JP2005081147A - 磁石コイルシステムを用いた動作空間内の磁性体の非接触移動および/または固定装置 - Google Patents

磁石コイルシステムを用いた動作空間内の磁性体の非接触移動および/または固定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】動作空間を包囲する特別な磁石コイルシステムを用いて、磁性体を、安定に且つ非接触ですなわち磁性体の方向調整および磁性体への力作用のもとで、ナビゲーションし固定することを可能にする。
【解決手段】装置(22)により動作空間(A)内で磁性体(10)が非接触移動させられ固定される。このために、装置は、3つの磁場成分および5つの磁場勾配を発生させるための14個の個々に駆動可能な個別コイルからなる磁石コイルシステム(2)と、
磁性体(10)の実際位置の検出手段(24x,24y,24z)と、磁性体(10)の目標位置の設定手段(25〜27)とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、x,y,z直交座標系に配置された面によって包囲されている3次元動作空間を包囲する磁石コイルシステムを用いた動作空間内の磁性体の非接触移動および/または固定装置に関する。
医療においては内視鏡やカテーテルが使用される。これらは、切開口または身体開口を介して挿入されて長手方向に外側から移動させることができ、それゆえ1次元でのみナビゲーション可能である。光導体により光学的な視診が可能であり、内視鏡先端つまり注視方向は制御ワイヤによって揺動可能である。このような装置は特に生体検査用に構成されている。しかしながら、この場合に使用されるプローブは特に分岐個所ではナビゲーションを制限されるので、外側からの非接触の力作用は適用範囲の拡大をもたらすことは必然である。
x,y,z直交座標系において数学的に記述できる位置を有する立方体の面に配置された6個のとりわけ超伝導の個別コイルを含む非接触磁気式プローブ制御のための磁石コイルシステムは公知である(非特許文献1および特許文献1参照)。これらのコイルにより、磁性材料を有するカテーテルまたは治療目的のための磁性移植体を被検体内、例えば人体内において案内し移動させるための可変の磁場方向および磁場勾配を発生させることができる。しかしながら、6個の個別コイルからなる磁石コイルシステムによっては、磁性体の無制限のナビゲーション自由度を達成することができない。
3つのコイルを有する磁石コイルシステムも公知である(特許文献2参照)。さらに、患者の周りに回転可能に配置された幾つかの永久磁石からなり、それらの永久磁石の磁場が磁気絞り装置によって影響を受け、これらの永久磁石が磁性プローブの前進のための磁気波を発生することができる装置も公知である(特許文献3参照)。
更に、特にX線制御のもとで磁性カテーテルを制御するための回転可能な永久磁石を有する磁石コイルシステムも公知である。
この従来技術の場合には、フィードバックによる位置安定化方法に関して言及していない。これは、磁性プローブ体が磁場方向および勾配によって予め与えられいつも被検体内の内面に当接するという前提から出発している。
コンピュータ制御のもとで正確に定められた電流パルスによって磁性プローブを一歩一歩移動させる付加的なパルスコイルを用いた方法も公知である(特許文献4参照)。
消化管の視診に用いられる所謂ビデオカプセルも公知である(例えば、非特許文献2参照)。ビデオカプセルの前進は自然の腸運動によって行なわれる。すなわち前進および注視方向は全くの偶然である。
棒磁石とビデオ装置およびその他の非侵襲装置とを備えたビデオカプセルも公知である(特許文献5参照)。棒磁石には外部の磁石コイルシステムからナビゲーションのための力が与えられる。6Dマウスによる外部制御を有する浮遊する所謂ヘリコプタモード、マウスを介する力の応答信号並びにトランスポンダを通した位置応答信号が言及されている。磁石コイルシステムの実現および個別コイルの作動のための詳細は特許文献5からは明らかでない。
上述の全てのシステムは、磁性体を磁場により浮遊させて予め定められた位置に保持することを可能にするものではない。その理由は、アーンシャウ(Earnshaw)の理論(非特許文献3参照)に基づいて、このような構成のそれぞれが少なくとも1つの空間方向において不安定であることにある。すなわち、磁性体は局所的な磁場勾配によって予め定められて常に動作空間内の内面によりかかっているか、もしくは磁性体はワイヤ案内されるカテーテルを所望の方向に曲げる。
"IEEE Transactions on Magnetics",Vol.32,No.2,1996年3月、第320〜328頁 "Gastrointestinal Endoscopy",Vol.54,No.1,第79〜83頁 "Transactions of the Cambridge Philosophical Society",Vol.7,1842年、第97〜120頁 米国特許第5125888号明細書 米国特許第6241671号明細書 米国特許第6529761号明細書 国際公開第96/03795号パンフレット 独国特許第10142253号明細書
本発明の課題は、動作空間を包囲する特別な磁石コイルシステムを用いて、例えば上記特許文献5による棒磁石の如き(強)磁性体を、安定に且つ非接触ですなわち磁性体の方向調整および磁性体への力作用のもとで、ナビゲーションし固定することができる装置を提供することにある。その場合に、磁性体の方向調整と、磁性体への力の大きさおよび方向とを、機械結合なしに磁気的に外側から与え得るようにしようとするものである。
この課題の解決のために、本発明によれば、請求項1に記載された措置が用いられる。すなわち、本装置は、x,y,z直交座標系に配置された面によって包囲されている3次元動作空間内の磁性体の非接触移動および/または固定に用いることができる。その場合に本装置は次の部分を含んでいるべきである。
a)3つの磁場成分Bx,By,Bzと、対角線Dに関して対称な勾配マトリックス
Figure 2005081147
からの5つの磁場勾配とを発生するように構成されている個々に駆動可能な14個の個別コイルを有し、これらの個別コイルにより、勾配マトリックスにおける3つの対角要素のうち2つの対角要素と、勾配マトリックスにおける対角線Dに対して対称な3つの勾配要素対から1つずつの非対角要素とを発生させ、動作空間を包囲する磁石コイルシステム、
b)動作ボリューム内の磁性体の実際位置の検出手段、
c)磁性体の方位、目標位置および移動方向の設定装置と、磁性体の目標位置と実際位置との偏差を処理して個別コイルのコイル電流を設定するためのコイル電流設定手段とを有する磁性体の目標位置の設定手段。
動作空間を籠のように包囲し且つz方向におけるアクセスを可能にする使用されるべき磁石コイルシステムにおいては、マックスウェルの方程式によって課された条件rot=0およびdiv=0(但し、下線を付された量はそれぞれベクトルを表わす。)によって、磁場勾配が常に対をなして発生させられることが前提となっている。可能な3つの磁場成分Bx,By,Bzから2つの磁場成分が発生させられ、可能な9つの磁場勾配dBx/dx,dBx/dy,dBx/dz,dBy/dx,dBy/dy,dBy/dz,dBz/dx,dBz/dy,dBz/dzから5つの独立した勾配のみとが発生させられることが分かった。14個の個別コイルには磁気自由度に応じた8つの異なる電流パターンを同じ大きさの電流で印加することができる。これらの電流パターンはそれぞれ主として1つの磁場成分または1つの磁場勾配を発生する。この場合に、重ね合わせによって、マックスウェルの方程式に基づいて許容される磁場成分および磁場勾配の各組合せを発生させることができる。
このようにして、例えば磁気要素に結合されたプローブ(例えば、カテーテル、内視鏡あるいは特許文献5によるビデオカプセル)である磁性体に対する任意の予め与え得る非接触の方向調整(=固定を含めたナビゲーション)および磁気力が、動作空間内の磁場により可能になる。
本発明によるシステムにより、3つの空間方向における磁性体の位置調節と、既述の磁石コイル装置によって発生させられるような磁場構成への複雑な要求との協働を保証することができる。磁性体の移動または回転の都度、14個の全個別コイルにおける電流が変わる。個別コイルのコイル電流の設定は、目標位置と実際位置との偏差が減少させられるように、とりわけ最小化されるように行なわれる。これに関する設定および処理手段が相応に設計されている。
更に、磁性体の方位、目標位置および移動方向の設定装置への力応答信号を備えた構成並びに磁性体を移動させる速度の可能な制限が好ましい。このようにして、被検査者内において上記特許文献5による強磁性または永久磁石の形の磁性体を装備したビデオカプセルを、動作空間内で特に医療診断にとって願わしく自由に安定に浮上させることが、能動的な位置調節によって実現できる。
本発明による装置の好ましい構成は従属請求項により与えられる。
個々に駆動可能な14個の個別コイルは、対をなして対向位置する面とz方向に延びている少なくとも1つの管状外殻面とに配置するとよい。その場合に管状外殻面を除いて面を直方体または立方体に広げるとよい。しかしながら、面が必ずしも平らに形成されていることが必要ではない。これらの面にある個別コイルは特にz方向における動作空間への良好なアクセスを可能にする。
好ましくは、少なくとも6個の個別コイルが、動作空間における対をなして対向位置する端面もしくは側面にあり、3つの磁場成分Bx,By,Bzおよび勾配マトリックスの2つの対角要素を発生させるために用いられるとよい。同時に、少なくとも4個の個別コイルが、動作空間を包囲する少なくとも1つの管状外殻面に周方向に見て分割配置され、勾配マトリックスの少なくとも1つの非対角要素を発生させるために用いられるとよい。残りの個別コイルと共同して必要な3つの非対角要素が形成される。
コイルシステムの特に有利な実施態様によれば、
6個の個別コイルが、3つのコイル対として、動作空間の対をなして対向位置する端面もしくは側面にあり、
8個の個別コイルが、z方向に見て相前後して少なくとも1つの管状外殻面上にある2つのコイル装置を形成し、両コイル装置のそれぞれ4個の個別コイルが、外殻面上に周方向に見て分割配置され、勾配マトリックスにおいて対角線の一方の側にある3つの非対角要素を発生させるために用いられる。
これらのコイルシステムは、z方向における動作空間への良好なアクセスを有する明快な構造によって傑出している。
その代わりに、磁石コイルシステムにおいて、
動作空間の端面には個別コイルのコイル対があり、磁場成分Bzと勾配マトリックスの対角要素dBz/dzとを発生させるために用いられ、
対をなして対向位置する側面には、それぞれz軸方向に見て相前後して配置された2個の個別コイルからなるそれぞれ1つのコイル装置があり、磁場成分BxもしくはByを発生させるために用いられ、
少なくとも1つの管状外殻面には、周方向に見て分割配置された4個の個別コイルからなるコイル装置があり、
側面および外殻面におけるコイル装置は、勾配マトリックスの他の1つの対角要素と、勾配マトリックスにおいて対角線の一方の側にある非対角要素を発生させるために用いられる。
前述の実施態様において、(仮想)外殻面上にある磁場勾配コイルを鞍形に形成すると好ましい。その場合に、外殻面上において周方向に延びている端面側湾曲部が周方向に見て並んでいるか(すなわち、90°よりも大きい湾曲角を取るか)または部分的に重なり合っていてもよい。このような個別コイルは容易に製造可能であり、明快な磁場状態を発生する。
更に、少なくとも幾つかの磁場成分コイルは平らな矩形コイルまたは円形コイルとして形成されているとよい。特に、端面にあるコイルがz方向における動作空間への良好なアクセスを可能にする。
磁場増強および/または磁場遮蔽のために磁石コイルシステムの外側に軟磁性材料からなる部材を付設すると好ましい。
磁石コイルシステムの14個の個別コイルを駆動するためにコンピュータを使用すると好ましい。コンピュータは、移動させられるべき磁石体のその都度の位置に依存してそれぞれに付設された電源を駆動する。
本発明による装置の他の有利な構成は上述していない従属請求項により明らかにされている。
次に、本発明による磁石コイルシステムの好ましい実施形態が具体的に示されている図面を参照しながら本発明を更に詳細に説明する。
図1は磁性体の非接触移動および固定/保持装置、
図2はこの装置磁石コイルシステムの第1の実施形態、
図3a〜3hはかかる磁石コイルシステムの個別コイルを予め定められた磁場成分もしくは磁場勾配を発生させるための通電方向と共に示し、
図4は図2による個別コイルの制御システム、
図5は本発明による装置のための磁石コイルシステムの他の実施形態、
図6a〜6iは図5の磁石コイルシステムの個別コイルにおける通電方向を示す。
これらの図において対応する部分は同一の参照符号を付されている。
本発明による装置により、磁性プローブ体が非接触にて動作ボリューム内を移動させられ且つ安定に保持される。磁性プローブ体の方向調整と、この磁性プローブ体への力の大きさおよび方向とを、機械結合なしに磁気的に外側から設定することができる。特に医療応用において、このような磁性プローブ体を装備したプローブは、磁石を備えたカテーテルもしくは内視鏡、あるいは、例えば消化管または肺の如き体内からビデオ画像を送る照明具および送信器を備えた小型テレビカメラであってよい。更に、例えば針または機能モジュールの如き強磁性の異物を外側から近づけない対象物または空間内で磁気力によって移動させるかまたは摘出することができる。医療への応用のほかに、例えば汚染された空間におけるような他の分野にも本発明による装置を使用することができる。付設された磁石プローブにより、とりわけ外側から近づけない他の対象物も内部検査することができ、しかもプローブにはもちろんその他のまたは付加的な機能を持たせることもできる。
使用される磁石コイルシステムにより、プローブ体を、3つの全ての横方向の自由度および注視方向において2つの回転自由度にて磁気力によって外側から制御することができる。さらに、装置の磁石コイルシステムは、例えば被治療者を動作空間内部内に位置決めするために、外側からz方向へのアクセスが可能であると好ましい。
図1は、ブロック図の形で被検査者すなわち被検体23、例えば人体内の強磁性体10の非接触ナビゲーションおよび固定装置22の実施例を示す。被検査者は、図には詳しく示されていない磁石コイルシステム2の14個の個別コイルによって包囲されている動作空間A内にいる。例えば強磁性材料または永久磁石材料からなる磁性体10は、例えば前記特許文献5によるビデオカプセルの如きプローブの部分であってよい。
図には詳しく示されていない磁石コイルシステム2は、例えば立方体状の外部輪郭を有する。該当する6つの立方体面はF3a,F3b,F4a,F4b,F5a,F5bで示されている。立方体にはx,y,z直交座標系が割り当てられている。z方向に対して直角方向にある面F4a,F4bを端面とみなす。これに対してx軸およびy軸に対して直角方向にある面対F3a,F3bもしくはF5a,F5bを側面対とみなすことができる。これらの面対は3次元のはっきりした内部空間すなわち動作空間Aを包囲する。
磁性体10の能動的な位置調節のために、装置22は動作空間A内での磁性体10の実際位置の検出手段を有する。この検出手段は例えばそれぞれの座標方向における磁性体10の位置を求める3つの位置測定器24x,24y,24zである。相応の測定値は、磁性体の目標位置の設定手段の部分である調節装置25に導かれる。このために、調節装置25はx位置、y位置およびz位置のための3つの調節回路を含み、これらの調節回路は実際位置と目標位置との調節偏差から磁性体10に対するx方向、y方向およびz方向における反力を指令する。調節装置25の後に変換装置26が接続されている。この変換装置26は14個の電源PA1〜PA14を制御する。これらの電源PA1〜PA14により磁石コイルシステム2の14個の個別コイルに電流I1〜I14が生じさせられる。磁石コイルシステム2においては、磁性体10に対して定められた磁場方向および磁気力=grad()が生じさせられる(=磁性体の磁気モーメントのベクトル)。ここで、3つの座標方向において位置調節から導き出された調整力が、この力を磁性体に作用させる磁場および磁場勾配並びに他のコイル電流に変換される。目標位置における偏差を減らす動作が行なわれ、磁性体の位置が安定化される。その結果として、自由浮上時には重力が機械的抵抗に打ち勝つための起こり得る他の力としても生じる。制御棒27aを有するジョイスティックまたは6Dマウスの形の、磁性体10の方位、目標位置および移動方向の設定装置27により、3つの空間座標における方位の極角/極座標θ,φおよび/または目標位置および/または移動方向が設定される。このために、設定装置27は、目標位置x,y,zを与え、これらの目標位置をそれぞれに付設されたコンパレータ30x,30y,30zにおいて位置測定器24x,24y,24zの測定信号から得られた実際位置と比較する。差値は制御偏差として調節装置25に導かれる。そこで、制御偏差は増幅されて調節技術上の処理をされて変換装置26に導かれる。そこでは、このように導かれた値から、数学的処理により、14個のコイル電源PA1〜PA14のための電流値が算出され、これらの電流値により、変化させられた磁場勾配およびそれによる磁気力Fx,Fy,Fzが磁性体10に対して生じさせられる。これらの力は磁性体の位置x,y,zにおける制御偏差に反作用する。更に、設定装置27は変換装置26に空間における極角θ,φにより目標方向を伝達する。極角θ,φは3つの磁場成分Bx,By,Bzのための電流に変換され、電源PA1〜PA14を介して磁石コイルシステム2に伝達される。
図1には更に磁性体10を装備しているビデオカプセルのビデオ信号を受信する受信装置が示されている。このために、この受信装置はビデオ受信器28およびモニタ29を有する。
装置22は、変換装置26において計算された磁性体10への力が、設定装置27における操作要素を介して装置のジョイスティック27aに比例の力作用を及ぼすように構成することもできる。それにより、例えば磁性体10における願わしくない機械的抵抗を設定装置の操作者、例えば検査医師が感じ取ることができる。
装置の他の好ましい構成において、位置測定値から微分によって磁性体10の速度を検出し、速度制限の目的で調節回路に供給することができる。それにより、例えば被検査者23の体内の壁に磁性体が衝突することによる損傷を回避することができる。
本発明による装置22のための磁石コイルシステム2の典型的な実施例の詳細が図2および図3に概略的に示されている。
磁石コイルシステム2は、本発明によれば、14個の常伝導または超伝導の個別コイルを含み、これらの個別コイルは矩形コイルもしくは鞍形コイルとして形成されている。図には巻形が概略的にのみ示されている。丸く角を取られた個別コイル、円形コイルまたはその他のコイル形状を選択することもできる。選択された実施例のコイルシステムは、6個の磁場成分コイル3a,3b,4a,4b,5a,5bと、8個の磁場勾配コイル6a〜6dおよび7a〜7dから構成されている。対をなす対向位置する立方体面F3a,F3b;F4a,F4b;F5a,F5bにある磁場成分コイル3a,3bもしくは4a,4bもしくは5a,5bにより、磁場成分Bx,By,Bz並びに次に示された勾配マトリックスの3つの対角磁場勾配dBx/dx,dBy/dy,dBz/dzのうちの少なくとも2つを発生させることができる。この勾配マトリックスは次のように表わされる。
Figure 2005081147
この勾配マトリックスにおいて、要素dBx/dx,By/dy,Bz/dzを結ぶ線を勾配マトリックスの対角線Dと称するものとする。勾配マトリックスは、この対角線Dに対してすなわちこの対角線上にある先に挙げた磁場勾配dBx/dx,dBy/dy,dBz/dzに対して対称的に構成されている。対角要素の合計は零に等しい。個々の磁場成分を発生するコイル対が、それらにおいて選択されるべき通電方向とともに、図3a〜3hによれば、3もしくは4もしくは5の番号で示されている。磁場成分コイル対は互いに直交配置されている。一般に磁場成分コイル対は少なくとも対をなして等しい形を有する。
鞍形に形成された磁場勾配コイル6a〜6d,7a〜7dにより、z方向に見て相前後して配置されたそれぞれ2つのコイル装置6,7が構成されている。鞍形の磁場勾配コイルは磁場的に動作空間Aを包囲し、その場合これらの磁場勾配コイルは、z方向に対して平行に延びる軸を有する少なくとも1つの仮想管状外殻面F6上に共通に配置されている。周方向に見て、1つのコイル装置に属する勾配コイルは互いに隔てられている、すなわち、勾配コイルの端面側における湾曲部分の間およびそれにともないz方向に延びる勾配コイル長辺の間にそれぞれ間隙がある。しかしながら、それらの長辺における隣接勾配コイルの部分的重なり合いも可能である。仮想外殻面F6は例えば円形横断面を有する。しかしながら、仮想外殻面F6は他のの横断面形状、例えば正方形の横断面形状を持っていてもよい。1つまたは2つのコイル装置からなる個別コイルが存在する同心の外殻面も可能である。少なくとも1つの外殻面F6は、必ずしも磁場成分コイル3a,3b,4a,4b,5a,5bによって包囲された空間の内部にあることが必要ではなく、むしろ場合によってはこれらのコイルからなる構造を包囲することもできる。一般に、少なくともコイル装置6および/または7に属する磁場勾配コイルは同じ形状を有する。一般に、前述の面は仮想面である。しかしながら、もちろんそれらの面に広がる磁石コイルシステム2の個別コイルは図示されていない具体的な固定手段によって保持されている。
磁場勾配コイル6a〜6d,7a〜7dにより、例えば図3f〜3hに従って、図示の通電方向を選択した場合における磁場勾配dBx/dy,dBz/dx,dBz/dyを形成することができる。これらの3つの磁場勾配はそれぞれ前述の勾配マトリックスにおける非対角要素である。これらの非対角要素はそれぞれ対角線Dに関して対称な他の要素対に由来する。つまり、相応の磁場勾配の形成時に必然的に、対角線Dに関して対称な磁場勾配が対をなして発生させられる。それは、この場合、勾配dBy/dxもしくはdBx/dzもしくはdBy/dzである。さらに、5つの勾配自由度のみが考慮されることから、dBz/dzの磁場勾配のための特別な電流パターンを必要としない。しかしながら、代替としてdBz/dzの磁場勾配を発生させ、勾配の1つdBx/dxもしくはdBy/dyを省略してもよい。すなわち、勾配マトリックスの対角線D上にある3つの勾配のうち2つを発生させればよい。
ここで、例えばプローブに接続されている長く延びた磁石体(例えば強磁性磁石または永久磁石)が磁石コイルシステム2の動作空間A内に持ち込まれると、磁石体は磁場方向に平行に向けることを試みられ、それによりプローブの方位も定める。磁場勾配は磁石体に力=grad()を与える。ただし、は磁石体の磁気モーメントのベクトルである。14個の各個別コイルを適切に駆動することよって、動作空間A内で磁石体に任意の方位を与えることができ、全ての方向において設定された力Fを磁石体に作用させることができ、従って磁石体を回転させるだけでなく、直線運動させることもできる。
図3a〜3hは、例えば図2によるシステム2の如き磁石コイルシステムの14個の個別コイルを、対にして、非接触の移動および/または回転に必要な磁場成分および磁場勾配を発生させるための各電流Iの流れ方向と共に示している。図3a,3bによれば、個別コイル3a,3bのコイル対3により、電流方向に応じて磁場成分Bxもしくは磁場勾配dBx/dxを発生させることができる。同様に、図3c,3dによれば、コイル対5の個別コイル5a,5bにより、磁場成分Byもしくは磁場勾配dBy/dyを形成することができる。個別コイル4a,4bからなるコイル対4は図3eに従って磁場成分Bzを発生する。図3f〜3hに従って、それぞれ4つの勾配コイル6a〜6dもしくは7a〜7dからなる両コイル装置6,7により、個別コイルにおける通電方向に応じて、磁場勾配dBz/dxもしくはdBz/dyもしくはdBx/dyを発生させることができる。
各電流パターンは磁石コイルシステムにおいてそれぞれの所望の磁場成分のほかに他の磁場成分も発生する。これらの磁場成分はそれぞれのコイル寸法および磁石体の位置に依存する。これらの磁場成分の振幅は中心からコイルの巻線方向に増大する。すなわち、磁場方向を有する電流パターンの電流強度と磁石体の位置における力方向=grad()との間の簡単な関係はそのように与えられていない。
しかしながら、14個の個別コイルにおける8個の電流パターンの適切な重なり合いによって、磁石体位置(プローブ位置)において磁石体に対して所望の方向調整および力作用を発生する磁場および磁場勾配を適切に設定することができる。特に好ましいことに、例えば、ちょうど重力=m・g=grad()を発生させるならば(M=質量、g=重力加速度)、空間における磁石体の自由浮上を実現することができる。これに関する計算は、次の計算ステップを実行し且つ場合によっては磁石体の移動中にも絶えず繰り返すコンピュータにて行なうことが好ましい。すなわち、
動作空間における極座標θ,φで予め与えられた磁石体方向と大きさ|B|とから磁石体位置における3つの磁場成分Bx,By,Bzの目標値を計算する。
磁石体への予め与えられた磁気力から5つの独立な磁場勾配dBx/dx,dBy/dy,dBx/dy,dBz/dx,dBz/dyの目標値を計算する。磁場勾配dBz/dzも予め与え、そのために勾配マトリックスの他の対角磁場勾配の1つdBx/dxまたはdBy/dyを零にすることもできる。磁場勾配dBz/dzと他の対角磁場勾配の1つdBx/dxまたはdBy/dyとの重畳も考え得る。
例えば1Aのコイル電流および8×8マトリックスの形での表示のためのコイルジオメトリから8つの電流パターンのそれぞれについて磁石体位置における磁場成分および磁場勾配を計算する。
逆マトリックスを計算する。この逆マトリックスは、コイルジオメトリにのみ依存し、且つ予め与えられた動作空間におけるラスタ上の各点について予め作成可能である。装置の作動中には高速計算のためにこのラスタにおける値の間は補間される。
磁場ベクトル(Bx,By,Bz,dBx/dx,dBy/dy,dBx/dy,dBz/dx,dBz/dy)を有する磁石体位置のための逆マトリックスの掛算が8つの電流パターンについての電流値を生じる。
記憶されたテーブルおよび個別コイルにおける電流の線形重畳からその都度の正または負の電流方向に基づく14個の個別コイル電流へ電流パターンを分割する。
個別コイルのための14個の電源を駆動する。
個別コイルにおいて損失電力限界を監視する。
図4に、概略表示にて磁石体位置もしくはプローブ位置を制御する画像形成装置と協働する14個の個別コイルを駆動するための装置が示されている。この図4には、図2による磁石コイルシステム2を駆動するコンピュータは9を付されている。磁石コイルシステムの14個の個別コイルにより、磁石体もしくは相応のプローブ10には、自由に設定可能な磁場方向のほかに3つの全空間方向における制限のない磁気力も作用させることができる。コンピュータ9によって、14個の個別コイルのための14個の電源PA1〜PA14が駆動される。更に、図4にはX線源のX線管11が示されている。このX線管のX線は個別コイルの巻線間の自由空間に向けて投射される。磁石コイルシステムの外部における画面12において磁石体10の姿勢もしくは運動を観察することができる。
図示による磁石コイルシステムを具体的に構成するために、次の措置が用いられる。
個別コイルはアルミニウム帯または銅帯から巻回形成することができ、必要ならば液体冷却するとよい。
個別コイルは金属製中空体から作ることができ、必要に応じてそれらの内部空間を通して冷却媒体が案内される。
特に、個別コイルはとりわけ高Tc超伝導材料を有する超伝導体からなるとよい。
もちろん、例えば磁場の均一化のために他の個別コイルを使用することもできる。相応の個別コイルは図3eに破線で示され、符号4cを付されている。この個別コイルは磁界成分Bzを空間的に均一化する。
更に、磁石コイルシステムには磁気材料を付設することができる。例えば、磁石コイルシステムは、このような材料からなる部材によって少なくとも部分的に包囲されていてよい。図2による磁石コイルシステム2の相応の構成は、磁石コイルシステム2の勾配コイルを外側から包囲する鉄の如き軟磁性材料からなる磁気帰路体を備えている。このような軟磁性部材により、特に動作空間Aにおける磁場増強および/または外側への漏洩磁場の遮蔽を達成することができる。
場合によっては、磁場成分発生のためのコイル対または磁場勾配発生のためのコイル装置の個別コイルについては、種々の導体横断面を選択することができる。例えば、上側のy個別コイル、例えば図3cによる個別コイル5bは、これに付設された下側のy個別コイルに比べて大きい導体横断面もしくは多い巻回数を有することができる。もちろん、このような種々の構成はその他のコイル対および/またはコイル装置の場合にも可能である。
上記の図に基づいて説明した本発明による磁石コイルシステム2の実施例では、立方体の対向面に対をなして直交配置された磁場成分コイルにより、磁場成分Bx,By,Bzのほかに前記勾配マトリックスによる3つの対角磁場勾配のうち2つの対角磁場勾配を発生することもできる。しかしながら、磁場成分コイルにより非対角磁場勾配を生じさせることもできる。このためには、3つの磁場成分コイルのうち少なくとも1つが、特に2つが個別コイルからなるコイル対によって形成されることが必要である。かかる実施形態は、例えば磁石コイルシステムが動作空間の周りにおいて多面体輪郭を有する場合に設けるとよい。14個の個別コイルを有する磁石コイルシステムの相応の実施例が、図5および図6に、図2および図3に対応する表示で示され、符号20を付されている。図6a〜6iは磁場成分および磁場勾配のために個別コイルにおいて選択すべき通電方向を示す。この実施形態では、動作空間Aの端面F14a,F14bに、個別コイル14a,14bからなるコイル対14がある。これらの例えば円形に形成された個別コイルにより、図6g,6hに従って、磁場成分Bz並びに勾配マトリックスの対角線D上の勾配要素dBz/dzを発生させることができる。それに対して、対になって対向位置する側面F13a,F13bおよびF15a,F15b上に配置されるべき磁場成分コイルは、それぞれz方向に見て相前後して配置された2つの個別コイルからなるコイル装置16もしくは17によってそれぞれ形成されている。図6dによれば、コイル装置16は個別コイル13a,13a’並びに13b,13b’から構成される。図6d,6e,6fによるこれらの個別コイル13a,13a’並びに13b,13b’における通電方向に応じて、磁場成分Bxもしくは対角勾配要素dBx/dxおよび非対角勾配要素dBz/dxを発生させることができる。同様に、図6a〜6cによる側面F15a,F15b上のコイル装置17の個別コイル15a,15a’並びに15b,15b’により、磁場成分Byもしくは対角勾配要素dBy/dyおよび非対角勾配要素dBz/dyを発生させることができる。図6iによれば3番目の非対角勾配要素dBx/dyを発生させることができるようにするために、なおも、4つの個別コイル18a〜18dからなる他のコイル装置18が必要である。これらの個別コイルは、磁場成分コイルによって形成された輪郭の内部において、z軸に対して平行に延び且つ動作空間Aを包囲する(仮想)管状外殻面F18上にある。これらの4つの個別コイル18a〜18dは外殻面F18の周方向に見て規則的に分割配置され、しかも場合によってはz方向に延びる長辺が部分的に重なり合うとよい。図6iによる表示について、仮想外殻面のために正方形の横断面形状が仮定された。図5から明らかのように、このために他の形状も用いることができる。更に、図6gにおいて、図3eに対して言及した次の可能性、すなわち磁場の均一化のために他の個別コイルを設けることもできるという可能性が示されている。図6gに破線で説明された符号14cを付された個別コイルにより、磁場成分Bzの相応の均一化が達成される。
磁性体の非接触移動および固定/保持装置を示すブロック図 本発明による装置における磁石コイルシステムの第1実施形態を示す概略図 予め定められた磁場成分もしくは磁場勾配を発生させるための通電方向を有する磁石コイルシステムの個別コイルを示す図 予め定められた磁場成分もしくは磁場勾配を発生させるための通電方向を有する磁石コイルシステムの個別コイルを示す図 予め定められた磁場成分もしくは磁場勾配を発生させるための通電方向を有する磁石コイルシステムの個別コイルを示す図 予め定められた磁場成分もしくは磁場勾配を発生させるための通電方向を有する磁石コイルシステムの個別コイルを示す図 予め定められた磁場成分もしくは磁場勾配を発生させるための通電方向を有する磁石コイルシステムの個別コイルを示す図 予め定められた磁場成分もしくは磁場勾配を発生させるための通電方向を有する磁石コイルシステムの個別コイルを示す図 予め定められた磁場成分もしくは磁場勾配を発生させるための通電方向を有する磁石コイルシステムの個別コイルを示す図 予め定められた磁場成分もしくは磁場勾配を発生させるための通電方向を有する磁石コイルシステムの個別コイルを示す図 図2による個別コイルの制御システムを示すブロック図 本発明による装置のための磁石コイルシステムの他の実施形態を示す概略図 図5の磁石コイルシステムの個別コイルにおける通電方向を示す図 図5の磁石コイルシステムの個別コイルにおける通電方向を示す図 図5の磁石コイルシステムの個別コイルにおける通電方向を示す図 図5の磁石コイルシステムの個別コイルにおける通電方向を示す図 図5の磁石コイルシステムの個別コイルにおける通電方向を示す図 図5の磁石コイルシステムの個別コイルにおける通電方向を示す図 図5の磁石コイルシステムの個別コイルにおける通電方向を示す図 図5の磁石コイルシステムの個別コイルにおける通電方向を示す図 図5の磁石コイルシステムの個別コイルにおける通電方向を示す図
符号の説明
2 磁石コイルシステム
3,4,5 コイル対
3a,3b,4a,4b,5a,5b 磁場成分コイル
6,7コイル装置
6a〜6d 磁場勾配コイル
7a〜7d 磁場勾配コイル
9 コンピュータ
10 磁性体、磁石体
11 X線管
12 画面
13a,13a’,13b,13b’ 個別コイル
15a,15a’,15b,15b’ 個別コイル
13,14 コイル対
14a,14b,14c 個別コイル
16,17 コイル装置
20 磁石コイルシステム
A 動作ボリューム
x,y,z 座標
I;I1〜I14 電流
PA1〜PA14 電源
F3a,F3b,F4a,F4b,F5a,f5b 外面
F6 外殻面
F13a,F13b,F14a,F14b,F15a,F13b 外面
F18 外殻面
22 装置
23 被検査者
24x,24y,24z 位置測定器
25 調節装置
26 変換装置
27 設定装置
28 ビデオ受信器
29 モニタ
30x,30y,30z コンパレータ

Claims (17)

  1. x,y,z直交座標系に配置された面(F4a,F4b;F3a,F3b;F5a,F5b;F14a,F14b;F13a,F13b;F15a,F15b)によって包囲されている3次元動作空間(A)内の磁性体(10)の非接触移動および/または固定装置(22)において、
    a)3つの磁場成分Bx,By,Bzと、対角線(D)に関して対称な勾配マトリックス
    Figure 2005081147
    からの5つの磁場勾配とを発生させるために構成されている個々に駆動可能な14個の個別コイル(3a,3b;4a,4b;5a,5b;6a〜6d;7a〜7d;13a,13a’;13b,13b’;15a,15a’;15b,15b’;18a〜18d)を有し、個別コイル(4a,4b;3a,3b;5a,5b)により、勾配マトリックスにおける3つの対角要素のうち2つの対角要素と、勾配マトリックスにおける対角線(D)に対して対称な3つの勾配要素対から1つずつの非対角要素とを発生させ、動作空間(A)を包囲する磁石コイルシステム(2,20)、
    b)磁性体(10)の実際位置の検出手段、
    c)磁性体(10)の方位、目標位置および移動方向の設定装置と、磁性体(10)の目標位置と実際位置との偏差を処理して個別コイル(3a,3b;4a,4b;5a,5b;6a〜6d;7a〜7d;13a,13a’;13b,13b’;15a,15a’;15b,15b’;18a〜18d)のコイル電流(I1〜I14)を設定するためのコイル電流設定手段とを有する磁性体(10)の目標位置の設定手段、
    を含むことを特徴とする磁石コイルシステムを用いた動作空間内での磁性体の非接触移動および/または固定装置。
  2. 磁性体(10)の実際位置の検出手段は動作空間(A)の内部に配置されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
  3. 磁性体(10)の実際位置の検出手段は、各座標(x,y,z)に付設されたそれぞれ少なくとも1つの位置測定器(24x,24y,24z)であることを特徴とする請求項1又は2記載の装置。
  4. 磁性体(10)の方位、目標位置および移動方向の設定装置(27)はジョイスティックまたは6Dマウスであることを特徴とする請求項1乃至3の1つに記載の装置。
  5. 個別コイルのコイル電流(I1〜I14)を設定するためのコイル電流設定手段は、磁性体(10)の実際位置の検出手段に接続された調節装置(25)とこの調節装置(25)の後に接続された変換装置(26)とが付設されているコンピュータ(9)を有することを特徴とする請求項1乃至4の1つに記載の装置。
  6. 変換装置(26)の後に、個別コイル(3a,3b;4a,4b;5a,5b;6a〜6d;7a〜7d;13a,13a’;13b,13b’;15a,15a’;15b,15b’;18a〜18d)の独立の電流を発生させるために、14個の個別の電源(PA1〜PA14)が配置されていることを特徴とする請求項5記載の装置。
  7. 磁石コイルシステム(2,20)における個々に駆動可能な14個の個別コイル(3a,3b;4a,4b;5a,5b;6a〜6d;7a〜7d;13a,13a’;13b,13b’;15a,15a’;15b,15b’;18a〜18d)は、対をなして対向位置する面(F4a,F4b;F3a,F3b;F5a,F5b;F14a,F14b;F13a,F13b;F15a,F15b)と、z方向に延びている少なくとも1つの管状外殻面(F6;F18)とに配置されていることを特徴とする請求項1乃至6の1つに記載の装置。
  8. 磁石コイルシステム(2)のうち、
    少なくとも6個の個別コイル(4a,4b;3a,3b;5a,5b)が、動作空間(A)の対をなして対向位置する端面もしくは側面(F4a,F4b;F3a,F3b;F5a,F5b;F14a,F14b;F13a,F13b;F15a,F15b)にあり、3つの磁場成分Bx,By,Bzおよび勾配マトリックスの2つの対角要素を発生させるために用いられ、
    少なくとも4個の個別コイル(6a〜6d;7a〜7d;18a〜18d)が、動作空間(A)を包囲する少なくとも1つの管状外殻面(F6;F18)に周方向に見て分割配置され、勾配マトリックスの少なくとも1つの非対角要素を発生させるために用いられることを特徴とする請求項7記載の装置。
  9. 磁石コイルシステム(2)のうち、
    6個の個別コイル(4a,4b;3a,3b;5a,5b)が、3つのコイル対(4,3,5)として、動作空間(A)の対をなして対向位置する端面もしくは側面(F4a,F4bもしくはF3a,F3b;F5a,F5b)にあり、
    8個の個別コイル(6a〜6d;7a〜7d;18a〜18d)が、z方向に見て相前後して少なくとも1つの管状外殻面上に存在する2つのコイル装置(6,7)を形成し、コイル装置のそれぞれ4個の個別コイル(6a〜6dもしくは7a〜7d)が、外殻面上に周方向に見て分割配置され、勾配マトリックスにおいて対角線(D)の一方の側にある3つの非対角要素を発生させるために用いられることを特徴とする請求項7または8記載の装置。
  10. 磁石コイルシステム(20)のうち、
    個別コイル(14a,14b)のコイル対(14)が動作空間(A)の端面(F14a,F14b)にあり、磁場成分(Bz)と勾配マトリックスの対角要素dBz/dzとを発生させるために用いられ、
    それぞれz軸方向に見て相前後して配置された2個の個別コイル(13a,13a’;13b,13b’;15a,15a’;15b,15b’)からなるそれぞれ1つのコイル装置(16もしくは17)が、対をなして対向位置する側面(F13a,F13b;F15a,F15b)にあり、磁場成分BxもしくはByを発生させるために用いられ、
    周方向に見て分割配置された4個の個別コイル(18a〜18d)からなるコイル装置(18)が少なくとも1つの管状外殻面(F18)にあり、
    側面(F13a,F13b;F15a,F15b)および外殻面(F18)におけるコイル装置(16,17,18)は、他の1つの対角要素と、勾配マトリックスにおいて対角線(D)の一方の側にある3つの非対角要素とを発生させるために用いられることを特徴とする請求項7又は8記載の装置。
  11. 磁石コイルシステム(2,20)の少なくとも1つの外殻面(F6,F18)が、対をなして対向位置する6つの面(F4a,F4b;F3a,F3b;F5a,F5b;F14a,F14b;F13a,F13b;F15a,F15b)によって囲われた内部空間内にあることを特徴とする請求項7乃至10の1つに記載の装置。
  12. 磁石コイルシステム(2,20)において外殻面(F6,F18)にある磁場勾配コイル(6a〜6d;7a〜7d;18a〜18d)は鞍形に形成されていることを特徴とする請求項7乃至11の1つに記載の装置。
  13. 磁石コイルシステム(2,20)の各コイル装置の磁場勾配コイルの端面側湾曲部分が周方向に見て並んでいるかまたは部分的に重なり合っていることを特徴とする請求項12記載の装置。
  14. 磁石コイルシステム(2,20)のうち少なくとも幾つかの磁場成分コイル(3a,3b;4a,4b;5a,5b)は平らな矩形コイルまたは円形コイルとして形成されていることを特徴とする請求項1乃至13の1つに記載の装置。
  15. 磁石コイルシステム(2,20)のうちコイル対および/またはコイル装置はそれぞれ同じ形状を有する個別コイルからなることを特徴とする請求項1乃至14の1つに記載の装置。
  16. 磁石コイルシステム(2,20)において磁場成分発生のための個別コイルからなるコイル対は互いに直角方向に配置されていることを特徴とする請求項1乃至15の1つに記載の装置。
  17. 磁石コイルシステム(2,20)には、磁場増強および/または磁場遮蔽のために磁石コイルシステムの外側に軟磁性材料からなる部材が付設されていることを特徴とする請求項1乃至16の1つに記載の装置。
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