JP2005081500A - 歯車同期加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】歯車状の工具19が取り付けられた工具モータ18と被加工歯車16が取り付けられたワークモータ15を同期制御しながら加工する歯車加工装置において、歯車をかみ合わせた状態から工具モータ18とワークモータ15を同期加速し、加速中にいずれか一方のモータトルクの加速区間平均値を算出してあらかじめ設定された目標値との差を係数倍したあとフィルタ処理して補正値を算出する。
【選択図】 図1
Description
図4は従来の歯車加工装置の構成を示すブロック図である。図において、10は指令器であり、指令発生部11で指令を発生して同期補正部12で補正し、ワークモータ制御器14と工具モータ制御器17と切り込みモータ制御器20に同期指令を与える。ワークモータ制御器14はワークモータ15を駆動して非加工歯車のワーク16を回転させる。工具モータ制御器17は工具モータ18を駆動して工具19を回転させる。切り込みモータ制御器20は切り込みモータ21を駆動してステージ22を動作させ、ワーク16と工具19の軸間距離を変化させる。工具19とワーク16の接触点付近には超音波センサ45があり、接触音を検出すると同期補正量計算部13に接触音の信号を出力する。
図5は、従来技術の原理を説明する図であり、工具断面50とワーク断面51を示している。ワークモータ15を増速して同期をずらすと、工具歯面1とワーク歯面1が接触するので、接触するときの接触音を超音波センサで検出し、そのときのワーク角度を歯面1接触角度αとして同期補正量計算部13が記憶する。次にワークモータ15を減速して同期をずらすと、工具歯面2とワーク歯面2が接触するので、接触するときの接触音を超音波センサで検出し、そのときのワーク角度を歯面2接触角度βとして同期補正量計算部13が記憶する。そして、歯面1接触角度αと歯面2接触角度βの平均を同期の原点として設定する。
S21)まず、一連の処理を開始すると、
S22)ワークをワークモータの先端に取り付けたチャックに取り付けて、切り込み軸を少し進ませ、工具とワークが軽くかみ合った状態にして工具モータとワークモータの現在位置を仮の同期原点とする。
S23)次に、工具モータとワークモータを増速して加工速度にする。
S24)ワークモータを増速して同期をずらし、超音波センサにより接触音を検出して、そのときの同期角度を同期補正量計算部13に記憶する。
S25)ワークモータを減速して超音波センサにより接触音を検出し、そのときの同期角度を記憶する。
S26)記憶された2つの同期角度の平均をとって同期補正値を求め、
S27)同期の補正をして、
S28)ワーク・工具を加工速度で同期制御する。
S29)切り込み軸を前進させ、ワーク軸と工具軸の間隔を短くして歯車加工をする。
S30)次に、切り込みを後退させた後にワーク・工具を減速停止してワークを取り外し、一連の加工を終了する。
本発明はこのような様々な問題点に鑑みてなされたものであり、特別なセンサを用いることなく、また本来の加工からサイクルタイムを伸ばすことなく、すべての歯のかみ合いを元に同期位置を決定する方法を提供することを目的とする。
これらの方法によれば、モータトルクを判断基準に用いるため特別なセンサを必要とせず、加工にもともと必要な同期加速の途中で同期位置を微調整するため加工サイクルタイムを伸ばさず、同期加速中は通常ワークが1回転以上するためワークの歯ごとのばらつきに影響されず全てのかみ合いを平均した位置を同期位置とすることができる。
図において、10は指令器であり、指令発生部11で指令を発生して同期補正部13で補正をした後、ワークモータ制御器12と工具モータ制御器17に同期指令を与える。ワークモータ制御器12はワークモータ15を駆動してワーク16を回転させ、工具モータ制御器17は工具モータ18を駆動して工具19を回転させる。指令器10は切り込みモータ制御器20にも指令を与える。切り込みモータ制御器20は切り込みモータ21を駆動して図示しないボールねじなどを介してステージ22を動作させ、ワーク16と工具19の軸間距離を変化させる。
S11)まず一連の処理を開始すると、
S12)人間あるいは加工ロボットがワーク16をチャックした後、切り込み軸を少し進ませて工具とワークが軽くかみ合った状態にする。そしてこのときの工具軸とワーク軸の現在位置を仮の同期原点とする。
S13)次に加工をする速度まで指令を加速し、工具軸のトルクを積算して平均値を計算する。工具軸のトルクの代わりにワーク軸のトルクを用いても良い。指令が加工する速度に対応する大きさになれば、
S14)計算したトルクの平均値と目標値の差を係数倍してフィルタ処理したものを同期補正値とする。ここで係数倍はトルクの差から補正値への単位変換と補正利得であり、フィルタはノイズや振動成分の除去を行う。加速時間が十分長く平均によってノイズ、振動成分が除去できる場合にはフィルタを使用しなくても良い。
S15)同期補正値をワーク軸の位置指令に加えて補正する。この補正をするときはワーク軸の位置指令に代えて工具軸の位置指令としても良い。また、補正をする軸は、トルクを検出した軸と異なっても良い。
S16)切り込み軸を送ってワーク軸と工具軸の軸間距離を短くし、歯車を加工する。
S17)切り込み軸を戻してワーク軸と工具軸の軸間距離を長くし、かみ合わせを離した後、ワーク軸と工具軸を減速・停止させてワークを取り外す。
以上のフローによって、特別なセンサや加工サイクルタイムを伸ばす同期位置合わせ動作を行うことなく、またすべての歯のかみ合いを考慮した同期位置補正を行うことができるのである。なお、S13)においてトルクの加速区間すべての平均値を計算する代わりに、タイマーを用いて加速区間の一部分の平均値を計算してもよい。
13 同期補正量計算部、 14 ワークモータ制御器、
15 ワークモータ、 16 非加工歯車、 17 工具モータ制御器、
18 工具モータ、 19 工具、 20 切り込みモータ制御器、
21 切り込みモータ、 22 ステージ、
40 基準とするかみ合い状態のトルク、
41 刃物軸の同期原点が進んでいるときのトルク、
42 本発明による補正を行なったときのトルク、
45 超音波センサ、 50 工具断面、 51 ワーク断面
Claims (3)
- 歯車状の工具が取り付けられた工具モータと、被加工歯車が取り付けられたワークモータとを、前記工具と前記被加工歯車の歯数逆数比の速度で同期制御しながら工具軸とワーク軸の軸間距離を短くして加工する歯車加工装置において、
前記歯車をかみ合わせた状態から前記工具モータと前記ワークモータを同期加速し、
加速中にいずれか一方のモータトルクの加速区間平均値を算出し、
該加速区間平均値とあらかじめ設定された目標値との差を係数倍したあとフィルタ処理して補正値を算出し、
加速終了後に前記補正値で補正する
ことを特徴とする歯車同期加工方法。 - 前記補正値を前記工具モータと前記ワークモータのいずれか一方の位置指令に加えることを特徴とする請求項1記載の歯車同期加工方法。
- 前記補正値を前記工具モータと前記ワークモータのいずれか一方の速度フィードフォワードとして加えることを特徴とする請求項1記載の歯車同期加工方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-09-09 JP JP2003317136A patent/JP2005081500A/ja active Pending
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