JP7158623B1 - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

本開示技術に係る回転電機は、固定子鉄心(2)と、低抵抗コロナシールド層(9)が成層されている固定子コイル(3)と、を含み、前記低抵抗コロナシールド層(9)は端部がコイル長手方向に対して斜めに形成され、凸側端部(11)と凹側端部(12)とを有し、前記凸側端部(11)の位置が隣接するコイルの前記凹側端部(12)の位置よりもコイル長手方向にそって前記固定子鉄心(2)とは逆側にずれ量Dだけずれて配置され、前記ずれ量Dは、凹側飽和距離dmax以下である。

Description

本開示技術は、回転電機に関する。
回転電機は、十分な絶縁耐力があるかを確認するため、耐電圧試験が実施される。耐電圧試験は、例えば固定子コイルのコイル端部同士の間で放電が発生してコイル端部の絶縁が損傷を受けないか等が確認される。
特許文献1には、隣り合う一方の固定子コイルのコイル端部上に設けられたアース電位である低抵抗コロナシールド層の端部Aとし、他方の固定子コイルのコイル端部上に設けられた低抵抗コロナシールド層の端部Bとしたとき、端部Aと端部Bとを最短距離にする設計方法が開示されている。特許文献1に例示される先行技術においては、端部Aと端部Bとが最短距離の位置関係からずれると、端部Aと端部Bとの間で放電が発生するおそれがある、と考えられていた。
特開2003-333786号公報
端部Aと端部Bとが最短距離にある従来の回転電機は、端部Aと端部Bとの間で生じる放電を抑えることができる。しかし従来の回転電機は、隣り合う2つの固定子コイル間において、端部Aと端部Bよりも固定子鉄心から離れた位置において、放電が発生することがあるという新たな課題がわかってきた。
本開示技術に係る回転電機は、固定子鉄心と、低抵抗コロナシールド層が成層されている固定子コイルと、を含み、低抵抗コロナシールド層は端部がコイル長手方向に対して斜めに形成され、凸側端部と凹側端部とを有し、凸側端部の位置が隣接するコイルの凹側端部の位置よりもコイル長手方向にそって固定子鉄心とは逆側にずれ量Dだけずれて配置され、ずれ量Dは、0より大きく凹側飽和距離dmax以下であり、低抵抗コロナシールド層の端部に一部を重ねて形成された第一の非線形抵抗層と、第一の非線形抵抗層の端部に一部を重ねて形成された第二の非線形抵抗層と、をさらに備え、第二の非線形抵抗層は、抵抗率が第一の非線形抵抗層の抵抗率よりも高い
背景技術で用いた端部Aと端部Bとの表現は、課題を解決するための手段においては、凸側端部(11)と凹側端部(12)という表現に言い換えられている。凹側飽和距離d max とは、凹側の端部位置からコイル表面電位が飽和する地点までの距離である(図7参照)。
本開示技術に係る回転電機は上記構成を備えるため、従来技術に係る回転電機比べ、コイル長手方向に沿って隣接コイル間に生じる電位差の最大値を小さくできる、という作用がある(図7と図9とを参照)。この作用は、発明者がシミュレーション及び実験を通して、経験的に知り得たものである。
この作用により、本開示技術は、端部Aと端部Bよりも固定子鉄心から離れた位置(図7及び図9における「隣接コイル間に生じる電位差」と記載された両矢印線分の位置)における電界の強さを小さくでき、同位置における放電発生を抑制できる。
図1は、実施の形態1に係る回転電機の一例であるタービン発電機1の構成を示す断面図である。 図2は、回転電機の固定子鉄心2のスロット4の出口付近の絶縁構造を模式的に示す斜視断面図である。 図3は、回転電機の固定子鉄心2のスロット4の出口付近の絶縁構造を模式的に示す断面図である。 図4は、固定子コイル3のコイルエンド5の構造の一例を示す斜視図である。 図5は、図4に示すコイルエンド5の構造を下から見上げたときの斜視図である。 図6は、従来のタービン発電機の固定子コイルのコイルエンドの要部を示す拡大図である。 図7は、従来構造のタービン発電機の隣接するコイルにおいて、互いに向き合っているコイル面の表面電位分布を示すグラフである。 図8は、実施の形態1に係るタービン発電機1の固定子コイル3のコイルエンド5の要部を示す拡大図である。 図9は、実施の形態1に係るタービン発電機1の隣接する固定子コイル3において、互いに向き合っているコイル面の表面電位分布を示すグラフである。 図10は、実施の形態2に係るタービン発電機1の固定子コイル3のコイルエンド5の要部を示す拡大図である。 図11は、実施の形態3に係るタービン発電機1の固定子コイル3のコイルエンド5の要部を示す拡大図である。 図12は、実施の形態3に係るタービン発電機1の隣接する固定子コイル3において、互いに向き合っているコイル面の表面電位分布のグラフである。 図13は、主要構成要素である低抵抗コロナシールド層9の形状の決定に係る主要寸法の箇所を示した模式図である。 図14は、図13に示すLとDとを変化させたときの隣接するコイル間に生じる電界のシミュレーション結果の例を示したグラフである。
本開示技術に係る回転電機は、以下の実施の形態ごとの図面を参照した説明により明らかになる。特に明記をする場合を除き、実施の形態が異なっていても同じ構成要素には同じ符号が用いられる。背景技術で用いた端部Aと端部Bとの表現は、実施の形態の中では凸側端部11と凹側端部12とを用いる。また、実施の形態2以降において、重複する説明は適宜省略される。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る回転電機の一例であるタービン発電機1の構成を示す断面図である。図1が示すとおりタービン発電機1は、固定子及び回転子6を構成要素とする。固定子は、固定子鉄心2と、2つの固定子コイル3(固定子コイル3a、固定子コイル3b)と、スロット4と、コイルエンド5と、を含む。スロット4は、固定子鉄心2の内周面に設けられた溝であり、固定子鉄心2の周方向へ互いに間隔を開けて複数設けられている。スロット4は、固定子コイル3を構成するコイル導体7を誘導するための構造である。コイルエンド5は、固定子コイル3(固定子コイル3a、固定子コイル3b)のうち、スロット4からはみ出た部分の名称である。固定子コイル3aと固定子コイル3bとは、スロット4の異なる溝に収納されている。また固定子コイル3aのコイルエンド5と固定子コイル3bのコイルエンド5とは、電気的に接続されている。
回転子6は、固定子と同軸に配置されている。詳細は図示していないが回転子6は、円柱状の回転子鉄心と、回転子鉄心に設けられた回転子コイルと、を有する。回転子6は、軸線を中心として回転可能である。回転子6の回転子コイルには、界磁電流が流れる。回転子コイルに界磁電流が流れている状態で回転子6が固定子に対して回転することにより、固定子コイル3のコイル導体7には誘導起電力が発生する。
図2は、回転電機の固定子鉄心2のスロット4の出口付近の絶縁構造を模式的に示す斜視断面図である。図3は、回転電機の固定子鉄心2のスロット4の出口付近の絶縁構造を模式的に示す断面図である。
一般に、高電圧回転電機の固定子コイル3は、素線導体が複数束ねられたコイル導体7の外周部に、耐コロナ特性に優れたマイカテープが所定回数だけ巻回され、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が真空加圧含浸され、加熱硬化処理が行われ主絶縁層8が形成される。
主絶縁層8の最外周部には、低抵抗コロナシールド層9が施されている。低抵抗コロナシールド層9は、接地電位にある固定子鉄心2と固定子コイル3の最外周との電位差を無くす作用をし、部分放電が抑制される。低抵抗コロナシールド層9は、スロット4に収納されている部分においてもスロット4の外に出た部分においても施されている。
低抵抗コロナシールド層9は、ナノメートルサイズからマイクロメートルサイズのカーボン等の導電性の液状の微粒子を、エポキシ樹脂等の有機高分子材料に添加し、常温であるいは加熱することで硬化させて形成されることが多い。
固定子コイル3の表面電位は、低抵抗コロナシールド層9の端部を起点としてコイル長手方向に沿って上昇し、コイルエンド5においてはコイル導体7に加わる電位と同電位になる。
低抵抗コロナシールド層9の端部は、コイル表面に沿った沿面電界が高く、部分放電が発生しやすい箇所である。そこで、高電圧で運用される大型発電機では、よく非線形抵抗層10が用いられる。図3が示すとおり非線形抵抗層10は、一部が低抵抗コロナシールド層9の端部と重なるように施される。非線形抵抗層10は、コイル表面に沿った電界を緩和し、沿面放電の発生を抑制する。非線形抵抗層10は、その名が示すとおり非線形抵抗材料と呼ばれる機能性材料で作られる。非線形抵抗材料は抵抗率が一定ではなく、印加される電界値の上昇に伴って抵抗率が低下する特徴を有する。
タービン発電機1などの大型回転機に用いられる非線形抵抗材料は、数マイクロメートルから数10マイクロメートル程度の粒径を有するシリコンカーバイドの微粒子を、エポキシポ又はポリエステル等の有機高分子材料中に充填させて製造されることが多い。
非線形抵抗層10の成層方法はいくつか開示されているが、例えば以下の方法でよい。1つは、シリコンカーバイドの微粒子と有機高分子材料との混合物を、半硬化状態でテープ形状とし、コイル表面に巻回して熱硬化させる方法である。もう1つは、シリコンカーバイドの微粒子と有機高分子材料との混合物を、硬化前の液体の状態でコイル表面に塗布し、乾燥させる方法である。本開示技術に係る回転電機は、どのような方法によって非線形抵抗層10が成層されてもよい。
なお、定格電圧が数キロボルト程度の比較的低電圧の回転電機においては、低抵抗コロナシールド層9端部付近の電界集中による部分放電の可能性が低い。この場合、非線形抵抗層10はなくてもよい。
図4は、固定子コイル3のコイルエンド5の構造の一例を示す斜視図である。また図5は、図4に示すコイルエンド5の構造を下から見上げたときの斜視図である。図4及び図5が示すとおり固定子コイル3の断面形状は、正方形である必要はなく、いずれか一方の辺が長い長方形であってよい。
図4及び図5は、低抵抗コロナシールド層9の端部が、コイル長手方向に対して直角に形成されていないことを示している。具体的に低抵抗コロナシールド層9の端部は、コイル断面の短辺側において、コイル長手方向に対して斜めに形成されている。図5における固定子コイル3の下面は、低抵抗コロナシールド層9の端部が固定子鉄心2とは逆側(遠方)に張り出している。この張り出している方の端部は、本明細書では凸側端部11と記載する。また図4における固定子コイル3の上面は、低抵抗コロナシールド層9の端部が固定子鉄心2に近い側にある。この近い側にある端部は、本明細書では凹側端部12と記載する。
大型の回転電機の耐電圧試験では、定格電圧の2倍プラス1[kV]が試験電圧として固定子コイル3のコイル導体7に印加される。タービン発電機1の定格電圧は発電機容量によるが、実効値で15[kV]から30[kV]であることが多い。この場合、耐電圧試験時の試験電圧は31[kV]から61[kV]である。コイル導体7に印加される電圧がこの範囲にあると、固定子コイル3単体での沿面電界だけでなく、隣接した2本の固定子コイル3間に生じる電界によっても、放電が発生する可能性がある。
図6は、従来のタービン発電機1の固定子コイル3のコイルエンド5の要部を示す拡大図である。図6が示すとおり従来のタービン発電機1では、低抵抗コロナシールド層9の凸側端部11と隣接した固定子コイル3の低抵抗コロナシールド層9の凹側端部12とが最短距離となっていた。言い換えれば従来は、凸側端部11と凹側端部12とを結ぶ線分がコイル長手方向に対して直交していた。凸側端部11から見て、最も近い位置にある導体が凹側端部12であり、凸側端部11と凹側端部12とは共に接地電位であるから、低抵抗コロナシールド層9の端部位置での隣接したコイル間の放電発生は抑制できていた。
従来のタービン発電機1は、上記の構成を備えているにもかかわらず、隣接するコイル間で放電が発生することがあるという新たな課題がわかってきた。そこで発明者は、従来構造に係る回転電機について、コイル面の表面電位分布を調査するために3次元の過渡電界解析を行った。図7は、従来構造の隣接するコイルにおいて、互いに向き合っているコイル面の表面電位分布を示すグラフである。
図7のグラフにおいて、横軸はコイル長手方向に沿った位置を、縦軸は接地電位との電位差を、それぞれ示している。グラフ中の実線の曲線は、凸側端部11を通るコイル長手方向に沿った位置、すなわち図6の実線矢印が付された位置での表面電位分布を示している。またグラフ中の破線の曲線は、凹側端部12を通るコイル長手方向に沿った位置、すなわち図6の破線矢印が付された位置での表面電位分布を示している。
図7のグラフが示すとおり非線形抵抗層10での表面電位は、凸側端部11がある側が、凹側端部12がある側と比べて傾きが急であることがわかった。発明者は、隣接するコイル間で放電が発生する原因は、この非線形抵抗層10で生じる表面電位の差にあることを突き止めた。
図8は、実施の形態1に係るタービン発電機1の固定子コイル3のコイルエンド5の要部を示す拡大図である。図8が示すとおり実施の形態1に係るタービン発電機1は、低抵抗コロナシールド層9の凸側端部11と隣接した固定子コイル3の低抵抗コロナシールド層9の凹側端部12とが最短距離となる位置からずらして配置がなされている。具体的に言えば実施の形態1に係るタービン発電機1は、凸側端部11の位置が、最短距離となる位置よりもコイル長手方向に沿って固定子鉄心2から遠ざかる方向へずれている。
図9は、実施の形態1に係るタービン発電機1の隣接する固定子コイル3において、互いに向き合っているコイル面の表面電位分布を示すグラフである。図9のグラフも図7のグラフと同様に、横軸はコイル長手方向に沿った位置を、縦軸は接地電位との電位差を、それぞれ示している。グラフ中の実線の曲線は、凸側端部11を通るコイル長手方向に沿った位置、すなわち図8の実線矢印が付された位置での表面電位分布を示している。またグラフ中の破線の曲線は、凹側端部12を通るコイル長手方向に沿った位置、すなわち図8の破線矢印が付された位置での表面電位分布を示している。
図9のグラフの横軸において、凹側端部12の位置から破線曲線が上限に達するまでの距離を、本明細書では凹側飽和距離dmaxと記載する。前述のとおり、実施の形態1に係るタービン発電機1は、凸側端部11の位置が、最短距離となる位置よりもコイル長手方向に沿って固定子鉄心2から遠ざかる方向へずれている。このずれ量Dは、凹側飽和距離dmaxよりも小さく、例えば凹側飽和距離dmaxの3分の1程度であってよい。図7のグラフと図9のグラフとを比較すると、本開示技術に係るタービン発電機1は、従来構造のものと比較して、非線形抵抗層10で生じる表面電位の差の最大値が小さいことがわかる。
実施の形態1に係る回転電機は上記構成を備えるため、従来に比べて非線形抵抗層10で生じる表面電位の差の最大値を小さく抑えることができる。この作用により実施の形態1に係る回転電機は、隣接するコイル間で生じる放電を抑えるという効果を奏する。
実施の形態1ではタービン発電機1を例として説明したが、本開示技術に係る回転電機はタービン発電機1に限定されない。本開示技術は、他の回転電機、特に大型の回転電機に対して好適である。さらに実施の形態1では非線形抵抗層10を有するタービン発電機1を例として説明したが、本開示技術はこれに限定されない。本開示技術は、非線形抵抗層10を有しない回転電機にも適用できる。
実施の形態2.
図10は、実施の形態2に係るタービン発電機1の固定子コイル3のコイルエンド5の要部を示す拡大図である。図10が示すとおり実施の形態2に係るタービン発電機1は、非線形抵抗層10に代えて、第一の非線形抵抗層13と、第二の非線形抵抗層14と、を含む。
第一の非線形抵抗層13は、一部が低抵抗コロナシールド層9の端部と重なるように施される。第二の非線形抵抗層14は、一部が第一の非線形抵抗層13の端部と重なるように施される。図10が示すように第一の非線形抵抗層13と第二の非線形抵抗層14との接続部は、コイル長手方向に対して直角であってよい。実施の形態2に係る第二の非線形抵抗層14は、抵抗率が第一の非線形抵抗層13の抵抗率よりも高いものが選ばれる。第一の非線形抵抗層13の抵抗率よりも高い抵抗率である第二の非線形抵抗層14を採用する理由は、凸側端部11がある側の表面電位分布と凹側端部12がある側の表面電位分布とを近づけるためである。
実施の形態1と同様に実施の形態2に係るタービン発電機1は、低抵抗コロナシールド層9の凸側端部11と隣接した固定子コイル3の低抵抗コロナシールド層9の凹側端部12とが最短距離となる位置からずらして配置がなされている。具体的に言えば実施の形態2に係るタービン発電機1は、凸側端部11の位置が、最短距離となる位置よりもコイル長手方向に沿って固定子鉄心2から遠ざかる方向へずれている。
第一の非線形抵抗層13の材質及び形状、第二の非線形抵抗層14の材質及び形状、並びに低抵抗コロナシールド層9の材質及び形状は、凸側端部11がある側の表面電位分布と凹側端部12がある側の表面電位分布とのシミュレーション結果に基づいて、決定されればよい。
凸側端部11がある側の表面電位分布と凹側端部12がある側の表面電位分布とを近づけることは、電流がどちらか一方の側に偏って流れることをも防ぐ。どちらか一方の側に偏って電流が集中して流れれば、不必要なジュール熱も発生する。
実施の形態2に係る回転電機は上記構成を備えるため、従来に比べて生じる凸側端部11がある側の表面電位分布と凹側端部12がある側の表面電位分布とが近づく。この作用により実施の形態2に係る回転電機は、隣接するコイル間で生じる放電を抑えるとともに不必要なジュール熱の発生を抑えるという効果を奏する。
実施の形態3.
図11は、実施の形態3に係るタービン発電機1の固定子コイル3のコイルエンド5の要部を示す拡大図である。実施の形態3に係るタービン発電機1は、実施の形態2に係るタービン発電機1と構成要素が同じである。
図11が示す実施の形態3に係るタービン発電機1は、第一の非線形抵抗層13と第二の非線形抵抗層14との接続部の態様が実施の形態2と異なる。具体的に実施の形態3に係るタービン発電機1は、第一の非線形抵抗層13と第二の非線形抵抗層14との接続部がコイル長手方向に対して斜めである。例えば第一の非線形抵抗層13の第二の非線形抵抗層14側の端部は、低抵抗コロナシールド層9の端部と平行であってよい。このように第一の非線形抵抗層13と第二の非線形抵抗層14との接続部がコイル長手方向に対して斜めである態様の理由は、凸側端部11がある側の表面電位分布と凹側端部12がある側の表面電位分布とを近づけるためである。
図12は、実施の形態3に係るタービン発電機1の隣接する固定子コイル3において、互いに向き合っているコイル面の表面電位分布のグラフである。図12のグラフも図7又は図9のグラフと同様に、横軸はコイル長手方向に沿った位置を、縦軸は接地電位との電位差を、それぞれ示している。グラフ中の実線の曲線は、凸側端部11を通るコイル長手方向に沿った位置、すなわち図11の実線矢印が付された位置での表面電位分布を示している。またグラフ中の破線の曲線は、凹側端部12を通るコイル長手方向に沿った位置、すなわち図11の破線矢印が付された位置での表面電位分布を示している。
前述のとおり第一の非線形抵抗層13の材質及び形状、第二の非線形抵抗層14の材質及び形状、並びに低抵抗コロナシールド層9の材質及び形状は、凸側端部11がある側の表面電位分布と凹側端部12がある側の表面電位分布とのシミュレーション結果に基づいて、決定されればよい。
実施の形態3に係る回転電機は上記構成を備えるため、従来に比べて生じる凸側端部11がある側の表面電位分布と凹側端部12がある側の表面電位分布とが近づく。この作用により実施の形態3に係る回転電機は、隣接するコイル間で生じる放電を抑えるとともに不必要なジュール熱の発生を抑えるという効果を奏する。
実施の形態4.
本開示技術は、凸側端部11の位置が、最短距離となる位置よりもコイル長手方向に沿って固定子鉄心2から遠ざかる方向へずれていることを特徴としている。このずれ量Dは、凹側飽和距離dmaxよりも小さいため、凹側飽和距離dmaxを特定できている必要がある。
また前述のとおり、第一の非線形抵抗層13の材質及び形状、第二の非線形抵抗層14の材質及び形状、並びに低抵抗コロナシールド層9の材質及び形状は、凸側端部11がある側の表面電位分布と凹側端部12がある側の表面電位分布とのシミュレーション結果に基づいて決定される。
実施の形態4は、本開示技術に係る回転電機について、主要構成要素である低抵抗コロナシールド層9の形状の設計方法について、一例を示し明らかにする。
図13は、主要構成要素である低抵抗コロナシールド層9の形状の決定に係る主要寸法の箇所を示した模式図である。図13が示すとおり低抵抗コロナシールド層9の形状は、コイル長手方向に沿った凸側端部11と凹側端部12との距離Lと、或るコイルの凸側端部11についての隣接するコイルの凹側端部12との最短距離の位置からのずれ量Dである。
図14は、図13に示すLとDとを変化させたときの隣接するコイル間に生じる電界のシミュレーション結果の例を示したグラフである。図14に示すグラフの横軸はD/Lを表し、縦軸は隣接するコイル間に生じる平均電界を表している。なお縦軸の平均電界は、ずれ量Dが0のときの平均電界を1としたときの値で表されている。図14に示すシミュレーション結果は、例えば過渡電界解析によって求めればよい。
本開示技術に係る回転電機は、例えば図14に示すシミュレーション結果に基づいて、LとDとの寸法が決められてもよい。例えば回転電機の設計において、D/Lが0.2以上1以下、より好ましくは0.6以上0.8以下となるように寸法が決められてもよい。
実施の形態4で示された設計方法で生産された回転電機は本開示技術の特徴を備えるため、従来に比べて生じる凸側端部11がある側の表面電位分布と凹側端部12がある側の表面電位分布とが近づく。この作用により実施の形態4で示された設計方法で生産された回転電機は、隣接するコイル間で生じる放電を抑えるとともに不必要なジュール熱の発生を抑えるという効果を奏する。
本開示技術は、例えばタービン発電機等の回転電機に適用できるため、産業上の利用可能性がある。
1 タービン発電機、 2 固定子鉄心、 3、3a、3b 固定子コイル、 4 スロット、 5 コイルエンド、 6 回転子、 7 コイル導体、 8 主絶縁層、 9 低抵抗コロナシールド層、 10 非線形抵抗層、 11 凸側端部、 12 凹側端部、 13 第一の非線形抵抗層、 14 第二の非線形抵抗層。

Claims (2)

  1. 固定子鉄心と、
    低抵抗コロナシールド層が成層されている固定子コイルと、を含み、
    前記低抵抗コロナシールド層は端部がコイル長手方向に対して斜めに形成され、凸側端部と凹側端部とを有し、
    前記凸側端部の位置が隣接するコイルの前記凹側端部の位置よりも前記コイル長手方向にそって前記固定子鉄心とは逆側にずれ量Dだけずれて配置され、
    前記ずれ量Dは、0より大きく凹側飽和距離dmax以下であり、
    前記低抵抗コロナシールド層の端部に一部を重ねて形成された第一の非線形抵抗層と、
    前記第一の非線形抵抗層の端部に一部を重ねて形成された第二の非線形抵抗層と、をさらに備え、
    前記第二の非線形抵抗層は、抵抗率が前記第一の非線形抵抗層の抵抗率よりも高い
    回転電機。
  2. 前記第一の非線形抵抗層の前記第二の非線形抵抗層と重ねた側の前記端部は、前記低抵抗コロナシールド層の前記端部と平行である請求項に記載の回転電機。
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