JP2005080931A - 靴紐の固定処理方法及びそれに用いる安全ピン並びに靴紐の結び方及びそれに用いるリング部材 - Google Patents

靴紐の固定処理方法及びそれに用いる安全ピン並びに靴紐の結び方及びそれに用いるリング部材 Download PDF

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Abstract

【課題】靴の蝶結びが容易に緩み、解けるのを防止することができる蝶結びの固定処理方法及びそれに用いる安全ピン、並びに緩み解け難い新規の靴紐の結び方及びそれに用いるリング部材を提供する。
【解決手段】通常の蝶結びを作った後、結び目の手前に位置する紐が前記結び目に入ることのないよう、かつ端部が抜け出さないよう蝶結びされた靴紐2ヶ所に安全ピンを挿通し、靴紐がゆるみ次いで解けるのを防止したことを特徴とする靴紐の固定処理方法及びそれに用いる安全ピン。靴の左右の孔部から伸びる左右の紐を別途準備したリング部材の中を通して夫々反対方向に引いて1回結びを作り、次いで、両紐を通常通りに蝶結び等することを特徴とする靴紐の結び方及びそれに用いるリング部材。
【選択図】 図2

Description

本発明は、蝶結びした靴紐が緩み解けるのを防止できる結び目固定処理方法及びそれに用いる安全ピンに関する。また、緩み解け難い結びとすることができる靴紐の結び方及びそれに用いるリング部材に関する。
運動靴や作業靴、安全靴等では、靴を足及び足首にしっかりと固定するため靴紐がよく使われる。靴紐は丈夫さを必須要件とする。丈夫に作られたものはある程度の剛性を有する関係、及び摩擦力が弱く、滑りが生ずる関係から結び目が緩み、解けるという問題点が有る。
そこで従来より、靴紐の結び目が緩み解けるのを防止するため、種々の靴紐固定方法が提案されている。例えば特開2002-95501号公報(靴ひも止めクリップ付き靴)では、靴に固定したクリップを用いて、蝶結びした靴紐の端部及び中間を固定している。
また、例えば特開平11-276210号公報(くつひも止め)では、靴紐の結び目の緩みを防止すると共に、靴紐の結び目を飾ったり、靴を宣伝広告したりするため、卵の殻を2分割した形の中空球状体を用い、結び目をこの中空球状体の中に閉じ込めるようにしている。
これら公報に記載のクリップや止め具を用いれば、靴紐の解ける原因が何であれ、緩み、解ける原因を抑えつけるので靴紐が緩み、解けるのを防止できる。
しかしながら、特開2002-95501号公報に記載のクリップにあっては、靴にクリップを固定しなければならないので、汎用の靴には利用できないという問題点がある。
また、特開平11-276210号公報に示される球状体にあっては、結び目全体を覆うため、球の直径が20mm前後又はそれ以上の球形となるので、大形過ぎるという問題点があった。加えて靴紐の挟着構造次第では、結び目が内側に抜けてくるので、靴が緩くなるという問題点が有る。さりとて種々の靴紐に対し、全てを完全に強く挟着できる構造とするのは難しい。
特開2002-95501号公報、第1頁、図1 特開平11-276210号公報、第1頁、図1
本発明は、通常の蝶結びを予定して製造された靴の靴紐が緩み解けないよう処理してあげることができる靴紐の固定処理方法及びそれに用いる安全ピンを提供することを目的とする。
また、本発明は、蝶結びの結び目が緩む1つの原因は、蝶結びの結び目の手前に位置する部分が結び目の中に侵入するからであることに鑑みて、その現象が生ずることがなく、もって靴紐が緩み難くし、かつ仮に蝶結びが解けても靴が緩むことのない新たな結び方及びそれに用いるリング部材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者は、まず蝶結びが何故緩み、解けるのかを考察した。
図1を用いて一般的な蝶結びについて示すと、靴に備えた左右の孔部1R、1Lから夫々延伸される左右の紐2R、2Lを交差させ(その交差点をP1とする)、一方の紐を他方の紐の裏方向に通して一回りさせ、両紐を左右に引き初回の交差処理が為される。これを1回結びと称する。次ぎに、夫々の紐を180度折り曲げて左右に夫々半円弧の輪を作り、次いで両輪3、4をそれぞれ交差させ、その交差に伴い生ずる中空部分5に一方の輪3又は4を他方の輪4又は3の裏方向から挿入し、両輪3、4を左右に引いて蝶結びが作られる。輪3、4の部分が蝶の羽に相当する形となる。そこで、このようにして作られた蝶結びが何故緩み、解けるかを分析すると、第1に、運動のとき、蝶結びの結び目6の手前に位置する部分SR、SLが結び目6に侵入するからである。この現象は、紐が硬いほど容易に生ずる。また、第2に半円弧に形成した輪3、4が結び目6に入るからである。これは振動により、徐々に生じ得る。さらには、緩くなった結び目6は益々緩くなり、端部ER、ELが運動によって振動し、力を伴って抜け出してしまい、完全に解けてしまう。いずれの場合も、まず結び目6が緩み、次いで解ける。従って、蝶結びを解けなくするためには、第1に緩ませないこと、第2に緩んでも端部ER、ELが抜け出さないようにすれば良い。
本発明では、上記の如き蝶結びにおいて、結び目6の手前に位置する部分SR、SLが、結び目6に入ることのないよう、かつ端部ER、ELが抜け出さないよう、両紐の2ヶ所PA、PBに安全ピンを挿通して、靴紐が緩み、次いで解けるのを防止する。点PA、PBとしては、例えば結び目6の手前の部分SR、SLと、これに接近する端部ER、EL等とするのが好ましい。好ましい点PA、PBの一例を図に破線で示す。
安全ピンとしては、先端に丸みを持たせると共に後端に把手部分を形成した直径1mm前後で長さ10〜20mm、より好ましくは13〜15mmのピン本体と、前記把手部分を指先で持ち、先端を靴紐に揉み込んだ後、前記ピン本体の先端側から挿通されて、前記ピン本体の回りに摩擦力で固定できるピン止め部材で構成することができる。
このような小さな安全ピンを用いれば、目立つことがない。また、ピン先端には丸みを持たせているので安全である。さらに、直径を1mm前後としているので、各種靴紐に適用できる。
本発明の靴紐の結び方は、靴紐が緩み次いで解けるのを防止することができる靴紐の結び方であって、
靴の左右の孔部から伸びる左右の紐を別途準備したリング部材の中を通して夫々反対方向に引き、次いで、両紐に蝶結びを含めた任意の結びを与えることを特徴とする。リング部材としては、通常のリング形の他、外形が球形ないし鼓形或いはチューブ形を為し、その一部(縦方向又は横方向)に2本の靴紐を挿通可能な直線状の孔部を形成し、その孔部入口には面取りされたエッジを有するものを用いることができる。2本の靴紐を挿通可能な孔部を有することが条件で、さらに端部を挿通固定するため等の他の孔部を備えていても良い。
本発明の靴紐の結び方では、リング部材を介して1回結びし、次いで図1に示したような通常の蝶結び等をするので、靴の孔部当りの振動が蝶結びの手前の紐に伝達されず、蝶結びにおいて緩みの主因となる手前の紐の結び目への侵入が回避され、緩み難く、解け難くなる。1回結びした後の結びが解けても1回結びは残るので、結びの機能は維持され、完全な解けは回避できる。
リング部材は、基本的には2本の紐を対向させて挿通できる穴を有するのみで良いので、寸法的には、球形の場合、直径8〜10mm前後に構成できる。形状は幅の狭いリングに限定されず、球形、鼓形、その他蝶の胴の形等に形成できる。
本発明の靴紐の固定処理方法によれば、安全ピンを用いて結び目の手前に位置する紐が結び目に入ることのないよう、かつ端部が抜け出さないよう2ヵ所を固定するので、蝶結びされた靴紐が緩み、解けるのを防止できる。
安全ピンの先端に丸みを持たせると共に、後端に把手部分を形成した直径1mm前後で長さ10〜20mmのピン本体と、ピン本体の先端から挿通されてピンの回りに摩擦力で固定できるピン止め部材とで構成すれば紐に揉み込むことができ、目立たず、安全に固定できる。
本発明の靴紐の結び方によれば、靴の左右の孔部から伸びる左右の紐を別途準備したリング部材の中を通して夫々反対方向に引いて、1回結びし、次いで、両紐を通常通りに蝶結び等できるので、蝶結びの結び目はリング部材の1回結びを介して靴の孔部と間接的に接続される。従って、蝶結びの結び目にその手前の紐が侵入する恐れがなくなり、結び目の緩む主因が無くなり、緩み難く、解け難くなる。リング部材の孔部入口には面取りされたエッジ部分を有するので、1回結びで十分な固定機能を有する。
リング部材は、2本の糸を対向挿通できるだけの穴を有することが条件であるので、簡易に、小形に形成でき、靴を飾る効果も具備させることができる。このリング部材は、各種靴紐に対して利用でき、汎用性が有る。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最適の形態を説明する。図1は、蝶結びの一例を示す説明図、図2、図3は靴紐の固定処理方法の一実施形態を示す説明図、図4は、靴紐の結び方の一実施形態を示す説明図、図5は、靴紐の結び方の他の実施形態を示す説明図である。図1については、既に説明した通りである。
図2に示すように、本発明の靴紐の固定処理方法では、靴7に施された蝶結び8を、2個の安全ピン9で固定処理している。本例の蝶結び8は、図1に示した蝶結びの輪3、4を左右に強く引き、結び目6を絞って作られる。安全ピン9の挿通位置は、図1で示した点PA、PBとしている。点PA、PBは、結び目6に近い程よい。5〜10mm程度離れるのはやむを得ない。
図3に示すように、安全ピン9は、先端10に丸みを持たせると共に後端に把手部分11を形成した長径1mm前後で長さ13〜15mmのピン本体12と、ピン止め部材13とで構成されている。ピン本体12は、例えば針金で作ることができる。ピン止め部材13は、例えば樹脂を成型して作ることができる。
把手部分11は、外形3〜4mmのリングに形成し、平たく手で持ち易くするのが好ましい。ピン止め部材13は、この把手部分11を手にして、ピン本体12に対し挿通可能であり、紐2R、2Lに揉み込んだ後、その先端10側から挿通されて摩擦力で固定できる。
本例のピン止め部材13は、横断面が楕円形とされ、その中心にピン本体の直径(1mm)と略同一寸法の細孔が明けられている。また両端面は、把手部分11に近い方が大面積(例えば24mm2)とされ、先端10に近い方が小面積(例えば12mm2)とされている。手で持ち、ピン本体12に挿通するので、このときエッジで手が切れることのないよう、端面の面取りを十分にしておくことが必要である。両端面の面積を変化させているのは、できるだけコンパクト化し、かつできるだけ広い面で紐2R、2Lを抑え込み固定できるようにするためである。
ピン本体12は、例えば合成樹脂で被覆された直径1mmの針金を曲げて把手部分11を形成し、その先端10を丸めて形成される。裸になった部分には錆び止め塗料を施す。先端は丸みをもたせているので、安全に使用できる。再度図2に示すように、以上の構成の安全ピン9のピン本体12を点PA、PBに揉み込んで挿通し、ピン止め部材13を施すことにより、図示の状態で蝶結び8を固定できる。結び目6の手前の点PAを固定するのでこの部分が結び目6に入ることがなく、結び目6が緩み難い。また端部ER、ELの点PBが固定されるので端部ER、ELが抜け出さず、解け難くなる。
以上により、本発明の安全ピン9を用いて蝶結び8を固定する固定処理方法によれば、結び目6が緩まず、解け難くなる。点PA、PBとしては、図示の位置に限定されず、点PBとして輪3、4の内側に入った位置で他方の点PAに相当する点PC(矢印で示す)とすることもできる。
図4に示すように、本発明の靴紐の結び方は、靴の左右の孔部1R、1Lから伸びる左右の紐2R、2Lを別途準備したリング部材14の中を通して夫々反対方向に引いてリング14の上方で1回結びし、次いで、両紐を通常通りに蝶結びした例で示している。図6に、リング部材14の拡大断面図を示す。リング部材14は、外形が球形のものの例で示している。球形には、少なくとも2本の靴紐を挿通可能な直線状の孔部を形成し、その孔部14Hの入口には面取りされたエッジ部分を有する形としている。エッジ部分で摩擦力を調節することができる。面取りするのは、靴紐を傷つけないためである。
本発明の結び方によれば、リング部材に挿通された紐をリング部材14の上方で1回結びした後、通常の蝶結び等を施すので、蝶結びの結び目6の手前の紐が結び目6に入ることがなく、結び目6が緩み難くなり、解け難くなる。また、結び目6の紐が孔部1R、1L方向へ引き伸ばされることがないので、靴が緩むことがなく、靴7をしっかりと固定できる。さらに、仮に結び目6が解けても、リング部材14上での1回結び目が残っているので、これで靴を固定できる。リング部材14上での1回結びは、上側紐を引くと縛れるが逆方向には緩まない性質を有する。
以上示した結び方において、結び目6が解けた場合、端部ER、ELが靴の側面方向へ長く垂れ下がることが考えられる。この時点で靴は固定されているが、端部が長く残っていると、端部ER、ELを自分の他の足で踏み付ける恐れがある。図5は、この危険を避けるため、図4に示す蝶結びした紐の端部ER、ELを、リング部材14の穴に夫々挿入したものである。新たに形成された端部ER’、EL’は、他の紐と共にリング部材14の穴の中で摩擦しているので、容易には抜けない。この摩擦力としては、靴紐が30〜60gw程度の力では抜け出さない程度とするのが好ましい。結び方を示すため緩く示してあるが、実際には図示の状態のものを強く締めて使用する。
図5に示す蝶結びの端部処理により、仮に蝶結び目6が解けても、リング部材14の上に1回結び目15が残り、新たな端部ER’EL’がリング部材14に固定されているので、蝶の羽の部分に相当する輪が、大きくなっただけの変形蝶結び(図示せず)となるだけである。端部ER、ELの処理により蝶の羽に相当する部分3’、4’が形成されるが、これは、蝶の小羽根と考えれば、これが本当の蝶結びとも見えてデザイン上でも好ましい。元の蝶結び8が解けてできる変形蝶結びの輪は、靴7の幅より食み出すほど大きくはない。リング部材14の前後又は斜め方向等に、端部ER、EL処理用の別の小穴を設けることもできる。図7に示すように、リング部材14の本体を蝶の胴体に似せ、端部を入れる小穴(参照符号付けず)を設け、この小穴を前後方向に通じて端部ER’、EL’を例えば前方に突き出せば、端部を蝶の触覚にも似せることができ、楽しい蝶結びとすることができる。端部ER’、EL’を小穴に対し摩擦力で抜け出し難くしておけば、仮に蝶結びが解けても、変形蝶結びの形が残る点は、前述の通りである。紐を解き、靴を脱いだとき、リング部材14に紐が通されているので、長い紐が左右にバラけず、整理された状態となり、見栄えも良く、使い易い利点も有る。リング部材14の形状を動物の形状等に似せてキャラクタ化し、動物の耳の部分に小穴を設ける等とすることもできる。これにより、リング部材14に趣味的な事項を含めて靴をファッション化することができる。
本発明の靴紐の固定処理方法に用いることができる蝶結びの具体例を示す説明図である。 本発明の靴紐の固定処理方法の一実施形態を示す平面図である。 図2に示した安全ピンを拡大して示す斜視図である。 本発明の靴紐の結び方の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の靴紐の結び方の他の一実施形態を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係る球形リング部材の断面図である。 本発明の一実施形態に係る他の球形リング部材の使用方法を示す平面図である。
符号の説明
1R、1L 靴の孔部
2R、2L 左右の紐
3、4 輪
5 中空部分
6 結び目
7 靴
8 蝶結び
9 安全ピン
10 先端
11 把手部分
12 ピン全体
13 ピン止め部材
14 リング部材
14H リング部材の孔部
15 1回結び目
ER、EL、ER’、ER’ 端部
SR、SL 結び目の手前に位置する部分
PA、PB 安全ピンを挿通する点

Claims (4)

  1. 蝶結びした靴紐が緩み次いで解けるのを防止するための靴紐の固定処理方法であって、通常の蝶結びを作った後、結び目の手前に位置する紐が前記結び目に入ることのないよう、かつ端部が抜け出さないよう蝶結びされた靴紐2ヶ所に安全ピンを挿通し、靴紐が緩み次いで解けるのを防止したことを特徴とする靴紐の固定処理方法。
  2. 請求項1に記載の安全ピンであって、先端に丸みを持たせると共に後端に把手部分を形成した直径1mm前後で長さ10〜20mmのピン本体と、前記把手部分を指先で持ち、先端を靴紐に揉み込んだ後、前記ピン本体の先端側から挿通されて前記ピン本体の回りに摩擦力で固定できるピン止め部材と、を備えたことを特徴とする安全ピン。
  3. 蝶結びした靴紐が緩み次いで解けるのを防止することができる靴紐の結び方であって、
    靴の左右の孔部から伸びる左右の紐を別途準備したリング部材の中を通して夫々反対方向に引いて1回結びし、次いで、両紐に蝶結びを含めた任意の結びを与えることを特徴とする靴紐の結び方。
  4. 請求項3に記載のリング部材であって、外形が球形ないし鼓形を為し、その一部に2本の靴紐を挿通可能な直線状の孔部を形成し、その孔部入口には面取りされたエッジ部分を有することを特徴とするリング部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108272172A (zh) * 2018-01-28 2018-07-13 宁波工程学院 助残系鞋带机

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