JP3098008B1 - 溶接位置計測装置 - Google Patents

溶接位置計測装置

Info

Publication number
JP3098008B1
JP3098008B1 JP11166696A JP16669699A JP3098008B1 JP 3098008 B1 JP3098008 B1 JP 3098008B1 JP 11166696 A JP11166696 A JP 11166696A JP 16669699 A JP16669699 A JP 16669699A JP 3098008 B1 JP3098008 B1 JP 3098008B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
imaging
tip
welding wire
wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11166696A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000351072A (ja
Inventor
秀明 水野
秀夫 河原
覚 山角
隆久 飯塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP11166696A priority Critical patent/JP3098008B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3098008B1 publication Critical patent/JP3098008B1/ja
Publication of JP2000351072A publication Critical patent/JP2000351072A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 アーク溶接中の溶接部位の3次元位置をより
正確に推定し開先線に適正に倣ってアーク溶接を制御す
る。特に溶接ワイヤに捻れや曲がりがあってもその先端
位置を推定できるようにする。 【解決手段】 溶接トーチ1に対して固定した撮像装置
2と演算装置51を備え、撮像装置2が撮像面21とフ
ィルタ機能を有する撮像機構22と画像処理機構23を
備えて溶接トーチ1から突き出している溶接ワイヤ12
を撮像し、演算装置51が撮像装置2の撮像面21中の
溶接ワイヤ先端の2次元座標値から得られる視線の方程
式と溶接トーチの軸が含まれる面の関係に基づいて溶接
ワイヤ先端の3次元位置を算出して、溶接位置を推定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接中の溶接位置
を推定する溶接位置測定装置およびそれを用いた溶接制
御装置に関し、特にアーク溶接における溶接ワイヤ先端
部位を撮像して得られる2次元画像に基づいて正しい3
次元位置を推定するようにした溶接位置計測装置および
それを用いた溶接制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、遠隔制御式溶接機や自動溶接機に
おいて、これから溶接しようとする部材の開先位置をカ
メラで確認しながら溶接トーチを開先線に追従させて溶
接を行っていた。特開平5−138354号公報には、
レーザスリット光を投影して得られる開先の光切断面と
溶接トーチの像をITVカメラにより撮影して取得した
画像に基づいて溶接線に倣うようにした溶接自動倣い装
置が開示されている。
【0003】この方法は開先に対する溶接トーチの位置
を制御するものであるため、溶接ワイヤの突出長が変化
したり溶接ワイヤが巻き癖などの影響で曲がって溶接ト
ーチと溶接位置の関係が変化したときには、アーク位置
が開先の狙い位置からずれて欠陥やビード形状不良が発
生し適切な溶接を行うことができない。このため、撮像
装置で取得した画像から正確な溶接位置を求めて溶接の
制御を行いたいとする要求があったが、溶接中の溶接部
位では輝度が大きいため通常のカメラではハレーション
が発生し、溶接位置を正確に計測することはできなかっ
た。
【0004】特開平10−94872号公報には、溶接
ワイヤあるいはアークの画像に基づいて開先に倣うよう
にした開先倣い方法が開示されている。この方法は、予
め撮影された溶接中の溶接部位の画像データを基準とし
て、倣い溶接中に撮影して取得した画像データとの相関
係数を求めて相関が高いところを溶接ワイヤや溶融池や
開先などそれぞれ対象とする物の位置と認定するように
した手法である。この開先倣い方法では、溶接アーク光
の変動による影響が少ないので、テレビカメラを用いた
自動倣い制御の信頼性が向上し、溶接工程の自動化、無
人化に貢献ができるとされている。
【0005】しかし、この方法によれば実際の溶接ワイ
ヤの位置を推定することができるが、溶接ワイヤの奥行
き方向の偏差を知ることはできず、また溶接ワイヤの先
端位置を正確に捉えることはできない。したがって、こ
の方法は溶接トーチではなく溶接ワイヤの位置に基づく
といっても、結局は溶接ワイヤが溶接トーチから真っ直
ぐに突出しており突出長が一定であるという仮定の下で
溶接線倣い制御を行うことしかできなかった。また、本
方法は撮像された画像データを僅かずつずらしながら切
り出して基準画面との2次元相関係数を算出し最も相関
が高いところを探索するものであるから、オンラインで
演算処理して制御に使用するためには極めて高速で高度
な演算処理能力が要求される。
【0006】さらに、本願出願人は、既に特願平10−
98528号により溶接部位の撮像画面から開先、溶接
ワイヤ、溶融池、溶接アークなどの状態を視覚化する方
法を開示している。この方法は、感度の異なる撮像装置
を複数用いてほぼ同じ方向から溶接部位を撮像しこれら
の画像を合成して溶接状況を監視できるようにするもの
である。この開示方法によれば溶接ワイヤの先端位置も
視覚化して把握することができる。しかし、こうして撮
像装置で取得した1枚の2次元画像から3次元的な位置
を測定することは難しかった。特にワイヤが曲がってい
るときにその先端位置を正確に推定することは困難であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、アーク溶接中の溶接ワイヤ先端位
置など溶接部位の3次元位置をより正確に推定すること
であり、特に捻れや曲がりを持つ溶接ワイヤでもその先
端位置を推定して、開先線に適正に倣ってアーク溶接を
制御することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の溶接位置計測装置は、溶接トーチに対して
固定した撮像装置と演算装置を備え、撮像装置が撮像機
構と画像処理機構を備えて溶接トーチから突き出してい
る溶接ワイヤを撮像し撮像画面中の溶接ワイヤ先端の2
次元座標値を求め、演算装置が溶接ワイヤ先端の2次元
座標値と溶接トーチの軸が含まれる面の関係に基づいて
溶接ワイヤ先端の3次元位置を算出して、溶接位置を推
定することを特徴とする。
【0009】撮像装置の撮像面に形成される映像は、被
写体を撮像装置の光学中心(主点)から見透した投影像
と相似の関係がある。したがって、溶接トーチから突き
出している溶接ワイヤが撮影されている撮像画面中でそ
の先端位置を特定して撮像面上に固定された2次元座標
系における座標値を求めることにより、溶接ワイヤの先
端位置と光学中心を結ぶ直線すなわち視線を算出するこ
とができる。さらに溶接ワイヤ先端の3次元位置を知る
ためには、溶接ワイヤが存在する面と上記の視線が交わ
る位置を求めればよい。本発明では、溶接ワイヤが溶接
トーチの軸に沿って突き出されることと、溶接トーチが
撮像装置と相対的に一定の関係にあることから、溶接ト
ーチの軸が含まれる面を基準として溶接ワイヤの先端位
置を推定するようにしている。
【0010】たとえば、第1次近似として溶接ワイヤが
溶接トーチの軸に沿って真っ直ぐに突き出されるものと
仮定すれば、溶接ワイヤの先端位置は上記視線と溶接ト
ーチの軸を含む面の交点にあることになり、本発明の装
置により推定ができる。なお、上記演算に用いる溶接ト
ーチの軸を含む面を撮像装置の光軸に対して直交する水
平線を含む面とすれば、溶接ワイヤ先端が溶接トーチ軸
から左右にずれたときばかりでなく前後方向にずれたと
きにも補正計算を比較的容易に行うことができる。
【0011】また、本発明において使用する撮像装置
は、それぞれ分光感度の異なるフィルターを備えてそれ
ぞれ溶接部位をほぼ同じ方向から撮影するように配置さ
れた感度の異なる複数の撮像機構を備えるものであるこ
とが好ましい。画像処理機構が各撮像機構で取得した画
像情報を合成した合成画像を生成することにより、周囲
の事物と輝度の高い溶接アークなどの部分がそれぞれ適
当な明るさで表現されるので、溶接状態を正確に把握す
ることができ、溶接ワイヤの先端も明瞭に認識できる。
【0012】なお、演算装置では、6点以上の既知点の
撮像結果に基づいて求めたカメラパラメータを記憶して
おいて、溶接ワイヤ先端の撮像画面中の2次元位置と空
間における3次元位置をこのカメラパラメータによって
関連付けるようにしてもよい。これらの関連は、たとえ
ば、撮像装置から対象点を見通す視線に関わる下式
(1)によって表すことができる。
【数2】
【0013】なお、溶接ワイヤが曲がっているときに
は、撮像画面中の溶接ワイヤの径に基づいて推定される
溶接トーチの軸が含まれる面からの距離を加味すること
により、溶接ワイヤの先端位置を算出することができ
る。溶接ワイヤの径は上から下まで変わらないから、上
記溶接トーチ軸が含まれる面にある場合に期待される撮
像画面中の径と実際に撮影された溶接ワイヤの径を比較
することにより、前後方向のずれを評価することができ
るからである。このとき、溶接トーチと撮像装置の相対
位置は溶接工程中に変化しないから、実際に写っている
溶接トーチ先端位置における溶接ワイヤの径を基準とし
て撮像画面中の溶接ワイヤ径を評価するようにしてもよ
い。このようにして溶接ワイヤの先端位置が正確に推定
できるようになると、溶接ワイヤ先端の捻れなどに伴い
従来見られた開先倣いのずれを防止して、正確な溶接線
倣い制御が行える。
【0014】また、本発明の溶接制御装置は、上記溶接
位置計測装置に加えて制御装置を備え、溶接位置計測装
置により算出された溶接ワイヤの突き出し長に基づいて
溶接条件を制御することを特徴とする。溶接が進む間に
溶接ワイヤの消費速度が変動したり溶接対象までの距離
が変動することにより繰り出し長が変化するが、溶接ワ
イヤの突き出し長が変化すると溶接トーチ内部の給電点
から溶接ワイヤ先端までの電気抵抗が変わるので適正な
溶接電流を維持するための調整が必要である。溶接ワイ
ヤ先端などで代表される溶接位置を計測することにより
溶接ワイヤの突き出し長を知るようにした溶接制御装置
は、その推定値に基づいて溶接条件を制御して品質の高
い溶接をすることができる。
【0015】本発明の溶接制御装置は、さらに開先位置
測定装置を備え、開先位置測定装置により計測される開
先位置と溶接位置計測装置により推定された溶接位置に
基づいて開先倣い制御を行うようにしてもよい。開先位
置測定装置により溶接機に対する開先位置を実測して、
開先位置情報を溶接部位の3次元位置情報と複合するこ
とにより、より精密な開先倣い制御が可能になる。開先
位置情報と溶接位置情報は、たとえば溶接装置が使用す
る座標系など、1個の座標系に座標変換することにより
容易に複合することができる。
【0016】
【発明の実施の態様】以下、図面を参照して本発明を実
施例に基づいて詳細に説明する。
【0017】
【実施例】図1は、本実施例の部品配置を説明する構成
図、図2は測定の原理を説明する斜視図、図3は本実施
例の構成を説明するブロック図、図4は座標変換の手法
を説明する概念図、図5は溶接時の制御動作を説明する
概念図である。本実施例は、溶接トーチに対して固定さ
れた撮像装置を備える溶接位置計測装置である。撮像装
置としては、CCDカメラやITVカメラなど映像の位
置が撮像面に固定された2次元座標系により表現できる
ものが利用される。また、本実施例では、開先線倣いを
可能にするため開先の状態を把握するレーザ測距機など
の開先位置測定装置を付属している。
【0018】図面を参照すると、溶接トーチ1に固定さ
れた取付け用ブラケット11に撮像装置2が固定されて
いる。取付け用ブラケット11にはまた開先位置計測装
置3が取り付けられている。溶接トーチ1の先端からは
中心軸に沿って溶接ワイヤ12が延出して溶接トーチ制
御装置13の溶接電源装置から供給される溶接電流によ
り溶接ワイヤ先端と被溶接物4の表面との間に溶接アー
ク14を形成する。なお、溶接は図中に太い矢印で表し
たように、図1では図中右側方向に、図2では図中左方
向に進行するものとする。
【0019】撮像装置2は、光学系を介して投影される
映像を2次元位置情報に変換するCCD素子などの撮像
面21を備えた撮像部22と被写体の各部を明瞭に表示
するための画像処理部23を備えている。撮像部22
は、溶接部位を含む領域を撮影して2次元画像を生成す
る。画像処理部23は対象により異なる値を有する明度
や色情報などに関する適当な閾値を用いて、溶接管理に
利用される対象、たとえば溶接ワイヤ先端や溶接アーク
などを明瞭に区分けできるようにする。
【0020】なお、特願平10−98528号に開示し
た方法に基づいて、それぞれ分光感度特性の異なるフィ
ルタを備えて感度を変えた複数のCCDカメラをほぼ同
じ視野で撮影するように配置し、それぞれ輝度の異なる
部分を適当な明るさに変換して画像信号を出力し、画像
処理部23でこれらの画像信号を重ね合わせて1画面に
合成するようにしたものは、輝度の異なる開先、溶融
池、溶接トーチ、溶接ワイヤ、溶接アークなど全ての要
素をそれぞれ区別して表示したり画像データにすること
ができる。
【0021】このようにして得られた画像データから周
知の画像処理方法を用いて溶接ワイヤの先端などの特徴
点を抽出し、撮像面に設定された撮像座標系上でその特
徴点の2次元座標を求める。次に、この撮像座標を対象
物体に設定された3次元の物体座標系に変換する。物体
座標系は任意に定めることができるが、自動溶接装置な
どを用いる場合は、溶接機を搭載した台車の軌道に沿っ
てZ軸を設定しこれに垂直にX−Y面を決めたり、アク
チュエータの軸を基準に座標系を設定することが好まし
い。上記特徴点の物体座標は、撮像座標から求めて物体
座標系で表したカメラの視線と、物体を基準として物体
座標系空間に設定した平面に基づいて決定する。
【0022】撮像座標からカメラ視線を求める手法は、
同次座標系を用いた線形化手法に基づいて導出されたカ
メラパラメータを使って行う座標変換法である。撮像装
置の光学的関係を理想化すると、図4に示すように、光
学系の主点Fにピンホールを設けた透視変換モデルで表
現することができる。この透視変換モデルでは、カメラ
視線はピンホールを通る1本の直線として定義される。
実際の撮像装置では対象−レンズ系−撮像面の順に配置
されるが、簡単のため仮想的に撮像面をレンズの前面す
なわち対象が存在する側に配置した仮想結像面Vにある
ものとする。仮想結像面Vとレンズ主点Fの距離は焦点
距離fにとり、実際の撮像面Iとレンズ主点Fの間と同
じ距離とする。
【0023】カメラに固定した撮像座標系を考え、仮想
結像面Vをこの撮像座標系の基準にとり、原点Oを仮想
結像面の中心に置き、仮想結像面Vを撮像座標系の2軸
(X,Y)が含まれる面とする。また、光学軸の方向に
残りの1軸(Z)を取るものとする。空間中のある1点
P(x,y,z)を仮想結像面Vに投影した点P’(x
,y,z)は、測定点Pへ向かう視線と仮想結像
面との交点であり、下式(2)で与えられる。
【数3】 ここで、z=0である。また、α=f/(f+z)と
なる。
【0024】上記の透視変換は非線形な変換であるが、
媒介変数を加えて1次元高めた同次座標系を用いること
により線形化することができる。Wを媒介変数として
3次元の点(x,y,z)を4次元の点(x,y
,w)で表すと、透視変換は下式(3)の行列演
算で記述することができる。ここで、x=x/w
y=y/w,z=z/wである。また、(x,
y,z,1)は同次座標系表現における物体点Pの座
標、(xch,ych,zch,wch)は撮像面上の
投影点P’の座標である。
【数4】
【0025】実際には測定対象は、撮像装置を基準とし
た撮像座標系ではなく、物体を基準とした物体座標系で
表現した方が都合がよい。特にロボットや自動溶接機で
自動的に倣い溶接を行わせる場合にはロボットやアクチ
ュエータなどの移動軌道と関連付けられた座標系を採用
することが好ましい。物体座標系と撮像座標系を関係付
ける座標変換Tは、同次座標系表現では回転と平行移動
を含めて下式(4)で表される。
【数5】
【0026】したがって、物体座標系での点Pから撮像
座標系での点P’への変換は下式(5)で表すことがで
きる。
【数6】
【0027】撮像座標系における撮像面では常にzch
=0なので、上式(5)から、撮像面における像の2次
元位置M(m,m)と空間における3次元位置R
(r,r,r)の変換を表わす下式(6)が得ら
れる。なお、αは媒介変数に相当する。
【数7】
【0028】この3行4列の係数行列が位置、姿勢、画
角などカメラに関するデータを全て含むもので、一般に
カメラパラメータと呼ばれており、カメラの視線を表現
するものである。対象の大きさや形態、測定環境などに
より、カメラの配置や使用するレンズの焦点距離などは
異なるので、カメラパラメータは条件が変わるたびにキ
ャリブレーションしなくてはならない。カメラパラメー
タの各係数は、レンズの焦点距離やカメラの位置や姿勢
の実測値から求めることもできるが、不正確であり時間
もかかる。そこで、形状や位置が既知の基準となる物体
を利用し、これを撮像装置で計測した結果を用いてキャ
リブレーションすることが実用的である。
【0029】物体座標系上の基準点(r,r
)と撮像面上の対応する位置(m,m)を1組
与えれば2個の式が成立する。カメラパラメータは12
個の要素を有するので、互いに独立した6個の基準点を
用いればキャリブレーションができる。なお、キャリブ
レーションの精度を高めるために、6個を超える多数の
基準点を用いて最小2乗法によって未知数を推定する方
法を用いることが好ましい。このようにして求めたカメ
ラパラメータにより、撮像面上の映像の位置に基づいて
溶接ワイヤ先端を見通す視線の式が求められる。
【0030】通常は溶接ワイヤの先端は溶接トーチの軸
に沿って真っ直ぐに突出するので、上記の視線が溶接ト
ーチの軸を含む面に当たる点が溶接ワイヤ先端位置であ
る可能性が高い。溶接トーチ軸を含む面を物体座標系上
に形状方程式として表しておけば、視線との交点は容易
に求めることができる。
【0031】本実施例の溶接位置計測装置によれば、以
下の手順で溶接トーチ、溶接ワイヤなど撮像面21内に
写し込まれた素子の3次元位置を求めて溶接制御に使用
することができる。
【0032】すなわち、 溶接ロボットなどを搭載する溶接台車が走行する際に
利用する3次元の物体座標系を定める。 溶接トーチ、溶接ワイヤなど溶接機材をその物体座標
系上で表現する形状方程式を確定する。 溶接部位を撮影するカメラの2次元撮像座標系と3次
元固定座標系との変換パラメータを算定する。
【0033】このような準備を行った上で溶接中の溶接
部位を撮影し、 撮像用カメラで取得した画像中で溶接トーチ、溶接ワ
イヤなどの特徴点を抽出し、その特徴点の撮像座標系上
の座標を求める。 特徴点の撮像座標値に変換パラメータを作用させてそ
の点を見通す視線の方程式を求める。 溶接機材の形状方程式と視線方程式の交点として対象
点の3次元固定座標上の座標値を算出する。
【0034】本実施例の溶接位置計測装置によれば、溶
接中の溶接ワイヤ先端3次元位置を正確に推定して3次
元座標値として出力することができるので、この情報を
自動溶接装置で利用することにより、溶接トーチの位置
で代用して倣い制御するのではなく、溶接ワイヤの先端
位置など溶接位置を基準として制御することができ、溶
接ワイヤの突き出し長が変化したときでも精密な開先倣
い溶接制御を行うことができる。なお、上記の手順で
決める形状方程式は、たとえば溶接ワイヤを対象とする
ときには溶接トーチの軸が含まれる平面を表す方程式な
どを用いることができる。また、手順で算定する変換
パラメータには、先に説明したカメラパラメータとして
知られている3×4の係数行列を用いることができる。
【0035】なお、図2に先端をB点で示すように、繰
り出し前に付けられた巻き癖などの影響で溶接ワイヤが
曲がり、実際の溶接ワイヤが形状方程式からずれること
がある。このような場合には形状方程式上に位置すると
きの溶接ワイヤと実際の溶接ワイヤの映像にみられるワ
イヤ径の差に基づいて溶接ワイヤの位置ずれを推定する
ことができる。そこで、溶接ワイヤが手順で求めた形
状方程式上に位置するときに撮像面21上に表われるべ
き溶接ワイヤの幅と、実際に測定された撮像面上のワイ
ヤの幅と、実際の位置Bと形状方程式上の位置B’との
ずれ量Lの関係を予め定量化した補正式を演算装置51
に記憶しておく。
【0036】そして、撮像された溶接ワイヤの幅が、溶
接ワイヤが形状方程式上にあるときに期待される溶接ワ
イヤの幅と異なる場合は、まず、溶接ワイヤの先端Bを
形状方程式上に位置するものと仮定して3次元位置B’
を求め、次に、予め定量化された補正式に基づいて距離
Lを算出して、視線に沿ってその距離だけ位置補正を行
うことにより正しい3次元位置を求める。上記手法を用
いれば、溶接ワイヤが捻れたり曲がったりしている場合
でも溶接ワイヤ先端の正しい3次元位置を求めて溶接線
倣い制御に利用することができる。
【0037】なお、上記実施例の方法により溶接ワイヤ
先端の3次元座標を計測した結果から溶接トーチからの
突き出し長を知ることができる。溶接ワイヤの突き出し
長が変化すると溶接電流が変動して良好な溶接結果を得
ることができないが、溶接ワイヤの突き出し長は溶接中
にも計測できるので、この情報に基づいて溶接電流の直
接的な制御が可能となり、従前より細かい溶接入熱管理
による精密な溶接条件制御を行うことができる。
【0038】たとえば、図5の左図に表したように、溶
接トーチ1から突き出した溶接ワイヤ12の先端部とワ
ーク4の間に形成された溶接アーク14により、ある溶
接条件下で溶接電流300A、電圧33V、ワイヤ突き
出し長15mmで溶接している間に、図5の右図に表す
ように溶接対象の形状に伴ってワイヤ突き出し長が20
mmに変化すると溶接ワイヤ部分12の電気抵抗が大き
くなって、ワーク4に接地された溶接電源15から接触
電極16を介して供給される溶接電流が280Aに変化
する。
【0039】その結果、溶接対象への入熱量が低下し、
溶接部位の溶け込みが減少するので継手品質が低下す
る。このような場合には、溶接電源を調整して抵抗発熱
による溶接電流低下分を補い必要な入熱量を確保する
か、溶接トーチを溶接対象に近づけワイヤ突き出し長を
元に戻して溶接電流を確保する必要がある。上記の例で
は、ワイヤ突き出し長が20mmのときに電流330
A、電圧34Vに調整すると溶接品質を維持して継手品
質を確保することができた。
【0040】本実施例の溶接位置計測装置ではワイヤ突
き出し長を正確に評価できるので、ワイヤ突き出し長に
基づいた精密な溶接電流制御が可能となり、溶接入熱を
従前より細かく管理する溶接条件制御が可能となる。ま
た、ワイヤ突き出し長と溶接電源の最適な関係を与える
対照表を溶接制御装置に記憶させておくことにより、ワ
イヤ突き出し長を制御変数に取り込んだ自動溶接が可能
となる。なお、ワイヤ突き出し長を算出して溶接トーチ
の位置に帰還制御する方法はより直接的であるため制御
論理が簡単である。
【0041】さらに、開先位置計測装置3を付帯させて
その情報を取り込んで利用することにより、開先線に沿
った自動倣い溶接を容易に行うことができる。開先位置
計測装置3はレーザ距離計であって、溶接トーチ1に固
定して使用される。レーザ距離計3は、これから溶接し
ようとする部分にレーザビーム31をスキャンしながら
照射し反射光から開先位置・形状を測定して、その結果
を開先位置座標変換部32により物体座標系の座標値で
表現する。制御装置5は1個の物体座標系上に表現され
た溶接ワイヤ先端位置座標情報と開先位置座標情報に基
づいて溶接トーチの位置を制御して開先倣い制御を行う
ことができる。
【0042】なお、上記実施例では、撮像装置2の撮像
部22にCCD素子を用いたものを採用したが、2次元
座標で対象像を表現することができれば各種真空管式撮
像管であってもよい。また、リニア配列されたCCD素
子を使用したものであっても良いことはいうまでもな
い。また、溶接位置を代表するものとして溶接ワイヤの
先端を利用したが、溶接アークその他の溶接位置と密接
に関係するものを利用することもできる。さらに、開先
位置計測装置としてレーザ距離計を用いたが、レーザな
どをスリット光として照射したときに形成される光切断
線を撮像装置で撮影した結果を用いる方法なお、その他
の方法であってもよい。また、視線を表す直線方程式
は、対象となる視線が撮像面上の座標と光学系の主点を
結ぶ線であることを利用した演算により算出することも
できる。
【0043】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の溶接位置計
測装置や溶接制御装置を用いれば、溶接中の溶接ワイヤ
先端位置をリアルタイムで得ることができるので、これ
を利用して溶接トーチ位置でなく溶接ワイヤ先端位置に
基づいた正確な溶接線倣い制御を行って、欠陥やビード
形状不良が少なく品質の高い溶接をすることができる。
また、溶接ワイヤの突き出し長に基づいて溶接入熱を管
理する溶接条件制御が可能となり、ワイヤ突き出し長の
管理アルゴリズムを溶接制御装置に組み込むことにより
適切な自動溶接が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶接位置計測装置の1実施例を示す構
成図である。
【図2】本実施例における計測原理を説明する斜視図で
ある。
【図3】本実施例の構成を説明するブロック図である。
【図4】本実施例における座標変換の手法を説明する概
念図である。
【図5】本実施例において溶接条件を調整する概念を説
明する図面である。
【符号の説明】
1 溶接トーチ 11 取付け用ブラケット 12 溶接ワイヤ 13 溶接トーチ制御装置 14 溶接アーク 15 溶接電源 16 接触電極 2 撮像装置 21 撮像面 22 撮像部 23 画像処理部 3 開先位置計測装置 31 測定ビーム 32 開先位置座標変換部 4 被溶接部材 5 制御装置 51 演算装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯塚 隆久 千葉県野田市二ツ塚118番地 川崎重工 業株式会社 野田工場内 (56)参考文献 特開 平9−295146(JP,A) 特開 平8−276271(JP,A) 特開 昭64−71577(JP,A) 特開 昭62−32582(JP,A) 特開 平2−42586(JP,A) 特開 平2−12504(JP,A) 特開 平10−85937(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/127

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接トーチに対して固定した撮像装置と
    演算装置を備え、該撮像装置が撮像機構と画像処理機構
    を備えて、該撮像機構が前記溶接トーチから突き出して
    いるアーク溶接中の溶接ワイヤを撮像し、前記画像処理
    機構が前記撮像機構の取得した撮像画像に基づいて撮像
    画面中の前記溶接ワイヤ先端の2次元座標値を求めるこ
    とにより、該溶接ワイヤの撮像画面上の先端位置と光学
    中心を結ぶ直線を算出し、該直線と溶接トーチの軸を含
    む面の交点を用いて溶接ワイヤ先端の3次元位置を算出
    することにより、溶接位置を推定する溶接位置計測装
    置。
  2. 【請求項2】前記撮像装置がそれぞれ分光感度特性の異
    なるフィルタを備えて感度の異なる複数の撮像機構をそ
    れぞれ溶接部位をほぼ同じ方向から撮影するように配置
    したものであって、前記画像処理機構が各撮像機構で取
    得した画像情報を合成した合成画像を生成することを特
    徴とする請求項1記載の溶接位置計測装置。
  3. 【請求項3】 前記演算装置が、前記溶接ワイヤ先端の
    撮像画面中の2次元位置M(m,m)と空間におけ
    る3次元位置R(r,r,r)がαを媒介変数と
    して6点以上の既知点の撮像結果に基づいて算出された
    カメラパラメータC(cij(ただしi=1〜3,j=
    1〜4))により下式で関連付けられていることを利用
    して前記溶接ワイヤ先端と撮像装置の主点を結ぶ直線を
    算出することを特徴とする請求項1または2記載の溶接
    位置計測装置。 【数1】
  4. 【請求項4】 前記撮像画面中の溶接ワイヤの径に基づ
    いて前記溶接トーチの軸が含まれる面からの距離を推定
    して溶接ワイヤ先端の3次元位置を算出することを特徴
    とする請求項1から3のいずれかに記載の溶接位置計測
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の溶接
    位置計測装置と制御装置を備え、前記溶接位置計測装置
    により算出された溶接ワイヤの3次元位置から溶接ワイ
    ヤの突き出し長を算出し該突き出し長に基づいて溶接条
    件を制御することを特徴とする溶接制御装置。
  6. 【請求項6】 さらに開先位置測定装置を備え、該開先
    位置測定装置により計測される開先位置と前記溶接位置
    計測装置により推定された溶接位置に基づいて開先倣い
    制御を行うことを特徴とする請求項5記載の溶接制御装
    置。
JP11166696A 1999-06-14 1999-06-14 溶接位置計測装置 Expired - Fee Related JP3098008B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11166696A JP3098008B1 (ja) 1999-06-14 1999-06-14 溶接位置計測装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11166696A JP3098008B1 (ja) 1999-06-14 1999-06-14 溶接位置計測装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3098008B1 true JP3098008B1 (ja) 2000-10-10
JP2000351072A JP2000351072A (ja) 2000-12-19

Family

ID=15836058

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11166696A Expired - Fee Related JP3098008B1 (ja) 1999-06-14 1999-06-14 溶接位置計測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3098008B1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4665243B2 (ja) * 2005-03-10 2011-04-06 中央精機株式会社 ワイヤ狙い位置制御方法及び位置制御装置
JP2008110388A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Toshiba Corp 溶接作業情報計測方法および装置
JP5927212B2 (ja) 2014-02-28 2016-06-01 ファナック株式会社 溶接トーチ検出装置および溶接ロボットシステム
KR102566386B1 (ko) * 2016-10-12 2023-08-14 한화오션 주식회사 벤딩부를 포함하는 용접대상체의 벤딩부의 좌표를 도출하는 용접로봇 및 벤딩부를 포함하는 용접대상체의 벤딩부 좌표를 도출하는 방법
CN115302053B (zh) * 2022-08-29 2023-11-14 中建安装集团有限公司 一种不锈钢复合板智能化埋弧焊焊接方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000351072A (ja) 2000-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN112959329B (zh) 一种基于视觉测量的智能控制焊接系统
US6046431A (en) Remote operator viewing and measurement system for arc welding
US10092977B2 (en) Welding head and method for joining a workpiece
US7034249B2 (en) Method of controlling the welding of a three-dimensional structure
US20100183197A1 (en) Apparatus for inspecting and measuring object to be measured
Wu et al. Weld bead placement system for multipass welding
WO1997024206A1 (fr) Systeme robotique composite de detection
JP2023160849A (ja) 機器と装置
JP6600928B1 (ja) X線回折測定装置
JP2003230959A (ja) 遠隔操作型溶接ロボットシステム
JP2005037366A (ja) 赤外線構造物診断システム及び赤外線構造物診断方法
JP3398657B2 (ja) 溶接用センサ
JP3098008B1 (ja) 溶接位置計測装置
CN108465900B (zh) 用于目标距离检测和定位的系统及方法
JP3236076B2 (ja) 溶接パラメータ測定のための溶接ヘッド、およびこの溶接ヘッドを使用した自動溶接装置
JP2005081419A (ja) Tigアーク溶接の自動制御方法
JP5113623B2 (ja) 計測装置を用いてロボットの位置教示を行うロボット制御装置
JP2000205821A (ja) 三次元形状計測装置及びその三次元形状計測方法
JP3427619B2 (ja) 架空線撮影装置及び方法
KR20200106193A (ko) 용접 동작 계측 시스템
JP2000263273A (ja) Yagレーザ加工機のティーチング方法及びその装置
JP3203507B2 (ja) レーザ加工装置
JP2002205166A (ja) 溶接状態表示装置
EP1314510B1 (en) Method of welding three-dimensional structure and apparatus for use in such method
JP2887656B2 (ja) レーザ加工装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees