JP2005077043A - 容器 - Google Patents

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俊輔 宮本
Kanichi Kadotani
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Abstract

【課題】 保温効果及び/又は加熱効果あるいは冷却効果の高い容器を提供する。
【解決手段】 熱伝導性の高い材質で形成した内ケース3と内部を真空層21とした中空構造を有する外ケース2間に薄膜で形成したリブ10を介在させて、内ケース3と外ケース2間に断熱手段を構成する。基台4に取り付けた熱電素子5の上面と内ケース3の底面とをグリース等を介在させて密着した状態に取り付ける。基台4内には放熱手段や電源装置、制御装置等が設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体などや液体等を収容したボトルなどに対して保温、加熱及び/又は冷却の少なくともいずれかを行う容器に関する。
従来から、例えば、水、コーヒー、ジュース、お茶等の液体やこれらの液体を収容したペットボトルや缶あるいはワインボトル等の飲料用ボトルなどを収容して保温したり、加熱、冷却したりする容器が各種提案されている。
従来から用いられている容器としては、加熱、冷却手段として熱電素子を用いた温冷ポット装置(例えば、特許文献1参照。)や液体が入った容器を収容する容器受を交換することのできる保温装置(例えば、特許文献2参照。)などがある。
図10に示すように特許文献1に記載された温冷ポット装置は、基台30と基台30上に載置自在なポット31とから構成されている。ポット31の内周には断熱材32が設けられており、基台30に内装した熱電素子33上には熱伝導性の良いアルミニウム等で形成した伝導体34が付設されている。ポット31の底部35を伝導体34上に載置し、熱電素子33に電気を通して熱電素子33の伝導体34側を冷却することで、ポット31内の液体を冷却することができる。
熱電素子について簡単に説明すると、従来から公知のように熱電素子としては、隣り合うP型熱電素子とN型熱伝素子の端部同士を金属電極を介して直列に接続することにより構成されている。熱電素子に通した電気の流れる方向によって、熱電素子が冷却源又は加熱源として使用することができるものである。
図11に示すように特許文献2に記載された保温装置は、保冷又は保温部40を、通電により吸熱又は放熱を行う吸熱部41及び放熱部42を備えたペルチェモジュール(熱電素子)43と、上面を開放したほぼ円筒形状で底部においてペルチェモジュール43の吸熱部41又は放熱部42と熱結合する円筒容器受44とで構成している。円筒容器受44の側面全体を断熱材45で被覆し、保冷又は保温部40に着脱自在に装着してある。
上端を開口したケース46に保冷又は保温部40を収納し、同ケース46の開口の内周縁にネジ47を設け、同ネジ47に螺合し下端部で前記保冷又は保温部40に装着した円筒容器受44の上端を、下方向に強く押さえる押えリング48が設けられている。そして、容器に入った飲料49を保温装置50に収納することができる。
特開昭62−73065号公報 特開2002−31456号公報
特許文献1に記載された温冷ポット装置では、ポット31の内面側と外面側とがそれぞれ上端部及び下端部において接続されており、上端部及び下端部においてポット31の内面側と外面側とがそれぞれ熱的に接続された構成となっている。
このため、ポット31の底板35を伝導体34上に載置して、熱電素子33からの吸熱作用を受けた場合には、即ち、例えば、伝導体34が冷却体として作用した場合には、同伝導体34に吸熱されるポット31からの熱は、ポット31の内面側から吸熱された熱と外面側から吸熱された熱となる。そして、それぞれの熱が底板35から伝導体34に熱伝達されることになる。これによって、ポット31の内面側と外面側とが同時に冷却されることになる。
また、熱電素子33に流す電流の向きを逆にすることで伝導体34を加熱体として作用させることもできるが、この場合には、同伝導体34から熱伝達された熱は底板35を加熱し、ポット31の内面側と外面側とに熱伝達されることになる。これによって、ポット31の内面側と外面側とを同時に加熱することになる。
即ち、ポット31の外面側を冷却したり、加熱した熱は、ポット31内の液体を冷却したり、加熱したりする熱には使用されずに無駄な熱として消費されてしまうという問題があった。
更に、ポット31の内面側と外面側との間には、断熱材32が設けられ、上下端部においては内面側と外面側とが接続された構成となっているため、断熱材32や上下端部における接続部を通って内側面から外側面あるいは外側面から内側面への熱の伝達が行われて保温効果が不十分という問題があった。
このため、熱電素子33によるポット31の冷却又は加熱する効率が悪くなるという問題があった。
特許文献2に記載された保温装置では、円筒容器受44がペルチェモジュール43に対して着脱自在な構成となっている。このため、円筒容器受44とペルチェモジュール43間における密着性を十分に確保することができず、円筒容器受44とペルチェモジュール43間に空気層が介在したりしてペルチェモジュール43からの熱伝達性を低下させていた。また、円筒容器受44とケース46との間には、断熱材45や空気層が介在しているが、ペルチェモジュール43の放熱部42に設けたフィン51と空気層とが繋がっているため、空気層の有する断熱効果を奏することのできない構成となっている。
このため、ペルチェモジュール43により冷却された円筒容器受2は、放熱部42のフィン51から放熱された熱が断熱材45を介して熱伝導されてしまうとともに、ケース46からの熱がネジ47や押えリング48を介して、円筒容器受44に熱伝達されてしまうという問題があった。
このため、ペルチェモジュール43による円筒容器受2の冷却効率が悪くなるという問題があった。
本発明は、前述の問題を解決するためになされたものであって、保温効果及び/又は加熱効果あるいは冷却効果の高い容器を提供することにある。
本願発明の課題は請求項1、2に記載された各発明により達成することができる。
即ち、本願発明では請求項1に記載したように、保温、加熱及び/又は冷却の少なくともいずれかを行う容器において、同容器が、外ケースと、同外ケース内に設けられる底部を有する内ケースとを備え、前記外ケースが、内部を真空層とした中空構造を有し、前記内ケースと外ケースとが断熱手段を介して離間されてなることを特徴とする容器を最も主要な特徴となしている。
また、本願発明では請求項2に記載したように、前記内ケースに熱電素子を取り付けたことを主要な特徴となしている。
本願発明では、内部を真空層とした中空構造に構成した外ケース内に、断熱手段を介在させて離間した内ケースを配しており、内ケースの断熱効果を飛躍的に高めることができるようになる。特に、真空層は、断熱効果の高い状態であるので、断熱効果の高い真空層を外ケースに構成することができ、しかも、外ケースと内ケースとは熱的接続が少ない構成とすることができるので、保温、加熱及び/又は冷却の少なくともいずれかを行う容器として、本願発明ではその機能を満遍なく引き出すことができるようになる。
内ケースとしては、熱伝導性の良いアルミニウム等を用いて形成することができる。また、外ケースとしては、熱伝導性が悪く肉厚の薄い板材で内部を真空層とした中空構造に構成できるステンレス等を用いて形成することができる。
本願発明の容器を保温用のみの容器として使用する場合には、外ケースの構成としては底部を有する構成として、外ケースと内ケース間に断熱手段を介在させることもできる。また、本願発明の容器を加熱及び/又は冷却も行うことのできる容器として使用する場合には、外ケースを筒状体等に構成して、前記加熱及び/又は冷却を行う手段を内ケースに取り付けることもできる。
断熱手段としては、外ケースと内ケース間に公知の断熱材を充填した構成、外ケースと内ケース間を所望の間隔に離間させた状態に維持する所望の部位に公知の断熱材を設け、断熱材が介在していない外ケースと内ケース間には空気層を配した構成、外ケースと内ケース間を所望の間隔で離間させた状態に維持する部位にリブ等を配し、同リブが介在していない外ケースと内ケース間には空気層を配した構成、あるいはこれらの構成を組合せて断熱手段を構成することができる。
断熱材としては、スポンジ、発泡ウレタンなどの多孔質体、発泡体等公知の断熱材を使用することができる。また、リブ等としては、膜のような薄い部材で形成し、材質としては樹脂、ゴム等の熱伝導性の低い材質を用いることが望ましい。リブとして薄膜を用いた場合には、内ケースと外ケース間の空気層がリブによって複数の区間に区切ることができ、各区間内での空気の対流を抑えることができ、空気層の断熱効果をより高めることができるようになる。
本願発明の内ケースを加熱及び/又は冷却する手段を収納する基台等に断熱材を介して外ケースを取り付ける構成とすることもできる。
外ケースの支持構成としては、内ケースで支持される構成とすることも、上述の基台等により支持される構成とすることも、外ケースの上端部に蓋を取り付け、内ケースに収納したボトル等におけるキャップ等により前記蓋を支持する構成とすることなど所望の構成を採用することができる。蓋としては、内部を真空層とした中空構造とすることが望ましく、内部を真空層とした中空構造を有した蓋の内面側に断熱材を更に取り付けた構成とすることもできる。蓋は断熱材を介して外ケースに取り付けることが容器の断熱効果を高める上からも望ましい。
その際、外ケースと内ケースとの間には、断熱効果の高い断熱材や、断熱効果が断熱材よりも高い空気層を多く介在させることが望ましい。また、外ケースの上端部に蓋を取り付ける場合には、蓋と内ケーストが熱的に接続する部分を少なくすることが望ましい。
請求項2に記載した発明のように、内ケースを加熱及び/又は冷却する手段として熱電素子を用いることで、内ケースを加熱及び冷却する熱源を小型化することが可能となり、しかも容器を携帯して持ち運ぶことが可能となる。内ケースを加熱及び/又は冷却する手段として熱電素子を用いる代わりに、ヒータ、ヒートパイプ等の加熱や冷却を行うことのできる手段を用いることもできる。
内ケースには、例えば、水、コーヒー、ジュース、お茶等の液体を直接注入することも、これらの液体を収容したペットボトルや缶あるいはワインボトル等の飲料用ボトルなどを収容することができる。内ケースにペットボトルや缶、ワインボトル等を収納する場合には、収納するペットボトル、缶あるいはワインボトル等の外形形状と略同形状に内ケースの内面形状を形成することが望ましい。
本願発明の容器は、携帯用の容器として使用することが可能であり、例えば、自動車内に載置したときには、自動車用のバッテリー等を利用して、冷却器、加熱器として使用し、自動車から持ち出して持ち運ぶときには保温器として使用することができるなど、幅広い用途に使用することができる。
本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。
図1では、本発明の1実施例であり、内ケース3と外ケース2との間に薄膜で形成したリブ10を介在させて構成した容器1の断面図を示してある。熱電素子5の上面と内ケース3の底面とはグリース等を介在させて密着した状態に取り付けている。熱電素子5は基台4に取り付けられ、基台4内には放熱手段6として、図8に示すファン7、図9に示すフィン8や図示せぬ電源装置、制御装置等が設けられている。
熱電素子5としては、基台4に配されて内ケース3の底部に密着した例を示しているが、熱電素子5を内ケース3の外側面部にも密着して取り付けることができるものである。また、内ケース3の外側面部に熱電素子5を取り付ける場合には、必要数しかも所望の部位に熱電素子5を取り付けることができるものである。
内ケース3は、アルミニウム等の熱伝導性の高い材質で構成されている。外ケース2は、内部を真空層21とした中空部を有しており、ステンレス等の材質で構成されている。
図1〜図7の図示例では外ケース2の肉厚を厚くして誇張した状態で描いているが、外ケース2が中空部を有していることを誇張して記載したものであり、実際のものにおいては、外ケース2の肉厚を薄くすることができるものである。
内ケース3と外ケース2との間には、薄膜で形成したリブ10を介在させ、内ケース3と外ケース2との間に空気層9を形成している。リブ10としては、内ケース3と外ケース2の間に所望数配置することができ、空気層9を隣接するリブ10間で複数の区間に区画している。図1においてリブ10が外ケース2の上下両端部のみに形成すると空気層9を形成する区間が長くなる。即ち、2つのリブ10と内ケース3及び外ケース2で囲まれた閉空間内が長くなると、同閉空間内で空気の対流が発生してしまう。空気が対流すると熱が同対流に乗って伝達を行い、内ケース3から外ケース2あるいはこの逆の熱の流れが発生する。
リブ10により空気層を複数の区間に区切ることで、空気の対流が発生するのを防止することができる。ただ、空気の対流を防止するためリブ10の設置数を増やすと、リブ10を介して内ケース3から外ケース2あるいはこの逆の熱伝導が行われてしまうので、空気層の対流の防止とリブ10を介しての熱伝導の割合、外ケース2の長さ、内ケース3と外ケース2間の離間距離等の関係からリブ10の設置数を設定することが望ましい。
リブ10としては、熱伝導性の低い樹脂、ゴム等を用いて形成し、しかも、リブ10の肉厚をできる限り薄くすることにより、内ケース3と外ケース2間でのリブ10を介しての熱伝導が少なくなるように構成することが望ましい。
図2は、図1における内ケース3と外ケース2の上下端部を断熱材11でシールした例を示しており、他の構成は、図1で示す実施例1における構成と同様の構成を備えている。このため、実施例1と同じ部材については図1で用いたと同一の符号を用いることでその説明を省略する。
内ケース3と外ケース2の上下端部をシールする断熱材11としては、スポンジ、発泡ウレタンなどの多孔質体、発泡体等公知の断熱材を使用することができる。また、ここで使用する断熱材11としては、少なくとも内ケース3と外ケース2の上下端部をシールする機能を奏すればよく、断熱材11によってシールされた上下端部から、ごみや水分等が浸入して空気層の断熱効果を低下させるのを防止できる肉厚を少なくとも有していることが望ましい。
図3は、図1における内ケース3と外ケース2間の空気層の代わりに断熱材11を用いた例を示しており、他の構成は、図1で示す実施例1における構成と同様の構成を備えている。このため、実施例1と同じ部材については図1で用いたと同一の符号を用いることでその説明を省略する。
内ケース3と外ケース2間に介在させる断熱材11としては、スポンジ、発泡ウレタンなどの多孔質体、発泡体等公知の断熱材を使用することができる。
断熱材11は、内ケース3と外ケース2間に充填することもできるが、図1、2に示すリブ10の代わりに構成し、断熱材11で区画された区間内を空気層とする構成とすることもできる。
図4は、図2で示す容器1に脚13,13’を取り付け、床や台等の上に横向きに載置した例を示している。そのため、図2における部材と同じ部材については、同一の符号を用いることでその説明を省略する。
図4では、外ケース2側に取り付けた脚13の長さを、基台4側に取り付けた脚13’の長さより長くした構成となっている。これは、例えば、脚13、13’の長さを等しく形成し、内面が水平状態となった内ケース3内に飲み残しのペットボトルを入れたときに見られるように、ペットボトルの底面に飲み残しの液体が接触していない部分が生じてしまう。ペットボトルの底面に液体の接触していない部分があると、その部分では熱電素子5から液体への熱伝導が行われず、結果として熱電素子5からの熱伝達効率が悪化する。
図4のように、内ケース3の開口部を上向きに傾斜して床や台等の上に横向きに載置することで、例えば、飲み残しの液体がペットボトルの底部に接触していない部分を少なくすることができ、熱電素子5からの熱伝達を有効利用することができるようになる。
図4においては、図2で示した容器1を横向きに載置できる脚13,13’を設けた例を示しているが、脚13、13’を設けることのできる容器1は図2の実施例2で示す容器1に限定されるものではなく、図1、図3及び後述する図5、図7に示す蓋付きの容器1においても脚13、13’を形成することができるものである。
脚13、13’としては、基台4と外ケース2に固定した形状で形成することも、少なくとも外ケース2に取り付けた脚13を外ケース3に対して回動自在に形成し、脚13の長さ状態を基台4に取り付けた脚13‘と等しい長さと、脚13’より長い長さとに回動させることで切換可能に形成することもできる。また、脚13’は、基台4に取り付けずに外ケース2の基台4側に取り付けることもできる。
図5は、図2で示す容器1の外ケース2に内部を真空層21とした蓋14を開閉自在に取り付けた例を示している。そのため、図2における部材と同じ部材については、同一の符号を用いることでその説明を省略する。
尚、図5においては、図2で示した容器1の外ケース2に内部を真空層21とした蓋14を開閉自在に取り付けた例を示しているが、蓋14を取り付けることのできる容器1は図2で示す容器1に限定されるものではなく、図1、図3、図4に示す容器1においても蓋14を形成することができるものである。
蓋14を設けることにより、内ケース3の開放部側からの熱の放出を防止することができ、容器1としての保温性、加熱又は冷却性を向上させることができる。ただ、蓋14を取り付けるにあたって、蓋14を介した内ケース3との熱的接続ができるだけ少なくなるように構成することが必要である。
内部を真空層21に構成した蓋14を用いているので、蓋としての断熱性は高いものとすることができる。
図6は、図5で示す蓋14の内側に更に断熱手段を形成した例を示している。そのため、図5における部材と同じ部材については、同一の符号を用いることでその説明を省略する。尚、図6においては、蓋17を取り付けることのできる容器1は図示例に限定されるものではなく、図1、図3、図4に示す容器1においても蓋17を形成することができるものである。
図6における蓋17は、図5における蓋14に示すような内部を真空層21とした外側蓋17aと外側蓋17aの内側に断熱手段を介して内面部材18が形成された構成となっている。
蓋17の構成は、内ケース3と外ケース2との関係のように構成されており、内部を真空層21とした外側蓋17aを外ケース2と見立てるならば、外側蓋17aの内側に断熱手段を介して内ケース3に見立てることのできる内面部材18が形成されている。内面部材18は熱伝導性の高いアルミニウム等の材質で構成することができ、内面部材18の外周縁は、内ケース3の上端部の外周縁と密着するように当接することのできる部位に配されている。
蓋17の断熱手段としては、上記実施例1〜3に示したと同様の断熱手段を用いることができる。これにより、容器1は、内ケース3と内面部材18とにより密閉された閉空間を形成することができ、しかも、内ケース3と内面部材18とにより密閉された閉空間の側を断熱手段を介して外ケース2及び内部を真空層21とした外側蓋17aとで取り囲むことができる構成とすることができる。
これにより、容器1としての保温性がより高く確保することができ、しかも、容器1を加熱又は冷却する際にも熱エネルギー効率の高い容器とすることができる。
図7は、内部にファンを取り付けることで、内部において強制対流を起こして熱伝達を促進させた例を示している。そのため、図5における部材と同じ部材については、同一の符号を用いることでその説明を省略する。
図7に示すように蓋14にファン23を取り付けることで、内部の空気を強制的に対流させることができ、冷却及び加熱効率を向上させることができる。ファン23を駆動する駆動源を蓋14内に配設することも、蓋14の外表面部等に配置することもできる。ファン23を取り付ける蓋14としては。図6に示すような蓋17に取り付けることもできる。
ファン23を取り付けることのできる部位は図示例の蓋14に限定されるものではなく、内ケース3の内部にファン23を取り付けることができるものである。また、ファン23の代わりに空気を攪拌することができる種々形状の部材を取り付けることもできる。
図8には、基台4内に配置したファン7と空気の流路とを示しており、基台4の底面側から見た断面図を示している。図8においては、図4に示したように容器を横向きに床等の上に載置した状態が示されている。図8における上から下向きが重力の方向であり、基台4の左右には空気の流通用開口部20が形成されている。図8の紙面の表側には図示せぬ熱電素子と同熱電素子の放熱又は吸熱部が配され、同紙面の裏側には基台の図示せぬ底板が配されている。
例えば、熱電素子で内ケース3の冷却を行っているときには、ファン7が回転することにより熱電素子の放熱部から放熱された熱を矢印で示すように外部に放出する。逆に、熱電素子で内ケースを加熱するときには、ファン7が回転することにより外部から熱を矢印とは逆向きに吸引することになる。
熱電素子による内ケース3の加熱又は冷却が行われていないときには、ファン7の回転が停止される。このとき、基台4における重力方向の上下部が閉塞されているため、重力による影響で空気が図8の下向き方向に移動するのが防止される。左右方向に開口部20が形成されているため、開口部20近傍における熱電素子の放熱又は吸熱部の周辺部において多少空気の流れが生じても、前記放熱又は吸熱部の周辺部より内側の領域では空気が滞留することになる。
これにより、ファン7を回転させないときには、前記放熱又は吸熱部からの放熱または吸熱が抑えられ、容器としての保温性を高めることができる。また、開口部20を開閉自在にしたシャッターや蓋等を設け、ファン7の回転停止ときには、前記シャッター又は蓋を閉じて開口部20を閉塞することもできる。この場合には、開口部20からの空気の入出が抑えられ容器としての保温性をより高めることができる。
図9には、熱電素子の放熱又は吸熱部に形成したフィン8の例を示している。図9においても、図8と同様に容器を横向きに床等の上に載置した状態で、図9の上から下向きが重力の方向を示している例である。
フィン8は重力方向とは直角方向を向くように複数平行に形成されている。基台4のフィン8の周囲は図示せぬ開口部又はスリット等が形成されている。図8の場合と同様に基台4の重力方向は開口部やスリット等が形成されないように構成することが望ましい。
図9のフィン8の前面に図8で示すようなファン7を配することも、自然対流でフィン8の冷却又は吸熱を行わせることができるが、フィン8の冷却効率又は吸熱効率を高めるためにはフィン8の前面側にファン7を配することが望ましい。
フィン8の前面にファン7が配されている場合について説明すると、ファン7の回転時には、空気はフィン8に沿った流れとなり、フィン8表面からの冷却又は吸熱を効率良く行わせることができる。
ファン7の回転が停止したとき、即ち、熱電素子による冷却又は加熱が行われていないときには、図9の上方部に配した一部のフィン8や基台4の覆いによって、重力による影響で空気が図9の下向き方向に移動するのが防止される。図9の左右方向に開口部やスリットが形成されていても、開口部やスリット近傍における熱電素子の放熱又は吸熱部の周辺部におけるフィン8において多少空気の流れが生じるだけで、前記フィン8の周辺部より内側の領域では空気が滞留することになる。
これにより、ファン7を回転させないときには、前記フィン8からの放熱又は吸熱が抑えられ、容器としての保温性を高めることができる。また、開口部やスリットに開閉自在なシャッターや蓋等を設け、ファン7の回転停止時には、前記シャッター又は蓋を閉じることで開口部やスリットを閉塞することもできる。この場合には、開口部やスリットからの空気の入出が抑えられ容器としての保温性をより高めることができる。
本願発明の容器は、携帯用の容器として使用することも可能であり、例えば、自動車内に載置したときには、自動車用のバッテリー等を利用して、冷却器、加熱器として使用し、自動車から持ち出して持ち運ぶときには保温器として使用することができるなど、幅広い用途に使用することができる。また、例えば、自動車の後部座席等に本願発明の容器を設置して、自動車専用のワインクーラとして使用することもできる。
本願発明は、液体を直接注入することのできる.容器や液体を収納したボトル、缶等を収容することができる容器を保温容器や加熱容器及び/又は冷却容器として使用することができるものであるが、容器内に収納するものは、液体や液体を収納したボトル、缶等に限らず、冷却装置、加熱装置、保温装置等として適用することができる。
上部を開放した容器の例を示す概略断面図である。(実施例1) 上部を開放した容器の変形例を示す概略断面図である。(実施例2) 上部を開放した容器の他の変形例を示す概略断面図である。(実施例3) 上部を開放した容器を横向きに載置した例を示す概略断面図である。(実施例4) 蓋付きの容器の例を示す概略断面図である。(実施例5) 蓋付きの容器の変形例を示す概略断面図である。(実施例6) 蓋付きの容器にファンを取り付けた例を示す概略断面図である。(実施例7) 放熱手段の例を示す平面図である。(実施例8) 放熱手段の変形例を示す平面図である。(実施例9) 従来例を示す断面図である。(従来例1) 他の従来例を示す断面図である。(従来例2)
符号の説明
1 容器
2 外ケース
3 内ケース
4 基台
5 熱電素子
6 放熱手段
7 ファン
8 フィン
9 空気層
10 リブ
11 断熱材
13、13’ 脚
14 蓋
15 断熱層
17 蓋
18 内面部材
20 開口部
21 真空層
23 ファン
30 基台
31 ポット
32 断熱材
33 電熱素子
34 伝導板
40 保冷又は保温部
41 吸熱部
42 放熱部
43 ペルチェモジュール
44 円筒容器受
45 断熱材
48 押えリング

Claims (2)

  1. 保温、加熱及び/又は冷却の少なくともいずれかを行う容器(1)において、
    同容器(1)が、外ケース(2)と、
    同外ケース(2)内に設けられる底部を有する内ケース(3)と、
    を備え、
    前記外ケース(2)が、内部を真空層(21)とした中空構造を有し、
    前記内ケース(3)と外ケース(2)とが断熱手段(9,10,11)を介して離間されてなることを特徴とする容器。
  2. 前記内ケース(3)に熱電素子(5)を取り付けたことを特徴とする請求項1記載の容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021215056A1 (ja) * 2020-04-20 2021-10-28 タイガー魔法瓶株式会社 断熱容器

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