JP4144955B2 - 歯車加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホブを回転させつつ被削歯車に対して相対的に移動させることにより歯車を加工する歯車加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、歯車を加工するに際しては、荒加工としてホブ盤上で高速度鋼製ホブまたは超硬製ホブを用いたホブ加工を行ない、その後歯端面に発生したバリ除去を含めた歯端面の面取加工を専用機で行ない、仕上げ加工としてシェービングカッタ(高速度鋼製)によるシェービング加工を行い所定の精度(JIS3〜4級)を得るようにされている。
【0003】
前記歯端面の面取加工は、▲1▼後工程のシェービング加工で所定の精度を効率的かつ安定して得る、▲2▼端面に発生したバリ除去を含め、歯車の噛合い時に歯面にある突起が原因となり発生する振動を抑制する、ことを目的として行なわれる。
【0004】
また、その他の歯車加工方法としては、シェービング加工を廃止して、NCホブ盤のみで荒・仕上げ加工を行なう工程集約工法が用いられており、この工程集約工法ではそれら荒・仕上げ加工を行なった後に面取り加工が行なわれる。
【0005】
ところで、通常ホブ加工時に歯下端に発生するバリをホブ盤上で除去するバリ除去設備として、旋削用切れ刃と同様の切れ刃を歯下端部にセット(歯車下端との隙間0.2〜0.5mm)し、ホブ加工中に歯下端部に発生したバリを前記切れ刃で切削除去するものが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の一般的な歯車加工方法においては、ホブ加工,面取り加工およびシェービング加工の3工程を必要とするため、それぞれに設備,治工具およびワーク搬送(脱着を含む)を要し、加工費および加工リードタイムが大きくなるという問題点がある。一方、前記工程集約工法では、仕上げ加工が行なわれた後に面取り加工が行われるため、噛合い歯面側にカエリが発生する場合があるという問題点がある。
【0007】
また、前記バリ除去設備では、歯端面に発生するバリを完全に除去することが不可能であるという問題点がある。
【0008】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、バリ除去設備,治工具およびワークの搬送を要せず、歯端面にバリを発生させることなく高精度の歯車を加工することができ、加工費および加工リードタイムを小さくすることができる歯車加工方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前述された目的を達成するために、本発明による歯車加工方法は、
被削歯車の一端面側から他端面側に向けて正回転し、その回転方向にすくい面を有する第1ホブと、前記被削歯車の他端面側から一端面側に向けて逆回転し、その回転方向にすくい面を有する第2ホブとを用いて歯車加工を行なう歯車加工方法であって、
前記第1ホブを正回転させつつ被削歯車に対して相対的に移動させて被削歯車の切削を行ない、前記第1ホブの回転中心位置が前記被削歯車の他端面の延長線上に達する前に第1ホブを退避させ、次いで前記第1ホブにより形成された歯に対して切れ刃の位相を合せるように第2ホブを配置し、続いて前記第2ホブを逆回転させつつ被削歯車に対して相対的に移動させて被削歯車の切削を行なうことを特徴とするものである。
【0010】
本発明によれば、被削歯車の一端面が他端面側に向けて、他端面が一端面側に向けてそれぞれ切削されて歯車が加工されるため、一端面もしくは他端面にバリが生じてもバリ除去作業を行なうことなくそのバリを除去することができ、仕上げ加工まで行なうことにより所定の精度(JIS3〜4級)の歯車を加工することができる。このようにホブ加工の段階でバリを発生させないため、従来の面取り加工工程を省略することができる。したがって、工程および加工時間(加工リードタイム)の短縮を図ることができるとともに、加工費を低減させることができるという効果を奏する。
【0011】
通常、歯車加工工程に伴って端面に発生するバリの大きさは、被削材質,モジュール,送り,切削速度,切れ刃の切れ味等により変化するものである。本発明によれば、前述のように第1ホブは一端面を切削し他端面の切削が完了しない状態で退避され、その他端面が第2ホブにより切削されるため、前記条件により大きいバリが発生する場合であってもより確実にバリを除去することができるという効果を奏する。こうして両端面にバリのない所定精度の歯車が加工される。
【0012】
本発明においては、被削歯車の各端面が上下方向となるように配置し、前記第1ホブを上端面側から下端面側に向けて移動させ、第2ホブを下端面側から上端面側に向けて移動させる際の、第1ホブの回転中心の軌跡が第2ホブの回転中心の軌跡より長くなるように設定されているのが好ましい。こうすることにより、剛性を向上させることができ、加工能率を向上させることができるという効果を奏する。
【0013】
本発明においては、前記第1ホブにより被削歯車の切削の荒加工を行ない、第2ホブにより被削歯車の切削の仕上げ加工を行なうのが好ましい。こうすることにより、従来の3つの工程(ホブ加工,面取り加工,仕上げ加工)を1つの工程(ホブ加工)に短縮して所定精度の歯車を加工することができる。したがって、加工リードタイムの短縮および加工費の低減を図ることができる。
【0014】
本発明においては、前記第1ホブおよび第2ホブによる被削歯車の切削終了後に、被削歯車の一端面側から他端面側に正回転もしくは他端面側から一端面側に向けて逆回転し、その回転方向にすくい面を有する第3ホブを前記第1ホブおよび第2ホブにより被削歯車に形成された歯に対して切れ刃の位相を合せて、この第3ホブを回転させつつ一端面側から他端面側に向けて、もしくは他端面側から一端面側に向けて移動させて被削歯車を切削して仕上げ加工を行なうのが好ましい。このように第1ホブおよび第2ホブにより歯が形成された後、第3ホブにより仕上げ加工を行うことにより、第1ホブと第2ホブとの切削加工境界線上に生じる段差を除去することができ、加工精度を向上させることができると
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による歯車加工方法の具体的な実施の形態につき、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
図1に本発明の第1実施例に係る歯車加工装置1の斜視図が、図2に前記歯車加工装置1に装着されるホブ本体の概略図がそれぞれ示されている。また、図3には、第1実施例の歯車加工方法を説明する説明図が示されている。
【0023】
第1実施例の歯車加工装置1は、ホブ本体2を支持して図中Z軸方向に上下移動するホブ支持部1aを備え、X軸方向に移動可能な加工部1bと、その加工部1bの対向位置でかつZ軸を回転軸として回転する歯車支持テーブル1cとにより構成されている。前記ホブ支持部1aには、図示されないモータが装着されており、このホブ支持部1aに装着されるホブ本体2がY軸を回転軸として正方向および逆方向に回転するように構成されている。なお、図1においては、ホブ支持部1aにホブ本体2を装着していない状態が示されている。
【0024】
前記ホブ本体2は、ホブ軸2a上に第1荒加工ホブ(本発明における第1ホブに相当する。)3と第2荒加工ホブ(本発明における第2ホブに相当する。)4と仕上げ加工ホブ(本発明における第3ホブに相当する。)5とが装着されてなり、前記第1荒加工ホブ3と第2荒加工ホブ4とは互いに回転方向が逆向きとなるようにされている。また、前記ホブ本体2は、前記ホブ支持部1aに装着される際に回転駆動側(ホブ盤主メタル側)から順に仕上げ加工ホブ5,第1荒加工ホブ3,第2荒加工ホブ4となるように構成されている。また、前記歯車支持テーブル1c上には被削歯車6が支持されている。
【0025】
前記第1荒加工ホブ3は、被削歯車6の上端面6a側から下端面6b側(歯車支持テーブル1c側)に向けて(歯幅下方向に)回転(以下、正回転という。)するようにされており、その回転方向にすくい面3aが設けられている。前記第2荒加工ホブ4は、被削歯車6の下端面6b側から上端面6a側に向けて(歯幅上方向に)回転(以下、逆回転という。)するようにされており、その回転方向にすくい面4aが設けられている。前記仕上げ加工ホブ5は、第1荒加工ホブ3と同様に、被削歯車6の上端面6a側から下端面6b側に向けて正回転するようにされており、その回転方向にすくい面5aが設けられている。
【0026】
このように構成される歯車加工装置1においては、ホブ支持部1aをY軸方向(ホブ軸)方向に移動させて被削歯車6の対向位置に第1荒加工ホブ3を配置させ、前記ホブ本体2を第1荒加工ホブ3の回転中心が切削開始位置Aに達するまで早送りでX軸方向に前進させる。この第1荒加工ホブ3の切削開始位置Aは、被削歯車6の上端面6aより上方で、この切削開始位置Aに回転中心が一致された第1荒加工ホブ3の切れ刃が被削歯車6に接することなく、また被削歯車6中心側の切れ刃先端が予め設定される歯車の切込み深さの延長線上より仕上げ加工の取り代分だけ外周側となるように設定されている。次いで、第1荒加工ホブ3を正回転させつつホブ支持部1aを切削送りで垂直下方向(Z軸方向)に移動させて被削歯車6の上端面6aを切削し、この第1荒加工ホブ3の回転中心が前記被削歯車の歯下端面6bよりやや上方の退避位置Bに達した時点でホブ本体2(加工部1b)を早送りでX軸方向に後退させる。こうして第1荒加工ホブ3による切削が終了する。
【0027】
続いて、前記第1荒加工ホブ3により被削歯車6に形成された歯に対して第2荒加工ホブ4の切れ刃の位相を合わせるようにホブ支持部1aをホブ軸方向(Y軸方向)に移動させて、被削歯車6の対向位置に第2荒加工ホブ4を配置させる。その後、このホブ本体2を第2荒加工ホブ4の回転中心が切削開始位置Cに達するまで早送りでX軸方向に前進させる。この第2荒加工ホブ4の切削開始位置Cは、前記第1荒加工ホブ3の切削開始位置Aの垂下位置で、かつ被削歯車6の下端面6bより下方であり、この切削開始位置Cに回転中心が一致された第2荒加工ホブ4の切れ刃が被削歯車6に接しないように設定されている。次いで、前記第2荒加工ホブ4を逆回転させつつホブ軸2を切削送りで垂直上方向(Y軸方向)に移動させ、被削歯車6の下端面6bを切削しこの第2荒加工ホブ4の回転中心が前記退避位置Bよりやや上方の荒加工終了位置Dに達した時点でホブ本体2を早送りでX軸方向に後退させる。こうして第2荒加工ホブ4による切削が終了する。
【0028】
前記第2荒加工ホブ4による切削が終了後、前記第1および第2荒加工ホブ3,4により被削歯車6に形成された歯に対して仕上げ加工ホブ5の切れ刃の位相を合わせるように、ホブ支持部1aをY軸方向に移動させて仕上げ加工ホブ5を被削歯車6に対向させる。この仕上げ加工ホブ5の回転中心が仕上げ加工開始位置Eに達するまで前記ホブ本体2を早送りで前進させる。この仕上げ加工開始位置Eは、被削歯車6の上端面6aより上方で、この仕上げ加工開始位置Eに回転中心が一致した仕上げ加工ホブ5の切れ刃が被削歯車6に接することなく、また被削歯車6中心側の切れ刃先端が予め設定される歯車の切込み深さの延長線上となるように設定されている。次いで、前記仕上げ加工ホブ5を正回転させつつホブ軸2を切削送りで下方向に移動させ、この仕上げ加工ホブ5の回転中心が前記被削歯車6の下端面6bより下方の仕上げ加工終了位置Fに達した時点でホブ本体2を早送りで後退させる。こうして第1荒加工ホブおよび第2荒加工ホブにより形成された歯が予め設定された切込み深さとなるように仕上げ加工が施されて歯車加工が完了する。
【0029】
第1実施例によれば、被削歯車6の上端面6aおよび下端面6bがそれぞれ第1荒加工ホブ3および第2荒加工ホブ4により上から下向きもしくは下から上向きにそれぞれ切削されるため、各端面6a,6bにバリが発生するのを防止することができる。また、第1荒加工ホブ3と第2荒加工ホブ4との切削境界線に段差が発生した場合であっても、仕上げ加工ホブ5により矯正されて高精度の歯車を加工することができるという効果を奏する。
【0030】
第1実施例によれば、ホブ加工のみの工程で従来行なわれていたホブ加工,面取り加工,シェービング加工の3つもしくは2つの工程を行なうことができるため、面取り加工およびシェービング加工用設備,治工具やワークの搬送などが必要でなくなり、加工費の低減,加工リードタイムの短縮を図ることができる。なお、従来の加工リードタイムは3工程(ホブ加工,面取り加工,シェービング加工)で加工した場合が12.6分,2工程(ホブ加工,面取り加工)で加工した場合が8.4分であったのに対し、本実施例の加工リードタイムは第1,2荒加工ホブ3,4が高速度鋼製ホブである場合が5.0分,超硬製スロアウエイホブである場合が2.5分である。
【0031】
第1実施例によれば、被削歯車6の下端面6bが歯車支持テーブル1cに支持されており、上から下向きにかかる力に対して強い構造とされている。したがって、第1荒加工ホブ3および仕上げ加工ホブ5が上端面6a側から下端面6b側に向けて移動されるとともに、第1荒加工ホブ3の切削長が第2荒加工ホブ4の切削長より十分長くされているため、剛性および加工能率の向上を図ることができ、長期間に渡って高精度を維持することができるという効果を奏する。
【0032】
第1実施例においては、仕上げ加工ホブ5が被削歯車6の上端面6aから下端面6bに向けて切削するように設定されているが、これに限らず、下端面6bから上端面6aに向けて切削するように設定されていてもよい。また、第1実施例においては、第1荒加工ホブ3が被削歯車6の上端面6aから下端面6bに向けて、第2荒加工ホブ4が被削歯車6の下端面6bから上端面6aに向けて切削するようにされているが、これに限らず、第1荒加工ホブ3が被削歯車6の下端面6bから上端面6aに向けて、第2荒加工ホブ4が被削歯車6の上端面6aから下端面6bに向けて切削するようにされていてもよい。このように第1荒加工ホブ3と第2荒加工ホブ4とは互いに逆方向に回転および移動するようにされていればよいため、第1荒加工ホブ3,第2荒加工ホブ4および仕上げ加工ホブ5の回転移動方向には表1に示される4種類の組み合わせがある。
【表1】
【0033】
第1実施例の変形例に係る歯車加工方法は、前記歯車加工装置1を用いて行なわれ、その説明図が図4に示されている。前記第1実施例と同様に、第1荒加工ホブ3による切削が行なわれた後、ホブ支持部1aをホブ軸方向に移動させて第2荒加工ホブ4を被削歯車6の対向位置になるように配置させる。なお、前記第2荒加工ホブ4の切れ刃は、前記第1荒加工ホブ3により形成された歯に対して位相を合わせるようにされている。
【0034】
この第2荒加工ホブ4を回転させつつ水平および垂直方向に移動させて水平切削(プランジ加工)および垂直切削が行なわれる。すなわち、前記ホブ本体2を第2荒加工ホブ4の回転中心がプランジ加工開始位置Gに達するまで早送りで前進させる。このプランジ加工開始位置Gは、被削歯車6の下端面6bの延長線上もしくはそのやや下方であり、そのプランジ加工開始位置Gに回転中心が一致された第2荒加工ホブ4の切れ刃が被削歯車6に接しないように設定されている。
【0035】
次いで、前記第2荒加工ホブ4を回転させつつホブ本体2を切削送りで水平方向に前進させ、第2荒加工ホブ4の切れ刃が被削歯車6の切り込み深さより仕上げ加工の取り代分だけ外側位置に到達した時点で垂直上方向に移動され、この第2荒加工ホブ4の回転中心が前記退避位置Bよりやや上方の荒加工終了位置Dに達した時点でホブ本体2を早送りで後退させる。こうして第2荒加工ホブ4による切削が終了し、続いて第1実施例と同様に、仕上げ加工ホブ5による仕上げ加工が行なわれて歯車加工が完了する。
【0036】
本変形例によれば、第2荒加工ホブを被削歯車6の下端面6bより十分下方に引き下げる必要がないため、被削歯車6の下方にスペースの余裕がなくても切削することができる。こうして第1実施例と同様に、バリの発生を防止して高精度の歯車を加工することができるとともに、加工工程および加工リードタイムの短縮,加工費の低減を図ることができる。なお、本実施例のプランジ加工は、垂直切削と比較すると加工速度が遅いが、加工距離が短いため加工リードタイムは第1実施例と略同一である。また、第1荒加工ホブ3の加工においてプランジ加工を実施しても構わない。
【0037】
次に、第2実施例に係る歯車加工装置は、前記ホブ支持部1aに装着されるホブ本体10の構成が異なる以外は、基本的に第1実施例の構成と異なるところがない。なお、第1実施例と共通する部分は同一符号を用いて説明する。図5に、第2実施例のホブ本体10の概略図が示されている。前記ホブ本体10は、同一ホブ軸11上に被削歯車の上端面から下端面に向けて回転し、その回転方向にすくい面12aを有する正転ホブ12と、被削歯車の下端面から上端面に向けて回転し、その回転方向にすくい面13aを有する逆転ホブ13とが装着されて構成されている。また、前記ホブ本体10は、ホブ支持部1aに装着され、ホブ軸方向に移動可能であるとともに、各ホブ12,13を各方向に回転させつつ上下方向に移動するようにされている。
【0038】
第2実施例においては、第1実施例の第1荒加工ホブ3と同様に、正転ホブ12が予め設定される切込み深さ位置より仕上げ加工の取り代分だけ外周側を被削歯車の上端面から下方向に切削し、下端面より下方位置で切削を終了する。次いで、前記逆転ホブ13を正転ホブ12により形成された歯に対してその切れ刃位相を合わすように、ホブ軸11をホブ軸方向に移動させる。仕上げ加工開始位置は被削歯車の下端面より下方で、この仕上げ加工開始位置に回転中心が一致した逆転ホブ13の切れ刃が被削歯車に接することなく、被削歯車中心側の切れ刃先端が予め設定される歯車の切り込み深さの延長線上となるように設定されている。この逆転ホブ13を回転させつつ下端面側から上方向に上端面まで移動させて切削する。こうして歯車加工が完了する。なお、正転ホブ12を仕上げ加工、逆転ホブ13を荒加工として、それぞれの加工に見合った切り込み深さにして実施しても構わない。
【0039】
第2実施例によれば、第1実施例と同様に歯車の両端面にバリを発生させることなく高精度の歯車を加工することができる。また、加工工程および加工リードタイムの短縮,加工費の低減を図ることができる。
【0040】
次に、第3実施例に係る歯車加工装置は、前記ホブ支持部1aに装着されるホブ本体20の構成が異なる以外は、基本的に第1実施例の構成と異なるところがない。なお、第1実施例と共通する部分は同一符号を用いて説明する。図6(a)(b)には、第3実施例のホブ本体20の概略図が示されている。前記ホブ本体20は、2つのホブ軸上21,22にそれぞれ被削歯車の上端面から下端面に向けて回転し、その回転方向にすくい面23aを有する正転ホブ23(図6(a))と、被削歯車の下端面から上端面に向けて回転し、その回転方向にすくい面24aを有する逆転ホブ24(図6(b))とが装着されて構成されている。前記ホブ支持部1aには、1つのホブ軸21(22)が装着され、他方のホブ軸22(21)は前記ホブ軸21(22)を取り外した後に装着される。このホブ支持部1aは、ホブ軸方向に移動可能であるとともに、各ホブ12,13を各方向に回転させつつ上下方向に移動するようにされており、さらに加工部1bによりX軸方向に移動可能とされている。また、前記各ホブ23,24が装着されたホブ軸21,22の交換は、手動・自動を問わない。
【0041】
このように構成される歯車加工方法においては、第2実施例と同様に、正転ホブ23が正回転しつつ被削歯車の上端面から下端面より上方位置まで移動して切削が終了した後、加工部1bにより正転ホブ23を支持するホブ軸21を退避させて、逆転ホブ24を支持するホブ軸22と交換し、逆転ホブ24を被削歯車の対向位置に配置し、前記正転ホブ23により形成された歯に対して逆転ホブ24の切れ刃位相を合わせるように調整する。その後、逆転ホブ24が逆回転しつつ被削歯車の下端面から上端面にかけて移動し、予め設定された切込み深さ位置まで切削して歯車の加工が完了する。こうして、上記実施例と同等の効果を奏する。
【0042】
第3実施例においては、加工部1bに1つのホブ軸支持部1aが備えられているが、これに限らず、互いに逆方向の回転駆動力を伝達する2つのホブ軸支持部を設け、それらホブ軸支持部にそれぞれホブ軸21,22を装着するようにしてもよい。
【0043】
また、第3実施例においては、X軸方向に移動可能な加工部1bに装着されるホブ支持部1aにホブ軸21,22が装着されて歯車加工装置が構成されているが、これに限らず、種々の工具を取付け可能である複合加工機に前記ホブ軸21,22を装着して歯車加工装置が構成されていてもよい。
【0044】
第2実施例および第3実施例においては、正転ホブ12,23による切削が下端面より上方位置で終了となり、逆転ホブ13,24により下端面から上端面にかけて切削するようにされているが、これに限らず、正転ホブ12,23により上端面から下端面にかけて切削した後逆転ホブ13,24により下端面6bから上端面にかけて切削するようにしてもよい。また、逆転ホブ13,24により下端面から上端面より下方位置もしくは上端面まで切削した後、正転ホブ12,23により上端面から下端面にかけて切削するようにしてもよい。
【0045】
前記各実施例においては、旋削用切れ刃と同様の切れ刃を被削歯車の下端面側に配置させてなるバリ除去設備を用いて、前述のように歯車が加工された後にバリ除去加工を施すことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例に係る歯車加工装置の斜視図である。
【図2】図1は、第1実施例のホブ本体の概略図である。
【図3】図3は、第1実施例の歯車加工方法を説明する説明図である。
【図4】図4は、第1実施例の変形例の歯車加工方法を説明する説明図である。
【図5】図5は、第2実施例のホブ本体の概略図である。
【図6】図6は、第3実施例の正転ホブの概略図(a)および逆転ホブの概略図(b)である。
【符号の説明】
1 歯車加工装置
1a ホブ支持部
1b 加工部
1c 歯車支持テーブル
2,10,20 ホブ本体
2a,11,21,22 ホブ軸
3 第1荒加工ホブ
4 第2荒加工ホブ
5 仕上げ加工ホブ
6 被削歯車
12,23 正転ホブ
13,24 逆転ホブ
A,C 切削開始位置
B 退避位置
D 荒加工終了位置
E 仕上げ加工開始位置
F 仕上げ加工終了位置
G プランジ加工開始位置
Claims (4)
- 被削歯車の一端面側から他端面側に向けて正回転し、その回転方向にすくい面を有する第1ホブと、前記被削歯車の他端面側から一端面側に向けて逆回転し、その回転方向にすくい面を有する第2ホブとを用いて歯車加工を行なう歯車加工方法であって、
前記第1ホブを正回転させつつ被削歯車に対して相対的に移動させて被削歯車の切削を行ない、前記第1ホブの回転中心位置が前記被削歯車の他端面の延長線上に達する前に第1ホブを退避させ、次いで前記第1ホブにより形成された歯に対して切れ刃の位相を合せるように第2ホブを配置し、続いて前記第2ホブを逆回転させつつ被削歯車に対して相対的に移動させて被削歯車の切削を行なうことを特徴とする歯車加工方法。 - 被削歯車の各端面が上下方向となるように配置し、前記第1ホブを上端面側から下端面側に向けて移動させ、第2ホブを下端面側から上端面側に向けて移動させる際の、第1ホブの回転中心の軌跡が第2ホブの回転中心の軌跡より長くなるように設定されている請求項1に記載の歯車加工方法。
- 前記第1ホブにより被削歯車の切削の荒加工を行ない、第2ホブにより被削歯車の切削の仕上げ加工を行なう請求項1または2に記載の歯車加工方法。
- 前記第1ホブおよび第2ホブによる被削歯車の切削終了後に、被削歯車の一端面側から他端面側に正回転もしくは他端面側から一端面側に向けて逆回転し、その回転方向にすくい面を有する第3ホブを前記第1ホブおよび第2ホブにより被削歯車に形成された歯に対して切れ刃の位相を合せて、この第3ホブを回転させつつ一端面側から他端面側に向けて、もしくは他端面側から一端面側に向けて移動させて被削歯車を切削して仕上げ加工を行なう請求項1または2に記載の歯車加工方法。
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