JP2005076749A - 密封装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】密封装置1は、軸受2の内輪7に保持されるスリンガ8と、外輪5に保持されるオイルシール9とを備える。オイルシール9の補強環24の第2の環状板28と、スリンガ8の第1の環状板11とを相対向させる。第2の環状板28の第1軸方向S1側の側面32に、第1の環状板11から遠ざかる方向に張り出す環状凹部33を設ける。オイルシール9のシール部材25のサイドリップ40を、環状凹部33に沿う凹部分39から第1の環状板11へ延設させて第1の環状板11に接触させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、軸受内部と外部との間に圧力差があり、且つ軸受内部と外部との間の圧力の高低が逆転し得る環境において、内輪と外輪との間を確実に密封してオイルや水などの流体およびスラッジ等の異物の通過を阻止できる密封装置を提供することを目的とする。
本発明では、上記内輪の外周面と外輪の内周面との間の距離は、密封装置の幅の2倍以上に設定される場合がある。この場合、サイドリップの径方向の長さを十分に確保して第1の環状板との接触面積を十分に確保でき、軸受の内外輪間をより一層確実に密封することができる。
図1は、本発明の一実施の形態の密封装置1を含む軸受2を備える圧延機3の一部縦断面図である。図1を参照して、この圧延機3は例えば多段ミルであり、軸受2は例えば円筒ころ軸受からなる。この軸受2は、圧延機3のバックアップロール4に含まれており、この軸受2の外輪5の外周面6が、図示しないワークロールの外周面に当接してこのワークロールを加圧できるようになっている。
スリンガ8は、内輪7に固定される内側固定筒10と、この内側固定筒10の第1軸方向S1側の端部から径方向Rの外方へ延設されて外輪5に近接する第1の環状板11とを含む。内側固定筒10の第2軸方向S2側の端部内周には、径方向内方へ延びる突環12が環状または円弧状に形成されている。突環12は、軸受2の内輪7の外周面17に形成される凹溝13に係合すると共に、凹溝13の第2軸方向S2側端部に形成される環状の段部14に当接している。これにより、スリンガ8の軸方向Sへの移動が規制されている。内側固定筒10の内周面15には環状のシール部材16が接合されており、このシール部材16は軸受2の内輪7の外周面17に液密的に嵌め合わされている。
オイルシール9は、軸受2の外輪5に固定される金属製の補強環24と、この補強環24に一体に接合されて第1の環状板11に対向する合成ゴム(FKM)製の環状のシール部材25とを備えている。
凹部分39は、シール部材25の径方向中間部に設けられて環状をなしており、第2の環状板28の環状凹部33に沿っている。さらに、第1の環状板11の第2の側面20は、内周側部分が外周側部分に対して窪んでいる。これにより、凹部分39の表面43と第1の環状板11の第2の側面20との間の距離Aは、シール部材25の外周部48における側面44と上記第2の側面20との距離Bよりも長く(A>B)されている。
スリンガ8の第1の環状板11と補強環24の第2の環状板28との間には、シール部材25の主リップ37およびサイドリップ40により区画される潤滑剤溜まり部49が形成されている。具体的には、前述したように、シール部材25の主リップ37がスリンガ8の内側固定筒10の外周面19に接触すると共に、サイドリップ40の先端部47が第1の環状板11の第2の側面20に接触することで、スリンガ8とシール部材25との間に潤滑剤溜まり部49が形成されている。この潤滑剤溜まり部49は、スリンガ8とシール部材25との間に形成される閉空間Cを含んでおり、この閉空間C内全体に潤滑剤が封入されている。
密封装置1は、圧延機3が圧延動作を行っている間、乾燥雰囲気(ドライ環境)下において、鋼板から飛散するスラッジ(鉄粉)等の異物が軸受2内部に侵入することを防止すると共に、潤滑用のオイルを軸受2の外部に漏らさないようにしている。さらに、この圧延機3では、オイルの漏れをより確実に防止するために、排出路53側からオイルを含むエアを吸引して軸受2の内部を負圧に保っており、軸受2内部の圧力が軸受2外部の圧力よりも低くされている。
また、潤滑剤溜まり部49を設けることで、軸受2の内輪7と外輪5との間を潤滑剤によって密封することができ、これら内外輪7,5間をより確実に密封してスラッジ等の異物の侵入をより確実に阻止することができる。さらに、潤滑剤によって主リップ37、サイドリップ40および副リップ38を潤滑することができ、これら主リップ37、サイドリップ40および副リップ38が発熱したり磨耗したりすることを防止できる。
さらに、内輪7の外周面17と外輪5の内周面23との間の距離Dを、密封装置1の幅Eの2.3倍に設定することで、サイドリップ40の径方向Rの長さを十分に確保して第1の環状板11との接触面積を十分に確保でき、軸受2の内外輪7,5間をより一層確実に密封することができる。
2 軸受
5 外輪
7 内輪
8 スリンガ
9 オイルシール
10 内側固定筒
11 第1の環状板
17 内輪の外周面
19 内側固定筒の外周面
23 外輪の内周面
24 補強環
25 シール部材
26 外側固定筒
28 第2の環状板
32 第1の側面(対向面)
33 環状凹部
34 中間部
37 主リップ
38 副リップ
39 凹部分
40 サイドリップ
49 潤滑剤溜まり部
D 距離
E 幅
R 径方向
Claims (5)
- 軸受の内輪と外輪との間に配置されてこれら内輪と外輪との間を密封する密封装置において、
上記内輪に固定される内側固定筒およびこの内側固定筒から径方向外方へ延設され外輪に近接する第1の環状板を含むスリンガと、
上記外輪に固定される金属製の補強環およびこの補強環に一体に接合された環状のシール部材を含むオイルシールとを備え、
上記補強環は、外輪に固定される外側固定筒およびこの外側固定筒から径方向内方に延設された第2の環状板を含み、
第1および第2の環状板は相対向し、
第2の環状板の径方向の中間部を第1の環状板から遠ざかる方向に張り出させることで、第2の環状板の第1の環状板に対する対向面に環状凹部を設け、
上記シール部材は、内側固定筒の外周面に接触する環状の主リップと、環状凹部に沿う凹部分と、この凹部分から延設され第1の環状板に接触する環状のサイドリップとを含むことを特徴とする密封装置。 - 請求項1において、上記第1および第2の環状板の間に主リップおよびサイドリップにより区画される潤滑剤溜まり部が形成されることを特徴とする密封装置。
- 請求項1または2において、上記サイドリップは凹部分から径方向斜め外方へ向けて延設され、凹部分とサイドリップとによって断面樋状をなすことを特徴とする密封装置。
- 請求項1,2,または3において、上記シール部材は、主リップよりも第1の環状板側で内側固定筒の外周面に接触する環状の副リップを含むことを特徴とする密封装置。
- 請求項1,2,3または4において、上記内輪の外周面と外輪の内周面との間の距離は、密封装置の幅の2倍以上に設定されることを特徴とする密封装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003307583A JP2005076749A (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | 密封装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003307583A JP2005076749A (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | 密封装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005076749A true JP2005076749A (ja) | 2005-03-24 |
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ID=34410338
Family Applications (1)
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JP2003307583A Pending JP2005076749A (ja) | 2003-08-29 | 2003-08-29 | 密封装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010242853A (ja) * | 2009-04-06 | 2010-10-28 | Nippon Pillow Block Co Ltd | ピロー型軸受におけるシール機構 |
JP2018053991A (ja) * | 2016-09-28 | 2018-04-05 | 光洋シーリングテクノ株式会社 | 農機具の車軸用密封装置 |
JP2019143687A (ja) * | 2018-02-19 | 2019-08-29 | 光洋シーリングテクノ株式会社 | オイルシール |
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2003
- 2003-08-29 JP JP2003307583A patent/JP2005076749A/ja active Pending
Cited By (4)
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JP7074497B2 (ja) | 2018-02-19 | 2022-05-24 | 光洋シーリングテクノ株式会社 | オイルシール |
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