JP2005075136A - ステアリング用制振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 自動車における寸法誤差等の意図的でない製造上の条件の相違やテレスコピック機構等による意図的な設定条件の相違の何れに拘わらず、ステアリング機構を構成する振動部材の固有振動数が設計上の予想値から変化したりばらついたりした場合でも、目的とする制振効果が有効に発揮される、新規な構造のステアリング用制振装置を提供することにある。
【解決手段】 マス部材66と、ステアリング機構12を構成する振動部材16に対してマス部材66を弾性的に連結支持せしめるバネ部材68とを含んで構成された振動系と、該振動系のマス部材66とステアリング機構12の振動部材16との間に加振力を及ぼすアクチュエータ38,60と、を含んで加振手段14を構成すると共に、ステアリング機構12に装着されて振動部材16の振動を検出する検出手段114を設けて、該検出手段114による振動の検出信号に基づいて加振手段14を制御することにより振動部材16の振動を能動的に抑えるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ステアリング機構の振動を低減せしめるステアリング用制振装置に係り、特に、ステアリング機構の固有振動系が変化する場合にも、目的とする制振効果が安定して発揮される新規な構造のステアリング用制振装置に関するものである。
自動車のステアリング機構においては、運転者が直接に把持するステアリングホイールの振動が自動車の乗心地に大きな影響を与える。そこで、かかる振動を低減するためにステアリングホイールやそれを支持するステアリングコラム等の振動部材にダイナミックダンパを装着することが提案されている。ダイナミックダンパは、主振動系としてのステアリング機構の振動部材において防振すべき振動の周波数に応じて、マス部材とバネ部材で構成された副振動系の固有振動数をチューニングすることによって、動的吸振作用に基づく制振効果を発揮し得る。
ところが、本発明者が調べたところ、従来構造のダイナミックダンパでは、目的とする制振効果が必ずしも有効には発揮され得ないという事実が明らかとなった。即ち、本発明者が調べたところによると、車種間の相違に限らずに同車種の自動車においても、各種部材の組付けに際しての位置や固定強度等のばらつきのほか部材そのものの寸法や剛性の誤差などによってステアリング機構を構成する振動部材の固有振動数が一定とならない場合が多く、それに起因して、ダイナミックダンパの初期チューニングが最適な周波数から外れてしまって、目的とする制振効果が発揮され難くなり易いということが明らかとなったのである。
また、近年では、自動車の高級志向等に伴い、ステアリング機構に各種の付加的機能が付与されるようになってきており、例えば、ステアリングシャフトを軸方向で伸縮可能に連結することにより、ステアリングホイールの位置をステアリングコラムの軸方向で設定変更できるようにしたテレスコピック機構を備えたステアリング機構が提案されている。
しかしながら、このようなテレスコピック機構を備えたステアリング機構においては、片持構造とされたステアリングシャフトの自由端側に取り付けられたステアリングホイールが大きなマスとなっていることから、このマスであるステアリングホイールの位置がテレスコピック機構でステアリングシャフトの軸方向に変位せしめられると、ステアリングホイールを支持するステアリングコラム等の振動部材の固有振動数が大きく変化してしまうことが避けられず、その結果、予め所定の周波数にチューニングされて装着されたダイナミックダンパの制振効果が有効に発揮されなくなってしまうという問題があった。
このような問題に対処するために、例えば特許文献1には、ステアリングシャフトの外周面に形成された円錐面に対して副振動系のバネを構成する弾性体を摺動可能に当接させることにより、テレスコピック機構を構成するステアリングシャフトの伸縮に応じてこの弾性体の弾性変形量が変化してチューニング周波数が自動的に調節されるようにしたダイナミックダンパ機構が提案されている。また、特許文献2には、副振動系のバネを構成する弾性部材をステアリングコラムの長さ方向に配設して、ステアリングシャフトの伸縮に伴ってこの弾性部材の弾性変形量が変化せしめられるようにすることにより、チューニング周波数が自動的に調節されるようにしたダイナミックダンパ機構が開示されている。
ところが、これら特許文献1, 2に示される従来構造のダイナミックダンパも、各部材の組付けに際しての位置や固定強度等のばらつき或いは部材そのものの寸法や剛性の誤差などに起因するステアリング機構の振動部材における固有振動数のばらつきに対応し得るものではなく、目的とする制振効果を安定して得ることが難しかったのである。しかも、特許文献1,2に示された従来構造のダイナミックダンパは、何れも、ステアリングシャフトの伸縮に応じて弾性部材の弾性変形量を調節することにより副振動系を構成するバネ系のばね定数を変化させるようになっていることから、かかるステアリングシャフトの伸縮に際して弾性部材の弾性力等による作動抵抗が生ぜしめられることとなって、テレスコピック機構によるステアリングホイールの位置調節の操作性が悪くなる等という問題があった。
なお、このような問題に対処するために、例えば特許文献3に示されているように、ステアリングコラムと車体との間に加振アクチュエータを介装して、ステアリングコラムに対して加振力を及ぼすことにより、振動部材であるステアリングコラムにおける所望の周波数域の振動を能動的に低減する制振装置を採用することも考えられる。
しかしながら、このような従来構造の加振アクチュエータによる制振装置においては、ステアリングコラムに加振力を及ぼすアクチュエータをステアリングコラムと車体の剛性支持部材の間に装着しなければならないことから、装着部位が極めて制限されてしまう。そのために、装着スペースの確保が難しく、既存の実車に装着できないという問題や、振動部材における振動モードに関して制振上で必ずしも有利な位置に装着できないという問題があり、効果的な制振効果を得ることが出来ない場合が多かったのである。
特開平6−107186号公報 特開平8−175399号公報 特開平7−190138号公報
本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、自動車における寸法誤差等の意図的でない製造上の条件の相違やテレスコピック機構等による意図的な設定条件の相違の何れに拘わらず、ステアリング機構を構成する振動部材の固有振動数が設計上の予想値から変化したりばらついたりした場合でも、目的とする制振効果が有効に発揮される、新規な構造のステアリング用制振装置を提供することにある。
また、本発明は、ステアリング機構に対する装着位置の設定自由度が充分に大きくされて、各種車両のステアリング機構に対して容易に適用することが出来ると共に、制振上で有利な位置に装着することが出来、それによって、目的とする制振効果を有利に得ることの出来る、実用性に優れた、新規な構造のステアリング用制振装置を提供することも、目的とする。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
(本発明の態様1)
本発明の態様1の特徴とするところは、自動車のステアリング機構におけるステアリングホイールの振動を低減するためのステアリング用制振装置であって、(a)マス部材と、前記ステアリング機構を構成する振動部材に対して該マス部材を弾性的に連結支持せしめるバネ部材とを含んで構成された振動系と、(b)該振動系の該マス部材と該ステアリング機構の該振動部材との間に加振力を及ぼすアクチュエータと、を含んで加振手段を構成すると共に、該ステアリング機構に装着されて該振動部材の振動を検出する検出手段を設けて、該検出手段による振動の検出信号に基づいて該加振手段を制御することにより該振動部材の振動を能動的に抑えるようにしたステアリング用制振装置にある。
このような本態様に従う構造とされたステアリング用制振装置においては、制振対象としてのステアリング機構における振動を検出した信号に基づいて加振手段が制御される。これにより、加振手段の発生加振力が振動部材の振動を打ち消すようにしてステアリング機構に及ぼされる。即ち、本態様では、振動部材に対して相殺的な制振作用を及ぼし得る加振力における加振周波数やその位相が、ステアリング機構の振動の検出信号に基づいて制御されることとなる。それ故、例えば、ステアリング機構を構成する各部材の組立てのばらつきや部材寸法の誤差等に伴いステアリング機構の固有振動数が各自動車で異なる場合等にあっても、それぞれの車両のステアリング機構における固有振動数に応じて相殺的な加振力が発揮され得るのであり、ステアリング機構において目的とする制振効果が有効に且つ安定して発揮され得るのである。
そこにおいて、特に本態様では、加振手段がマス部材とバネ部材からなる振動系を含んで構成されて、アクチュエータによる加振力がマス部材と振動部材の間に及ぼされるようになっており、マス部材に及ぼされる作用反力として、振動部材に対する加振力が生ぜしめられることとなる。それ故、本態様に係る制振装置は、前述の特許文献3に記載されている如き従来構造の能動型制振装置に比して加振反力をとるための剛性の別部材が必要とされることがないのであり、かかる従来構造の能動型制振装置のようにステアリング機構の振動部材と車体との間に介装せしめる必要もないことから、ステアリング機構に対する装着部位や装着スペース等に関して、非常に大きな自由度が発揮され得るのである。
従って、本態様に従う構造とされた制振装置は、各種の自動車に対して大幅な設計変更を伴うことなく装着することが可能となって実用化が容易に図られ得るのであり、また、ステアリング機構における振動部材に対して、振動モード上で優れた制振効果を発揮し得る位置に取り付けることが出来、それによって、目的とする制振効果を一層有効に且つ安定して得ることが可能となるのである。
しかも、本態様においては、ステアリング機構の振動部材に及ぼされる加振手段の加振力の反力を得るためのマス部材を、バネ部材を介して振動部材に支持せしめたことにより、上述のように振動部材それ自体にマス部材を取り付けることが出来て、装着位置の設定自由度が大きく確保され得ただけでなく、それらマス部材とバネ部材から振動系を構成したことにより、かかる振動系の位相を調節することで、マス部材の反力として振動部材に及ぼされる加振手段の加振力をより一層効率的に得ることが出来る。そして、そのように振動系の位相を調節して、振動系の共振現象等を利用することで、それ程大型で質量の大きいマス部材を採用しなくても、加振手段の加振力を振動部材に対して有効に作用せしめることが出来るのであり、それによって、制振装置のコンパクト化とそれに伴う必要配設スペースの更なる削減等が可能となるのである。
なお、本態様におけるアクチュエータとしては、例えば、電歪素子や磁歪素子を用いたもの、空気圧式のもの等を含む従来から公知の各種のアクチュエータが採用可能であるが、特に、特開2001−304329号公報に記載されている如きムービングマグネットタイプの電磁式のアクチュエータや、特開2001−117644号公報に記載されている如きソレノイドタイプの電磁石式のアクチュエータなどが、制御性や応答性に優れており有効な加振力も容易に得ることができること等から好適に採用される。また、検出手段には、ステアリング機構の振動伝達特性を検出するものであれば、何れも採用可能であり、具体的には例えば公知の加速度計や荷重計、騒音計等が適宜に採用される。
(本発明の態様2)
本発明の態様2の特徴とするところは、本発明の前記態様1に係るステアリング用制振装置において、前記ステアリング機構にテレスコピックステアリングコラムが採用されて、該テレスコピックステアリングコラムの先端部分に取り付けられた前記ステアリングホイールが軸方向に位置調節可能とされていることにある。
本態様においては、ステアリングシャフトの軸方向での伸縮調節に伴って振動周波数が変位するテレスコピックステアリングコラムにあっても、本発明を適用することによって、優れた制振効果を安定して得ることが可能となるのであり、それによって、ステアリングホイールの振動が抑えられて良好な乗り心地が実現され得ることとなる。
(本発明の態様3)
本発明の態様3の特徴とするところは、本発明の前記態様1又は2に係るステアリング用制振装置であって、前記ステアリング機構において、伝達関数が実質的に変化しない部位に対して前記加振手段と前記検出手段をそれぞれ取り付けるようにしたことにある。
このような本態様においては、検出手段によって検出される振動の検出信号に基づいて加振手段を作動制御することによって発揮される制振効果を、自動車の各種部材の経年変化や環境条件の変化、走行状態の変化などに拘わらず、より一層安定して得ることが可能となる。
(本発明の態様4)
本発明の態様4の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至3の何れかに係るステアリング用制振装置において、前記ステアリング機構における前記振動部材に対して前記検出手段を取り付けると共に、該検出手段に対して前記加振手段を取り付けることにより、該振動部材と該加振手段の間に該検出手段を組み付けるようにしたことにある。
(本発明の態様5)
本発明の態様5の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至3の何れかに係るステアリング用制振装置において、前記ステアリング機構における前記振動部材に対して前記検出手段と前記加振手段を略同じ位置に取り付けた請求項1乃至3の何れかに記載のステアリング用制振装置。
これら本発明の態様4および5においては、何れも、特に本発明の前記態様3と組み合わせて採用されることにより、加振手段と検出手段の間における伝達関数の変化がより効果的に抑制される。また、これら本発明の態様では、加振手段や検出手段がステアリング機構の所定位置に集められて取り付けられることとなり、取り付け作業の簡便化が一層有利に図られ得るといった利点も生じる。
(本発明の態様6)
本発明の態様6の特徴とするところは、本発明の前記態様1乃至5の何れかに係るステアリング用制振装置であって、前記加振手段における前記振動系の固有振動数が、前記ステアリング機構の前記振動部材において制振を目的とする振動周波数よりも低い周波数域にチューニングされていることにある。
このような本態様においては、制振を目的として振動部材に及ぼされる加振力の広い周波数域で、マス部材の振動部材に対する相対変位が振動系の反共振的な作用によって最適化され得ることとなる。それ故、例えばテレスコピック機構によってステアリングシャフトが伸縮操作されることに伴って変化する振動部材において制振すべき広い周波数域の振動に対して、相殺的な制振作用を及ぼす加振力が、より一層効率的に作用せしめられ得ることとなる。
上述の説明からも明らかなように、本発明に従う構造とされたステアリング用制振装置においては、防振すべき振動周波数に応じた加振周波数で相殺的な加振力を振動部材に及ぼすことが出来ることから、例えばテレスコピック機構の操作等によって制振すべき振動周波数が変化する場合にも有効な制振効果を安定して得ることが出来る。また、車体等の反力部材を必要としないコンパクトな構造が実現されることから、適当な位置に容易に装着することが可能となって、一層効果的な制振効果を得ることが可能となる。加えて、振動部材に及ぼされる加振力の反力を得るためのマス部材がバネ部材を介して振動部材に取り付けられて振動系を構成していることから、振動系の共振作用等を利用して加振反力を有利に且つ効率的に得ることも可能となり、それによって、より一層優れた制振効果が発揮され得るのである。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について説明する。先ず、図1には、本発明の第一の実施形態としてのステアリング用制振装置10をステアリング機構12に取り付けた構造が概略的に示されている。かかるステアリング用制振装置10は、振動系とアクチュエータを含んで構成された加振手段としての加振部材14を備えており、この加振部材14による加振力がステアリング機構12における振動部材としてのステアリングコラム16に及ぼされるようになっている。
より詳細には、ステアリング用制振装置10は、図2に拡大して示されているように、ステアリング機構12のステアリングコラム16に対して固定的に取り付けられる取付金具18を備えている。この取付金具18は、軸方向一方(図2中、下方)に向かって次第に小径化するテーパ状外周面を備えた略逆円錐台形状を呈している。また、取付金具18の中央部分には、嵌着孔20が軸方向に貫設されている。嵌着孔20は、段差部を挟んで軸方向一方(図2中、下方)が小径とされていると共に、軸方向他方が大径とされている。また、取付金具18の大径側端部外周面には、かしめ部22が形成されている。更にまた、取付金具18の大径側端面に取付板金具24が重ね合わされてかしめ部22でかしめ固定されている。そして、この取付板金具24が、後述するブラケット26を介して、ステアリングコラム16に取り付けられることにより、取付金具18がステアリングコラム16に対して固定されるようになっている。
また、取付金具18の軸方向下方外方に離隔位置して、支持金具28が配設されている。この支持金具28は、筒金具30と底金具32を含んで構成されている。筒金具30は、大径の略円筒形状を有していると共に、その軸方向両端部に軸直角方向に拡がる鍔部34,34をそれぞれ、一体的に備えている。また、底金具32は、略有底円筒形状を呈しており、筒金具30よりも大径の周壁部を備えている。そして、これら筒金具30と底金具32が同心軸上に配置されており、底金具32の開口部分が筒金具30の軸方向一方(図2中、下)の鍔部34に対してかしめ固定されている。それによって、筒金具30と底金具32が相互に固着されて全体として深底の略有底円筒形状を有する支持金具28が形成されている。また、取付金具18と支持金具28は、同一中心軸上に配置されていると共に、軸直角方向で相互に離隔位置せしめられている。これら取付金具18と支持金具28の対向面間には、連結ゴム弾性体36が配設されている。
かかる連結ゴム弾性体36は、全体として下方に向かって傾斜して拡開するテーパ付きの厚肉円環板形状とされており、その中央部分を取付金具18が貫通するようにして加硫接着されている。また、連結ゴム弾性体36の外周面には、支持金具28の一部を構成する筒金具30の内周面が加硫接着されている。要するに、本実施形態では、連結ゴム弾性体36が、取付金具18と筒金具30を備えた一体加硫成形品として形成されている。
また、支持金具28には、永久磁石38と第一のヨーク部材40および第二のヨーク部材42が組み付けられている。第一及び第二のヨーク部材40,42は、何れも鉄等の強磁性材で形成されている。永久磁石38は、円環ブロック形状を有しており、その内周面と外周面が各一方の磁極面とされていると共に、第一のヨーク部材40は、略円筒形状を有しており、永久磁石38の外周面に対して密着状態で第一のヨーク部材40の内周面が外嵌固着されている。一方、第二のヨーク部材42は厚肉の円筒ブロック形状を有していると共に、その下端部分が、外周側に広がる厚肉円環板形状の連接部44とされている。そして、第二のヨーク部材42は、永久磁石38および第一のヨーク部材40に内挿されており、連接部44の外周縁部が第一のヨーク部材40の軸方向下端面に対して密接状態で重ね合わされている。
これにより、第一及び第二のヨーク部材40,42によって、永久磁石38の周りに略閉状の磁路が形成されている。また、かかる磁路上には、永久磁石38の一方の磁極である内周面と、それと径方向で離隔して対向位置せしめられた第二のヨーク部材40の外周面との間に、磁気ギャップ46が形成されている。また、このようにして磁路を形成する永久磁石38と第一及び第二のヨーク部材40,42は、支持金具28を構成する底金具32内に嵌め込まれて軸方向に挟持された状態で、全体として一体的且つ固定的に組み付けられている。
さらに、第二のヨーク部材42は、軸方向に貫通するガイド孔48を備えており、このガイド孔48に対して、取付金具18から軸方向に突設されたガイドロッド50が挿通されている。なお、ガイド孔48の上側開口部には摺動ブッシュ52が組み付けられており、この摺動ブッシュ52を介して、第二のヨーク部材42がガイドロッド50の軸方向に摺動案内されるようになっている。
また、ガイドロッド50の下端部は、ガイド孔48から下方に突設されていると共に、その下端面に対して円板形状の板ばね54がボルト固定されている。そして、ガイドロッド50から軸直角方向に広がる板ばね54の外周縁部が、第二のヨーク部材42の下端外周縁部に対して固定されていると共に、板ばね54の中央部分は、第二のヨーク部材42の下端面に開口形成された凹所56によって弾性変形が許容されるようになっている。これにより、支持金具28に対して固定的に組み付けられた永久磁石38と第一及び第二のヨーク部材40,42が、その軸方向両端部分において、連結ゴム弾性体36と板ばね54を介して、ガイドロッド50を備えた取付金具18に対して弾性的に連結されているのである。そして、永久磁石38と第一及び第二のヨーク部材40,42が一体的に、連結ゴム弾性体36と板ばね54の弾性変形に基づいて、ガイドロッド50による軸方向への案内作用により、取付金具18に対して軸方向に相対変位せしめられるようになっている。
なお、底金具32の底壁部の適当な箇所には、略外観ボルト状のフィルタ部材58が貫設されている。かかるフィルタ部材58は、空気等の気体の出入を許容し、且つ水等の流体の出入を防止するフィルタ構造を有しており、このフィルタ部材58を通じて、略密閉構造とされた支持金具28内に空気の給排が行われるようになっている。
また、永久磁石38と第二のヨーク部材42の対向面間に形成された磁気ギャップ46には、コイル60が所定の隙間をもって入り込んだ状態で配設されている。そして、このコイル60は、ボビン62を介して、ガイドロッド50と取付金具18に対して固定されている。これにより、給電用リード線64を通じてボビン62に交番電流を給電することにより、コイル60と永久磁石38の磁界との間に電磁力が生ぜしめられて、第一及び第二のヨーク部材40,42や永久磁石38等が固定された支持金具28と取付金具18の間に中心軸上で加振駆動力が及ぼされて、支持金具28が取付金具18に対して軸方向に相対的に加振変位せしめられるようになっている。
なお、このことから明らかなように、本実施形態では、第一及び第二のヨーク部材40,42や永久磁石38、支持金具28を含んでマス部材66が構成されていると共に、連結ゴム弾性体36と板ばね54を含んでバネ部材68が構成されており、これらマス部材66およびバネ部材68から振動系が構成されている。また、かかる振動系は、マス部材66の質量とバネ部材68のばね定数を調節することによって調節設定された固有振動数を有していることから、該固有振動数に対応した周波数域で振動系を加振すると、振動系の共振作用によりマス部材66が大きく変化せしめられて大きな加振力が及ぼされる。要するに、本実施形態では、コイル60と、磁気ギャップ46を形成する永久磁石38等を含んで、マス部材66を強制的に加振せしめるアクチュエータとしての電磁式アクチュエータが構成されている。更に、本実施形態では、加振部材14が、マス部材66およびバネ部材68からなる振動系と電磁式アクチュエータを含んで構成されている。
そして、このような構造とされた加振部材14は、その取付金具18において振動部材であるステアリングコラム16に取り付けられている。なお、取付金具18には、カギ形に延び出す当接片70が一体形成されており、この当接片70が、筒金具30の上側開口周縁部に設けられたストッパゴム72を外方から所定距離を隔てて囲むように位置せしめられている。以て、筒金具30が当接片70に対して、ストッパゴム72を介して当接せしめられることにより、マス部材66の取付金具18に対する相対変位量を緩衝的に制限するストッパ機構が構成されている。
また、ステアリングコラム16には、加振部材14の装着部位にブラケット26が取り付けられている。そして、このブラケット26に対して加振部材14の取付金具18が固定されることにより、加振部材14の中心軸が略鉛直方向となる状態で装着されている。また、本実施形態では、ブラケット26に対して制御装置74が取り付けられており、この制御装置74の剛性ハウジング76に固定用ボルト92を用いて取付金具18(取付板金具24)が固定されている。これにより、加振部材14が、剛性ハウジング76を介してブラケット26に固定されている。
ここにおいて、ステアリング機構12の構造は、何等限定されるものでなく、各種の機構を備えた公知のステアリング機構が採用可能であり、本実施形態では、テレスコピック式のステアリング機構12が採用されている。かかるステアリング機構12は、公知の構造とされていることから、図1を参照しつつ、その説明を簡略にする。
すなわち、ステアリング機構12は、ステアリングホイール78やテレスコピックステアリングコラム(ステアリングコラム)16、ステアリングインタミディエイトシャフト80、更に図示しないステアリングギアやステアリングリンケージ等を含んで構成されている。ステアリングホイール78は、略円環状のリング部82と該リング部82と同心軸上に位置せしめられたボス部84が、複数本のスポーク86によって一体的に連結した構造とされている。また、ステアリングホイール78は、テレスコピックステアリングコラム16の一方の端部側に取り付けられている。このテレスコピックステアリングコラム16は、中空内部にメーンシャフト91と軸方向一方の端部にステアリングホイール78のボス部84を固設したスライディングシャフト(図示せず)が収容配置されて、中空ロッド状のメーンシャフト91の上端開口部からスライディングシャフトの軸方向下端部がスプライン嵌合等で相対回動不能に差し込まれており、該スライディングシャフトのメーンシャフトに対する軸方向の差し込み量を変更し、任意の位置で差し込み量を固定することによって、スライディングシャフトの軸方向長さを適宜に収縮/伸長せしめることが出来るようにされている。これにより、スライディングシャフトの軸方向長さの変化に伴って、スライディングシャフトに固定されたステアリングホイール78の位置が、軸方向で調整されるようになっている。
また、テレスコピックステアリングコラム16は、軸方向中間部分に支持板88が取り付けられており、この支持板88が車両ボデー90に固定されていることによって、車両ボデー90に支持されている。また、ステアリングコラム16の他方の端部には、メーンシャフト91の端部が突出しており、該端部がステアリングインタミディエイトシャフト80に対してユニバーサルジョイントで連結されている。更に、インタミディエイトシャフト80は、図示されていないがラック・ピニオン式またはボール・ナット式等のステアリングギアを介して車軸式または独立懸架式等のステアリングリンケージに連結されている。このようなステアリング機構12においては、運転者の操作力でステアリングホイール78が任意の方向に回転せしめられると、その回転力がメーンシャフト91およびインタミディエイトシャフト80を通じてステアリングギアに伝えられ、該ステアリングギアで回転が減速されて大きな伝達力が生ぜしめられると共に、該伝達力がステアリングリンケージを介してフロントホイールに操舵力として作用せしめられるようになっている。
而して、本実施形態では、テレスコピックステアリングコラム16の軸方向中間部分における支持板88よりもステアリングホイール78側に位置して、前述の如く加振部材14を支持するブラケット26がボルトや溶接等で固定されている。
また、ブラケット26に固着されて加振部材14の取付面を形成する剛性ハウジング76内に収容された制御装置74は、図3に概略的に示されているように、適応型フィルタ98や適応アルゴリズム100、遅延回路102、アンプ104、ローパスフィルタ106、A/D変換器108、D/A変換器110を含んで構成されており、これらを構成するハードウェアの一部乃至は全部が剛性ハウジング76に収容されている。公知の如く、適応型フィルタ98は、適応アルゴリズム100によってフィルタ係数が書き換えられるようになっている。また、適応型フィルタ98にテレスコピックステアリングコラム16の振動に相関する入力信号:xが入力されると、加振部材14を制御する出力信号:yが出力されるようになっている。そして、適応型フィルタ98のフィルタ係数:Wをステアリングコラム16の振動が小さくなるように高速で更新することによって、加振部材14の適応制御が行われるようになっている。
すなわち、伝達関数で表される要素は、適応型フィルタ98の出力信号:yによって駆動される加振部材14による加振力がステアリングコラム16に及ぼされる出力系と、ステアリングコラム16の振動の検出信号としての振動検出信号:zを目標信号(例えば振動が無い状態の信号)と比較して得られた誤差信号:eに基づいて適応アルゴリズム100により適応型フィルタ98のフィルタ係数:Wを変更するフィードバック系との、両方を含む信号および振動の伝達系を表すものである。具体的には、本実施形態の伝達関数は、それら出力系とフィードバック系を構成するアンプ104やローパスフィルタ106、A/D変換器108、D/A変換器110、加振部材14、剛性ハウジング76、ステアリングコラム16を備えたステアリング機構12、後述する第一及び第二のセンサ112,114等の各種要素の信号又は振動の伝達特性に基づくものである。なお、適応アルゴリズム100には、入力信号:xが、上述の要素における伝達関数の推定値を伝達関数とする遅延回路102を通じて、入力信号:rとして入力されるようになっており、入力信号:rと誤差信号:eが時間合わせされるようになっている。また、本実施形態の適応アルゴリズム100としては、簡素で実現容易であること等から、公知のLMS法や最急降下法等の最小自乗法が採用され得る。また適応型フィルタ98としては、一般にデジタルフィルタが用いられる。
また、自動車のエンジンを含むパワーユニット116には、第一のセンサ112が取り付けられている。この第一のセンサ112は、カムシャフト乃至はクランクシャフトのギアの歯の通過時にパルスを発生するピックアップで構成されており、エンジンの点火時期に同期した参照信号を出力するようになっている。また、第一のセンサ112の検出信号(参照信号)が、第一のリード線118を通じてアンプ104a、ローパスフィルタ106aおよびA/D変換器108aに導かれ、入力信号:xとして適応型フィルタ98に入力されるようになっている。また、適応型フィルタ98によって得られた出力信号:yが、D/A変換器110、ローパスフィルタ106bを通じて制御信号としてアンプ104bに導かれる。アンプ104bでは、制御信号を増幅して駆動電流を発生し、該駆動電流が給電用リード線64を介して、加振部材14におけるコイル60に通電されるようになっている。その結果、マス部材66が強制的に加振されることに伴い加振力を発生し、この加振力がステアリング機構12のテレスコピックステアリングコラム16に及ぼされるようになっているのである。
また、ブラケット26に固定された剛性ハウジング76には、検出手段としての第二のセンサ114が取り付けられている。この第二のセンサ114としては、例えば加速度センサが採用されており、ブラケット26や剛性ハウジング76を通じて伝達されるテレスコピックステアリングコラム16の振動が、かかる第二のセンサ114によって検出されるようになっている。そして、ステアリングコラム16の振動レベルを検出した検出信号:zが、第二のセンサ114から出力されて、第二のリード線120を通じてアンプ104c、ローパスフィルタ106cおよびA/D変換器108bに導かれ、誤差信号:eとして適応アルゴリズム100に入力されるようになっている。また、適応アルゴリズム100には、第一のセンサ112の検出信号に基づいて得られた入力信号:xが、伝達関数を考慮した遅延回路102を通じて入力されるようになっている。
そして、適応アルゴリズム100により、第二のセンサ114の検出信号:zに基づいて得られる誤差信号:eが零に近づくように、適応型フィルタ98のフィルタ係数:Wが変更されるようになっている。以て、ステアリングコラム16の振動レベルが小さくなるように、第二のセンサ114の検出信号:zに基づいて加振部材14が制御されて、加振部材14からステアリングコラム16に及ぼされる加振力が調節されるのである。特に本実施形態では、剛性ハウジング76に収容された制御装置74や、剛性ハウジング76に固定された加振部材14や第二のセンサ114を備えた一体的なユニット構造体として、制振装置14が提供されるようになっている。しかも、取付金具18に対して剛性ハウジング76を介して第二のセンサ114が固定されていることにより、取付金具18と第二のセンサ114の両方が、何れも一つの振動部材であるステアリングコラム16に対して固定されている。これにより、加振部材14と第二のセンサ114が実質的に伝達関数の変化しない状態で、ステアリング機構12に取り付けられている。
また、本実施形態では、ステアリング機構12における振動部材としてのテレスコピックステアリングコラム16の固有振動数が10〜30Hz程度となっており、この周波数域が、一般的な自動車におけるアイドリング周波数域に略一致している。そこにおいて、特に本実施形態では、加振部材14においてマス部材66およびバネ部材68からなる振動系の固有振動数が、ステアリングコラム16の固有振動数よりも低い周波数域にチューニングされている。
上述の如き構造とされたステアリング用制振装置10においては、テレスコピックステアリングコラム16の振動状態を検出する第二のセンサ114の検出信号:zに基づいて、その振動に対して有効な制振効果を発揮し得るように、制御装置74を介して検出信号:zに対応した駆動電流がコイル60に及ぼされる。而して、斯くの如くコイル60に通電すると、コイル60と永久磁石38の磁界との間に生ぜしめられる電磁力に基づく軸方向の加振力がマス部材66に対して直接的に及ぼされることとなり、マス部材66とバネ部材68からなる振動系が強制加振されることとなる。即ち、マス部材66が、テレスコピックステアリングコラム16に対して接近/離隔方向に相対変位せしめられて、ステアリングコラム16に略軸直角方向の加振力が伝達されることにより、ステアリングコラム16、ひいてはステアリングコラム16に連結するステアリングホイール78の振動を相殺的に抑制するようになっている。
従って、本実施形態に係るステアリング用制振装置10にあっては、ステアリング振動の検出信号:zに基づいた制御装置74による適応制御によって、加振部材14の加振力が制振すべき振動に対応した周波数や位相でステアリング機構12に伝達されることにより、有効な能動的防振効果が発揮され得る。また、本実施形態では、ステアリング機構12にテレスコピックステアリングコラム16を備えていることにより、ステアリングホイール78の位置調整によってステアリングコラム16の固有振動数が変化することとなるが、上述の如く加振部材14が振動検出信号:zに基づいて適応制御されることにより、そのような固有振動数の変化に追従して制振作用が調節されることとなり、目的とする制振効果が有効に安定して発揮され得るのである。
そこにおいて、特に本実施形態では、加振部材14がマス部材66とバネ部材68からなる振動系を含んで構成されて、電磁式アクチュエータによる加振力がマス部材66とステアリングコラム16の間に及ぼされるようになっていることにより、マス部材66に及ぼされる作用反力としてステアリングコラム16に対する加振力が生ぜしめられることとなる。それ故、ステアリング機構12に反力を及ぼすための支持部材等を加振部材14に配設する必要もないことから、加振部材14のステアリング機構12に対する取り付け構造が簡略化され得ると共に、ステアリング機構12や加振部材14の設計自由度が有利に向上され得るのである。
また、本実施形態においては、予め振動系のチューニング周波数がステアリング機構12のステアリングコラム16において制振を目的とする振動周波数よりも低い周波数域に設定されていることにより、該ステアリングコラム16に及ぼされる加振力の広い周波数域で、マス部材66のステアリングコラム16に対する相対変位が振動系の共振作用によって最適化され得る。以て、目的とする制振効果が、より一層広い周波数域で安定して発揮され得るのである。
さらに、本実施形態では、ステアリングコラム16の振動を検出する第二のセンサ114が、ステアリングコラム16と加振部材14の間に組み付けられていることにより、伝達関数で表される要素における加振部材14を含む出力系と第二のセンサ114を含むフィードバック系との伝達系がコンパクト化されて、加振部材14と第二のセンサ114が実質的に伝達関数の変化しないように取り付けられている。その結果、振動部材であるステアリングコラム16の残留振動の検出信号となる誤差信号:eが略零となるように適応型フィルタ98のフィルタ係数:Wを調整することによって、ステアリングコラム16における実際の振動状態を可及的に抑えるように制御することが可能となり、目的とする制振効果を一層高度に得ることが出来るのである。
更にまた、本実施形態では、電磁式アクチュエータの一部を構成するコイル60が、取付金具18に対して固設されており、取付板金具24や剛性ハウジング76、ブラケット26等を介してステアリングコラム16に対して相対変位不能に取り付けられていることから、振動系の加振に際してコイル60に対する給電用リード線64の変形が回避されるのであり、給電用リード線64の繰り返し変形に基因する断線トラブルが防止されて、耐久性の向上も図られ得る。
次に、図4には、本発明の第二の実施形態としてのステアリング用制振装置130が示されている。このステアリング用制振装置130は、前記第一の実施形態における加振部材14と異なる態様の加振部材132を備えている。なお、以下の説明中、第一の実施形態と実質的に同一の構造とされた部材および部位については、図中に第一の実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
すなわち、本実施形態の加振部材132は、マス部材としてのマス金具134およびバネ部材としての連結ゴム弾性体36からなる振動系136とアクチュエータとしての電磁式アクチュエータ138を含んで構成されている。マス金具134は、略矩形乃至は円形ブロック状を呈しており、鉄等の高比重な金属材によって形成されている。また、マス金具134の軸方向一方(図4中、上)の端面には、ガイドロッド50が一体的に突出形成されている。このガイドロッド50は、略矩形乃至は円形ロッド状を有しており、マス金具134の略中心軸上に位置せしめられて、軸方向一方に向かって突出している。更に、ガイドロッド50の軸方向中間部分には、可動片140が固着されている。可動片140は、周方向に連続乃至は不連続の環状とされており、鉄等の強磁性材により形成されている。
また、マス金具134の径方向外方には、支持筒金具142が配設されている。支持筒金具142は、略矩形筒形状乃至は円筒形状を呈している。更に、支持筒金具142の軸方向一方(図4中、上)の端部には、径方向外方に拡がる鍔部34が一体形成されていると共に、軸方向他方の端部には、軸方向外方に向かって拡開するテーパ状開口部144が一体形成されている。また、マス金具134と支持筒金具142は、ガイドロッド50が支持筒金具142に内挿された状態で、同一中心軸上に配置されていると共に、軸直角方向で相互に離隔位置せしめられている。さらに、本実施形態では、マス金具134と支持筒金具142の対向面間に連結ゴム弾性体36が配されており、連結ゴム弾性体36の内周面がマス金具134の筒状外周面に加硫接着されていると共に、連結ゴム弾性体36の外周面が支持筒金具142のテーパ状開口部144の内周面に加硫接着されていることにより、連結ゴム弾性体36が、マス金具134と支持筒金具142を備えた一体加硫成形品として形成されている。そして、本実施形態では、支持筒金具142の鍔部34が固定用ボルト92を用いて制御装置74の剛性ハウジング76にボルト固定されている。
また、支持筒金具142の軸方向中間部分には、電磁式アクチュエータ138が収容配置されている。この電磁式アクチュエータ138は、固定部材146を備えている。固定部材146は、例えば鉄等の強磁性材からなる環状の薄板の複数を軸方向で重ね合わせることによって構成されており、略円筒形状を呈している。また、固定部材146の軸方向中間部分には、径方向内方に向かって突出する一対のコア部148,148が設けられており、これらコア部148,148が径方向一方向で離隔して対向位置せしめらている。また、コア部148の突出先端部には、それぞれ、磁極を反対に設定した軸方向上下2つの永久磁石150a,150bが固着されている。これにより、二対の永久磁石150a,150bの軸直角方向対向面間には、磁気ギャップ152が形成されている。
さらに、各コア部148には、周方向に巻回された円環形状のコイル60のボビン62が外挿状態で固定的に組み付けられている。また、一対のコイル60,60は、制御装置74のアンプ104cに接続されて剛性ハウジング76の外部に突出せしめられた一対の給電用リード線64,64に対して、それぞれ、接続されている。
そして、このような電磁式アクチュエータ138は、マス金具134のガイドロッド50が磁気ギャップ152に差し込まれて、各2つの永久磁石150a,150bの内側磁極面と可動片140の外周面が径方向で対向位置せしめられた状態で、固定部材146が支持筒金具142に対して圧入固定されている。これにより、振動系136および電磁式アクチュエータ138を含んでなる加振部材132が、支持筒金具142および制御装置74の剛性ハウジング76を介してステアリングコラム16に対して固定されている。
従って、上述の如き構造とされたステアリング用制振装置130においては、制御装置74のアンプ104cから両給電用リード線64,64を介して両コイル60,60に同じ方向に駆動用の交番電流を給電すると、永久磁石150a,150bによって協働して生ぜしめられる磁界が可動片140に及ぼされて、軸方向(図4中の上下方向)の加振力が、可動片140を介してマス金具134に及ぼされることとなり、マス金具134と支持筒金具142の間に対して、中心軸上での接近/離隔方向の相対変位力が及ぼされることとなる。特に、両コイル60,60に通電する電流の方向を逆向きとすることによって、マス金具134と支持筒金具142の間に及ぼされる相対変位力を逆向きにとすることが出来るのであり、両コイル60,60に同時に交番電流を通電することによって、マス金具134と支持筒金具142に対して軸方向の相対的な加振力が及ぼされるようになっている。これにより、マス金具134が、制御装置74の剛性ハウジング76を介してテレスコピックステアリングコラム16に対して接近/離隔方向に相対変位せしめられて、ステアリングコラム16に加振力が伝達されることにより、ステアリングコラム16、ひいてはステアリングコラム16に連結するステアリングホイール78の振動を相殺的に抑制するようになっている。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であり、これら実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、前記実施形態では、加振部材、制御装置および第二のセンサが、ステアリング機構におけるテレスコピックステアリングコラムに対して一体的に取り付けられていたが、ステアリング機構の要求される箇所に対して、加振部材や制御装置,第二のセンサを、それぞれ、独立して取り付けられることも可能である。
また、本実施形態のステアリング用制振装置は、例示の如き取付位置に限定されるものでなく、例えば、ステアリングホイールやステアリングインタミディエイトシャフト、ステアリングリンケージ等に取り付けられたり、或いは特許第3094053号公報にも示されているように、ステアリングインタミディエイトシャフトに連結したステアリングギアボックス等に取り付けることも可能である。
また、本実施形態におけるステアリング用制振装置をステアリング機構における単一の振動部材に対して、或いは複数の振動部材に対して、複数取り付けることも勿論可能である。
また、前記実施形態における第二のセンサとして加速度センサが用いられていたが、それに代えて圧力センサを採用し、例えば剛性ハウジング76と取付板金具24の間で固定用ボルト92で挟み込んで組み付けるようにしても良い。これにより、ステアリングコラム16に対して第二のセンサ114を取り付けると共に、第二のセンサ114に対して加振部材14を取り付けて、ステアリングコラム16と加振部材14の間に第二のセンサ114を組み付けることも可能である。
本発明の第一の実施形態としてのステアリング用制振装置をステアリング機構に取り付けた形態をモデル的に示す説明図である。 図1におけるステアリング用制振装置の縦断面説明図である。 図1におけるステアリング用制振装置の一部を構成する制御装置を概略的に示す説明図である。 本発明の第二の実施形態としてのステアリング用制振装置を示す縦断面説明図である。
符号の説明
10 ステアリング用制振装置
12 ステアリング機構
14 加振部材
16 ステアリングコラム
38 永久磁石
60 コイル
66 マス部材
68 バネ部材
114 第二のセンサ

Claims (6)

  1. 自動車のステアリング機構におけるステアリングホイールの振動を低減するためのステアリング用制振装置であって、
    (a)マス部材と、前記ステアリング機構を構成する振動部材に対して該マス部材を弾性的に連結支持せしめるバネ部材とを含んで構成された振動系と、(b)該振動系の該マス部材と該ステアリング機構の該振動部材との間に加振力を及ぼすアクチュエータと、を含んで加振手段を構成すると共に、該ステアリング機構に装着されて該振動部材の振動を検出する検出手段を設けて、該検出手段による振動の検出信号に基づいて該加振手段を制御することにより該振動部材の振動を能動的に抑えるようにしたことを特徴とするステアリング用制振装置。
  2. 前記ステアリング機構にテレスコピックステアリングコラムが採用されて、該テレスコピックステアリングコラムの先端部分に取り付けられた前記ステアリングホイールが軸方向に位置調節可能とされている請求項1に記載のステアリング用制振装置。
  3. 前記ステアリング機構において、伝達関数が実質的に変化しない部位に対して前記加振手段と前記検出手段をそれぞれ取り付けるようにした請求項1又は2に記載のステアリング用制振装置。
  4. 前記ステアリング機構における前記振動部材に対して前記検出手段を取り付けると共に、該検出手段に対して前記加振手段を取り付けることにより、該振動部材と該加振手段の間に該検出手段を組み付けるようにした請求項1乃至3の何れかに記載のステアリング用制振装置。
  5. 前記ステアリング機構における前記振動部材に対して前記検出手段と前記加振手段を略同じ位置に取り付けた請求項1乃至3の何れかに記載のステアリング用制振装置。
  6. 前記加振手段における前記振動系の固有振動数が、前記ステアリング機構の前記振動部材において制振を目的とする振動周波数よりも低い周波数域にチューニングされている請求項1乃至5の何れかに記載のステアリング用制振装置。
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