JP2005076485A - 筒内噴射式内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】 点火プラグの先端発火部が燃料噴射弁の噴射流を避け、かつキャビティの中心軸に近づけることで、着火性に優れ燃焼効率の向上が図れるとともに、キャビティを大きくすることなく燃費の向上が期待できる筒内噴射式内燃機関を供する。
【解決手段】 頂面にキャビティ51が形成されたピストン5とシリンダヘッド3との間にシリンダヘッド3の下壁面を天井面として形成される燃焼室8に複数の吸排気弁とともに燃料噴射弁60および点火プラグ70が臨んで配置される筒内噴射式内燃機関において、点火プラグ70はシリンダヘッド3の側面から燃焼室8に向け挿入されてシリンダ軸線L1に対して傾斜して先端発火部71をキャビティ51の中心軸L1に近づけて配置され、燃料噴射弁60はシリンダヘッド3の上面から燃焼室8に向け挿入されてシリンダ軸線L1に対して点火プラグ70と略反対側に傾斜して先端ノズル62aをキャビティ51の中心軸L1から傾斜方向に離して配置された筒内噴射式内燃機関。
【選択図】 図2

Description

本発明は、燃焼室に臨む燃料噴射弁がピストンの頂面に形成されたキャビティに向けて燃料を噴射する火花点火式の筒内噴射式内燃機関に関する。
内燃機関の燃費の向上を図るために、筒内噴射式内燃機関は、燃焼室内全体の空燃比はリーンであってもピストンの頂面に形成されたキャビティ内に空燃比のリッチな混合気の層を局所的に形成し、その混合気層に着火する成層燃焼方式が採用されている。
そのため燃料噴射弁が燃焼室に臨みピストンの頂面に形成されたキャビティに向けて燃料を噴射する構成が採られ、点火プラグがキャビティ内に形成される混合気層に着火できるよう構成されている(例えば特許文献1参照)。
特開平11−200867号公報
同特許文献1に開示された筒内噴射式内燃機関は、インジェクタ(燃料噴射弁)がシリンダヘッドの上面から垂直にシリンダ軸線に平行に挿入されて燃焼室に臨み先端のノズルからシリンダ軸線方向に燃料を噴射し、この噴射流をピストンの頂面に形成されたキャビティが受け止める構造をしている。
このインジェクタとともに燃焼室に臨む点火プラグは、シリンダ軸線に対して傾きをもってシリンダヘッドに支持され、点火プラグの発火部は上死点におけるピストンのキャビティに形成される混合気層内にある。
インジェクタはシリンダ軸線方向に指向してシリンダ軸線方向に燃料を噴射するので、この噴射流を受けてピストンの頂面のキャビティ内に混合気層を偏りなく形成するために、インジェクタはキャビティの中心軸(キャビティの中心を通るシリンダ軸線に平行な軸)に略位置する。
一方点火プラグは、インジェクタの噴射流を乱さないように噴射流を避けて配置される必要がある。
したがって点火プラグは、その先端の発火部がキャビティの中心軸より離れたキャビティの端縁部に位置した配置構造となっている。
点火プラグの発火部がキャビティの端縁部に位置するので、キャビティに形成される混合気層の端縁で着火されることになり、着火が不安定になるおそれがある。
また傾斜した姿勢の点火プラグが、キャビティの中心軸より離してその先端の発火部のみをキャビティ内に位置させようとすると、キャビティ自体が大きくなってしまい燃費の向上があまり期待できなくなる。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、点火プラグの先端発火部が燃料噴射弁の噴射流を避けて、かつキャビティの中心軸に近づけることで、着火性に優れ燃焼効率の向上が図れるとともに、キャビティ自体を大きくすることなく燃費の向上が期待できる筒内噴射式内燃機関を供する点にある。
上記目的を達成するために、本請求項1記載の発明は、頂面にキャビティが形成されたピストンとシリンダヘッドとの間に前記シリンダヘッドの下壁面を天井面として形成される燃焼室に複数の吸排気弁とともに燃料噴射弁および点火プラグが臨んで配置される筒内噴射式内燃機関において、前記点火プラグはシリンダヘッドの側面から前記燃焼室に向け挿入されてシリンダ軸線に対して傾斜して先端発火部を前記キャビティの中心軸に近づけて配置され、前記燃料噴射弁はシリンダヘッドの上面から前記燃焼室に向け挿入されてシリンダ軸線に対して前記点火プラグと略反対側に傾斜して先端ノズルを前記キャビティの中心軸から傾斜方向に離して配置された筒内噴射式内燃機関とした。
燃料噴射弁はシリンダ軸線に対して点火プラグと反対側に傾斜しているので、燃料噴射弁の先端ノズルをキャビティの中心軸から離してもキャビティの中心に燃料を噴射することができ、燃料噴射弁の先端ノズルが離れたキャビティの中心軸には代わりに点火プラグの先端発火部を燃料の噴射流を避けながら近づけることで、混合気層内での着火を確実にすることができる。
また燃料噴射弁はシリンダ軸線に対して点火プラグと反対側に傾斜しているので、燃料噴射弁からの噴射流はキャビティで斜めに受け止められてキャビティの中心軸近傍の点火プラグの先端発火部側に流れることになり、よって着火性が良く燃焼効率が向上する。
点火プラグはシリンダ軸線に対して傾斜しているが、先端発火部をキャビティの中心軸に近づけることができるので、キャビティ自体を大きくする必要がなく、燃費の向上を期待できる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の筒内噴射式内燃機関において、前記燃料噴射弁は混合気を棒状に噴射するエアアシスト式噴射弁であり、前記ピストンの頂面のキャビティは周囲に縦壁面が形成され、上死点における前記ピストンのキャビティ内に前記点火プラグの先端発火部が位置することを特徴とする。
燃料噴射弁は混合気を棒状に噴射するエアアシスト式噴射弁であるので、棒状噴射流を避けて点火プラグの先端発火部をキャビティの中心軸により近づけ上死点におけるピストンのキャビティ内に位置させることが容易にできる。
キャビティは周囲に縦壁面が形成されているので、燃料噴射弁が傾斜して噴射流が斜めに入ってきてもキャビティ内に混合気の層を形成し易く低燃費を図ることができる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の筒内噴射式内燃機関において、前記燃料噴射弁が、前記ピストンによる圧縮行程において噴射方向が前記キャビティの中心に向くように傾斜していることを特徴とする。
ピストンによる圧縮行程で噴射方向がキャビティの中心に向くように燃料噴射弁を傾斜させることで、噴射される混合気がキャビティ内に納まり、拡散による混合気の希薄化が抑制でき、確実に着火が行われる。
以下、本発明の一実施の形態について図1ないし図5に基づいて説明する。
図1,図2を参照すると、本発明が適用される筒内噴射式内燃機関Eは、火花点火式の4ストローク単気筒内燃機関であり、クランク軸7を回転可能に支持するクランクケース1に結合されるシリンダ2と、シリンダ2の上端に結合されるシリンダヘッド3と、シリンダヘッド3の上端に結合されるヘッドカバー4とを備える。
シリンダ2のシリンダ孔2aに往復動可能に嵌合するピストン5は、コンロッド6を介してクランク軸7を回転駆動する。
そして、内燃機関Eは、図1に示されるように、クランク軸7に対して車両の前方に位置するシリンダ2が、僅かに車両の上方に傾斜する状態で自動二輪車に搭載される。
シリンダ2とシリンダヘッド3との間であって、ピストン5とシリンダヘッド3との間には、ピストン5の往復運動により容積が変化する可変容積空間でもある燃焼室8が形成される。
したがって、ここでは、燃焼室8は、シリンダヘッド側においてシリンダヘッド3の下壁面から構成される天井面30により規定され、ピストン側においてピストン5の頂面50および該頂面50に形成されるキャビティ51の壁面52により規定される。
本筒内噴射式内燃機関Eは、シリンダ軸線L1が燃焼室8およびキャビティ51の中心軸線と略一致する。
図3を併せて参照すると、シリンダヘッド3には、天井面30に開口する1対の吸気口31aにて燃焼室8に連通する吸気ポート31と、天井面30に開口する1つの排気口32aにて燃焼室8に連通する排気ポート32とが形成され、また1対の吸気口31aをそれぞれ開閉する1対の吸気弁9と排気口32aを開閉する排気弁10とがシリンダ軸線L1を中心とする略正三角形の頂点に設けられ、さらに燃料噴射弁60と点火プラグ70がシリンダヘッド3の上面および側面から挿入されてシリンダ軸線L1に対して略反対位置に取り付けられる。
燃料噴射弁60は、燃焼室8およびキャビティ51の中心軸線でもあるシリンダ軸線L1に対して約10度程度の小さい傾斜角度の中心軸線L2を有してシリンダヘッド3の上面から挿入され、一方の吸気口31aと排気口32aとの間に先端ノズル部62aを燃焼室8に突出させて配置されて、図4に示されるように、キャビティ51内を指向する中心軸線L2を噴射中心線とする噴射流63の形態で燃料をノズル部62aから噴射する。
ノズル部62aは、その先端に向かって燃焼室8内に突出する回転体形状の案内部62a1を有する。そして、案内部62a1が駆動手段により駆動されて下方に移動したとき、案内部62a1の上部と小径部62bとの間に形成される噴口から噴射された噴射流63は、案内部62a1に沿って流れるので、前記噴口からの流出直後の拡がりが抑制される結果、その拡がり角は小さく、ほぼ棒状を呈する。
一方点火プラグ70は、シリンダ軸線L1に対して燃料噴射弁60と略反対側に約40度程度の傾斜角度の中心軸線L3を有してシリンダヘッド3の側面から挿入され、他方の吸気口31aと排気口32aとの間に電極間での放電により火花が発生する部分である先端発火部71を燃焼室8にシリンダ軸線L1近くまで突出させて配置され、図2に示されるように、点火プラグ70の先端発火部71は、ピストン5が上死点に位置するときにピストン5の頂面50に形成されるキャビティ51内に入り込んでいる。
再度、図1,図2を参照すると、吸気弁9および排気弁10をクランク軸7の回転に同期して開閉する動弁装置Vは、径方向でのシリンダ2の側部に回転可能に支持されて吸気カム11aおよび排気カム11bを有するカム軸11と、シリンダ2に固定された1対の支持軸12(図2には排気カムフォロア13の支持軸が示されている。)に揺動可能にそれぞれ支持されて吸気カム11aに接触する吸気カムフォロアおよび排気カム11bに接触する排気カムフォロア13と、シリンダヘッド3に固定された1対のロッカ軸14に揺動可能にそれぞれ支持されて、1対の吸気弁9の弁ステムの先端に当接する吸気ロッカアーム15および排気弁10の弁ステムの先端に当接する排気ロッカアーム16と、前記吸気カムフォロアおよび排気カムフォロア13と吸気ロッカアーム15および排気ロッカアーム16にそれぞれ両端部で当接して、該吸気カムフォロアおよび排気カムフォロア13の揺動運動を吸気ロッカアーム15および排気ロッカアーム16にそれぞれ伝達する1対のロッド17とを備える。
カム軸11は、カムスプロケット18およびタイミングチェーン19を含む伝動機構を介して、クランク軸7の動力によりその1/2の回転速度で回転駆動される。そして、カム軸11と共に回転する吸気カム11aおよび排気カム11bが、前記吸気カムフォロアおよび排気カムフォロア13をそれぞれ揺動させ、揺動する該吸気カムフォロアおよび排気カムフォロア13が、1対のロッド17を介して吸気ロッカアーム15および排気ロッカアーム16をそれぞれ揺動させ、揺動する吸気ロッカアーム15および排気ロッカアーム16が、弁ばねにより閉弁方向に付勢されている1対の吸気弁9および排気弁10を、それぞれ、クランク軸7の回転に同期して所定の開閉時期に開閉する。
ピストン5の頂面50に形成されるキャビティ51は、シリンダ軸線L1を略中心軸線とした円柱状の凹部であり、底壁面52aおよび周壁面52bからなる壁面52により規定される。
底壁面52aは、燃料噴射弁60の先端ノズル部62aのある方から点火プラグ70の先端発火部71のある方へ徐々に底が深くなる傾斜面をなしており、ノズル部62aより噴射された混合気が点火プラグ70の先端発火部71に流れ易くかつ溜まり易い。
ピストン5の頂面50において、キャビティ51の開口51aよりも外側の環状、ここではほぼ一定の径方向での幅を有すると共にほぼ円環状の周縁部53には対向するシリンダヘッド3の天井面30との間でスキッシュエリア20(図5参照)を構成する円錐面を有する。
このピストン5側の円錐面と対向するシリンダヘッド3側の円錐面とによってスキッシュエリア20自体が、周縁からシリンダ軸線L1に向けて上方向に若干傾斜したシリンダ軸線L1を軸線とする円錐状に形成され、この円錐状のスキッシュエリア20により燃焼室8の周縁部から中心に向かう斜めスキッシュ(図5に太線矢印で示す)が生成される。
すなわち圧縮行程の後半においてピストン5が上死点に近づく過程で、図5に示されるように円錐状に傾斜するスキッシュエリア20の空気が上下幅が狭くなるに従いシリンダ軸線L1に向かって斜めに押し出されて斜めスキッシュが生成される。
そして、この斜めスキッシュは、天井面30において上方向で開口51aに対向する部分である対向部30aに沿う気流となる。
図2を参照すると、一部がシリンダヘッド3に取り付けられ、残りの部分がヘッドカバー4に取り付けられる燃料噴射弁60は、燃料と高圧空気とにより形成された混合気として燃料を燃焼室8内のキャビティ51に向けて噴射するエアアシスト式の混合気噴射弁である。
そして、燃料噴射弁60は、内燃機関Eの負荷や回転速度、吸入空気量などの機関運転状態に応じて設定される所定の噴射時期および所定の燃料量で、混合気を燃焼室8内に噴射するように、図示されない電子制御装置により制御される。
そのうち、噴射時期は、内燃機関Eの無負荷運転域または低・中負荷運転域では、成層燃焼を行うべく圧縮行程での所定時期に設定され、内燃機関Eの高負荷運転域では、均質燃焼を行うべく吸気行程での所定時期に設定される。
燃料噴射弁60は、ヘッドカバー4に形成された第1収納筒40に収納されて、燃料のみを噴射する第1噴射弁61と、シリンダヘッド3に形成された第2収納筒33に大部分が収納されて、第1噴射弁61から噴射された燃料と高圧空気との混合気を、ノズル部62aからキャビティ51内を指向する中心軸線(噴射中心線)L2を有する噴射流63の形態で噴射する第2噴射弁62とから構成される。
第2噴射弁62は、その上端部に形成される空気導入部62cが第1収納筒40に収納され、残りの部分が第2収納筒33に収納される。そして、シリンダヘッド3の貫通孔に挿入される小径部62bの先端部に形成されるノズル部62aが、燃焼室8内に臨む。
第1噴射弁61は、その中心軸線が中心軸線L2を有する第2噴射弁62と同軸になるように、ノズル部61aが空気導入部62cに連なって配置される。
第1収納筒40と、第2噴射弁62の空気導入部62cおよび第1噴射弁61のノズル部61aとの間には、1対の管状のシール41,42により密閉される環状の空気室44が第1,第2噴射弁61,62を囲んで形成され、さらに空気室44の上方に隣接して、第1収納筒40と第1噴射弁61との間には、シール42および環状のシール43により密閉される環状の燃料室45が第1,第2噴射弁61,62を囲んで形成される。
図1,図2を参照すると、空気室44には、カム軸11から伝達されるクランク軸7の動力で駆動される空気ポンプPaにより圧縮されて、圧力調整装置により大気圧よりも高圧の所定の一定圧力に設定された高圧空気が供給される。一方、燃料室45には、電動式の燃料ポンプ(図示されず)により圧送されて、圧力調整装置により高圧の所定の一定圧力に設定された高圧の燃料が供給される。
かかる燃料噴射弁60が燃焼室8およびキャビティ51の中心軸線でもあるシリンダ軸線L1に対して約10度程度の傾斜角度でシリンダヘッド3およびヘッドカバー4に取り付けられ、先端ノズル部62aを燃焼室8内に突出している。
したがって、燃料噴射弁60の先端ノズル部62aをキャビティ51の中心軸(シリンダ軸線L1)から離しても図4に示すように燃料噴射時期のキャビティ51の略中心に燃料を噴射することができ、よってノズル部62aが離れたキャビティ51の中心軸(シリンダ軸線L1)には代わりに点火プラグ70の先端発火部71を混合気の噴射流63を避けながら近づけた配置構造となっており、キャビティ51により形成される混合気層内での着火を確実にしている(図5参照)。
点火プラグ70はシリンダ軸線L1に対して燃料噴射弁60と略反対側に約40度程度傾斜しているが、点火プラグ70自体を先端発火部71とともにキャビティ51の中心軸(シリンダ軸線L1)に近づけることができるので、点火プラグ70に干渉しないようキャビティ51の開口51aを大きくする必要がなく、よってキャビティ51の容量も大きくする必要はなく燃費の向上を期待できる。
図2を参照すると、第2噴射弁62のノズル部62aの案内部62a1および点火プラグ70の発火部71は、ピストン5が上死点にあるとき、ピストン5に干渉することなくキャビティ51内に位置している。
さらに、発火部71は、天井面30で燃焼室8に臨むノズル部62aの案内部62a1よりも下方に位置し、発火部71は、最進角時の点火時期において、開口51aまたは内周縁53aとほぼ同一の高さ位置または開口51aよりもやや上方の位置を占めるように配置される。
したがって、内燃機関Eの運転域のうち、運転頻度が高い運転域である低・中負荷運転域において、点火プラグ70は、発火部71がキャビティ51内にあるときに混合気への点火を行う。
また、図2に示されるように、キャビティ51は、着火性が良好な混合比の混合気がキャビティ51内に存在しやすくするなるように、平面視で発火部71と重なる部分の近傍が深くなるように底壁面52aが傾斜平面で構成されている。
さらに、燃料噴射弁60の中心軸線(噴射中心線)L2がシリンダ軸線L1に対して傾斜しているので、ノズル部62aからの噴射流63の方向は底壁面52aに対して益々傾斜するため、底壁面52aに衝突した後の反射流は発火部71に向かう速度成分を持ち、発火部71の周囲に着火性が良好な混合気が一層集まりやすくなる。
次に、図4、5を参照して、成層燃焼を行う運転域での燃料噴射弁60から噴射された混合気および斜めスキッシュに関連して説明する。
図4を参照すると、燃料噴射弁60は、圧縮行程の前半の後期から後半の前期に属する時期に、混合気を、ノズル部62aから中心軸線(噴射中心線)L2に沿ってキャビティ51内に向かって噴射する。
このとき、混合気は、キャビティ51の底壁面52aの略中心に向かい広がり角の小さい棒状の外周縁63aがキャビティ51の開口51a内の収まるように噴射され、混合気が周縁部53に当たることはない。
また、ノズル部62aの案内部62a1が上死点でのピストン5のキャビティ51内に位置することにより、噴射時期における案内部62a1は、案内部62a1が上死点でのピストン5のキャビティ51外に位置するものに比べて、キャビティ51により近接した位置を占めるので、噴射流63の先端での混合気の広がりは、より小さなものとなって、拡散による混合気の希薄化が抑制される。
なお、キャビティ51は周囲に縦壁である周壁面52bが形成されているので、燃料噴射弁60が傾斜して噴射流63が斜めに入ってきてもキャビティ51内に混合気を溜め易く拡散しにくい構造となっている。
図5を参照して、その後、ピストン5が上死点に近づくにつれて、前記したようにスキッシュエリア20によるシリンダ軸線L1に向かって上方に向かう斜めスキッシュが生成されるので、この斜めスキッシュは、混合気(図中、クロスハッチングでその概略の形状が示されている)がキャビティ51内から径方向外方に拡散するのを抑制し、さらにキャビティ51外の混合気が径方向に拡散するのを抑制する。
しかも、斜めスキッシュは、天井面30の対向部30aに沿う流れとなるため、キャビティ51外であって、その上方でシリンダ軸線L1の周囲に存在する混合気が斜めスキッシュにより分断されることは殆どない。
その後、ピストン5が上死点(図2参照)に達する前に、点火プラグ70により点火された混合気が燃焼を開始する。
点火直前のピストン5の位置において、混合気は、斜めスキッシュにより拡散および分断が防止または抑制されるので、キャビティ内にほぼ収まった状態になっている。
そして、着火性が良好な混合気が発火部71の周囲に存在することに加えて、発火部71が、上死点でのピストン5のキャビティ51内に位置するノズル部62aの案内部62a1よりも下方でかつキャビティ51の中心軸線(シリンダ軸線L1)に近い位置にあって、点火時期においてキャビティ51に一層近接した位置であるために、混合気の拡散の程度が比較的小さく希薄化し難い部分での着火が可能となることから、確実に着火が行われる。
良好な着火性が確保されることで、混合気が未燃焼のまま排出されることが防止されて、燃費および排気エミッションが改善されるうえ、キャビティ51を中心とした燃焼室8の周辺部の全周に渡って厚い空気層を形成することが可能になって、冷却熱損失が低減して熱効率が向上し、燃費が改善される。
また、上死点では、スキッシュエリア20を含む周縁部53上にはエンドガスが殆ど存在しないので、ノッキングの発生が回避される。
さらに、キャビティ51からの混合気の径方向での拡散を防止または抑制するために、キャビティ51の壁面52を上下方向に高くする必要がないので、火炎の伝播が良好に行われるうえ、前記した点火プラグ70の配置構造からもキャビティ51の容積を減少させることが可能になって、この容積減少により圧縮比を高めて、熱効率を向上させることができ、この点でも燃費が改善される。
前記実施の形態では、燃料噴射弁60は混合気噴射弁であり、燃料噴射弁60からは燃料と空気との混合気が噴射されたが、燃料噴射弁から燃料のみが噴射流として噴射されてもよい。
また、混合気からなる噴射流または燃料のみからなる噴射流が、ノズル部の先端に設けられる噴口から噴射されてもよい。
さらに第1噴射弁61は、第2噴射弁62に対して中心軸を異ならせて、例えばシリンダ軸線L1と同一または平行または直交させて両者を空気導入部62cにより連通させた構造としてもよい。
内燃機関は多気筒内燃機関であってもよい。また、内燃機関は、自動二輪車以外の車両に搭載されてもよく、さらに車両以外に、船外機やその他の器機に使用されるものであってもよい。
本発明の一実施の形態である筒内噴射式内燃機関の縦断面図である。 図1の筒内噴射式内燃機関において、ピストンが上死点にあるときの別の線に沿って切断した断面図である。 シリンダヘッドについての図1のIII−III矢視図である。 圧縮行程の燃料噴射時期における図2と同じ断面での筒内噴射式内燃機関の要部断面図である。 圧縮行程のスキッシュが生成されている時期における図2と同じ断面での筒内噴射式内燃機関の要部断面図である。
符号の説明
1…クランクケース、2…シリンダ、3…シリンダヘッド、4…ヘッドカバー、5…ピストン、6…コンロッド、7…クランク軸、8…燃焼室、9…吸気弁、10…排気弁、11…カム軸、12…支持軸、13…排気カムフォロア、14…ロッカ軸、15,16…ロッカアーム、17…ロッド、20…スキッシュエリア、
30…天井面、30a…対向部、31…吸気ポート、33…収納筒、40…収納筒、41,42,43…シール、44…空気室、45…燃料室、50…頂面、51…キャビティ、51a…開口、52…壁面、53…周縁部、53a…内周縁、60…燃料噴射弁、61…第1噴射弁、62…第2噴射弁、62a…ノズル部、63…噴射流、63a…外周縁、70…点火プラグ、71…発火部、
E…内燃機関、L1…シリンダ軸線、L2…燃料噴射弁の中心軸線、L3…点火プラグの中心軸線、V…動弁装置、Pa…空気ポンプ。

Claims (3)

  1. 頂面にキャビティが形成されたピストンとシリンダヘッドとの間に前記シリンダヘッドの下壁面を天井面として形成される燃焼室に複数の吸排気弁とともに燃料噴射弁および点火プラグが臨んで配置される筒内噴射式内燃機関において、
    前記点火プラグはシリンダヘッドの側面から前記燃焼室に向け挿入されてシリンダ軸線に対して傾斜して先端発火部を前記キャビティの中心軸に近づけて配置され、
    前記燃料噴射弁はシリンダヘッドの上面から前記燃焼室に向け挿入されてシリンダ軸線に対して前記点火プラグと略反対側に傾斜して先端ノズルを前記キャビティの中心軸から傾斜方向に離して配置されたことを特徴とする筒内噴射式内燃機関。
  2. 前記燃料噴射弁は混合気を棒状に噴射するエアアシスト式噴射弁であり、
    前記ピストンの頂面のキャビティは周囲に縦壁面が形成され、
    上死点における前記ピストンのキャビティ内に前記点火プラグの先端発火部が位置することを特徴とする請求項1記載の筒内噴射式内燃機関。
  3. 前記燃料噴射弁は、前記ピストンによる圧縮行程において噴射方向が前記キャビティの中心に向くように傾斜していることを特徴とする請求項2記載の筒内噴射式内燃機関。


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