JP2005081419A - Tigアーク溶接の自動制御方法 - Google Patents

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剛 前田
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康博 河合
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Abstract

【課題】 輝度レベルが異なる溶接電極、溶融池、開先壁およびフィラーワイヤを撮像画像から安定して分離、検出でき、画像計測値を基に安定して制御を行うことができるTIGアーク溶接の自動制御方法を提供する。
【解決手段】 溶接電極、溶融池、開先壁、フィラーワイヤを含む領域を撮像した輝度画像において溶接電極と溶融池との輝度差、溶融池と開先壁との輝度差、フィラーワイヤと溶融池との輝度差がそれぞれ相対的に大きくなるような露光時間t1、t2、t3で撮像した溶接電極、開先壁、溶融池、および、フィラーワイヤの輝度画像の計測値を基に溶接電極の中心線倣い制御、揺動幅制御、および、フィラーワイヤ挿入位置制御を行うTIGアーク溶接の自動制御方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、圧力容器、パイプ等に適用されるTIGアーク溶接方法に関し、詳しくは、TIGアーク溶接時に溶接線中心倣い制御、揺動幅制御、および、フィラーワイヤ供給位置制御を同時に制御するTIGアーク溶接の自動制御方法に関するものである。
TIGアーク溶接は、非溶極式アーク溶接方法であり、比較的高い溶接品質が求められる圧力容器等の溶接施工に多く用いられている。一般にTIGアーク溶接は溶接電極(タングステン製電極)を開先幅方向で揺動させながら溶接電極のアーク熱でフィラーワイヤを溶融して開先部に溶融金属を形成して溶接が行なわれるため、その自動制御においては、良好な溶接を安定して行うために溶接電極の溶接線中心倣い及び揺動幅の制御とともにフィラーワイヤ挿入位置制御も適正に行なうことが求められている。
従来、溶接電極揺動時の溶接線中心倣い制御及び開先幅制御については、例えば、特許文献1などに示されるようなレーザスリット光とTVカメラを組み合わせたレーザセンサによる光切断法を用いて開先形状を検知し、開先中心位置および開先幅の計測値を基に溶接電極の位置制御を行なう方法が一般に知られている。
また、TIGアーク溶接における溶接電極揺動時のフィラーワイヤ挿入位置制御については、特許文献2などではフィラーワイヤ付近を光学バンドパスフィルターを通してTVカメラで撮像し、得られた画像からフィラーワイヤ先端の位置を計測し、フィラーワイヤの幅方向位置を制御する方法が開示されている。
特許文献1で示されるレーザセンサによる光切断法は、開先形状は計測できるものの、溶接部の溶融池形状やフィラーワイヤ位置を計測することができないため、フィラーワイヤ挿入位置制御を行なうためには他の計測手段を組み合わせて用いなければならない。
また、特許文献2で示される方法は、TVカメラによるフィラーワイヤ付近の画像からフィラーワイヤ先端の溶接線方向位置(画像計測座標系の絶対座標)を検知する方法であるが、この方法で溶接電極、開先部、および、溶融池などの輝度が大きく異なる撮像画層から同時に検知し、それぞれの位置を測定することはできない。また、フィラーワイヤの開先幅方向および高さ方向の具体的な制御方法は全く開示していない。
また、従来から溶融池の撮像画像を基に溶接電極の溶接線中心倣い制御および揺動幅制御を行なう方法が、例えば、特許文献3および4で知られている。
特許文献3ではMIGまたはMAGアーク溶接においてCCDカメラにより遮光フィルターを通して溶接部の溶接池を撮像し、溶融池形状および溶接電極(溶接ワイヤ)挿入位置を検知し、溶融池左右端部と溶接ワイヤ挿入位置との開先幅方向の位置のずれ量をもとに溶接電極の溶接線中心倣い制御を行う方法が開示されている。この方法は、エンコーダなどにより溶接電極の左右端位置および中央位置での溶融池および溶接ワイヤを撮像し、その撮像画像から溶融池の左右端位置及び溶接ワイヤ位置を計測し、揺動端での溶融池の各左右端位置に対する溶接ワイヤ位置のずれ量、または、溶融池の中心位置と揺動中心での溶接ワイヤ位置とのずれ量を基に溶接電極の溶接線中心倣い制御を行なうものである。しかし、この方法は、溶接電極が溶融する溶極式アーク溶接方法に適用できるが、溶接電極とは別の送給手段でフィラーワイヤを挿入し溶融させる、TIGアーク溶接のような非溶極式アーク溶接方法では、溶接電極揺動時に溶接電極とフィラーワイヤとの相対的な位置制御が不安定な場合に所望の溶接品質が得られない恐れがある。
また、特許文献4では、CCDカメラにより遮光フィルターを通して溶接部の溶接池を撮像する際に、アーク、溶融池、開先壁の各対象に合わせてCCDカメラのシャッタースピードを切り替えて各撮像を行い、溶接部画像の一部(位置固定)を取り出し、合成することで溶接部を見易くし、この画像をモニタまたは溶接線倣い、溶接条件制御を行う方法が開示されている。
しかし、この方法も、特許文献3と同様に、溶接電極とは別の送給手段でフィラーワイヤを挿入し溶融させる、TIGアーク溶接のような非溶極式アーク溶接方法に適用する具体的方法は示されていなく、溶接電極揺動時に溶接電極とフィラーワイヤとの相対的な位置制御が不安定な場合に所望の溶接品質が得られない恐れがある。
特開平8−150474号公報 特開平6−190558号公報 特開平09−295146号公報 特開平08−150475号公報
TIGアーク溶接の自動制御においては、視覚センサ等を用いて、溶接電極位置、開先位置とそれから求められる開先幅、および、フィラーワイヤ挿入位置を安定的に検知し、これらの情報を基に溶接電極の溶接線中心倣い、揺動幅制御、および、フィラーワイヤ挿入位置制御を同時に行なう必要がある。
溶接線中心倣いおよび揺動幅制御は、視覚センサにより溶融池または開先壁の左右端位置、あるいは揺動端の溶接電極位置を検知し、溶接電極揺動中心と開先中心が一致するように溶接電極位置を制御し、開先幅を制御する。また、フィラーワイヤ挿入位置の制御は、フィラーワイヤの位置と開先位置及び溶接電極位置を検知し、フィラーワイヤと溶融池および溶接電極との各位置関係を適正に制御する必要がある。
特許文献1及び2等に示されるような従来法を用いてTIGアーク溶接自動制御における溶接電極の溶接線中心倣い、揺動幅制御、および、フィラーワイヤ挿入位置制御を同時に行なうためには、開先位置情報を得るためのレーザセンサとフィラーワイヤの位置情報を得るための視覚センサの2種類の視覚センサが必要となり、制御の煩雑さや溶接装置のコストアップに繋がる等の問題があり好ましくない。
一方、特許文献3及び4等に示される従来法では、溶接部の溶融池を直接撮像するCCDカメラなどの直視型視覚センサを用いて溶接電極、溶融池、開先壁ごとにシャッタースピードを制御し、各画像の一部を合成することにより、溶接電極、溶融池、開先壁の各画像をぶれの無い画像で検出可能であるが、同時にフィラーワイヤを検出することはできない。
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みて、TIGアーク溶接において、CCDカメラを用いて撮像する際に、溶接電極揺動時にぶれの無い鮮明な画像が得られるるとともに、輝度レベルが異なる溶接電極、溶融池、開先壁およびフィラーワイヤを撮像画像から安定して分離、検出でき、画像計測値を基に安定して溶接電極の溶接線中心倣い制御及び揺動幅制御並びにフィラーワイヤ挿入位置制御を同時に行うことができるTIGアーク溶接の自動制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するものであり、その発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
(1) 溶接電極とフィラーワイヤを開先幅方向に揺動させつつ溶接線方向に移動させることにより、開先に溶融池を形成させて溶接するTIGアーク溶接の自動制御方法において、
溶接電極、溶融池、開先壁、フィラーワイヤを含む領域を、溶接電極と溶融池との輝度差、溶融池と開先壁との輝度差、フィラーワイヤと溶融池との輝度差がそれぞれ相対的に大きくなるように異なる露光時間により撮影し、得られた溶接電極と溶融池、溶融池と開先壁、及びフィラーワイヤと溶融池の輝度画像の計測値を基に、溶接電極の中心線倣い制御、揺動幅制御、及びフィラーワイヤ挿入位置制御を行うTIGアーク溶接の自動制御方法。
(2) 溶接電極とフィラーワイヤを開先幅方向に揺動させつつ溶接線方向に移動させることにより、開先に溶融池を形成させて溶接するTIGアーク溶接の自動制御方法において、予め基準溶接において溶接電極、溶融池、開先壁、フィラーワイヤを含む領域を光学フィルターを介してCCDカメラで撮像した輝度画像と該撮像時の露光時間を基に、輝度画像において溶接電極と溶融池との輝度差、溶融池と開先壁との輝度差、フィラーワイヤと溶融池との輝度差がそれぞれ相対的に大きくなるような露光時間t1、t2、t3を求めて記憶しておき、本溶接において、先ず、溶接電極と溶融池を含む領域をCCDカメラで露光時間t1で計測時間T1の期間内に撮像し得られた溶接電極の輝度画像の計測値を基に開先幅X方向及び溶接線Y方向における溶接電極先端位置(Xec_med,Yet_med)を算出した後、次に、溶融池と開先壁を含む領域をCCDカメラで露光時間t2で計測時間T2の期間内に溶接電極の揺動左端および揺動右端においてそれぞれ撮像し得られた溶融池および開先壁の輝度画像の計測値を基に開先幅X方向における溶融池中心位置Xpc_med、開先中心位置Xgc_medおよび開先幅Wg_medを算出し、開先幅X方向における前記溶接電極先端位置Xec_medと前記溶融池中心位置Xpc_medまたは前記開先中心位置Xgc_medとの差が0になるように溶接電極の中心線倣い制御を行い、かつ、前記開先幅Wg_medから下記関数Wosc(Wg)により算出される目標揺動幅になるように溶接電極の揺動幅制御を行う、一連の処理を1または2回以上繰り返した後、最後に、フィラーワイヤと溶融池を含む領域をCCDカメラで露光時間t3で計測数時間T3の期間内に撮像し得られたフィラーワイヤの輝度画像を基に、予め記憶されたフィラーワイヤ先端部の教示画像パターンとの相関性を計算し、相関性が最大となる開先幅X方向及び溶接線Y方向における位置をフィラーワイヤ先端位置(Xf_med,Yf_med)とし、溶接線Y方向における前記溶接電極先端位置Yet_medと該フィラーワイヤ先端位置Yf_medとの差を基に溶接線Y方向におけるフィラーワイヤ挿入位置制御を行い、かつ、開先X方向における前記溶接電極先端位置Xec_medと該フィラーワイヤ先端位置Xf_medとの差および前記開先幅Wg_medと、予め記憶された開先ルートギャップが0の時の開先幅Wg_std およびフィラーワイヤ径φfを基に、開先X方向におけるフィラーワイヤ挿入位置制御を行うことを特徴とするTIGアーク溶接の自動制御方法。
(3) 前記開先幅X方向における溶接電極先端位置Xec_medは、前記計測時間T1の期間内に、溶接電極の揺動左端位置および揺動右端位置で撮像し得られた溶接電極の輝度画像から、それぞれ溶接電極の左側面位置候補点Xel、右側面位置候補点Xerを計測後、それぞれ平滑化処理をおこなって計測値中の中央値Xel_med、Xer_medを算出後、これらを基に下記(1)式により算出し、かつ、前記溶接線Y方向における溶接電極先端位置Yet_medは、前記計測時間T1の期間内に、溶接電極の揺動左端位置および揺動右端位置で撮像し得られた溶接電極の輝度画像から、それぞれ溶接電極の先端位置候補点Yet′を計測後、平滑化処理をおこなって計測値中の中央値Yet_medを算出することにより、求められることを特徴とする前記(2)に記載のTIGアーク溶接の自動制御方法。
Xec_med=(Xel_med+Xer_med)/2 ・・・(1)
(4) 前記開先幅X方向における溶融池中心位置Xpc_med、開先中心位置Xgc_medおよび開先幅Wg_medは、前記計測時間T2の期間内に、溶接電極の揺動左端位置で撮像し得られた溶融池および開先壁の輝度画像から溶融池左端位置候補点LXpl、溶融池右端位置候補点LXpr、開先左端位置候補点LXgl、開先右端位置候補点LXgrを算出し、かつ溶接電極の揺動右端位置で撮像し得られた溶融池および開先壁の輝度画像から溶融池左端位置候補点RXpl、溶融池右端位置候補点RXpr、開先左端位置候補点RXgl、開先右端位置候補点RXgrを計測した後、それぞれ平滑化処理をおこなって計測値中の中央値RXpl_med、RXpr_med、RXgl_med、RXgr_med、RXpl_med、RXpr_med、RXgl_med、RXgr_medを算出し、これらを基に下記(2)、(3)及び(4)式により算出することにより、求められることを特徴とする前記(2)または(3)に記載のTIGアーク溶接の自動制御方法。
Xpc_med=(LXpl_med+LXpr_med+RXpl_med+RXpr_med)/4 ・・・(2)
Xgc_med=(LXgl_med+LXgr_med+RXgl_med+RXgr_med)/4 ・・・(3)
Wg_med=(LXgr_med−LXgl_med+RXgr_med―RXgl_med)/2 ・・・(4)
(5) 前記溶接電極の揺動幅制御は、前記開先幅Wg_medから下記関数Wosc(Wg)により算出される目標揺動幅になるように溶接電極の揺動幅制御を行うことを特徴とする前記(2)〜(4)の何れか1項に記載のTIGアーク溶接の自動制御方法。
Wosc(Wg):
1)0≦Wg<Wg_minのとき、Wosc(Wg)=O_min
2)Wg_min≦Wg≦Wg_maxのとき、Wosc(Wg)=αWg+b、但し、α、bは定数
3)Wg>Wg_maxのとき、Wosc(Wg)=O_max
但し、Wg=Wg_med×Phであり、Phは画素単位からmm単位への変換係数を示す。
また、Wg_min、Wg_max、O_min、O_max、α、bは実験で求められるた定数。
(6) 前記開先幅X方向及び溶接線Y方向における位置をフィラーワイヤ先端位置(Xf_med,Yf_med)は、前記計測時間T3の期間内に、溶接電極の揺動左端位置および揺動右端位置で撮像し得られたフィラーワイヤの輝度画像内で、それぞれ前記溶接電極先端位置(Xec_med,Yet_med)を基準とし、開先幅X方向にX=Xec_med−Xm〜Xec_med+Xmで、かつ溶接線Y方向にY=Yet_med〜Yet_med+Ymの矩形領域について、予め記憶されたフィラーワイヤ先端部の教示画像パターンとの相関性を計算し、相関性が最大となる開先幅X方向及び溶接線Y方向における位置をフィラーワイヤ先端位置(Xf,Yf)とした後、平滑化処理をおこなって計測値中の中央値を算出することにより、求められることを特徴とする前記(2)〜(5)の何れか1項に記載のTIGアーク溶接の自動制御方法。
但し、上記Xm、Ymは実験で求められる定数を示す。
(7) 前記溶接線Y方向におけるフィラーワイヤ挿入位置制御は、予め基準溶接を基に前記溶接電極先端位置Yet_medと前記フィラーワイヤ先端位置Yf_medとの差δY=Yet_med―Yf_medの最適な範囲d1〜d2を設定しておき、本溶接時に溶接線Y方向における前記溶接電極先端位置Yet_medと前記フィラーワイヤ先端位置Yf_medとの差δY=Yet_med―Yf_medを算出し、δY<d1の場合には、フィラワイヤの挿入位置を溶接線Y方向に+(α1×d1+α2×d2−δY)×Pvだけ移動し、δY>d2の場合には、フィラワイヤの挿入位置を溶接線Y方向に+(α2×d1+α1×d2−δY)×Pvだけ移動するでおこなわれることを特徴とする前記(2)〜(6)の何れか1項に記載のTIGアーク溶接の自動制御方法。
ただし、上記Pvは画素単位からmm単位への変換係数であり、α1、α2は実験で求められる定数を示す。
(8) 前記開先幅X方向におけるフィラーワイヤ挿入位置制御は、開先幅X方向における前記溶接電極先端位置Xec_medと前記フィラーワイヤ先端位置Xf_medとの差δX=Xec_med−Xf_med、および、前記開先幅Wg_medと、予め記憶された開先ルートギャップが0の時の開先幅Wg_stdおよびフィラーワイヤ径φfを基に、LG=Wg_med−Wg_std>φf、かつ、δX=Xec_med−Xf_med>0の場合には、フィラーワイヤ先端位置を開先幅X方向に、−LGだけ移動させ、LG=Wg_med−Wg_std>φf、かつ、δX=Xec_med−Xf_med<0の場合には、フィラーワイヤ先端位置を開先幅X方向に、+LGだけ移動させ、LG=Wg_med−Wg_std≦φfの場合には、δX=Xec_med−Xf_medが0となるようにフィラーワイヤ先端位置を制御することを特徴とする前記(2)〜(7)の何れか1項に記載のTIGアーク溶接の自動制御方法。
(9) 前記t1は1/10000〜1/1000秒であり、前記t2が1/100〜1/1000秒であり、前記t3が1/10000〜1/1000秒であることを特徴とする前記(2)〜(8)の何れか1項に記載のTIGアーク溶接の自動制御方法。
本発明によれば、TIG多層盛り溶接において、CCDカメラを用いて撮像する際に、溶接電極揺動時にぶれの無い鮮明な画像が得られるるとともに、輝度レベルが異なる溶接電極、溶融池、開先壁およびフィラーワイヤを撮像画像から安定して分離、検出でき、画像計測値を基に安定して溶接電極の溶接線中心倣い制御及び揺動幅制御並びにフィラーワイヤ挿入位置制御を同時に行うことができる。このため、今まで人手では困難であったTIGアーク溶接施工の省力化・自動化ができ、さらには従来の自動溶接法に比べ溶接部の高品質化に大いに貢献できる。
一般的に画像計測に使われるCCDカメラは、撮像素子の光電変換部において入力光を電荷に変換した後一旦蓄積し、これを順次読み出すことで映像信号としている。光電変換部における電荷の蓄積許容量は限られているから、過大な光量が入力されると映像信号が飽和し、これが実質的なCCDカメラのダイナミックレンジを決めている。また、通常のCCDカメラでは、低輝度対象物を撮像することを前提し、撮像素子から出力される映像信号を増幅するアンプ回路のゲインは大きめに設定されているため、高輝度対象物を撮像する場合はダイナミックレンジがさらに低下することになる。このため、CCDカメラにより溶接時のアーク光を含む溶融池を撮像する場合には、映像信号が飽和しないように赤外または近赤外域に透過主波長を持つ光学フィルターを通過させて、溶融池からの輻射光に比べ、数100〜数1000倍の強度をもつアーク光を減光することにより相対的に溶融池輻射光の強度を増大させ、見かけ上のダイナミックレンジを上げている。
しかしながら、光学フィルターによるアーク光の減光のみでは、溶接電極、溶融池、開先壁、フィラワイヤー等の輝度レベルが異なる複数対象物を同じ光学条件で撮像し、同一画像上で各対象物を安定して検知し、画像計測することは困難である。
例えば、溶融池の撮像画像から溶接電極を検知しようとする場合、溶接電極の輝度レベルがに溶融池比べて高いため、撮像時の露光時間を調整し溶接電極輝度が溶融池輝度に対して十分に低くなるように画像全体の輝度レベルを下げることによる両者を輝度レベルで分離することで、溶接電極を検知することが可能となる。
しかしながら、溶接電極と溶融池との画像が十分に分離できる輝度レベルに調整した場合には、溶融池の輝度レベルはかなり低下するため、その他画像、例えば、低輝度の開先壁の画像から溶融池の画像を分離、検知することは非常に困難となる。TIGアーク溶接の自動制御における撮像対象としては、溶接電極、溶融池、開先壁のほかに、フィラーワイヤーがあり、それぞれ撮像画時の輝度レベルが異なるため、同一光学条件において各撮像画像毎に最適な輝度レベルとなるように制御することは困難である。
また、溶接電極を高速揺動して溶接する場合には、撮像時の露光時間により画像がぶれることがあるため、輝度レベルが異なる溶接電極、溶融池、開先壁、フィラーワイヤーの各撮像画像を輝度レベルで分離、検出するとともに、溶接電極高速揺動時にもぶれのない鮮明な画像が得られるように露光時間の制御が必要である。
本発明は、以上の知見をもとに、溶接電極、溶融池、開先壁およびフィラーワイヤの各々の撮像対象物に対してCCDカメラの電子シャッター時間すなわち露光時間を適正に設定することで溶接電極高速揺動時にもぶれのない鮮明な画像が得られ、かつ輝度レベルの異なる各撮像対象物を検出し、画像計測を基に安定して溶接電極の溶接線中心倣い制御及び揺動幅制御並びにフィラーワイヤ挿入位置制御を同時に行うものである。
本発明の実施形態を以下に説明する。
図1は本発明の示す自動溶接装置の模式図を示すものである。
鋼材3の開先表側から溶接電極2を備えた溶接トーチ1を用いて開先幅方向11に揺動させながら溶接進行方向10に沿ってTIGアーク溶接する。TIGアーク溶接は、溶接トーチ1の溶接電極2から発生するアークにより鋼材3を溶融するとともに、溶接電極2と連動してフィラワイヤ送給装置9により揺動しながら開先に供給されるフィラワイヤ5を溶融して溶接金属の溶融池8が形成され、溶接ビード4が形成される。
溶接時に開先に形成される溶融池8は、溶接加工点に対して斜め前方に設置され、かつ溶接電極2と連動するCCDカメラ6を用いて、溶接電極2、溶融池8、開先壁、フィラーワイヤ5を含む溶接部領域を近赤外線域に透過主波長を持つ近赤外光透過フィルター7を通して撮像される。CCDカメラ6は、溶接トーチ1の揺動軸に連結され、溶接電極2及びフィラーワイヤ5と一緒に揺動するとともに、遠隔操作で非同期電子シャッター機能により露光時間を変更することができる。溶接電極2の揺動左右端位置において溶接制御装置13から出力されるトリガ信号がCCDカメラ6に入力され、このトリガ信号に同期してCCDカメラ6の電子シャッターが開くことで露光され、前記溶接部領域が撮像される。撮像された画像信号は、画像処理装置12においてディジタル画像データに変換した後、必要データ領域の輝度データを基にホストCPU14において溶融池、溶接電極、開先壁、フィラーワイヤーの各輝度画像における各位置座標を検出し、溶融池中心および開先中心、開先幅、フィラーワイヤー挿入位置などを算出し、これらの計測値および計算値に基づいて溶接制御装置13から溶接トーチの溶接電極2、フィラーワイヤ送給装置9などに各制御指令値を送信し、溶接電極の溶接線中心制御、揺動幅制御、フィラーワイヤ挿入位置制御などの各溶接制御を行うものである。
開先を設ける厚板のTIGアーク溶接では、溶接電極2を揺動させるとともに、溶接電極2の揺揺動と連動してフィラーワイヤ5を開先内の適切な位置に安定して供給することが、TIGアーク溶接時の溶接効率および溶接部の品質向上のために重要となる。
図2にCCDカメラによって溶融池の先端位置に対して斜め前方から撮像した溶接部領域の画像を示す。なお、X方向が開先幅方向11、Y方向が溶接線方向10に相当する。
前述の通り、CCDカメラは溶接トーチの揺動軸に連結されているためCCDカメラは溶接電極と一緒に揺動し、溶接電極の揺動左右端位置においてCCDカメラの電子シャッターが自動的に開くことで露光し撮像される。また、フィラーワイヤは溶接電極の揺動と連動して一緒に揺動する。そのため、その撮像画像は、図2に示されるように、溶接電極17の揺動左端位置(図2a、参照)および揺動右端位置(図2b、参照)で撮像されるそれぞれの輝度画像において溶接電極の輝度画像17の位置は変動せず(静止状態)、溶融池の輝度画像18及び左右側開先壁の輝度画像15、16が開先幅方向11(X方向)に揺動するように見える。また、フィラーワイヤの輝度画像19も溶接電極の輝度画像17に対して変動はあるが、溶融池の輝度画像18及び左右側開先壁の輝度画像15、16に比べて非常に変動がすくなく、ほぼ静止状態に見える。
また、赤外線透過フィルターを用いて撮像した輝度画像であるため、撮像画像においてアーク光は充分減光され、撮像画像の中で、溶接電極の輝度画像17の輝度が最も高く、溶融池の輝度画像18の輝度が次に高く、左右側開先壁の輝度画像15、16が最も輝度が低くなる。
また、フィラーワイヤの輝度画像19は、溶接電極の輝度画像17の輝度とほぼ等しい。
本発明は、図2に示される、溶接電極の揺動左端位置および揺動右端位置で撮像される輝度画像における溶接電極の輝度画像17、溶融池の輝度画像18、左右側開先壁の輝度画像15、16、および、フィラーワイヤの輝度画像19から特定対象画像の検出および測定を行なうが、安定して測定するためには、測定する特定対象画像とその他の画像(背景)とを輝度レベルで分離させる必要がある。
そこで、本発明において本溶接前に予め本溶接時と同じ条件で基準溶接を行い、その際にCCDカメラで撮像して得られる画像において、測定対象画像毎に、測定対象画像とその他の画像(背景)とを輝度レベルで充分分離できるための最適な露光時間をCCDカメラの電子シャッター時間の調整により決定し、測定対象画像毎に最適な露光時間をホストCPUに記憶しておく。本発明では、上記基準溶接により溶接電極、溶融池、開先壁、フィラーワイヤを測定対象画像として、これらの画像を含む接合部の輝度画像において、溶接電極と溶融池との輝度差、溶融池と開先壁との輝度差、フィラーワイヤと溶融池との輝度差がそれぞれ相対的に大きくなるような露光時間t1、t2、t3を以下のように求める。
輝度のコントラストが高く、かつぶれがなく鮮明な撮像画像を得るための露光時間は、測定対象画像とその他の画像(背景)との輝度条件だけでなく、CCDカメラの撮像素子の感度特性、レンズ絞り量、フィルター透過率や揺動条件などによっても変わるため、本溶接の前に予め溶接時と同じ条件で基準溶接を行い、撮像にための露光時間を決定する必要がある。
図2に示される撮像画像において、最も輝度が高い溶接電極の輝度画像17とその背景に相当する輝度が低い溶融池の輝度画像18とが輝度レベルで分離できる露光時間t1は、画像データが8ビットのディジタルデータであるとすると、溶接電極の輝度画像17の輝度を150〜200とし、その背景である溶融池の輝度画像18の輝度を150よりも十分に小さくなるようにCCDカメラの電子シャッター時間(露光時間)を短くする方向で調整するが、その露光時間t1は、1/10000秒〜1/1000秒とするのが好ましい。
次に、撮像画像において、輝度が高い溶融池の輝度画像18とその背景に相当する輝度が低い左右側開先壁の輝度画像15、16とが輝度レベルで分離できる露光時間t2は、上記の場合と同様に電子シャッタ時間(露光時間)を短くして画像全体の輝度を低下することにより両者の画像の境界線が明瞭なるように調整するが、画像全体の輝度が低(暗)すぎると、左右側開先壁の輝度画像15、16の左右端位置を安定して計測することが困難となる。一方、電子シャッター時間(露光時間)を長くして画像全体の輝度を増加する場合、輝度が高(明)すぎると両者の画像の境界が不明瞭になり、また、溶接電極の高速揺動時には画像がぶれる可能性があるため、溶融池の輝度画像18の左右端位置を安定して計測することが困難となる。したがって、測定対象の溶融池とその背景部の輝度のコントラストを明瞭にし、かつ高速揺動時の画像ぶれがないように露光時間t2を決定するが、このような露光時間t2は1/1000秒〜1/100秒とするのが好ましい。
次に、撮像画像において、フィラーワイヤの輝度画像19とその背景に相当する輝度が低い溶融池の輝度画像18とが輝度レベルで分離できる露光時間t3は、輝度レベルが上記溶接電極と近いため、上記溶接電極の輝度撮像17の場合と同じ要領で調整し、その露光時間t3は1/10000秒〜1/1000秒とするのが好ましい。
以上のように、予め基準溶接により溶接電極、溶融池、開先壁およびフィラワイヤの輝度画像を含む輝度画像において、溶接電極と溶融池との輝度差、溶融池と開先壁との輝度差、フィラーワイヤと溶融池との輝度差がそれぞれ相対的に大きくなるような露光時間t1、t2、t3を求め、測定対象画像毎に最適な露光時間t1、t2、t3をホストCPUに記憶しておく。
本溶接では、ホストCPU14に記憶された最適な露光時間t1、t2、t3が画像処理装置12を経由しCCDカメラ6に指令信号が入力されることにより、各測定対象物に適した輝度の撮像が所定の時間間隔T1、T2、T3で行なわれ、各測定対象物の輝度画像をもとに、溶接電極の先端位置、溶融池中心位置または開先中心位置、開先幅、フィラーワイヤの先端位置などの制御に必要な位置および形状データを計測をおこなう。
本溶接において、先ず、溶接電極と溶融池を含む領域をCCDカメラで露光時間t1で計測時間T1の期間内に撮像し得られた溶接電極の輝度画像の計測値を基に開先幅X方向及び溶接線Y方向における溶接電極先端位置(Xec_med,Yet_med)を算出する。
図2に示される撮像画像から溶接電極の先端位置(Xec_med,Yet_med)を算出する方法を以下に説明する。
本溶接時に上記露光時間t1で撮像して得られた輝度画像データは2値化処理をすることにより容易に2値化画素データとすることができる。
溶接電極の輝度画像17の輝度が150〜200、その背景である溶融池の輝度画像18の輝度が150よりも十分に小さい輝度画像データを、例えば、しきい値Thを150に設定し、2値化処理をした場合、図3に示されるような溶接電極の2値化画像23が得られ、輝度が低い溶融池画像と分離することができる。
この溶接電極の2値化画像23の画素データを基に、各X座標毎にY軸方向(溶接線方向10)の全画素をカウント(積算)し、図3に示すようなX軸方向(開先幅方向11)における溶接電極の画素分布を作成すると、溶接電極の軸中心付近に画素カウント数CTのピーク値が得られる。この溶接電極の画素分布図から溶接電極の軸中心のX座標を求めるためには、先ず、画素カウント数CTのピーク値のX座標X=Xecを起点とし、それぞれX軸方向の−側(左側)および+側(右側)の画素カウント数CTを計測し、予め設定したしきい値CTminを下回った値のX座標をそれぞれ溶接電極の左側面位置候補点Xel、右側面位置候補点Xerとし、これらからX軸方向(開先幅方向11)における溶接電極の中心位置候補Xec′=(Xel+Xer)/2を求めることができる。
次に、溶接電極の輝度画像17(2値化処理前の輝度画像データ)を用い、図4に示されるように、上記中心位置候補Xec′=(Xel+Xer)/2を通るY軸方向(溶接線方向10)の直線を計測ライン20とし、各輝度値B(Xec′,y)25の1次微分処理および2次微分処理を行い、1次微分値−dB(Xec′,y)/dy26が最初にしきい値Yet_thを越えた点から2次微分値−d2B(Xec′,y)/dy227が負から正に変化する点、すなわち、輝度値B(Xec′,y)の1次微分ピーク点をY軸方向(溶接線方向10)における溶接電極の先端位置22候補点(Xec′,Yet′)とする。
以上の一連の計測および計算をT1秒間ずつ繰り返し、T1秒の期間毎に得られた計測値及び計算値の中央値を算出する平滑化処理を行い、その結果、溶接電極の先端位置候補点の中央値(Xec_med,Yet_med)が得られる。
なお、X軸方向(開先幅方向11)における溶接電極の先端位置候補点の中央値(Xec_med)は、以下のようになる。
Xec_med=(Xel_med+Xer_med)/2 ・・・(1)
CCDカメラは溶接電極一緒に揺動しながら撮像されるため、溶接電極の揺動右端位置および揺動左端位置でのいずれの撮像画像においても溶接電極の先端位置は変わらないため、以下の撮像画像の位置および形状の計測では、溶接電極の先端位置(Xec_med,Yet_med)を基準位置とすることができる。
次に、本発明において、溶融池と開先壁を含む領域をCCDカメラで露光時間t2で計測時間T2の期間内に溶接電極の揺動左端および揺動右端においてそれぞれ撮像し得られた溶融池および開先壁の輝度画像の計測値を基に開先幅X方向における溶融池中心位置Xpc_med、開先中心位置Xgc_medおよび開先幅Wg_medを算出する。
図2に示される撮像画像から開先左右端位置、溶融池左右端位置及び開先幅を計測する方法を以下に説明する。
先ず、図5を用いて溶接電極の揺動左端位置での撮像画像(輝度画像データ)(図2a、参照)を基に溶融池左右端位置及び開先左右端位置を測定する方法を説明する。
前記のとおり計測された溶接電極の輝度画像17の先端位置のY座標Y=Yet_medを通るX軸方向(開先幅方向11)の直線を計測ラインとし、左側開先壁15および右側開先壁16から外側にある計測ライン上のXs点(Xs,Yet_med)、Xe点(Xe,Yet_med)からそれぞれ溶接電極の先端位置の方向に、各輝度値P(X,Yet_med)25の1次微分処理および2次微分処理を行い、1次微分値−dP(X,Yet_med)/dX26が最初に予め設定されたしきい値Thを越えた点から2次微分値−d2P(X,Yet_med)/dX227が正から負に変化する点、すなわち、輝度値P(X,Yet_med)の1次微分ピーク点をそれぞれ開先左端位置LXgl0及び開先右端位置LXgr0とする。さらに、計測ライン上を溶接電極の先端位置方向に、各輝度データP(X,Yet_med)の1次微分処理および2次微分処理を行い、次に1次微分値−dP(X,Yet_med)/dXが予め設定されたしきい値Thを越えた点から2次微分値−d2P(X,Yet_med)/dX2が正から負に変化する点28、すなわち、輝度データP(X,Yet_med)の1次微分ピーク点を各々X軸方向(開先幅方向11)における溶融池左端位置LXpl0及び溶融池右端位置LXpr0とする。
計測精度を高めるために、上記の一連の測定処を上記計測ライン(Y=Yet_med)に対してY軸方向(溶接線方向10)に+α及び−αだけ移動した計測ライン(Y=Yet_med+α及びY=Yet_med−α)の計測ラインを用いて同様に行なう。その結果、それぞれX軸方向(開先幅方向11)における開先左端位置としてLXgl1、LXgl2、開先右端位置としてLXgr1、LXgr2、溶融池左端位置としてLXpl1、LXpl2、溶融池右端位置としてLXpr1、LXpr2を計測により求められる。
なお、上記αは、実験で求められる定数であり、通常10以下にするのが好ましい。また、計測ラインは上記の場合は3本で行なった場合を説明したが、誤検出を防止し、測定の信頼性を向上させるために増加しても良い。
本発明では、以上の計測により得られた、X軸方向(開先幅方向11)における開先左端位置としてLXgl0、LXgl1、LXgl2、開先右端位置としてLXgr0、LXgr1、LXgr2、溶融池左端位置としてLXpl0、LXpl1、LXpl2、溶融池右端位置としてLXpr0、LXpr1、LXpr2のそれぞれ3点の中央値を算出する平滑化処理を行ない、これらをX軸方向(開先幅方向11)における開先左端位置候補点LXgl、開先右端位置候補点LXgr、溶融池左端位置候補点LXpl、溶融池右端位置候補点LXprとする。
また、開先幅候補LWgは、上記開先左端位置候補点LXgl、開先右端位置候補点LXgrの差から求められ、LWg=LXgr−LXglとして求められる。
本発明では、上記の溶接電極の揺動左端位置での撮像画像を用いた計測処理と同様な一連の処理を、溶接電極の揺動右端位置での撮像画像(輝度画像データ)(図2b、参照)についても行なう。その結果、溶接電極の揺動左端位置での撮像画像を基に計測された、X軸方向(開先幅方向11)における開先左端位置候補点RXgl、開先右端位置候補点RXgr、溶融池左端位置候補点RXpl、溶融池右端位置候補点RXpr、RWg=RXgr−RXglとする。
本発明では、以上のような溶接電極の揺動右端位置および揺動左端位置のそれぞれで撮像された輝度画像を基にした一連の計測処理をT2秒間ずつ繰り返し、T2秒の期間毎に各計測値及び計算値の中央値を算出する平滑化処理を行う。
その結果、溶接電極の揺動左端位置での撮像画像の計測値から開先左端位置LXgl_med、開先右端位置LXgr_medが得られ、これらから溶接電極の揺動右端位置でのX軸方向(開先幅方向11)における開先中心位置LXgc_med=(LXgl_med+LXgr_med)/2が求められる。また、同様に溶接電極の揺動右端位置での撮像画像の計測から開先左端位置RXgl_med、開先右端位置RXgr_medが得られ、これらから溶接電極の揺動左端位置でのX軸方向(開先幅方向11)における開先中心位置RXgc_med=(RXgl_med+RXgr_med)/2が求められる。
本発明では、上記のように溶接電極の揺動左端位置および揺動右端位置で撮像された画像計測値から得られた開先中心位置LXgc_med=(LXgl_med+LXgr_med)/2、RXgc_med=(RXgl_med+RXgr_med)/2を基に、X軸方向(開先幅方向11)の開先中心位置Xgc_medを以下のように求め、後述する溶接電極の溶接線中心倣い制御に用いる。
Xgc_med=(LXgc_med+RXgc_med)/2
=(LXgl_med+LXgr_med+RXgl_med+RXgr_med)/4 ・・・(2)
また、溶接電極の揺動左端位置での撮像画像の計測値から溶融池左端位置LXpl_med、溶融池右端位置LXpr_medが得られ、これらから溶接電極の揺動左端位置でのX軸方向(開先幅方向11)における溶融池中心位置LXpc_med=(LXpl_med+LXpr_med)/2と求められる。また、同様に溶接電極の揺動右端位置での撮像画像の計測から溶融池左端位置RXpl_med、溶融池右端位置RXpr_medが得られ、これらから溶接電極の揺動右端位置でのX軸方向(開先幅方向11)における溶融池中心位置RXpc_med=(RXpl_med+RXpr_med)/2が求められる。
本発明では、上記のように溶接電極の揺動左端位置および揺動右端位置で撮像された画像計測値から得られた溶融池中心位置LXpc_med=(LXpl_med+LXpr_med)/2、RXpc_med=(RXpl_med+RXpr_med)/2を基に、X軸方向(開先幅方向11)の溶融池中心位置Xpc_medを以下のように求め、後述する溶接電極の溶接線中心倣い制御に用いる。
Xpc_med=(LXpc_med+RXpc_med)/2
=(LXpl_med+LXpr_med+RXpl_med+RXpr_med)/4 ・・・(3)
また、溶接電極の揺動左端位置での撮像画像の計測値から開先左端位置LXgl_med、開先右端位置LXgr_medが得られ、同様に溶接電極の揺動右端位置での撮像画像の計測から開先左端位置RXgl_med、開先右端位置RXgr_medが得られる。開先幅は、溶接電極の揺動左端位置と揺動右端位置の画像において変化しないので、両方の画像計測値から以下のように求められる。
Wg_med=(LXgr_med−LXgl_med+LXgr_med―LXgl_med)/2 ・・・(4)
本発明では、このように求められたWg_medを後述する溶接電極の揺動幅制御に用いる。
以上のように画像計測で求められたX軸方向(開先幅方向11)における溶接電極の先端位置Xec_med、溶融池中心位置Xpc_medまたは開先中心位置Xgc_med、および、開先幅Wg_medを基に溶接電極の溶接線中心倣い制御および揺動幅制御を行なう方法を次に説明する。
本発明のTIGアーク溶接の自動制御方法における溶接電極の溶接線中心倣い制御は、図6および図7に示されるように、撮像画像のX軸方向(開先幅方向11)における開先中心位置または溶融池中心位置と溶接電極中心位置とが一致(両者のずれ量が0)するように溶接電極の揺動中心位置を制御することで行なわれる。
撮像画像の開先中心位置を基に溶接電極の揺動中心を制御する場合は、例えば、図6に示すような溶接電極の揺動左端位置で撮像した輝度画像(図6a、参照)および溶接電極の揺動右端位置で撮像した輝度画像(図6b、参照)において、上述のように計測された開先中心位置LXgc_med39、RXgc_med40を基にX軸方向(開先幅方向11)における開先中心位置Xgc_med41を下記(3)式により求め、X軸方向(開先幅方向11)における溶接電極中心位置Xec_med21と開先中心位置Xgc_med41とのずれ量(差)δC’42(=Xec_med−Xgc_med)が0となるように溶接電極の揺動位置の中心を移動制御する。
Xgc_med=(LXgc_med+RXgc_med)/2
=(LXgl_med+LXgr_med+RXgl_med+RXgr_med)/4 ・・・(3)
なお、溶接電極の溶接線中心倣い制御における制御量δCは、撮像画像のX軸方向(開先幅方向11)における溶接電極の中心位置Xec_medと上記開動中心位置Xgc_medとの差(ずれ量)δC’を基に以下のように求められる。
δC=δC’×Ph=(Xec_med−Xgc_med)×Ph ・・・(5)
但し、Phは画素単位からmm単位への変換係数を示す。
例えば、図6に示される場合は、δC’=Xec_med−Xgc_med<0(負)であるから、溶接電極の溶接線中心倣い制御における制御量δCは、負の値となり、溶接電極の中心位置Xec_medをX軸方向(開先幅方向11)と逆の方向(−方向)に|δC|だけ移動することで制御が行なわれる。
撮像画像の溶融池中心位置を基に溶接電極の揺動中心を制御する場合は、図7に示すような溶接電極の揺動左端位置で撮像した輝度画像(図7a、参照)および溶接電極の揺動右端位置で撮像した輝度画像(図7b、参照)において、上記図6における開先中心位置Xgc_med41の変わりに溶融池中心位置Xpc_med45を用いることにより同様に行なうことができる。
この場合の溶接線中心倣い制御における制御量δCは、以下のようになる。
δC=δC’×Ph=(Xec_med−Xpc_med)×Ph ・・・(6)
Xpc_med=(LXpc_med+RXpc_med)/2
=(LXpr_med+LXpl_med+RXpr_med+RXpl_med)/4・・・(2)
但し、Phは画素単位からmm単位への変換係数を示す。
また、RXpc_medおよびLXpc_medは、それぞれ溶接電極の揺動左端位置(図7a、参照)および揺動右端位置(図7b、参照)で撮像した輝度画像における溶融池中心位置43、44を示す。
本発明では、上記の通り撮像画像の計測により、開先中心位置および溶融池中心位置を算出し、これらの計測値の何れを用いても溶接線中心倣い制御をすることは可能である。
しかしながら、次の理由からTIG溶接により開先を多層盛り溶接する際は、初層溶接時の溶接線中心倣い制御は開先中心位置の測定値を用い、第2層以降の溶接時の溶接線中心倣い制御は溶融池中心位置の測定値を用いて制御を行うことが好ましい。
TIG溶接においてU型開先37を用いる場合(図8b、参照)は、V型開先38を用いる場合(図8a、参照)の場合に比べて、初層溶接時に溶融池8が偏って一方の開先壁側に這い上がり、他方の開先壁の溶融池レベルが下がってしまう現象が生じやすい。このため、溶融池中心位置の測定値41は、実際の開先中心位置41’と一致しなくなり、開先方向11(X軸方向)における溶融池中心位置の測定値41と溶接電極の輝度画像17の差(ずれ量)は実際の差(ずれ量)より小さくなり、溶接電極の溶接線中心倣い制御が困難となる。
したがって、TIG溶接においてU型開先37を用いる場合、少なくとも初層溶接時の溶接線中心倣い制御は、溶融池中心位置の測定値を用いず、開先中心位置の測定値を用いて制御を行うことが好ましい。
また、TIG溶接により開先を多層盛り溶接する場合の第2層以降の溶接時は、CCDカメラの撮像位置が適正に調整された場合、溶接線中心倣い制御を溶融池中心位置の測定値および開先中心位置の測定値の何れを用いて制御しても良いが、CCDカメラの撮像位置が適正でない場合は以下のような問題が生じる可能性がある。
図9aに示すようにCCDカメラの光軸が溶接電極2の位置に対して開先幅方向11(X軸方向)の左側に傾きが生じた場合、撮像画像は、図9bのように左側開先壁画像15に比べて右側開先壁画像16のみかけ上の幅が大きくなり、この撮像画像から計測された開先左端位置30Xgl、開先右端位置31Xgrを基に算出した開先幅方向11(X軸方向)の開先中心位置35Xc(=(Xgl+Xgr)/2)は、溶融池中心位置36と一致する実際の開先中心位置からずれてしまう。
したがって、TIG溶接により開先を多層盛り溶接する場合にCCDカメラの撮像位置が適正でない場合の開先中心位置の計測値の誤差を防止するために、第2層以降の溶接時の溶接電極の溶接線中心倣い制御は、開先中心位置の測定値を用いず、溶融池中心位置の測定値を用いて制御を行うことが好ましい。
次に、本発明のTIGアーク溶接の自動制御方法における溶接電極の揺動幅制御を説明する。
溶接電極の揺動幅制御は、上述した溶接電極の揺動左端位置および揺動右端位置で撮像した輝度画像の計測により求められた開先幅Wg_medを基に、例えば、図10に示されるように、下記の関数Wosc(Wg)を用いて目標揺動幅を決定し、この目標揺動幅になるように溶接電極の揺動幅を制御することで行なわれる。
Wosc(Wg):
1)0≦Wg<Wg_minのとき、Wosc(Wg)=O_min
2)Wg_min≦Wg≦Wg_maxのとき、Wosc(Wg)=αWg+b
3)Wg>Wg_maxのとき、Wosc(Wg)=O_max
但し、Wg=Wg_med×Phであり、Phは画素単位からmm単位への変換係数を示す。
また、Wg_min、Wg_max、O_min、O_max、α、bは実験で求められる定数
次に、本発明のTIGアーク溶接の自動制御方法におけるフィラワイヤ挿入位置制御方法を説明する。
TIGアーク溶接において、フィラーワイヤの送給装置の駆動部によって溶接電極の揺動と連動して揺動させるため、撮像画像においてフィラーワイヤの輝度画像は溶接電極の輝度画像と同様に変動しない(静止状態)ように見える。
本発明において、フィラーワイヤと溶融池を含む領域をCCDカメラで露光時間t3で撮像し得られたフィラーワイヤの輝度画像19は、フィラーワイヤ表面がアーク光の反射により光沢して、図11に示されるように背景の溶融池画像に比べて輝度が高い線状画像となる。
撮像画像においてフィラーワイヤの輝度画像19の先端位置を測定する方法は、以下に説明するような画像パターンマッチング処理を用いて行うことができる。
フィラーワイヤの輝度画像19の先端位置47を含む矩形領域画像を、予め教示画像パターンとして、ホストCPUのメモリーに登録しておき、撮像画像内の特定矩形領域画像と教示画像パターンとの相関性を計算しながら撮像画像内を走査し、最も相関性(一致度)が高い矩形領域画像の座標をフィラーワイヤの輝度画像19の先端位置候補点(Xf,Yf)47を検出する。
この場合、全撮像画像を画像パターンマッチング処理すると計算量が多くなり、処理速度が低下するため、例えば、溶接電極の輝度画像17の先端位置(Xec_med,Yet_med)を基準としてX軸方向(開先幅方向11)にX=Xec_med−Xm〜Xec_med+Xmで、かつY軸方向(溶接線方向10)にY=Yet_med〜Yet_med+Ymの範囲についてのみ処理を行なうことが好ましい。なお、ここで、Xm、Ymは実験で求められる定数である。
フィラーワイヤの輝度画像19の先端位置候補点(Xf,Yf)47の計測は、溶接電極の揺動左端位置および揺動右端位置でそれぞれ撮像された撮像画像において、一連の計測処理をT3秒間ずつ繰り返し、T3秒の期間毎に各計測値及び計算値の中央値を算出する平滑化処理を行い、この期間に得られた計測値における中央値をフィラーワイヤの輝度画像19の先端位置(Xf_med、Yf_med)とする。
フィラーワイヤ挿入位置の制御は、得られたフィラーワイヤの輝度画像の先端位置(Xf_med、Yf_med)を基に以下のように行なう。
フィラーワイヤ挿入位置のうち、Y軸方向(溶接線方向10)の位置制御は、図11に示される撮像画像のY軸方向における溶接電極の輝度画像17の先端位置Yet_medとフィラーワイヤの輝度画像19の先端位置Yf_med47との差δY(=Yet_med―Yf_med)を基に以下のようにフィラーワイヤの位置を制御することで行なわれる。
つまり、δY<d1の場合には、フィラワイヤの挿入位置を溶接線方向10(Y軸方向)に+(α1×d1+α2×d2−δY)×Pv mmだけ移動し、δY>d2の場合には、フィラワイヤの挿入位置を溶接線方向10(Y軸方向)に+(α2×d1+α1×d2−δY)×Pv mmだけ移動する。なお、+は溶接線方向10(Y軸方向の+側方向)、―は溶接線方向10と逆方向(Y軸方向の−側方向)を示す。
ここで、Pvは画素単位からmm単位への変換係数であり、αは実験で求められる定数を示す。
次に、フィラーワイヤ挿入位置制御のうち、開先幅方向11(X軸方向)の位置制御は、以下のように行われる。
図12に、TIGアーク溶接時におけるU字開先部48のルートギャップ49とフィラーワイヤ5との関係を説明するための断面図を示す。
通常のTIGアーク溶接時におけるフィラーワイヤの開先幅方向11(X軸方向)の挿入位置制御は、上述の撮像画像の計測から求められた開先幅方向11(X軸方向)の溶接電極先端位置Xec_medとフィラーワイヤ先端位置Xf_medとのずれ量δX(=Xec_med−Xf_med)が0となるように制御する。ここで、通常のTIGアーク溶接時とは、以下に説明するような開先幅変動によりルートギャップがフィラーワイヤ径φfに比べて過大にならない場合を意味する。
一方、TIGアーク溶接時に開先幅の変動によりルートギャップがフィラーワイヤ径φfに比べて過大になった場合、フィラーワイヤ5が十分溶融されずにルートギャップ49に突っ込んでしまうトラブルが生じることがある(図12b、参照)ため、これを防止するため以下のようなフィラーワイヤ5の開先幅方向(X軸方向)の挿入位置制御を行なう必要がある。
つまり、基準溶接を基に開先ルートギャップが0のときの開先幅Wg_std、フィラワイヤ径φfを予めホストCPUのメモリーに登録し、上述の本溶接時の画像計測により求められた開先幅Wg_medと、上記Wg_std及びφfとの関係から以下のような制御を行なう。
つまり、本溶接時のルートギャップLGがフィラワイヤ径φfよりも十分大きい、すなわちLG(=Wg_med−Wg_std)>φfの場合で、かつフィラーワイヤ先端位置Xf_medが溶接電極先端位置Xec_medに対してX軸方向の−側にずれている場合、すなわちδX=Xec_med−Xf_med>0の場合には、フィラーワイヤ先端位置をX軸方向に−LG(=Wg_med−Wg_std)だけ移動させる。また、本溶接時のルートギャップLGがフィラワイヤ径φfよりも十分大きい、すなわちLG(=Wg_med−Wg_std)>φfの場合で、かつ溶接電極先端位置Xec_medに対してX軸方向の+側にずれている場合、すなわちδX=Xec_med−Xf_med<0の場合には、フィラーワイヤ先端位置をX軸方向に+LG(=Wg_med−Wg_std)だけ移動させる。
そして、Wg_med−Wg_std≦φfの場合には、δX=Xec_med−Xf_medが0となるようにフィラーワイヤ先端位置を制御することで行われる。
これにより本溶接時に開先幅の変動によりルートギャップがフィラーワイヤ径φfに比べて過大になった場合にフィラーワイヤがルートギャップに突っ込んでしまうトラブルを防止することができ、かつ良好な溶接品質が得るためのフィラーワイヤの送給が可能となる。
フィラーワイヤ挿入位置制御は、ホストCPUからフィラーワイヤ送給装置9に各制御指令値を送信し、フィラーワイヤ供給装置の駆動手段を用いてフィラーワイヤ先端位置を溶接線方向(Y軸方向)および開先幅方向(X軸方向)に移動することで行なうことができる。なお、実際のフィラーワイヤの溶接線方向(Y軸方向)の移動は、フィラーワイヤ供給装置によりフィラーワイヤを送給しながらその高さレベルを上下に平行移動することで行なえる。
以下に本発明を大型圧力容器の多層盛TIGアーク溶接における自動制御方法に適用した実施例について説明する。
本実施例では図12に示すようなルートフェイス付きのU型狭開先を用いて、6層盛りの溶接を行った。溶接電極は左右に数Hzで揺動することが可能で、溶接制御装置から揺動端の位置でトリガ信号を出力し、これを非同期電子シャッター付きCCDカメラおよび画像処理装置にシャッター信号として使うことができる。CCDカメラは近赤外光透過フィルタを備え、溶接方向前方に水平に対して約30°程度の角度で揺動機構に固定されており、溶接電極と同じ動作となる。またホストCPUからの設定でCCDカメラの電子シャッターにより露光時間を動的に変更することが可能である。画像処理装置はホストCPUに組み込まれており、8ビットのデジタルデータとして取り込まれた画像処理データは内部バスでホストCPUに送られ、画像計測処理および制御量算出を行い、溶接制御装置にRS−232Cシリアルインタフェースにより送信される。溶接制御装置では溶接電極の左右位置制御、揺動幅制御および上下位置制御、またフィラワイヤの左右位置制御、上下位置制御を行うことができる。また、画像処理装置の設定視野範囲は、開先幅方向に相当するX軸方向は20mm、溶接線方向に相当するY軸方向は15mmであり、本実施例では水平に対して30°の角度に設置したCCDカメラで撮像したため、実際のY軸方向の視野は30mmとなる。画像処理装置の画素分解能は、X軸方向が640画素、Y軸方向が480画素であるため、本実施例における計測分解能は、水平方向が約0.03 mm/画素、垂直方向が約0.06mm/画素である。
本溶接に入る前に基準溶接を実施し、溶接電極、溶融池、開先壁、フィラーワイヤを含む領域を光学フィルターを介してCCDカメラで撮像した輝度画像と該撮像時の露光時間を基に、輝度画像において溶接電極と溶融池との輝度差、溶融池と開先壁との輝度差、フィラーワイヤと溶融池との輝度差がそれぞれ相対的に大きくなるような露光時間t1=1/2000sec、t2=1/500sec、t3=1/1500secを決定し、ホストCPUに記憶した。また、溶接時に安定した溶接が可能なフィラーワイヤの挿入位置の範囲を調べ、撮像画像の溶接線方向(Y軸方向)における溶接電極の先端位置とフィラーワイヤ挿入位置との最小値d1=25(画素)と最大値d2=45(画素)とし、各撮像画像における画素単位からmm単位への変換係数Pv=0.06mm/画素とした。
開先ルートギャップが0の時の開先幅Wg_std=8.5mm、用いたフィラーワイヤ径φf=0.9mmであった。
本溶接ではホストCPUのプログラムより制御パラメータのデータを読み込み、設定値に沿ったシャッター速度、計測サイクル時間で画像計測および溶接電極位置、揺動幅、フィラワイヤ位置制御を実行して多層盛り溶接を行う。
本溶接では、図13にしたがって、画像計測及び測定値を基に溶接電極の溶接線倣い制御、揺動幅制御、フィラワイヤ位置制御を行った。
本溶接の初層溶接においては、まず、溶接電極と溶融池を含む領域をCCDカメラで露光時間t1=1/2000secで計測時間T1=2secの期間内に撮像し得られた溶接電極の輝度画像から、開先幅方向(X軸方向)における溶接電極の左右端位置Xel、Xer、および、溶接線方向(Y軸方向)における溶接電極の先端位置Yetを計測し、平滑化処理することにより計測時間T1=2secの期間内に得られた溶接電極の左右端位置の計測値における中央値をXel_med、Xer_medとし、これらを基に開先幅方向(X軸方向)における溶接電極中心位置Xec_med=(Xel_med+Xer_med)/2を算出する。また、計測時間T1=2secの期間内に得られた溶接線方向(Y軸方向)における溶接電極の先端位置の計測値における中央値を溶接電極先端位置Yet_medとする。
次に、溶融池と開先壁を含む領域をCCDカメラで露光時間t2=1/500secで計測時間T2=1secの期間内に溶接電極の揺動左端において撮像し得られた開先壁の輝度画像を基に開先幅方向(X軸方向)における開先左右端位置LXgl、LXgr、および、溶接電極の揺動右端において撮像し得られた開先壁の輝度画像を基に開先幅方向(X軸方向)における開先左右端位置RXgl、RXgrを計測し、これらを平滑化処理することにより計測時間T2=1secの期間内に得られた開先左右端位置の各計測値における中央値をLXgl_med、LXgr_med、RXgl_med、RXgr_medとし、これらを基に開先中心位置Xgc_med=(LXgl_med+LXgr_med+RXgl_med+RXgr_med)/4、および開先幅Wg_med=(LXgr_med−LXgl_med+RXgr_med―RXgl_med)/2を算出する。
次に、初層溶接は、溶接電極先端位置Xec_medと開先中心位置Xgc_medとの差が0になるように溶接電極の中心線倣い制御を行うとともに、開先幅Wg_medから下記関数Wosc(Wg)により算出される目標揺動幅Wosc(Wg_med)になるように溶接電極の揺動幅制御を行う。
Wosc(Wg):
1)0≦Wg<8.5のとき、Wosc(Wg)=1.0mm
2)8.5≦Wg≦12のとき、Wosc(Wg)=0.36Wg−2.42
3)Wg>Wg_maxのとき、Wosc(Wg)=1.9mm
予め、設定してある回数N=5回だけ上記溶接線中心倣い、揺動幅制御を繰り返し行う。
その後、フィラーワイヤと溶融池を含む領域をCCDカメラで露光時間t3=1/1500secで計測数時間T3=2secの期間内に撮像し得られたフィラーワイヤの輝度画像を基に、予め記憶されたフィラーワイヤ先端部の教示画像パターンとの相関性を計算し、相関性が最大となる開先幅方向及び溶接線方向における位置をフィラーワイヤ先端位置(Xf_med,Yf_med)とする。
溶接線方向における前記溶接電極先端位置Yet_medと前記フィラーワイヤ先端位置Yf_medとの差δY=Yet_med―Yf_medを算出し、このδYより、以下のように溶接線方向におけるフィラーワイヤ挿入位置制御を行う。
1)δY<d1の場合、溶接線Y方向に+(α1×d1+α2×d2−δY)×Pv mmだけ移動する。
2)δY>d2の場合、溶接線Y方向に+(α2×d1+α1×d2−δY)×Pv mmだけ移動する。
(3)d1≦ δY ≦d2の場合、フィラワイヤは移動しない。)
また、開先幅方向における前記溶接電極先端位置Xec_medと前記フィラーワイヤ先端位置Xf_medとの差δX=Xec_med−Xf_med、および、前記開先幅Wg_medと、予め記憶された開先ルートギャップが0の時の開先幅Wg_stdおよびフィラーワイヤ径φfを基に、以下のように開先幅方向におけるフィラーワイヤ挿入位置制御を行う。
1)LG=Wg_med−Wg_std>φf、かつ、δX=Xec_med−Xf_med>0の場合、
フィラーワイヤ先端位置を開先幅方向に−LGだけ移動させる。
2)LG=Wg_med−Wg_std>φf、かつ、δX=Xec_med−Xf_med<0の場合、
フィラーワイヤ先端位置を開先幅方向に+LGだけ移動させる。
3)LG=Wg_med−Wg_std≦φfの場合、
δX=Xec_med−Xf_medが0となるようにフィラーワイヤ先端位置を制御する。
上記フィラーワイヤ送入位置制御を1回行った後、再び、上記溶接線中心倣いおよび揺動幅倣いをN=5回実行し、これらの一連の処理を初層溶接が終了するまで交互に制御を行う。
初層溶接が終了後、次に、第2層目の溶接においては、溶融池の画像計測およびそれを基にした溶接電極の中心線倣い制御以外は、開先壁の画像計測およびそれを基にした溶接電極の揺動幅制御、フィラーワイヤの画像計測およびそれを基にしたフィラーワイヤ挿入位置制御は、初層溶接時と同様な計測および制御を行う。
なお、第2層目の溶接においては、溶融池と開先壁を含む領域をCCDカメラで露光時間t2=1/500secで計測時間T2=1secの期間内に溶接電極の揺動左端において撮像し得られた溶融池の輝度画像を基に開先幅方向(X軸方向)における溶融池左右端位置LXpl、LXpr、および、溶接電極の揺動右端において撮像し得られた溶融池の輝度画像を基に開先幅方向(X軸方向)における溶融池左右端位置RXpl、RXprを計測し、これらを平滑化処理することにより計測時間T2=1secの期間内に得られた溶融池左右端位置の各計測値における中央値をLXpl_med、LXpr_med、RXpl_med、RXpr_medとし、これらを基に溶融池中心位置Xpc_med=(LXpl_med+LXpr_med+RXpl_med+RXpr_med)/4を算出し、溶接電極先端位置Xec_medと溶接池中心位置Xpc_medとの差が0になるように溶接電極の中心線倣い制御を行う。
溶接制御の装置構成図。 CCDカメラによるa:揺動左端位置での撮像画像およびb:揺動右端位置での撮像画像。 溶接電極2値化画像のX軸方向における画素分布図。 輝度値の1次、2次微分処理による溶接電極先端位置測定方法。 溶融池左右端位置及び開先左右端位置の測定方法。 a:揺動左端位置での撮像画像、およびb:揺動右端位置での撮像画像における開先中心位置と溶接電極中心位置。 a:揺動左端位置での撮像画像、およびb:揺動右端位置での撮像画像における溶融池中心位置と溶接電極中心位置。 a:V型開先、およびb:U型開先での初層溶接時の溶融池および溶接電極。 a:光軸が傾いた位置から見た溶接部、およびb:溶融池画像及び開先画像。 溶接電極揺動幅制御における開先幅測定値と目標揺動幅との関係。 フィラーワイヤ輝度画像と溶接電極輝度画像。 a:ルートギャップが小さい場合、及びbルートギャップ大きい場合のフィラーワイヤ径との関係。 実施例における制御フロー。
符号の説明
1…溶接トーチ
2…溶接電極
3…鋼材
4…溶接ビード
5…フィラーワイヤ
6…CCDカメラ
7…赤外線透過フィルター
8…溶融池
9…フィラーワイヤ送給装置
10…溶接線方向
11…開先幅方向
12…画像処理装置
13…溶接制御装置
14…ホストCPU
15…左側開先壁画像
16…右側開先壁画像
17…溶接電極の輝度画像
18…溶融池の輝度画像
19…フィラーワイヤの輝度画像
20…計測ライン
21…X軸方向における溶接電極中心位置
22…Y軸方向における溶接電極の先端位置
23…溶接電極の2値化画像
24…溶接電極の画素分布図
25…計測ライン上の輝度値
26…計測ライン上の一次微分値
27…計測ライン上の二次微分値
28…二次微分値が正から負に変化する点(クロス点)
29…開先左右端位置の測定ライン
30…開先左端位置
31…開先右端位置
32…溶融池左右端位置の測定ライン
33…溶融池左端位置
34…溶融池右端位置
35…開先中心位置
36…溶融池中心位置
37…U型開先
38…V型開先
39…揺動左端画像の開先中心位置
40…揺動右端画像の開先中心位置
41…開先中心位置
42…溶接電極中心位置と開先中心位置とのずれ量
43…揺動左端画像の溶融池中心位置
44…揺動右端画像の溶融池中心位置
45…溶融池中心位置
46…溶接電極中心位置と溶融池中心位置とのずれ量
47…フィラーワイヤの輝度画像の先端位置
48…U字開先部
49…ルートギャップ

Claims (9)

  1. 溶接電極とフィラーワイヤを開先幅方向に揺動させつつ溶接線方向に移動させることにより、開先に溶融池を形成させて溶接するTIGアーク溶接の自動制御方法において、
    溶接電極、溶融池、開先壁、フィラーワイヤを含む領域を、溶接電極と溶融池との輝度差、溶融池と開先壁との輝度差、フィラーワイヤと溶融池との輝度差がそれぞれ相対的に大きくなるように異なる露光時間により撮影し、得られた溶接電極と溶融池、溶融池と開先壁、及びフィラーワイヤと溶融池の輝度画像の計測値を基に、溶接電極の中心線倣い制御、揺動幅制御、及びフィラーワイヤ挿入位置制御を行うTIGアーク溶接の自動制御方法。
  2. 溶接電極とフィラーワイヤを開先幅方向に揺動させつつ溶接線方向に移動させることにより、開先に溶融池を形成させて溶接するTIGアーク溶接の自動制御方法において、予め基準溶接において溶接電極、溶融池、開先壁、フィラーワイヤを含む領域を光学フィルターを介してCCDカメラで撮像した輝度画像と該撮像時の露光時間を基に、輝度画像において溶接電極と溶融池との輝度差、溶融池と開先壁との輝度差、フィラーワイヤと溶融池との輝度差がそれぞれ相対的に大きくなるような露光時間t1、t2、t3を求めて記憶しておき、本溶接において、先ず、溶接電極と溶融池を含む領域をCCDカメラで露光時間t1で計測時間T1の期間内に撮像し得られた溶接電極の輝度画像の計測値を基に開先幅X方向及び溶接線Y方向における溶接電極先端位置(Xec_med,Yet_med)を算出した後、次に、溶融池と開先壁を含む領域をCCDカメラで露光時間t2で計測時間T2の期間内に溶接電極の揺動左端および揺動右端においてそれぞれ撮像し得られた溶融池および開先壁の輝度画像の計測値を基に開先幅X方向における溶融池中心位置Xpc_med、開先中心位置Xgc_medおよび開先幅Wg_medを算出し、開先幅X方向における前記溶接電極先端位置Xec_medと前記溶融池中心位置Xpc_medまたは前記開先中心位置Xgc_medとの差が0になるように溶接電極の中心線倣い制御を行い、かつ、前記開先幅Wg_medから下記関数Wosc(Wg)により算出される目標揺動幅になるように溶接電極の揺動幅制御を行う、一連の処理を1または2回以上繰り返した後、最後に、フィラーワイヤと溶融池を含む領域をCCDカメラで露光時間t3で計測数時間T3の期間内に撮像し得られたフィラーワイヤの輝度画像を基に、予め記憶されたフィラーワイヤ先端部の教示画像パターンとの相関性を計算し、相関性が最大となる開先幅X方向及び溶接線Y方向における位置をフィラーワイヤ先端位置(Xf_med,Yf_med)とし、溶接線Y方向における前記溶接電極先端位置Yet_medと該フィラーワイヤ先端位置Yf_medとの差を基に溶接線Y方向におけるフィラーワイヤ挿入位置制御を行い、かつ、開先X方向における前記溶接電極先端位置Xec_medと該フィラーワイヤ先端位置Xf_medとの差および前記開先幅Wg_medと、予め記憶された開先ルートギャップが0の時の開先幅Wg_std およびフィラーワイヤ径φfを基に、開先X方向におけるフィラーワイヤ挿入位置制御を行うことを特徴とするTIGアーク溶接の自動制御方法。
  3. 前記開先幅X方向における溶接電極先端位置Xec_medは、前記計測時間T1の期間内に、溶接電極の揺動左端位置および揺動右端位置で撮像し得られた溶接電極の輝度画像から、それぞれ溶接電極の左側面位置候補点Xel、右側面位置候補点Xerを計測後、それぞれ平滑化処理をおこなって計測値中の中央値Xel_med、Xer_medを算出後、これらを基に下記(1)式により算出し、かつ、前記溶接線Y方向における溶接電極先端位置Yet_medは、前記計測時間T1の期間内に、溶接電極の揺動左端位置および揺動右端位置で撮像し得られた溶接電極の輝度画像から、それぞれ溶接電極の先端位置候補点Yet′を計測後、平滑化処理をおこなって計測値中の中央値Yet_medを算出することにより、求められることを特徴とする請求項2に記載のTIGアーク溶接の自動制御方法。
    Xec_med=(Xel_med+Xer_med)/2 ・・・(1)
  4. 前記開先幅X方向における溶融池中心位置Xpc_med、開先中心位置Xgc_medおよび開先幅Wg_medは、前記計測時間T2の期間内に、溶接電極の揺動左端位置で撮像し得られた溶融池および開先壁の輝度画像から溶融池左端位置候補点LXpl、溶融池右端位置候補点LXpr、開先左端位置候補点LXgl、開先右端位置候補点LXgrを算出し、かつ溶接電極の揺動右端位置で撮像し得られた溶融池および開先壁の輝度画像から溶融池左端位置候補点RXpl、溶融池右端位置候補点RXpr、開先左端位置候補点RXgl、開先右端位置候補点RXgrを計測した後、それぞれ平滑化処理をおこなって計測値中の中央値RXpl_med、RXpr_med、RXgl_med、RXgr_med、RXpl_med、RXpr_med、RXgl_med、RXgr_medを算出し、これらを基に下記(2)、(3)及び(4)式により算出することにより、求められることを特徴とする請求項2または3に記載のTIGアーク溶接の自動制御方法。
    Xpc_med=(LXpl_med+LXpr_med+RXpl_med+RXpr_med)/4 ・・・(2)
    Xgc_med=(LXgl_med+LXgr_med+RXgl_med+RXgr_med)/4 ・・・(3)
    Wg_med=(LXgr_med−LXgl_med+RXgr_med―RXgl_med)/2 ・・・(4)
  5. 前記溶接電極の揺動幅制御は、前記開先幅Wg_medから下記関数Wosc(Wg)により算出される目標揺動幅になるように溶接電極の揺動幅制御を行うことを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載のTIGアーク溶接の自動制御方法。
    Wosc(Wg):
    1)0≦Wg<Wg_minのとき、Wosc(Wg)=O_min
    2)Wg_min≦Wg≦Wg_maxのとき、Wosc(Wg)=αWg+b、但し、α、bは定数
    3)Wg>Wg_maxのとき、Wosc(Wg)=O_max
    但し、Wg=Wg_med×Phであり、Phは画素単位からmm単位への変換係数を示す。
    また、Wg_min、Wg_max、O_min、O_max、α、bは実験で求められる定数。
  6. 前記開先幅X方向及び溶接線Y方向における位置をフィラーワイヤ先端位置(Xf_med,Yf_med)は、前記計測時間T3の期間内に、溶接電極の揺動左端位置および揺動右端位置で撮像し得られたフィラーワイヤの輝度画像内で、それぞれ前記溶接電極先端位置(Xec_med,Yet_med)を基準とし、開先幅X方向にX=Xec_med−Xm〜Xec_med+Xmで、かつ溶接線Y方向にY=Yet_med〜Yet_med+Ymの矩形領域について、予め記憶されたフィラーワイヤ先端部の教示画像パターンとの相関性を計算し、相関性が最大となる開先幅X方向及び溶接線Y方向における位置をフィラーワイヤ先端位置(Xf,Yf)とした後、平滑化処理をおこなって計測値中の中央値を算出することにより、求められることを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載のTIGアーク溶接の自動制御方法。
    但し、上記Xm、Ymは実験で求められる定数を示す。
  7. 前記溶接線Y方向におけるフィラーワイヤ挿入位置制御は、予め基準溶接を基に前記溶接電極先端位置Yet_medと前記フィラーワイヤ先端位置Yf_medとの差δY=Yet_med―Yf_medの最適な範囲d1〜d2を設定しておき、本溶接時に溶接線Y方向における前記溶接電極先端位置Yet_medと前記フィラーワイヤ先端位置Yf_medとの差δY=Yet_med―Yf_medを算出し、δY<d1の場合には、フィラワイヤの挿入位置を溶接線Y方向に+(α1×d1+α2×d2−δY)×Pvだけ移動し、δY>d2の場合には、フィラワイヤの挿入位置を溶接線Y方向に+(α2×d1+α1×d2−δY)×Pvだけ移動するでおこなわれることを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載のTIGアーク溶接の自動制御方法。
    ただし、上記Pvは画素単位からmm単位への変換係数であり、α1、α2は実験で求められる定数を示す。
  8. 前記開先幅X方向におけるフィラーワイヤ挿入位置制御は、開先幅X方向における前記溶接電極先端位置Xec_medと前記フィラーワイヤ先端位置Xf_medとの差δX=Xec_med−Xf_med、および、前記開先幅Wg_medと、予め記憶された開先ルートギャップが0の時の開先幅Wg_stdおよびフィラーワイヤ径φfを基に、LG=Wg_med−Wg_std>φf、かつ、δX=Xec_med−Xf_med>0の場合には、フィラーワイヤ先端位置を開先幅X方向に、−LGだけ移動させ、LG=Wg_med−Wg_std>φf、かつ、δX=Xec_med−Xf_med<0の場合には、フィラーワイヤ先端位置を開先幅X方向に、+LGだけ移動させ、LG=Wg_med−Wg_std≦φfの場合には、δX=Xec_med−Xf_medが0となるようにフィラーワイヤ先端位置を制御することを特徴とする請求項2〜7の何れか1項に記載のTIGアーク溶接の自動制御方法。
  9. 前記t1は1/10000〜1/1000秒であり、前記t2が1/100〜1/1000秒であり、前記t3が1/10000〜1/1000秒であることを特徴とする請求項2〜8の何れか1項に記載のTIGアーク溶接の自動制御方法。
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