JP3520838B2 - 連続鋳造機用ロール軸受の密封装置 - Google Patents
連続鋳造機用ロール軸受の密封装置Info
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Description
ルの中間部を回転自在に軸支するロール軸受の密封装置
に関する。
的に鋳造する連続鋳造機に備えられている。連続鋳造機
に備えられているピンチロール10は、図5に示すように
鋳片Cを間に挟んで、ロール軸受30、40、50により回転
自在に軸支され、かつピンチロール10の一端部はロール
軸受40内を貫通し図示しない駆動源に連結され、他端部
はロール軸受50内に納められている。連続鋳造機用のピ
ンチロール10の中間部は、ロール軸受30により回転自在
に軸支されている。連続鋳造機用のピンチロール10を軸
支するロール軸受30,40,50は、ピンチロール10間の間隔
を調整可能に設けてあり、ピンチロール10で鋳片Cを適
度な挟圧力で挟み込むことによって、鋳片Cを過度に圧
下することなく引き抜くことを可能としている。
するロール軸受30内には、図6に示すように、軸方向の
中央部にころ20が装着してあり、ころ20に油脂を供給す
るための給脂通路40と排脂通路50とが設けてある。従来
の連続鋳造機用ロール軸受の密封装置としては、図6に
示すように、ロール軸受30の軸方向両端部にラビリンス
80と、パッキン90と、1種類のシール60が備えられてい
る。このラビリンス80は、ロール軸受30の内輪と軸受箱
との隙間の軸受箱側に取り付けられ、かつピンチロール
10の大径部と小径部の間の側端面に設けた周溝内に隙間
を有して挿入可能とされている。パッキン90およびシー
ル60は、ラビリンス80の内周面に接触するように、ピン
チロール10と共に回転可能に装着される内輪の異なる外
周溝にロール軸受30の端面側からパッキン90、シール60
の順に設けられている。
に設ける密封装置は、軸受内の油やグリース等の潤滑剤
の保持ならびに防塵、防水のために設けられることが多
い。粉塵や冷却水などがわずかでも軸受内に侵入する
と、軸受の円滑な回転動作が阻害され、磨耗が増大して
寿命が短くなるから、特に、粉塵等が多量に存在する悪
環境下においてはシール等の密封装置を設けることは必
須である。
イルシール、ダストシール等の名称で呼ばれることもあ
る)は、環状の部品であり、ゴム等の弾性体で形成され
たリップと呼ばれる部分が回転摺動部に接触し、これを
境に空間を軸方向に区分している。リップの回転摺動部
への接触力は、リップ自身の弾性による場合もあるが、
大型のものではリップの裏側にリング状のスプリングを
嵌めてリップの先端を回転摺動部に押しつける構造が一
般的である。またリップには向きがあり、リップの向い
ている側から反対側への物質の通過は困難であるが、そ
の逆は比較的容易である。
に示す従来の連続鋳造機用ロール軸受の密封装置では、
シール性をよくするために、内輪150 の溝に嵌め込んだ
シール60のリップ部と、ラビリンス80内周面との接触を
強くする必要があり、回転軸に対する摩擦抵抗が大きく
なると共にリップ部の摩耗も大きく、シール60の寿命が
短いという本質的な問題があった。
ル軸受の密封装置では、シール60が温度の高くなるラビ
リンス80の内周面に接触するため、シール60の寿命が短
いという問題もあった。また、図6に示す従来の連続鋳
造機用ロール軸受の密封装置では、雰囲気温度の変動幅
が大きい場合、シール60内外の圧力差がシール60の密封
能力を上回り、温度上昇時にはロール軸受30内の空気お
よび潤滑剤が熱膨張して吹き出し現象が発生し、次の温
度低下時には吸い込み現象により周囲の水や異物を巻き
込んでロール軸受30内に空気が侵入するという問題点が
あった。
すように、ロール軸受130 の軸方向両端部に、ロール軸
受130 内からの潤滑剤の漏洩を防止する第1のシール10
6Aおよびロール軸受130 内への異物の侵入を防止する第
2のシール106Bをロール軸受の端面側から第2のシール
106B、第1のシール106Aの順に互いに間隔を空けて設け
ると共に2つのシール間の空間100Sに連通する給気通路
107 を設けた軸受密封装置が開示されている。なお、14
0 は、軸受120 に油脂を供給する給脂通路である。
されている軸受密封装置は、第2のシール106Bをロール
軸受130 の端面に設けてあるため、高温環境下で使用す
ると、シール寿命が短いという問題があった。
は、従来技術の上記問題点を解消することにあり、高温
環境で用いる連続鋳造機用ロールの中間部を軸支するロ
ール軸受において、シール寿命の低下を防止でき、かつ
ロール軸受内からの潤滑剤の漏洩とロール軸受内への異
物の侵入との両方を防止可能な連続鋳造機用ロール軸受
の密封装置を提供することにある。
ロールの中間部を回転自在に軸支するロール軸受の密封
装置において、前記ロール軸受の軸方向両端部には、前
記ロール軸受内への異物の侵入を防止する第2のシール
と前記ロール軸受内からの潤滑剤の漏洩を防止する第1
のシールが前記ロール軸受の軸方向両端部からこの順に
互いに間隔を空けて設けられていると共に前記シール間
の空間に気体を吹き込む給気通路が設けられ、さらに前
記ロール軸受の軸受箱が水冷されるようにしたことを特
徴とする連続鋳造機用ロール軸受の密封装置である。
ール軸受の内方に向け、かつ前記第2のシールのリップ
を前記ロール軸受の外方に向けることが好ましい連続鋳
造機用ロール軸受の密封装置である。
ル軸受の密封装置について、図1、図2、図3を用いて
詳細に説明する。図1は本発明の密封装置を設けた連続
鋳造機用ロール軸受を示す正面図であり、図2は、連続
鋳造機用ロール軸受の密封装置を示す図1のX−X断面
図である。また、図3は密封装置の内、2つのシールの
リップの向きを示す部分断面図である。
のピンチロール(連続鋳造機用ロール)、1Aは連続鋳造
機用のピンチロールの中間部、2はころ、3はロール軸
受である。3A、3Bは軸受箱、4は給脂通路、5は排脂通
路、6Aは第1のシール、6Bは第2のシール、Sは空間、
7は給気通路である。8はラビリンス、8Aは平行ピン、
9はパッキン、15は内輪、31は半環状冷却水室、31A は
給排水通路、32はジャケット板である。
備えられたピンチロール1として説明する。連続鋳造機
のピンチロール1の中間部1Aを軸支するロール軸受3
は、図1、図2に示すように、ころ2と、一方の軸受箱
3Aと、他方の軸受箱3Bと、円筒状の内輪を備えている。
ロール軸受3は、内輪15の外周面と、締結ボルト33で一
体とされた軸受箱3A、3Bの内周面との間にころ2を装着
し、ころ2によりピンチロール1と共に回転するように
取り付けられる内輪15を回転可能に軸受箱3A、3Bで支承
すると共に、締結ボルト33を弛めることで軸受箱3Aと軸
受箱3Bとに2分割可能とされている。
向に平行な面で2分割した偏平半円筒形状であり、軸受
箱3Aの内周面は内輪15の半分を覆うように形成されてい
る。軸受箱3Aには、ジャケット板32で密封した半環状冷
却水室31が設けてあり、半環状冷却水室31の周方向両端
部は、一方が給水通路とされ、他方が排水通路とされた
給排水通路31A に連通し、給排水通路31A に連通する接
続口は軸受箱3Bの軸方向の端面に設けてある。そして、
接続口から冷却水を供給することにより、半環状冷却水
室31内を周方向に沿って流れる冷却水によって鋳片と向
かい合う軸受箱3Aの内周面を冷却可能としている。
の半分を覆う周面を形成した凹部を有する直方体形状で
ある。軸受箱3B内には、ころ2に油脂を供給するための
給脂通路4および排脂通路5が設けてあり、給脂通路4
および排脂通路5に連通する接続口が軸受箱3Bの軸方向
の端面に設けてある。そして、接続口から油脂を供給す
ることによって、ロール軸受3内に装着したころ2を潤
滑可能としている。
ール軸受3の密封装置としては、図2に示すように、ロ
ール軸受の軸方向両端部に、ラビリンス8と、パッキン
9と、第1のシール6Aおよび第2のシール6Bが備えてあ
る。ラビリンス8は、軸受箱3A、3Bと内輪15との間の軸
受箱3A、3Bの端面に設けたリング状の溝に平行ピン8Aで
取り付けられ、かつピンチロール10の大径部と小径部の
間の側端面に設けた周溝内に隙間を有して挿入可能とさ
れている。また、パッキン9は、ラビリンス8の内周面
に接触するように内輪の外周面に刻設された溝に嵌め込
んである。
図2に示すように、軸受箱3A、3Bと内輪との間の軸受箱
3A、3Bの内面に設けた周方向に沿った溝内に、互いに間
隔を空けてロール軸受3の端面側から第2のシール6B、
第1のシール6Aの順に設けてあり、かつ2つのシール間
の空間に連通する給気通路7が設けてある。第1のシー
ル6Aはロール軸受3内からの潤滑剤の漏洩を防止するた
めのシールであり、第2のシール6Bはロール軸受3内へ
の異物の侵入を防止するためのシールである。
第2のシール6B、第1のシール6Aの順に設けてあるた
め、第2のシール6Bにより、異物が侵入してくる軸方向
の端面に近い方で異物の侵入を防止し、第1のシール6A
により、潤滑剤が漏洩してくるロール軸受3内に近い方
で潤滑剤の漏洩を防止するので、ロール軸受3内への異
物の侵入と、ロール軸受内からの潤滑剤の漏洩とを防止
できる。
ができるので、上記防止効果が確実に得られる。ここ
で、本発明の密封装置における第2のシール6Bは、図2
に示すように、ロール軸受3の軸受箱 3A 、 3B の軸方向両
端面から離れた位置の内周面に形成された溝内に設けて
あり、ロール軸受3の軸方向両端部には、パッキン9を
内周面に接触させたラビリンス8が設けてある。
周面に刻設した軸受箱3A、3Bの内、軸受箱3Aの内周面に
刻設した溝の外周には、軸受箱3Aを水冷する外周略半環
状の冷却水室(以下、半環状冷却水室という)31が設け
てある。そこで、ロール軸受3の軸方向両端面から離れ
た位置における、半環状冷却水室31が設けてある軸受箱
3Aの内周面の温度は、高温の鋳片からの輻射熱により温
度上昇が著しいロール軸受3の端面における温度、もし
くはロール軸受3の軸方向両端部に装着したラビリンス
8における温度より低くできるため、第2のシール6Bの
温度上昇を抑制でき、第2のシール6Bを長寿命にでき
る。
ル6Bよりもロール軸受3の軸受箱 3A 、 3B の軸方向両端面
から離れた位置の内周面に形成された溝内に設けてあ
り、ピンチロール1の回転速度が低く、ころ2の発熱量
が少ないため、第1のシール6Aの寿命が問題となること
はない。なお、第2のシール6Bを嵌め込む溝のころ2中
央からの軸方向距離を、ころ2中央から半環状冷却水室
31の軸方向端までの距離以内とするのが、鋳片の温度の
影響をさらに小さくでき、長寿命にできるので好まし
い。
ように、2つのシール間の空間Sに気体を吹き込む給気
通路7が設けてあり、第1のシール6Aのリップの向きを
ころ2が設けられた内方とし、かつ第2のシール6Bのリ
ップの向きをころ2が設けられた方とは反対の外方にす
ることが好ましい。この理由は、図3に示すように、第
1のシール6Aのリップの向きを内方にすると、リップ部
分が背面から加圧され、リップの接触圧が低下し、リッ
プを押し広げて矢印に示すように気体が内方へ噴出し、
内部からの潤滑剤の漏洩を防止する作用がある。なお、
気体がころ2を装着した内方に噴出することになるが、
除塵、除湿した低圧の気体を用いるのでなんら支障がな
い。第2のシール6Bのリップの向きを外方にすると、上
記と同様にしてリップを押し広げて矢印に示すように気
体が外方に噴出するため、内部への異物の侵入を防止す
る作用がある。このように、ロール軸受内からの潤滑剤
の漏洩を防止する作用およびロール軸受内への異物の侵
入を防止する作用を有し、優れた密封性能が得られるの
である。
密封装置では、図3に示す空間S内に給気通路7を通し
て供給する除塵、除湿した低圧の気体として、空気を吹
き込むようにしている。空間Sに吹き込む気体の圧力
は、小さすぎては上記の効果が得られないし、大きすぎ
ると気体の消費量が増大するので、正圧の範囲内ででき
るだけ低圧であることが望ましく、ゲージ圧で0.03 MPa
以下の範囲がよい。
水その他の異物が侵入しないようにするため、1か所あ
たり20 Nl/min 以下の微量で十分である。1か所とは、
第1のシール6A、第2のシール6Bの間の1つの空間Sの
ことである。本発明の連続鋳造機用ロール軸受の密封装
置において使用する気体は、シール付近の腐食等を起こ
す恐れのない清浄なものであればよいから、空気以外の
窒素等の気体にすることもできる。
密封装置に用いる第1のシール6A、第2のシール6Bの材
質は、フッ素ゴムにすることができる。以上説明した本
発明の密封装置は、連続鋳造機用のピンチロールのロー
ル軸受に設けた場合を例としているが、本発明はピンチ
ロールのロール軸受に限定されることはなく、連続鋳造
機用ロールの中間部を軸支するロール軸受に適用でき
る。
用のピンチロール1の中間部を軸支するロール軸受3に
設け、ロール軸受3の半環状冷却水室を密閉するジャケ
ット板の外周面が鋳片Cと向き合うようにロール軸受3
をピンチロール1の中間部に取り付けて連続鋳造機に配
置し、図4に示すようにピンチロール1で鋳片Cを引き
抜いて連続鋳造した。
チロール1のみを示し、また、ピンチロール1の中間部
を軸支するロール軸受3と接続する給脂・排脂配管およ
び冷却水を供給する給水・排水配管の図示を省略してあ
る。図4で、71は空気配管、72はオリフィス、73は空気
本管、74は除塵装置、75は除湿装置、76は減圧弁、Cは
鋳片であり、空気本管73に除塵装置74、除湿装置75、減
圧弁76を設けると共に、減圧弁76と気体配管71との間
で、かつロール軸受3に接近した位置にオリフィス72を
設けてある。そして、減圧弁76の出側圧力を0.05〜0.4
MPa 程度に設定し、軸受近傍に挿入するオリフィス72の
孔径を 0.3〜2.5mm の範囲で個々に選定し、空間Sにお
ける気体圧力がゲージ圧で0.03 MPa以下、流量が1か所
あたり20 Nl/min 以下にした。
チロールで鋳片を連続的に鋳造した結果、高温環境下に
おいてもシール寿命の低下を防止でき、かつ軸受内から
の潤滑剤の漏洩と軸受内への異物の侵入との両方を防止
可能であった。
シール寿命の低下を防止でき、ロール軸受内からの潤滑
剤の漏洩およびロール軸受内への水や異物の侵入を防止
できるようになり、シール性を向上させることができ
る。このため、連続鋳造機の稼動率が向上するばかりで
なく、シールの交換頻度が低下して保守作業工数が削減
され、潤滑剤の漏洩による汚染や潤滑剤消費がなくな
り、軸受寿命を大幅に延長させることができる等の多く
のすぐれた効果がある。
ロール軸受を示す正面図である。
示す図1のX−X断面図である。
示す部分断面図である。
造機用ロール軸受の配置図である。
の配置図である。
置を示す断面図である。
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 連続鋳造機用ロールの中間部を回転自在
に軸支するロール軸受の密封装置において、前記ロール
軸受の軸方向両端部には、前記ロール軸受内への異物の
侵入を防止する第2のシールと前記ロール軸受内からの
潤滑剤の漏洩を防止する第1のシールが前記ロール軸受
の軸方向両端部からこの順に互いに間隔を空けて設けら
れていると共に前記シール間の空間に気体を吹き込む給
気通路が設けられ、さらに前記ロール軸受の軸受箱が水
冷されるようにしたことを特徴とする連続鋳造機用ロー
ル軸受の密封装置。 - 【請求項2】 前記第1のシールのリップを前記ロール
軸受の内方に向け、かつ前記第2のシールのリップを前
記ロール軸受の外方に向けることを特徴とする請求項1
に記載の連続鋳造機用ロール軸受の密封装置。
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