JP2005076077A - 軸受部品、その熱処理方法、熱処理装置および転がり軸受 - Google Patents

軸受部品、その熱処理方法、熱処理装置および転がり軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】 転動疲労に対して長寿命であり、かつ高い割れ強度を有し、かつ経年寸法変化率の増大が抑制された軸受部品、その熱処理方法、熱処理装置および転がり軸受を提供する。
【解決手段】 軸受部品の鋼をA1変態点を超える温度T1で熱処理した後、A1変態点未満の温度に冷却し、その後、A1変態点以上で上記熱処理の温度T1未満の焼入れ温度域に再加熱し、焼入れを行い、かつその焼入れは焼入れ強烈度0.1cm-1以上の冷却媒体を用いて行なう。
【選択図】 図1

Description

本発明は、転動疲労に対し長寿命で、かつ高い耐割れ強度や耐経年寸法変化が必要とされる部位に用いられる軸受部品、その熱処理方法、熱処理装置および転がり軸受に関し、より具体的には、減速機、ドライブピニオンやトランスミッション用軸受に用いられる軸受部品、その熱処理方法、熱処理装置および転がり軸受に関するものである。
軸受部品の転動疲労に対して長寿命を与える熱処理方法として、焼入れ加熱時の雰囲気RXガス中にアンモニアガスを添加するなどして、その軸受部品の表層部に浸炭窒化処理を施す方法がある(たとえば特開平8−4774号公報、特開平11−101247号公報)。この浸炭窒化処理を用いることにより、ミクロ組織中に残留オーステナイトを生成させ、転動疲労寿命を向上させることができる。
特開平8−4774号公報 特開平11−101247号公報
しかしながら、上記の浸炭窒化処理方法は拡散処理のため、長時間高温に保持する必要があるので、割れ強度の向上を図ることは困難である。また、残留オーステナイトの増加による経年寸法変化率の増大も問題となる。
一方、転動疲労に対して長寿命を確保し、割れ強度を向上させ、経年寸法変化率の増大を防ぐには、鋼の合金設計によって行なうことが可能である。しかし合金設計によると、原材料コストが高くなるなどの問題点が発生する。
今後の軸受部品には、使用環境の高荷重化、高温化に伴い、従来よりも、大きな荷重条件でかつより高温で使用できる特性を備えることが要求される。このため、転動疲労に長寿命で、高強度、かつ高い寸法安定性を有する軸受部品が必要になる。
本発明は、転動疲労に対して長寿命であり、かつ高い割れ強度を有し、かつ経年寸法変化率の増大が抑制された軸受部品、その熱処理方法、熱処理装置および転がり軸受を提供することを目的とする。
本発明の軸受部品の熱処理方法は、軸受部品の熱処理方法であって、軸受部品の鋼のA1変態点を超える温度で熱処理した後、A1変態点未満の温度に冷却し、その後、A1変態点以上で上記熱処理の温度未満の焼入れ温度域に再加熱し、焼入れを行い、かつその焼入れは焼入れ強烈度0.1cm-1以上の冷却媒体を用いて行なう(請求項1)。
この構成により、上記の熱処理の温度に加熱した後、A1変態点未満の温度に冷却した後に上記熱処理の温度よりも低い温度に加熱して最終的な焼入れを行うので、オーステナイト粒径を細かくすることができる。とくに注意すべきことは、上記の方法によれば軸受部品の内部も表層部と同じ程度に微細化できることである。ここで、オーステナイト粒とは、焼入れ前のオーステナイト粒の粒界が焼入れ後もその跡が残っており、この焼入れ後に残っている跡から得られるオーステナイト粒をさす。
また2回目の低温焼入れに焼入れ強烈度0.1cm-1以上の冷却媒体を用いることにより、耐久性等を確保するのに十分な硬度を得ることができる。
十分な硬度を得るためには上記の焼入れ冷却媒体を用いることがとくに重要であり、上記の冷却媒体の焼入れ強烈度が0.1cm-1未満の場合、軸受部品の表面から2mmの位置で、加熱温度から400℃下がるまでの平均冷却速度を20℃/秒以上とすることが困難となり十分な硬度が得られない。このため、上記冷却媒体の焼入れ強烈度を0.1cm-1以上とする。より好ましくは0.13cm-1以上とする。
通常、非常に微細なオーステナイト粒を得ようとすると、微細な粒と粗大な粒とが混在した混粒となりやすい。微細なオーステナイト粒を得ようとするとき混粒になりやすい現象は、オーステナイト粒界の界面エネルギーが増大することから熱力学的に説明される。オーステナイト粒が混粒になると、その機械的性質は粗大な粒によって決まってしまい、折角、大部分の領域で微細粒を得ても機械的性質の向上はそれほど期待できない。
上記の製造方法を用い、混粒を避け微細なオーステナイト粒を得ることにより、シャルピー衝撃値、破壊靭性値、割れ強度、転動疲労寿命などを向上させることができる。なお、混粒ではなくほぼ揃った粒からなる組織を整粒、または整粒組織という。整粒と混粒との区別はあとで説明する。
この方法によれば、整粒の微細オーステナイト粒を得ることのほかにさらに、たとえばオーステナイトが変態する温度にまで冷却することにより、浸炭窒化処理の際のオーステナイト粒界と最終焼入れの際のオーステナイト粒界とを無関係にすることができる。浸炭窒化処理の際のオーステナイト粒界には、その粒界に沿って炭化物や窒化物が析出している領域がある。このため、そのまま焼入れの際のオーステナイト粒界に引き継がれると、その領域では、炭化物や窒化物は、オーステナイト粒界に沿ったまま残存する。このようなオーステナイト粒界に沿う炭化物や窒化物は、縁の部分が刃状になる傾向があり、応力集中度を増大させ、転動疲労における割れ起点になりやすいと考えられる。本発明の熱処理方法によれば、浸炭窒化処理の際にその時点のオーステナイト粒界に炭化物や窒化物が析出する。しかし、オーステナイトが変態した後、再加熱してオーステナイト化した時点にできるオーステナイト粒界は浸炭窒化処理時のオーステナイト粒界とは、通常、無関係である。このため、浸炭窒化処理時に生成した炭化物や窒化物は、縁の部分が、(炭化物/マトリックス)界面を減らすために厚く丸みを帯びる傾向がある。この結果、炭化物や窒化物は、耐摩耗性や高温での変形抵抗向上などに寄与しながら、割れ起点として作用しにくくなる。
なお、軸受部品用の鋼とは、軸受部品に通常用いられる鋼であって、普通焼入れなどの熱処理が適用されて用いられる鋼である。
上記本発明の軸受部品の熱処理方法では、A1変態点を超える温度での熱処理が浸炭窒化処理であって、再加熱時の焼入れ温度域を、790℃〜830℃の温度域とすることができる(請求項2)。
この構成により、オーステナイト結晶粒の成長が生じにくい温度に再加熱して焼入れするので、オーステナイト粒径を細かくすることができる。
本発明の軸受部品は、上記のいずれかの軸受部品の熱処理方法が行われ、オーステナイト結晶粒の粒度番号が10番を超えるようにしてもよい(請求項3)。
オーステナイト粒の粒度番号を10番(JIS規格)を超えるように微細化し、かつ整粒とすることにより、転動疲労強度のみならず、シャルピー衝撃値、破壊靭性値、圧壊強度などを向上させることができる。上記の効果は、浸炭窒化処理をする場合には浸炭窒化処理後、オーステナイト変態進行または終了温度まで冷却した場合、オーステナイト粒径の微細化だけでなく、焼入れ時のオーステナイト粒界が炭化物や窒化物から離脱することによる炭化物や窒化物の縁部の形状が刃状でなくなる変化も寄与していると考えられる。なお、上記の方法によれば浸炭窒化処理をした場合でも、軸受部品の内部も表層部と同じ程度に微細化される。
本発明の軸受部品の鋼は、浸炭窒化処理された表層以外の部分で、炭素を0.6〜1.2重量%、ケイ素を0.15〜1.1重量%、マンガンを0.3〜1.5重量%含むことができる(請求項4)。
上記の構成において、炭素が1.2重量%を超えると、球状化焼鈍を行っても素材硬度が高いので冷間加工性を阻害し、冷間加工を行う場合に十分な冷間加工量と、加工精度を得ることができない。また、浸炭窒化処理時に過浸炭組織になりやすく、割れ強度が低下する危険性がある。他方、炭素含有量が0.6重量%未満の場合には、所要の表面硬さと残留オーステナイト量を確保するのに長時間を必要としたり、再加熱後の焼入れで必要な内部硬さが得られにくくなる。
Si含有率を0.15〜1.1重量%とするのは、Siが耐焼戻し軟化抵抗を高めて耐熱性を確保し、異物混入潤滑下での転がり疲労寿命特性を改善することができるからである。シリコン含有率が0.15重量%未満では異物混入潤滑下での転がり疲労寿命特性が改善されず、一方、1.1重量%を超えると焼きならし後の硬度を高くしすぎて冷間加工性を阻害する。
Mnは浸炭窒化層と芯部の焼入れ硬化能を確保するのに有効である。Mn含有率が0.3重量%未満では、十分な焼入れ硬化能を得ることができず、芯部において十分な強度を確保することができない。一方、Mn含有率が1.5重量%を超えると、硬化能が過大になりすぎ、焼きならし後の硬度が高くなり冷間加工性が阻害される。
本発明の軸受部品の鋼は、さらに、2.0重量%以下のクロムを含むことができる(請求項5)。
上記のように、さらに、2.0重量%以下のクロムを含むことにより、表層部においてクロムの炭化物や窒化物を析出して表層部の硬度を向上しやすくなる。Cr含有率を2.0重量%以下としたのは、2.0重量%を超えると冷間加工性が著しく低下したり、2.0重量%を超えて含有しても上記表層部の硬度向上の効果が小さいからである。
上記のオーステナイト結晶粒が整粒から構成されるようにできる(請求項6)。
整粒にすることにより、オーステナイト粒を微細化した効果を確実に得ることができる。
本発明の軸受部品は、転がり軸受における軌道輪および転動体の少なくとも一方であるようにできる(請求項7)。
この構成により、転動疲労寿命に優れ、高い耐割れ性を有する軌道輪および/または転動体を得ることができる。
本発明の転がり軸受は、上記のいずれかの軸受部品を含むことができる(請求項8)。
この構成により、疲労寿命に対する耐久性に優れ、高い耐割れ性を有する転がり軸受を得ることができる。
本発明の熱処理装置は、上記の熱処理方法に用いられる装置であって、無限軌道状に軸受部品を連続的に前方側から後方側へと搬送する搬送部と、前方側と後方側との間に位置し、搬送される軸受部品を上記熱処理の温度未満の焼入れ温度域に再加熱する加熱手段を備える本体部と、本体部の後方側に配置され、搬送部から送り出される前記軸受部品を焼き入れる冷却媒体を貯留するための冷却媒体槽とを備えている(請求項9)。
上記の熱処理装置では、個々の軸受部品を搬送部に載置するので、ラジアントチューブ、ヒータ、ガスバーナーなどの加熱手段により加熱された炉内雰囲気に大きな表面積で触れることができる。このため、バケットにまとめて収容されてバッチ式に熱処理される方法に比べて、加熱速度が大きくなり混粒になりにくい。また、焼入れにおいても、後方側に配置した冷却媒体に個々の軸受部品が、たとえば滑り台のようなガイドを通って浸漬され、焼き入れられる。このため、やはりバケットにまとめられてバッチ式に焼き入れる方法に比較して、大きな冷却速度で焼き入れることができる。また、加熱終了から焼入れまで人間の手を用いることなく、直接、連続的に行なうので、たとえば加熱温度から焼入れまでの時間がかかり、焼きが入りにくくなるなどの不都合を除くことができる。
この結果、大量の製品について、硬度など機械的性質を製品ばらつきなくいずれの製品も同等に向上させ、耐久性などを向上させることができる。このため、製品に対する信頼性を高めることができる。
次に図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。図1および図2に、本発明の実施の形態における熱処理方法を示す。図1は1次焼入れおよび2次焼入れを行なう方法を示す熱処理パターンであり、図2は焼入れ途中で材料をA1変態点温度未満に冷却し、その後、再加熱して最終的に焼入れる方法を示す熱処理パターンである。これらの図において、処理T1では鋼の素地に炭素や窒素を拡散させまた炭素の溶け込みを十分に行なった後、A1変態点未満に冷却する。次に、図中の処理T2において、処理T1よりも低温に再加熱し、そこから油焼入れを施す。
図1および図2において注意すべき点は、(1)温度T2からの焼入れにおける冷却媒体の焼入強烈度(冷却能:JIS規格)を0.1cm-1以上とすること、または温度T2から焼き入れる際に、軸受部品の表面から2mmの位置で加熱温度から400℃下がるまでの平均冷却速度を20℃/秒以上とすることの2点、および(2)温度T2に加熱する際の昇温速度を、軸受部品の表面から2mmの位置で3℃/分以上にすることである。(1)により、耐久性等を確保するのに十分な硬度を得ることができ、また(2)により混粒のない微細オーステナイト粒を得ることができる。また、適切な量の残留オーステナイトを得るためにも重要である。
図3は、上記の平均冷却速度を説明する図である。図3は加熱温度T2が800℃の場合を示す。昇温速度は、A1点からT2までの平均昇温速度とする。また、加熱温度T2から400℃低い温度までの平均冷却速度が20℃/秒以上ということは、図3に示すA点が横軸20秒以下であればよい。
上記の熱処理によれば、浸炭窒化処理の後冷却し、その後低温に再加熱して焼き入れることに起因して組織が微細化されるため、表層部分を浸炭窒化した上で、割れ強度を向上させ、経年寸法変化率を減少することができる。上記本発明の熱処理方法によれば、オーステナイト結晶粒の粒径を従来の2分の1以下となるミクロ組織を得ることができる。上記の熱処理を受けた軸受部品は、転動疲労に対して長寿命であり、割れ強度を向上させ、経年寸法変化率も減少させることができる。
図4は、浸炭窒化処理が終了した軸受部品を温度T2に加熱する連続式の熱処理装置(連続炉)30を示す図である。この熱処理装置30は、後方側に油焼入れのための油33を貯留した油槽31を配置され、その油槽31に軸受部品21を浸漬するための焼入れ用ガイド27を備えている。軸受部品21は、無限軌道状に連続して回動する搬送部材25の上に、前方側から載置され、予熱部28などを経て本体部26へと搬送される。本体部26ではラジアントチューブ23などの加熱手段が配置され、軸受部品21を加熱する。加熱手段は、ヒータやガスバーナであってもよい。炉内雰囲気は、無酸化雰囲気であることが望ましいが、無酸化雰囲気でなくてもよい。
炉本体部26の容量などは、上記の昇温速度を確保するように設定する。軸受部品21が均質に加熱されるときに、軸受部品21は炉本体部26の後側に到達しているようにする。T2に均質加熱された軸受部品21は、焼入れ用ガイド27を通って油槽31に個々に連続的に落とされる。軸受部品21は、油槽31に配置された籠35に収容され、まとめて取り出される。焼入れは油を用いる必要はなく、各種の冷却媒体を用いることができる。焼入れ強烈度0.1cm-1以上を満たすことができれば、溶融塩、表面活性剤を含んだ水、単なる水など、どのような冷却媒体でもよい。
バッチ式でも、上記の昇温速度を確保することはできるが、無数の軸受部品の熱処理をバケットに収容してまとめて行なうと、製品位置によっては十分な冷却速度を得ることができない場合がある。上記の連続式の熱処理装置は、大量の製品を同一の同じ品質に揃えることができる。上記の油槽または冷却媒体貯留槽は、連続的に個別に軸受部品が浸漬され焼き入れる状況に合わせて、冷却媒体の温度が所定の上限を超えないように、冷却媒体の温度を所定範囲内にするように冷却装置などを備えておくことが望ましい。また、冷却装置を備えない場合は、対象とする軸受部品が連続式の上記再加熱と焼入れとを終了する間に、上記冷却媒体が所定の上限温度を超えないように、所定の容量を有することが望ましい。
上記図1に示す熱処理パターンを適用した軸受鋼のオーステナイト結晶粒度を図5(a)に示す。また、比較のため、従来の熱処理方法による軸受鋼のオーステナイト結晶粒度を図5(b)に示す。用いた鋼材は、いずれもJIS規格SUJ2材(1.0重量%C-0.25重量%Si-0.4重量%Mn-1.5重量%Cr)である。また、図6(a)および図6(b)に、上記図5(a)および図5(b)を図解したオーステナイト結晶粒度を示す。これらオーステナイト結晶粒度を示す組織より、従来のオーステナイト粒径はJIS規格の粒度番号で10番であり、また本発明による熱処理方法によれば12番の細粒を得ることができる。また、図5(a)の平均粒径は、切片法で測定した結果、5.6μmであった。
次に、オーステナイト結晶粒の混粒生成に及ぼす加熱温度T2への昇温速度の影響について説明する。JIS規格SUJ2材を試験体として用い、図1に示すヒートパターンにしたがい、温度T2への昇温速度を変化させて、800℃にまで加熱した。そのあと、油焼入れを行ない、オーステナイト粒を調査した。結果を図7(a)〜(d)に示す。また、図8(a)〜(d)は、図7(a)〜(d)を図式化した図である。
図8(a)および(b)は、それぞれ昇温速度1℃/分および2.5℃/分で昇温したものであるが、微細オーステナイト粒の中に粗大なオーステナイト粒が生成している。粗大オーステナイト粒は微細なオーステナイト粒を併合しながら成長し、粗大であるにもかかわらず、その粒界は微細オーステナイトの粒界がそのまま残ったように小さい曲率でうねった部分が連続している。
図8(c)および(d)では、混粒における大きい部類の粒径と、小さい部類の粒径との差の程度が小さくなり、整粒といっていい組織になる。混粒組織は、JISG0551の定義にしたがう。上述のように、非常に微細なオーステナイト粒が得られるのは、上記昇温速度が3℃/分以上であり、上記昇温速度などが3℃/分未満の場合、非常に大きな粗大粒が成長する。この結果、耐久性などの機械的性質が劣化する。このような混粒組織を避ける上で、上記の昇温速度の限定は非常に有効である。
次に、同じ鋼材を用いて、油の焼入強烈度(冷却能)と、焼入れ硬度との関係を調査した。試験体の鋼材はJIS規格SUJ2材であり、試験体の形状はリング状とし、外径60mm、長さ10mmであり、内径、したがって肉厚を変化させた。肉厚は2mm〜8mmの範囲に変化させた。熱処理パターンは図1にパターンを採用し、温度T2からの焼入れにおける冷却油を変えることによって、焼入強烈度を変化させた。焼入強烈度の低い油としてはホット油、高い油としてコールド油を用い、これら中間の油としてセミホット油を用いた。焼入強烈度は0.1〜0.14cm-1の範囲に変化させた。焼入れ後、180℃で焼戻したのち、硬さを測定した。硬さは、各リング試験体の外周長さ中央部の表面から0.2mm深さ位置での平均ビッカース硬さ(HV)である。N数は3とした。結果を表1に示す。
Figure 2005076077
表1によれば、強烈度が0.1cm-1以上あれば、肉厚4mmでHV750を得ることができ、肉厚8mmでもHV600を得ることができる。したがって、強烈度としては、0.1cm-1以上を保っておけば、機械的性質を確保するのに十分な焼入れを行なうことができる。
次に、下記のA材、B材およびC材について、一連の試験を行った。熱処理用素材には、JIS規格SUJ2材(1.0重量%C-0.25重量%Si-0.4重量%Mn-1.5重量%Cr)を用い、A材〜C材に共通とした。
(A材:比較例):普通焼入れのみ(浸炭窒化処理せず)。
(B材:比較例):浸炭窒化処理後にそのまま焼き入れる(従来の浸炭窒化焼入れ)。
(C材:本発明例):図1の熱処理パターンを施した軸受鋼。
(1) 転動疲労寿命
転動疲労寿命試験の試験条件および試験装置の略図を、表2および図9に示す。つまり、φ12×L22の円筒形状の試験片1を、案内輪12に接する剛球13と駆動輪11との間で支持した状態で駆動輪11を回転駆動させ、そのときの寿命(L10寿命)を測定することにより行なった。またこの転動疲労寿命試験結果を表3に示す。
Figure 2005076077
Figure 2005076077
表3によれば、比較例のB材は、同じく比較例で普通焼入れのみを施したA材のL10寿命(試験片10個中1個が破損する寿命)の1.6倍を示し、浸炭窒化処理による長寿命化の効果が認められる。これに対して、本発明例のC材は、B材の2.7倍、またA材の5.0倍の長寿命を示している。この改良の主因はミクロ組織の微細化によるものと考えられる。
(2) シャルピー衝撃試験
シャルピー衝撃試験は、Uノッチ試験片を用いて、JISZ2242に準じた方法により行なった。試験結果を表4に示す。
Figure 2005076077
浸炭窒化処理を行なったB材(比較例)のシャルピー衝撃値は、普通焼入れのA材(比較例)より高くないが、C材はA材の約1.5倍の高い値が得られた。
(3) 静的破壊靭性値の試験
静的破壊靭性試験の試験片には、図10に示す試験体を用い、予き裂を約1mm導入した後に、3点曲げによる静的荷重を加え、破壊荷重Pを求めた。破壊靭性値(KIc値)の算出には次に示す(I)式を用いた。ただし、(I)式におけるBは試験片の厚みである。また、試験結果を表5に示す。
Ic=(PL√a/BW2){5.8-9.2(a/W)+43.6(a/W)2-75.3(a/W)3+77.5(a/W)4}…(I)
Figure 2005076077
予き亀裂深さが浸炭窒化層深さよりも大きくなったため、比較例のA材とB材とには違いはない。しかし、本発明例のC材は比較例に対して約1.2倍の値を得ることができた。
(4) 静圧壊強度試験
静圧壊強度試験片は図11に示す形状のものを用いた。図中、P方向に荷重を付加して、静圧壊強度試験を行なった。試験結果を表6に示す。
Figure 2005076077
浸炭窒化処理を行なっているB材は普通焼入れのA材よりもやや低い値である。しかしながら、本発明のC材は、B材よりも静圧壊強度が向上し、A材と遜色ないレベルが得られている。
(5) 経年寸法変化率
保持温度130℃、保持時間500時間における経年寸法変化率の測定結果を、表面硬度、残留オーステナイト量(0.1mm深さ)と併せて表7に示す。
Figure 2005076077
残留オーステナイト量の多いB材の寸法変化率に比べて、本発明例のC材は2分の1以下に抑制されていることがわかる。
(6) 異物混入潤滑下における寿命試験
玉軸受6206を用い、標準異物を所定量混入させた異物混入潤滑下での転動疲労寿命を評価した。試験条件を表8に、また試験結果を表9に示す。
Figure 2005076077
Figure 2005076077
A材に比べ、従来の浸炭窒化処理を施したB材は約2.5倍になり、また、本発明例のC材は約2.3倍の長寿命が得られた。本発明例のC材は、比較例のB材に比べて残留オーステナイトが少ないものの、窒素の侵入と微細化されたミクロ組織の影響でほぼ同等の長寿命が得られている。
上記の結果より、本発明例のC材、すなわち本発明の熱処理方法によって製造された軸受部品は、従来の浸炭窒化処理では困難であった転動疲労寿命の長寿命化、割れ強度の向上、経年寸法変化率の低減の3項目を同時に満足することができることがわかった。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態における熱処理方法を説明する図である。 本発明の実施の形態における熱処理方法の変形例を説明する図である。 本発明の実施の形態の熱処理方法における平均冷却速度を説明する図である。 本発明の実施の形態の熱処理方法で用いる熱処理装置の例を示す図である。 軸受部品のミクロ組織、とくにオーステナイト粒を示す図であり、(a)は本発明例の軸受部品であり、(b)は従来の軸受部品である。 (a)は図5(a)を図解した旧オーステナイト粒界を示し、(b)は図5(b)を図解した旧オーステナイト粒界を示す。 軸受部品のミクロ組織、とくにオーステナイト粒を示す図であり、それぞれ(a)は昇温速度1℃/分、(b)は昇温速度2.5℃/分、(c)は昇温速度7.5℃/分、(d)は昇温速度25℃/分である。 図解したオーステナイト粒界を示し、(a)は図7(a)、(b)は図7(b)、(c)は図7(c)、(d)は図7(d)に、それぞれ対応する。 転動疲労寿命試験機の概略図である。(a)は正面図であり、(b)は側面図である。 静的破壊靭性試験の試験片を示す図である。 静圧壊強度試験の試験片を示す図である。
符号の説明
1 転動疲労寿命試験片、11 駆動輪、12 案内輪、13 剛球、T1 浸炭窒化処理温度、T2 焼入れ加熱温度、21 軸受部品、23 ラジアントチューブ、25 搬送部材、26 本体部、27 焼入れ用ガイド、28 予熱部、30 熱処理装置、31 油槽、33 焼入油、35 バケット。

Claims (9)

  1. 軸受部品の熱処理方法であって、前記軸受部品の鋼のA1変態点を超える温度で熱処理した後、A1変態点未満の温度に冷却し、その後、前記A1変態点以上で前記熱処理の温度未満の焼入れ温度域に再加熱し、焼入れを行い、かつ前記焼入れは焼入れ強烈度0.1cm-1以上の冷却媒体を用いて行なう、軸受部品の熱処理方法。
  2. 前記A1変態点を超える温度での熱処理が浸炭窒化処理であって、前記焼入れ温度域が790℃〜830℃の温度域である、請求項1に記載の軸受部品の熱処理方法。
  3. 前記請求項1または2に記載の軸受部品の熱処理方法が行われ、オーステナイト結晶粒の粒度番号が10番を超える、軸受部品。
  4. 前記軸受部品の鋼が、浸炭窒化処理された表層以外の部分で、炭素を0.6〜1.2重量%、ケイ素を0.15〜1.1重量%、マンガンを0.3〜1.5重量%含む、請求項3に記載の軸受部品。
  5. 前記軸受部品の鋼が、さらに、2.0重量%以下のクロムを含む、請求項4に記載の軸受部品。
  6. 前記オーステナイト結晶粒が整粒から構成される、請求項3〜5のいずれかに記載の軸受部品。
  7. 前記軸受部品が、転がり軸受における軌道輪および転動体の少なくとも一方である、請求項3〜6のいずれかに記載の軸受部品。
  8. 前記請求項3〜7のいずれかの軸受部品を含む、転がり軸受。
  9. 前記請求項1または2に記載の熱処理方法に用いられる熱処理装置であって、無限軌道状に前記軸受部品を連続的に前方側から後方側へと搬送する搬送部と、前記前方側と後方側との間に位置し、前記搬送される軸受部品を前記熱処理の温度未満の焼入れ温度域に再加熱する加熱手段を備える本体部と、前記本体部の後方側に配置され、前記搬送部から送り出される前記軸受部品を焼き入れる冷却媒体を貯留するための冷却媒体槽とを備えた、熱処理装置。
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