x方向光導波路113はx方向長10cm中に16666本形成され、y方向光導波路123はy方向長10cm中に16666本形成される。この結果、パネル101の出力点数は2億7775万点となる。
そして、パネル101の各y方向光導波路123に対して図6中左方から順次アドレス光173を走査しつつ、多数本のx方向光導波路113に対して図6中左方から並列にデータ光163を入力する。この面内走査を例えば30msで1回を行うと、1ラインの書き込みに使用する時間は最大1.8μsとなる。
ここで、パネル101からの出力光度を見積もる。まず、データ光163の出力光量を算出する。
通常、光ファイバ中では、数1に示すように、光は指数関数的にBeer’s則に従って減衰する。
Figure 0004596817
ここでIは光量、z(m)は伝播距離、Γ(dB/m)は単位距離あたりの減衰係数である。
しかしながら、上述したようにx方向光導波路113内に回折格子115(図3)や散乱構造116(図4)を形成することで、x方向光導波路113内の各位置からの出力光量を均一化できる。そのため、以下ではx方向光導波路113内の各位置からの出力光量が均一化されたと仮定して計算を行う。
データ光163として入力光強度100mWの光を入力する。また、光スイッチ層131として、スクエアリリウム色素J−会合体[Makoto Furuki, et.al. "Terahertz demultiplexing by a signal-shot time-to-space conversion using a film of squarylium dye J aggregates" Appl. Phys. lett., Vol.77, No.4, 24 July 2000]を想定する。さらに、データ光163として、光スイッチ層131のピーク感度波長である波長780nm近辺を使用する。
そして、上記条件(x方向光導波路113の直径3μm、長さ10cm、データ光163の入力光強度100mW)に基づき、x方向光導波路113からの出力光量が均一化されているとすれば、データ光163の単位面積当たりの出力光強度Eは数2のようになる。
Figure 0004596817
そして、1ラインの書き込み時間を1.8μsとすれば、その間に光スイッチ層131に照射できるエネルギーPは数3のようになる。
Figure 0004596817
想定した光スイッチ層131の感度は800(fJ/μm2)である。しかしながら、ピーク出力値が大きな短パルス光を使用することで、1〜2桁以上大きな光パワー照射となることを考慮すれば、変調制御が可能な範囲と予想される。
次に、最背面のアドレス光173の前面への出力光量を算出する。
アドレス光173として入力光強度100mWの光を入力する。また、アドレス光173として、光スイッチ層131の感度より低い波長領域を使用する。例えば、アドレス光173の波長は550nmとする。
そして、上記条件(y方向光導波路123の直径3μm、長さ10cm、及びアドレス光173の入力光強度100mW)に基づき、y方向光導波路123からの出力光量も均一化されているとすれば、データ光163の場合と同様に、1回当たりのエネルギーPは0.594(J/m2)となる。
以上から、パネル101全体からの出力光束を求めると、開口率が25%の場合、光出力部の総面積は25cm2となるため、全出力光束は30.3(lm)となる。仮に、出力端面で空間に均一に拡散したとすれば、パネル101からの出力光度は4.8(cd)となる。
次に、本発明の第2実施形態(請求項2に相当する)について説明する。
第1実施形態である光アドレス装置100は、x方向光導波路113及びy方向光導波路123が多数本存在するため、光分配器162、172を必要としたが、第2実施形態である光アドレス装置は、データ光及びアドレス光の入力箇所をそれぞれ1箇所とし、光分配器162、172を不要としたものである。
本発明の第2実施形態である光アドレス装置の構成図を図7に、パネルの部分拡大断面図を図8に示す。なお、図1及び図2と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図7及び図8において、光アドレス装置200のパネル201は、1枚の基板(図示略)と、この基板に積層された光スイッチ層131とを有している。基板内には、導波方向が基板の一辺と略平行になるように形成された光導波路213が多数本敷設されている。
そして、光導波路213は、内部を伝播するデータ光263(後述する)及びアドレス光273(後述する)を、それぞれ独立に光スイッチ層131側に向けて垂直に出力するため、基板に対して約45°の傾斜をもつグレーティング構造215にて形成されている。このグレーティング構造215は、第1実施形態の回折格子115と異なり、光導波路213内を互いに逆方向に伝播するデータ光263及びアドレス光273に対応するため、両導波方向(図8中紙面左右方向)に対して傾斜が形成されている。
グレーティング構造215の具体例としては、データ光263の進行方向に対しておよそ45°の傾斜をもたせた周期構造がある。このとき、グレーティングの周期構造をデータ光263の波長に対してブラッグ回折条件になるように設定すれば、データ光263の波長の光のみを選択的に回折して垂直方向に出力することができる。そのためには、グレーティングのピッチ間隔をおよそデータ光263の波長の1/(21/2)とすれば良い。
また、後述するように反対方向から入射し進行するアドレス光273に対しても、アドレス光273の進行方向に対して45°の傾斜をもたせてアドレス光273の波長の光のみを選択的に回折するグレーティング構造を作製することで、データ光263と同じ方向の垂直方向へ光を出力できる。
さらに、グレーティング構造215以外にも光導波路213の表面に散乱を生じる構造(図示略)が形成されても良い。このグレーティング構造215等は光出力手段に相当する。
各光導波路213の両端部213a、213bには、折り返し構造217が形成されている。この折り返し構造217は、図7に示すように光導波路213の細線が180°折り返す構造や、折り返し部にミラーをもち180°光を反射する構造(図示略)若しくはフォトニック結晶(図示略)により効率的に、光導波路213内を伝播する光を180°折り返すようになっている。そのため、多数本の光導波路213は、折り返し構造217により一経路とされ、光がジグザグ状に伝播する光導波路束218を構成するようになっている。
そして、ジグザグ状の光導波路束218の一端部218aはパネル201の一の頂点付近に形成され、この一端部218aからはデータ光263が入力されるようになっている。データ光263は、光スイッチ層131の感度波長領域外の波長を有する光となっている。
一方、光導波路束218の他端部218bは一端部218aの対角位置に配置され、この他端部218bからはアドレス光273が入力されるようになっている。アドレス光273は、光スイッチ層131の感度波長領域内の波長を有する光となっており、一般に近赤外光や赤外光等が使用される。
次に、データ光263及びアドレス光273の交差部分133から光が出力される原理を図8を用いて説明する。なお、図8(a)〜図8(c)はデータ光263及びアドレス光273が交差する瞬間を時系列に順に示している。
図8(a)において、光導波路束218の一端部218aから入力されたデータ光263は、ある割合の光を光スイッチ層131側に出力し続けながら、光導波路束218内を伝播する。
一方、光導波路束218の他端部218bから入力されたアドレス光273も、ある割合の光を光スイッチ層131側に出力し続けながら、光導波路束218内を伝播する。このとき、アドレス光273は光スイッチ層131の感度波長領域内の波長を有する光であるため、アドレス光273が照射された部分には、透明部分132が形成される。光スイッチ層131の応答速度はピコ秒オーダーと十分に速いため、透明部分132はアドレス光273の伝播に連れてパネル201内を移動する。
そして、図8(b)及び図8(c)において、データ光263及びアドレス光273の交差部分133では、光スイッチ層131の透明部分132から、データ光263が光スイッチ層131を透過して、パネル201から垂直に出力される。
このことにより、データ光263及びアドレス光273の交差部分133から光を出力することができる。そのため、データ光263及びアドレス光273それぞれの入力タイミングを調整することで、全光学的な走査によりパネル201上の特定のアドレスから光を出力することができる。
従って、画素毎に電気的な配線や機械的な駆動部等を配設することなく光を出力することができるので、第1実施形態と同様に高速かつ大容量で高密度な光の出力が可能となる。
また、本実施形態である光アドレス装置200は、データ光263及びアドレス光273の入力箇所を光導波路束218の両端部218a、218bの2箇所のみとしているので、第1実施形態のように光分配器162、172を設ける必要がない。そのため、光アドレス装置200の構成を簡略化して部品コストを低減できる。
次に、本発明の第3実施形態(請求項3に相当する)について説明する。
第1実施形態である光アドレス装置100のパネル101や第2実施形態である光アドレス装置200のパネル201では、光スイッチ層131が透明に切りかえられることでデータ光及びアドレス光の交差部分から光が出力されていたが、第3実施形態である光アドレス装置では、光スイッチ層131を備えずに光の出力を行うものである。
本発明の第3実施形態である光アドレス装置のパネルの構成図を図9に示す。
図9において、光アドレス装置のパネル301は、2枚の基板(図示略)を有している。一方の基板内には、導波方向が基板の一辺と平行(以下本実施形態でx方向という)になるように形成されたx方向光導波路313が多数本敷設されている。また、他方の基板内には、導波方向がx方向光導波路313と垂直(以下本実施形態でy方向という)になるように形成されたy方向光導波路323が多数本敷設されている。
さらに、この2枚の基板の間には、2光子吸収体331が挟装されている。2光子吸収体331は、周波数の異なる光が同時に吸収されることで、励起状態となり、光を放出して遷移するようになっている。そのため、この2光子過程で発生する蛍光を利用することで、異なる波長の光が同時に照射した部分(後述する交差部分333)でのみ発光させることができる。2光子吸収体331の材料としては、フォトポリマー、有機フォトクロミック材料のスピロラン系、フルギド系、ジアリールエテン系、ナフタセンキノン系材料、フォトリフラクティプ材料等がある。
x方向光導波路313及びy方向光導波路323内には、それぞれx方向光信号363及びy方向光信号373が伝播されるようになっており、y方向光信号373はx方向光信号363と波長が異なっている。
また、x方向光導波路313及びy方向光導波路323は、例えば第1実施形態のx方向光導波路113等と同様の材料で形成され、例えば第1実施形態等と同様に内部を伝播する光を2光子吸収体331側に向けて垂直に出力する構造(例えばグレーティング構造や散乱構造等)を有している。
かかる構成において、x方向光導波路313内を伝播するx方向光信号363とy方向光導波路323内を伝播するy方向光信号373との交差部分333では、x方向光導波路313及びy方向光導波路323からの出力光が2光子吸収体331に吸収される。そのため、2光子吸収体331は交差部分333でのみ励起発光され、光がパネル301のy方向光導波路323側からy方向光導波路323を透過して垂直に出力される。
なお、y方向光導波路323内を伝播するy方向光信号373は、y方向光導波路323により2光子吸収体331側に垂直に出力されるため、図9中紙面手前側にy方向光信号373が直接出力されることはない。また、2光子吸収体331からの出力光がy方向光導波路323を透過するに際しては、第1実施形態等で説明したように、y方向光導波路323にy方向光信号373のみを選択的に回折するグレーティング構造等を形成しておくことで、y方向光信号373と波長の異なる2光子吸収体331からの出力光はy方向光導波路323を透過することができる。さらに、y方向光導波路323に散乱構造を施した場合にも、出力側に図示しない結像光学系(レンズ)を別途配設することで、出力光を集光することができる。
このことにより、x方向光信号363及びy方向光信号373の交差部分333のみから光を出力することができる。そのため、x方向光信号363及びy方向光信号373それぞれの入力タイミングを調整することで、全光学的な走査によりパネル201上の特定のアドレスから光を出力することができる。
従って、画素毎に電気的な配線や機械的な駆動部等を配設することなく光を出力することができるので、第1実施形態と同様に高速かつ大容量で高密度な光の出力が可能となる。また、光スイッチ層131を備えずに光の出力ができるので、材料選択の自由度等を上げることができる。
次に、本発明の第4実施形態(請求項4に相当する)について説明する。
本発明の第4実施形態である光アドレス装置の構成図を図10に示す。なお、図1及び図2と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図10において、光アドレス装置400は、四角形の平板状の光スイッチデバイス401を有している(以下本実施形態で光スイッチデバイス401の各辺に沿ってx方向、y方向を定義する)。この光スイッチデバイス401は、基板(図示略)内に形成された光導波層413と、この基板に積層された光スイッチ層131とを備えている。なお、光導波層413とは、例えば第1実施形態と同様のx方向光導波路113及びy方向光導波路123を意味する。
この光導波層413には、y方向に延びる1つの側面413aから、レンズ465により光学的に広げられ、かつ平行光に近い形のx方向制御光信号463が入力されるようになっている。また、x方向に延びる1つの側面413bからも、レンズ475により光学的に広げられ、かつ平行光に近い形のy方向制御光信号473が入力されるようになっている。これらのx方向制御光信号463及びy方向軸制御光信号473は、例えばフェムト秒レーザのような超短パルス光が用いられ、光導波層413への入力にはプリズムカップリング(図示略)等が利用されている。また、光導波層413は、例えば第1実施形態等と同様に内部を伝播する光を光スイッチ層131側に向けて垂直に出力する構造(例えばグレーティング構造や散乱構造等)を有している。
光スイッチ層131は、x方向制御光信号463及びy方向軸制御光信号473の交差部分433でのみ不透明から透明に切りかえられるようになっている。そのため、交差部分433での両制御光信号463、473の重畳された光強度のピーク値が、光スイッチ層131の応答する光強度のしきい値を超えるように、光スイッチ層131の感度や両制御光信号463、473の強度が最適化されている。一方、交差部分433以外でのx方向制御光信号463又はy方向軸制御光信号473の光強度のピーク値が光スイッチ層131の応答する光強度のしきい値を超えないようにも、光スイッチ層131の感度や両制御光信号463、473の強度が最適化されている。
光スイッチデバイス401には、光スイッチ層131側で、かつこれと垂直な方向から、出力面483の画素A、B、C、D、Eに相当する光情報がシリアル光信号列481としてシリアルに入力されるようになっている。このシリアル光信号列481は、レンズ485により光束が広げられ、光スイッチデバイス401全面に照射されるようになっている。光スイッチデバイス401に照射された光情報は、光スイッチデバイス401を透過したものが2次元の出力面483に出力されるようになっている。
かかる構成において、シリアル光信号列481に基づく光情報を出力面483に出力する原理について説明する。
例えば出力面483の画素A、B、C、D、Eに光情報を出力する場合、各画素A、B、C、D、Eに相当する光情報としてデジタルな光パルス列からなるシリアル光信号列481が生成される。そして、このシリアル光信号列481が順に光スイッチデバイス401に照射される。
そして、出力面483の画素Aに光情報を出力する場合(図10中出力部分483aと示す)には、この出力部分483aに対応する光スイッチデバイス401内の対応部分401aを透明に切りかえる。具体的には、画素Aに出力する光情報が光スイッチデバイス401に照射されているときに、このタイミングと同期して、x方向制御光信号463及びy方向軸制御光信号473のそれぞれが対応部分401aに到達するように(すなわち対応部分401aに両制御光信号463、473の交差部分433が形成されるように)、x方向制御光信号463及びy方向軸制御光信号473の入力タイミングを調整する。
これにより、画素Aに対応する光情報が、光スイッチデバイス401内の交差部分433(すなわち対応部分401a)を透過する。なお、交差部分433において、光情報が光導波層413を透過するに際しては、第1実施形態等で説明したように、光導波層413に両制御光信号463、473のみを選択的に回折するグレーティング構造等を形成しておくことで、両制御光信号463、473と波長の異なる光情報(シリアル光信号列481)は光導波層413を透過することができる。また、光導波層413に散乱構造を施した場合にも、出力側に図示しない結像光学系(レンズ)を別途配設することで、光情報を結像することができる。
従って、光スイッチデバイス401内の交差部分433を透過した画素Aに対応する光情報が、出力面483内の出力部分483aに出力される。そして、他の画素B、C、D、Eでも同様の動作を高速に行うことで、画素B、C、D、Eに対応する光情報を出力面483に出力することができる。
このことにより、シリアル光信号列481に基づく光情報を出力面483にパラレルに変換して出力することができる。すなわち、x方向制御光信号463及びy方向軸制御光信号473それぞれの入力タイミングを調整することで、全光学的な走査により光スイッチデバイス401上の特定のアドレスから光情報を出力することができる。
従って、機械的な駆動部を配設することなく光情報を出力することができるので、x方向制御光信号463及びy方向軸制御光信号473のパルス幅程度の小さな画素を実現できる。そのため、大容量でかつ高密度な光情報の出力が可能となる。
電気的な配線やトランジスタのスイッチング、機械的な駆動を介在することなく光を出力することができるので、高速表示が可能となる。また、光スイッチデバイス401を大型化することで、大型の超多画素な2次元画像の高速表示が可能となる。
さらに、電気的な配線やトランジスタの駆動によらず、x方向制御光信号463及びy方向軸制御光信号473の伝播により全光学的な走査で光情報の出力が行われるため、消費電力を低くでき、光スイッチデバイス401からの発熱を抑えることができる。
また、x方向制御光信号463及びy方向軸制御光信号473の2本の制御光を有するため、光スイッチデバイス401内の各点を任意にかつ自由に、透明に切りかえることができる。そのため、交差部分433での光強度のピーク値を高くすることができ、光スイッチ層131の切りかえに必要な光強度を容易に得ることができる。
次に、本発明の第5実施形態(請求項5に相当する)について説明する。
第4実施形態である光アドレス装置400は、平板状の光スイッチデバイス401を有していたが、第5実施形態である光アドレス装置は、棒状の光スイッチデバイスを用いて光情報の出力を行うものである。
本発明の第5実施形態である光アドレス装置の構成図を図11に示す。なお、図10と同一要素のものについては同一符号を付して説明は省略する。
図11において、光アドレス装置500は、一画素分の幅で形成された2本の棒状の光スイッチデバイス501、502を有している。これらの光スイッチデバイス501、502は、互いの長手方向が垂直となるように配置されている(以下本実施形態で光スイッチデバイス501の長手方向をx方向といい、光スイッチデバイス502の長手方向をy方向という)。
x方向に向けられた光スイッチデバイス501(以下x方向光スイッチデバイス501という)は、基板(図示略)内に形成された一画素分の幅のx方向光導波路513と、この基板に積層された光スイッチ層131Xとを備えている。また、y方向光スイッチデバイス502も、x方向光スイッチデバイス501と同一構造を有し、y方向光導波路523と光スイッチ層131Yとを備えている。
x方向光導波路513及びy方向光導波路523内には、それぞれ短パルスのx方向アドレス光563及びy方向アドレス光573が入力されるようになっている。また、x方向光導波路513及びy方向光導波路523のそれぞれは、例えば第1実施形態のx方向光導波路113等と同様の材料で形成され、例えば第1実施形態等と同様に内部を伝播する光を光スイッチ層131X、131Y側に向けて垂直に出力する構造(例えばグレーティング構造や散乱構造等)を有している。
光スイッチ層131X、131Yは、それぞれx方向アドレス光563及びy方向アドレス光573の伝播に連れて不透明から透明に切りかえられるようになっている。すなわちx方向アドレス光563やy方向アドレス光573が存在する位置に透明部分132X、132Yが形成されるようになっている。
そのため、第4実施形態と異なり、両アドレス光563、573それぞれの単独での光強度のピーク値が、光スイッチ層131X、131Yの応答する光強度のしきい値を超えるように、光スイッチ層131X、131Yの感度や両アドレス光563、573の強度が最適化されている。
そして、x方向光スイッチデバイス501には、光スイッチ層131X側で、かつこれと垂直な方向から、シリアル光信号列481が入力されるようになっている。このシリアル光信号列481は、レンズ585により光学的にx方向に光束が広げられ、さらにレンズ586により光学的にx方向への平行光とされて、x方向光スイッチデバイス501に照射されるようになっている。
また、x方向光スイッチデバイス501を透過した光は、レンズ587により光学的にy方向光スイッチデバイス502の配設位置に集光されるように光束が狭められ、その途中でレンズ588により光学的にy方向に光束が広げられて、y方向光スイッチデバイス502の光スイッチ層131Y側に照射されるようになっている。
そして、y方向光スイッチデバイス502を透過したものがレンズ589により光学的にy方向への平行光とされて、2次元の出力面483に出力されるようになっている。
かかる構成において、シリアル光信号列481に基づく光情報を出力面483に出力する原理について説明する。
例えば出力面483の画素A、B、C、D、Eに光情報を出力する場合、本実施形態でも各画素A、B、C、D、Eに相当する光情報としてデジタルな光パルス列からなるシリアル光信号列481が生成される。そして、このシリアル光信号列481が順にx方向光スイッチデバイス501に照射される。
そして、出力面483の画素Aに光情報を出力する場合(図11中出力部分483aと示す)には、出力部分483aとy方向光スイッチデバイス502を挟んで光学的に見てx方向の対角位置にあるx方向光スイッチデバイス501内の対応部分501aを透明に切りかえる。具体的には、画素Aに出力する光情報がx方向光スイッチデバイス501に照射されているときに、このタイミングと同期して、光スイッチ層131Xの透明部分132Xが対応部分501aで形成されるように(すなわち対応部分501aにx方向アドレス光563が存在するように)、x方向アドレス光563の入力タイミングを調整する。
これにより、x方向光スイッチデバイス501内の対応部分501aから画素Aに対応する光情報が透過される。なお、対応部分501aにおいて、光情報がx方向光導波路513を透過するに際しては、第4実施形態で説明したように、x方向光導波路513にx方向アドレス光563のみを選択的に回折するグレーティング構造等を形成しておくことで、x方向アドレス光563と波長の異なる光情報(シリアル光信号列481)はx方向光導波路513を透過することができる。また、x方向光導波路513に散乱構造を施した場合にも、出力側に図示しない結像光学系(レンズ)を別途配設することで、光情報を結像できる。
そして、このx方向光スイッチデバイス501の対応部分501aを透過した画素Aに対応する光情報は、レンズ587、588により、y方向光スイッチデバイス502に照射される。
このとき、y方向光スイッチデバイス502では、出力部分483aとy方向位置が対応する対応部分502aが、透明に切りかえられる。具体的には、画素Aに出力する光情報がy方向光スイッチデバイス502に照射されているときに、このタイミングと同期して、光スイッチ層131Yの透明部分132Yが対応部分502aで形成されるように、y方向アドレス光573の入力タイミングを調整する。
これにより、y方向光スイッチデバイス502内の対応部分502aを透過した画素Aに対応する光情報が、出力面483内の出力部分483aに出力される(光情報がy方向光導波路523を透過する原理は上記のx方向光スイッチデバイス501側と同様である)。そして、他の画素B、C、D、Eでも同様の動作を高速に行うことで、画素B、C、D、Eに対応する光情報を出力面483に出力することができる。
このことにより、シリアル光信号列481に基づく光情報を出力面483にパラレルに変換して出力することができる。すなわち、x方向アドレス光563及びy方向アドレス光573それぞれの入力タイミングを調整することで、全光学的な走査により光スイッチデバイス501、502上の特定のアドレスから光情報を出力することができる。
従って、画素毎に電気的な配線や機械的な駆動部等を配設することなく光情報を出力することができるので、第4実施形態と同様に高速かつ大容量で高密度な光情報の出力が可能となる。
また、第4実施形態と比べ棒状の光スイッチデバイス501、502により光アドレス装置500が構成されるため、部品の作製が容易であり、コストを低減できる。さらに、本実施形態では、棒状の細い両光導波路513、523の中にアドレス光563、573を閉じ込めるため、光の拡散が抑えられ、効率良く十分な強度の光で光スイッチデバイス501、502が制御でき、十分な変調特性が得られる。また、光アドレスの光源(図示略)の低出力化が図られるので、ハンドリングが容易で小型なファイバ出力のパルスレーザ光源が使用できる。さらに、棒状の光スイッチデバイス501、502の幅が出力画像の画素幅を決定するため、この幅を細くすることで簡単に出力画像の画素の微細化が図れる。
本発明の第1実施形態である光アドレス装置の構成図 パネルの部分拡大断面図 光導波路の一例 図3の別例 データ光及びアドレス光の交差部分の機能説明図 パネルの実施例 本発明の第2実施形態である光アドレス装置の構成図 パネルの部分拡大断面図 本発明の第3実施形態である光アドレス装置のパネルの構成図 本発明の第4実施形態である光アドレス装置の構成図 本発明の第5実施形態である光アドレス装置の構成図
符号の説明
100、200、400、500 光アドレス装置
101、201、301 パネル
111、121 基板
113、123、213、313、323、513、523 光導波路
115 回折格子
116 散乱構造
131 光スイッチ層
163、263 データ光
173、273、563、573 アドレス光
215 グレーティング構造
331 2光子吸収体
363、373 光信号
401、501、502 光スイッチデバイス
413 光導波層
463、473 制御光信号
481 シリアル光信号列
483 出力面

Claims (5)

  1. 一定方向に複数形成され、所定の時間変化をもつ第1の変調光が入射される第1の光導波路を有する第1の基板と、
    該第1の光導波路と交差する方向に複数形成され、前記第1の変調光と異なる第2の変調光が入射される第2の光導波路を有し、前記第1の基板の上に積層された第2の基板と、
    前記第1の光導波路内を伝播する第1の変調光及び前記第2の光導波路内を伝播する第2の変調光から、それぞれ所定の割合の光を第1の出力光及び第2の出力光として各々の光導波路と垂直な方向に出力する光出力手段と、
    前記第2の出力光の照射により不透明部分が透明に変化され、該透明にされた部分及び前記第2の光導波路を通過して前記第1の出力光が外部に出力される前記第2の基板の上に積層された光スイッチ層とを備え、
    前記第2の出力光は前記光スイッチ層の感度領域内の波長を有する光であり、かつ前記第1の出力光は前記光スイッチ層の感度領域外の波長を有する光であることを特徴とする光アドレス装置。
  2. 前記第2の変調光の入力タイミングを調整することで前記第2の光導波路に沿って前記光スイッチ層の複数の箇所を透明化し、該透明生成された箇所に対し前記第1の変調光の入力タイミングを調整することで前記第1の出力光を前記第2の光導波路を通過し外部に出力させるタイミング調整手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の光アドレス装置。
  3. 一経路で形成され、一端から所定の時間変化をもつ第1の変調光が入射されるとともに、他端から該第1の変調光と異なる第2の変調光が入射される光導波路と、
    該光導波路内を伝播する第1の変調光及び第2の変調光から、それぞれ独立に所定の割合の光を第1の出力光及び第2の出力光として該光導波路と垂直な方向に出力する光出力手段と、
    前記第2の出力光の照射により不透明部分が透明に変化され、該透明にされた部分を通過して前記第1の出力光が外部に出力される光スイッチ層とを備えたことを特徴とする光アドレス装置。
  4. 前記光出力手段はグレーティング構造又は散乱構造からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光アドレス装置。
  5. 前記光導波路から出力される光量は、該光導波路のいずれの地点においても均一であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光アドレス装置。
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