JP2005082988A - 型枠先付け外装タイル壁面の改修工法およびこれに用いる樹脂混入目地材 - Google Patents

型枠先付け外装タイル壁面の改修工法およびこれに用いる樹脂混入目地材 Download PDF

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Abstract

【課題】 外装タイル壁面にタイル片の剥落防止、意匠性の回復、汚れ防止機能を併せ持たせた型枠先付け外装タイル壁面の改修工法および樹脂混入目地材を提供することにある。
【解決手段】 型枠先付け工法によりセパレーター部近傍に外装タイルを張り付けた外装タイル壁面の改修に際し、改修すべき外装タイルを撤去し、セパレーター先端を撤去し、その先端に防錆処理を施し、外装タイル撤去箇所に一液型のエポキシ変性シリコーン樹脂系接着剤で新規タイルを張り付け、養生し、タイル目地部に吸水調整材を塗布し、養生し、さらにタイル目地部に樹脂混入目地材を塗布し、養生し、外壁面を洗浄し、外壁面にクリア塗料を塗布する。ここで、樹脂混入目地材は、汎用目地材にEVA系樹脂またはアクリル系樹脂を、樹脂量(P)/セメント量(C)=1〜2%の割合で混入して成る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、型枠先付け工法により施工された外装タイル壁面の改修工法およびこれに用いる樹脂混入目地材に関する。
型枠先付け工法は、1970年頃から普及し、タイル剥落の危険性が少ない信頼度の高い工法として多用されてきた。セパレーター貫通部分の処理には、穴あきタイル法、仮タイル法、目地部を利用する方法がある。穴あきタイル法にはタイルにひび割れが生じる問題点があり、仮タイル法には仮タイル撤去後の後張り手間増という施工上の問題があった。
これに対し、目地部を利用する方法は、目地幅寸法が10mm以上と比較的大きい場合に採用されていた。目地部を利用する方法は、例えば、図4に示すように、コンクリート壁1を貫通するセパレーター2の部分にも打ち込みタイル3を張り付けるため、タイル後張りの手間が不要で、目地のセパレーター2の部分をモルタル等により補修するのみで良い簡便な方法であった。
しかし、目地部を利用する方法は、図5に示すように、目地底4がコンクリート素地のため、本工法施工後数年で経年による雨水の廻り込みが原因となるセパレーター2の発錆(2a)により周辺タイル3a,3bが押し出されるという事例が生じている。この補修方法としては、セパレーター先端を撤去した後、防錆処理を施し、ポリマーセメントモルタル又はエポキシ系接着剤で新規タイルを張り付ける方法等が採用されている。
現在では、建設省営繕部建築工事施工監理指針平成13年版第11章タイル工事2節「材料」に〔型枠緊張材を目地部分に通す場合には、コンクリート中に残る金物のかぶり厚さが確保できるように専用のものを用いる。〕と明記されており、目地部を利用する方法に制限を設けている。また、建築工事施工監理指針平成5年版第ll章タイル工事2節「陶磁器質タイル型枠先付け」に目地セパレーターの詳細例としてプラスチックスペーサー、軸足ボルトを使用し、かぶり厚さを確保する方法が掲載されている。しかし、それ以前の指針には、目地部を利用する方法に制限は設けられていなかった。
そこで、劣化現象を有するタイル壁面を補修改修するに際し、樹脂注入、アンカーピンニング、タイル張り替え等の各種既存工法による工事を行った後に、透明性、耐久性、防水性、意匠性の維持等に優れた性能を有する塗膜を施す方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2680227号公報 特公平3−80231号公報 特公平5−5988号公報 特許第2611895号公報 特開平9−217496号公報 特開平9−317195号公報 特開2003−56157号公報
特許文献1の方法は、タイル目地モルタルのような使用骨材が微小で組織が密なものには有効である。
しかし、当時の型枠先付け工法により施工された外装タイルの目地部は、コンクリート素地のままであり、経年で風雨等に晒され続けていたため、洗い出されてポーラスな状態になり吸水量が過剰気味になっている。このようなコンクリート目地部には、特許文献1の塗膜では透明性、耐久性、防水性、意匠性の維持等に優れた性能を担保することは難しい。
しかも、当時の型枠先付け工法により施工された外壁コンクリート目地表面は、セパレーター部周辺を補修するだけでは、経時による雨水の廻り込みにより再度セパレーターの発錆が懸念される。そこで、コンクリート深目地部からの雨水浸透を防止するため、目地部に対する雨水浸透防止処置が必要となる。
なお、浮きタイル部を補修することなくタイル壁面全面を樹脂層でカバーする方法(例えば、特許文献2参照)、特殊なガードピンを接着剤を用いて固定させ、タイルとモルタル層、下地コンクリートを一体化させる工法(例えば、特許文献3参照)、壁面に張着されているタイルの一部を交換等する際に、熱可塑性樹脂の樹脂ブロックを交換したタイルの周縁の目地空間内に装着し、樹脂ブロックを加熱押圧して目地空間に充填させる工法(例えば、特許文献4参照)、注入圧力をあまり高くすることなくタイル裏に確実に接着剤を注入する工法(例えば、特許文献5参照)、建築構造の躯体、仕上げの劣化に対して適用でき、構造躯体のひび割れ、中性化の進行、鉄筋腐食、表面劣化等の補修、仕上げの剥落防止、新しい表面仕上げ層の増設による躯体保護性能の強化を同時に実現できるハイブリッド外壁改修工法(例えば、特許文献6参照)、既存壁面にタイル張り改修を施す壁面の改修方法において、既存壁面に有機系接着剤を塗着した後、硬化させて接着剤による下地を形成し、この下地の上に有機系接着剤によってタイルを張付ける工法(例えば、特許文献7参照)などが知られている。
しかし、特許文献2,3,4,7では、型枠先付け外装タイルにおけるセパレーターからの発錆によるタイル押し出しといった大きな外力に対しては効果が少なく、また、目地部も一体として樹脂層でカバーされるためテクスチャーが大きく変わってしまう。また、特許文献3,4では、目地部に対する吸水防止処置がとられていないので、外壁コンクリート内部への雨水浸透が懸念される。また、特許文献5では、穿孔穴の側面からタイルの裏に接している下地モルタルを切削して形成した間隙からタイルの裏の浮き間隙に接着剤を注入することによって、穿孔穴からタイル裏の浮き間隙に通じる間隙(通路)を確保するものであり、この工法ではタイル裏の下地モルタルを穿孔することが健全タイルの浮きを発生させる可能性があるため好ましい工法とはいえない。また、目地部に対する吸水防止処置がとられていないので、外壁コンクリート内部への雨水浸透が懸念される。また、特許文献6では、タイルの意匠感をそのままに改修する工法ではない。また、特許文献7では、現場型枠先付け外装タイルにおける不具合はセパレーター周辺部タイルに限定されるため、タイル外壁面全面分のタイルを新たに使用する必要性はない。
本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、外装タイル壁面にタイル片の剥落防止、意匠性の回復、汚れ防止機能を併せ持たせた型枠先付け外装タイル壁面の改修工法およびこれに用いる樹脂混入目地材を提供することにある。
本発明では、セパレーター周辺の補修はもとより、コンクリート深目地部からの雨水浸透を防止する目的で、塗り足し可能厚さ3mm程度である外装タイル目地部に樹脂混入目地材を充填し、さらに外壁全面に親水、低汚染、高耐久性を有するクリア塗装を行うこととした。
ここで、タイル厚さが10mm程度である小口タイルを型枠先付け工法で施工した場合、目地部はタイル厚の1/2程度コンクリートで充填される。そのため、新たに外壁全面に目地材詰めを行う場合は目地厚が3〜4mm程度となる。また、タイルによっては面落ちしているものもあり、そういった場合は目地厚が3mm以下となる場合もある。また、低汚染とは、クリア塗装を施した外壁全面に親水性を塗膜に付与することにより汚れを付着しにくくさせることをいい、高耐久とは、促進耐候試験による塗膜の光沢保持率がフッ素塗料と同レベル(15年以上)であることを意味する。
そこで、本発明に係る型枠先付け外装タイルの改修工法は、型枠先付け工法によりセパレーター部近傍に外装タイルを張り付けた外装タイル壁面の改修に際し、改修すべき外装タイルを撤去し、セパレーター先端を撤去し、その先端に防錆処理を施し、外装タイル撤去箇所に一液型のエポキシ変性シリコーン樹脂系接着剤で新規タイルを張り付け、養生し、タイル目地部に吸水調整材を塗布し、養生し、さらにタイル目地部に樹脂混入目地材を塗布し、養生し、外壁面を洗浄し、外壁面にクリア塗料を塗布することを特徴とする。
ここで、一液型のエポキシ変性シリコーン樹脂系接着剤とは、変性シリコーン樹脂とエポキシ樹脂を主成分とし炭酸カルシウムを充填材とした一液反応型、湿気硬化型タイプの接着剤をいう。一液型のエポキシ変性シリコーン樹脂系接着剤は、コンクリートやモルタルとの接着性が良好で、硬化膜はゴム状弾性をもち、衝撃抵抗性に優れ、下地変形や熱膨張等による応力を緩和することが可能である。
また、吸水調整材とは、EVA系エマルション樹脂またはアクリル系エマルション樹脂をいう。EVA系エマルション樹脂は、EVA系樹脂固形分を35〜45%含有しエマルション化したものである。EVA系樹脂は、エチレンと酢酸ビニルのランダムな共重合体で、エチレンは酢酸ビニルの内部可塑化に有効なモノマーであり、安価である。最低造膜温度は0℃を示し、可塑剤は不要である。エチレンの共重合によって酢酸ビニルの欠点である耐水性、耐アルカリ性が著しく向上する。アクリル系エマルション樹脂は、アクリル系樹脂固形分を35〜45%含有しエマルション化したものである。アクリル系樹脂は、ハードモノマーとしてスチレン、ソフトモノマーとして2エチルヘキシルアクリレートやブチルアクリレートを用いたもので、アクリル・スチレンと呼ばれる。
ここで、EVA系、アクリル系吸水調整材ともに以下のような効果を持つ。
セメントとのなじみが良いので、コンクリート下地の乾湿にあまり影響を受けずに施工可能である。塗継ぎモルタルの下地に対する吸水を調整し、セメントの水和反応を充分に促進させ、接着力を向上させる。耐水性、耐アルカリ性に優れており、長期間安定した接着力を保持する。
また、クリア塗料とは、外壁全面に親水、低汚染、高耐久性を付与させる機能をもつ仕上がり塗膜が無色透明な塗料をいう。アクリルシリコーン樹脂塗料は、耐候性に優れたアクリル樹脂中にアルコキシシリル基を有し、架橋させることで安定なシロキサン結合を形成し、優れた耐久性を発揮する。アルコキシシリル基の脱アルコール反応は無機素材に対して強力な化学反応により、密着性を示す。
ここで、クリア塗料は、以下のような特性を持つ。
アクリルシリコーン樹脂の高耐久性を活かし、従来のウレタン塗料に比べはるかに耐用年数を持ち、フッ素塗料と同レベル(15年以上)の高耐久性を持つこと。高耐久によるLCC低減効果が期待できる。塗装直後から塗膜表面に非常に高い親水層を形成し、低汚染効果が期待できる。従来品に比べ、雨筋汚れが付きにくい低い接触角(20〜25度)を持つ(従来品は55〜60度)。
また、本発明においては、コンクリート素地である型枠先付け外装タイルはもとより穴あきタイル、仮タイル部に剥離防止、意匠性回復、汚れ防止機能を持たせた改修工法にも適用できる。
その場合には、型枠先付け工法により外装タイルを張り付けた外装タイル壁面の改修に際し、改修すべき外装タイルを撤去し、外装タイル撤去箇所に一液型のエポキシ変性シリコーン樹脂系接着剤で新規タイルを張り付け、養生し、タイル目地部に吸水調整材を塗布し、養生し、さらにタイル目地部に樹脂混入目地材を塗布し、養生し、外壁面を洗浄し、外壁面にクリア塗料を塗布することを特徴とする。
ところで、汎用目地材は、普通ポルトランドセメントを40〜45%、硅砂等の細骨材を50〜55%、メチルセルロース系の保水剤を1%未満の分量で予め混入し、粉体としたものであり、メーカーが指定する水量で混練りし、使用する。施工性の観点(塗付け性、拭き取り性等)から、保水剤以外の樹脂は混入されていない。元来、目地材は、タイル目地部の止水性確保が最重要目的であり、目地底とタイル小口との3面接着となるため、付着性はあまり期待されていない。
これに対し、本発明おいては、目地厚が3mm程度と薄塗りになることから目地材のドライアウトを抑制することを目的とし、各種汎用目地材のスクリーニングを実施し、その結果ドライアウト抑制材料と判断した目地材に対して水セメント比、混入樹脂種、量をパラメータとして各種の実験的検討を行った。これにより、薄塗り目地材の保水、付着、耐久性増強策として、外壁コンクリート表面に吸水調整材を塗布し、その上に、汎用目地材にEVA系樹脂またはアクリル系樹脂を樹脂量(P)/セメント量(C)=1〜2%の割合で練り混ぜた樹脂混入目地材を塗布することによって、薄塗り目地材への付着性付与とタイルヘ付着した目地材の拭き取り性の両面で最適解であるとの知見に至った。
そこで、本発明に係る樹脂混入目地材は、汎用目地材にEVA系樹脂またはアクリル系樹脂を、樹脂量(P)/セメント量(C)=1〜2%の割合で混入して成ることを特徴とする。
ここで、樹脂量(P)/セメント量(C)=1%未満の場合、目地厚が3mm程度と薄塗りのため、樹脂を混入することによる保水、付着性増強効果が期待できず、耐久性に劣り、また、樹脂量(P)/セメント量(C)=2%を超える場合、樹脂を混入することにより目地材の粘性が増加するが、2%を超えると塗付け時にタイルに付着した目地材の拭き取り性が著しく悪化してしまう。
また、本発明に係る樹脂混入目地材は、セパレーター貫通部分の処理に目地部を利用する方法で行った目地底がコンクリート素地である型枠先付け外装タイルはもとより穴あきタイル、仮タイル部が剥離防止、意匠性回復、汚れ防止機能を持たせた改修工法にも採用できるが、さらに、タイル先付けPC版のコンクリート目地補修方法としても採用できる。タイル先付けPC版も型枠先付け工法と同様に、コンクリート深目地となるので、目地の仕上がり状態が芳しくない等不具合が生じた場合に目地補修方法として本発明の樹脂混入目地材が採用できる。
本発明に係る型枠先付け外装タイル壁面の改修工法によれば、セパレーター部近傍の補修技術、タイル深目地部へのモルタル目地詰め及び外壁全面のクリア塗装により、タイル片の剥落防止、意匠性の回復、汚れ防止機能を併せ持たせることが可能となる。
また、本発明に係る型枠先付け外装タイル壁面の改修工法によれば、穴あきタイル、仮タイルをセパレーター貫通部分の処理に使用したものにおいても、タイル片の剥落防止、意匠性回復、汚れ防止機能を併せ持たせることが可能となる。
また、本発明の樹脂混入目地材によれば、コンクリート目地の仕上がり状態が良好となる。
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
(第一実施形態)
本実施形態は、本発明に係る型枠先付け外装タイル壁面の改修工法を、目地部を利用する方法に適用した一例を示す(請求項1)。
本実施形態に係る型枠先付け外装タイル壁面の改修工法を、図1〜図3により説明する。
先ず、図1(a)に示すように、コンクリート壁10に設けたセパレーター11の発錆により押し出されているタイル(これは、従来例に用いた図5のタイル3a,3bに相当する。)13を、図1(b)に示すように、研り取った後、セパレーター11の先端12を撤去する。
次に、図1(c)、図2に示すように、セパレーター11の錆止めを行い、防錆処理部12aを形成する。錆止め塗料はジンクリッチプライマーが望ましい。
次に、図1(d)、図3に示すように、養生期間終了後、タイル撤去箇所に一液型のエポキシ変性シリコーン樹脂系接着剤(例えば、株式会社タイルメント製「ME−031」)14にて新規タイル15を接着剤14がタイル小口から過度にはみ出さないよう精度良く張り付ける。ここでは、2液型のエポキシ変性シリコーン樹脂系接着剤(例えば、株式会社タイルメント製「ME−02」)は、目地モルタルとの付着性が確保しにくいので使用しない。
次に、図1(e)に示すように、張り付け後養生期問を、季節によって変動するがおおよそ1〜3日間とり、コンクリート目地底16にEVA系吸水調整材(例えば、株式会社タイルメント製EVA(エチレン酢酸ビニル)系「EV−300」)17を規定量塗布する。
次に、図1(f)に示すように、養生期間を1〜24時間とった後、樹脂混入目地材18を塗り付ける。塗り付け後15〜60分のうちに柔らかめのスポンジ等で拭き取る。ここで、樹脂混入目地材18はタイル外壁全面に塗り付けるので、目地部以外を塗り付け後拭き取る必要がある。1〜2週間養生後、外壁全面に高圧洗浄を施し、経年で固着した汚れと補修工事中に付着した樹脂等を洗い流す。ここでの洗いは、クリア塗装を施す前に、経年で固着した汚れ及び補修工事中にタイル面に付着した樹脂混入目地材18中に含まれる樹脂等を洗い流すことを意味する。
その後、図3に示すように、アクリルシリコーン系クリア塗装(例えば、下塗りとして、イサム塗料株式会社製超耐候性アクリルシリコーン樹脂塗料「ネオシリカ#5000GSクリヤー」を用い、上塗りとして、イサム塗料株式会社製低汚染アクリルシリコーン塗料「ネオシリカ21C#1000クリヤー」を用いた。)19を施し、目地部を含めた外壁全面に汚れ防止機能を付与する。
コンクリート下地に3mm厚で塗り付けた樹脂混入目地材18の耐久性を確認するために、JIS A 1148で規定される凍結融解試験及び日本建築仕上げ学会等で規定される温冷繰返し試験を行った。前者においては200サイクル、後者においては300サイクル実施したが、凍結融解抵抗性・温冷繰返し抵抗性共に高い結果となった。
なお、上記実施形態では、目地部を利用する方法に適用した場合について説明したが、例えば、穴あきタイル、仮タイル部が剥離、破損した場合のタイル壁面の改修工法としても良い(請求項2)。
(第二実施形態)
本実施形態は、本発明に係る樹脂混入目地材の一例を示す(請求項3)。
室内養生(室温約20℃、湿度40%)の現場打ちcon平板(Fc=24N/mm2,300×300×65,材令120日程度)に、各種エマルション樹脂(EVA系,アクリル系三元共重合体,アクリル系ラテックス)を吸水調整材として塗布し、各種エマルション樹脂を添加した目地材(例えば、株式会社タイルメント製「CG−5121」)を塗り付けて試験体とし、耐久性試験(凍結融解試験、及び、温冷繰返し試験)に供した。目地材の水セメント比はメーカー規定値と施工性を考慮しメーカー規定値−5%(50%)の2種類とした。
一方、EVA系吸水調整材を樹脂量(P)/セメント量(C)=1〜2%の割合で練り混ぜた樹脂混入目地モルタルを用意し、コンクリート下地に3mm厚で塗り付けたものの耐久性を確認するためにJIS A 1148で規定される凍結融解試験及び日本建築仕上げ学会等で規定される温冷繰返し試験を、前者においては200サイクル、後者においては300サイクル実施した。
凍結融解抵抗性、温冷繰返し抵抗性共に高い結果となった。ここで、高い結果とは、試験途中、終了後の付着強度がいずれも1.0N/mm2以上で、著しいひび割れ及び剥離がない状態を意味する。凍結融解試験では0サイクル時:1.1N/mm2、200サイクル時:2.7N/mm2、温冷繰り返し試験では0サイクル時:0.8N/mm2、300サイクル時:1.8N/mm2であった。
なお、アクリル系吸水調整材を樹脂量(P)/セメント量(C)=1〜2%の割合で練り混ぜた樹脂混入目地モルタルにおいても、同様の結果が得られた。
本発明の第一実施形態による型枠先付け外装タイル壁面の改修工法の工程を示す図である。 セパレーターの先端に防錆処理を施した状態を示す断面図である。 樹脂混入目地材を塗布後にクリア塗装を施した状態を示す断面図である。 セパレーター貫通部分の処理に目地部を通す方法を採用した型枠先付け外装タイルを示す断面図である。 セパレーター貫通部分の処理に目地部を通す方法を採用した型枠先付け外装タイルの不具合例を示す断面図である。
符号の説明
10 コンクリート壁面
11 セパレーター
12 セパレーター11の先端
13 タイル
14 一液型のエポキシ変性シリコーン樹脂系接着剤
15 新規タイル
16 外壁コンクリート目地底
17 吸水調整材
18 樹脂混入目地材
19 アクリルシリコーン系クリア塗装

Claims (3)

  1. 型枠先付け工法によりセパレーター部近傍に外装タイルを張り付けた外装タイル壁面の改修に際し、
    改修すべき前記外装タイルを撤去し、前記セパレーター先端を撤去し、その先端に防錆処理を施し、前記外装タイル撤去箇所に一液型のエポキシ変性シリコーン樹脂系接着剤で新規タイルを張り付け、養生し、タイル目地部に吸水調整材を塗布し、養生し、さらにタイル目地部に樹脂混入目地材を塗布し、養生し、外壁面を洗浄し、該外壁面にクリア塗料を塗布する
    ことを特徴とする型枠先付け外装タイル壁面の改修工法。
  2. 型枠先付け工法により外装タイルを張り付けた外装タイル壁面の改修に際し、
    改修すべき前記外装タイルを撤去し、前記外装タイル撤去箇所に一液型のエポキシ変性シリコーン樹脂系接着剤で新規タイルを張り付け、養生し、タイル目地部に吸水調整材を塗布し、養生し、さらにタイル目地部に樹脂混入目地材を塗布し、養生し、外壁面を洗浄し、該外壁面にクリア塗料を塗布する
    ことを特徴とする型枠先付け外装タイル壁面の改修工法。
  3. 汎用目地材にEVA系樹脂またはアクリル系樹脂を、樹脂量(P)/セメント量(C)=1〜2%の割合で混入して成ることを特徴とする樹脂混入目地材。
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