JP2005075688A - ガーネット型単結晶の育成方法 - Google Patents

ガーネット型単結晶の育成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】育成結晶の大型化や、結晶の方位制御が可能であるとともに、結晶の組成ずれを起こすことがないガーネット型単結晶の育成方法を提供すること
【解決手段】本発明のガーネット型単結晶の育成方法は、溶融した少なくともXFe12[但し、Xは、Y(イットリウム)、(Bi,Re(但し、Reは、希土類元素である。))、または(Bi,Tb)を示す。]を晶出する融液に、種結晶を接触させた後、前記種結晶を引き上げてXFe12単結晶を育成しながら、引き上げた前記単結晶と同じ重量で、同じ組成を有する原料を前記融液に供給する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ガーネット型単結晶の育成方法に関し、詳しくは、XFe12[但し、Xは、Y(イットリウム)、(Bi,Re(但し、Reは、希土類元素である。))、または(Bi,Tb)を示す。]で表されるガーネット型単結晶の育成方法に関する。
従来、光通信分野では、光アイソレータ素子や、光サーキュレータ素子が広く利用されている。光アイソレータ素子は、信号光の伝達特性に悪影響を及ぼす反射戻り光を除去する機能を有する。また、光サーキュレータ素子は、波長多重通信において必要な信号光だけを取り出したり、新たな信号光を多重化する光分岐挿入装置に使用されている。
これら光アイソレータ素子および光サーキュレータ素子としては、磁気光学効果の一種であるファラデー効果を有する材料が利用される。これら材料の具体例として、例えば、YFe12単結晶、(Bi,Re)Fe12単結晶、および(Bi,Tb)Fe12単結晶が挙げられている。YFe12単結晶等は、1.3〜1.6μmの通信波長帯域で使用可能な磁気光学材料として広く用いられている。
Fe12単結晶は、分解溶融する材料であるため、このYFe12単結晶の育成においては、通常の引上げ法(チョクラルスキー法)により、YFe12組成の融液から、直接、YFe12単結晶を育成することはできない。このため、フラックスを使用した単結晶の育成が行われてきている。さらに、(Bi,Re)Fe12単結晶、や(Bi,Tb)Fe12単結晶についても明確な相図はないものの、同様に直接、引上げ法により育成できないと考えられる。
Fe12単結晶においては、バルク単結晶の育成が主流であり、育成方法としては、フラックス徐冷法、TSFZ(Travelling Solvent Floating Zone:溶融帯移動FZ)法、溶液引上げ法等が挙げられる。
フラックス徐冷法は、単結晶の構成元素であるY、Fe以外の物質をフラックスとして用い、溶融後に徐冷することでYFe12単結晶を育成する方法である。
TSFZ法は、集光加熱式FZ法を一部改良した方法である。この方法は、Y−Fe系相図において、YFe12単結晶が晶出するFe成分が過剰となる組成範囲を溶媒として用い、この溶媒成分を溶融した後、YFe12組成の焼結棒を共有するとともに種結晶を使用して、YFe12単結晶を育成する方法である。この種結晶としては、YFe12単結晶が用いられる(特許文献1参照)。
溶液引上げ法は、Y−Fe系相図において、YFe12単結晶が晶出するFe成分過剰融液(Feが86〜77mol%の範囲)から種結晶を使用して、YFe12単結晶を引上げる方法である(特許文献2参照)。
特開昭53−12800号公報(請求項1) 特開昭54−133481号公報(請求項1)
一方、(Bi,Re)Fe12単結晶、および(Bi,Tb)Fe12単結晶においては、単結晶膜の育成が主流であり、LPE(液相エピタキシャル)法が適用されている。この他には、フラックス徐冷法によるバルク状単結晶の育成方法等が挙げられる。
LPE法は、単結晶の構成元素以外に、フラックスとしてPbO、B、過剰のBiを添加した融液を用い、水平に保持した単結晶基板を溶解液面につけた後、回転させながら単結晶膜を成長させる方法である。この単結晶膜の育成方法としては、(Bi,Tb)Fe12単結晶の育成方法(特許文献3参照)や、(Bi,Tb,Gd)Fe12単結晶の育成方法(特許文献4参照)が挙げられる。
特開昭62−105931号公報(実施例1) 特開昭63−35421号公報(第2頁)
しかしながら、YFe12単結晶、(Bi,Re)Fe12単結晶、および(Bi,Tb)Fe12単結晶の育成方法においては、以下に示すような問題点がある。
Fe12単結晶の育成方法において、フラックス徐冷法を適用した場合、YFe12単結晶を構成するFe成分およびY以外の成分をフラックスとして使用するため、YFe12単結晶の構成元素以外のフラックス成分が混入することで、結晶品質が低下するため、光学特性が低下するという問題がある。また、この方法においては、成長する単結晶の方位制御を行うことができないという問題もある。
Fe12単結晶の育成方法において、前記特許文献1に記載のTSFZ法を適用した場合には、Y−Fe系相図において、YFe12単結晶が晶出するY−Feを溶媒として用いるので、構成元素以外の成分が混入することはなく、成長結晶の方位制御も可能であるが、育成の単結晶の大型化が困難であり、通常、直径10mm程度までしか結晶径を大きくできないという問題がある。
Fe12単結晶の育成方法において、前記特許文献2に記載の溶液引上げ法を適用した場合にも、Y−Fe系相図において、YFe12単結晶が晶出するY−Feを溶媒として用いるので、構成元素以外の成分が混入することはなく、成長結晶の方位制御も可能である。しかしながら、結晶の育成が進行するにつれて融液組成が変化するため結晶が晶出する温度が変化し、融液量も減少するため結晶育成条件の制御が困難である。また、共晶点に到達するまでの範囲でしか結晶育成が行えないため、結晶の大型化が困難である。さらに、Y−Fe系相図において、YFe12相に固溶領域があるとの報告例もあり、この場合、結晶引上げ育成が進行するにつれて晶出する結晶組成が変化してしまい、同一結晶で育成方向に組成ずれが生じるという問題もある。
一方、(Bi,Re)Fe12単結晶、および(Bi,Tb)Fe12単結晶の育成方法において、前記特許文献3や特許文献4に記載のLPE法を適用した場合、単結晶膜を成長させるために、単結晶基板を用いる。この単結晶基板の材料としては、(Gd,Ca)(Ga,Mg,Zr)12単結晶が、主として用いられるが、この単結晶基板の材料と、成長させる単結晶膜の材料との格子定数を一致させる必要がある。また、これら材料に熱膨張係数の差があると、クラックやそりの発生原因となり、結果として成長させる単結晶膜の膜質の劣化や素子作成時の歩留まり低下を生じている。
さらに、良質な単結晶膜が得られる膜厚には500〜600μm程度と限界がある。このため、必ずしも材料特性に優れた組成で単結晶膜を育成することができず、限界膜厚以下で素子特性を満足させるように、単結晶膜の材料の組成や添加・置換元素を設計する必要がある。
このように、LPE法の場合、製法面に起因した単結晶の材料の組成選択の制約が多くなっている。LPE法に使用する融液には、通常、単結晶の構成元素以外にフラックスとして、PbOやBが使用される。こうしたフラックス成分が成長させる単結晶膜中に混入し、特性劣化を起こすという可能性もある。
(Bi,Re)Fe12単結晶、および(Bi,Tb)Fe12単結晶の育成方法において、前記フラックス徐冷法を適用した場合、同様に、単結晶の構成元素以外のフラックス成分が混入することで、結晶品質が低下するため、光学特性が低下するという問題がある。また、この方法においては、成長する単結晶の方位制御を行うことができないという問題もある。
本発明は、このような従来の問題点を解消し、育成結晶の大型化や、結晶の方位制御が可能であるとともに、結晶の組成ずれを起こすことがないガーネット型単結晶の育成方法を提供することをその課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のガーネット型単結晶の育成方法は、溶融した少なくともXFe12[但し、Xは、Y(イットリウム)、(Bi,Re(但し、Reは、希土類元素である。))、または(Bi,Tb)を示す。]を晶出する融液に、種結晶を接触させた後、前記種結晶を引き上げてXFe12単結晶を育成しながら、引き上げた前記単結晶と同じ重量で、同じ組成を有する原料を前記融液に供給することを特徴とする。
本発明のガーネット型単結晶の育成方法においては、前記ガーネット型単結晶の育成方法において、Xは、Y(イットリウム)である場合には、前記融液は、Y−Fe系相図において、YFe12が晶出する、Fe:Y=86〜77mol%:14〜23mol%の組成を有することが好ましい。
本発明のガーネット型単結晶の育成方法においては、Xは、Y(イットリウム)である場合には、前記融液は、るつぼで溶融し、前記るつぼは、外部るつぼと、この外部るつぼ内に設けられた内部るつぼと、前記外部るつぼおよび前記内部るつぼ内の融液を流通させる流通路とを備えて成ることが好ましい。
本発明のガーネット型単結晶の育成方法においては、Xは、Y(イットリウム)である場合には、前記種結晶は、YFe12単結晶および/またはGdGa12単結晶であることが好ましい。
また、本発明のガーネット型単結晶の育成方法においては、Xは、(Bi,Re(但し、Reは、希土類元素である。))である場合には、るつぼ内で溶融した少なくとも(Bi,Re)Fe12を晶出する融液に、種結晶を接触させた後、前記種結晶を引き上げて(Bi,Re)Fe12単結晶を育成しながら、引き上げた前記単結晶と同じ重量で、同じ組成を有する原料を前記融液に供給することを特徴とする。
本発明のガーネット型単結晶の育成方法においては、Xは、(Bi,Re(但し、Reは、希土類元素である。))である場合には、前記融液は、るつぼで溶融し、前記るつぼは、外部るつぼと、この外部るつぼ内に設けられた内部るつぼと、前記外部るつぼおよび前記内部るつぼ内の融液を流通させる流通路とを備えて成ることが好ましい。
本発明のガーネット型単結晶の育成方法においては、Xは、(Bi,Re(但し、Reは、希土類元素である。))である場合には、前記種結晶は、(Bi,Re)Fe12単結晶および/または(Gd,Ca)(Ga,Mg,Zr)12単結晶であることが好ましい。
さらに、本発明のガーネット型単結晶の育成方法においては、前記ガーネット型単結晶の育成方法において、Xは、(Bi,Tb)である場合には、るつぼ内で溶融した少なくとも(Bi,Tb)Fe12を晶出する融液に、種結晶を接触させた後、前記種結晶を引き上げて(Bi,Tb)Fe12単結晶を育成しながら、引き上げた前記単結晶と同じ重量で、同じ組成を有する原料を前記融液に供給することを特徴とする。
本発明のガーネット型単結晶の育成方法においては、Xは、(Bi,Tb)である場合には、前記融液は、るつぼで溶融し、前記るつぼは、外部るつぼと、この外部るつぼ内に設けられた内部るつぼと、前記外部るつぼおよび前記内部るつぼ内の融液を流通させる流通路とを備えて成ることが好ましい。
本発明のガーネット型単結晶の育成方法においては、Xは、(Bi,Tb)である場合には、前記種結晶は、(Bi,Tb)Fe12単結晶および/または(Gd,Ca)(Ga,Mg,Zr)12単結晶であることが好ましい。
本発明によれば、育成結晶の大型化や、結晶の方位制御が可能であるとともに、結晶の組成ずれを起こすことがないガーネット型単結晶の育成方法を提供することができる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態のガーネット型単結晶の育成方法、すなわち、XFe12[但し、Xは、Y(イットリウム)、(Bi,Re(但し、Reは、希土類元素である。))、または(Bi,Tb)を示す。]の育成方法は、Xが、Y(イットリウム)の場合であり、すなわち、YFe12単結晶の育成方法である。
第1実施形態に係るYFe12単結晶の育成方法で使用する原料供給引上装置1について説明する。原料供給引上装置1は、図1に示されるように、チャンバー2と、チャンバー2の上部に設置される重量検出部3と、チャンバー2の上部に設置される原料供給装置4と、自動原料供給制御部5と、チャンバー2内部に設けられる耐火物6と、耐火物6側方に設けられるヒータ−7と、耐火物6内に設けられたるつぼ8と、耐火物6内に設けられ、るつぼ8の下方に設けられたるつぼ回転部9とを備えて成る。
重量検出部3は、得られるYFe12単結晶の重量を測定するのに、十分な精度を有するものであればよい。この重量検出部3の下部には、引上げ棒3Aが設けられている。引上げ棒3Aの基端が、重量検出部3と接続され、引上げ棒3Aの先端が、種結晶を取り付ける部分となる。重量検出部3は、さらに、種結晶を引上げる際に、引上げ棒3Aを回転させつつ、引上げる機能を有している。
原料供給装置4は、所定の単結晶の原料を貯蔵しておき、るつぼ8へ供給する。自動原料供給制御部5は、重量検出部3において、引上げる単結晶の重量と、同重量の原料を原料供給装置4より供給させるように制御を行う。なお、本発明における原料は、融液の組成を保持するために供給する原料である。
ヒータ−7は、単結晶を育成する際の温度を所定の温度に保つ機能を有していればよい。
るつぼ8の材質としては、白金、白金−ロジウム、イリジウム、モリブデン、タングステン、溶融石英、カーボン等が挙げられる。前記るつぼ8は、外部るつぼ8Aと、この外部るつぼ8A内に設けられた内部るつぼ8Bと、前記外部るつぼ8Aおよび内部るつぼ8B内の融液を流通させる流通路8Cとを備えて成る。
るつぼ8としては、公知のるつぼを使用してもよい。
本実施形態において、外部るつぼ8Aおよび内部るつぼ8Bは、円筒形状である。外部るつぼ8Aおよび内部るつぼ8Bのなす空間に後述する供給する原料が供給される。
流通路8Cとしては、例えば、内部るつぼ8Bの側壁面に形成された貫通孔でもよいし、内部るつぼ8Bの底面側の側壁面に形成された切り込みでもよい。
るつぼ回転部9は、るつぼ8を下方より支持し、るつぼ8を所定の回転速度で回転させる図示しない駆動装置を有していればよい。
本発明の第1実施形態に係るYFe12単結晶の育成方法は、るつぼ内で溶融した少なくともYFe12を晶出する融液に、種結晶を接触させた後、前記種結晶を引き上げてYFe12単結晶を育成しながら、引き上げた結晶と同じ重量で、同じ組成を有する原料を前記融液に供給する方法である。
[融液の作製]
ここで、るつぼは、上記るつぼ8を使用する。融液の作製には、FeおよびYを使用し、秤量、混合した後、成形を行う。この成形の方法としては、鋳込み成形法、押出し成形法、射出成形法、金型プレス成形法、ラバープレス成形法(CIP法と略す場合がある)、サイクリックCIP法、ドクターブレード法、カレンダーロール法等が挙げられる。
成形体を外部るつぼ8Aと内部るつぼ8Bに充填する。そして、ヒータ−7により加熱し、充填した成形体を溶融して融液を得る。
本発明のYFe12単結晶の育成方法においては、この融液は、図2に示されるようなY−Fe系相図において、YFe12が晶出する、Fe:Y=86〜77mol%:14〜23mol%の組成を有することが好ましい。
[供給する原料の作製]
一方、供給する原料の作製には、FeおよびYを使用し、秤量、混合した後、成形を行う。この成形の方法としては、鋳込み成形法、押出し成形法、射出成形法、金型プレス成形法、ラバープレス成形法(CIP法と略す場合がある)、サイクリックCIP法、ドクターブレード法、カレンダーロール法等が挙げられる。
成形体を1300〜1400℃で熱処理をしてYFe12焼結体を得る。ここで、焼結の方法としては、雰囲気焼結法、反応焼結法、熱プラズマ焼結法、通電加熱焼結法、多軸通電加熱焼結法、放電プラズマ焼結法、熱間等方加圧式焼結法(Hot Isostatic Pressing; HIP法と略す場合がある。)等が挙げられる。
このYFe12焼結体を180〜500μmに粉砕・分級して、原料供給装置4から供給する供給原料とする。ここで、粉砕手段としては、ボールミル、攪拌ミル、せん断ミル、コロイドミル等が挙げられる。
[使用する種結晶]
本発明のYFe12単結晶の育成方法においては、前記種結晶は、YFe12単結晶および/またはGdGa12単結晶であることが好ましく、(111)方位のYFe12単結晶および/またはGdGa12単結晶であることがより好ましい。
この種結晶の大きさは、例えば、3〜5mm角である。
[YFe12単結晶の引上げ育成]
るつぼ8をるつぼ回転部9で回転させながら融液をヒーター7により加熱し、融液の溶融を行う。融液の溶融後、所定温度1420〜1450℃内で融液が安定した温度で、あらかじめ引上げ棒3Aの先端に取り付けておいた前記種結晶を、内部るつぼ8B内の融液に浸す。この際、種結晶を回転させながら、るつぼ8へ下降させ、るつぼ8は、種結晶の回転方向とは、反対方向に回転させている。この後、種結晶を回転させたまま、上方向へ移動させることで、YFe12単結晶を育成する。
なお、YFe12単結晶の育成の雰囲気は、チャンバー2を調節することにより大気雰囲気とした。
[供給原料の供給]
供給原料の供給は、例えば成長結晶の直胴部形成時より行ってもよい。結晶育成中は、重量検出部3、例えば、電子天秤にて、成長結晶の重量変化を常にモニタしている。そして、この成長結晶の重量増加に相当する分のYFe12組成の供給原料を原料供給装置4より供給する。なお、供給原料の供給に関しては、連続的にYFe12組成の供給原料を供給してもよいし、融液の組成が変化しないならば、ある程度の時間間隔をもって、成長結晶の重量増加に相当する分のYFe12組成の供給原料を供給するようにしてもよい。
この原料供給装置4には、アルミナ製の供給管4Aが設けられ、この供給管4Aを介してYFe12組成の供給原料を外部るつぼ8Aと内部るつぼ8Bとの間に供給する。この原料供給を円滑に行うために、供給管4A内には、窒素ガスまたは空気を150〜300mL/minで流す。以上の手順により、YFe12単結晶が育成される。
上述のような第1実施形態によれば、次のような効果がある。
(1−1)引き上げたYFe12単結晶の重量と同重量のYFe12組成を有する原料を前記融液に供給することにより、結晶育成の進行に伴い生じる融液組成の変化および融液量の減少が防止され一定に保持される。育成融液組成が一定に保たれるため、晶出する結晶組成も一定となる。このため、YFe12相に固溶領域があるような場合でも、同一結晶内の育成方向に組成ずれを生じないので、組成の均一性の高いYFe12単結晶を得ることができる。また、本発明に係る単結晶の育成方法は、得られるYFe12単結晶の重量と同重量のYFe12組成を有する原料を前記融液に供給する以外は、通常の引上げ法と同様であるため、育成結晶の大型化や、結晶の方位制御も可能である。
(1−2)融液は、図2に示されるようなY−Fe系相図において、YFe12が晶出する、Fe:Y=86〜77mol%:14〜23mol%の組成を有することにより、YFe12単結晶の構成元素以外の元素が混入することがないので、結晶品質の劣化を防止することができる。
(1−3)るつぼ8は、外部るつぼ8Aと、内部るつぼ8Bと、流通路8Cを備えている。単結晶の育成は、内部るつぼ8Bの内部で行い、原料は、外部るつぼ8A−内部るつぼ8B間の融液に供給する。この内部るつぼ8Bにより融液表面は遮られているため、供給された原料が未溶融のまま結晶成長部分に到達することはなく、結晶品質低下を防止することができる。また、供給された原料は、外部るつぼ8A−内部るつぼ8B間で溶融する。外部るつぼ8A−内部るつぼ8B間の融液と内部るつぼ8B内の融液とは、流通路8Cを介して混合することが可能であり、融液内の組成ずれ(組成偏析)を防止することができる。
(1−4)種結晶は、YFe12単結晶および/またはGdGa12単結晶であることにより、YFe12単結晶との格子定数が同一であるので、得られるYFe12単結晶の格子定数の整合をとることができる。
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下の説明では既に説明した部分、部材と同一のものは同一符号を付してその説明を簡略する。第2実施形態のガーネット型単結晶の育成方法、すなわち、XFe12[但し、Xは、Y(イットリウム)、(Bi,Re(但し、Reは、希土類元素である。))、または(Bi,Tb)を示す。]の育成方法は、Xが、(Bi,Re(但し、Reは、希土類元素である。))の場合であり、すなわち、(Bi,Re)Fe12単結晶の育成方法である。
そして、第2実施形態に係る(Bi,Re)Fe12単結晶の育成方法で使用する原料供給引上装置は、第1実施形態に係る原料供給引上装置1と同様であるので、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態に係る(Bi,Re)Fe12単結晶の育成方法は、(Bi,Re)Fe12単結晶(Reは、希土類元素である。)((Bi,Re)Fe12は、Bi3−zReFe12であり、0<Z<3である。)の育成方法であって、るつぼ内で溶融した少なくとも(Bi,Re)Fe12を晶出する融液に、種結晶を接触させた後、前記種結晶を引き上げて(Bi,Re)Fe12単結晶を育成しながら、引き上げた結晶と同じ重量で、同じ組成を有する原料を前記融液に供給する方法である。
[融液の作製]
ここで、るつぼは、上記るつぼ8を使用する。融液の作製には、BiおよびFe、Re(もしくはRe)を使用し、秤量、混合した後、成形を行う。この成形の方法としては、鋳込み成形法、押出し成形法、射出成形法、金型プレス成形法、ラバープレス成形法(CIP法と略す場合がある)、サイクリックCIP法、ドクターブレード法、カレンダーロール法等が挙げられる。
成形体をを外部るつぼ8Aと内部るつぼ8Bに充填する。そして、充填した成形体をヒータ−7により加熱し、充填した成形体を溶融して融液を得る。
[供給する原料の作製]
一方、供給する原料の作製には、BiおよびFe、Re(もしくはRe)を使用し、秤量、混合した後、成形を行う。この成形の方法としては、鋳込み成形法、押出し成形法、射出成形法、金型プレス成形法、ラバープレス成形法(CIP法と略す場合がある)、サイクリックCIP法、ドクターブレード法、カレンダーロール法等が挙げられる。
成形体を1000〜1400℃で熱処理をして(Bi,Re)Fe12焼結体を得る。ここで、焼結の方法としては、雰囲気焼結法、反応焼結法、熱プラズマ焼結法、通電加熱焼結法、多軸通電加熱焼結法、放電プラズマ焼結法、熱間等方加圧式焼結法(Hot Isostatic Pressing; HIP法と略す場合がある。)等が挙げられる。
この(Bi,Re)Fe12焼結体を180〜500μmに粉砕・分級して、原料供給装置4から供給する供給原料とする。ここで、粉砕手段としては、ボールミル、攪拌ミル、せん断ミル、コロイドミル等が挙げられる。
[使用する種結晶]
本発明の(Bi,Re)Fe12単結晶の育成方法においては、前記種結晶は、(Bi,Re)Fe12単結晶および/または(Gd,Ca)(Ga,Mg,Zr)12単結晶であることが好ましく、(111)方位の(Bi,Re)Fe12単結晶および/または(Gd,Ca)(Ga,Mg,Zr)12単結晶であることがより好ましい。
この種結晶の大きさは、例えば、3〜5mm角である。
[(Bi,Re)Fe12単結晶の引上げ育成]
るつぼ8をるつぼ回転部9で回転させながら、融液をヒーター7により加熱し、融液の溶融を行う。融液の溶融後、所定温度1100〜1300℃内で融液が安定した温度で、あらかじめ引上げ棒3Aの先端に取り付けておいた前記種結晶を、内部るつぼ8B内の融液に浸す。この際、種結晶を回転させながら、るつぼ8へ下降させ、るつぼ8は、種結晶の回転方向とは、反対方向に回転させている。この後、種結晶を回転させたまま、上方向へ移動させることで、(Bi,Re)Fe12単結晶を育成する。
なお、(Bi,Re)Fe12単結晶の育成の雰囲気は、チャンバー2を調節することにより大気雰囲気とした。
[供給原料の供給]
供給原料の供給は、例えば成長結晶の直胴部形成時より行ってもよい。結晶育成中は、重量検出部3、例えば、電子天秤にて、成長結晶の重量変化を常にモニタしている。そして、この成長結晶の重量増加に相当する分の成長結晶と同じ組成である(Bi,Re)Fe12供給原料を原料供給装置4より供給する。なお、供給原料の供給に関しては、連続的に(Bi,Re)Fe12供給原料を供給してもよいし、融液の組成が変化しないならば、ある程度の時間間隔をもって、成長結晶の重量増加に相当する分の(Bi,Re)Fe12供給原料を供給するようにしてもよい。
この原料供給装置4には、アルミナ製の供給管4Aが設けられ、この供給管4Aを介して成長結晶と同じ組成である(Bi,Re)Fe12供給原料を外部るつぼ8Aと内部るつぼ8Bとの間に供給する。この原料供給を円滑に行うために、供給管4A内には、窒素ガスまたは空気を150〜300mL/minで流す。以上の手順により、(Bi,Re)Fe12単結晶が育成される。
上述のような第2実施形態によれば、次のような効果がある。
(2−1)引き上げた(Bi,Re)Fe12単結晶の重量と同重量で同組成を有する原料を前記融液に供給することにより、結晶育成の進行に伴い生じる融液組成の変化および融液量の減少が防止され一定に保持される。育成融液組成が一定に保たれるため、晶出する結晶組成も一定となる。これにより(Bi,Re)Fe12相に固溶領域がある場合でも、同一結晶内の育成方向に組成ずれを生じないので、組成均一性の高い(Bi,Re)Fe12単結晶を得ることができる。また、本発明に係る単結晶の育成方法は、得られる(Bi,Re)Fe12単結晶の重量と同重量で同組成を有する原料を前記融液に供給する以外は、通常の引上げ法と同様であるため、育成結晶の大型化や、結晶の方位制御も可能である。
(2−2)るつぼ8は、外部るつぼ8Aと、内部るつぼ8Bと、流通路8Cを備えている。単結晶の育成は、内部るつぼ8Bの内部で行い、原料は、外部るつぼ8A−内部るつぼ8B間の融液に供給する。この内部るつぼ8Bにより融液表面は遮られているため、供給された原料が未溶融のまま結晶成長部分に到達することはなく、結晶品質低下を防止することができる。また、供給された原料は、外部るつぼ8A−内部るつぼ8B間で溶融する。外部るつぼ8A−内部るつぼ8B間の融液と内部るつぼ8B内の融液とは、流通路8Cを介して混合することが可能であり、融液内の組成ずれ(組成偏析)を防止することができる。
(2−3)前記種結晶は、(Bi,Re)Fe12単結晶および/または(Gd,Ca)(Ga,Mg,Zr)12単結晶であることにより、(Bi,Re)Fe12単結晶との格子定数が同一であるので、得られる(Bi,Re)Fe12単結晶の格子定数の整合をとることができる。
(2−4)従来のLPE法の場合のように、良質な単結晶が得られる結晶厚さに制限がないので、結晶組成や添加元素に関する制約を少なくすることができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態のガーネット型単結晶の育成方法、すなわち、XFe12[但し、Xは、Y(イットリウム)、(Bi,Re(但し、Reは、希土類元素である。))、または(Bi,Tb)を示す。]の育成方法は、Xが、(Bi,Tb)の場合であり、すなわち、(Bi,Tb)Fe12単結晶の育成方法である。
本第3実施形態に係る(Bi,Tb)Fe12単結晶の育成方法で使用する原料供給引上装置は、第1実施形態に係る原料供給引上装置1と同様であるので、その説明を省略する。
本発明の第3実施形態に係る(Bi,Tb)Fe12単結晶の育成方法は、(Bi,Tb)Fe12単結晶((Bi,Tb)Fe12は、Bi3−zTbFe12であり、0<Z<3である。)の育成方法であって、るつぼ内で溶融した少なくとも(Bi,Tb)Fe12を晶出する融液に、種結晶を接触させた後、前記種結晶を引き上げて(Bi,Tb)Fe12単結晶を育成しながら、引き上げた結晶と同じ重量で、同じ組成を有する原料を前記融液に供給する方法である。
[融液の作製]
ここで、るつぼは、上記るつぼ8を使用する。融液の作製には、TbおよびBi3、Feを使用し、秤量、混合した後、成形を行う。この成形の方法としては、鋳込み成形法、押出し成形法、射出成形法、金型プレス成形法、ラバープレス成形法(CIP法と略す場合がある)、サイクリックCIP法、ドクターブレード法、カレンダーロール法等が挙げられる。
成形体を外部るつぼ8Aと内部るつぼ8Bに充填する。そして、充填した成形体をヒータ−7により加熱し、充填した成形体を溶融して融液を得る。
[供給する原料の作製]
一方、供給する原料の作製には、TbおよびBi3、Feを使用し、秤量、混合した後、成形を行う。この成形の方法としては、鋳込み成形法、押出し成形法、射出成形法、金型プレス成形法、ラバープレス成形法(CIP法と略す場合がある)、サイクリックCIP法、ドクターブレード法、カレンダーロール法等が挙げられる。
成形体を1000〜1100℃で熱処理をして(Bi,Tb)Fe12焼結体を得る。ここで、焼結の方法としては、雰囲気焼結法、反応焼結法、熱プラズマ焼結法、通電加熱焼結法、多軸通電加熱焼結法、放電プラズマ焼結法、熱間等方加圧式焼結法(Hot Isostatic Pressing; HIP法と略す場合がある。)等が挙げられる。
この(Bi,Tb)Fe12焼結体を180〜500μmに粉砕・分級して、原料供給装置4から供給する供給原料とする。ここで、粉砕手段としては、ボールミル、攪拌ミル、せん断ミル、コロイドミル等が挙げられる。
[使用する種結晶]
本発明の(Bi,Tb)Fe12単結晶の育成方法においては、前記種結晶は、(Bi,Tb)Fe12単結晶および/または(Gd,Ca)(Ga,Mg,Zr)12単結晶であることが好ましく、(111)方位の(Bi,Tb)Fe12単結晶および/または(Gd,Ca)(Ga,Mg,Zr)12単結晶であることがより好ましい。
[(Bi,Tb)Fe12単結晶の引上げ育成]
るつぼ8をるつぼ回転部9で回転させながら、融液をヒータ−7により加熱し、融液の溶融を行う。融液の溶融後、所定温度1150〜1250℃内で融液が安定した温度で、あらかじめ引上げ棒3Aの先端に取り付けておいた前記種結晶を、内部るつぼ8B内の融液に浸す。この際、種結晶を回転させながら、るつぼ8へ下降させ、るつぼ8は、種結晶の回転方向とは、反対方向に回転させている。この後、種結晶を回転させたまま、上方向へ移動させることで、(Bi,Tb)Fe12単結晶を育成する。
なお、(Bi,Tb)Fe12単結晶の育成の雰囲気は、チャンバー2を調節することにより大気雰囲気とした。
[供給原料の供給]
供給原料の供給は、例えば成長結晶の直胴部形成時より行ってもよい。結晶育成中は、重量検出部3、例えば、電子天秤にて、成長結晶の重量変化を常にモニタしている。そして、この成長結晶の重量増加に相当する分の成長結晶と同じ組成である(Bi,Tb)Fe12供給原料を原料供給装置4より供給する。なお、供給原料の供給に関しては、連続的に(Bi,Tb)Fe12供給原料を供給してもよいし、融液の組成が変化しないならば、ある程度の時間間隔をもって、成長結晶の重量増加に相当する分の(Bi,Tb)Fe12供給原料を供給するようにしてもよい。
この原料供給装置4には、アルミナ製の供給管4Aが設けられ、この供給管4Aを介して成長結晶と同じ組成である(Bi,Tb)Fe12供給原料を外部るつぼ8Aと内部るつぼ8Bとの間に供給する。この原料供給を円滑に行うために、供給管4A内には、窒素ガスまたは空気を150〜300mL/minで流す。以上の手順により、(Bi,Tb)Fe12単結晶が育成される。
上述のような第3実施形態によれば、次のような効果がある。
(3−1)引き上げた(Bi,Tb)Fe12単結晶の重量と同重量で同組成を有する原料を前記融液に供給することにより、結晶育成の進行に伴い生じる融液組成の変化および融液量の減少が防止され一定に保持される。育成融液組成が一定に保たれるため、晶出する結晶組成も一定となる。これにより(Bi,Tb)Fe12に固溶領域がある場合でも、同一結晶内の育成方向に組成ずれを生じないので、組成均一性の高い(Bi,Tb)Fe12単結晶を得ることができる。また、本発明に係る単結晶の育成方法は、得られる(Bi,Tb)Fe12単結晶の重量と同重量で同組成を有する原料を前記融液に供給する以外は、通常の引上げ法と同様であるため、育成結晶の大型化や、結晶の方位制御も可能である。
(3−2)るつぼ8は、外部るつぼ8Aと、内部るつぼ8Bと、流通路8Cを備えている。単結晶の育成は、内部るつぼ8Bの内部で行い、原料は、外部るつぼ8A−内部るつぼ8B間の融液に供給する。この内部るつぼ8Bにより融液表面は遮られているため、供給された原料が未溶融のまま結晶成長部分に到達することはなく、結晶品質低下を防止することができる。また、供給された原料は、外部るつぼ8A−内部るつぼ8B間で溶融する。外部るつぼ8A−内部るつぼ8B間の融液と内部るつぼ8B内の融液とは、流通路8Cを介して混合することが可能であり、融液内の組成ずれ(組成偏析)を防止することができる。
(3−3)種結晶は、(Bi,Tb)Fe12単結晶および/または(Gd,Ca)(Ga,Mg,Zr)12単結晶であることにより、(Bi,Tb)Fe12単結晶との格子定数が同一であるので、得られる(Bi,Tb)Fe12単結晶の格子定数の整合をとることができる。
(3−4)従来のLPE法の場合のように、良質な単結晶が得られる結晶厚さに制限がないので、結晶組成や添加元素に関する制約を少なくすることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は実施例の内容に限定されるものではない。
[実施例1]
前記第1実施形態のYFe12単結晶の育成方法に従って、YFe12単結晶の育成を行った。具体的条件は、以下の通りである。
上記[融液の作製]の際の具体的条件
使用粉末 :市販されている純度99.99%のFeおよびYの粉末
FeおよびYの組成 :Fe:Y=84mol%:16mol%
混合したこれらの粉末の成形方法:CIP法
外部るつぼ8A :白金製、内径120mm
内部るつぼ8B :白金製、内径80mm
上記[供給する原料の作製]の際の具体的条件
使用粉末 :市販されている純度99.99%のFeおよびYの粉末
FeおよびYの組成 :Fe:Y=62.5mol%:37.5mol%
混合したこれらの粉末の成形方法:CIP法 (1ton/cm2の圧力条件)
上記[使用する種結晶]の際の具体的条件
使用する種結晶 :(111)方位のYFe12単結晶およびGdGa12単結晶
上記[YFe12単結晶の引上げ育成]の際の具体的条件
加熱方式 : 高周波加熱
雰囲気 : 大気雰囲気
融液が安定した温度 : 1430℃
種結晶の回転速度 : 4rpm
種結晶の引上げ速度 : 0.2mm/h
るつぼ8の回転速度 : 6rpm
上記[供給原料の供給]の際の具体的条件
供給管4A内に流すガスの流量 :300mL/min
[実施例2]
前記第2実施形態の(Bi,Re)Fe12単結晶の育成方法に従って、(Bi,Tb)Fe12単結晶の育成を行った。希土類元素としてはTbを選択した。
上記[融液の作製]の際の具体的条件
使用粉末 : 市販されている純度99.99%のBiおよびFe、Tbの粉末
(Bi,Re)Fe12の組成:Tb:Bi:Fe=15:35:50(mol%)
混合したこれらの粉末の成形方法:CIP法
外部るつぼ8A :白金製、内径120mm
内部るつぼ8B :白金製、内径80mm
上記[供給する原料の作製]の際の具体的条件
使用粉末 : 市販されている純度99.99%のBiおよびFe、Tbの粉末
(Bi,Re)Fe12の組成: Bi0.5Tb2.5Fe12
混合したこれらの粉末の成形方法:CIP法 (1ton/cm2の圧力条件)
上記[使用する種結晶]の際の具体的条件
使用する種結晶 :(111)方位の(Bi,Re)Fe12単結晶および(Gd,Ca)(Ga,Mg,Zr)12単結晶
上記[(Bi,Re)Fe12単結晶の引上げ育成]の際の具体的条件
加熱方式 : 高周波加熱
雰囲気 : 大気雰囲気
融液が安定した温度 : 1230℃
種結晶の回転速度 : 4rpm
種結晶の引上げ速度 : 0.2mm/h
るつぼ8の回転速度 : 6rpm
上記[供給原料の供給]の際の具体的条件
供給管4A内に流すガスの流量 : 300mL/min
[実施例3]
前記第3実施形態の(Bi,Tb)Fe12単結晶の育成方法に従って、(Bi,Tb)Fe12単結晶の育成を行った。
上記[融液の作製]の際の具体的条件
使用粉末 :市販されている純度99.99%のTbおよびBi3、Feの粉末
(Bi,Tb)Fe12の組成 :Tb:Bi:Fe=15:35:50(mol%)
混合したこれらの粉末の成形方法:CIP法
外部るつぼ8A :白金製、内径120mm
内部るつぼ8B :白金製、内径80mm
上記[供給する原料の作製]の際の具体的条件
使用粉末 :市販されている純度99.99%のTbおよびBi3、Feの粉末
(Bi,Tb)Fe12の組成 : Bi0.5Tb2.5Fe12
混合したこれらの粉末の成形方法:CIP法 (1ton/cm2の圧力条件)
上記[使用する種結晶]の際の具体的条件
使用する種結晶 :(111)方位の(Bi,Tb)Fe12単結晶および(Gd,Ca)(Ga,Mg,Zr)12単結晶
上記[(Bi,Tb)Fe12単結晶の引上げ育成]の際の具体的条件
加熱方式 : 高周波加熱
雰囲気 : 大気雰囲気
融液が安定した温度 : 1230℃
種結晶の回転速度 : 4rpm
種結晶の引上げ速度 : 0.2mm/h
るつぼ8の回転速度 : 6rpm
上記[供給原料の供給]の際の具体的条件
供給管4A内に流すガスの流量 : 300mL/min
[評価方法および評価結果]
各実施例で各々得られた単結晶を使用して、所定の単結晶が育成されているか、確認を行った。評価方法としては、X線ラウエ法、X線回折法(XRD測定)、化学分析を採用した。
上記実施例1にて得られたYFe12単結晶は、上記X線ラウエ法により単結晶であることが確認できた。また、上記X線回折法(XRD測定)により、YFe12単相であることが確認できた。これらより、YFe12単結晶が得られたことが確認された。
また、化学分析により、上記実施例2にて得られた(Bi,Re)Fe12単結晶は、Bi0.5Tb2.5Fe12であることが確認できた。
さらに、上記実施例3にて得られた(Bi,Tb)Fe12単結晶は、上記X線回折法(XRD測定)により、YFe12相と同一のピークパターンを示した。このことにより、育成された結晶が、ガーネット相であることが確認できた。また、ピーク位置は、YFe12相よりも低角側にシフトしており、育成された結晶は、YFe12よりも格子定数が大きくなっていることが確認できた。さらに、化学分析により、組成ずれを起こしていない(Bi,Tb)Fe12単結晶(Bi0.5Tb2.5Fe12単結晶)が得られたことが確認できた。
本発明は、以上の実施例に限定されるものではなく、例えば、育成に用いる融液としては、目的とする単結晶材料の構成元素成分のみで構成され、かつ目的とする結晶相が晶出する融液のほかに、目的とする単結晶材料の構成元素以外のフラックス成分を含み、かつ目的とする結晶相が晶出する融液、であってもよい。
本発明のガーネット型単結晶の育成方法は、YFe12単結晶の育成方法、(Bi,Re)Fe12単結晶の育成方法、(Bi,Tb)Fe12単結晶の育成方法等に用いられる。
図1は、本発明に係るガーネット型単結晶の育成方法で使用する原料供給引上装置の概略図である。 図2は、Y−Fe系相図である。
符号の説明
1 原料供給引上装置
2 チャンバー
3 重量検出部
4 原料供給装置
5 自動原料供給制御部
6 耐火物
7 ヒータ−
8 るつぼ
9 るつぼ回転部
4A 供給管
8A 外部るつぼ
8B 内部るつぼ
8C 流通路

Claims (10)

  1. 溶融した少なくともXFe12[但し、Xは、Y(イットリウム)、(Bi,Re(但し、Reは、希土類元素である。))、または(Bi,Tb)を示す。]を晶出する融液に、
    種結晶を接触させた後、
    前記種結晶を引き上げてXFe12単結晶を育成しながら、
    引き上げた前記単結晶と同じ重量で、同じ組成を有する原料を前記融液に供給することを特徴とするガーネット型単結晶の育成方法。
  2. 前記請求項1記載のガーネット型単結晶の育成方法において、
    Xは、Y(イットリウム)であり、
    前記融液は、Y−Fe系相図において、
    Fe12が晶出する、Fe:Y=86〜77mol%:14〜23mol%の組成を有することを特徴とする前記請求項1記載のガーネット型単結晶の育成方法。
  3. 前記融液は、るつぼで溶融し、前記るつぼは、外部るつぼと、
    この外部るつぼ内に設けられた内部るつぼと、
    前記外部るつぼおよび前記内部るつぼ内の融液を流通させる流通路と
    を備えて成ることを特徴とする前記請求項2に記載のガーネット型単結晶の育成方法。
  4. 前記種結晶は、YFe12単結晶および/またはGdGa12単結晶であることを特徴とする前記請求項2または請求項3に記載のガーネット型単結晶の育成方法。
  5. 前記請求項1記載のガーネット型単結晶の育成方法において、
    Xは、(Bi,Re(但し、Reは、希土類元素である。))であり、
    るつぼ内で溶融した少なくとも(Bi,Re)Fe12を晶出する融液に、
    種結晶を接触させた後、
    前記種結晶を引き上げて(Bi,Re)Fe12単結晶を育成しながら、
    引き上げた前記単結晶と同じ重量で、同じ組成を有する原料を前記融液に供給することを特徴とするガーネット型単結晶の育成方法。
  6. 前記融液は、るつぼで溶融し、前記るつぼは、外部るつぼと、
    この外部るつぼ内に設けられた内部るつぼと、
    前記外部るつぼおよび前記内部るつぼ内の融液を流通させる流通路と
    を備えて成ることを特徴とする前記請求項5に記載のガーネット型単結晶の育成方法。
  7. 前記種結晶は、(Bi,Re)Fe12単結晶および/または(Gd,Ca)(Ga,Mg,Zr)12単結晶であることを特徴とする前記請求項5または請求項6に記載のガーネット型単結晶の育成方法。
  8. 前記請求項1記載のガーネット型単結晶の育成方法において、
    Xは、(Bi,Tb)であり、
    るつぼ内で溶融した少なくとも(Bi,Tb)Fe12を晶出する融液に、
    種結晶を接触させた後、
    前記種結晶を引き上げて(Bi,Tb)Fe12単結晶を育成しながら、
    引き上げた前記単結晶と同じ重量で、同じ組成を有する原料を前記融液に供給することを特徴とするガーネット型単結晶の育成方法。
  9. 前記融液は、るつぼで溶融し、前記るつぼは、外部るつぼと、
    この外部るつぼ内に設けられた内部るつぼと、
    前記外部るつぼおよび前記内部るつぼ内の融液を流通させる流通路と
    を備えて成ることを特徴とする前記請求項8に記載のガーネット型単結晶の育成方法。
  10. 前記種結晶は、(Bi,Tb)Fe12単結晶および/または(Gd,Ca)(Ga,Mg,Zr)12単結晶であることを特徴とする前記請求項8または請求項9に記載のガーネット型単結晶の育成方法。

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JP2018177568A (ja) * 2017-04-07 2018-11-15 株式会社福田結晶技術研究所 高性能・高均な大型Fe−Ga基合金単結晶の製造方法及び製造装置

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