JP2005077937A - 前絞りのレンズ系 - Google Patents
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Abstract
【課題】 歪曲収差を実用上問題ないレベルにまで補正することができ、従来に比して画角を広くすることが可能な構成の前絞りのレンズ系を提供する。
【解決手段】 物体側から像側へ向かって順に、開口絞りAP、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、負の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3を有し、以下の条件式(1)〜(5)を満足するようにする。但し、Y′は最大像高、fはレンズ全系の焦点距離、f1は前記第1レンズ群の焦点距離、f2は前記第2レンズ群の焦点距離、f3は前記第3レンズ群の焦点距離である。
(1)0.6<Y′/f<0.85
(2)1.3<|f1/f2|<1.7
(3)1.6<|f3/f2|<1.9
(4)0.5<f1/f<0.6
(5)0.6<f3/f<0.8
【選択図】 図1
【解決手段】 物体側から像側へ向かって順に、開口絞りAP、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、負の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3を有し、以下の条件式(1)〜(5)を満足するようにする。但し、Y′は最大像高、fはレンズ全系の焦点距離、f1は前記第1レンズ群の焦点距離、f2は前記第2レンズ群の焦点距離、f3は前記第3レンズ群の焦点距離である。
(1)0.6<Y′/f<0.85
(2)1.3<|f1/f2|<1.7
(3)1.6<|f3/f2|<1.9
(4)0.5<f1/f<0.6
(5)0.6<f3/f<0.8
【選択図】 図1
Description
本発明は、レンズ系の最前方位置に開口絞りを設けて構成される前絞りのレンズ系に関し、更に詳しくは、検査装置などに用いられるコリメートレンズや固体撮像素子を用いた撮像レンズ等に採用される、画角の広い前絞りのレンズ系に関する。
撮影レンズなどのレンズ系に使用される開口絞りは一般にレンズ系全体の中心付近に位置しているが、これは、開口絞りをこのような配置にすることにより絞り前後のパワーバランスを容易に整えることができ、諸収差(像面湾曲や歪曲収差等)の補正も行い易いからである。また、このような配置とすることにより、レンズ系全体の径を小型化することもできるという利点もある。しかし、このようなレンズ系を他の光学系(例えば被検査レンズ)と組み合わせた場合(特に画角の広いレンズと組み合わせた場合)には、レンズ系と光学系との瞳のマッチングがとりにくいために視野の周辺にケラレを生じてしまうことがあり、このような不都合を避けるために、組み合わせる光学系の瞳の位置を入射瞳の位置に近づけることができる前絞りのレンズ系が採用される場合がある。
このような前絞りのレンズ系は、レーザープリンタなどの光走査系に組み込まれるほか、顕微鏡や双眼鏡の接眼レンズ等として用いられている。しかし、光走査系では単色光線用又は波長領域の狭い範囲でfθレンズ(等距離射影)等として使用されるものがほとんどであり、接眼レンズとして用いられるものは、このレンズ系が人間の目で観察するものとして用いられることから視野の中心付近の結像性能が優先されることとなり、周辺像に関する平坦性の確保は妥協を余儀なくされて像面周辺の湾曲や歪曲収差が大きくなるという特性を有するものであった。特に接眼レンズとして用いられるものでは、アイポイントはレンズからより遠くへ離れていた方(ロングアイポイント)が観察し易く、この条件を実現するための特性が優先される傾向にある。このような前絞りのレンズ系についての従来技術としては、広視野の接眼レンズに関するもの(特許文献1参照)、結像レンズとして或る程度の画角を確保したもの(特許文献2及び特許文献3参照)、歪曲収差を補正したもの(特許文献4及び特許文献5参照)等が開示されている。
特開平9−297271号公報
特開平5−40220号公報
特開平11−84234号公報
特開平7−181380号公報
特開平11−337819号公報
しかしながら、上記従来における前絞りのレンズ系においては画角が比較的狭いうえ、歪曲収差の補正が不足する傾向にあった。例えば、上記特開平9−297271号公報に開示されたレンズは観察用の接眼レンズであるため、これを前絞りの結像レンズとして使用すると樽型の歪曲収差が大きくなるものであった。特開平5−40220号公報に開示されたレンズは構成枚数が少なく歪曲収差も少ないが、画角が50度程度と少ないものであった。特開平11−84234号公報に開示されたレンズもやはり画角が狭く、歪曲収差の補正も充分でなかった。また、特開平7−181380号公報に開示されたレンズでは、歪曲収差の補正を優先するため画角が20度程度と狭くなっていた。また、特開平11−337819号公報に開示されたレンズでは、広い画角を必要とする光学系に適用できるものではなかった。一般に歪曲収差は画角に比例して増大するものであり、光学系を暗い状態(開口絞りを絞った状態)としても残存する収差である。また、これは色収差についても同様である。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、開口絞りを最前方位置に配置した前絞りタイプでありながら、歪曲収差を実用上問題ないレベルにまで補正することができ、従来に比して画角を広く(65°以上)することが可能な構成の前絞りのレンズ系を提供することを目的としている。
このような目的を達成するため、請求項1に係る発明の前絞りのレンズ系は、物体側から像側へ向かって順に、開口絞り、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群を有し、以下の条件を満足することを特徴とする。但し、Y′は最大像高、fはレンズ全系の焦点距離、f1は前記第1レンズ群の焦点距離、f2は前記第2レンズ群の焦点距離、f3は前記第3レンズ群の焦点距離である。
(1) 0.6<Y′/f<0.85
(2) 1.3<|f1/f2|<1.7
(3) 1.6<|f3/f2|<1.9
(4) 0.5<f1/f<0.6
(5) 0.6<f3/f<0.8
(1) 0.6<Y′/f<0.85
(2) 1.3<|f1/f2|<1.7
(3) 1.6<|f3/f2|<1.9
(4) 0.5<f1/f<0.6
(5) 0.6<f3/f<0.8
請求項2に係る発明の前絞りのレンズ系は、請求項1に記載の前絞りのレンズ系において、前記第1レンズ群の最も物体側に位置する面は前記開口絞り側に凹面を向けており、前記第1レンズ群の最も物体側に位置するレンズは正の屈折力を有しており、以下の条件を満足することを特徴とする。但し、q=(r12+r11)/(r12−r11)であり、r11は前記第1レンズ群の最も物体側に位置するレンズにおける物体側の面の曲率半径、r12は前記第1レンズ群の物体側に位置するレンズにおける像側の面の曲率半径である。
(6) −10<q<0
(6) −10<q<0
請求項3に係る発明の前絞りのレンズ系は、請求項1又は2に記載の前絞りのレンズ系において、前記第2レンズ群は複数の両凹レンズを有してなり、以下の条件を満足することを特徴とする。但し、f21は前記複数の両凹レンズのうち最も物体側に位置するレンズの焦点距離、f22は前記複数の両凹レンズのうち最も像側に位置するレンズの焦点距離である。
(7) 0.3<|f2/f|<0.5
(8) 0.3<f21/f22<0.5
(7) 0.3<|f2/f|<0.5
(8) 0.3<f21/f22<0.5
請求項4に係る発明の前絞りのレンズ系は、請求項1〜3のいずれかに記載の前絞りのレンズ系において、前記第3レンズ群は前記開口絞り側に凹面を向けたメニスカスレンズ及び両凸レンズからなり、以下の条件を満足することを特徴とする。但し、f31は前記メニスカスレンズの焦点距離、f32は前記両凸レンズの焦点距離である。
(9) 0.8<f31/f32<1.2
(9) 0.8<f31/f32<1.2
本発明の前絞りのレンズ系では、レンズ系の物体側に他の光学系を取り付けた場合でも、周辺光束のケラレが少なく広い画角を有し、歪曲収差が良好に補正された前絞りのレンズ系を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1、図3、図5及び図7はそれぞれ本発明の第1〜第4の実施形態に対応する前絞りのレンズ系FLのレンズ構成図を示しており、いずれの実施形態においても、物体側から像側へ向かって順に、開口絞りAP、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、負の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3を有している。そして、これら前絞りのレンズ系FLは、いずれも下の条件式(1)〜(5)を満足する構成となっている。
ここで、上記式においてY′は最大像高、fはレンズ全系の焦点距離であり、f1は第1レンズ群G1の焦点距離、f2は第2レンズ群G2の焦点距離、f3は第3レンズ群G3の焦点距離である。本実施形態に係る前絞りのレンズ系FLでは、最前方位置(最も物体の側の位置)に開口絞りAPが配置されており、入射瞳位置が本レンズ系FLの外に位置するように構成されている。このため、レンズ系FLの物体側に他の光学系(例えば被検査レンズ)を取り付けた場合、その取り付けた光学系の入射瞳が自身の光学系の内部に位置していても、その光学系における周辺光束のケラレを少なくすることができ、広い画角の光学系にも対応することが可能である。
また、本前絞りのレンズ系では、物体側から順に正、負、正の屈折力構成を採ることにより諸収差を補正するようにしている。すなわち上記条件式(1)は、前絞りレンズ系FLが良好な結像性能と像面の平坦性、及び広い画角を有するための要件である。Y′/fの値が式(1)の上限値を上回ると前絞り光学系として歪曲収差などを補正することが困難となり、良好な結像性能を維持することができなくなってしまう。逆に、Y′/fの値が式(1)の下限値を下回ると60°以下の一般的なレンズ系の画角となり、65°以上の広い画角を有するレンズ系とは言い難くなってしまう。
上記条件式(2)は、正の屈折力を有する第1レンズ群G1の焦点距離と負の屈折力を有する第2レンズ群G2の焦点距離との最適なバランスを規定した式である。|f1/f2|の値が式(2)の上限値を上回ると非点収差が正側に過剰となり、広い画角を有することが困難になってしまう。逆に、|f1/f2|の値が式(2)の下限値を下回ると非点収差が負側に過剰となり、同じく広い画角を有することが困難になってしまう。
上記条件式(3)は、正の屈折力を有する第3レンズ群G3の焦点距離と負の屈折力を有する第2レンズ群G2の焦点距離との最適なバランスを規定した式である。|f3/f2|の値が式(3)の上限値を上回ると非点収差が正側に過剰となり、広い画角を有することが困難になってしまう。逆に、|f3/f2|の値が式(3)の下限値を下回ると非点収差が負側に過剰となり、同様に広い画角を有することが困難になってしまう。
上記条件式(4)は、正の屈折力を有する第1レンズ群G1の焦点距離の、レンズ全系の焦点距離に占める割合を規定した式である。f1/fの値が式(4)の上限値を上回ると第1レンズ群G1の屈折力が弱く、レンズ全系で考えると、この負担が第3レンズ群G3にかかり、第3レンズ群G3の屈折力が強くなり過ぎてしまう。その結果、負の歪曲収差が大きくなるなどして不都合が生じてしまう。逆に、f1/fの値が式(4)の下限値を下回ると、第1レンズ群G1の正の屈折力が強くなり過ぎて高次の球面収差の発生や内方性コマ収差の補正が困難になってしまう。また、相対的に第3レンズ群G3の屈折力が弱くなるために、軸外収差が補正不足となってしまう。
上記条件式(5)は、正の屈折力を有する第3レンズ群G3の焦点距離の、レンズ全系の焦点距離に占める割合を規定した式である。f3/fの値が式(5)の上限値を上回ると第3レンズ群G3の屈折力が弱くなり、大きな有効径が必要となってしまう。また、この負担が第1レンズ群G1にかかり、第1レンズ群G1の屈折力が強くなり過ぎて高次の球面収差の発生や内方性コマ収差の補正が困難になってしまう。逆に、f3/fの値が式(5)の下限値を下回ると、第3レンズ群G3の正の屈折力が強くなり過ぎてしまうため、これに比例して第1レンズ群G1の屈折力を弱くする必要が生じるが、このようにすると、今度は負の歪曲収差が大きくなってしまう不都合が生ずる。
このように、本実施形態に係る前絞りのレンズ系FLでは、前述のように開口絞りAPを最前方位置(最も物体の側の位置)に配置することにより物体側に他の光学系を取り付けた場合にその周辺光束のケラレを少なくすることができるが、更に、上記条件式(1)を満たすことにより良好な結像性能と像面の平坦性、及び広い画角を得ることができ、また更に、上記条件式(2),(3),(4),(5)を満たすことにより、レンズ全系及び各レンズ群間の焦点距離間における最適なバランスが得られて歪曲収差が良好に補正されるようになっている。また、このレンズ系FL自身が広い画角を有するため、画角の広い無限遠系レンズと組み合わせて使用した場合にも、そのレンズの広画角性能が損なわれることはない。
また、本前絞りのレンズ系FLにおいては、正の屈折力を有する第1レンズ群G1の最も物体側に位置する面は開口絞りAP側に凹面を向けるとともに、第1レンズ群G1の最も物体側に位置するレンズL1は正の屈折力を有し(ここではレンズL1は凹面を物体側に向けた凸メニスカスレンズとする)、かつ、下の条件式(6)を満足することが好ましい。
ここで、上記式(6)において、qはq=(r12+r11)/(r12−r11)を満たす値であり、r11は第1レンズ群の最も物体側に位置するレンズL1における物体側の面の曲率半径、r12は第1レンズ群の最も物体側に位置するレンズL1における像側の面の曲率半径である。第1レンズ群G1の最も物体側に位置する面(上記レンズL1の物体側の面)は開口絞りAP側に凹面を向けていることが好ましく、このときのレンズL1の最適なレンズ形状を規定したのが上記式(6)である。qの値が式(6)の上限値を上回ると、開口絞りAP側から発する軸外光線に対して逆らって入射する凸面を向けることになるので好ましくない。逆に、qの値が式(6)の下限値を下回るとレンズL1の曲率半径がきつくなり、光量の確保や製造上の理由等から好ましくない。
また、本前絞りのレンズ系においては、負の屈折力を有する第2レンズ群G2は複数の(少なくとも2枚の)両凹レンズを有し、かつ、下の条件式を満足することが好ましい。
ここで、上記式(8)においてf21は第2レンズ群G2を構成する複数の両凹レンズのうち最も物体側に位置するレンズ(各実施形態ではレンズL3)の焦点距離であり、f22はこれら複数の両凹レンズのうち最も像側に位置するレンズ(各実施形態ではレンズL4)の焦点距離である。
上記条件式(7)は広い画角を有しつつペッツバール和を良好な範囲に抑えるための要件である。|f2/f|の値が上記式(7)の上限値を上回るとペッツバール和を十分に補正できず、画面周辺部の結像性能が劣化してしまうので好ましくない。逆に、|f2/f|の値が式(7)の下限値を下回ると正側へ大きく像面湾曲が発生し、第2レンズ群G2の偏芯感度が大きくなってしまうのでやはり好ましくない。
上記条件式(8)は第2レンズ群G2を構成する複数の両凹レンズに対する最適な屈折力配置を規定したものである。f21/f22の値が上記式(8)の上限値を上回ると歪曲収差の補正や非点収差の補正が困難になってしまう。逆に、f21/f22の値が式(8)の下限値を下回ると最も像側に位置する両凹レンズ(各実施形態ではレンズL4)の屈折力が不足し、広い画角に耐えられなくなって(広い画角をカバーできなくなって)しまうので好ましくない。
更に本前絞りのレンズ系においては、正の屈折力を有する第3レンズ群G3が開口絞りAP側に凹面を向けたメニスカスレンズ(各実施形態ではレンズL5)及び両凸レンズ(各実施形態ではレンズL6)からなり、かつ、下の条件式を満足していることが好ましい。
ここで、上記式(9)においてf31はメニスカスレンズの焦点距離であり、f32は両凸レンズの焦点距離である。上記条件式(9)は第3レンズ群G3を構成するレンズ全体の最適な屈折力配置を規定する式である。f31/f32の値が上記式(9)の上限値を上回ると広い画角に耐えられず負側へ非点収差や歪曲収差が過大となり、像面全域に亘って補正が困難になってしまう。逆に、f31/32の値が式(9)の下限値を下回るとやはり広い画角に耐えられず正側へ非点収差や歪曲収差が大きく過剰になり、像面全域に亘って補正が困難となってしまう。
本発明に係る前絞りのレンズ系についての説明は以上であるが、本発明の範囲は上述の実施形態に示したものに限定されない。例えば、上述の実施形態では、第1レンズ群G1の最も物体側に位置するレンズ(レンズL1)は凹面を物体側に向けた凸メニスカスレンズとしていたが、この最も物体側に位置するレンズは必ずしも凸メニスカスレンズでなくてもよく、正の屈折力を有していれば他のレンズであってもよい。また、上述の実施形態では、第2レンズ群G2は2枚の両凹レンズ(レンズL3,L4)からなっていたが、上述のように、この第2レンズ群G2は少なくとも2枚の両凹レンズを有して構成されていればよい。
以下、本発明に係る前絞りのレンズ系の具体的な実施例について説明する。下に示す4つの実施例は、上述した第1〜第4実施形態に係る前絞りのレンズ系それぞれに対応しており、したがって、第1〜第4実施形態についてのレンズ構成図(図1、図3、図5及び図7)はそれぞれ、第1〜第4実施例のレンズ構成を示している。また、これら図(図1、図3、図5及び図7)中には像面Zも示している。
第1〜第4各実施例において、基準光線はd線(587.56nm)とした。また、各実施例の表においてrは構成レンズの各面の曲率半径を、Dは各レンズ面の頂点間隔を、νdは各ガラスのアッベ数を、ndは各ガラスのd線での屈折率を、ngは各ガラスのg線(435.83nm)での屈折率を、Fは焦点距離を、Fno.はFナンバーを、2ωは画角を、Bfはバックフォーカスをそれぞれ表す。また、収差図(図2、図4、図5、図8)内のdはd線、gはg線での各収差(球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差及び倍率色収差)を表し、非点収差図内の点線はメリジオナル像面、実線はサジタル像面をそれぞれ表す。
また、諸元表の焦点距離、曲率半径、面間隔その他の長さの単位は一般に「mm」が用いられるが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるのでこれに限られるものではない。
本発明における第1実施例の具体的な数値を下の表1に、レンズ構成図を図1に、諸収差図を図2に示す。
図1及び表1に示すように、本第1実施例に係る前絞りのレンズ系は、物体側から順に開口絞りAP、物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズL1と両凸レンズL2からなり正の屈折力を有する第1レンズ群G1、2枚の両凹レンズL3,L4からなり負の屈折力を有する第2レンズ群G2、物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズL5と両凸レンズL6とからなり正の屈折力を有する第3レンズ群G3から構成されている。本実施例に係る前絞りのレンズ系は前述の条件式(1)〜(9)を全て満たしており、図2の諸収差図に示すように、画角が広く、歪曲収差の少ない性能を有したものとなっていることが分かる。なお、本実施例に係る前絞りのレンズ系(後述の第2、第3及び第4実施例に係る前絞りのレンズ系についても同様)では、合焦に際しては、レンズ全系の一部若しくは全系を光軸上で移動させることにより行う。
次に、本発明における第2実施例の具体的な数値を下の表2に、レンズ構成図を図3に、諸収差図を図4に示す。
図3及び表2に示すように、本第2実施例に係る前絞りのレンズ系は、物体側から順に開口絞りAP、物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズL1と両凸レンズL2からなり正の屈折力を有する第1レンズ群G1、2枚の両凹レンズL3,L4からなり負の屈折力を有する第2レンズ群G2、物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズL5と両凸レンズL6とからなり正の屈折力を有する第3レンズ群G3から構成されている。本実施例に係る前絞りのレンズ系は前述の条件式(1)〜(9)を全て満たしており、図4の諸収差図に示すように、画角が広く、歪曲収差の少ない性能を有したものとなっていることが分かる。
次に、本発明における第3実施例の具体的な数値を下の表3に、レンズ構成図を図5に、諸収差図を図6に示す。
図5及び表3に示すように、本第3実施例に係る前絞りのレンズ系は、物体側から順に開口絞りAP、物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズL1と両凸レンズL2からなり正の屈折力を有する第1レンズ群G1、2枚の両凹レンズL3,L4からなり負の屈折力を有する第2レンズ群G2、物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズL5と両凸レンズL6とからなり正の屈折力を有する第3レンズ群G3から構成されている。本実施例に係る前絞りのレンズ系は前述の条件式(1)〜(9)を全て満たしており、図6の諸収差図に示すように、画角が広く、歪曲収差の少ない性能を有したものとなっていることが分かる。
続いて、本発明における第4実施例の具体的な数値を下の表4に、レンズ構成図を図7に、諸収差図を図8に示す。
図7及び表4に示すように、本第4実施例に係る前絞りのレンズ系は、物体側から順に開口絞りAP、物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズL1と両凸レンズL2からなり正の屈折力を有する第1レンズ群G1、2枚の両凹レンズL3,L4からなり負の屈折力を有する第2レンズ群G2、物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズL5と両凸レンズL6とからなり正の屈折力を有する第3レンズ群G3から構成されている。本実施例に係る前絞りのレンズ系は前述の条件式(1)〜(9)を全て満たしており、図8の諸収差図に示すように、画角が広く、歪曲収差の少ない性能を有したものとなっていることが分かる。
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
AP 開口絞り
Z 像面
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
AP 開口絞り
Z 像面
Claims (4)
- 物体側から像側へ向かって順に、開口絞り、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群を有し、以下の条件を満足することを特徴とする前絞りのレンズ系。
0.6<Y′/f<0.85
1.3<|f1/f2|<1.7
1.6<|f3/f2|<1.9
0.5<f1/f<0.6
0.6<f3/f<0.8
但し、Y′は最大像高、fはレンズ全系の焦点距離、f1は前記第1レンズ群の焦点距離、f2は前記第2レンズ群の焦点距離、f3は前記第3レンズ群の焦点距離である。 - 前記第1レンズ群の最も物体側に位置する面は前記開口絞り側に凹面を向けており、前記第1レンズ群の最も物体側に位置するレンズは正の屈折力を有しており、以下の条件を満足することを特徴とする請求項1記載の前絞りのレンズ系。
−10<q<0
但し、q=(r12+r11)/(r12−r11)であり、r11は前記第1レンズ群の最も物体側に位置するレンズにおける物体側の面の曲率半径、r12は前記第1レンズ群の最も物体側に位置するレンズにおける像側の面の曲率半径である。 - 前記第2レンズ群は複数の両凹レンズを有してなり、以下の条件を満足することを特徴とする請求項1又は2記載の前絞りのレンズ系。
0.3<|f2/f|<0.5
0.3<f21/f22<0.5
但し、f21は前記複数の両凹レンズのうち最も物体側に位置するレンズの焦点距離、f22は前記複数の両凹レンズのうち最も像側に位置するレンズの焦点距離である。 - 前記第3レンズ群は前記開口絞り側に凹面を向けたメニスカスレンズ及び両凸レンズからなり、以下の条件を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の前絞りのレンズ系。
0.8<f31/f32<1.2
但し、f31は前記メニスカスレンズの焦点距離、f32は前記両凸レンズの焦点距離である。
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Cited By (1)
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JP2008089949A (ja) * | 2006-10-02 | 2008-04-17 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 撮影レンズ |
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2003
- 2003-09-02 JP JP2003310385A patent/JP2005077937A/ja active Pending
Cited By (1)
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