JP6135836B1 - 回転電機 - Google Patents

回転電機 Download PDF

Info

Publication number
JP6135836B1
JP6135836B1 JP2017510693A JP2017510693A JP6135836B1 JP 6135836 B1 JP6135836 B1 JP 6135836B1 JP 2017510693 A JP2017510693 A JP 2017510693A JP 2017510693 A JP2017510693 A JP 2017510693A JP 6135836 B1 JP6135836 B1 JP 6135836B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resistance layer
nonlinear resistance
layer
resistivity
nonlinear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017510693A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017183223A1 (ja
Inventor
貴弘 梅本
貴弘 梅本
泰智 大竹
泰智 大竹
吉村 学
学 吉村
隆志 灘
隆志 灘
築地 真
真 築地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority claimed from PCT/JP2016/084803 external-priority patent/WO2017183223A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6135836B1 publication Critical patent/JP6135836B1/ja
Publication of JPWO2017183223A1 publication Critical patent/JPWO2017183223A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)

Abstract

スロット(5)を備えた固定子鉄心(4)と、この固定子鉄心に対して回転可能な回転子(3)と、スロットに一部が収納され、端部がスロットの外部に延在する固定子コイル(6)とを備えた回転電機(1)において、固定子コイルは、コイル導体(8)とこのコイル導体の外周部に設けられた主絶縁層(9)とで構成されており、スロットに収納された部分の固定子コイルは、さらに主絶縁層の外周部に設けられた低抵抗コロナシールド層(10)を備え、スロットの外部の固定子コイルは、さらに低抵抗コロナシールド層の端部に一部を重ねて設けられた第1非線形抵抗層(11)とこの第1非線形抵抗層の端部に一部を重ねて設けられた第2非線形抵抗層(12)とを備えており、所定の電界強度における第2非線形抵抗層の抵抗率の下限値を、第1非線形抵抗層の抵抗率の上限値より1桁以上大きくした。

Description

この発明は、回転電機、とくにタービン発電機に代表される大型の回転電機に関する。
タービン発電機に代表される大型の回転電機においては、出荷前に課される耐電圧試験に合格し、さらに数十年の運用期間中に絶縁異常などの不具合が起きない高い絶縁性能が求められている。とくに高電圧が印加される固定子コイルに対しては、耐電圧試験時や通常運転時において、部分放電やそれに起因する絶縁異常を抑制するために、次に述べる構造が一般に採用されている。
固定子コイルの基本構造は、コイル導体の周囲に主絶縁層が形成されたものである。このコイル導体は、例えば銅素線を束ねたもので構成されている。また、主絶縁層は、耐コロナ放電特性に非常に優れた特性を有するマイカテープをコイル導体に巻き回し、さらにエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂をそのマイカテープに含浸させ、さらにその熱硬化性樹脂を硬化させて形成されている。
固定子コイルは、固定子鉄心のスロットに一部が収納され、端部がスロットの外部に延在して配置されている。固定子鉄心のスロット内部に収納される部分およびそこからスロットの外部へ一部延長された部分の固定子コイルには、さらに主絶縁層の外周部に半導電性を有する低抵抗コロナシールド層が設けられる。この低抵抗コロナシールド層は、接地電位である固定子鉄心と密着されており、固定子コイルの最外層の電位を接地電位とすることによりスロット内部での放電を抑制する機能がある。
一方、固定子コイルがスロットから外部に延在する部分は一般にコイルエンドと呼ばれる。コイルエンドの表面電位は、スロットの外部へ一部延長された部分の低抵抗コロナシールド層の端部からコイル長手方向の外部に向かって急峻に上昇する。この急峻な表面電位差によりコイルエンドで沿面放電が発生する場合がある。
このような、コイルエンドにおける急激な表面電位の上昇を抑制するために、低抵抗コロナシールド層の端部に一部を重ねて非線形抵抗層が設けられる。この非線形抵抗層を構成する非線形抵抗材料は、材料に印加される電界強度の上昇に伴って抵抗率が非線形的に低下する特性を有している。コイルエンドの表面に設けられた非線形抵抗層では、固定子コイルでの表面電位差(電界強度)がある程度以上になると非線形抵抗層の抵抗率が低下する。その結果、非線形抵抗層の内部を接地電位である低抵抗コロナシールド層へ向かって電流が流れ、コイルエンドの表面電位の急峻な上昇が抑制され、沿面放電の発生を抑制することができる。非線形抵抗層がもつこのような沿面放電の発生を抑制する機能を電界緩和機能と呼ぶ。
大型回転機に用いられる非線形抵抗材料は、一般にシリコンカーバイド(SiC)の粒子を絶縁樹脂に混合させて構成されている。このような材料を半硬化状態でテープ形状としたものを固定子コイルの基本構造である主絶縁層の表面に巻回して熱硬化させる方式や、ペイント状としたものを主絶縁層の表面に塗布して乾燥させる方式などを用いて非線形抵抗層が形成されている。このように構成された非線形抵抗層においては、抵抗率のばらつきが大きいため電界緩和機能の製造ばらつきが大きいという問題があった。電界緩和機能を向上させる手段として、抵抗率の大きい非線形抵抗層と抵抗率の小さい非線形抵抗層とを併用することが行われていた。
例えば、複数の非線形抵抗層をコイルエンドの外側に向かって順次重なるように形成し、下層となるスロット側の非線形抵抗層の抵抗率およびその形成長さに対して上層となる外側の非線形抵抗層の抵抗率およびその形成長さが順次大きくなるように構成している(例えば、特許文献1参照)。また、別の方法として、抵抗率の異なる複数の非線形抵抗層を積層して形成し、抵抗率の小さい非線形抵抗層の形成長さが短くなるように構成している(例えば、特許文献2参照)。
実公昭61−34836号公報(2頁、第2図) 特許2863649号公報(2頁、図1)
タービン発電機などの大型の高電圧回転機の製品出荷前に課せられる耐電圧試験では、定格電圧の2倍プラス1kVが試験電圧として固定子コイル導体に印加される。この耐電圧試験において、非線形抵抗層の内部を流れる電流は定格電圧が印加された場合よりも格段に増加する。この電流と非線形抵抗材料の抵抗成分とによりジュール発熱が生じ、局所的に非線形抵抗層の温度が上昇する。上述の非線形抵抗材料は温度上昇に伴って高抵抗化し、さらにその抵抗率の変化は不可逆的である。すなわち、非線形抵抗材料が温度上昇により一度高抵抗化すると冷却後も高抵抗の状態が保持される。耐電圧試験を複数回行った場合、非線形抵抗層の高抵抗化が発生する可能性が高くなる。
従来の抵抗率の大きい非線形抵抗層と抵抗率の小さい非線形抵抗層とを併用する方法では、耐電圧試験を複数回行うと抵抗率の小さい非線形抵抗層の抵抗率が上昇し、抵抗率の大きい非線形抵抗層の抵抗率との差が小さくなる。その結果、単に抵抗率の大きい非線形抵抗層と抵抗率の小さい非線形抵抗層とを併用するというだけでは、耐電圧試験の後に両者の抵抗率の差が小さくなり電界緩和機能が損なわれるという課題を発明者らは新たに見出した。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、抵抗率の大きい非線形抵抗層と抵抗率の小さい非線形抵抗層とを併用した回転電機において、耐電圧試験において非線形抵抗層の抵抗率が上昇しても非線形抵抗層の抵抗率のばらつきに起因する電界緩和機能の製造ばらつきを改善し、安定した電界緩和機能を得ることを目的とする。
この発明に係る回転電機においては、スロットを備えた固定子鉄心と、この固定子鉄心に対して回転可能な回転子と、スロットに一部が収納され、端部が前記スロットの外部に延在する固定子コイルとを備えた回転電機であって、固定子コイルは、コイル導体とこのコイル導体の外周部に設けられた主絶縁層とで構成されており、スロットに収納された部分の固定子コイルは、さらに主絶縁層の外周部に設けられた低抵抗コロナシールド層を備え、スロットの外部に延在する部分の固定子コイルは、さらに低抵抗コロナシールド層の端部に一部を重ねて設けられた第1非線形抵抗層とこの第1非線形抵抗層の端部に一部を重ねて設けられた第2非線形抵抗層とを備えており、第1非線形抵抗層の抵抗率よりも第2非線形抵抗層の抵抗率を高く設定するとともに、所定の電界強度における第2非線形抵抗層の抵抗率の下限値を、第1非線形抵抗層の抵抗率の上限値より1桁以上大きくし、低抵抗コロナシールド層の端部から第1非線形抵抗層の端部までの距離を、第1非線形抵抗層の抵抗率の上限値および下限値、並びに第2非線形抵抗層の抵抗率の上限値および下限値で決定したものである。
この発明は、回転電機のコイルエンドにおいて低抵抗コロナシールド層の端部に一部を重ねて設けられた第1非線形抵抗層とこの第1非線形抵抗層の端部に一部を重ねて設けられた第2非線形抵抗層とを備えており、所定の電界強度における第2非線形抵抗層の抵抗率の下限値を、第1非線形抵抗層の抵抗率の上限値より1桁以上大きくし、低抵抗コロナシールド層の端部から第1非線形抵抗層の端部までの距離を、第1非線形抵抗層の抵抗率の上限値および下限値、並びに第2非線形抵抗層の抵抗率の上限値および下限値で決定しているので、耐電圧試験において非線形抵抗層の抵抗率が上昇しても非線形抵抗層の抵抗率のばらつきに起因する電界緩和機能の製造ばらつきを改善し、安定した電界緩和機能を備えた回転電機を得ることができる。
この発明の実施の形態1を示す回転電機の模式図である。 この発明の実施の形態1における固定子コイルの模式図である。 この発明の実施の形態1における固定子コイルの模式図である。 この発明の実施の形態1におけるコイルエンドの特性図である。 この発明の実施の形態1における非線形抵抗材料の特性図である。 この発明の実施の形態1におけるモデルコイルの特性図である。 この発明の実施の形態1における非線形抵抗材料の特性図である。 この発明の実施の形態2における非線形抵抗材料の特性図である。 この発明の実施の形態3における固定子コイルの模式図である。 この発明の実施の形態3における固定子コイルの特性図である。 この発明の実施の形態4における非線形抵抗材料の特性図である。 この発明の実施の形態5における非線形抵抗材料の特性図である。
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1における回転電機の模式図である。本実施の形態に係る回転電機は、例えばタービン発電機である。図1において、本実施の形態に係る回転電機1は、固定子2および回転子3で構成されている。固定子2は、中心部に回転子3を収納した円筒状の固定子鉄心4と、この固定子鉄心4の内周側に形成されたスロット5に一部が収納された固定子コイル6とで構成されている。回転子3は、円柱状の回転子鉄心と図示しない回転子コイルとで構成されている。
固定子コイル6は、スロット5の周方向に重ねられて収納されており、スロットの内周側に収納された固定子コイル6は、他のスロット5の外周側に収納された固定子コイル6と固定子2の外部でつながっている。
図2は、固定子鉄心4の端部のスロット5の開口部付近の固定子コイル6の模式図である。また、図3は、スロット5の開口部付近の固定子コイルの断面図である。図3は、固定子コイル6の外表面部分のみを示している。
固定子コイル6のスロット5の外部に延伸された部分は、コイルエンド7と呼ばれる。図2に示すように、固定子コイル6の基本構造は、銅素線を束ねたコイル導体8の周囲に主絶縁層9が形成されたものである。また、主絶縁層9は、耐コロナ放電特性に非常に優れた特性を有するマイカテープをコイル導体に巻き回し、さらにエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂をそのマイカテープに含浸させ、さらにその熱硬化性樹脂を硬化させて形成されている。
図3に示すように、固定子コイル6のスロット5に収納される部分およびスロット外に出た近接部位には、主絶縁層9の周囲に低抵抗コロナシールド層10が設けられている。この低抵抗コロナシールド層10は、固定子鉄心4と電気的に接続されている。なお、固定子鉄心4は接地電位に設定されている。接地電位となる低抵抗コロナシールド層10は、スロット5内で固定子コイル6での部分放電を抑制する効果がある。
コイルエンド7の固定子コイル6においては、スロット外に出た近接部位まで設けられた低抵抗コロナシールド層10の端部に一部重なるように第1非線形抵抗層11が設けられている。さらに第1非線形抵抗層11の端部に一部重なるように第2非線形抵抗層12が設けられている。この第1非線形抵抗層11および第2非線形抵抗層12を構成する非線形抵抗材料は、材料に印加される電界強度の上昇に伴って抵抗率が非線形的に低下する特性を有している。非線形抵抗材料は、一般にシリコンカーバイド(SiC)の粒子を絶縁樹脂に混合させて構成されている。このような材料を半硬化状態でテープ形状としたものを固定子コイルの基本構造である主絶縁層の表面に巻回して熱硬化させる方式や、ペイント状としたものを主絶縁層の表面に塗布して乾燥させる方式などを用いて非線形抵抗層が形成されている。本実施の形態においては、第2非線形抵抗層12の抵抗率を、第1非線形抵抗層11の抵抗率よりも大きく設定している。この抵抗率の関係については、後で詳しく述べる。
次に、この非線形抵抗層の作用について説明する。
固定子コイル6のコイルエンド7の表面電位は、接地電位となる低抵抗コロナシールド層10の端部からコイル長手方向に向かって上昇し始め、低抵抗コロナシールド層10の端部から十分離れた箇所ではコイル導体8と同電位となる。非線形抵抗層がない場合、低抵抗コロナシールド層10の端部付近は、構造上コイル表面に沿った沿面電界強度が急激に高くなり部分放電が発生しやすい箇所となる。非線形抵抗層は、コイル表面に沿った急激な電界の立ち上がりを緩和し、沿面放電の発生を抑制する目的で設けられている。
本実施の形態においては、第1非線形抵抗層11と第2非線形抵抗層12とを設け、第2非線形抵抗層12の抵抗率を、第1非線形抵抗層11の抵抗率よりも大きく設定している。この抵抗率の異なる2つの非線形抵抗層を設ける理由について述べる。
これらの非線形抵抗層は、コイルエンド7での電界緩和機能を発揮するために、非線形抵抗層のコイル長手方向に電流が流れる。この電流と非線形抵抗層の抵抗成分とによって非線形抵抗層ではジュール発熱が生じる。
図4は、本実施の形態におけるコイルエンドでの固定子コイルの発熱密度分布を計算で求めた特性図である。図4において、横軸は低抵抗コロナシールド層10の端部をからコイル表面に沿った距離L(mm)であり、縦軸は非線形抵抗層として第1非線形抵抗層のみを設けた場合(以下、単層構造とも呼ぶ)の最大発熱密度で規格化した単位時間当たりの発熱密度W(相対値)である。図4において、波線は第1非線形抵抗層のみを設けた場合の単層構造の発熱密度分布であり、実線は、図3に示すように、第1非線形抵抗層11と第2非線形抵抗層12とを設けた場合(以下、二層構造とも呼ぶ)の発熱密度分布である。第1非線形抵抗層11は、低抵抗コロナシールド層10の端部から30mmまで設けられており、第2非線形抵抗層12は、第1非線形抵抗層11に一部重ねて低抵抗コロナシールド層10の端部から100mm以上設けられているとして計算している。また、第2非線形抵抗層の抵抗率は、第1非線形抵抗層の抵抗率よりも高く設定している。
図4に示すように、非線形抵抗層を一つの層で構成した場合、発熱密度のピークは1つでありその位置は、低抵抗コロナシールド層10の端部となる。これに対して、第1非線形抵抗層11と第2非線形抵抗層12とを設け、第2非線形抵抗層の抵抗率を第1非線形抵抗層の抵抗率よりも高く設定しそれぞれの抵抗率は一定とした場合は、発熱密度のピークは2つに分かれ、そのピーク値も、約65%と低下している。したがって、非線形抵抗層を2つ以上に分割し低抵抗コロナシールド層10より遠い位置の非線形抵抗層の抵抗率を低抵抗コロナシールド層10より近い位置の非線形抵抗層の抵抗率よりも高く設定すれば、発熱密度を低下させることできる。その結果、非線形抵抗層の局所的温度上昇を抑制することができる。
図5は、本実施の形態において非線形抵抗層に用いられる非線形抵抗材料の電界強度と表面抵抗率との関係を示した特性図である。上述のように、非線形抵抗材料は、一般にシリコンカーバイド(SiC)の粒子を絶縁樹脂に混合させて構成されている。このように構成された非線形抵抗材料の特性(電界強度と抵抗率との関係)は、ばらつきが大きいことが知られている。例えば、同一材料(SiCと絶縁樹脂との混合比が同一)であっても、所定の電界強度に対する抵抗率の下限値と上限値とは、経験的に一桁程度異なることが分かっている。図5において、実線は第1非線形抵抗層の特性の上限値と下限値とを、破線は第2非線形抵抗層の特性の上限値と下限値とを示している。このように非線形抵抗材料の特性がばらつく要因としては、SiC粒子の粒径や粒子形状のばらつき、SiC粒子の絶縁樹脂中での分散状態の不均一性にあると推測している。
本実施の形態においては、図5に示すように、第1非線形抵抗層の抵抗率よりも第2非線形抵抗層の抵抗率を高く設定するとともに、所定の電界強度Eaにおいて、第2非線形抵抗層の抵抗率の下限値を第1非線形抵抗層の抵抗率の上限値より1桁以上大きくしている。
このように構成することにより、耐電圧試験において非線形抵抗層の抵抗率が上昇しても非線形抵抗層の抵抗率のばらつきに起因する電界緩和機能の製造ばらつきを改善し、安定した電界緩和機能を備えた回転電機を得ることができる。
以下、そのような作用効果が得られることを説明する。
大型回転機の耐電圧試験では、定格電圧の2倍プラス1kVが試験電圧として固定子コイルに印加される。タービン発電機の定格電圧は発電機容量によるが、15kVから30kV(実効値)である。すなわち耐電圧試験時の試験電圧は31kVから61kVである。また、耐電圧試験は1回と限られるわけではなく、複数回行われることがある。
通常の定格電圧であれば、2層構造の非線形抵抗層でのジュール発熱はあまり大きくない。しかしながら、定格電圧の2倍以上の高電圧が印加される耐電圧試験においては、非線形抵抗層でのジュール発熱によって、非線形抵抗層の抵抗率が大きく変化することを発明者らは明らかにした。また、非線形抵抗材料は高温になると高抵抗化し、さらにその抵抗率の変化は不可逆的である、すなわち一度温度上昇により非線形抵抗材料が高抵抗化すると冷却後も高抵抗の状態が保持される特性があることを見出した。第1非線形抵抗層の抵抗率が上昇すると、第2非線形抵抗層の抵抗率に近接し、図4の実線で示した2層構造での発熱密度を低下させる特性が得られなくなり、図4の破線で示した単層構造に近い発熱密度分布となる。その結果、さらに第1非線形抵抗層で発熱が生じさらに高抵抗化するという正帰還に入り、やがて非線形抵抗特性を失って電界緩和機能を発揮することができなくなり沿面放電が発生する。
このような耐電圧試験での電界緩和機能の低下を回避するためには、非線形抵抗層で生じる発熱密度と、その結果生じる抵抗率上昇の度合とを定量的に明らかにすることが重要である。発明者は、固定子コイルエンドの非線形抵抗層を模擬したモデルコイルにおいて、電圧印加前の初期状態における非線形抵抗層の抵抗率と、所定の電界をコイル導体に印加し非線形抵抗層でジュール発熱を誘起させた後の抵抗率とを比較した。その際、所定の電界を印加した際に非線形抵抗層に生じた単位時間あたりの発熱密度は過渡電界解析に基づいて算出した。なお、所定の電界強度は0.5kV/mmとした。この値は、タービン発電機の耐電圧試験時に非線形抵抗層に印加される電界強度の範囲内であることを確認している。
検証に用いたモデルコイルの構造を以下に述べる。モデルコイルのコイル導体は、断面積600mm、長さ1000mmの鉄製の角材を用いた。前記角材の周囲にマイカテープを巻き回し、さらにエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂をそのマイカテープに含浸させ、さらにその熱硬化性樹脂を硬化させてモデルコイルを作製した。なお樹脂硬化後の主絶縁層の厚みは3mm程度である。主絶縁層の周囲の内、モデルコイルの中央部の幅200mmの範囲に低抵抗コロナシールド層を設け、前記低抵抗コロナシールド層の両端部に一部重なるように第1非線形抵抗層を設けた。さらに第1非線形抵抗層の端部に一部重なるように、第1非線形抵抗層よりも高抵抗の第2非線形抵抗層を設けた。低抵抗コロナシールド層の端部から第2非線形抵抗層までの距離を30mmとした。
図6は、上記のモデルコイルにおける発熱密度と抵抗率の上昇率との関係を示した特性図である。図6において、横軸は過渡電界解析に基づいて求めた発熱密度、縦軸は表面抵抗率の変化率である。縦軸における変化率は、電圧印加前の初期状態における非線形抵抗層の抵抗率に対する相対値である。
図6に示すように、非線形抵抗層のジュール発熱が大きい、すなわち発熱密度大きいほど表面抵抗率が上昇することがわかるが、その上昇率は最大で5倍以下であることが分かった。また、発熱密度が大きいほど表面抵抗率の変化率に大きなばらつきが生じることもわかった。なお、横軸に示した発熱密度は、タービン発電機の耐電圧試験時に非線形抵抗層で生じ得る値と同程度であることを確認している。
図7は、第1非線形抵抗層の抵抗率の上限値に対する第2非線形抵抗層の抵抗率の下限値の比と、ジュール発熱による非線形抵抗特性の抵抗率上昇を考慮して算出した発熱密度との関係を示した特性図である。図7に示した特性値は次のようにして求めている。
まず、第1非線形抵抗層の抵抗率上限値と第2非線形抵抗層の抵抗率下限値とを設定し、過渡電界解析に基づいて第1非線形抵抗層で生じる単位時間あたりの発熱密度を計算する。このとき、第2非線形抵抗層の抵抗率は、図7の横軸に対応するように第1非線形抵抗層の抵抗率を所定倍したものを用いた。次に、第1非線形抵抗層で生じた発熱密度と、図6の発熱密度と抵抗率の上昇率との関係の上限データを結ぶ実線を用いて、ジュール発熱による第1非線形抵抗層の抵抗率の上昇率が得られる。その上昇率に応じて第1非線形抵抗層の抵抗率を変化(高抵抗化)させる。高抵抗化した第1非線形抵抗層の抵抗率と第2非線形抵抗層の抵抗率とを用いて再度過渡電界解析に基づいて第1非線形抵抗層で生じる発熱密度を計算した。図7はその結果を示したものである。図7において、横軸は第1非線形抵抗層の抵抗率の上限値と第2非線形抵抗層の抵抗率との下限値との比(R)、縦軸は第1非線形抵抗層で生じる発熱密度である。この縦軸は、横軸が10のときの発熱密度で規格化した値である。
図7からわかるように、第1非線形抵抗層の抵抗率の上限値と第2非線形抵抗層の抵抗率との下限値との比が10より小さい場合、発熱密度が大きく上昇することがわかる。また、第1非線形抵抗層の抵抗率の上限値と第2非線形抵抗層の抵抗率との下限値との比が10以上であれば、発熱密度の変化は緩やかになる。以上のように、発熱密度を低減し安定した電界緩和機能を得るためには、第1非線形抵抗層の抵抗率の上限値と第2非線形抵抗層の抵抗率との下限値との比が重要であることを発明者らは見出した。したがって、所定の電界強度において、第2非線形抵抗層の抵抗率の下限値を第1非線形抵抗層の抵抗率の上限値より1桁以上大きくすることにより、非線形抵抗層のジュール発熱による温度上昇を抑制することができる。
このように構成することにより、耐電圧試験において非線形抵抗層の抵抗率が上昇しても非線形抵抗層の抵抗率のばらつきに起因する電界緩和機能の製造ばらつきを改善し、安定した電界緩和機能を備えた回転電機を得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態1において、非線形抵抗層に印加される所定の電界強度を0.5kV/mmとしたが、実際にタービン発電機の非線形抵抗層に生じる沿面電界強度は、適用する非線形抵抗材料の抵抗特性によって決まるため、明確ではない。実施の形態2においては、第1非線形抵抗層の抵抗率の上限値と第2非線形抵抗層の抵抗率の下限値とから、実際にタービン発電機に生じ得る電界強度を設定する。
図8は、本実施の形態における非線形抵抗層の抵抗率とその非線形抵抗層の表面に生じる沿面電界強度との関係を示した特性図である。図8において、横軸は非線形抵抗層の抵抗率、縦軸は非線形抵抗層の表面に生じる沿面電界強度である。図8に示す測定点は、電界強度0.5kV/mmにおける非線形抵抗層で測定した実際の抵抗率に対応する。また、沿面電界強度は、印加電圧の周波数を60Hz、電圧値を50kVrms、主絶縁層の厚みを3mmとしたときの過渡電界解析によって算出した沿面電界強度である。
図8の結果から、非線形抵抗層の抵抗率:ρ(Ω)と沿面電界強度:E(kV/mm)との関係は、次の(1)式で近似される。
Figure 0006135836
ここで、実際にタービン発電機に用いられる非線形抵抗層において、電界強度0.5kV/mmにおける第1非線形抵抗層の抵抗率の下限値をρ(Ω)、第2非線形抵抗層の抵抗率の上限値にρ(Ω)とすると、所定の電界強度Eaは、次の(2)式の範囲とする。
Figure 0006135836
実施の形態1では、所定電界における第1非線形抵抗層の表面抵抗率の上限値と第2非線形抵抗層の表面抵抗率の下限値との差を1桁以上大きくしたが、この1桁以上大きくすることの効果を実器耐電圧試験で発現するには、前記所定電界を、実器のコイルエンドで生じる電界値とする必要がある。所定の電界強度を(2)式の範囲とすることで、第1非線形抵抗層の表面抵抗率の上限値と、第2非線形抵抗層の表面抵抗率の下限値との差を1桁以上大きくすることの効果を確実に得ることができる。
この(2)式で与えられる電界強度Eaの範囲で、第2非線形抵抗層の抵抗率の下限値を第1非線形抵抗層の抵抗率の上限値より1桁以上大きく設定することで、耐電圧試験において非線形抵抗層の抵抗率が上昇しても非線形抵抗層の抵抗率のばらつきに起因する電界緩和機能の製造ばらつきを改善し、安定した電界緩和機能を備えた回転電機を得ることができる。
実施の形態3.
実施の形態3においては、実施の形態1で説明した回転電機において、低抵抗コロナシールド層の端部から第1非線形抵抗層の端部までの距離を、第1非線形抵抗層および第2非線形抵抗層の特性によって決まる所定範囲とした。
図9は、本実施の形態におけるコイルエンドを示した模式図である。基本構造は、実施の形態1の図3と同じである。主絶縁層9の単位面積当たりの静電容量をCとし、固定鉄心とコイル導体8との間に周波数f、最大値Vの交流電圧を印加したとする。図9に示すように、低抵抗コロナシールド層4の端部から第1非線形抵抗層11の端部までの距離L、第1非線形抵抗層11の端部から第2非線形抵抗層12の端部までの距離Lとする。固定鉄心と低抵抗コロナシールド層4とは電気的に導通しており、接地電位に設定されている。このとき、第1非線形抵抗層11に生じる沿面電界をE、第2非線形抵抗層12に生じる沿面電界をEとする。
ここで、交流電圧が最大値を迎えた場合に、第2非線形抵抗層12の端部がコイル導体8と同電位になる、すなわち下式が成立すると考える。
Figure 0006135836
前述のように、複数の非線形抵抗層をコイル導体の長手方向に適用する理由は、ジュール損による非線形抵抗層の発熱密度のピークを分散させ、最大温度を低減させることにある。非線形抵抗層を二層設ける場合、低抵抗コロナシールド層と第1非線形抵抗層の境界における発熱密度、および第1非線形抵抗層と第2非線形抵抗層の境界における発熱密度の比は、各々の非線形抵抗層の特性、低抵抗コロナシールド層の端部から第1非線形抵抗層の端部までの距離および印加電圧の値によって主に決定される。
理想的には、低抵抗コロナシールド層と第1非線形抵抗層の境界における発熱密度、および第1非線形抵抗層と第2非線形抵抗層の境界における発熱密度とが等しくなる場合が最も発熱密度を低減できる。しかし、前述のように非線形抵抗材料の特性ばらつきは非常に大きく、特定の抵抗率の組み合わせに対して二箇所の発熱密度を均等化すると、抵抗率がばらついた場合に必然的に発熱密度のバランスが崩れ、局所的に過熱する可能性がある。したがって、二種類の抵抗率のばらつきを考慮した上でトータルとして発熱密度を最小にすることができる低抵抗コロナシールド層の端部から第1非線形抵抗層の端部までの距離Lを選定することが重要である。
低抵抗コロナシールド層の端部から第1非線形抵抗層の端部までの距離を選定するには、同距離をパラメータとした上で、各々の非線形抵抗層の特性の組み合わせに対して、過渡電界解析により発熱密度を計算する手法がある。一方、理論検討により低抵抗コロナシールド層と第1非線形抵抗層の境界における発熱密度W、および第1非線形抵抗層と第2非線形抵抗層との境界における発熱密度Wを求める解析式を以下の通り導出した。
Figure 0006135836
Figure 0006135836
図10は、第1非線形抵抗層の距離Lをパラメータとして、過渡電界解析あるいは上記の解析式を用いて求めた第1非線形抵抗層および第2非線形抵抗層に生じる単位時間あたりの発熱密度の関係を示した特性図である。図10において、実線は第1非線形抵抗層の抵抗率と第2非線形抵抗層の抵抗率とが最も離間した場合、すなわち第1非線形抵抗層の抵抗率が下限値、第2非線形抵抗層の抵抗率が上限値を取った場合のそれぞれの非線形抵抗層での発熱密度の傾向を示している。一方、図10において、破線は第1非線形抵抗層の抵抗率と第2非線形抵抗層の抵抗率とが最も近接した場合、すなわち第1非線形抵抗層の抵抗率が上限値、第2非線形抵抗層の抵抗率が下限値を取った場合のそれぞれの非線形抵抗層での発熱密度の傾向を示している。
図10から、第1非線形抵抗層の抵抗率が上限値、第2非線形抵抗層の抵抗率が下限値を取る場合、すなわち両者が最近接した場合の第1非線形抵抗層の発熱密度を表わす線と、第1非線形抵抗層の抵抗率が下限値、第2非線形抵抗層の抵抗率が上限値を取る場合、すなわち両者が最離隔した場合の第2非線形抵抗層の発熱密度を表わす線の交点に対応する値(L)が、抵抗率のばらつきを考慮した上でトータルの発熱密度を最小にできる低抵抗コロナシールド層の端部から第1非線形抵抗層の端部までの距離であることがわかる。
抵抗率のばらつきを考慮した上でトータルの発熱密度を最小にできる低抵抗コロナシールド層の端部から第1非線形抵抗層の端部までの距離は、以下のように導出できる。第1非線形抵抗層の抵抗率が上限値、第2非線形抵抗層の抵抗率が下限値を取る場合、すなわち両者が最近接した場合の第1非線形抵抗層に生じる沿面電界をE1M、第2非線形抵抗層に生じる沿面電界をE2mとする。このとき、第1非線形抵抗層に生じる最大発熱密度は以下の式で表わされる。
Figure 0006135836
第1非線形抵抗層の抵抗率が下限値、第2非線形抵抗層の抵抗率が上限値を取る場合、すなわち両者が最も離隔した場合の第1非線形抵抗層に生じる沿面電界をE1m、第2非線形抵抗層に生じる沿面電界をE2Mとする。このとき、第2非線形抵抗層に生じる最大発熱密度は以下の式で表わされる。
Figure 0006135836
=Wを満たすLが、抵抗率のばらつきを考慮した上でトータルの発熱密度を最小にできる低抵抗コロナシールド層の端部から第1非線形抵抗層の端部までの距離である。W=Wをとして(6)式および(7)式から、Lの2次方程式として以下の式が導き出される。
Figure 0006135836
上記の式をLについて解くと以下の式となる。数学的には平方根の前の符号が正にもなり得るが、その場合のLを用いて(3)式のLを算出するとLが負の値となるため、平方根の前の符号は負しかあり得ない。
Figure 0006135836
すなわち、第1非線形抵抗層の抵抗率および第2非線形抵抗層の抵抗率はばらつきが大きい。低抵抗コロナシールド層の端部から第1非線形抵抗層の端部までの距離Lを、発熱密度が最も大きくなる特性曲線の最小値の位置Lに設定しておけば、第1非線形抵抗層の抵抗率および第2非線形抵抗層の抵抗率がばらついたとしても、それ以上に発熱密度が上昇することはない。
実施の形態1で述べたとおり、タービン発電機の定格電圧はおおよそ15kVから30kVの範囲である。したがって、耐電圧試験における試験電圧は31kVから61kVの範囲で実施されることが多く、また現実的に取り得る非線形抵抗層の抵抗率を考慮すると、低抵抗コロナシールド層の端部から第1非線形抵抗層の端部までの距離は20mmから50mmが望ましい。
実施の形態4.
実施の形態4に係る回転電機に適用される非線形抵抗材料においては、第1非線形抵抗層に含まれるシリコンカーバイド粒子の平均粒径と、第2非線形抵抗層に含まれるシリコンカーバイド粒子の平均粒径との関係を規定した。
図11は、非線形抵抗層の非線形抵抗材料に含まれるシリコンカーバイド粒子の平均粒径と、電界強度0.5kV/mmにおける非線形抵抗層の表面抵抗率の相関を示した特性図である。ここで、シリコンカーバイド粒子との絶縁樹脂との体積混合比を40%とし、シリコンカーバイド粒子の平均粒径を最大40μmまで変化させた。図11から、シリコンカーバイド粒子の平均粒径が2倍になると非線形抵抗層の表面抵抗率が1桁低下することがわかる。
したがって、第1非線形抵抗層に含まれるシリコンカーバイド粒子の平均粒径を、第2非線形抵抗層に含まれるシリコンカーバイド粒子の平均粒径の2倍以上に設定すれば、第1非線形抵抗層の抵抗率の上限値と、第2非線形抵抗層の抵抗率の下限値とを一桁以上離間させることができる。
このように構成することにより、耐電圧試験において非線形抵抗層の抵抗率が上昇しても非線形抵抗層の抵抗率のばらつきに起因する電界緩和機能の製造ばらつきを改善し、安定した電界緩和機能を備えた回転電機を得ることができる。
実施の形態5.
実施の形態5に係る回転電機に適用される非線形抵抗材料においては、第1非線形抵抗層に含まれるシリコンカーバイド粒子の平均粒径と、第2非線形抵抗層に含まれるシリコンカーバイド粒子の平均粒径とを同等とし、それぞれの非線形抵抗層に添加する導電性粒子の体積混合比の関係を規定した。
図12は、非線形抵抗層の非線形抵抗材料に含まれる導電性粒子の体積混合比と、電界強度0.5kV/mmにおける非線形抵抗層の表面抵抗率の相関を示した特性図である。本実施の形態においては、導電性粒子として四酸化三鉄の粒子を用いている。ここで、シリコンカーバイド粒子の体積混合比を40%とし、平均粒径を10μmとした。また導電性粒子としての四酸化三鉄の平均粒径を500nmとした。図12から、導電性粒子の体積混合比の差が5.5体積%以上になると非線形抵抗層の表面抵抗率が1桁低下することがわかる。
したがって、第1非線形抵抗層に含まれる導電性粒子の体積混合比を、第2非線形抵抗層に含まれる導電性粒子の体積混合比より5.5体積%以上に設定すれば、第1非線形抵抗層の抵抗率の上限値と、第2非線形抵抗層の抵抗率の下限値とを一桁以上離間させることができる。
このように構成することにより、耐電圧試験において非線形抵抗層の抵抗率が上昇しても非線形抵抗層の抵抗率のばらつきに起因する電界緩和機能の製造ばらつきを改善し、安定した電界緩和機能を備えた回転電機を得ることができる。
1 回転電機、 2 固定子、 3 回転子、 4固定子鉄心
5 スロット、 6 固定子コイル、 7 コイルエンド
8 コイル導体、 9 主絶縁層、 10 低抵抗コロナシールド層
11 第1非線形抵抗層、 12 第2非線形抵抗層

Claims (5)

  1. スロットを備えた固定子鉄心と、
    この固定子鉄心に対して回転可能な回転子と、
    前記スロットに一部が収納され、端部が前記スロットの外部に延在する固定子コイルと
    を備えた回転電機であって、
    前記固定子コイルは、コイル導体とこのコイル導体の外周部に設けられた主絶縁層とで構成されており、
    前記スロットに収納された部分の前記固定子コイルは、さらに前記主絶縁層の外周部に設けられた低抵抗コロナシールド層を備え、
    前記スロットの外部に延在する部分の前記固定子コイルは、さらに前記低抵抗コロナシールド層の端部に一部を重ねて設けられた第1非線形抵抗層とこの第1非線形抵抗層の端部に一部を重ねて設けられた第2非線形抵抗層とを備えており、
    前記第2非線形抵抗層の抵抗率を前記第1非線形抵抗層の抵抗率よりも高く設定するとともに、
    所定の電界における前記第2非線形抵抗層の抵抗率の下限値は、前記第1非線形抵抗層の抵抗率の上限値より1桁以上大きく、
    前記低抵抗コロナシールド層の端部から前記第1非線形抵抗層の端部までの距離は、第1非線形抵抗層の抵抗率の上限値および下限値、並びに第2非線形抵抗層の抵抗率の上限値および下限値で決定される
    ことを特徴とする回転電機。
  2. 前記低抵抗コロナシールド層の端部から前記第1非線形抵抗層の端部までの距離Lは、
    前記第1非線形抵抗層の抵抗率が上限値、前記第2非線形抵抗層の抵抗率が下限値を取る場合の前記第1非線形抵抗層に生じる沿面電界をE1Mおよび前記第2非線形抵抗層に生じる沿面電界をE2mとし、
    前記第1非線形抵抗層の抵抗率が下限値、前記第2非線形抵抗層の抵抗率が上限値を取る場合の前記第1非線形抵抗層に生じる沿面電界をE1m、前記第2非線形抵抗層に生じる沿面電界をE2Mとし、
    前記固定子コイルに印加される電圧の最大値をVとすると、
    Figure 0006135836
    で与えられることを特徴とする請求項に記載の回転電機。
  3. 前記低抵抗コロナシールド層の端部から前記第1非線形抵抗層の端部までの距離は、
    20mm以上50mm以下である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の回転電機。
  4. 前記第1非線形抵抗層および前記第2非線形抵抗層は、非線形抵抗材料としてシリコンカーバイド粒子を含んでおり、
    前記第1非線形抵抗層に含まれるシリコンカーバイド粒子の平均粒径は、前記第2非線形抵抗層に含まれるシリコンカーバイド粒子の平均粒径の2倍以上である
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の回転電機。
  5. 前記第1非線形抵抗層および前記第2非線形抵抗層は、非線形抵抗材料としてさらに導電性粒子を含んでおり、
    前記第1非線形抵抗層に含まれる導電性粒子の非線形抵抗材料中の体積混合比は、前記第2非線形抵抗層に含まれる導電性粒子の非線形抵抗材料中の体積混合比よりも5.5体積%以上多い
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の回転電機。
JP2017510693A 2016-04-22 2016-11-24 回転電機 Active JP6135836B1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016086101 2016-04-22
JP2016086101 2016-04-22
PCT/JP2016/084803 WO2017183223A1 (ja) 2016-04-22 2016-11-24 回転電機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6135836B1 true JP6135836B1 (ja) 2017-05-31
JPWO2017183223A1 JPWO2017183223A1 (ja) 2018-04-26

Family

ID=58794483

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017510693A Active JP6135836B1 (ja) 2016-04-22 2016-11-24 回転電機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6135836B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110889195A (zh) * 2019-10-31 2020-03-17 上海电气电站设备有限公司 一种电机定子同槽上下层线圈间距的计算方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS499321B1 (ja) * 1970-10-21 1974-03-04
JPS6122733A (ja) * 1984-07-09 1986-01-31 Toshiba Corp 高圧回転電機コイル
JPS6134836Y2 (ja) * 1983-11-09 1986-10-09

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS499321B1 (ja) * 1970-10-21 1974-03-04
JPS6134836Y2 (ja) * 1983-11-09 1986-10-09
JPS6122733A (ja) * 1984-07-09 1986-01-31 Toshiba Corp 高圧回転電機コイル

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110889195A (zh) * 2019-10-31 2020-03-17 上海电气电站设备有限公司 一种电机定子同槽上下层线圈间距的计算方法
CN110889195B (zh) * 2019-10-31 2023-09-26 上海电气电站设备有限公司 一种电机定子同槽上下层线圈间距的计算方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2017183223A1 (ja) 2018-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5523966B2 (ja) 回転電機およびコイル
JP2009118719A (ja) 電気絶縁材として用いられる非線形誘電体
WO2017183223A1 (ja) 回転電機
US10992199B2 (en) Hydroelectrical machine coil insulation method
JP6135836B1 (ja) 回転電機
US1370731A (en) Cable and method of making the same
CA2861321C (en) High voltage stator coil with reduced power tip-up
Umemoto et al. Optimization of double-layer stress grading system for high voltage rotating electrical machines by electric field and thermal coupled analysis
US10615658B2 (en) Corona shielding system for a high-voltage machine, repair lacquer, and method for production
CN106716788B (zh) 电机的电晕屏蔽系统
CN203056721U (zh) 15.75kV级发电机定子多胶模压减薄优化结构
JP7158623B1 (ja) 回転電機
JP6656487B1 (ja) 回転電機
JP6116335B2 (ja) 回転電機
WO2024038575A1 (ja) 回転電機
JP6856530B2 (ja) 調整可能な抵抗を有するコロナシールド材
JPS6134836Y2 (ja)
US3307074A (en) Transformer structure with built-in overvoltage protection
JP2019212456A (ja) 金型加熱装置
JPS58157350A (ja) 回転電機の絶縁コイル
Umemoto et al. Optimization of multiple-layer end-turn stress grading system for high voltage turbogenerators
JP5855174B2 (ja) 回転電気機械の巻線および当該巻線を備えた電気機械の回転子
JPS58144551A (ja) 回転電機の固定子コイル
BR112016023937B1 (pt) Cabo de energia blindado, e, métodos para melhorar os desempenhos de um cabo de energia blindado e para reduzir perdas de blindagem em um cabo de energia blindado
JP2008035634A (ja) 固定子コイル及び回転電機

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170222

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170222

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20170222

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20170321

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170410

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6135836

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250