JP2005081767A - 樹脂成形品の製造方法及び金型の製造方法、並びに樹脂成形品及びチップ - Google Patents

樹脂成形品の製造方法及び金型の製造方法、並びに樹脂成形品及びチップ Download PDF

Info

Publication number
JP2005081767A
JP2005081767A JP2003318361A JP2003318361A JP2005081767A JP 2005081767 A JP2005081767 A JP 2005081767A JP 2003318361 A JP2003318361 A JP 2003318361A JP 2003318361 A JP2003318361 A JP 2003318361A JP 2005081767 A JP2005081767 A JP 2005081767A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin molded
molded product
resist
manufacturing
mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003318361A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4353757B2 (ja
Inventor
Taiji Nishi
泰治 西
Takenori Kitani
剛典 木谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2003318361A priority Critical patent/JP4353757B2/ja
Publication of JP2005081767A publication Critical patent/JP2005081767A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4353757B2 publication Critical patent/JP4353757B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】
精密で安価な樹脂成形品の製造方法及びそれに用いる金型の製造方法並びに高精度の樹脂成形品及びチップを提供する。
【解決手段】
本発明の樹脂成形品の製造方法は、基板1上に第1レジスト層2を形成するステップとマスクA3を用いて第1レジスト層2に露光、現像を行うレジストパターン形成ステップと、基板1を有機溶剤雰囲気下に放置して、レジストパターン4の壁面に傾斜角度を与えるステップと、基板上に形成されたレジストパターン4にしたがって、金属構造体8を堆積させるステップと、金属構造体8を型として、樹脂成形品9を形成する成形品形成ステップとを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、所望の造形深さを有する樹脂成形品の製造方法、それらにより得られる樹脂成形品、及び樹脂成形品の製造に使用される金型の製造方法に関する。特に、本発明の方法は、臨床検査分野、遺伝子処理分野、コンビナトリアルケミストリー分野の、診断、反応、分離、計測等に使用される樹脂成形品の製造法として有用である。
今日、社会の成熟にしたがい、医療・健康に対する価値観は、狭い範囲の基本的健康から、「ゆたかですこやかな生活」を求めるよう変化しつつある。このような価値観の変化の背景で、医療費が増大し、また健康と疾病の境界領域にある人々が増加している。この背景から、また治療に比べて予防のほうが低負担であるため、今後の社会においては、個人の意識は、治療医学よりも予防医学を重視する方向に変化していくものと考えられている。このような個人意識の変化にともない、医療分野、なかでも臨床検査分野において、患者の近く、例えば手術室、ベッドサイド、あるいは在宅等で、より迅速な検査・診断を行うことが可能となる無拘束な検査システム、血液などの検体量がより少量ですむ無侵襲、または低侵襲である検査システムが望まれている。
また、前記のような迅速な検査・診断を行うことが可能となる無拘束な検査システムを実現するためには、検査・診断の際に使用される基板の小型化によって、例えば装置に携帯性を付与させることが必要である。
マイクロマシン技術により、例えば、流路の直径が1mmから0.1mmに微細化が可能となれば、サンプルの微量化だけでなく、診断に要する時間を10分の1以下に短縮させることができる。さらに、マイクロマシン技術により流路の直径を微細化できれば、装置に携帯性を付与させると同時に、従来の大型装置と同じ機能を果たすことが期待されている。また、流路の微細化により、同一基板上に複数配することもでき、並列処理も期待されている。
コンビナトリアルケミストリー分野、なかでも製薬開発におけるハイスループットスクリーニング(HTS、High Throughput Screening)において微細化が期待されている。コンビナトリアルケミストリーとは、組み合わせを利用して、多くの化合物郡(ライブラリー)を効率的に合成し、活用することである。
ハイスループットスクリーニングに使用されている96穴プレート、384穴プレートは、複数のサンプルを同時にスクリーニングすることができ、例えば、自動分注装置との組み合わせによって創薬開発の加速に貢献している。
マイクロマシン技術により、例えば、容器の幅または直径が10mmから0.4mm、深さが10mmから0.3mmに微細化が可能になれば、同一基板上に1,000個〜5,000個のマイクロ容器を有することができ、創薬開発の飛躍的な加速が期待できる。
同様に、コンビナトリアルケミストリー分野、なかでも化学産業分野の化学合成・分析用途に供する場合にも微細化が期待されている。
世界的なヒト・ゲノム解析計画の進展により、現在DNA診断が可能な疾患の種類や数は増加の一途をたどり、従来は生化学的分析により間接的に診断されてきた疾患の多くが、DNAレベルで疾患の原因あるいは発生機序にまで迫る確定的な診断ができるようになった。この結果、将来はオーダーメイド医療といわれる個人に適した副作用のない薬物治療のための診断、個人別の特定疾患のあるなし診断に使用する基板が町の診療所レベルに普及することが予測されている。
サンプルの微量化、診断時間の短縮、検査装置に携帯性を付与させるために、精密で安価な基板が期待されている。
遺伝子関連用途でよく利用される方法には、キャピラリー電気泳動法、マイクロアレイ方式、微量なゲノムサンプルを10万倍以上に増幅した高感度で検出できる遺伝子増幅(PCR:Polymerase Chain Reaction)法等がある。キャピラリー電気泳動法は、直径100〜200μmのキャピラリーに試料を導入、電気泳動により分離、光学的に検出するものである。このキャピラリー径の微細化が可能となれば、更に診断時間の高速化が期待されている。キャピラリー径の微細化により、同一基板上に複数配することもでき、並列処理も期待されている。
マイクロアレイ方式の検出には、一般的に、蛍光分析法が用いられており、検出感度、および再現性が高くなければ、正確な遺伝子発現情報を取得することができない。基板上のアレイ密度を低くすることなく、検出感度、および再現性を高めるために1個のアレイ面積を広くすることが試みられている。しかしながら、平面基板上で拡大可能な面積には限界があり、基板上のアレイ密度を低くすること無く、検出感度と再現性を高めるのに限界が生じる。微細な凹、または凸形状を有する基板が可能になれば、1個のアレイ面積、および容積を飛躍的に増大させることが可能となり、検出感度、および再現性を高めることが期待されている。
PCR法は、ポリメラーゼを使うことにより、目的とするDNAを短時間で10万倍以上に増幅するものである。この容器の小型化が可能となれば、高速化・高効率化とともに、高価な抗体や基質の使用量を低減できるといった低コスト化も期待されている。さらに、微細化により、同一基板上に複数の流路、複数の混合部、複数の容器を配することができれば、キャピラリー電気泳動法とPCR法とを同一基板上で行うことも期待されている。
従来の樹脂成形品は、鋳型または切削法による金属製金型を用いて、射出成形、ブロー成形あるいはプレス成形することにより、形成していた。
しかしながら、鋳型から金属製金型を作成する場合には、鋳型の精度に限界があるため、それを用いた金属製金型への造形範囲に制約がある。また、切削法により金属製金型を作製する場合も、切削バイト、およびそれを用いた工作精度に限界があるため、いずれの加工法を用いても精密、かつ微細な形状を有する樹脂成形品は実現されていないのが実情である。
このように、鋳型や切削法による金属製金型を用いる場合、いずれの加工法においても精密、かつ微細な形状を有する樹脂成形品は実現されていないのが現状である。
このため、得られた樹脂成形品を臨床検査分野、なかでも血液検査、尿検査、生化学分析用途等に供する場合、流路、容器の精度、小型化には限界があり、血液等の検体量が多くなるという問題があった。ひいては、鋳型や切削法による金属製金型を用いる場合、検査・診断装置の携帯性を付与することができないといった欠点を有していた。
同様にまた、鋳型や切削法による金属製金型を用いて得られた樹脂成形品をコンビナトリアルケミストリー関連用途、なかでも製薬開発におけるハイスループットスクリーニング用途に供する場合、容器の微細化には限界があり、創薬開発の飛躍的な加速(迅速化)、微量化(コストダウン)ができない欠点を有していた
同様に、得られた樹脂成形品をコンビナトリアルケミストリー関連用途、なかでも化学産業分野の化学合成・分析用途に供する場合、流路の精度、微細化には限界があり、化学合成・分析時間を短縮できない、混合、反応に使用する薬品量の低減、廃液量の低減、環境負荷の低減ができない欠点を有していた。
同様に、鋳型や切削法による金属製金型を用いて得られた樹脂成形品を遺伝子関連分野、なかでもキャピラリー電気泳動法、マイクロアレイ方式による解析用途等、遺伝子増幅(PCR)法による増幅用途等に供する場合、微細化には限界があり、解析速度を高めることができない、サンプル量を少なくできないといった欠点を有していた。ひいては、鋳型や切削法による金属製金型を用いる場合、基板を小型化することができないといった問題点も有していた。
このような、鋳型または切削法による金属製金型を用いる場合の係る問題を解決する加工法として、半導体微細加工技術を応用したガラスまたはシリコン基板へのウェットエッチング加工、またはドライエッチング加工により微細加工を施す技術が知られている。しかしながら、ウェットエッチングでは、マスキング材料下部のアンダーエッチングの進行により、造形深さが0.5mmよりも深くなると幅(または直径)精度が得られにくくなるため、精密な加工法とはいえなかった。
ウェットエッチングに対して、ドライエッチングはSi半導体のパターン形成プロセスから発展した技術であり、各種プラズマ源種による各種電子部品、化合物半導体への応用が研究されている。しかしながら、この方法は、優れた微細加工性を有する反面、エッチング速度が500〜2,000nm/分と遅いため、例えば造形深さが0.1mmの加工を行う場合、50分以上の加工時間が必要となり、生産性に優れた安価な加工法とはいえなかった。
また、ドライエッチングの加工時間が1時間以上になると、装置電極が熱を持つようになり、基板の変形、または装置の損傷が懸念されるため、装置電極が60℃を超えるような場合は装置を一時停止させ、再び加工を開始するなどの処置が必要となり生産性は更に低下する。
そして、鋳型または切削法による金属性金型を用いる場合の係る問題を解決する他の方法としてリソグラフィー法が知られている。このリソグラフィー法では、まず、基板上にレジスト塗布を行い、該レジスト層の露光を実施した後、現像によりレジストパターンを形成する。そして、前記レジストパターンにしたがって、前記基板上に金属構造体を電気メッキにより堆積させた後、前記金属構造体を型として射出成形で成形品を形成する。
この方法による商品としてレーザーディスク、CD−ROM、ミニディスクが代表例としてあげられるように、1枚の金属構造体から、例えば約5万枚以上の成形品を得ることが可能である。さらに、リソグラフィー法は、精密で極めて安価に製造できる点で、生産性に優れた方法といえる。また、扱える材料がシリコンとは異なる点においても、材料単価が安いことなど、今後の用途展開への大きいことが期待されている。
しかしながら、リソグラフィーによる方法は、商品としてレーザーディスク、CD−ROM、ミニディスクが代表例としてあげられるように、造形深さは1〜3ミクロンが中心である。したがって、流路、容器といった例えば30ミクロンの造形深さを有する例は実現されていないのが実情である。その理由は、例えば射出成形によって樹脂成形品を得ようとした場合、転写性、離型性に優れる樹脂成形品を得ることが難しいことが一因である。
レーザーディスク等の場合、造形深さは1〜3ミクロンであるため金属構造体深さ方向の角度が垂直に近くても転写性、離型性に優れる樹脂成形品を得ることは可能であった。しかしながら、同様の垂直角度で流路、容器といった例えば30ミクロンの造形深さを有する樹脂成形品を得ようとすると、金属構造体に樹脂の一部が残る、又は形状が変更するなどして転写性、離型性に優れる樹脂成形品を得ることができない問題を生じていた。
リソグラフィー法、なかでもシンクロトロン放射光を露光光源としたリソグラフィー法が知られている(例えば、特許文献1参照)。シンクロトロン放射光のもつ高い指向性はレーザー光に匹敵し、レーザーで実現できない短波長の光は、微細加工でネックとなる回折限界をクリアすることができる。したがって、シンクロトロン放射光を露光光源に用いた場合、より厚い層を露光処理することができるので、従来の光源と比較してより微細かつ深い造形深さを得ることが可能である。
しかしながら、シンクロトロン放射光を使用した露光処理の場合、その高い指向性からレジスト層は垂直方向に露光されるため、得られる金属構造体のパターンは垂直になり、転写性、離型性に優れる樹脂成形品は得ることができない問題を生じる。より深い層を露光できるシンクロトロン放射光の場合、その転写性、離型性が損なわれる現象はより顕著となる。このように、従来の樹脂成形品の製造方法では、金属構造体の深さ方向の角度が制御できないため、転写性、離型性に優れる樹脂成形品を生産性よく製造することができないという問題点があった。また、シンクロトロン放射設備は非常に大型の設備であり、その設備を建設・維持していくことは容易でない。特に、設備の建設、及び維持に多大なコストがかかるため、射出成形によって得られた成形品のコストは、通常のリソグラフィー法によって得られた成形品よりも数十倍の高価格となることが予測される。
特開2001−38738号公報
このように、従来の樹脂成形品の製造方法では、金属構造体の形状が効率良く制御できないため、所望の形状を有する樹脂成形品を生産性良く製造することができないという問題点があった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、所望の形状を有する樹脂成形品を生産性良く製造することができる樹脂成形品の製造方法、及びその製造に使用される金型の製造方法を提供することを一つの目的とする。
また、本発明は、所望の造形深さを有する樹脂成形品、あるいは、臨床検査分野、遺伝子関連分野、コンビナトリアルケミストリー分野における使用に好適なチップを提供することを目的とする。
本発明にかかる金型の製造方法は、基板上にレジスト層を形成するステップと、マスクを用いて前記レジスト層に露光、現像、または露光、熱処理、現像を行うレジストパターン形成ステップと、前記基板を有機溶剤雰囲気下に放置して、前記レジストパターンの壁面に傾斜角度を与えるステップと、前記基板上に形成された前記レジストパターンにしたがって、金属構造体を堆積させるステップを有するものである。これにより、所望の形状を有する金型を生産性良く製造することができる。
上記の金型の製造方法において、前記基板を有機溶剤雰囲気下に放置して、前記レジストパターンの壁面に傾斜角度を与えるステップに替えて、基板のレジストパターン上に有機溶剤を含有する溶液を塗布して、前記レジストパターンの壁面に傾斜角度を与えるステップを有するようにしてもよい。これにより、所望の形状を有する金型を生産性良く製造することができる。
上述の金型の製造方法において、前記レジストパターン形成ステップでは、レジスト層が所望の高さ、または、深さを有する構造体に形成されるまで、複数回に亘ってレジスト層の形成、露光を繰り返すことを特徴とすることが望ましい。
上述の金型の製造方法の好適な実施例は前記レジストパターン形成ステップにおいて、複数回に亘ってレジスト層の形成、露光を繰り返す際、露光における各層のマスクパターンの位置が同じ位置になるように、マスクパターンの位置を合わせるマスク位置合わせステップをさらに備えることを特徴とするものである。
上述の金型の製造方法の好適な実施例は前記レジストパターン形成ステップにおいて、複数回に亘ってレジスト層の形成、露光を繰り返す際、各レジスト層に感度の異なるレジストを用いることを特徴とするものである。
上述の金型の製造方法の好適な実施例は、前記レジストパターンを形成するステップにおいて露光に用いられる光源は、紫外線ランプ又はレーザー光であることを特徴とするものである。
上述の金型の製造方法における好適な実施例は前記樹脂成形品を形成するステップにより形成される樹脂成形品の凹凸部の深さ、または高さは、実質的に5μm乃至500μmであることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の金型の製造方法。
本発明にかかる樹脂成形品の製造方法は、上述の金型の製造方法により金型を製造するステップと、前記金型により樹脂成形品を形成する成形品形成ステップとを備えたものである。これにより、所望の形状を有する樹脂成形品を生産性良く製造することができる。
本発明にかかる樹脂成形品は上述の樹脂成形品の製造方法により得られる樹脂成形品である。
上述の樹脂成形品の好適な実施例は流路パターン、混合部パターン、容器パターンの中から少なくとも一つのパターンを有するものである。
上述の樹脂成形品の好適な実施例は電極、ヒータ、温度センサの中から少なくとも一つのパターンを有するものである。
本発明にかかるチップは上述の樹脂成形品の製造方法により得られる臨床検査用チップである。
上述の臨床検査用チップは、血液検査用チップ、尿検査用チップ又は生化学検査用チップのいずれか一つに好適である。
本発明にかかるチップは上述の樹脂成形品の製造方法により得られるコンビナトリアルケミストリー用チップである。
上述のコンビナトリアルケミストリー用チップは医薬開発チップ又は化学合成・分析用チップに好適である。
本発明にかかるチップは上述の樹脂成形品の製造方法により得られる遺伝子関連用チップである。
上述の遺伝子関連用チップは遺伝子増幅用チップに好適である。
本発明の樹脂成形品の製造方法は、成形の際の離型性がよく、金型寿命、不良率の点で優れている。したがって、本発明により、所望の形状を有する樹脂成形品を生産性良く製造することができる。
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。図1は、本実施の形態における樹脂成形品の製造工程を示している。本実施の形態を実現するために使用される製造装置は広く知られたものであり、ここでは説明を省略する。図1を参照して、本実施の形態における製造方法を説明する。
本形態の樹脂成形品は主として、(a)基板上へのレジスト層の形成、(b)マスクを用いたレジスト層の露光、(c)レジスト層の熱処理、(d)レジスト層の現像、(e)レジストパターン基板の有機溶剤雰囲気下への放置を行い、所望のレジストパターンを形成する。さらに、形成されたレジストパターンにしたがって、基板上に金属構造体をメッキにより堆積させる。この金属構造体を型として、樹脂成形品を形成することによって、樹脂成形品が製造される。
(a)基板上へのレジスト層の形成について説明する。成形品形成ステップで得られる樹脂成形品の平面度は、基板上へレジスト層を形成する工程にて決定づけられる。すなわち、基板上にレジスト層を形成した時点の平面度が金属構造体、ひいては樹脂成形品の平面度に反映される。
基板上にレジスト層を形成する方法は何ら限定されないが、一般的にスピンコート方式、ディッピング方式、ロール方式、ドライフィルムレジストの貼り合わせ等を挙げることができる。なかでも、スピンコート方式は、回転しているガラス基板上にレジストを塗布する方法で、直径300mmを超えるガラス基板にレジストを高い平面度で塗布する利点がある。従って、高い平面度を実現できる観点から、スピンコート方式が好ましく用いられる。このスピンコート方式により、図1(a)に示すように基板1の全面に第1レジスト層3が形成される。
用いられるレジストにはポジ型レジスト、ネガ型レジストの2種類がある。いずれも、レジストの感度、露光条件により、レジストの焦点深度が変わるため、例えばUV露光装置を使用した場合、露光時間、UV出力値をレジスト厚さ、感度に応じて種類を選択するのが望ましい。用いるレジストがウェットレジストの場合、例えばスピンコート方式で所定のレジスト厚さを得るには、スピンコート回転数を変更する方法と、粘度調整する方法がある。スピンコート回転数を変更する方法は、スピンコーターの回転数を設定することによって所望のレジスト厚さを得るものである。粘度調整する方法は、レジスト厚さが厚い場合、又は塗布面積が大きくなると平面度が低下することが懸念されるため、実際使用上で要求される平面度に応じて粘度を調整するものである。
例えばスピンコート方式の場合、1回で塗布するレジスト層の厚さは、高い平面度を保持することを考慮し、好ましくは10〜50μm、さらに好ましくは、20〜50μmの範囲内であることが望ましい。高い平面度を保持したうえで、所望のレジスト層の厚さを得るためには、複数のレジスト層を形成することができる。スピンコート方式により、所望のレジスト層の厚さを得るために複数のレジスト層を形成する場合、各層の有機溶剤への溶解性に差をもたせることで傾斜角度を有するレジストパターンを得ることが容易になる場合がある。レジスト層にポジ型レジストを使用した場合、ベーク(溶剤の乾燥)における温度、時間を調整することで、有機溶剤への溶解性に差をもたせることが可能となる。例えば、上部層のベーク時間を下部層よりも短くすることで、上部層の傾斜角度をより広くすることが可能となる。
レジスト層にポジ型レジストを使用した場合、ベーク時間(溶剤の乾燥)が過度に進行しすぎると、レジストが極度に硬化し、後の現像においてパターンを形成することが困難になることから、ベーク時間を短くする等、適宜選択することが好ましい。レジスト層にネガ型レジスト、なかでも化学増幅系ネガ型レジストを使用した場合、露光(開環)後の熱処理(架橋)における温度、時間を調整することで架橋密度を変化させ、有機溶剤への溶解性に差をもたせることが可能となる。例えば、上部層の熱処理時間を下部層よりも短くすることで、上部層の架橋密度を下部層よりも低くし、上部層の傾斜角度をより広くすることが可能となる。
(b)マスクを用いたレジスト層の露光について説明する。図1(a)に示される工程で使用するマスクA3は何ら限定されないが、エマルジョンマスク、クロムマスク等を挙げることが出来る。レジストパターン形成ステップでは、使用するマスクによって流路の幅、深さ、容器間隔、および容器幅(または直径)、深さの寸法、および精度が左右される。そして、その寸法および精度は、樹脂成形品にも反映される。したがって、樹脂成形品の各寸法、および精度を所定のものとするためには、マスクの寸法、および精度を規定する必要がある。マスクの精度を高める方法は何ら限定しないが、例えば、マスクのパターン形成に使用するレーザー光源をより波長の短いものに変えることを挙げることができるが、設備費用が高額であり、マスク製作費が高額となるため、樹脂成形品が実用的に要求される精度に応じて適宜規定するのが望ましい。これにより、図1(a)に示すように第1レジスト層2がマスクA3により選択的に露光される。
マスクの材質は温度膨張係数、UV透過吸収性能の面から石英ガラスが好ましいが比較的高価であるため、樹脂成形品が実用的に要求される精度に応じて適宜規定するのが望ましい。設計通りのレジストパターンを得るには、露光に用いるマスクのパターン設計(透過/遮光部)が確実であることが必要であり、CAE解析ソフトを使用したシミュレーションもその解決策の一つである。
露光に用いられる光源は設備費用が安価である紫外線ランプまたはレーザー光源であることが好ましい。シンクロトロン放射光は露光深度が深いものの、かかる設備費用が高額であり、実質的に樹脂成形品の価格が高額となり、工業的に実用的でない。
露光時間や露光強度等の露光条件はレジスト層の材質、厚み等により変化するため、得られるパターンに応じて適宜調節することが好ましい。特に流路の幅、深さ、容器間隔、および容器幅(または直径)、深さ等のパターンの寸法、および精度に影響を与えるため、露光条件の調節は重要である。また、レジストの種類により焦点深度が変わるため、例えばUV露光装置を使用した場合、露光時間、UV出力値をレジストの厚さ、感度に応じて選択するのが望ましい。
(c)レジスト層の熱処理について説明する。露光後の熱処理は、レジストパターンの形状を補正するためにアニールといわれる熱処理が知られている。ここでは、化学架橋を目的とし、化学増幅系ネガレジストを使用した場合のみに行う。化学増幅系ネガレジストとは、主に、2成分系、または3成分系からなり、露光時の光によって、例えば、化学構造の末端のエポキシ基が開環し、熱処理によって架橋反応させるものである。熱処理時間は、例えば膜厚100ミクロンの場合、設定温度100℃の条件下においては数分で架橋反応は進行する。
レジスト層の熱処理量(温度、時間)が増大しすぎると、化学架橋が進行し、レジストパターン表面が変形、またはクラックが発生することから、設定するレジスト厚さが100ミクロン以上でない場合、熱処理時間を短くする等、適宜選択することが好ましい。また、化学架橋が進行しすぎると、後のステップであるレジストパターン基板の有機溶剤雰囲気下への放置において、傾斜パターンが得られにくくなることから、熱処理時間を短くする等、適宜選択することが好ましい。
(d)レジスト層の現像について説明する。図1(b)に示される工程の現像は用いたレジストに対応する所定の現像液を用いることが好ましい。現像時間、現像温度、現像液濃度等の現像条件はレジスト厚みやパターン形状に応じて適宜調節することが好ましい。例えば、必要な深さを得るために現像時間を長くしすぎると、容器間隔、および容器幅(または直径)が所定の寸法よりも大きくなってしまうため、適宜条件を設定することが好ましい。図1(b)に示すようにレジスト層を現像することによりレジストパターン4が形成される。
レジスト層全体の厚みが増してくると、現像工程において、レジスト底部の幅(または直径)よりも表面の幅(または直径)が広くなることが懸念される。レジストを複数層形成する場合、各レジスト層の形成において、感度の異なるレジストを段階に分けて形成することが好ましい場合がある。この場合には、例えば、表面に近い層のレジストの感度を底部に近い層よりも高くすることなどが挙げられる。さらに具体的には、感度の高いレジストとして東京応化工業株式会社製のBMR C−1000PMを、そして感度の低いレジストとして東京応化工業株式会社製のPMER−N−CA3000PMを用いることができる。その他、レジストの乾燥時間を変えることにより感度を調整するようにしてもよい。例えば、東京応化工業株式会社製のBMR C−1000PMを使用した場合、スピンコート後のレジスト乾燥時、1層目の乾燥時間を110℃で40分、2層目の乾燥時間を110℃で20分とすることで、1層目の感度を高めることができる。
(e)レジストパターン基板の有機溶剤雰囲気下への放置について説明する。レジストパターン基板の溶剤雰囲気下への放置は、垂直レジストパターンを傾斜パターンに形成させることを目的としている。通常、UV平行光を用いて密着露光を実施した場合、図1(b)に示すようにレジストパターンは垂直パターンとなる。特に、化学架橋タイプのネガレジストを用いた場合、現像後においても耐アルカリ性によって垂直パターンが保持されている。
傾斜パターンの形成は、一例として、例えば、図1(c)に示すように金属製トレイ6に台座10を用意し、台座上にレジストパターン基板を置く。そして、有機溶剤5をトレイ底面に浸す、または有機溶剤5を有する開放容器をトレイ底部にセットし、トレイを金属性の蓋にて密閉することによって形成される。
レジストパターンの傾斜角度は、成形条件、樹脂材料、離型剤添加量等に応じて設定することが好ましいが、特に、得ようとする樹脂成形品の造形深さが10μm以上である場合に設けることが好ましく、20μm以上である場合はその必要性がさらに高まる。レジストパターンの傾斜角度は、樹脂成形品の形状から50°〜90°であることが望ましく、より望ましくは60°〜87°である。使用される有機溶剤は特に指定しないが、レジストに溶剤として使用されている溶剤と同じ材料が好ましく、一般的にはシンナーを使用することが好ましい。有機溶剤の蒸気濃度が低すぎると、傾斜パターンが形成されない結果となり、逆に高すぎると、パターン傾斜だけでなく、レジスト面の平面性が損なわれる場合があるため、トレイ底面に浸す有機溶剤量は、トレイ容積、レジストパターン基板の面積に応じて適宜選択することが好ましい。
同様に、傾斜パターンを形成させる方法として、有機溶剤、または同じ銘柄のレジストをレジストパターン上に塗布、一定時間放置させることで傾斜パターンを形成させてもよい。この方法は、蒸気雰囲気下への放置よりも短時間で傾斜が得られるため、効率的である。一例として、溶剤雰囲気下への1時間放置によって傾斜パターンが得られた場合、溶剤塗布では1/3の20分程度で傾斜パターンを得ることが可能となる。
流路や混合部、容器などの深さ・精度が均一な成形品を得るための方法としては、例えば、レジスト塗布で使用するレジスト種類(ネガ型、ポジ型)を変更する方法、金属構造体の表面を研磨する方法などがあげられる。尚、所望の造型深さを得るために複数のレジスト層を形成する場合、それら複数のレジスト層を同時に露光・現像処理する、あるいは、一つのレジスト層を形成及び露光処理した後、さらにレジスト層の形成及び露光処理を行い、2つのレジスト層を同時に現像処理することが可能である。
金属構造体形成ステップについてさらに詳細に説明する。金属構造体形成ステップとはレジストパターン形成ステップで得られたレジストパターンに沿って金属を堆積させ、金属構造体の凹凸面をレジストパターンに沿って形成することにより、金属構造体を得る工程である。
図1(d)に示されるように、この工程では予めレジストパターンに沿って導電性膜7を形成する。導電性膜7の形成方法は特に限定されないが、好ましくは蒸着、スパッタリング等を用いることができる。導電性膜7に用いられる導電性材料としては金、銀、白金、銅などを挙げることができる。導電性膜7を形成した後、パターンに沿って金属をメッキにより堆積して金属構造体8を形成する。これにより、図1(e)に示す構成となる。金属を堆積させるメッキ方法は特に限定されないが、例えば電解メッキ、無電解メッキ等を挙げることができる。用いられる金属は特に限定されないが、ニッケル、ニッケルの結晶構造を変更したもの、ニッケル-コバルト合金、銅、金を挙げることができ、経済性・耐久性の観点からニッケルが好ましく用いられる。
金属構造体8の厚さは、光ディスクを一例にあげると、0.3mm〜0.5mmが一般的である。射出成形時、金属構造体8が変形することを考慮し、更に厚さを増した金属構造体8、例えば5〜10mm厚さの金属構造体8を作製してもよい。この場合、金属材料の応力が高いと、金属構造体8にソリが発生する懸念があるため、ニッケルを使用することが好ましい。金属構造体8はその表面状態に応じて研磨しても構わない。ただし、汚れが造形物に付着することが懸念されるため、研磨後、超音波洗浄を実施することが好ましい。また、金属構造体はその表面状態を改善するために、離型剤等で表面処理しても構わない。なお、金属構造体8の深さ方向の傾斜角度は、樹脂成形品の形状から50°〜90°であることが望ましく、より望ましくは60°〜87°である。
なお、導電性膜7を形成させないで、金属構造体8を形成するステップとして、無電解メッキ法を挙げることができる。特に、レジストパターンが微細、または高アスペクト比構造体の場合、パターン傾斜部に導電膜が堆積しにくく、その結果、電解メッキにおいて通電不良となり、導電膜剥離が発生しやすい。無電解メッキ法だとこのような心配がなく、金属構造体の作製効率を高めることが期待できる。無電解メッキにて金属を堆積させた後、電解メッキにて所望の厚さを有する金属構造体を完成させてもよい。図1(f)に示されるように、メッキにより堆積した金属構造体はレジストパターンから分離される。
成形品形成ステップについて更に詳細に説明する。成形品形成ステップは、図1(g)に示されるように、金属構造体8を型として、樹脂成形品9を形成する工程である。樹脂成形品9の形成方法は特に限定されないが、例えば射出成形、プレス成形、モノマーキャスト成形、溶剤キャスト成形、押出成形によるロール転写法等を挙げることができ、生産性、型転写性の観点から射出成形が好ましく用いられる。所定の寸法を選択した金属構造体を型として射出成形で樹脂成形品9を形成する場合、金属構造体8の形状を高い転写率で樹脂成形品に再現することが可能である。転写率を確認する方法としては、光学顕微鏡、走査電子顕微鏡(SEM)、透過電子顕微鏡(TEM)等を使用して行うことができる。
金属構造体8を型として、例えば射出成形で樹脂成形品9を形成する場合、1枚の金属構造体9で1万枚〜5万枚、場合によっては20万枚もの樹脂成形品を得ることができ、金属構造体の製作にかかる費用負担を大幅に解消することが可能である。また、射出成形1サイクルに必要な時間は5秒〜30秒と短く、生産性の面で極めて効率的である。射出成形1サイクルで同時に複数個の樹脂成形品を形成可能な成形金型を使用すれば、更に生産性を向上することが可能となる。上記成形方法では金属構造体を金属型として用いても、金属構造体を予め用意した金属型内部にセットして用いても構わない。
樹脂成形品を形成するのに使用する樹脂材料としては特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、スチレン系樹脂、アクリル・スチレン系共重合樹脂(MS樹脂)、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン・ビニルアルコール系共重合樹脂、スチレン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系樹脂ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン樹脂等を挙げることができる。
これらの樹脂は必要に応じて滑剤、光安定剤、熱安定剤、防曇剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤、離型剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの1種または2種以上を含有することができる。
前記成形方法により得られる樹脂成形品について更に詳細に説明する。図2は、本形態の製造方法を使用して製造しうる樹脂成形品の一例を示している。図2(a)は樹脂成形品の上面図であり、図2(b)は樹脂成形品の断面図である。図2の樹脂成形品は、基板に複数の凹部が設けられており、この凹部が血液等の流路11となる。この流路11は十字方向に形成されており、複数の流路11が交差する混合部12となる。さらに、樹脂成形品は、図示しないヒータ、温度センサ及び電極を有している。ヒータ及び温度センサは流路上に配置されている。電極もしくはヒータなどの金属部は、スパッタリングや蒸着にて形成することができる。加温、または反応処理を行うために必要とされる温度制御のため、温度センサが配置されている。このような樹脂成形品の各寸法、および精度については、実際使用上で必要となる数値に応じて、前記各工程により、適宜調整することが望ましい。樹脂成形品における流路、混合部、容器等の各寸法は、以下の範囲内であることが好ましい。
樹脂成形品の流路11の幅の最小値は、マスクの加工精度に由来しており、工業技術的にはX線、レーザーなど波長の短いレーザー光を使用することでより微細化は可能であると推測される。しかし、本発明は精密で安価な樹脂成形品7を医療分野、工業分野、バイオテクノロジー分野へ広く提供することが目的であり、特に、臨床検査、コンビナトリアルケミストリー、あるいは遺伝子関連に使用されるチップに好適なものであることから、工業的に再現し易い観点から幅が5μm以上であることが好ましい。また、規格化されていない多品種小ロットの樹脂成形品7の用途においても、精密で安価な容器として提供していく観点から幅が5μm以上であることが好ましい。流路の幅の最大値は、特に制限されないが、微細化による診断時間の短縮、複数処理を可能とし、装置に携帯性を付与させるために、300μm以下であることが好ましい。
樹脂成形品の流路の深さの最小値は、流路としての機能を有するためには、5μm以上であることが好ましい。流路の深さの最大値は、特に制限されないが、化学分析、DNA診断等の用途において、流路の幅の微細化による診断時間の短縮、複数処理を可能にし装置に携帯性を付与させるといった利点を損なわないためには、300μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは200μm以下である。
樹脂成形品の流路の長さの最小値は、化学分析、DNA診断等の用途において、試料の導入、分離(解析)の機能を有するためには5mm以上であることが好ましい。流路の長さの最大値は、特に制限されないが、化学分析、DNA診断等の用途において、流路の長さを短くすることで診断時間の短縮、複数処理を可能にし装置に携帯性を付与させるといった利点を損なわないためには、300mm以下であることが好ましい。樹脂成形品の容器間隔の最小値は、マスクの加工精度に由来しており、工業技術的にはX線、レーザーなど波長の短いレーザー光を使用することでより微細化は可能であると推測される。しかし、本発明は精密で安価な容器を医療分野、工業分野、バイオテクノロジー分野などへ広く提供することが目的であり、特に、臨床検査、コンビナトリアルケミストリー、あるいは遺伝子関連に使用されるチップに好適なものであることから、工業的に再現し易い観点から容器間隔が5μm以上であることが好ましい。
また、容器間隔の最小値は、例えば、血液検査装置の位置決め精度によって決定される場合も想定されることから、装置の仕様に応じて適宜選択することが好ましい。また、規格化されていない多品種小ロットの用途においても、精密で安価な容器として提供していく観点から5μm以上であることが好ましい。容器間隔の最大値は、特に制限されないが、容器の小型化により複数処理を可能にし、装置に携帯性を付与させるためには、10,000μm以下であることが好ましい。上記理由により、樹脂成形品の容器幅(または直径)においても、最小値5μm以上、最大値10,000μm以下であることが好ましい。樹脂成形品の容器深さの最小値は、特に制限されないが、容器としての機能を有するためには、10μm以上であることが好ましい。容器深さの最大値は、例えば、複数回のレジスト塗布、十分な焦点深度を得るために露光光源をX線ビーム等のレーザーを使用する等によって、より深い造形を得ることは可能であると推測される。しかし、本発明は、精密で安価な容器を医療分野、工業分野、バイオテクノロジー分野へ広く提供することが目的であり、工業的に再現し易い観点から深さが1000μm以下であることが好ましい。
樹脂成形品の平面度の最小値は、工業的に再現し易い観点から1μm以上であることが好ましい。樹脂成形品の平面度の最大値は、例えば、該成形品を他の基板と貼り合わせて使用する際に支障とならない観点から200μm以下であることが好ましい。樹脂成形品の流路の幅、深さの寸法精度は、工業的に再現し易い観点から±0.5〜10%の範囲内であることが好ましい。樹脂成形品の容器間隔、容器幅(または直径)、深さの寸法精度は、工業的に再現し易い観点から±0.5〜10%の範囲内であることが好ましい。
樹脂成形品の厚さに対する寸法精度は、工業的に再現し易い観点から±0.5〜10%の範囲内であることが好ましい。樹脂成形品の厚さは特に規定されないが、射出成形での取り出し時の破損、取り扱い時の破損、変形、歪みを考慮し、0.2〜10mmの範囲内であることが好ましい。樹脂成形品の寸法は特に限定されないが、リソグラフィー法でレジストパターンを形成する際、例えば、レジスト層の形成をスピンコート法にて行う場合、直径400mmの範囲の中から採取できるよう用途に応じて適宜選択することが好ましい。
本発明により得られる樹脂成形品の用途は特定用途に限定されないが、例えば、DNA診断用、検体容器、抗体容器、試薬容器などの医療用途、光関連の前面板などの工業用途、細胞処理などのバイオテクノロジー用途、反応容器などの自動化学分析などの用途に好適である。医療分野、なかでも抗血栓性(抗血小板付着)や細胞毒性試験における有害性の排除といった生体適合性を必要とする用途には、抗血栓性の効果が知られている材料を用いたり、表面処理を施したりすることが好ましい。表面処理により生体適合性を向上する方法として、例えば、射出成形で成形品を形成した後、スパッタリングによりSiO2膜を堆積させた後、熱酸化によりSiO2膜を成長させることで生体適合性を付与する方法があげられる。
樹脂成形品を形成した後、医療分野、なかでも臨床検査分野において、生化学分析、DNA診断分野等に使用する場合、樹脂成形品上で加温、反応、信号検出等の処理を必要とする場合がある。樹脂成形品上で加温、または反応処理を行う方法として、例えば、スパッタリングにて電極パターンを形成し、装置から電圧を印加する方法や、ヒータを配置することが考えられる。また、加温、または反応処理を行う際、温度制御が必要となる場合は、例えば、温度センサを配置することも考えられる。信号検出を行う場合、例えば、フォトダイオードを配置することが考えられる。
医療分野、なかでも臨床検査分野において、生化学分析、DNA診断分野等に使用する場合、流路の微細化によって診断に要する時間を短縮することが期待されている成形品は、本発明により得られる樹脂成形品を使用することによって達成される。本形態により得られる樹脂成形品は、精密で安価であり、生化学分析、DNA診断分野等、なかでも手術室、ベッドサイド、在宅、あるいは町の診療所等、産業上大量使用される用途において特に効果的である。
本形態により得られる樹脂成形品は、精密で安価であり、該成形品を繰り返し使用することも可能であるが、基板表面の汚れ、変形等の欠陥が生じた場合、コスト高が極力抑えられるため廃棄して新品を使用しても、労力の解消、処理時間の短縮といった作業効率が重要である用途において特に効果的である。本形態により得られる樹脂成形品は、精密で安価であり、医療分野、工業分野、バイオテクノロジー分野の他に、コンビナトリアルケミストリーといった自動化学分析の分野においても広く応用が期待できる。特に検体量の微少化は、同時に廃棄の際の廃液量を大幅に削減することができ、環境保全の観点からも特に効果的である。
尚、本発明にかかる製造方法により金属構造体、および樹脂成形品を製造した場合、金属構造体、および樹脂成形品に、有機溶剤雰囲気下に放置、または有機溶剤をレジストパターンに塗布したことによる、レジストパターン端部が丸みをもった傾斜が形成されることがあるが、実用上何ら問題はない。
本形態により得られる樹脂成形品は、従来の成形品と対比して高い精度などを発揮することができる。また、当該樹脂成形品は精密であると同時に安価に形成することができるため、製造コストを極力抑えられる利点を発揮できるような産業上大量に使用される用途に適用した場合に、特に効果的である。
実施例1
本発明にしたがって、樹脂成形品を形成する方法について、図1を参照しながら以下により具体的に説明する。まず基板1上に、有機材料(東京応化工業製「PMER N-CA3000PM」をベースとする1回目のレジスト塗布を行った。そして、第1レジスト層2を形成した後、基板と所望の容器のマスクパターンに加工したマスクA3との位置合わせを行った。次にUV露光装置(キャノン製「PLA−501F」波長365nm、露光量300mJ/cm2)により、第1レジスト層をUV光により露光を行うと図1(a)に示す構成となる。その後、ホットプレート(100℃×4分)を用いて第1レジスト層2の熱処理を行った。
第1レジスト層2の上にさらにレジスト層を塗布してパターンを形成しても良い。この場合は、基板1上に、有機材料(東京応化工業製「PMER N-CA3000PM」をベースとする2回目のレジスト塗布を行い、第2レジスト層を形成する。第2レジスト層を形成した後、基板と所望の容器のマスクパターンに加工したマスクBとの位置合わせを行った。
次にUV露光装置(キャノン製「PLA−501F」波長365nm、露光量100mJ/cm2)により、第2レジスト層をUV光により露光を行った後、ホットプレート(100℃×8分)を用いて第2レジスト層の熱処理を行った。前記レジスト層を有する基板を現像し、基板上にレジストパターンを形成した(現像液:東京応化工業製「PMER現像液P-7G」)。なお、レジスト層を塗布して、マスクの位置合わせを行い、露光、現像によりレジストパターンを形成する工程をさらに繰り返し行ってもよい。これにより、所望の深さを有する金属構造体を形成することが出来る。
次に図1(c)に示すように基板1を金属製トレイ6の中に用意された台座10の上に載置する。そして、有機溶剤5をトレイ底面に浸す、または有機溶剤5を有する開放容器をトレイ底部にセットし、トレイを金属性の蓋にて密閉することによって形成される。有機溶剤にはシンナーを用い、容器内を有機溶剤雰囲気下にして放置する(有機溶剤についての詳細な実施例があればお知らせ下さい)。
そして、図1(d)に示すように前記レジストパターンを有する基板表面に蒸着、またはスパッタリングを行い、レジストパターンの表面に銀からなる導電性膜7を堆積させた。この工程において、他に白金、金、銅などを堆積させることができる。次に、図1(e)に示すように前記レジストパターンを有する基板をメッキ液に浸け、電気メッキを行い、レジストパターンにしたがってNiからなる金属構造体8を得た。この工程において、他に銅、金などを堆積させることができる。この金属構造体8を図1(f)に示すように基板1から分離する。図1(g)に示すように、得られた金属構造体8を金型として、射出成形でプラスチック材をNi構造体に充填し、プラスチック成形体9を得た。
上述の製造方法に従って、レジスト塗布を2回繰り返して第1レジスト層を形成、露光、熱処理を実施、さらにレジスト塗布を1回繰り返して第2レジスト層を形成、露光、熱処理を実施した後、図2に示すような横70mm×縦50mm、厚さ1.5mmの基板に、50μmの流路深さを有する樹脂成形品を製造した。
実施例2.
上述の製造方法に従って、レジスト塗布を3回繰り返して第1レジスト層を形成、露光、熱処理を実施、さらにレジスト塗布を1回繰り返して第2レジスト層を形成、露光、熱処理を実施した後、図3に示すような横70mm×縦50mm、厚さ1.5mmの基板に、100μmの流路深さを有する樹脂成形品を製造した。
実施例3.
上述の製造方法に従って、レジスト塗布を3回繰り返して第1レジスト層を形成、露光、熱処理を実施、さらにレジスト塗布を1回繰り返して第2レジスト層を形成、露光、熱処理を実施した後、図4に示すような横70mm×縦50mm、厚さ1.5mmの基板に、300μmの流路深さを有する樹脂成形品を製造した。
この発明の実施例において、樹脂成形品を形成する工程を示す模式図である。 実施例1にかかる樹脂成形品の構成を示す図である。 実施例2にかかる樹脂成形品の構成を示す図である。 実施例3にかかる樹脂成形品の構成を示す図である。
符号の説明
1 基板、2 第1レジスト層、3 マスクA、4 レジストパターン、5 有機溶剤
6 金属製トレイ、7 導電性膜、8 金属構造体、9 樹脂成形品、10 台座
11 流路、12 混合部

Claims (17)

  1. 基板上にレジスト層を形成するステップと、
    マスクを用いて前記レジスト層に露光、現像を行うレジストパターン形成ステップと、
    前記基板を有機溶剤雰囲気下に放置して、前記レジストパターンの壁面に傾斜角度を与えるステップと
    前記基板上に形成された前記レジストパターンにしたがって、金属構造体を堆積させるステップを有する金型の製造方法。
  2. 請求項1記載の金型の製造方法において、前記基板を有機溶剤雰囲気下に放置して、前記レジストパターンの壁面に傾斜角度を与えるステップに替えて、基板のレジストパターン上に有機溶剤を含有する溶液を塗布して、前記レジストパターンの壁面に傾斜角度を与えるステップを有する金型の製造方法。
  3. 前記レジストパターン形成ステップでは、レジスト層が所望の高さ、または、深さを有する構造体に形成されるまで、複数回に亘ってレジスト層の形成、露光を繰り返すことを特徴とする請求項1又は2記載の金型の製造方法。
  4. 前記レジストパターン形成ステップにおいて、複数回に亘ってレジスト層の形成、露光を繰り返す際、露光における各層のマスクパターンの位置が同じ位置になるように、マスクパターンの位置を合わせるマスク位置合わせステップをさらに備えることを特徴とする請求項3記載の金型の製造方法。
  5. 前記レジストパターン形成ステップにおいて、複数回に亘ってレジスト層の形成、露光を繰り返す際、各レジスト層に感度の異なるレジストを用いることを特徴とする請求項3記載の金型の製造方法。
  6. 前記レジストパターンを形成するステップにおいて露光に用いられる光源は、紫外線ランプ又はレーザー光であることを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の金型の製造方法。
  7. 前記樹脂成形品を形成するステップにより形成される樹脂成形品の凹凸部の深さ、または高さは、実質的に5μm乃至500μmであることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の金型の製造方法。
  8. 請求項1乃至7いずれか記載の金型の製造方法により金型を製造するステップと、
    前記金型により樹脂成形品を形成する成形品形成ステップとを備えた樹脂成形品の製造方法。
  9. 請求項8記載の樹脂成形品の製造方法により得られる樹脂成形品。
  10. 流路パターン、混合部パターン、容器パターンの中から少なくとも一つのパターンを有する請求項9記載の樹脂成形品。
  11. 電極、ヒータ、温度センサの中から少なくとも一つのパターンを有する請求項9または10記載の樹脂成形品。
  12. 請求項8記載の樹脂成形品の製造方法により得られる臨床検査に用いられるチップ。
  13. 血液検査用チップ、尿検査用チップ又は生化学検査用チップのいずれか一つであることを特徴とする請求項12記載の臨床検査に用いられるチップ。
  14. 請求項8記載の樹脂成形品の製造方法により得られるコンビナトリアルケミストリーに用いられるチップ。
  15. 医薬開発チップ又は化学合成・分析用チップであることを特徴とする請求項14記載のコンビナトリアルケミストリーに用いられるチップ。
  16. 請求項8記載の樹脂成形品の製造方法により得られる遺伝子関連に用いられるチップ。
  17. 遺伝子増幅用チップであることを特徴とする請求項16記載の遺伝子関連に用いられるチップ。
JP2003318361A 2003-09-10 2003-09-10 樹脂成形品の製造方法及び金型の製造方法 Expired - Lifetime JP4353757B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003318361A JP4353757B2 (ja) 2003-09-10 2003-09-10 樹脂成形品の製造方法及び金型の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003318361A JP4353757B2 (ja) 2003-09-10 2003-09-10 樹脂成形品の製造方法及び金型の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005081767A true JP2005081767A (ja) 2005-03-31
JP4353757B2 JP4353757B2 (ja) 2009-10-28

Family

ID=34417660

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003318361A Expired - Lifetime JP4353757B2 (ja) 2003-09-10 2003-09-10 樹脂成形品の製造方法及び金型の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4353757B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006334951A (ja) * 2005-06-02 2006-12-14 Process Lab Micron:Kk 微細成型用金型の製造方法及び微細金型
JP2007062253A (ja) * 2005-09-01 2007-03-15 Japan Science & Technology Agency マイクロチップの基板形成用金型の製造方法及び該金型を用いたマイクロチップの基板の製造方法
WO2007032467A1 (ja) * 2005-09-16 2007-03-22 National Agriculture And Food Research Organization 樹脂製マイクロチャネルアレイの製造方法及びこれを用いた血液測定方法
JP2008232905A (ja) * 2007-03-22 2008-10-02 Shin Etsu Chem Co Ltd マイクロアレイ作製用基板の製造方法
JP2010014648A (ja) * 2008-07-07 2010-01-21 Murata Mfg Co Ltd プローブアレイおよびその製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006334951A (ja) * 2005-06-02 2006-12-14 Process Lab Micron:Kk 微細成型用金型の製造方法及び微細金型
JP2007062253A (ja) * 2005-09-01 2007-03-15 Japan Science & Technology Agency マイクロチップの基板形成用金型の製造方法及び該金型を用いたマイクロチップの基板の製造方法
WO2007032467A1 (ja) * 2005-09-16 2007-03-22 National Agriculture And Food Research Organization 樹脂製マイクロチャネルアレイの製造方法及びこれを用いた血液測定方法
JP2008232905A (ja) * 2007-03-22 2008-10-02 Shin Etsu Chem Co Ltd マイクロアレイ作製用基板の製造方法
JP4512607B2 (ja) * 2007-03-22 2010-07-28 信越化学工業株式会社 マイクロアレイ作製用基板の製造方法
JP2010014648A (ja) * 2008-07-07 2010-01-21 Murata Mfg Co Ltd プローブアレイおよびその製造方法
JP4687756B2 (ja) * 2008-07-07 2011-05-25 株式会社村田製作所 プローブアレイおよびその製造方法
US8110817B2 (en) 2008-07-07 2012-02-07 Murata Manufacturing Co., Ltd. Probe array and method of manufacturing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP4353757B2 (ja) 2009-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3990307B2 (ja) 樹脂成形品の製造方法、金属構造体の製造方法、チップ
JP4217619B2 (ja) 樹脂成形品の製造方法及び金型の製造方法
TWI409459B (zh) 微導槽陣列及製法、及使用它之血液測定方法
JP5281886B2 (ja) 細胞培養容器およびその製造方法
JP4753672B2 (ja) 樹脂製マイクロチャネルアレイの製造方法及びこれを用いた血液測定方法
US20070202560A1 (en) Resin microchannel array, method of manufacturing the same and blood test method using the same
US20070202589A1 (en) Cell culture plate and method of manufacturing the same
JP4317472B2 (ja) 樹脂製マイクロチャネルアレイ及び製造方法
JP4353757B2 (ja) 樹脂成形品の製造方法及び金型の製造方法
Vallero et al. Memristive biosensors integration with microfluidic platform
JP4041379B2 (ja) 樹脂成形品の製造方法、型用金属構造体の製造方法及び樹脂成形品
JP4060685B2 (ja) 樹脂成形品の製造方法、型用金属構造体の製造方法及び樹脂成形品
CN111937199A (zh) 制造生物传感器纳米孔的方法
JP2004195730A (ja) 樹脂成形品の製造方法及び金型の製造方法、並びに樹脂成形品及びチップ
JP4966694B2 (ja) 微細構造金型の製造方法
TWI259453B (en) Method for fabricating biochips or biosensors using CD/DVD making compatible processes
KR20030078250A (ko) 마이크로-웰 플레이트를 이용한 미세체적 반응장치 겸미생물 판별장치 및 그 이용방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060329

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090113

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090331

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090427

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20090610

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090707

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090728

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4353757

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120807

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120807

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130807

Year of fee payment: 4

EXPY Cancellation because of completion of term