JP2005080468A - 回転電機の固定子コイル - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルムテープで低抵抗コロナシールド層を巻回形成した高電圧回転電機の固定子コイルでは、クロスや不織布に比較して引き裂きなどに弱いため、固定子製造作業時に低抵抗コロナシールド層の表面やフィルムテープそのものが傷つき易く絶縁露出部で放電が発生した。また、低抵抗クロステープや低抵抗不織布テープが巻回形成されたものでは、真空加圧含浸後の加熱硬化時に低抵抗コロナシールド層直下にボイドが形成され放電が発生するなどの問題があった。
【解決手段】鉄心スロット部およびこの鉄心スロット部外の直線部に対地主絶縁層からの樹脂漏れを防止するフィルムテープを巻回し、更にこのフィルムテープ外周部に低抵抗コロナシールドテープを巻回することにより、低抵抗コロナシールド部を形成し、この低抵抗コロナシールド部の巻回形成後に熱硬化性含浸樹脂を真空加圧含浸・加熱硬化させる。
【選択図】図1



Description

この発明は、回転電機の固定子コイルに係り、特に高電圧回転電機における固定子鉄心のスロット部に対応する位置に設けられる低抵抗コロナシールド装置の改良に関するものである。
固定子鉄心のスロット部に収納して使用される従来の回転電機の固定子コイルは、コイル導体8の外周部に、耐部分放電特性に優れたマイカテープなどを巻回して対地主絶縁層4を形成し、さらにこの対地主絶縁層の外周部におけるスロット部に収納される部分に、固定子鉄心との間の放電を防ぐ低抵抗コロナシールド層(半導電性テープ)6を設け、しかる後、全体をエポキシ樹脂などの絶縁樹脂を真空加圧含浸し、さらに加熱処理を行って形成される。
上記コイル導体8に印加される高電圧を鉄心との間で絶縁している対地主絶縁層4に空隙やボイドなどの欠陥が存在すると、これらの欠陥部分で放電が発生し、主絶縁層の絶縁破壊や絶縁寿命に悪影響を及ぼす恐れがある。このため、上記低抵抗コロナシールド層6として、液状の樹脂を透過しないフィルムテープ材を対地主絶縁層4の外周部に半重ね巻きにして巻回し、加熱硬化処理するときに含浸樹脂の流出を防ぎ、対地主絶縁層に空隙(以下ボイドという)などの欠陥が極力生じないようにしている。(例えば、特許文献1参照)
特開2002−27695公報(段落0011から0013、図1)
しかしながら、上記のような従来の低抵抗コロナシールド装置を施した回転電機の固定子コイルでは、加熱硬化処理するときに含浸樹脂が貫通できない低抵抗フィルムテープを用いていることにより、対地主絶縁層の樹脂漏れによるボイドの発生は低減される反面、低抵抗コロナシールド層を形成するフィルムテープは、クロスや不織布に比較して引き裂きなどに弱いため、スロット部へのコイル収納時や移動時、コイル結線時などの組み立て作業時に、フィルムテープ層表面やフィルムテープそのものが傷つき易い。
このため、低抵抗層が傷ついたり剥がれたりすることがあるほか、フィルムテープの低抵抗コロナシールド層や低抵抗フィルム自身が傷ついて絶縁部が露出した場合には、鉄心との間で放電が発生し、この放電によって絶縁露出部周囲の低抵抗コロナシールド層もダメージを受けて低抵抗コロナシールド層が消失し、さらに大きな放電が発生する恐れがあるという問題点があった。
また、運転電圧の高い回転電機では、上述したような不具合が予想されるため低抵抗フィルムではなく主として低抵抗クロステープや低抵抗不織布テープ6が巻回されている。
しかし、対地主絶縁層4として巻回されているマイカテープは硬く、また比較的厚い(0.10〜0.23mm)ため低抵抗コロナシールド層6と密着しがたく、マイカテープ端縁部には低抵抗コロナシールド層6との間の密着性が悪い部分にマイカテープ厚さに匹敵するような比較的大きな三角形状の樹脂溜まりが出来る可能性がある。
加熱硬化時には樹脂粘度が低下するため含浸樹脂の流動性が増し、一旦含浸された樹脂もこれらテープのクロスの目や不織布の繊維の隙間を経由して絶縁表面近くの樹脂が漏れ出し、結果的に低抵抗コロナシールド層の下部のマイカテープ層端縁部の樹脂溜まりにボイドを形成する。図7に示すように低抵抗コロナシールド層6の直下にマイカテープ4の厚さに匹敵する比較的大きな(0.10〜 0.23mm)ボイド11が形成されるとボイド放電が発生し、その放電によって低抵抗コロナシールド層のカーボンやグラファイトが消失し、さらに放電が大きくなる恐れがある。
上記のような従来型回転機の固定子コイルでは、真空加圧含浸後の加熱硬化時に、マイカテープ4の端縁に形成された樹脂溜まり部の樹脂が、低抵抗コロナシールド層6を貫通して樹脂が漏れ、そのため低抵抗コロナシールド層6直下にボイド11が形成され放電が発生したり、或いは固定子製造作業時に、低抵抗コロナシールド層6の表面が傷ついて生じた絶縁露出部で放電が発生したりし、その放電が低抵抗コロナシールド層を消失させ、さらに大きな放電が発生するという問題点があった。
この発明は、上述のような高電圧回転機における固定子コイルの樹脂漏れや低抵抗コロナシールド層の傷つきによって発生する放電の課題を解決するためになされたものであり、加熱硬化時の樹脂漏れを防いで低抵抗コロナシールド層直下のボイド形成を抑制するとともに、表面の低抵抗コロナシールド層の傷つきに伴う絶縁露出による放電を抑制できる信頼性の高い回転電機の固定子コイルを提供することを目的とするものである。
この発明にかかる回転電機の固定子コイルは、鉄心スロットに配置された導体の周囲に設けられ、熱硬化性含浸樹脂を含浸・硬化させることにより構成される対地主絶縁層を有する回転電機の固定子コイルにおいて、上記対地主絶縁層の外周に、鉄心スロット部およびこの鉄心スロット部外の直線部に巻回され上記対地主絶縁層からの樹脂漏れを防止するフィルムテープと、このフィルムテープの外周部に巻回された低抵抗コロナシールドテープとからなる低抵抗コロナシールド部(以下低抵抗コロナシールド装置という)を備え、この低抵抗コロナシールド装置は、上記対地主絶縁層からコイル表面を経由して樹脂が漏れることを防止する機能と薄いフィルムテープを用いることで万一樹脂もれが発生してテープ厚さに匹敵するボイドが出来ても放電を防止できる機能を備えたものである。
この発明の高電圧回転機における固定子コイルの低抵抗コロナシールド装置は、対地主絶縁層の外周囲にフィルムテープ層および低抵抗コロナシールド層を形成することにより、対地主絶縁層からコイル表面を経由して樹脂が漏れることを防止できる。
以下、図面に基づいて、実施の形態1から実施の形態4について説明する。
なお、各図間において、同一符号は同一あるいは相当部分を示す。
実施の形態1.
図1、図2、および図3は、この発明の実施の形態1に係る高電圧回転電機固定子コイルを示すもので、図1は低抵抗コロナシールド装置の部分を模式的に示す要部斜視図、図2はスロット部における絶縁構造を模式的に示す要部断面図、図3は図2における最外層の重ね代を変えた場合を模式的に示す要部断面図である。
図1に示すように、固定子コイル3は、固定子鉄心1に設けられている鉄心スロット部1aに収容され、その端部はこのスロット部の外側に延びている。上記固定子コイル3は、素線導体が複数束ねられた亀甲型(詳細図省略)コイル導体8と、このコイル導体の周囲を覆うように巻回された対地主絶縁層(マイカテープ層)4と、この対地主絶縁層のスロット部1aに納められる部分の外周部とスロット外の直線部分の外周部とに巻回され主絶縁層4の最外層からの樹脂漏れを防止するフィルムテープ層5と、このフィルムテープ層の外周に巻回されコロナ防止とフィルムテープ層5の外傷防止を兼ねる低抵抗コロナシールド層6と、上記対地主絶縁層4のスロット部1aから突出した部分に低抵抗コロナシールド層6と連接するように巻回された高抵抗コロナシールド層7とから構成されている。
上記のごとく本発明の低抵抗コロナシールド装置は、対地主絶縁層の外周部に巻回されたフィルムテープ層5と、このフィルムテープ層の外周部に巻回された低抵抗コロナシールド層6とにより構成されている。なお、2は固定子コイル3をスロット部内1aに保持するための楔である。
フィルムテープ層5は、液状の樹脂を透過しないフィルムを基材とするテープ材(後述)が用いられ、低抵抗コロナシールド層6には塗布等の手段により低抵抗材料が表面または材料内に含むように処理されたテープ材(後述)が用いられる。
上記フィルムテープ層5を形成する材料として好ましく用いることができるものとしては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイドなど絶縁性、耐熱性に優れた一般的なフィルム材を挙げることができる。
上記低抵抗コロナシールド層6の低抵抗テープ材は、ガラスやテトロンクロス、およびポリエステルやポリアミドなどの織布、不織布、フィルムなどの一般的な絶縁材料を挙げることができる。また、この低抵抗テープ材は、たとえばカーボンやグラファイトなどの導電性ないしは半導電性を有する材料の粉末を混入した塗料を塗布もしくは含浸し、或いは鉄粉、酸化鉄など鉄を主原料とした粉末などを分散させた樹脂を塗布するなどの処理を行うことにより、導電性が付与され、低抵抗フィルムテープ、低抵抗クロステープ、および低抵抗不織布テープなどに加工して用いられる。
なお、高抵抗コロナシールド層7は例えば炭化珪素混入塗料などの材料を用いて形成された従来と同様のものが特別な制限なく用いることができる。
次に回転電機の固定子コイル3に熱硬化含浸樹脂を真空加圧含浸および加熱硬化させる時の絶縁層の製造時について説明する。
回転電機の固定子コイル3には、導体(亀甲型)の周囲に所定回数マイカテープを巻回して所定の厚さの対地主絶縁層4を形成し、しかる後固定子鉄心スロット部1aに相当する部位(鉄心スロット部および鉄心スロット外の直線部)にそれぞれテープを巻回してフィルムテープ層5と低抵抗コロナシールド層6からなる低抵抗コロナシールド装置を形成する。またコイル端部には低抵抗コロナシールド層6と連接して高抵抗コロナシールド層7を形成する。
このように形成された固定子コイル3を含浸タンクにいれ、熱硬化含浸樹脂を真空加圧含浸する。絶縁層に充分樹脂が含浸してから含浸タンクから取り出し、加熱硬化のために乾燥炉に入れて全体を加熱する。乾燥炉で加熱されると固定子コイル全体の温度が上昇するが、この時含浸樹脂の温度も上昇する。樹脂は一般的に温度が上がると粘度が低下して流動し易くなる。含浸した樹脂の粘度が低下すると、下層部に対地主絶縁層4に含浸された樹脂が低抵抗コロナシールド層6を通して外部に漏れやすくなる。
しかし、図1、図2に示した、フィルムテープ層5および低抵抗コロナシールド層6よりなる低抵抗コロナシールド装置によれば樹脂漏れを防止できる。
温度が上昇して粘度が低下した樹脂は、このフィルムテープ層5があるためテープを貫通する方向への流出が防止され、フィルムテープ層下部の対地主絶縁層4からは樹脂がほとんど漏れて行かないためフィルムテープ下部近傍にはボイドが形成されない。また、フィルムテープ層5はマイカ層に比べて柔らかく、低抵抗コロナシールド層6もポリエステルやテトロン・ポリアミド基材で形成されて柔らかいので、両層の密着性がよいため両層間の樹脂もれが起き難く、従って絶縁層表面近傍の部分放電が抑制される。
また図3に示すように、低抵抗コロナシールド層6の厚さが厚くなり過ぎないように、低抵抗コロナシールド層のテープ相互の重なりをマイカテープ巻回時のような半重ねより小さくして、厚さの増加を抑える構造にしても同様の樹脂漏れの効果は得られる。なおテープ幅は25〜38mm程度の幅のものが通常使われるが、工作の信頼性から考えると、この重なり幅は最低5mm程度の確保が必要である。
上記のように、実施の形態1によれば、加熱硬化過程での樹脂漏れを防ぎ、絶縁層における樹脂漏れに起因するボイド形成を抑制するとともに、コイル表面の低抵抗コロナシールド層の傷つきに伴う絶縁露出による放電を抑制した信頼性の高い回転電機の固定子コイルを得ることが出来る。
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2である高電圧回転電機の固定子コイルの低抵抗コロナシールド装置を示す要部断面図である。
フィルムテープ層5が存在するとその下にある主絶縁層4からの樹脂漏れが防止される。すなわち、マイカテープ(対地主絶縁層4)の段差で形成される三角形状の小さな空間は、含浸樹脂によって充填されるため樹脂充填部12となりボイドは形成されない。
一方、低抵抗コロナシールド層6とフィルムテープ層5は柔らかいため密着性がよく、両層間の樹脂は漏れにくい。しかし、万一両層間の樹脂が漏れてフィルムテープ端部にボイド11が形成された場合には部分放電が発生して低抵抗コロナシールド層6を消失させたり、絶縁層を劣化させる恐れがある。この時、フィルムテープ層5を形成するフィルムの厚さを薄くしておけば、たとえフィルム厚さに相当するボイドができても回転電機運転中に放電しないようにできる。
この点に着目し、上記低抵抗コロナシールド装置のテープ層に形成されるボイドの分担電圧が気体の最低放電電圧以下となるように、各テープ層の厚さを設定すればよい。
具体的には、たとえば定格電圧18kV、絶縁層にかかる運転時の平均電界(設計電界)を2.5kV/mmとすると絶縁厚さは4.157mmとなる。
ここに0.025m m(25μm)のボイドが存在すると、絶縁部は4.132mm、絶縁の比誘電率を5とすれば、厚さ4.132/比誘電率5=0.8264なので、0.025mmのボイドの分担電圧は、
0.025/(0.025+0.8264)*18√3=0.305 kV
となる。
気体の放電を表すパッシェン(Paschen)則では、最低放電電圧は約0.34kVであるので、0.025mm以下であるボイドでは放電しない。
同様に、定格電圧16kVの場合、設計電界2.5kV/mmならば、絶縁厚さは3.695mm、ボイド0.025mm、絶縁部3.670mm、3.67/5=0.734なのでボイドの分担電圧は
0.025/(0.025+0.734)*16/√3=0.304kV
となり、従ってこれも放電しない。
このように、ボイドの厚さが0.025m m(25μm)以下であればボイドが形成されても、ボイドにかかる電圧はパッシェン則で示される最低放電電圧以下となり、放電が発生しないことになる。従って、フィルムテープ5が0.025mm(25μm)以下であれば形成されるボイドは0.025mm以下となり放電しない。平均電界が同じであれば、定格電圧が変わっても25μm以下とすることで、放電を抑制できる。
在の絶縁性フィルムは、工業的には25μmのほか50、125、250μm、薄い方では12.5、6.3μm などが作られている。
もし0.01mmのフィルムが製造プロセスを満たして適用できるならば、上記のように、0.025mmを前提に計算した分担電圧よりももっと小さくなるので、より放電しない効果が期待できる。
現在市販の25μmより薄いテープは放電しない方向となるので問題なく使用できるが、厚い方の市販品で25μm以上の対象品を選ぶとすれば50μmのものとなる。この場合およそ分担電圧が2倍の0.6kV程度となり、パッシェン則の放電電圧を超え放電する可能性が出てくるので使用不可となる。
上記のように、気体の放電を表すパッシェン則によると、最低放電電圧は約0.34kVであるので、現在、市販のテープで上記条件に適応できるものの最高値は25μmと言う事になるが、上記の最低放電電圧(パッシェン則)に適応できる25μmより厚いテープが製品化されれば25μmの厚さに制約されるものではない。また、最低値についても使用するテープについて同様のことがいえる。
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3である高電圧回転電機の固定子コイルの低抵抗コロナシールド装置を示す要部断面図である。
マイカテープ層(対地主絶縁層4)の外周には薄いフィルムテープ層5が巻回され、さらにその外周には低抵抗コロナシールド層6が巻回されている。この時、低抵抗コロナシールド層6としては、薄いフィルムテープ層5が引き裂きや引っかき等の外傷により傷つくことを防止するため、引き裂き・引っかきに強いクロスや不織布を用いる。材料としては一般的なテトロンやポリエステルでも良いが、より望ましくは機械的に高強度であるガラスクロス、ポリアミドの不織布などが適用できる。これにより、フィルムテープ層5が主絶縁層4の最外層からの樹脂漏れを防止し、低抵抗コロナシールド層6がコロナ防止とフィルムテープ層5の外傷防止を兼ねることにより信頼性の高いコイルを提供することができる。
また、その厚さは0.025mm(25μm)以下としているので、低抵抗コロナシールド端の重なり部に形成されるボイドは最高でも0.025mm以下となり、実施の形態2と同様にパッシェン則で示される最低放電電圧以下となるので放電が発生しない。
なお、ここで最外層の低抵抗コロナシールド層6もフィルムテープで形成した場合には、引き裂きや引っかきなどの外傷に対して一度に両層ともに傷ついて、絶縁が露出する恐れがある。このような状態で運転すると激しく放電が発生し、絶縁層を劣化させるため好ましくないが、上記説明のようにクロスや不織布の使用で解決できる。
実施の形態4.
図6はこの発明の実施の形態4である高電圧回転電機の固定子コイルの低抵抗コロナシールド装置を示す要部断面図である。
マイカテープ層(対地主絶縁層4)の外周には薄いフィルムテープ層5が巻回され、その外周には低抵抗コロナシールド層6が巻回されている。この時、低抵抗コロナシールド層6にはゴム系接着剤が添加され、樹脂含浸・硬化時に膨潤したゴム材料が低抵抗コロナシールド層とマイカテープ層(対地主絶縁層4)との界面に染み出し、マイカテープ端縁部の樹脂溜まり部を埋め、その結果一旦含浸された樹脂が漏れてもボイドを形成しないようになる(樹脂充填部12)。特にマイカテープに比較して薄いフィルムテープ層5の場合は、テープ端に形成される樹脂溜まり(樹脂が漏れるとボイドになる)の体積ははるかに小さいため、樹脂含浸・硬化時にゴム材料が僅かでも膨潤して染み出せばボイド部分を埋められる(ゴム材料充填部13)。これによりボイドが形成されないため、フィルムテープ端縁部でのボイド放電を抑制できる。ゴム材料としては例えばニトリルゴムを用いることができる。
上記のごとく、薄いフィルムを用いることで万一樹脂もれが発生してテープ厚さに匹敵するボイドが出来ても放電を防止でき、またボイドを形成しないよう低抵抗コロナシールド層にゴム系材料を添加しボイドとなりうる部分を充填したことにより、放電による劣化を抑制することが可能となり、信頼性の高い固定子コイルの低抵抗コロナシールド装置を提供することができる。
この発明の固定子コイルに設けられた表面コロナシールド装置を示す図である。 この発明の高電圧回転機の固定子コイルの要部断面図である。 この発明の高電圧回転機の固定子コイルの要部断面図である。 この発明の高電圧回転機の鉄心と固定子コイルの要部断面図である。 この発明の高電圧回転機の鉄心と固定子コイルの要部断面図である。 この発明の高電圧回転機の鉄心と固定子コイルの要部断面図である。 従来例の高電圧回転機の鉄心と固定子コイルの要部断面図である。
符号の説明
1 固定子鉄心。 1a 鉄心スロット。
2 楔。 3 固定子コイル。
4 対地主絶縁層。 5 フィルムテープ層。
6 低抵抗コロナシールド層。 7 高抵抗コロナシールド層。
8 コイル導体。 11 ボイド。
12 樹脂充填部。 13 ゴム材料充填部。

Claims (4)

  1. 鉄心スロットに配置された導体の周囲に設けられ、熱硬化性含浸樹脂を含浸・硬化させることにより構成される対地主絶縁層を有する回転電機の固定子コイルにおいて、上記対地主絶縁層の外周に、鉄心スロット部およびこの鉄心スロット部外の直線部に巻回され上記対地主絶縁層からの樹脂漏れを防止するフィルムテープと、このフィルムテープの外周部に巻回された低抵抗コロナシールドテープとからなる低抵抗コロナシールド部を備えたことを特徴とする回転電機の固定子コイル。
  2. 上記フィルムテープ層の厚さを、25μm以下にしたことを特徴とする請求項1に記載の回転電機の固定子コイル。
  3. 上記低抵抗コロナシールド層が低抵抗クロステープ層または低抵抗不織布テープ層であり、その厚さを25μm以下にしたことを特徴とする請求項2に記載の回転電機の固定子コイル。
  4. 上記低抵抗コロナシールド層がゴム系接着材を添加した低抵抗クロステープ層または低抵抗不織布テープ層であることを特徴とする請求項2に記載の回転電機の固定子コイル。
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