JP2005040930A - 加工工具の磨耗状況判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 新品の加工工具もしくは再研磨をした加工工具を使用した時に加工工具が初期磨耗状態から定常磨耗状態へ移行する時期を、生産能率を高く維持したままで判定する。
【解決手段】 制御装置21の作動の下で、仮に設定された切込み量により加工工具12による1回目の加工を実行し、切込み量の設定値と加工後に計測器16によって計測された寸法との差を1回目の加工による加工工具12の磨耗量とみなす。その差の値を切込み量の設定値に加えることにより、2回目の加工のための切込み量を新たに設定する。以下同様に、加工と計測と切込み量の設定値の漸進的な変更を繰り返して、1個目の被加工物31が目標値の許容範囲内に到達した時に2個目の加工に移行する。そして、唯1回の加工によって計測値が目標値の許容範囲内に到達する被加工物が発生すると共に、それが所定の個数以上連続した時に、加工工具12が定常磨耗状態に到達したものと判定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、新品の加工工具もしくは再研磨をした加工工具を使用した時に、工具が初期磨耗状態から定常磨耗状態へ変化したか否かを判定するための、加工工具の磨耗状況判定方法に関するものである。
旋盤削りのような切削加工において、加工工具(バイト)が新品である時、或いは再研磨をされたものである時には、加工を開始した直後に工具の磨耗量が著しく多くなる。この現象を「初期磨耗」と言う。その後は磨耗量が減少して「定常磨耗」になるので、従来は、自動運転が可能な切削加工装置でも加工を開始した直後は切削加工装置を作業者による手動運転として、作業者が加工後の被加工物の全てについて加工部分の寸法を計測し、個々の被加工物の計測値に応じて加工工具の切込み量を個別に補正して再加工を行っていた。そして、被加工物の寸法を補正する必要が殆ど無くなった時に、加工工具の初期磨耗状態が終わって定常磨耗状態になったものと判断して、その時点から切削加工装置を自動運転に切り替えるのが通例である。
このように、加工工具の磨耗が初期磨耗状態から定常磨耗状態へ移行する時期を作業者が判断すると共に、定常磨耗状態に達したと判断される時までは、1個ずつ被加工物の寸法を補正するために切削加工装置を手動運転していたので、初期磨耗状態が続いている間は切削加工装置を自動運転に切り替えることができないことから、手動運転が長く継続する結果、加工開始後の初期の生産能率がきわめて悪くなるという問題があった。
また、他の従来技術として、加工工具の初期磨耗が凡そ何個の被加工物の切削加工が終わった頃に終わるということが経験的に判っている場合には、その個数を若干上回る数の被加工物を切削加工装置の自動運転によって加工して、加工工具を早期に定常磨耗状態に到達させるという作業方法も実際に行なわれている。しかしながら、この方法によると、加工工具を早期に定常磨耗状態に到達させることができる反面、定常磨耗状態になるまでに加工された被加工物は殆ど全てが、寸法が目標値から外れた不良品となるから、それらの多数の不良品を廃棄処分にすると材料と時間の無駄遣いになるし、多数の不良品の寸法を1個ずつ補正すると、時間とコストが嵩むので、全体としてコストや手数を低減させることができない。
本発明は、上記のような従来技術における問題に鑑み、新品の加工工具もしくは再研磨をされた加工工具を使用する時でも、加工の初期から切削加工装置を自動運転することができるような、加工工具の磨耗状況判定方法を提供するものである。
本発明は、前記の課題を解決するための1つの手段として、請求項1に記載された加工工具の磨耗状況判定方法を提供する。
この方法においては、新品の加工工具もしくは再研磨をした加工工具を使用した時に、まず、試し削りである1回目の加工のための切込み量を仮に設定して、1個目の被加工物に対して1回目の加工を実行し、加工後に寸法を計測して、切込み量の設定値との差の値を算出し、差の値を1回目の加工による加工工具の磨耗量とみなして、それを1回目の切込み量に加えることにより2回目の加工のための新たな切込み量を設定する。このように切込み量の設定値を漸進的に変更しながら2回目以降の加工を繰り返して実行する。そして加工後に計測された寸法が目標値の許容範囲内に到達した時に、1個目の被加工物の加工を終了して、直ちに2個目の被加工物の加工に移るが、切込み量の設定値は継続して漸進的に変更する。その間に、1個の被加工物が、唯1回の加工によって目標値の許容範囲内に到達するようになるので、その被加工物の個数が連続して所定の数を越えた時に、加工工具が初期磨耗状態から定常磨耗状態に移行したものと判定する。
本発明は、前記の課題を解決するための他の手段として、請求項2に記載された加工工具の磨耗状況判定方法を提供する。
この方法においては、n回目の加工において設定された切込み量をAn、加工後に計測された加工部分の寸法をBn、前回までの加工によって加工工具に生じた合計の磨耗量をa(n−1)とした場合に、n回目の加工に先立って設定される切込み量Anは、
An=A1+a(n−1)=2A1−B1+A2−B2+A3−B3+……
+A(n−1)−B(n−1)
として算出される。また、n回の加工を繰り返したことによって加工工具に生じる合計の磨耗量anは、
an=An−Bn+a(n−1)
として算出される。そして、
An−Bn≒0
となることによって、
an≒a(n−1)≒一定
となった時に、加工工具が初期磨耗状態から定常磨耗状態に移行したものと判定する。
いずれの場合も、本発明を旋盤や、それに類似する工作機械に適用することができる。また、それらの工作機械(切削加工装置)が自動運転可能なものであれば、本発明の判定方法はその制御装置によって自動的に実行され得る。本発明の判定方法が実行されると、加工を繰り返す度に切込み量の設定値と加工後に計測される寸法との差が小さくなって限りなく0に近づくので、生産能率を高く維持した状態で加工を継続しながら、加工工具が初期磨耗状態から定常磨耗状態へ移行する時期を確実に判定することができる。更に、唯1回の加工によって加工後の計測寸法が目標値の許容範囲内に到達する被加工物の数を計数することにより定常磨耗状態への移行を判定するので、判定ミスを確実に防止することができる。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。図1は本発明の加工工具の磨耗状況判定方法を適用することができると共に、自動運転が可能な切削加工装置1の構成を示したもので、この切削加工装置1は少なくとも加工後において被加工物31の寸法を計測することができる手段と、切削加工装置1全体の作動を制御することができる制御装置21を含んでいる。また、図2から図8は、被加工物31等に対する加工の進行状況を示すと共に、切削工具12の磨耗状況を判定する方法の手順を示す工程図である。
本発明の判定方法が適用される切削加工装置1として図1に示されたものは、自動運転が可能な旋盤である。しかし、本発明の適用対象は旋盤に限られないし、本発明は切削加工装置1そのものの細部構造には直接に関係がないから、切削加工装置1の構造の説明は主要部のみにとどめて、細部構造等についての説明は省略する。切削加工装置1の主要部の中で、4は所謂心押し台のような第1の被加工物保持部を示している。5は第1の被加工物保持部4と協働する所謂チャックのような第2の被加工物保持部であって、これらの保持部4,5によって円柱状の被加工物31が切削加工装置1の主軸Lの回りに回転可能に挟持される。この場合は、被加工物31の中心軸線が、切削加工装置1の主軸Lと一致している。
12は加工工具(バイト)であって、13はそれを保持する工具台である。工具台13は主軸Lに沿って移動することができると共に、主軸Lに対して直角の方向に移動することができる。そのために、主軸Lと平行な第1の送り螺子軸51と、螺子軸51に螺合するクロスヘッド53に乗って、常に主軸Lに対して直角な方向に指向しながら主軸Lの方向に移動することができる第2の送り螺子軸52が設けられる。工具台13は第2の送り螺子軸52に対して螺合しているが、それ自体は回転しないように、図示しない機構によって案内、支持されている。
第1の送り螺子軸51を回転させるために、ステップモータのようなサーボモータを含む第1の工具駆動装置22が設けられると共に、第2の送り螺子軸52を回転させるために別のサーボモータを含む第2の工具駆動装置23が設けられる。また、第1の工具駆動装置22を駆動するために駆動回路24が設けられると共に、第2の工具駆動装置23を駆動するために駆動回路25が設けられる。これらの駆動回路24及び25は、それぞれ制御装置21に接続されて、制御装置21から制御信号を受けることにより駆動装置22及び23を作動させる。それによって螺子軸51及び52がそれぞれ制御装置21が指令する回転方向と回転角度に応じて回転し、工具台13を主軸Lに沿った方向と、それに対して直角な方向にそれぞれ移動させて、加工工具12の刃先12aを自由に位置決めすることができる。
被加工物31の寸法を計測するために、開閉することができる2本の脚状の計測子15を備えている計測器15が被加工物31の近傍に設けられる。計測器16はA/D変換回路17を介して制御装置21に接続されている。計測子15を開閉させて被加工物31に接触させることにより、被加工物31の加工部分における外径のような寸法が計測器16によって検出される。この寸法に対応して計測器16が出力するアナログ信号がA/D変換回路17によってディジタル信号に変換されて制御装置21へ入力される。
次に、図2以下の図面に従って、切削加工装置1の作動について説明する。即ち、切削加工装置1の作動とは、加工工具12によって被加工物31を切削加工し、必要に応じて加工の前後に計測器16によって加工部分の寸法を計測して制御装置21に入力し、制御装置21によって切込み量を算出して加工工具12の刃先12aを最適の位置に位置決めするというものであるが、従来技術に相当する部分の他に、新規な技術として本発明の加工工具の磨耗状況判定方法を含んでいる。切削加工装置1の加工が開始される前に、図2に示すような円柱形の被加工物31が切削加工装置1上へ供給され、図1に示すように切削加工装置1の主軸L上に心合わせをされて、保持部4,5によって保持される。また、この場合は、予め、新品の切削工具、もしくは再研磨をした切削工具12が工具台13上に取り付けられている。なお、このような操作の少なくとも一部は人手の他に、図示しないロボットハンド等によって機械的に行うことができる。
第1段階:試し削りのための切込み量の設定
最初に、制御装置21の作動によって試し削り(1回目の切削加工)のための切込み量を自動的に設定する。勿論、これは作業者が制御装置21を手動で操作して行ってもよいことである。試し削りのための切込み量は、例えば、加工工具12の刃先12aが被加工物31に向かって切り込んだ時に、もし刃先12aに全く磨耗が生じなければ刃先12aが図3に示す所定の位置(或いは寸法)A1まで到達するように設定する。つまり、加工工具12の磨耗を考慮しない時の狙いの位置としてA1を設定する。試し削りに先立って仮に設定される所定の位置A1は、後述のようにして「定常磨耗状態」に到達した後の加工工具12のための狙い位置(最終的な目標寸法)よりも少し手前の、削り過ぎにならない位置として選定すべきである。
第2段階:試し削り(1回目の切削加工)の実行
前述の第1段階において設定された条件の下で、被加工物31を主軸Lの回りに回転させて、加工工具12の刃先12aを所定の位置A1に向かって被加工物31に切り込むことにより、図3に示すように試し削りを実行する。もし、試し削りによって加工工具12の刃先12aに全く磨耗が生じないと仮定すれば、試し削りが終わった時に刃先12aが狙い位置である所定の位置A1に到達して、図4に示す加工後の寸法B1が狙った寸法A1と同じになる筈であるが、新品の切削工具もしくは再研磨をした切削工具には前述のように加工開始直後に大きな初期磨耗が生じることから、試し削り後の寸法B1は所定の寸法A1に到達することができない。試し削りの結果、通常はB1>A1となる。そして、これらの値の差(A1−B1)は負の値になるが、その値の絶対値が、試し削りによって刃先12aに生じた磨耗量の大きさを反映している筈である。
第3段階:試し削りによる初期磨耗量の算出
前述の観点から、図4に示すように計測器16の計測子15を被加工物31の試し削り後の加工部分に接触させて加工後の寸法B1を計測し、
a1=A1−B1
として、差の値a1を制御装置21において算出する。この場合は、試し削りの際に加工工具12の刃先12aに初期磨耗が生じたために、狙いの寸法A1に到達することができないでB1になったことから、差の値a1が試し削り(1回目の切削加工)による磨耗量に等しいものとみなすことができる。
第4段階:2回目の切削加工のための切込み量の設定
試し削りにおいて加工工具12の刃先12aに生じた初期磨耗による切込み量の不足を補償するために、同じ被加工物31に対して2回目の切削加工を行うが、それに先立って2回目の切削加工のための切込み量A2を設定する。この場合は、第3段階において算出した初期磨耗量a1の分だけ切込み量を増加させて対応する。即ち、
A2=A1+a1=2A1−B1
を算出して、制御装置21に新たな切込み量として設定し、加工工具12の刃先12aを新たな位置に位置決めする。前述のように初期磨耗量a1は負の値であるから、新たに設定される切込み量A2は、先に試し削りにおいて設定された切込み量A1よりも、試し削りにおける初期磨耗量a1の絶対値だけ小さい値となる。
第5段階:2回目の切削加工の実行
図5に示すように、試し削り後の被加工物31に対して、加工工具12の刃先12aを新たに制御装置21に設定された切込み寸法A2に応じて位置決めして、1個目の被加工物31に対する2回目の切削加工を実行する。
第6段階:磨耗量の算出
図6に示すように、2回目の切削加工後の被加工物31に計測器16の計測子15を接触させて加工後の寸法B2を計測し、制御装置21において、
a2=A2−B2+a1
として磨耗量の合計値a2を算出する。通常、磨耗量の合計値a2は負の値になる。
第7段階:1個目の被加工物についての加工の終了
磨耗量a2を算出するために必要な(A2−B2)の値は、先にa1を算出した場合と同様に、2回目の切削加工における狙いの寸法と、加工後において実際に計測された寸法との差である。従って、(A2−B2)の値は2回目の切削加工における刃先12aの磨耗量とみなすことができる。この値と試し削りによる磨耗量a1との和である値a2は、試し削りと2回目の切削加工が終わった状態における刃先12aの磨耗量の合計値を示すことになる。しかし、試し削りによる初期磨耗を経ているので、2回目の加工による磨耗量(A2−B2)の絶対値は、試し削りによる磨耗量a1の絶対値よりも小さくなっている。更に、1個目の被加工物31に対してn回目まで、同様な切削加工と寸法の計測及び切込み量の補正を繰り返して行うと、合計の磨耗量anは収束して限りなく一定値に近づいて行く。そこで、加工後の計測値が最終的な目標値(目標の寸法)から見て所定の許容範囲内に達した時に、1個目の被加工物31の加工を終了する。
第8段階:2個目の被加工物に対する切込み量の設定
1個目の被加工物31の切削加工が終了した後に、被加工物31を切削加工装置1上から排出し、図7に示すように、2個目の被加工物32を切削加工装置1の主軸L上へ供給して、図1に示す保持部4,5によって保持する。制御装置21において2個目の被加工物32に対して設定する切込み量A3は、もし図示実施例のように1個目の被加工物31の切削加工が試し削りと2回目の加工だけで目標値の許容範囲内に到達して終了した場合には、2個目の被加工物32に対する1回目の加工は加工工具12にとっては3回目の切削加工になるので、この場合は最初に設定した切込み量A1に対して、1個目の被加工物31に対する2回目の切削加工の後で算出した合計の磨耗量a2を加えた値、即ち、
A3=A1+a2=2A1−B1+A2−B2
を切込み量の新たな設定値とする(設定値を変更する)。一般的に言って、1個目の被加工物31に対してn回の切削加工を加えた後に、計測された寸法が目標値の許容範囲内に到達した場合には、その最終工程の後で算出された加工工具12の合計の磨耗量をanとすれば、2個目の被加工物32に対する1回目の加工、即ち、加工工具12にとってはn+1回目となる切削加工における切込み量の設定値A(n+1)を、
A(n+1)=A1+an
に変更する。
第9段階:2個目の被加工物に対する切削加工の実行
2個目の被加工物32に対して、切込み量A3(一般的にはA(n+1))を制御装置21に設定して、図7に示すように切削加工を実行する。
第10段階:磨耗量の算出
2個目の被加工物32に対する切削加工が行なわれた後に、計測器16によって加工後の寸法B3が計測される。そして、前述の場合と同様に差の値(A3−B3)が算出される。この値は、2個目の被加工物32に対する1回目の切削加工によって生じた加工工具12の刃先12aの磨耗量とみなすことができる。従って、その時までに加工工具12の刃先12aに生じた磨耗量の合計値a3は、
a3=A3−B3+a2
となる。この値は,2個目の被加工物32について図示していない2回目以降の切削加工を行う時とか、図示していない3個目以降の被加工物に対して同じ加工工具12によって切削加工を行う時に、加工工具12の切込み量を設定するために必要となる。
一般的に、1個の加工工具12によるn回の切削加工後における初期磨耗量の合計値anは、n回目の切削加工における切込み量の設定値をAnとすると共に、n回目の加工後に計測された寸法をBnとし、前回(n−1回)までの合計の磨耗量をa(n−1)とすれば、
an=An−Bn+a(n−1)
として与えられる。従って、次のn+1回目の切削加工において新たな切込み量として設定値すべき値Anは、
An=A1+a(n−1)=2A1−B1+A2−B2+A3−B3+……
+A(n−1)−B(n−1)
として算出することができる。しかしながら、通常、
An−Bn→0
A3−B3+…+A(n−1)−B(n−1)→0
であって、3回目以降の切削加工による磨耗量は零に近くなるので、2個目の被加工物32以降の被加工物については、それよりも前の被加工物よりも少ない回数の切削加工を加えることによって目標値の許容範囲内に到達することができるようになる。
第11段階:切削工具が定常磨耗状態に達したことの判定
このように、切削加工と計測を繰り返しながら、その都度切込み量の設定値を漸進的に修正して行くので、比較的に少数の被加工物31を目標寸法まで正確に切削加工している間に加工工具12の刃先12aの初期磨耗が終了し、唯1回の切削加工によって被加工物31の寸法が目標値の許容範囲内に到達するようになる。しかも、この作業は切削加工装置1の自動運転によって殆ど人手をかけないで自動的に行うことが可能である。そして、加工工具12が定常磨耗状態に到達したことは、所定の個数(例えば3個)の連続する被加工物が唯1回の切削加工によって目標値の許容範囲内に到達したことによって判定することができる。これは実質的に、
An−Bn=0
になったことを意味するので、それ以後は計測の回数と、それに伴う切込み量の修正の回数を減らして、例えば50個とか100個程度の多数の被加工物の加工が終わった時にそれらを行うというように、制御装置21における設定を変更することより、切削加工装置1を高速で自動運転して生産能率を向上させることができる。
このように、本発明の加工工具の磨耗状況判定方法によれば、加工工具12を初期磨耗状態から定常磨耗状態へ迅速に移行させると共に、移行した時期を正確に判定することができるので、初期磨耗状態の間に手間取って生産能率を低下させることがなく、被加工物等の材料を無駄遣いすることもないので、生産コストを大幅に低減することができる。
本発明の磨耗状況判定方法は、自動運転が可能な旋盤類に適用することができるだけでなく、広く研磨盤やフライス盤等の工作機械にも適用することができる。
本発明の方法を適用する切削加工装置を例示するシステム構成図である。 被加工物を例示する正面図である。 1回目の切削加工状態(試し削り)を示す正面図である。 1回目の加工後の寸法を計測する状態を示す正面図である。 2回目の切削加工状態を示す正面図である。 2回目の加工後の寸法を計測する状態を示す正面図である。 3回目の切削加工状態を示す正面図である。 3回目の加工後の寸法を計測する状態を示す正面図である。
符号の説明
1…切削加工装置
4,5…被加工物保持部
12…加工工具
12a…刃先
15…計測子
16…計測器
22,23…工具駆動装置
31,32…被加工物
51,52…螺子軸

Claims (3)

  1. 新品の加工工具もしくは再研磨をした加工工具を使用した時に、1回目の加工のための切込み量を仮に設定する段階と、
    切込み量の設定値に従って1個目の被加工物に対する1回目の加工を実行する段階と、
    1回目の加工後に被加工物の加工部分の寸法を計測する段階と、
    計測された寸法と切込み量の設定値との差を算出し、差の値を1回目の加工による加工工具の磨耗量とみなして、それを1回目の切込み量の設定値に加えることにより、2回目の加工のための新たな切込み量を設定する段階と、
    新たに設定された切込み量に従って2回目の加工を実行する段階と、
    2回目の加工後に被加工物の加工部分の寸法を計測する段階と、
    計測された寸法と2回目の切込み量の設定値との差を算出し、差の値を2回目の加工による加工工具の磨耗量とみなして、それを2回目の切込み量の設定値に加えることにより3回目の加工のための新たな切込み量を設定する段階と、
    設定された切込み量に従って3回目の加工を実行する段階と、
    3回目の加工後に被加工物の加工部分の寸法を計測する段階と、
    以下同様に、計測された寸法と切込み量の設定値との差に基づいて次回の加工のための切込み量を漸進的に変更しながら設定し、加工と計測を繰り返す段階と、
    その間に計測された寸法が目標値の許容範囲内に到達した時に1個目の被加工物の加工を終了して2個目の被加工物の加工に移行する段階と、
    2個目以降の被加工物についても継続して切込み量を漸進的に変更しながら設定し、加工と計測を繰り返す段階と、
    唯1回の加工によって目標値の許容範囲内に到達する被加工物が発生した後に、そのような被加工物が所定の個数以上連続して発生した時に、加工工具が初期磨耗状態から定常磨耗状態に移行したものと判定することを特徴とする加工工具の磨耗状況判定方法。
  2. 新品の切削工具もしくは再研磨をした切削工具を使用した時に、n回目の加工に先立って設定された切込み量をAn、加工後に計測された加工部分の寸法をBn、前回までの加工によって加工工具に生じた合計の磨耗量をa(n−1)とした場合に、n回目の加工に先立って設定された切込み量Anが、
    An=A1+a(n−1)=2A1−B1+A2−B2+A3−B3+……
    +A(n−1)−B(n−1)
    として算出されると共に、n回の加工を繰り返したことによって加工工具に生じた合計の磨耗量anが、
    an=An−Bn+a(n−1)
    として算出され、且つ、
    An−Bn≒0
    となることによって、
    an≒a(n−1)≒一定
    となった時に、加工工具が初期磨耗状態から定常磨耗状態に移行したものと判定することを特徴とする加工工具の磨耗状況判定方法。
  3. 請求項1又は2において、加工工具が旋盤に使用される切削工具であることを特徴とする加工工具の磨耗状況判定方法。
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