JP2005082528A - 抗菌剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】特有なにおいを有せず、水に対する可溶性を有する抗菌剤を提供することである。
【解決手段】カルボン酸の金属塩を主成分とする抗菌剤であって、前記カルボン酸の金属塩は、天然のアルデヒド、ケトン又はラクトンを酸性の酸化剤によって酸化し、金属イオンを有する中和剤よって中和することによって誘導されることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】カルボン酸の金属塩を主成分とする抗菌剤であって、前記カルボン酸の金属塩は、天然のアルデヒド、ケトン又はラクトンを酸性の酸化剤によって酸化し、金属イオンを有する中和剤よって中和することによって誘導されることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、様々な食品、化粧品、医薬品、日用雑貨、農産品、塗料、建築材、家具、レジャー用品など多くの用途に用いることができる抗菌剤に関する。
従来から、アルデヒド類に優れた抗菌作用があることが知られており、様々な用途にアルデヒド類が使用されている。例えば、家具類や建築内装材などに用いられる化粧シートにホルムアルデヒドを含ませたり(特許文献1)、足や靴の抗菌脱臭剤にシトラールなどを含ませる(特許文献2)ことが行われている。
このようにアルデヒド類は、優れた抗菌作用を有することから、食品等の抗菌剤、口腔内細菌に対する抗菌剤(抗う蝕剤)、又は皮若しくは木材等への練り込みによる抗菌素材として使用することが考えられるが、アルデヒドは、特有な臭いを有するので、それぞれの素材に臭いが付いてしまい、添加された食品の味や風味を損ねてしまうという問題がある。また、アルデヒドやそれを酸化したカルボン酸は、水に不溶であるため、大多数の食品など水溶性製品に含ませることが容易でない。
そこで、本発明は、特有なにおいを有せず、水に対する可溶性を有する抗菌剤を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、カルボン酸の金属塩を主成分とすることにより、アルデヒド、ケトン又はラクトンと同等の抗菌作用や抗う蝕作用を保ちつつ、アルデヒド、ケトン又はラクトン特有なにおいを有せず、水に対して可溶性を有するものを見出した。すなわち、本発明は、カルボン酸の金属塩を主成分とする抗菌剤である。
以上のように本発明によれば、カルボン酸の金属塩を主成分とすることにより、特有なにおいを有せず、水に対する可溶性を有する抗菌剤を提供することができる。
本発明に係る抗菌剤において、前記カルボン酸の金属塩は、アルデヒド、ケトン又はラクトンから誘導されたものであることが好ましく、例えばアルデヒド、ケトン又はラクトンを酸性の酸化剤によって酸化し、金属イオンを有する中和剤よってそのカルボン酸を中和することによって誘導される。
本発明に係る抗菌剤において、前記カルボン酸の金属塩は、金属イオンを有する中和剤よってカルボン酸を中和することによって得られることが好ましく、前記中和剤は、金属イオンを有する塩基性化合物であることが好ましい。具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウムなどがある。
また、本発明に係る抗菌剤において、前記カルボン酸は、アルデヒド、ケトン又はラクトンを酸性の酸化剤によって酸化されたものであることが好ましく、前記酸性の酸化剤としては、リン酸、硫酸、酢酸、硝酸、ピロリン酸、メタリン酸、次亜塩素酸、過酸化水素などがある。前記アルデヒド、ケトン又はラクトンは、天然物であることが好ましい。
前記アルデヒドの具体例としては、ノナナール、ネラール、ノナジエナール、カントキサール、ヒドロキシメチルフルフラール、デカジエナール、ドデセナール、シトラール、カンフォレンアルデヒド、デセナール、サリチルアルデヒド、デカナール、シソアルデヒド、ゲラニアール、ノルアルデヒド、シネンサール、シトロネラール、ウンデカジエナール、シンナムアルデヒド、アニスアルデヒド、クタナール、ドデセナール、ウンデカナール、デカノイルアセトアルデヒド、グリセルアルデヒド、アセトアルデヒド、トリペルタール、クミンアルデヒド、バレルアルデヒド、ヒドロジェスマール、トリルアルデヒド、ウンデセナール、ウンデセナール、テトラデセナール、ピペロナール、フェニルアセトアルデヒド、フェニルプロピオンアルデヒド、フェランドラール、フェルネサール、フタルアルデヒド、フルフラール、フロログルシノール、ヘキサナール、ヘキセナール、ヘプタナール、ヘプテナール、ヘリオトロピン、ペリラアルデヒド、ベンズアルデヒド、ペンテナール、ミュゲアルデヒド、ミルテナール、メチルシンナムアルデヒド、メチルフェニルヘキセナール、メチルブタナール、メチルフルフラール、メチルワニリン、メトキシシンナムアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、ラウリルアルデヒド及びワニリンなど、並びにこれらの構造異性体及び光学異性体がある。
前記ケトンの具体例としては、セチルジメチルフラン、アセチルフラン、アセチルメチルフラン、アセトイン、エチルヒドロキシメチルフラン、カルボン、カンファー、クリプトン、ジアセチル、ジオスフェノール、シクロテン、ジヒドロカルボン、ジメチルシクロペンタンジオン、ジャスモン、ソトロン、ダマスコン、ダマセノン、トリデカノン、トリメチルシクロヘキセンジオン、ノナノン、ファルネシルアセトン、フェンコン、ブチリデンアセトン、プレゴン、ヘキサンジオン、ヘプタノン、ベルベノン、ペンタジオン、ホモフロノール、マルトール、メチルテトラヒドロフラノン、メチルヘプタジエノン、メチルヘプテノン及びメントンなど、並びにこれらの構造異性体及び光学異性体などがある。
前記ラクトンの具体例としては、アンジェリカラクトン、ウイスキーラクトン、ウンデカラクトン、オクタラクトン、オクタラクトン、クマリン、ジャスミンラクトン、ジャスモラクトン、デカラクトン、テトラデカラクトン、ドデカラクトン、ノナラクトン、ブチリデンフタリド、ブチルフタリド、ブチロラクトン、ヘキサラクトン、ヘペタラクトン及びメンタラクトンなど、並びにこれらの構造異性体及び光学異性体がある。
本発明に係る抗菌剤は、様々な用途に使用することができ、例えば食品、化粧品、医薬品、医薬部外品、化成品、繊維、農業、衛生用品、日用雑貨、紙製品、樹脂製品、建材、ペットフード、飼料、文具、革製品、陶磁器などに使用することができる。特に、本発明に係る抗菌剤は、水に対して可溶性を有するので容易に食品など水溶性製品に含ませることができ、また無臭であるので食品などの味を損ねることはない。
次に、本発明に係る抗菌剤の実施例について説明する。
実施例1
桂皮から抽出したシンナムアルデヒド(ケイ皮アルデヒド)10mlにエタノール90mlを加え、80℃に加熱後、酸化剤として85%のリン酸水溶液を5ml添加し、2時間80℃で撹拌して酸化反応させて、ケイ皮酸を得た。このケイ皮酸を室温にて冷却後、中和剤として10Nの水酸化ナトリウムを添加することにより中和し、その後、精製した不溶物をろ過した。さらに、そのろ過した不溶物をエタノールで洗浄後乾燥することによって表1に示すように実施例1としてケイ皮酸ナトリウムを得た。
桂皮から抽出したシンナムアルデヒド(ケイ皮アルデヒド)10mlにエタノール90mlを加え、80℃に加熱後、酸化剤として85%のリン酸水溶液を5ml添加し、2時間80℃で撹拌して酸化反応させて、ケイ皮酸を得た。このケイ皮酸を室温にて冷却後、中和剤として10Nの水酸化ナトリウムを添加することにより中和し、その後、精製した不溶物をろ過した。さらに、そのろ過した不溶物をエタノールで洗浄後乾燥することによって表1に示すように実施例1としてケイ皮酸ナトリウムを得た。
実施例1に係るケイ皮酸ナトリウムは、シンナムアルデヒド特有な臭いはなく無臭で、水に可溶で、エタノールに不溶な性質を示した。
実施例2
実施例1で得たケイ皮酸を室温にて冷却後、中和剤として10Nの水酸化カリウムを添加することにより中和し、その後、精製した不溶物をろ過した。さらに、そのろ過した不溶物をエタノールで洗浄後乾燥することによって表1に示すように実施例2としてケイ皮酸カリウムを得た。実施例2に係るケイ皮酸カリウムは、シンナムアルデヒド特有な臭いはなく無臭で、水に可溶で、エタノールに不溶な性質を示した。
実施例1で得たケイ皮酸を室温にて冷却後、中和剤として10Nの水酸化カリウムを添加することにより中和し、その後、精製した不溶物をろ過した。さらに、そのろ過した不溶物をエタノールで洗浄後乾燥することによって表1に示すように実施例2としてケイ皮酸カリウムを得た。実施例2に係るケイ皮酸カリウムは、シンナムアルデヒド特有な臭いはなく無臭で、水に可溶で、エタノールに不溶な性質を示した。
実施例3
フルフラール(和光純薬工業(株)製)10mlにエタノール90mlを加え、80℃に加熱後、酸化剤として85%のリン酸水溶液を5ml添加し、2時間80℃で撹拌して酸化反応させて、フランカルボン酸を得た。このフランカルボン酸を室温にて冷却後、中和剤として10Nの水酸化ナトリウムを添加することにより中和し、その後、精製した不溶物をろ過した。さらに、そのろ過した不溶物をエタノールで洗浄後乾燥することによって表1に示すように実施例3としてフランカルボン酸ナトリウムを得た。
フルフラール(和光純薬工業(株)製)10mlにエタノール90mlを加え、80℃に加熱後、酸化剤として85%のリン酸水溶液を5ml添加し、2時間80℃で撹拌して酸化反応させて、フランカルボン酸を得た。このフランカルボン酸を室温にて冷却後、中和剤として10Nの水酸化ナトリウムを添加することにより中和し、その後、精製した不溶物をろ過した。さらに、そのろ過した不溶物をエタノールで洗浄後乾燥することによって表1に示すように実施例3としてフランカルボン酸ナトリウムを得た。
実施例4
ヒバから抽出したヘキセナール10mlにエタノール90mlを加え、80℃に加熱後、酸化剤として85%のリン酸水溶液を5ml添加し、2時間80℃で撹拌して酸化反応させて、ヘキサン酸を得た。このヘキサン酸を室温にて冷却後、中和剤として10Nの水酸化ナトリウムを添加することにより中和し、その後、精製した不溶物をろ過した。さらに、そのろ過した不溶物をエタノールで洗浄後乾燥することによって表1に示すように実施例4としてヘキサン酸ナトリウムを得た。
ヒバから抽出したヘキセナール10mlにエタノール90mlを加え、80℃に加熱後、酸化剤として85%のリン酸水溶液を5ml添加し、2時間80℃で撹拌して酸化反応させて、ヘキサン酸を得た。このヘキサン酸を室温にて冷却後、中和剤として10Nの水酸化ナトリウムを添加することにより中和し、その後、精製した不溶物をろ過した。さらに、そのろ過した不溶物をエタノールで洗浄後乾燥することによって表1に示すように実施例4としてヘキサン酸ナトリウムを得た。
実施例5
アニスから抽出したアニスアルデヒド10mlにエタノール90mlを加え、80℃に加熱後、酸化剤として85%のリン酸水溶液を5ml添加し、2時間80℃で撹拌して酸化反応させて、アニス酸を得た。このアニス酸を室温にて冷却後、中和剤として10Nの水酸化ナトリウムを添加することにより中和し、その後、精製した不溶物をろ過した。さらに、そのろ過した不溶物をエタノールで洗浄後乾燥することによって表1に示すように実施例5としてアニス酸ナトリウムを得た。
アニスから抽出したアニスアルデヒド10mlにエタノール90mlを加え、80℃に加熱後、酸化剤として85%のリン酸水溶液を5ml添加し、2時間80℃で撹拌して酸化反応させて、アニス酸を得た。このアニス酸を室温にて冷却後、中和剤として10Nの水酸化ナトリウムを添加することにより中和し、その後、精製した不溶物をろ過した。さらに、そのろ過した不溶物をエタノールで洗浄後乾燥することによって表1に示すように実施例5としてアニス酸ナトリウムを得た。
実験例1
次に、実施例1に係るケイ皮酸ナトリウムを水に1%及び2%濃度で溶解させ、ペーパーディスク法にて抗菌性試験(抗う蝕性試験も含む。以下、同じ)を行った。すなわち、標準寒天培地上に細菌としてE.coli、B.subtilis、P.aeruginosa、S.epidermidis及びS.mutansを各1.0×104個ずつ加え、8mm径のペーパーディスクを置いて、ペーパーディスクに1%濃度の実施例1に係る化合物50μlを吸収させた。その後、37℃で24時間培養後、ペーパーディスクの周りにできた阻止円の円径を測定した。また、実施例2に係るケイ皮酸カリウムを水に1%濃度で溶解させ、実施例1と同様に抗菌性試験を行った。これら実施例1及び2の比較例として、蒸留水について同様に抗菌性試験を行った。これらの結果を表2に示す。表2から明らかなように、実施例1に係るケイ皮酸ナトリウム及び実施例2に係るケイ皮酸カリウムは、比較例と比べて抗菌性を示した。
次に、実施例1に係るケイ皮酸ナトリウムを水に1%及び2%濃度で溶解させ、ペーパーディスク法にて抗菌性試験(抗う蝕性試験も含む。以下、同じ)を行った。すなわち、標準寒天培地上に細菌としてE.coli、B.subtilis、P.aeruginosa、S.epidermidis及びS.mutansを各1.0×104個ずつ加え、8mm径のペーパーディスクを置いて、ペーパーディスクに1%濃度の実施例1に係る化合物50μlを吸収させた。その後、37℃で24時間培養後、ペーパーディスクの周りにできた阻止円の円径を測定した。また、実施例2に係るケイ皮酸カリウムを水に1%濃度で溶解させ、実施例1と同様に抗菌性試験を行った。これら実施例1及び2の比較例として、蒸留水について同様に抗菌性試験を行った。これらの結果を表2に示す。表2から明らかなように、実施例1に係るケイ皮酸ナトリウム及び実施例2に係るケイ皮酸カリウムは、比較例と比べて抗菌性を示した。
実験例2
次に、実施例3に係るフランカルボン酸ナトリウムを水に1%、2%及び5%濃度で溶解させ、実験例1と同様の抗菌性試験を行った。実施例3の比較例として、蒸留水を対照として同様に抗菌性試験を行った。これらの結果を表3に示す。表3から明らかなように、実施例3に係るフランカルボン酸ナトリウムは、比較例に比べて抗菌性を示した。
次に、実施例3に係るフランカルボン酸ナトリウムを水に1%、2%及び5%濃度で溶解させ、実験例1と同様の抗菌性試験を行った。実施例3の比較例として、蒸留水を対照として同様に抗菌性試験を行った。これらの結果を表3に示す。表3から明らかなように、実施例3に係るフランカルボン酸ナトリウムは、比較例に比べて抗菌性を示した。
実験例3
次に、実施例4に係るヘキサン酸ナトリウムを水に1%及び2%濃度で溶解させ、実験例1と同様の抗菌性試験を行った。実施例4の比較例として、蒸留水を対照として同様に抗菌性試験を行った。これらの結果を表4に示す。表4から明らかなように、実施例4に係るヘキサン酸ナトリウムは、比較例に比べて抗菌性を示した。
次に、実施例4に係るヘキサン酸ナトリウムを水に1%及び2%濃度で溶解させ、実験例1と同様の抗菌性試験を行った。実施例4の比較例として、蒸留水を対照として同様に抗菌性試験を行った。これらの結果を表4に示す。表4から明らかなように、実施例4に係るヘキサン酸ナトリウムは、比較例に比べて抗菌性を示した。
実験例4
次に、実施例5に係るアニス酸ナトリウムを水に1%及び2%濃度で溶解させ、実験例1と同様の抗菌性試験を行った。実施例5の比較例として、蒸留水を対照として同様に抗菌性試験を行った。これらの結果を表5に示す。表5から明らかなように、実施例5に係るアニス酸ナトリウムは、比較例に比べて抗菌性を示した。
次に、実施例5に係るアニス酸ナトリウムを水に1%及び2%濃度で溶解させ、実験例1と同様の抗菌性試験を行った。実施例5の比較例として、蒸留水を対照として同様に抗菌性試験を行った。これらの結果を表5に示す。表5から明らかなように、実施例5に係るアニス酸ナトリウムは、比較例に比べて抗菌性を示した。
実験例5
次に、実施例1に係るケイ皮酸ナトリウムを水に1%及び2%濃度で溶解させ、ペーパーディスク法にて抗菌性試験を行った。すなわち、ポテトデキストロース寒天培地上にカビとしてR.oryzae、A.oryzae及びP.camenvertii、並びに酵母としてS.cerevisiae及びZ.farinosaを各1.0×104個ずつ加え、8mm径のペーパーディスクを置いて、ペーパーディスクに1%濃度の実施例1に係る化合物50μlを吸収させた。その後、37℃で24時間培養後、ペーパーディスクの周りにできた阻止円の円径を測定した。また、実施例2に係るケイ皮酸カリウムを水に1%濃度で溶解させ、実施例1と同様に抗菌性試験を行った。比較例として蒸留水を用いて同様に抗菌性試験を行った。これらの結果を表6に示す。表6から明らかなように、実施例1に係るケイ皮酸ナトリウム及び実施例2に係るケイ皮酸カリウムは、比較例に比べて抗菌性を示した。
次に、実施例1に係るケイ皮酸ナトリウムを水に1%及び2%濃度で溶解させ、ペーパーディスク法にて抗菌性試験を行った。すなわち、ポテトデキストロース寒天培地上にカビとしてR.oryzae、A.oryzae及びP.camenvertii、並びに酵母としてS.cerevisiae及びZ.farinosaを各1.0×104個ずつ加え、8mm径のペーパーディスクを置いて、ペーパーディスクに1%濃度の実施例1に係る化合物50μlを吸収させた。その後、37℃で24時間培養後、ペーパーディスクの周りにできた阻止円の円径を測定した。また、実施例2に係るケイ皮酸カリウムを水に1%濃度で溶解させ、実施例1と同様に抗菌性試験を行った。比較例として蒸留水を用いて同様に抗菌性試験を行った。これらの結果を表6に示す。表6から明らかなように、実施例1に係るケイ皮酸ナトリウム及び実施例2に係るケイ皮酸カリウムは、比較例に比べて抗菌性を示した。
実験例6
次に、実施例3に係るフランカルボン酸ナトリウムを水に1%、2%及び5%濃度で溶解させ、実験例5と同様の抗菌性試験を行った。比較例として、蒸留水を用いて同様に抗菌性試験を行った。これらの結果を表7に示す。表7から明らかなように、実施例3に係るフランカルボン酸ナトリウムは、比較例に比べて抗菌性を示した。
次に、実施例3に係るフランカルボン酸ナトリウムを水に1%、2%及び5%濃度で溶解させ、実験例5と同様の抗菌性試験を行った。比較例として、蒸留水を用いて同様に抗菌性試験を行った。これらの結果を表7に示す。表7から明らかなように、実施例3に係るフランカルボン酸ナトリウムは、比較例に比べて抗菌性を示した。
実験例7
次に、実施例4に係るヘキサン酸ナトリウムを水に1%及び2%濃度で溶解させ、実験例5と同様の抗菌性試験を行った。比較例として蒸留水を用いて同様に抗菌性試験を行った。これらの結果を表8に示す。表8から明らかなように、実施例4に係るヘキサン酸ナトリウムは、比較例に比べて抗菌性を示した。
次に、実施例4に係るヘキサン酸ナトリウムを水に1%及び2%濃度で溶解させ、実験例5と同様の抗菌性試験を行った。比較例として蒸留水を用いて同様に抗菌性試験を行った。これらの結果を表8に示す。表8から明らかなように、実施例4に係るヘキサン酸ナトリウムは、比較例に比べて抗菌性を示した。
実験例8
次に、実施例5に係るアニス酸ナトリウムを水に1%及び2%濃度で溶解させ、実験例5と同様の抗菌性試験を行った。比較例として蒸留水を用いて同様に抗菌性試験を行った。これらの結果を表9に示す。表9から明らかなように、実施例5に係るアニス酸ナトリウムは、比較例に比べて抗菌性を示した。
次に、実施例5に係るアニス酸ナトリウムを水に1%及び2%濃度で溶解させ、実験例5と同様の抗菌性試験を行った。比較例として蒸留水を用いて同様に抗菌性試験を行った。これらの結果を表9に示す。表9から明らかなように、実施例5に係るアニス酸ナトリウムは、比較例に比べて抗菌性を示した。
製品例1
次に、表10に示す割合で実施例2に係る抗菌剤、カオリン、ラウリル硫酸Na、カルボキシメチルセルロールを混ぜることにより農園芸用水和剤(殺菌剤)を得た。
次に、表10に示す割合で実施例2に係る抗菌剤、カオリン、ラウリル硫酸Na、カルボキシメチルセルロールを混ぜることにより農園芸用水和剤(殺菌剤)を得た。
製品例2
次に、表11に示す割合で2%の実施例1に係る抗菌剤、アクリル系樹脂含有エマルジョン、二酸化チタン、4%HPセルロース液、25%デモールEPを混ぜることにより抗菌塗料を得た。
次に、表11に示す割合で2%の実施例1に係る抗菌剤、アクリル系樹脂含有エマルジョン、二酸化チタン、4%HPセルロース液、25%デモールEPを混ぜることにより抗菌塗料を得た。
製品例3
次に、表12に示す割合で実施例2に係る抗菌剤、炭酸カルシウム、グリセリン、キサンタンガム、二酸化チタン、サッカリンナトリウム、香料、水を混ぜることにより練り歯磨きを得た。
次に、表12に示す割合で実施例2に係る抗菌剤、炭酸カルシウム、グリセリン、キサンタンガム、二酸化チタン、サッカリンナトリウム、香料、水を混ぜることにより練り歯磨きを得た。
製品例4
次に、ポテトサラダ99部に対して実施例1に係る抗菌剤1部を添加し従来より日持ちするポテトサラダを得た。
次に、ポテトサラダ99部に対して実施例1に係る抗菌剤1部を添加し従来より日持ちするポテトサラダを得た。
Claims (4)
- カルボン酸の金属塩を主成分とする抗菌剤。
- 前記カルボン酸の金属塩は、アルデヒド、ケトン及びラクトンのうち少なくとも1以上から誘導されたものであることを特徴とする請求項1記載の抗菌剤。
- 前記アルデヒド、ケトン及びラクトンのうち少なくとも1以上は、天然物であることを特徴とする請求項2記載の抗菌剤。
- 前記アルデヒドは、ノナナール、ネラール、ノナジエナール、カントキサール、ヒドロキシメチルフルフラール、デカジエナール、ドデセナール、シトラール、カンフォレンアルデヒド、デセナール、サリチルアルデヒド、デカナール、シソアルデヒド、ゲラニアール、ノルアルデヒド、シネンサール、シトロネラール、ウンデカジエナール、シンナムアルデヒド、アニスアルデヒド、クタナール、ドデセナール、ウンデカナール、デカノイルアセトアルデヒド、グリセルアルデヒド、アセトアルデヒド、トリペルタール、クミンアルデヒド、バレルアルデヒド、ヒドロジェスマール、トリルアルデヒド、ウンデセナール、ウンデセナール、テトラデセナール、ピペロナール、フェニルアセトアルデヒド、フェニルプロピオンアルデヒド、フェランドラール、フェルネサール、フタルアルデヒド、フルフラール、フロログルシノール、ヘキサナール、ヘキセナール、ヘプタナール、ヘプテナール、ヘリオトロピン、ペリラアルデヒド、ベンズアルデヒド、ペンテナール、ミュゲアルデヒド、ミルテナール、メチルシンナムアルデヒド、メチルフェニルヘキセナール、メチルブタナール、メチルフルフラール、メチルワニリン、メトキシシンナムアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、ラウリルアルデヒド及びワニリン、並びにこれらの構造異性体及び光学異性体のうち1以上であり、前記ケトンは、セチルジメチルフラン、アセチルフラン、アセチルメチルフラン、アセトイン、エチルヒドロキシメチルフラン、カルボン、カンファー、クリプトン、ジアセチル、ジオスフェノール、シクロテン、ジヒドロカルボン、ジメチルシクロペンタンジオン、ジャスモン、ソトロン、ダマスコン、ダマセノン、トリデカノン、トリメチルシクロヘキセンジオン、ノナノン、ファルネシルアセトン、フェンコン、ブチリデンアセトン、プレゴン、ヘキサンジオン、ヘプタノン、ベルベノン、ペンタジオン、ホモフロノール、マルトール、メチルテトラヒドロフラノン、メチルヘプタジエノン、メチルヘプテノン及びメントン、並びにこれらの構造異性体及び光学異性体のうち1以上であり、前記ラクトンは、アンジェリカラクトン、ウイスキーラクトン、ウンデカラクトン、オクタラクトン、オクタラクトン、クマリン、ジャスミンラクトン、ジャスモラクトン、デカラクトン、テトラデカラクトン、ドデカラクトン、ノナラクトン、ブチリデンフタリド、ブチルフタリド、ブチロラクトン、ヘキサラクトン、ヘペタラクトン及びメンタラクトン、並びにこれらの構造異性体及び光学異性体のうち1以上であることを特徴とする請求項2記載の抗菌剤。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP2003315778A JP2005082528A (ja) | 2003-09-08 | 2003-09-08 | 抗菌剤 |
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Publication Number | Publication Date |
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- 2003-09-08 JP JP2003315778A patent/JP2005082528A/ja active Pending
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