JP2005076158A - 複合モノフィラメントおよび釣糸 - Google Patents
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Abstract
【課題】 撥水性と芯鞘界面又は海島界面の界面剥離とが改善された複合モノフィラメントおよびそれからなる釣糸を提供する。
【解決手段】 芯部又は島部がポリアミド系樹脂、鞘部又は海部が反応性基を有する変性エチレンテトラフルオロエチレン共重合樹脂から構成された、直径が0.05〜5.0mmの芯鞘型又は海島型複合モノフィラメントであって、芯鞘又は島海の重量比率が60対40から97対3の範囲にある複合モノフィラメント。
【選択図】 なし
【解決手段】 芯部又は島部がポリアミド系樹脂、鞘部又は海部が反応性基を有する変性エチレンテトラフルオロエチレン共重合樹脂から構成された、直径が0.05〜5.0mmの芯鞘型又は海島型複合モノフィラメントであって、芯鞘又は島海の重量比率が60対40から97対3の範囲にある複合モノフィラメント。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ポリアミド系樹脂を主体とする芯鞘型又は海島型複合モノフィラメントであって、特に撥水性と芯鞘界面又は海島界面の界面剥離が改善された複合モノフィラメントおよびそれからなる釣糸に関するものである。
従来ポリアミド樹脂などからなる熱可塑性樹脂モノフィラメントは、強靱で耐摩耗性が優れているなどの多くの有用な特性を備えているため、釣糸や漁網などの水産資材用途や種々の産業資材用途などに広く使用されている。
しかるに、かかるポリアミド樹脂などからなる熱可塑性樹脂モノフィラメントは、水との接触角が90度未満であることから、特に釣糸用途などの極めて高い撥水性が要求される用途においては、必ずしも十分な性能を発現し得ないことがネックとなっていた。
かかる熱可塑性樹脂モノフィラメントの撥水性を改善するための従来技術としては、例えば芯部と鞘部の少なくとも2層構造からなる複合モノフィラメントであって、水との接触角が90度以上の熱可塑性フッ素系樹脂から鞘部を構成した複合モノフィラメント(例えば、特許文献1参照)などが既に知られている。
しかしながら、このような複合モノフィラメントは、目的とする撥水性は改善されるものの、異種の熱可塑性樹脂から構成されているため芯鞘界面の剥離のしにくさという点では必ずしも満足するものといえるものではなかった。
また、かかる2種以上の異種熱可塑性樹脂から構成される芯鞘型又は海島型複合モノフィラメントの芯鞘又は海島の界面の剥離性を改善するための従来技術としては、例えば芯成分又は島成分を構成する熱可塑性樹脂Aと鞘成分又は海成分を構成する熱可塑性樹脂Bをそれぞれ互いに少量ブレンドした混合ポリマーから芯部(又は島部)および鞘部(又は海部)が構成された複合モノフィラメント(例えば、特許文献2参照)などが既に知られている。
しかしながら、このような複合モノフィラメントは、目的とする界面剥離の改善は見られるものの、異種の熱可塑性樹脂をそれぞれ相互にブレンドしなければならないことから、製造上の煩雑さ、製造のし易さという点では必ずしも満足するものといえるものではなかった。
特開2000−328366号公報
特開2002−371434号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって本発明の目的は、ポリアミド系樹脂を主体とする芯鞘型又は海島型複合モノフィラメントであって、特に撥水性と芯鞘界面又は海島界面の界面剥離が改善された複合モノフィラメントおよびそれからなる釣糸を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の複合モノフィラメントは、ポリアミド系樹脂からなる芯部と、反応性基を有する変性エチレンテトラフルオロエチレン共重合樹脂からなる鞘部とから構成された直径が0.05mm以上5.0mm以下の芯鞘型複合モノフィラメントであって、芯部と鞘部の重量比率が60対40から97対3の範囲としたことを特徴とする。
また、本発明の複合モノフィラメントもう一つの態様は、ポリアミド系樹脂からなる島部と、反応性基を有する変性エチレンテトラフルオロエチレン共重合樹脂からなる海部とから構成された直径が0.05mm以上5.0mm以下の海島型複合モノフィラメントであって、海部と鞘部の重量比率60対40から97対3の範囲にあることを特徴とする。
なお、本発明の複合モノフィラメントにおいては、
前記反応性基を有する変性エチレンテトラフルオロエチレン共重合樹脂がエチレンパーフルオロエチレンプロペン共重合樹脂(以下、EFEPと称する)であること、
前記EFEPの融点が150℃から230℃の範囲にあり、且つガラス転移温度が20℃から85℃の範囲にあること、
前記ポリアミド系樹脂がポリカプラミド(以下、N6と称する)、ポリヘキサメチレンアジパミド(以下、N66と称する)、カプラミドとヘキサメチレンアジパミドとの共重合樹脂(以下、N6/66と称する)、カプラミドとドデカミドとの共重合樹脂(以下、N6/12と称する)、ポリウンデカミド(以下、N11と称する)およびポリドデカミド(以下、N12と称する)から選ばれた少なくとも1種であること、および
前記複合モノフィラメントの引張強度が500MPa以上、結節強度が300MPa以上であること、
がいずれも好ましい条件であり、これらの条件を満たすことによって一層優れた効果の取得を期待することができる。
なお、本発明の複合モノフィラメントにおいては、
前記反応性基を有する変性エチレンテトラフルオロエチレン共重合樹脂がエチレンパーフルオロエチレンプロペン共重合樹脂(以下、EFEPと称する)であること、
前記EFEPの融点が150℃から230℃の範囲にあり、且つガラス転移温度が20℃から85℃の範囲にあること、
前記ポリアミド系樹脂がポリカプラミド(以下、N6と称する)、ポリヘキサメチレンアジパミド(以下、N66と称する)、カプラミドとヘキサメチレンアジパミドとの共重合樹脂(以下、N6/66と称する)、カプラミドとドデカミドとの共重合樹脂(以下、N6/12と称する)、ポリウンデカミド(以下、N11と称する)およびポリドデカミド(以下、N12と称する)から選ばれた少なくとも1種であること、および
前記複合モノフィラメントの引張強度が500MPa以上、結節強度が300MPa以上であること、
がいずれも好ましい条件であり、これらの条件を満たすことによって一層優れた効果の取得を期待することができる。
さらに、本発明の釣糸は、上記の複合モノフィラメントからなることを特徴とする。
本発明の複合モノフィラメントは、表層部に水との接触角が大きいフッ素系樹脂で構成されていることから撥水性に優れ、且つそのフッ素系樹脂はポリアミド系樹脂と接着性の良い反応性基を有し、界面剥離が従来になく改善されることから、各種水産用途および産業用途に有用である。とりわけ強靱なポリアミド系樹脂を主体として、引張強度が500MPa以上、結節強度が300MPa以上の物性が得られることから、釣糸用途に極めて有用である。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明でいう芯鞘型複合モノフィラメントとは、芯成分と鞘成分とで構成される複合モノフィラメントである。芯成分および鞘成分の形状については、必ずしも円形断面だけに限定されるものではなく、三角断面、四角断面および多葉断面などの任意の形状を取ることができ、また構造的には二層構造だけでなく三層以上の多層芯鞘構造を除外するものではない。
また、本発明でいう海島型複合モノフィラメントとは、海成分と島成分とで構成され、海成分中に2つ以上の島成分が点在する構造を有する複合モノフィラメントである。島成分の数には特に制限はないが、通常は2から19島、特に3島から13島が好ましく、また島の位置についても特に制限はないが、同心円状に配置されるのが好ましい。
次に、ポリアミド系樹脂で形成される芯部または島部と、反応性基を有する変性エチレンテトラフルオロエチレン共重合樹脂で形成される鞘部または海部との重量比率は、60対40から97対3、好ましくは70対30から95対5の範囲にあることが重要な要件である。
ここで、芯成分と鞘成分との重量比率または島成分と海成分との重量比率が上記の範囲を外れる場合には、目的とする複合モノフィラメントの特性の発現が認められなくなるばかりか、操業性が困難な傾向となるため好ましくない。
本発明の複合モノフィラメントの直径は、その用途に応じて選択することができ、通常は0.05mm以上5.0mm以下、特に0.10mm以上3.0mm以下の範囲が好ましく選択される。
本発明の複合モノフィラメントの鞘部または海部を構成する反応性基を有するEFEPとは、例えばエポキシ基などのポリアミド系樹脂と接着性の良い反応性基を有する共重合樹脂であるが、必ずしもそれに限定されるものではない。より具体的にはダイキン工業製EFEP(エチレンパープルオロエチレンプロペン共重合樹脂)のRP−4000やRP−5000などが挙げられる。RP−4000やRP−5000は水との接触角が96度であり、50度程度であるポリアミド系樹脂に比べ撥水性に優れている。
また、前記EFEPは融点が150℃から230℃の範囲にあり、且つガラス転移温度が20℃から85℃の範囲にあることが、本発明が目的としている複合モノフィラメントの特性を発現するうえで、さらには操業性の面でもより好ましい。その理由は、融点およびガラス転移温度が上記の範囲であれば、本発明の複合モノフィラメントを一緒に構成するポリアミド系樹脂の融点およびガラス転移温度に近いために、溶融複合紡糸性およびその後の複合モノフィラメントの製糸性、延伸性がより好ましいものとなるからである。
次に、本発明の複合モノフィラメントの芯部または島部を構成するポリアミド系樹脂とは、N6、N66、N6/66、N6/12、N11、およびN12から選ばれたすくなくとも一種であるが、必ずしもそれに限定されるものではない。
なお、本発明で用いる上記各樹脂には、必要に応じて、例えば顔料、染料、耐光剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、結晶化抑制剤および可塑剤などの添加剤を、目的とする性能を阻害しない範囲で、その重合行程、重合後あるいは紡糸直前に添加することができる。
本発明の複合モノフィラメントは、以下に説明する方法により効率的に製造することができる。
まず、上記複合モノフィラメントを溶融紡糸するに際しては、複合用紡糸機を用いる通常の条件を採用することができ、ポリマー温度を200〜350℃、押出圧力1〜50MPa、口金口径0.1〜20mm、紡糸速度0.3〜100m/分などの条件を適宜選択することができる。
次に、各々の押出機から紡出され、ダイ内で芯鞘または海島構造に複合化されたモノフィラメントは、短い気体ゾーンを通過した後、冷却浴内で冷却されるが、ここでの冷却媒体としては、ポリマーに不活性な液体、通常は水やポリエチレングリコールなどが用いられる。
冷却固化された複合モノフィラメントは、引き続き1段目の延伸行程に送られるが、延伸および熱固定の雰囲気(浴)としては、温水、ポリエチレングリコール、グリセリンおよびシリコーンオイルなどの加熱した熱媒体浴、熱気体浴および水蒸気浴などが用いられる。
延伸工程では1段乃至多段延伸を行うが、好ましい全延伸倍率はモノフィラメントを構成する熱可塑性樹脂によって異なるものの、通常は5.0倍以上、好ましくは5.5倍以上である。
1段乃至多段延伸後には、必要に応じて延伸歪みを除去することなどを目的として、適度な定長および/または弛緩熱処理を行うこともできる。
ここでは、芯部と鞘部または海部と島部を構成するポリマーの融点およびガラス転移温度が近いことが、複合モノフィラメントの製糸性、延伸性の面で好ましい。
このようにして得られる本発明のポリアミド系樹脂を主体とする芯鞘又は海島複合モノフィラメントは、表層部が水との接触角が大きいフッ素系樹脂で構成されていることから撥水性に優れ、且つそのフッ素系樹脂はポリアミド系樹脂と接着性の良い反応基を有し、界面剥離が従来になく改善されたものであることから、各種水産用途および産業資材用途に有用である。そして、本発明の複合モノフィラメントは、強靱なポリアミド系樹脂を主体とし、且つ溶融複合紡糸性とその後の複合モノフィラメントの製糸性、延伸性が良好であることによって、引張強度が500MPa以上、結節強度が300MPa以上の物性を発揮することから、とりわけ釣糸用途に極めて有用である。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、実施例における複合モノフィラメントの評価は以下の方法に準じて行った。
[界面剥離評価試験法]
5.5mmφのステンレス製丸棒の先端部(円形フラット断面)で、押しつぶし部分の幅が糸の太さの約2.5となるように力を加えて押しつぶし、その押しつぶし部分を光学顕微鏡(拡大倍率40倍)で観察し、界面の剥離の程度を肉眼で観察することにより、以下の規準で判定した。
5.5mmφのステンレス製丸棒の先端部(円形フラット断面)で、押しつぶし部分の幅が糸の太さの約2.5となるように力を加えて押しつぶし、その押しつぶし部分を光学顕微鏡(拡大倍率40倍)で観察し、界面の剥離の程度を肉眼で観察することにより、以下の規準で判定した。
○:光学顕微鏡写真(拡大倍率40倍)で剥離が認められない
×:光学顕微鏡写真(拡大倍率40倍)で全体的に剥離が認められる。
×:光学顕微鏡写真(拡大倍率40倍)で全体的に剥離が認められる。
[引張強度および結節強度]
JISL1013の規定に準じて測定した。
JISL1013の規定に準じて測定した。
[実施例1]
N6/66(東レ製M6041:融点195℃、ガラス転移温度45℃)を芯成分(90重量%)とし、EFEP(ダイキン工業製EFEP、RP−5000:融点200℃、ガラス転移温度75℃)を鞘成分(10重量%)として、エクストルーダー型複合紡糸機で270℃で溶融し、孔径1.0mmの口金を通して紡糸し、さらに20℃の水中で冷却した。
N6/66(東レ製M6041:融点195℃、ガラス転移温度45℃)を芯成分(90重量%)とし、EFEP(ダイキン工業製EFEP、RP−5000:融点200℃、ガラス転移温度75℃)を鞘成分(10重量%)として、エクストルーダー型複合紡糸機で270℃で溶融し、孔径1.0mmの口金を通して紡糸し、さらに20℃の水中で冷却した。
次に、この未延伸糸を100℃の水蒸気延伸浴中で3.6倍に一段目延伸し、更に180℃の乾熱浴中で1.67倍に二段目延伸(全延伸倍率6.0倍)した後、引き続いて170℃の乾熱浴中に処理倍率0.9倍で通過させ熱処理を施すことにより、直径0.25mmで表1に示した特性を有する複合モノフィラメントを得た。
[実施例2]
芯/鞘の重量比率を93/7としたこと以外は、実施例1と同様にして、直径0.25mmで表1に示した特性を有する複合モノフィラメントを得た。
芯/鞘の重量比率を93/7としたこと以外は、実施例1と同様にして、直径0.25mmで表1に示した特性を有する複合モノフィラメントを得た。
[実施例3]
芯/鞘の重量比率を60/40としたこと以外は、実施例1と同様にして、直径0.25mmで表1に示した特性を有する複合モノフィラメントを得た。
芯/鞘の重量比率を60/40としたこと以外は、実施例1と同様にして、直径0.25mmで表1に示した特性を有する複合モノフィラメントを得た。
[実施例4]
N6/12(宇部興産製7034T:融点200℃、ガラス転移温度45℃)を芯成分(90重量%)とし、EFEP(ダイキン工業製EFEP、RP−5000:融点200℃、ガラス転移温度75℃)を鞘成分(10重量%)として、エクストルーダー型複合紡糸機で270℃で溶融し、孔径1.0mmの口金を通して紡糸し、さらに20℃の水中で冷却した。
N6/12(宇部興産製7034T:融点200℃、ガラス転移温度45℃)を芯成分(90重量%)とし、EFEP(ダイキン工業製EFEP、RP−5000:融点200℃、ガラス転移温度75℃)を鞘成分(10重量%)として、エクストルーダー型複合紡糸機で270℃で溶融し、孔径1.0mmの口金を通して紡糸し、さらに20℃の水中で冷却した。
次に、この未延伸糸を100℃の水蒸気延伸浴中で3.6倍に一段目延伸し、更に180℃の乾熱浴中で1.78倍に二段目延伸(全延伸倍率6.4倍)した後、引き続いて170℃の乾熱浴中に処理倍率0.9倍で通過させ熱処理を施すことにより、直径0.25mmで表1に示した特性を有する複合モノフィラメントを得た。
[比較例1]
実施例1において、芯成分の重量比率を99%、鞘成分の重量比率を1%とした以外は、実施例1と同様な条件を採用したが、鞘成分のEFEPが発泡して複合モノフィラメントを得ることができなかった。
実施例1において、芯成分の重量比率を99%、鞘成分の重量比率を1%とした以外は、実施例1と同様な条件を採用したが、鞘成分のEFEPが発泡して複合モノフィラメントを得ることができなかった。
[比較例2]
実施例1において、芯成分の重量比率を50%、鞘成分の重量比率を50%とした以外は、実施例1と同様な条件を採用して、直径0.25mmで表1に示した特性を有する複合モノフィラメントを得た。
実施例1において、芯成分の重量比率を50%、鞘成分の重量比率を50%とした以外は、実施例1と同様な条件を採用して、直径0.25mmで表1に示した特性を有する複合モノフィラメントを得た。
[比較例3]
N6/66(東レ製M6041:融点195、ガラス転移温度45℃)を芯成分(90重量%)とし、ETFE(ダイキン工業製ネオフロンETFE:融点265℃、ガラス転移温度100℃)を鞘成分(10重量%)として、エクストルーダー型複合紡糸機で290℃で溶融し、孔径1.0mmの口金を通して紡糸し、さらに20度℃の水中で冷却した。
N6/66(東レ製M6041:融点195、ガラス転移温度45℃)を芯成分(90重量%)とし、ETFE(ダイキン工業製ネオフロンETFE:融点265℃、ガラス転移温度100℃)を鞘成分(10重量%)として、エクストルーダー型複合紡糸機で290℃で溶融し、孔径1.0mmの口金を通して紡糸し、さらに20度℃の水中で冷却した。
次に、この未延伸糸を100℃の水蒸気延伸浴中で3.6倍に延伸し、更に180℃の乾熱浴中で1.67倍に二段目延伸(全延伸倍率6.0倍)した後、引き続いて170℃の乾熱浴中に処理倍率0.9倍で通過させ熱処理を施すことにより、直径0.25mmで表1に示した特性を有する複合モノフィラメントを得た。
[比較例4]
実施例1において、孔径0.2mmの口金を使用した以外は、実施例1と同様な条件で直径0.03mmの複合モノフィラメントを得ようとしたが、鞘部分のEFEPが発泡して複合モノフィラメントを得ることができなかった。
実施例1において、孔径0.2mmの口金を使用した以外は、実施例1と同様な条件で直径0.03mmの複合モノフィラメントを得ようとしたが、鞘部分のEFEPが発泡して複合モノフィラメントを得ることができなかった。
[比較例5]
実施例1において、孔径20mmの口金を使用した以外は、実施例1と同様な条件を採用して、直径6.0mmで表1に示した特性を有する複合モノフィラメントを得た。
実施例1において、孔径20mmの口金を使用した以外は、実施例1と同様な条件を採用して、直径6.0mmで表1に示した特性を有する複合モノフィラメントを得た。
[実施例5]
実施例1において、N6/66(東レ製M6041:融点195℃、ガラス転移温度45℃を島成分(3島、90重量%)とし、EFEP(ダイキン工業製EFEP、RP−5000:融点200℃、ガラス転移温度75℃)を海成分(10重量%)とした以外は、実施例1と同様な条件を採用して、直径0.25mmで表2に示した特性を有する複合モノフィラメントを得た。
実施例1において、N6/66(東レ製M6041:融点195℃、ガラス転移温度45℃を島成分(3島、90重量%)とし、EFEP(ダイキン工業製EFEP、RP−5000:融点200℃、ガラス転移温度75℃)を海成分(10重量%)とした以外は、実施例1と同様な条件を採用して、直径0.25mmで表2に示した特性を有する複合モノフィラメントを得た。
[比較例6]
比較例3において、N6/66(東レ製M6041:融点195℃、ガラス転移温度45℃)を島成分(3島、90重量%)とし、ETFE(ダイキン製ネオフロンETFE:融点265℃、ガラス転移温度100℃)を海成分(10重量%)とした以外は、比較例3と同様な条件を採用して、直径0.25mmで表2に示した特性を有する複合モノフィラメントを得た。
比較例3において、N6/66(東レ製M6041:融点195℃、ガラス転移温度45℃)を島成分(3島、90重量%)とし、ETFE(ダイキン製ネオフロンETFE:融点265℃、ガラス転移温度100℃)を海成分(10重量%)とした以外は、比較例3と同様な条件を採用して、直径0.25mmで表2に示した特性を有する複合モノフィラメントを得た。
一方、芯/鞘重量比率が本発明の範囲から外れた複合モノフィラメント(比較例1、2)および直径が本発明から外れた複合モノフィラメント(比較例4、5)は、鞘成分のEFEPが発泡して複合モノフィラメントが得られなかったり、本発明が目的とする効果を十分に満たすものではなかった。
また、鞘成分または島成分にETFEを用いた複合モノフィラメント(比較例3、6)は、界面剥離の点で本発明が目的とする効果を十分に満たすものではなかった。
以上説明したように、本発明の複合モノフィラメントは、表層部が水との接触角が大きいフッ素系樹脂で構成されていることから撥水性に優れ、且つそのフッ素系樹脂はポリアミド系樹脂と接着性の良い反応性基を有し、界面剥離が従来になく改善されることから、各種水産用途および産業用途に有用である。そして、本発明の複合モノフィラメントは、強靱なポリアミド系樹脂を主体として、引張強度が500MPa以上、結節強度が300MPa以上の物性を発揮することから、とりわけ釣糸用途に極めて有用である。
Claims (7)
- ポリアミド系樹脂からなる芯部と、反応性基を有する変性エチレンテトラフルオロエチレン共重合樹脂からなる鞘部とから構成された直径が0.05mm以上5.0mm以下の芯鞘型複合モノフィラメントであって、芯部と鞘部の重量比率が60対40から97対3の範囲にあることを特徴とする複合モノフィラメント。
- ポリアミド系樹脂からなる島部と、反応性基を有する変性エチレンテトラフルオロエチレン共重合樹脂からなる海部とから構成された直径が0.05mm以上5.0mm以下の海島型複合モノフィラメントであって、島部と海部の重量比率が60対40から97対3の範囲にあることを特徴とする複合モノフィラメント。
- 前記反応性基を有する変性エチレンテトラフルオロエチレン共重合樹脂がエチレンパーフルオロエチレンプロペン共重合樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の複合モノフィラメント。
- 前記エチレンパーフルオロエチレンプロペン共重合樹脂の融点が150℃から230℃の範囲にあり、且つガラス転移温度が20℃から85℃の範囲にあることを特徴とする請求項3記載の複合モノフィラメント。
- 前記ポリアミド系樹脂がポリカプラミド、ポリヘキサメチレンアジパミド、カプラミドとヘキサメチレンアジパミドとの共重合樹脂、カプラミドとドデカミドとの共重合樹脂、ポリウンデカミドおよびポリドデカミドから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の複合モノフィラメント。
- 引張強度が500MPa以上、結節強度が300MPa以上であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の複合モノフィラメント。
- 請求項1から6のいずれか1項記載の複合モノフィラメントからなることを特徴とする釣糸。
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