JP2005080960A - 伸縮性包帯 - Google Patents

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Abstract

【課題】 伸縮性能と共に吸湿性、通気性に優れ、皮膚刺激性の少ない包帯とする。包帯製造時の品質及び品位の不良発生を防止するための生産管理の省力化を図る。また、包帯製品の使用時や保管時の状態に由来する伸縮性能劣化の問題を解決する。伸縮性能と共に吸湿性、通気性に優れ、皮膚刺激性の少ない包帯を得ることができる。
【解決手段】 少なくとも一層としてポリトリメチレンテレフタレートを主成分とする層を含むサイドバイサイド型複合または偏心シースコア型複合の顕在捲縮性ポリエステル系複合繊維とセルロース系紡績糸とが交織または交編されてなる伸縮性包帯である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、経編機で製造可能な伸縮性包帯に関するものである。
旧来の包帯は綿紡績糸で製造されていたので、本質的に非伸縮性であり、そのために、長時間包帯を患部に装着していると包帯が緩んでくることが多く、巻き替え作業を頻繁に行う必要があった。そこで、包帯の緩みを解決するために包帯に伸縮性を付与する方法が採られ、伸縮性包帯が開発された。
この伸縮性包帯は、セルロース系紡績糸を主体とした織物、経編又は不織布の構造に伸縮性糸条を導入したものであり、その伸縮性糸条としては、スパンデックス繊維をナイロンフィラメントまたはポリエステルフィラメントで被覆した伸縮性カバーリング糸や、綿の紡績糸を製造する工程で芯部にスパンデックス繊維を挿入した伸縮性コア・スパン糸が用いられてきている。
これら伸縮性包帯を経編でもって製造する場合、編成性の観点から、生地を構成するタテ方向構成糸の一部として伸縮性カバーリング糸を用いて鎖組織を編成して伸縮性を付与し、かつ、生地のヨコ方向を構成する挿入糸には従来から包帯素材として使用されてきたセルロース系紡績糸を用いて編地のヨコ方向の形成と吸透湿水性と通気性を付与することが行われている。また、伸縮性包帯を製織でもって製造する場合は、タテ糸の全てまたは複数本に1本の混用割合で伸縮性カバーリング糸を使用して、必要な伸縮率と外観品位を付与し、かつ、ヨコ糸としては従来から包帯素材として使用されてきたセルロース系紡績糸を使用して、吸透湿水性と通気性を付与することが行われている。
このようなスパンデックス繊維を使用した伸縮性包帯は、伸縮性が非常に優れているため、患部包合時や包合後の皮膚移動による緩みの問題を大幅に改善することができる。
しかし、前記した伸縮性のカバーリング糸やコアスパン糸は伸縮率が大きいので、経編や製織によって伸縮性包帯を製造する工程において、整経クリールから消極解舒方式でビームを巻き取る際に、ビーム内に巻張力差が内在し、さらにビーム間の張力差が存在することとなり、ビーム内及びビーム間のパワーを安定化し伸縮率をコントロールすることが難しかった。このようにビームにおけるタテ糸間の張力差のコントロールが困難であると、タテ筋の発生といった品質不良が発生した場合に、ビームの送り量が異なるため、複数並列生産の包帯の定長性及び品位を維持できない等の問題点がある。さらに、スパンデックス繊維を使用しているので、気温(高温と低温)等の環境変化によりスパンデックスのパワーが変化したり、また、在庫期間の長短によってパワーが変化する等の不具合がある。
また、経編する工程では、伸縮性のカバーリング糸やコアスパン糸の張力がわずかに変化するだけで、タテ方向に組み合わせる非伸縮性糸を複数配列でビームに巻き取った糸に悪影響を与え、生地品位を乱す問題もある。このような生地品位の乱れが生じても許容範囲内として製品包帯とされているのが現状である。
製品化された包帯は、使用後に洗濯し滅菌消毒して繰り返し再使用されるが、従来の伸縮性包帯の場合は、高温−高圧下で滅菌消毒を施す際にスパンデックスの脆化が促進され、伸縮性包帯としての伸縮性能が低下する問題点がある。
また、近年、自動車のグローボックス内に備え付けられているメディカル・キッズの包帯は、車内で約十年もの長期間保管されることもあり、夏場の高温環境に曝される間にその伸縮性能が低下する問題点がある。
そこで、本発明は、スパンデックス繊維を使用した伸縮性包帯を製造する際の問題点、使用する際の問題点、保管時の問題点を解決することを目的とする。例えば、包帯製造時の品質及び品位の不良発生を防止するための生産管理の省力化を図り、また、包帯製品の使用時や保管時の状態に由来する伸縮性能劣化の問題を解決することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明の伸縮性包帯は、伸縮素材として、少なくとも一層としてポリトリメチレンテレフタレートを主成分とする層を含むサイドバイサイド型複合または偏心シースコア型複合の顕在捲縮性ポリエステル系複合繊維を用いるものである。即ち、本発明の伸縮性包帯は、上記顕在捲縮性ポリエステル系複合繊維とセルロース系紡績糸とが交織または交編されてなることを特徴とするものである。
本発明によると、伸縮性能と共に吸湿性、通気性に優れ、皮膚刺激性の少ない包帯を得ることができる。さらに、上記顕在捲縮性ポリエステル系複合繊維は、スパンデックスほどの伸縮率を有さないため、包帯の生産管理が容易となる。また、実際の包帯使用中においても、繰り返し洗濯−滅菌処理後しても高い伸縮性能を維持することができ、しかも、夏場の高温環境に曝されても伸縮性能が低下せず、耐久性に優れたものとなる。
本発明の伸縮性包帯において伸縮素材として用いる顕在捲縮性ポリエステル系複合繊維は、少なくとも一層としてポリトリメチレンテレフタレートを主成分とする層を含むサイドバイサイド型複合または偏心シースコア型複合の顕在捲縮性ポリエステル系複合繊維である。このポリエステル系複合繊維としては、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする層と、ポリトリメチレンテレフタレートを主成分とする層とがサイドバイサイド型または偏心シースコア型に複合されたポリエステル系複合繊維であるのが好ましい。
前記ポリエステル系複合繊維は、ポリエチレンテレフタレートとポリトリメチレンテレフタレートとの組合せで、極限粘度ηの異なる異種重合体が張り合わされているものであるので、紡糸、延伸工程において高粘度側に応力が集中し、2成分間での内部歪みが異なり、潜在捲縮性となっている。そのため、延伸後の弾性回復率差および布帛の熱処理工程での熱収縮差により高粘度側が大きく収縮し、単繊維内で歪みが生じて3次元コイル捲縮の形態が発現する。この3次元コイルの径および単繊維長当たりのコイル数は、高収縮ポリマ層と低収縮ポリマ層との収縮差(弾性回復率差を含む)に大きく依存し、収縮差が大きいほどコイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数が多くなる。
伸縮性素材に要求されるコイル捲縮特性としては、コイル径が小さく、単位繊維長当たりのコイル数が多いこと(伸長特性に優れ、見映えがよくなるので)、コイルの耐へたり性がよいこと(伸縮回数の応じたコイルのへたり量が小さく、伸縮保持性に優れるので)がある。さらには、コイルの伸縮特性には、低収縮成分を支点とした高収縮成分の伸縮特性が支配的となるため、高収縮成分に用いる重合体には高い伸長性および回復性が要求される。
ポリエステルの優れた特性を損なうことなく優れたコイル捲縮特性を得るためには、低収縮ポリマ層をポリエチレンテレフタレートを主成分とし、高収縮ポリマ層をポリトリメチレンテレフタレートを主成分とすることが有効である。ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、代表的なポリエステル繊維であるポリエチレンテレフタレート繊維やポリブチレンテレフタレート繊維と同等の力学的特性や化学的特性を有しつつ、伸長回復性がきわめて優れているからである。これは、ポリトリメチレンテレフタレートの結晶構造においてアルキレングリコール部のメチレン鎖がゴーシューゴーシュ構造(分子鎖が90度に屈曲)であること、さらにはベンゼン環同士の相互作用(スタッキング、並列)による拘束点密度が低く、フレキシビリティーが高いことから、メチレン基の回転により分子鎖が容易に伸長・回復するためと考えられる。
前記ポリエステル系複合繊維における低収縮ポリマ層の主たる構成成分であるポリエチレンテレフタレートは、エチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリマである。すなわち、このポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。ただし、他のエステル結合を形成可能な共重合成分が20モル%以下の割合で含まれるものでもよい。10モル%以下の割合で含まれるものがより好ましい。共重合可能な化合物として、たとえばスルフォン酸、ナトリウムスルフォン酸、硫酸、硫酸エステル、硫酸時エチル、硫酸エチル、脂肪族スルフォン酸、エタンスルフォン酸、クロロベンゼンスルフォン酸、脂環式スルフォン酸、イソフタル酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、アジピン酸、シュウ酸、デカンジカルボン酸などのジカルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ハイドロキノン、ビスフェノールAなどのジオール類が好ましく使用される。
また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料などが添加されていてもよい。
前記ポリエステル系複合繊維における高収縮ポリマ層の主たる構成成分であるポリトリメチレンテレフタレートは、トリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とする重合体である。すなわち、このポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、1,3プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。ただし、他のエステル結合を形成可能な共重合成分が20モル%以下の割合で含まれるものでもよい。10モル%以下の割合で含まれるものがより好ましい。共重合可能な化合物として、例えば、イソフタル酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのジオール類が好ましく使用される。
また、必要に応じて、艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤としてヒンダードフェノール誘導体、着色顔料などが添加されていてもよい。
本発明で用いるポリエステル系複合繊維は、上記した2種のポリマが、溶融紡糸時にサイドバイサイド型又は偏心シース・コア型に複合されたものである。このようなサイドバイサイド型または偏芯シースコア型の複合でないと、糸条に熱が付与された際に、コイル状捲縮が発現せず、糸条に伸縮性を付与することができない。
その単糸断面形状は、サイドバイサイド型複合の場合、丸断面でもよいが、変形断面形状であることが好ましい。変形断面形状としては、まゆ形や雪だるま形のような非円形形状や、長円のような変形円形状が挙げられる。まゆ形や雪だるま形断面形状の場合には、略丸形状の各ポリマ層が連接された複合形状がとられる。
また、ポリエステル系複合繊維におけるポリエチレンテレフタレート/ポリトリメチレンテレフタレートの重量比率は、製糸性および繊維長さ方向のコイルの寸法均質性の観点から、30/70以上、70/30以下の範囲であることが好ましい。
前記ポリエステル系複合繊維からなる糸条の繊度は、55デシテックス以上、165デシテックス以下の範囲が好ましい。また、そのポリエステル系複合繊維の単糸繊度は0.4デシテックス以上、3.3デシテックス以下の範囲が好ましい。
交織又は交編によって包帯を製造する際、上記したポリエステル系複合繊維とともに用いるセルロース系紡績糸は、綿などのセルロース系天然繊維やレーヨンなどのセルロース系再生繊維からなる紡績糸である。即ち、包帯用に従来から使用されてきたレーヨンや綿等のセルロース系紡績糸であり、包帯に通常用いられている紡績糸を用いればよい。その糸条繊度や単糸繊度は通常の包帯用セルロース系紡績糸の場合と同様であればよい。例えば、糸条繊度は綿番手20番手以上、50番手以下の範囲が好ましい。
本発明の包帯は、前記ポリエステル系複合繊維からなる糸条(フィラメント糸)と、前記セルロース系紡績糸とを用いて製織又は製編することにより製造されるものであり、織物の包帯でも編物の包帯でもよい。織物の場合、平織り等の織り組織で製織される。また、編物の場合は、経編み等の編み組織で製編される。
タテ方向構成糸とヨコ方向構成糸とでもって構成される組織の場合は、前記ポリエステル系複合繊維をタテ方向構成糸に用い、かつ、前記セルロース系紡績糸をヨコ方向構成糸に用いることが好ましい。織物の場合は、タテ糸がタテ方向構成糸に、ヨコ糸がヨコ方向構成糸に相当する。経編の場合は、タテ方向構成糸からなる鎖組織に、ヨコ方向構成糸を、横方向に横断するように挿入させた挿入組織として編み込めばよい。
また、タテ方向構成糸のビームには、前記ポリエステル系複合繊維の糸条と他の繊維からなる糸条(捲縮加工したフィラメント糸等)とを混用してもよい。また、前記ポリエステル系複合繊維の糸条は、前記ポリエステル系複合繊維を芯にしたコアスパン糸やカバーリング糸であってもよい。
例えば、ラッセル編のような経編によって包帯を製編する場合、鎖組織は、前記ポリエステル系複合繊維の糸条、或いは、前記ポリエステル系複合繊維の糸条と他の糸条との混用でもって編み、また、挿入組織は、前記セルロース系紡績糸でもって編めばよい。この場合の編み組織図を、図1に例示する。図1は、鎖組織(1−0/0−1//・・)をポリエステル系複合繊維糸条でもって編成し、挿入組織(0−0/3−3//・・)をセルロース系紡績糸でもって編成した場合の編組織を示す。
本発明の包帯において伸縮素材として用いたポリエステル系複合繊維は、スパンデックスほどの伸縮率を有さないため、整経時における糸張力の制御が容易であり、ビーム内及びビーム間の糸張力のばらつきや変動を十分に抑制することができる。従って、製編織して得られる本発明の包帯は、優れた伸縮性、定長性、品位を有することができる。
また、上記ポリエステル系複合繊維は、高温−高圧下での滅菌消毒でも伸縮性能が劣化しないので、繰り返しの使用にも十分に耐えることができる。更に、夏場の高温環境に曝されても伸縮性能が低下せず、包帯の耐久性を高めることができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
<糸使い>
タテ糸に2種類の糸(糸A及び糸B)を用いた。糸Aには、東レ(株)製のポリエステル系複合繊維(ポリトリメチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレート=50/50、サイドバイサイド型顕在捲縮性ポリエステル系複合繊維)糸条(44dtex、24フィラメント)を用い、糸Bには綿糸30番手を用た。糸Aは、1.0g/dtex荷重下での伸長率が60%であった。
<整経>
糸Aには3〜5g/本、糸Bには5〜7g/本の張力をかけながら、ビームに巻き取った。
<編成>
リバー社製ラッセル編機(20ゲージ、60インチ)のベラ針編機を用いて、密度36コース/インチ、450rpmにて編成した。図1に示す編み組織のとおり、糸Aは鎖組織に編み、ランナーは1225mm/ラック(480コース)とした。糸Bは3針間振った挿入組織とし、ランナーは1020mm/ラックとした。包帯幅は82mmとした。
<リラックス加工>
100℃のスチーム・ボックス内を、編成上がり生地が弛緩収縮するように、布速がインプット・スピード20m/分、アウトプット・スピード18.3m/分、滞留時間70秒にて走行させた。
<乾燥>
表面温度120℃の乾熱ドラム乾燥機を通過させた後、連続で緊張生地長が6m/本となるようにロール状に巻き上げ、包帯製品1本とした。
<ガス滅菌処理>
55℃雰囲気のエチレンオキサイドガス(EOD)と炭酸ガスの混合ガス内で4時間処理し、その後、残留ガスがゼロに近づくまでガス抜きを約8時間行った。
上記加工にて得られた本発明の伸縮性包帯の伸縮特性を評価したところ、表1に示す通り、生機での伸縮率は20%、リラックス加工後の伸縮率は60%であり、十分な伸縮性を有していた。
また、編成する前の整経時の糸解舒張力、機上下ろしコース数、リラックス加工後の生地長を測定したところ、ビームへの整経時の糸解舒張力は、外層、中層、内層での変動が小さく、ビームへの巻き取りが均一にでき、さらに、機上下ろしコース数もビーム外、中、内層全て36コース/インチで均一であり、品質、品位は高かった。また、リラックス加工後の生地長も外、中、内層差が小さく、優れていた。
得られた包帯を洗濯滅菌する処理を繰り返し行い、洗濯滅菌処理後の回復率を測定して生地性能を評価した。表3に示す通り、洗濯−高温高圧滅菌処理を10回繰り返し行った後でも、包帯生地の回復率は93.9%と高く、繰り返し使用後でも高い伸縮性を維持することができる。
<生地性能評価のための洗濯−高温高圧滅菌処理>
中性洗剤での洗濯(30℃×20分)→乾燥(75℃×30分、タンブル乾燥機)→滅菌(98℃、オートクレーブ)→脱水→乾燥(75℃×30分、タンブル乾燥機)を1サイクルの処理とした。
[比較例1]
<糸使い>
タテ糸に2種類の糸(糸C、糸D及び糸E)を用いた。糸Cには、スパンデックス(東レ・デュポン(株)LYCRA(R)78dtex)を芯糸に、ポリエチレンテレフタレート捲縮加工糸78dtexを鞘糸として、ドラフト3.5、ヨリ数400T/m(Z方向)にて得られた伸長率が210%の伸縮性カバーリング糸を用いた。糸Dには、ポリエチレンテレフタレート捲縮加工糸78dtex、糸Eには綿30番手を用いた。
<整経>
糸Cには5〜8g/本、糸Dには5〜8g/本、糸Eには5〜7g/本の張力をかけながら、ビームに巻き取った。
<編成>
リバー社製ラッセル編機(20ゲージ、60インチ)のベラ針編機を用いて、密度36コース/インチ、450rpmにて編成した。図2に示す編み組織のとおり、糸Cは、総針の1本/3本の割合で配列し鎖組織を編み、ランナーは1390mm/ラックとした。糸Dは総詰めに配置し、鎖編みでランナーは1320mm/ラックとした。糸Eは、3針間振った挿入組織とし、編込長は1080mm/ラックとした。この編組織(図2)は、鎖組織(1−0/0−1//・・)を糸Cと糸Dとの混用でもって編成し、挿入組織(0−0/3−3//・・)を糸Eでもって編成したラッセル編みである。包帯幅は82mmとした。
上記方法で編成した包帯を、実施例1と同様に、リラックス加工し、乾燥し、ガス滅菌処理して、包帯製品を製造した。
得られた伸縮性包帯について、実施例1と同様にして評価し、結果を表1、表2、表3に示した。
表1に示す通り、比較例1で得られた包帯は、伸縮率80%、リラックス加工後の伸縮率145%と非常に大きな伸縮性を有していた。しかし、表2に示す通り、整経時の糸解舒張力、機上下ろしコース数及びリラックス加工後の生地長は、外、中、内層で大きく異なり、品質が不均一であり、生産管理が難しかった。また、表3の通り、洗濯−高温高圧滅菌処理を5回繰り返した後の回復率は41.6%、10回後では30.2%と低く、伸縮性能が低下していた。
Figure 2005080960
Figure 2005080960
Figure 2005080960
本発明の伸縮性包帯は、患部を覆い、巻付固定するための医療用布帛品として使用される。洗濯、滅菌処理を繰返しても良好な伸縮特性を保持することができるので、リサイクル使用される伸縮性包帯としても有効である。
本発明の伸縮性包帯における経編み地の一例を示す編組織図である。 比較例1の伸縮性包帯における経編み地を示す編組織図である。
符号の説明
A: ポリエステル系複合繊維糸条
B、E: セルロース系紡績糸
C: スパンデックス糸を芯糸にするカバーリング糸
D: ポリエチレンテレフタレート捲縮加工糸

Claims (5)

  1. 少なくとも一層としてポリトリメチレンテレフタレートを主成分とする層を含むサイドバイサイド型複合または偏心シースコア型複合の顕在捲縮性ポリエステル系複合繊維とセルロース系紡績糸とが交織または交編されてなることを特徴とする伸縮性包帯。
  2. 前記ポリエステル系複合繊維が、ポリトリメチレンテレフタレート層とポリエチレンテレフタレート層とからなる複合繊維であることを特徴とする請求項1に記載の伸縮性包帯。
  3. 前記ポリエステル系複合繊維におけるポリトリメチレンテレフタレート層とポリエチレンテレフタレート層との構成比が、重量比で(30/70)〜(70/30)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の伸縮性包帯。
  4. 前記ポリエステル系複合繊維をタテ方向構成糸に用い、かつ、セルロース系紡績糸をヨコ方向構成糸に用いてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の伸縮性包帯。
  5. 経編により製編されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の伸縮性包帯。
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