JP2005078717A - 信号伝送回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 回路電源の低電圧化、回路駆動の高速化をしても安定な動作が可能な信号伝送回路を提供する。
【解決手段】 複数段の回路で構成され、各段の回路から駆動パルスに従ったパルス電圧が順次出力される信号伝送回路である。例えば、3段目の回路は、駆動パルスをパルス電圧としてソースに出力する出力トランジスタT32と、ドレインが出力トランジスタT32のゲートに接続され、ゲートが2段前の出力トランジスタT12のソースに接続された第1の誤動作防止用トランジスタT35と、ドレインが出力トランジスタT32のソースに接続され、ゲートが2段前の出力トランジスタT12のソースに接続された第2の誤動作防止用トランジスタT36とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、信号伝送回路、いわゆるシフトレジスタに関し、特に、液晶ディスプレイ、MOS型撮像装置等を駆動するためのシフトレジスタに関する。
図6は従来の信号伝送回路の一構成例を示す回路図であり、多数段からなる回路のうちの4段部分を示している。この信号伝送回路は、次段への出力トランジスタT12、T22、T32、T42と、ブートストラップ用容量C1、C2、C3、C4と、ブートストラップ用容量充電トランジスタT11、T21、T31、T41と、第1の放電トランジスタT13、T23、T33、T43と、第2の放電トランジスタT14、T24、T34、T44とを備えている。
この信号伝送回路の各素子には、電源電圧VDD、駆動パルスV1、V2、およびスタートパルスVSTが供給される。
次に、このように構成された従来の信号伝送回路の動作について説明する。スタートパルスVSTが論理「High」レベルになると、初段のブートストラップ用容量充電トランジスタT11がONになる。このため、ブートストラップ用容量C1が、(電源電圧VDD−トランジスタT11の閾値電圧Vt1)へと充電される。
ブートストラップ用容量C1の充電電圧が出力トランジスタT12の閾値電圧を超えると、初段の出力トランジスタT12がONする。その後、論理「High」レベルの駆動パルスV1が出力トランジスタT12のドレインに入力されると、出力トランジスタT12のゲートには、駆動パルスV1の電圧とブートストラップ用容量C1の両端の電位差とが足されて印加されることとなる。出力トランジスタT12のゲート電位(ノードN11)が駆動パルスV1の電位よりも上昇すると、駆動パルスV1がノードN12から出力パルスOUT1として出力され、利用される。
また、同時にノードN12の電圧が、2段目のブートストラップ用容量充電トランジスタT21のゲートに印加されることで、トランジスタT21がONになり、ブートストラップ用容量C2がトランジスタT21の閾値電圧Vt2分の降下のない電源電圧VDDへと充電される。
ブートストラップ用容量C2の充電電圧が出力トランジスタT22の閾値電圧を超えると、2段目の出力トランジスタT22がONする。その後、論理「High」レベルの駆動パルスV2が出力トランジスタT22のドレインに入力されると、出力トランジスタT22のゲートには、駆動パルスV2の電位とブートストラップ容量C2の両端の電位差とが足されて印加されることとなる。出力トランジスタT22のゲート電圧(ノードN21)が駆動パルスV2の電位よりも上昇すると、駆動パルスV2がノードN22から出力パルスOUT2として出力され、利用される。
また、同時にノードN22の電圧が、3段目のブートストラップ用容量充電トランジスタT31のゲートに印加されることで、トランジスタT31がONになり、ブートストラップ用容量C3がトランジスタT31の閾値電圧分Vt3の降下のない電源電圧VDDへと充電される。
ブートストラップ用容量C3の充電電圧が出力トランジスタT32の閾値電圧を超えると、3段目の出力トランジスタT32がONする。
このような動作が繰り返されることで、信号伝送回路は、さらに出力パルスOUT3、OUT4を順次出力することになる。
図7は、従来の誤動作防止付信号伝送回路図の一構成例を示す回路図である。この誤動作防止付信号伝送回路は、図6に示した従来の信号伝送回路では、ブートストラップ用容量充電トランジスタのゲートに電源電圧VDDより低い電圧しか印加できなかった充電電圧を、確実に電源電圧を印加できるようにした改良型信号伝送回路である。この誤動作防止付信号伝送回路によって、ノードN11、N21、N31、N41の電圧が次第に降下して、何段か先で出力パルスが出なくなることを防止している。
図7に示す誤動作防止付信号伝送回路は、図6に示す信号伝送回路と異なり、3段目および4段目の回路にそれぞれ第1の誤動作防止用トランジスタT35およびT45がさらに設けられている。トランジスタT35は、ゲートが出力トランジスタT12のソース(ノードN12)に接続され、ドレインがブートストラップ用容量充電トランジスタT31のソース(ノードN31)に接続され、ソースが接地されている。トランジスタT45は、ゲートが出力トランジスタT22のソース(ノードN22)に接続され、ドレインがブートストラップ用容量充電トランジスタT41のソース(ノードN41)に接続され、ソースが接地されている。
また、各段の第2の放電トランジスタのゲートは、次段の出力トランジスタのソースに接続されている点が、図6に示す信号伝送回路と異なる。例えば、初段の第2の放電トランジスタT14のゲートは、2段目の出力トランジスタT22のソースに接続されている。
次に、この誤動作防止回路付信号伝送回路の動作説明を行なう。
図8は、NMOSのみを用いた従来の信号伝送回路における各部のパルス電圧を示すタイミングチャートである。この回路は3V系の回路であり、駆動パルスV1、V2の電圧振幅、および電源電圧VDDが3Vの場合を示す。
ただし、スタートパルスVSTの電圧振幅は5Vとする。ここでスタートパルスVSTの電圧振幅のみ5Vとするのは、スタートパルスVSTが入力される初段のブートストラップ用容量充電トランジスタT11の場合のみ、前段からの高い電圧が供給できないためである。このため、スタートパルスVSTのみ駆動パルスV1、V2の電圧振幅である3Vよりも高い5VでトランジスタT11を駆動することにより、トランジスタT11による電圧降下を防止し、ブートストラップ容量C1を電源電圧VDDである3Vに充電可能にするためである。
図8において、時刻T0にて、スタートパルスVSTが5Vに立ち上がると、初段のブートストラップ用容量充電トランジスタT11がONになり、ブートストラップ用容量C1が電源電圧VDDに向かって充電されていく。ここでブートストラップ用容量充電トランジスタT11がエンハンスメント型のNMOSの場合でも、トランジスタT11の閾値電圧Vt1の影響を受けずに、出力トランジスタT12のゲートが接続されたノードN11の電圧VN11は、電源電圧VDDである3Vに充電され、出力トランジスタT12がONする。
次に時刻T1にて、3Vの駆動パルスV1が出力トランジスタT12のドレインに入力されると、出力トランジスタT12のゲート(ノードN11)には、駆動パルスV1の電圧3Vとブートストラップ用容量C1の両端の電位差(3V−Vt1)とが加算された電圧HB1が印加され、ノードN12から振幅H1のパルスが出力されることになる。
また、同時にノードN11の電圧HB1が、2段目のブートストラップ用容量充電トランジスタT21のゲートに印加されて、トランジスタT21がONになり、ブートストラップ用容量C2がトランジスタT21の閾値電圧分の降下のない電源電圧VDDへと充電されていく。ブートストラップ用容量C2の充電電圧(ノードN21)が出力トランジスタT22の閾値電圧を超えると、2段目の出力トランジスタT22がONする。
このとき同時にノードN21の電圧は、3段目のブートストラップ用容量充電トランジスタT31のゲートにも印加される。このため、トランジスタT31がONになり、ブートストラップ用容量C3には、トランジスタT31の閾値電圧Vt3分だけ低い電圧(3V−Vt3)に充電される。この状態では、駆動パルスV1が論理「High」レベルである3Vの場合、初段の出力ノードN12に駆動パルスV1が出力されている時に、同時に3段目の出力ノードN32にも駆動パルスV1以下の振幅のパルスが出力されてしまう。そのためにブートストラップ用容量C3のプラス端子側を接地電位側に近づけて、3段目の出力トランジスタT32がOFFするように、ブートストラップ用容量C3のプラス端子側と接地電位との間に、誤動作防止用トランジスタT35を接続している。すなわち、誤動作防止用トランジスタT35のドレインをブートストラップ用容量C3のプラス側に、ソースを接地電位に、ゲートを初段の出力ノードN12に接続する。また、初段の出力ノードN12に駆動パルスV1が出ているときに誤動作防止用トランジスタT35をONして、ノードN31を接地電位側に近づけて、3段目の出力ノードN32に駆動パルスV1が出ないようにしている。
同様に、後段のブートストラップ用容量C4のプラス端子側と接地電位との間にも、それぞれ、誤動作防止用トランジスタT45のドレインとソースを接続し、ゲートには2段前の出力ノードN22を接続することで、全段に渡って誤動作を防止するようにしている。
特公平3−75960号公報(第3図)
しかしながら、回路の低電圧駆動化や高速動作化の過程においては、出力トランジスタT32等の出力トランジスタの閾値電圧を低く設定する必要がある。このため、ブートストラップ用容量C3等のプラス端子側だけを接地電位側に近づけるだけの誤動作防止方法では、出力トランジスタT32等の出力トランジスタはONしてしまい、ノードN32やこのノードに相当する後段の全ノードで、駆動パルス電圧V1およびV2以下の振幅の電圧が出力されてしまう。このため所定のパルス出力位置以外にもパルス出力が発生し、信号伝送回路として正常動作しなくなる。たとえば、時刻T1に着目すると、第1の誤動作防止用トランジスタT35がON抵抗を有するため、ノードN31の電位が完全に0にはならず、出力トランジスタT32がONしてしまうためである。
将来の回路の低電圧駆動化や高速動作化の流れの中では、この誤動作が顕著に表れる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、回路電源の低電圧化、回路駆動の高速化をしても安定な動作が可能な信号伝送回路を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る信号伝送回路は、複数段の回路で構成され、各段の回路から駆動パルスに従ったパルス電圧が順次出力される信号伝送回路であって、前記各段の回路は、前記駆動パルスを前記パルス電圧としてソースに出力する出力トランジスタと、前記出力トランジスタのゲートとソースとの間に接続されたブートストラップ用容量と、前記ブートストラップ用容量を充電するために、ドレインが電源または接地線に接続され、ソースが前記出力トランジスタのゲートに接続され、初段の場合はゲートにスタートパルスが供給され、2段目以降の場合はゲートが前段の出力トランジスタのゲートに接続された第1の充電トランジスタと、ドレインが前記ブートストラップ用容量の一端に接続され、ゲートが次段の出力トランジスタのソースに接続された第1の放電トランジスタと、ドレインが前記ブートストラップ用容量の他端に接続され、ゲートが次段の出力トランジスタのソースに接続された第2の放電トランジスタと、ドレインが前記出力トランジスタのゲートに接続され、ゲートが2段前の出力トランジスタのソースに接続された第1の誤動作防止用トランジスタと、ドレインが前記出力トランジスタのソースに接続され、ゲートが2段前の出力トランジスタのソースに接続された第2の誤動作防止用トランジスタとを備える。
この構成によれば、3段目以降の出力トランジスタのソースに誤動作によるパルス電圧が出力された場合でも、2段前の出力パルスが第2の誤動作防止用トランジスタのゲートに印加されることにより第2の誤動作防止用トランジスタがON状態になっている。このため、3段目以降の出力パルスの電位を接地電位にすることができ、3段目以降の出力トランジスタのソースの誤動作によるパルス電圧発生を防止することができる。
好ましくは、前記各段の回路は、さらに、ドレインが前記出力トランジスタのソースに接続され、ゲートが2段後の出力トランジスタのソースに接続された第3の誤動作防止用トランジスタをさらに備える。
この構成によれば、2段前の回路の出力トランジスタのソースに誤動作によるパルス電圧が出力された場合でも、出力パルスのパルス電圧が2段前の回路の第3の誤動作防止用トランジスタのゲートに印加されることにより、第3の誤動作防止用トランジスタT17がON状態になっている。このため、2段前のパルス電圧を接地電位にすることができる。
本発明によると、所望の段の回路のみよりパルス電圧が出力され、それ以外の段の回路からは出力されない。このため、電源の低電圧化や回路駆動の高速化を行なっても、信号伝送回路を安定に動作させることができる。特に、MOS型固体撮像装置や液晶ディスプレイ装置に搭載して、効果を発揮することが期待でき、本発明は極めて有用である。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る信号伝送回路の一構成例である。
信号伝送回路は、複数段の回路で構成され、各段の回路から駆動パルスに従ったパルス電圧が順次出力される回路である。ここでは5段の回路構成を示している。
第1の実施形態に係る誤動作防止回路付信号伝送回路は、図7に示した従来の誤動作防止回路付信号伝送回路と比べ、3段目以降に第2の誤動作防止用トランジスタT36(T46、T56)が設けられている点が異なる。例えば、第2の誤動作防止用トランジスタT36のドレインには、同じ段の出力トランジスタT32のソースが接続され、ゲートには、2段前の出力トランジスタT12のソースが接続され、ソースは接地されている。
この構成によれば、3段目以降の出力トランジスタT32(T42、T52)のソースに誤動作によるパルス電圧が出力された場合でも、2段前の出力パルスが第2の誤動作防止用トランジスタT36(T46、T56)のゲートに印加されることにより第2の誤動作防止用トランジスタT36(T46、T56)がON状態になっている。このため、3段目以降の出力パルスの電位を接地電位にすることができ、3段目以降の出力トランジスタのソースの誤動作によるパルス電圧発生を防止することができる。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る信号伝送回路の一構成例である。
本実施形態では、第1の実施形態での誤動作防止対策に加え、着目している出力トランジスタより出力パルスが出力される際に、その2つ以上前の回路の出力トランジスタより出力パルスが出力するのを防止するための対策が施されている。
このため、信号伝送回路は、図1に示した信号伝送回路に加え、さらに、第3の誤動作防止用トランジスタT17(T27、T37、T47、T57)を備えている。
例えば、第3の誤動作防止用トランジスタT17に着目すると、第3の誤動作防止用トランジスタT17のドレインは、出力トランジスタT12のソースに接続され、ゲートは2段後の出力トランジスタT32のソースに接続され、ソースは接地されている。
回路の高速化が進んでくると、ブートストラップ用容量C1〜C5が放電される時間も短縮されるが、十分な放電時間が確保できない場合、ブートストラップ用容量C1〜C5には、一定の電荷が放電されずに残ってしまう。このブートストラップ用容量C1〜C5の残留電荷によって、出力トランジスタT12〜T52のゲートに出力トランジスタT12〜T52の閾値電圧よりも高い電圧が印加されてしまうと、2段前の回路の出力トランジスタT12〜T52のソースに誤動作によるパルス電圧が出力されることがある。
回路の高速化のために、出力トランジスタT12〜T52の閾値電圧はあらかじめ低い閾値電圧に設定していることが多いため、誤動作の確率が高くなる。
第2の実施形態の動作について、出力パルスOUT3に所望のパルス電圧が出力される場合を例にとり説明する。この場合、2段前の回路の出力トランジスタT12のソースに誤動作によるパルス電圧が出力された場合でも、出力パルスOUT3のパルス電圧が2段前の回路の第3の誤動作防止用トランジスタT17のゲートに印加されることにより、第3の誤動作防止用トランジスタT17がON状態になっている。このため、2段前のパルス電圧を接地電位にすることができる。
このため、本実施形態によると、所望のパルス電圧が出力される際に、2段前の回路の出力トランジスタのソースに誤動作によるパルス電圧が出力された場合でも、第3の誤動作防止用トランジスタがON状態になっている。このため、2段前の出力トランジスタのソースに誤動作によるパルス電圧発生を防止することができる。
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態に係る信号伝送回路の一構成例である。
本実施形態では、第1の実施形態と第2の実施形態の対策に加え、着目している出力トランジスタより出力パルスが出力される際に、その4つ以上後の回路の出力トランジスタより出力パルスが出力するのを防止するための対策が施されている。
このため、信号伝送回路は、図2に示した信号伝送回路に加えて、さらに、電圧保持用容量C100〜C300と、電圧保持用容量充電トランジスタT100〜T300と、第3の放電トランジスタT101〜T301と、第4の誤動作防止用トランジスタT102〜T302とを備えている。
例えば、電圧保持用容量充電トランジスタT100は、着目している出力トランジスタT12から順次出力されるパルス電圧がゲートに印加され、ドレインが電源線が接続され、ソースが電圧保持用容量C100のプラス側に接続されている。
また、第3の放電トランジスタT101は、それぞれ、着目している出力トランジスタT12から2段後のパルス電圧がゲートに印加され、ドレインが電圧保持用容量C100のプラス側に接続されている。
さらに、第4の誤動作防止用トランジスタT102は、ドレインが着目している出力トランジスタT12から4段後の出力トランジスタT15のゲートに接続され、ゲートが電圧保持用容量C100のプラス側に接続されている。
図4を参照して、詳細な動作を説明する。図4は、第3の実施形態に基づく信号伝送回路における各部のパルス電圧を示すタイミングチャートである。この回路は3V系の回路であり、駆動パルスV1、V2の電圧振幅、および電源電圧VDDが3Vの場合を示す。ただし、スタートパルスVSTの電圧振幅は5Vとする。ここでスタートパルスVSTの電圧振幅のみ5Vとするのは、スタートパルスVSTが入力される初段のブートストラップ用容量充電トランジスタT11の場合のみ、前段からの高い電圧が供給できないため、スタートパルスVSTのみ駆動パルスV1、V2の電圧振幅である3Vよりも高い5VでトランジスタT11を駆動することにより、トランジスタT11による電圧降下を防止し、ブートストラップ容量C1を電源電圧VDDである3Vに充電可能にするためである。
図4において、時刻T0にて、スタートパルスVSTが5Vに立ち上がると、初段のブートストラップ用容量充電トランジスタT11がONになり、ブートストラップ用容量C1が電源電圧VDDに向かって充電されていくが、ここでブートストラップ用容量充電トランジスタT11がエンハンスメント型のNMOSの場合には、トランジスタT11の閾値電圧Vt1の影響で、出力トランジスタT12のゲートが接続されたノードN11の電圧VN11は、電源電圧VDDである3VからトランジスタT11の閾値電圧Vt1分だけ低い電圧(3V−Vt1)となり、この状態で出力トランジスタT12がONする。
次に時刻T1にて、3Vの駆動パルスV1が出力トランジスタT12のドレインに入力すると、出力トランジスタT12のゲート(ノードN11)には、駆動パルスV1の電圧3Vとブートストラップ用容量C1の両端の電位差(3V−Vt)が加算された電圧HB1が印加され、ノードN12から振幅H1のパルスが出力されることになる。
また、同時にノードN11の電圧HB1が、2段目のブートストラップ用容量充電トランジスタT21のゲートに印加されて、トランジスタT21がONになり、ブートストラップ用容量C2がトランジスタT21の閾値電圧分の降下のない電源電圧VDDへと充電され、ブートストラップ用容量C2の充電電圧(ノードN21)が出力トランジスタT22の閾値電圧を超えると、2段目の出力トランジスタT22がONする。このとき同時にノードN21の電圧は、3段目のブートストラップ用容量充電トランジスタT31のゲートにも印加されるため、トランジスタT31がONになり、ブートストラップ用容量C3には、トランジスタT31の閾値電圧Vt3分だけ低い電圧(3V−Vt3)に充電される。この状態では、駆動パルスV1が論理「High」レベルである3Vの場合、初段の出力ノードN12に駆動パルスV1が出力されている時に、同時に3段目の出力ノードN32にも駆動パルスV1以下の振幅のパルスが出力されてしまう。そのためにブートストラップ用容量C3のプラス端子側を接地電位側に近づけて、3段目の出力トランジスタがT32がOFFするように、ブートストラップ用容量C3のプラス端子側と接地電位との間に、誤動作防止用トランジスタT35を接続している。すなわち、誤動作防止用トランジスタT35のドレインをブートストラップ用容量C3のプラス側に、ソースを接地電位に、ゲートを初段の出力ノードN12に接続し、初段の出力ノードN12に駆動パルスV1が出ているときに誤動作防止用トランジスタをONして、ノードN31を接地電位側に近づけて、3段目の出力ノードN32に駆動パルスV1が出ないようにしていた。同様に、後段のブートストラップ用容量C4のプラス端子側と接地電位との間にも、それぞれ、誤動作防止用トランジスタT45のドレインとソースを接続し、ゲートには2段前の出力ノードN22を接続することで、全段に渡って誤動作を防止するようにしていた。しかし、回路の低電圧駆動化や高速動作化の過程では、出力トランジスタT32等の出力トランジスタの閾値電圧を低く設定する必要があり、出力トランジスタT52のゲートに印加される電圧についても、接地電位に限りなく近い電圧に設定しなければならなくなってきている。
すなわち、時刻T1にて、3Vの駆動パルスV1が出力トランジスタT12のドレインに入力すると、出力トランジスタT12のゲート(ノードN11)には、駆動パルスV1の電圧3Vとブートストラップ用容量C1の両端の電位差(3V−Vt)が加算された電圧HB1が印加され、同時にノードN11の電圧HB1が、2段目のブートストラップ用容量充電トランジスタT21のゲートに印加されて、トランジスタT21がONになり、ブートストラップ用容量C2(ノードN21)がトランジスタT21の閾値電圧分の降下のない電源電圧VDDへと充電され、このとき同時にノードN21の電圧は、3段目のブートストラップ用容量充電トランジスタT31のゲートにも印加されて、トランジスタT31がONになり、ブートストラップ用容量C3(ノードN31)がトランジスタT31の閾値電圧Vt3分だけ低い電圧(3V−Vt3)に充電され、このとき同時にノードN31の電圧は、4段目のブートストラップ用容量充電トランジスタT41のゲートにも印加されて、トランジスタT41がONになり、ブートストラップ用容量C4(ノードN41)がトランジスタT41の閾値電圧Vt4分だけ低い電圧(3V−Vt3−Vt4)に充電され、このとき同時にノードN41の電圧は、5段目のブートストラップ用容量充電トランジスタT51のゲートにも印加されて、トランジスタT51がONになり、ブートストラップ用容量C5(ノードN51)がトランジスタT51の閾値電圧Vt5分だけ低い電圧(3V−Vt3−Vt4−Vt5)に充電される。
この状態では、駆動パルスV1が論理「High」レベルである3Vの場合、初段の出力ノードN12に駆動パルスV1が出力されている時に、同時に5段目の出力ノードN52にも駆動パルスV1以下の振幅のパルスが出力されてしまう可能性がある。そのためにブートストラップ用容量C5のプラス端子側を接地電位側に近づけて、5段目の出力トランジスタがT52がOFFするように、ブートストラップ用容量C5のプラス端子側と接地電位との間に、第4の誤動作防止用トランジスタT102を接続している。なお、第4の誤動作防止用トランジスタT102は、所望のパルス電圧を出力しているときに充電トランジスタT100がON状態になり、容量C100にVDD電圧付近の電圧が充電され、第4の誤動作防止用トランジスタT102もON状態となり、5段目の出力トランジスタがT52のソースは放電するように制御される。次々段(3段目)のパルス電圧が出力されることによって、放電トランジスタT101がON状態になり、容量C100は放電され、第4の誤動作防止用トランジスタT102はOFF状態になるように制御される。
本実施形態によれば、出力トランジスタの閾値電圧が低い場合でも誤動作を防止でき、閾値電圧の範囲を広くとることができる。
以上説明したような信号伝送回路は、固体撮像装置や液晶表示装置のシフトレジスタとして利用可能である。図5は、そのような固体撮像装置の一例を示した図である。
固体撮像装置は、光を集光するレンズ102と、集光された光を蓄積する画素群108と、画素群108に行ごとにアクセスするための垂直シフトレジスタ106および110と、画素群108から読み出された画素値のノイズ成分を除去するためのノイズ除去部114と、画素値を列ごとにアクセスし、1画素ごと画素値を出力するための水平シフトレジスタ116と、読み出された画素値を増幅するアンプ118と、読み出された画素値をA/D変換するA/D変換部120と、各画素から画素値の読み出しのためのタイミングを発生させるタイミング発生器112とを備えている。
このような固体撮像装置に本実施の形態に係る信号伝送回路を利用することにより、画素値の正確な読み出しを行なうことができる。なお、信号伝送回路は、液晶ディスプレイ装置等にも適用可能である。
以上、本発明に係る信号伝送回路について実施の形態に基づいて説明を行なったが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
例えば、第1、第2、第3の実施形態では、放電トランジスタおよび誤動作防止用トランジスタのそれぞれのソースは接地電位(0V)としているが、各ソース電圧については、第3の実施形態の前記第3の放電トランジスタのソースには、前記第4の誤動作防止用トランジスタの閾値電圧よりも低い電圧を供給しても同様の効果が得られる。
また、第1、第2、第3の実施形態の前記第1の誤動作防止用トランジスタと第1の放電トランジスタのソースには、前記出力トランジスタの閾値電圧よりも低い電圧が供給されていても同様の効果が得られる。
本発明に係る信号伝送回路は、低消費電力や高速処理が必要なMOS型固体撮像装置や液晶ディスプレイ装置等に適用できる。
本発明の第1の実施形態に係る誤動作防止回路付信号伝送回路の回路図である。 本発明の第2の実施形態に係る誤動作防止回路付信号伝送回路の回路図である。 本発明の第3の実施形態に係る誤動作防止回路付信号伝送回路の回路図である。 本発明の第3の実施形態に係る動作タイミング図である。 本発明の実施形態に係る誤動作防止回路付信号伝送回路を利用した固体撮像装置のブロック図である。 従来の信号伝送回路の回路図である。 従来の誤動作防止回路付信号伝送回路の回路図である。 従来の誤動作防止回路付信号伝送回路の動作タイミング図である。
符号の説明
C1、C2、C3、C4、C5 ブートストラップ用容量
OUT1、OUT2、OUT3、OUT4、OUT5 出力パルス(走査パルス)
T11、T21、T31、T41、T51 ブートストラップ用容量充電トランジスタ(充電トランジスタ)
T12、T22、T32、T42、T52 出力トランジスタ
T13、T23、T33、T43、T53 第1の放電トランジスタ
T14、T24、T34、T44、T54 弟2の放電トランジスタ
T35、T45、T55 第1の誤動作防止用トランジスタ
T36、T46、T56 第2の誤動作防止用トランジスタ
T17、T27、T37、T47、T57 第3の誤動作防止用トランジスタ
T100、T200、T300 電圧保持用容量充電トランジスタ
T101、T201、T301 第3の放電トランジスタ
T102、T202、T302 第4の誤動作防止用トランジスタ
C100、C200、C300 電圧保持用容量
Vt1、Vt2、Vt3、Vt4、Vt5 ブートストラップ用容量充電トランジスタの閾値電圧
V1、V2 駆動パルス
VDD 電源電圧
VST スタートパルス

Claims (9)

  1. 複数段の回路で構成され、各段の回路から駆動パルスに従ったパルス電圧が順次出力される信号伝送回路であって、
    前記各段の回路は、
    前記駆動パルスを前記パルス電圧としてソースに出力する出力トランジスタと、
    前記出力トランジスタのゲートとソースとの間に接続されたブートストラップ用容量と、
    前記ブートストラップ用容量を充電するために、ドレインが電源または接地線に接続され、ソースが前記出力トランジスタのゲートに接続され、初段の場合はゲートにスタートパルスが供給され、2段目以降の場合はゲートが前段の出力トランジスタのゲートに接続された第1の充電トランジスタと、
    ドレインが前記ブートストラップ用容量の一端に接続され、ゲートが次段の出力トランジスタのソースに接続された第1の放電トランジスタと、
    ドレインが前記ブートストラップ用容量の他端に接続され、ゲートが次段の出力トランジスタのソースに接続された第2の放電トランジスタと、
    ドレインが前記出力トランジスタのゲートに接続され、ゲートが2段前の出力トランジスタのソースに接続された第1の誤動作防止用トランジスタと、
    ドレインが前記出力トランジスタのソースに接続され、ゲートが2段前の出力トランジスタのソースに接続された第2の誤動作防止用トランジスタとを備える
    ことを特徴とする信号伝送回路。
  2. 前記各段の回路は、さらに、
    ドレインが前記出力トランジスタのソースに接続され、ゲートが2段後の出力トランジスタのソースに接続された第3の誤動作防止用トランジスタをさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号伝送回路。
  3. 前記各段の回路は、さらに、
    充電用容量と、
    着目している前記出力トランジスタから順次出力されるパルス電圧がゲートに印加され、ドレインに電源線が接続され、ソースが充電用容量のプラス側に接続された第2の充電トランジスタと、
    着目している前記出力トランジスタから2段後のパルス電圧がゲートに印加され、ドレインが充電用容量のプラス側に接続された第3の放電トランジスタと、
    ドレインが着目している前記出力トランジスタから4段後の前記出力トランジスタのゲートに接続され、ゲートが前記充電用容量のプラス側に接続された第4の誤動作防止用トランジスタとを備える
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の信号伝送回路。
  4. 前記トランジスタは全てNMOSトランジスタであり、前記第1から第3の放電トランジスタのソースには、接地電位が供給されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に信号伝送回路。
  5. 前記トランジスタは全てNMOSトランジスタであり、前記第3の放電トランジスタのソースには、前記第4の誤動作防止用トランジスタの閾値電圧よりも低い電圧が供給されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の信号伝送回路。
  6. 前記トランジスタは全てNMOSトランジスタであり、前記第1の誤動作防止用トランジスタのソースには、接地電位が供給されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の信号伝送回路。
  7. 前記トランジスタは全てNMOSトランジスタであり、前記第1の誤動作防止用トランジスタと前記第1の放電トランジスタのソースには、前記出力トランジスタの閾値電圧よりも低い電圧が供給されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の信号伝送回路。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の信号伝送回路を搭載した固体撮像装置。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の信号伝送回路を搭載した液晶表示装置。
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