JP2005073446A - 巻線装置 - Google Patents

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聖二 細野
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Abstract

【課題】 コイルエンドをより短く、かつ、成形しやすい形状にすることができる巻線装置を提供する。
【解決手段】 この巻線装置は、巻線装置本体に支持された巻枠300と、この巻枠に電線を巻線する手段とを備え、前記巻枠は、支持板303と、この支持板303に固定された前方巻枠310と、この支持板にスライド可能に配置された第1スライドブロック330及び第2スライドブロック331と、第1スライドブロック及び第2スライドブロックに連結された後方巻枠320とを有している。後方巻枠は、その一箇所を第1スライドブロックに支軸及び/又はリンクを介して連結され、前記箇所とは離れた別の箇所を第2スライドブロックに支軸及び/又はリンクを介して連結されており、第1スライドブロック及び第2スライドブロックのスライドにより、前方巻枠と後方巻枠との距離と、前方巻枠に対する後方巻枠の傾斜角度とが変更可能とされている。
【選択図】 図12

Description

本発明は、ステータコアのスロットに挿入するコイルを巻線するための巻線装置であって、巻線するコイルの周長を変更できるようにしたものに関する。
従来より、ステータコアへのコイルの装着方法の一つとして、巻線装置で巻線されたコイルをコイル挿入治具のブレードの所定の間隙に落とし込み、このコイル挿入治具のブレードの先端部にステータコアを嵌合させ、ストリッパを押し上げてコイルをブレードの隙間からステータコアのスロットに挿入する方法が採用されている。なお、巻線されたコイルをトランスファー治具に落とし込み、トランスファー治具からコイル挿入治具にコイルを移して、コイル挿入操作を行う場合もある。
そして、上記巻線装置として、下記特許文献1には、環状に配列された複数のブレードを有するコイル挿入治具と、このコイル挿入治具の上方に配置された前方巻枠と、この前方巻枠に対向して配置された後方巻枠と、前記一対の巻枠に電線を巻き付けてコイルを形成するフライヤとを備えたコイル巻線装置において、前記後方巻枠は、前記前方巻枠側に位置する固定部と、この固定部に所定の距離で近接離反可能に支持された可動部と、この可動部を前記固定部に対して離す方向に付勢する弾性手段と、前記固定部と前記可動部との距離を一定に保つ係脱可能な可動ストッパと、外側から押圧されたときこの可動ストッパの係合を外すストッパ解除部材とで構成されており、前記フライヤの巻線位置が、前記後方巻枠の前記ストッパ解除手段より下方の位置から、前記ストッパ解除手段に当たる位置へ変更されるように、前記一対の巻枠を巻線操作中に下降させる昇降手段が設けられていることを特徴とするコイル巻線装置が開示されている。
この巻線装置によれば、巻線の途中で、前方巻枠及び後方巻枠が下降し、フライヤの巻線位置が、後方巻枠のストッパ解除手段に当たる位置へ変更される。その結果、ストッパ解除手段が巻線によって押圧され、可動ストッパの係合が外れて、後方巻枠を構成する可動部が、弾性手段に抗して固定部に近接するように移動する。その結果、前方巻枠及び後方巻枠の外周に巻き付けられるコイルの周長が巻線の途中から短くなる。
こうして、ステータコアの所定のスロットに挿入されるべきコイルの形成に際して、巻線の前半はコイルの周長が長く、巻線の後半はコイルの周長が短くなるように形成することが可能となる。そして、このコイルをコイル挿入装置によってステータコアのスロットに押し込むと、ステータコアの端面から突出するコイルエンドを全体として短くすることができ、それによって、最終的に製造されるモータ等の性能が向上すると共に、コイルエンドの成形作業も容易になる。
特開平7−222410号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された巻線装置では、コイルの周長の変化が2段階的にしかなされず、コイルの周長が変化しないものと比べれば、コイルエンドを短くする効果に優れているが、コイルエンドをより短く、かつ、成形しやすい形状にするという要求を十分に満たせるとは言えなかった。
したがって、本発明の目的は、コイルエンドをより短く、かつ、成形しやすい形状にすることができる巻線装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の巻線装置は、ステータコアのスロットに挿入するコイルを巻線するための巻線装置において、巻線装置本体に支持された巻枠と、この巻枠に電線を巻線する手段とを備え、前記巻枠は、支持板と、この支持板に固定された前方巻枠と、この支持板にスライド可能に配置された第1スライドブロック及び第2スライドブロックと、前記第1スライドブロック及び前記第2スライドブロックに連結された後方巻枠とを有しており、前記後方巻枠は、その一箇所を前記第1スライドブロックに支軸及び/又はリンクを介して連結され、前記箇所とは離れた別の箇所を前記第2スライドブロックに支軸及び/又はリンクを介して連結されており、前記第1スライドブロック及び前記第2スライドブロックを前記支持板上でそれぞれ独立してスライドさせることにより、前記前方巻枠と前記後方巻枠との距離と、前記前方巻枠に対する前記後方巻枠の傾斜角度とを変更可能としたことを特徴とする。
本発明の巻線装置によれば、第1スライドブロックと第2スライドブロックとを相対的な位置を変えずに一緒に移動させれば、後方巻枠が姿勢を変えずに移動し、前方巻枠と後方巻枠との距離を変更することができる。それによって、例えばステータコアの厚さが変更された場合に、それに合わせて巻線されるコイルの周長を変えることができる。そればかりでなく、巻線作業が終了して、巻枠に巻き付いたコイルをトランスファー治具やコイル挿入治具に落とし込む際に、前方巻枠と後方巻枠との距離を短くして、コイルが落下し易くすることができる。
また、第1スライドブロックと第2スライドブロックとを相対的な位置が変わるように移動させた場合、例えば、いずれか一方を固定しておいて他方を移動させたり、両者を逆方向に移動させたりした場合には、支軸及び/又はリンクを介して、後方巻枠の前方巻枠に対する傾斜角度が変化する。その結果、巻枠に巻線されるコイルの周長が次第に長くなったり、次第に短くなったりするように巻線することができる。
なお、前方巻枠に対して、後方巻枠が下方に向かうほど広がるように傾斜している場合には、巻線されたコイルをそのままでは落とすことができなくなるが、前述したように、第1スライドブロックと第2スライドブロックとを移動させることにより、前方巻枠と後方巻枠との距離を短くすることができるので、コイルを落とすことが可能となる。
本発明の巻線装置においては、前記第1スライドブロック及び前記第2スライドブロックには、それぞれ独立に回転するネジが螺挿されており、前記巻線装置本体には、前記各ネジを回転させる駆動機構が設けられていることが好ましい。
上記態様によれば、巻線装置本体の駆動機構によって、各ネジを回転させることにより、第1スライドブロックと第2スライドブロックとを独立して所望の方向に正確な距離で移動させることができるので、前方巻枠に対する後方巻枠の距離や、傾斜角度を正確に設定することができる。
また、本発明の巻線装置は、複数本の電線を並列して巻枠に巻き付けてコイルを形成する作業を繰り返すことにより、多極のコイルを連続的に形成するようにした巻線装置であって、複数本の電線を並列させて供給する電線供給手段と、複数の巻枠が取付けられた回転板と、選択された巻枠を回転板に対して突出させる巻枠スライド手段とを備え、前記巻枠スライド手段によって、前記巻枠を前記回転板に対して選択的に突出させ、前記回転板を回転させることにより、前記電線供給手段によって供給される複数本の電線が、前記突出した巻枠に巻き付けられるように構成されており、前記巻線装置本体には、同心円状に配置された2つのクラウンギヤが配置され、前記各ネジにはベベルギヤがそれぞれ装着され、前記巻枠を前記巻線装置本体側に引き込ませた状態で、前記各ベベルギヤが対応する前記クラウンギヤに歯合するように構成されていることが好ましい。
上記態様によれば、複数本の電線を並列して巻線したコイルを形成することができ、例えば低電圧、大電流による駆動が必要とされる自動車用モータ等において、複数本の電線に並行的に電流を流すことにより、1本ずつの電線は細くても大電流を流すことが可能なモータを製造することができる。また、巻枠を回転板に対して選択的に突出させ、回転板を回転させることにより、多極のコイルを連続的に形成することができ、巻線作業性を向上させることができる。更に、巻枠が引き込んだときに、巻線装置本体に配置されたクラウンギヤを回転させることにより、複数の巻枠の後方巻枠を一斉に移動させて、前方巻枠に対する距離や角度を変更することができる。
上記態様においては、前記巻枠には、前記ベベルギヤに弾性的に圧接されてその回転をロックするストッパピンが設けられており、前記巻枠を前記巻線装置本体側に引き込ませた状態では、前記ストッパピンが前記ベベルギヤから離れるように構成されていることが更に好ましい。
上記態様によれば、巻枠が回転板に対して突出した状態では、ストッパピンによってベベルギヤの回動がロックされるので、巻線操作中に後方巻枠が不用意に動くことを防止でき、巻枠が巻線装置本体側に引き込んだ状態では、ストッパピンが前記ベベルギヤから離れてロックが解除されると共に、ベベルギヤが前記クラウンギヤに歯合するので、後方巻枠を移動させることが可能となる。
本発明の巻線装置によれば、第1スライドブロックと第2スライドブロックとを相対的な位置を変えずに一緒に移動させれば、後方巻枠が姿勢を変えずに移動し、前方巻枠と後方巻枠との距離を変更することができるので、例えばステータコアの厚さが変更された場合に、それに合わせて巻線されるコイルの周長を変えることができ、巻線作業が終了して、巻枠に巻き付いたコイルをトランスファー治具やコイル挿入治具に落とし込む際に、前方巻枠と後方巻枠との距離を短くして、コイルが落下し易くすることができる。
また、第1スライドブロックと第2スライドブロックとを相対的な位置が変わるように移動させた場合には、支軸及び/又はリンクを介して、後方巻枠の前方巻枠に対する傾斜角度が変化するので、巻枠に巻線されるコイルの周長が次第に長くなったり、次第に短くなったりするように巻線することができる。それによって、ステータコアに挿入したときに、コイルエンドをより短く、かつ、成形しやすい形状にすることができる。
以下、図1〜19には、本発明による巻線装置の一実施形態が示されている。
図1に示すように、この巻線装置100は、基台110を有している。基台110のテーブル111上には、ボックス型の下部フレーム120が設置されている。下部フレーム120の更に上には、中間フレーム130が設置され、中間フレーム130の更に上には、角筒状の上部フレーム140が設置されている。
テーブル111上には、ガイドレール112が設置され、これに図4に示すパレット113が、トランスファー治具114を搭載して、スライド可能に配置されるようになっている。トランスファー治具114は、図19に示すように、全体として円筒状をなし、その上部が複数本の櫛歯115をなしていて、櫛歯115の間隙に、巻線されたコイルが挿入保持されるようになっている。このトランスファー治具114は、図示しないコイル挿入治具(インサーター治具)に巻線されたコイルを受け渡し、このコイル挿入治具を用いてコイル挿入装置によってステータコアのスロット内に巻線されたコイルを挿入する。
本発明の巻線装置は、上記のように、コイル挿入装置によってステータコアのスロット内に挿入されるコイルを形成する装置であり、しかも複数本の電線を並列させてパラ巻きすることによってコイルを形成する巻線装置である。
図2,3は、上記フレーム120、130、140の一部を省略して示す図であり、これらのフレームの中に、巻線装置本体200が収容されている。巻線装置本体200は、下部フレーム120内に配置された巻枠300と、中間フレーム130内に配置された、巻枠300のスライド支軸220と、上部フレーム140内に配置されて、その下端部が中間フレーム130内に伸びて、前記スライド支軸220の基端部に螺挿されたネジ軸240と、上部フレーム140上に設置されて、前記ネジ軸240を後述する機構によって回転させるサーボモータ290とを有している。
サーボモータ290は、後述する機構によって、ネジ軸240を回転させ、巻枠300のスライド支軸220をスライドさせて、巻枠300を昇降動作させる。各巻枠300を個別的に昇降動作させるため、スライド支軸220、ネジ軸240、サーボモータ290は、各巻枠300毎に設けられている。巻枠300の数は、一回の巻線操作によって形成しようとするコイルの数に応じて設定されている。
図5に示すように、この実施形態の場合、巻枠300は合計8個設けられており、一回の巻線操作で8個のコイルを連続して形成できるようになっている。巻枠300の数は、一回の巻線操作によって形成しようとするコイルの数に応じて適宜変更することができるが、好ましい数は3〜12くらいである。
これらの巻枠300は、前記スライド支軸220に支持されて昇降可能に配置されているが、このスライド支軸220は、回転板201に挿通されており、回転板201と共に回転可能に取付けられている。回転板201の下面には、合計8本の引っ掛け棒210がほぼ等間隔で垂設されている。各引っ掛け棒210は、その下端部に拡径部211を有しており、電線Wを引っ掛けたときに下方に滑り落ちないようにしている。
図6に示すように、選択された巻枠300が回転板201の下方に突出し、回転板201と共に巻枠300が回転することにより、電線供給ノズル432から繰り出される複数本の並列した電線Wが、突出した巻枠300に巻き付けられて、コイルCが形成されるようになっている。引っ掛け棒210は、突出した巻枠300の電線巻き付け位置よりも短い長さとされている。
図7は、巻線装置本体200の内部機構を説明するため、特定の巻枠300、スライド支軸220、ネジ軸240、サーボモータ290を取り出して示す模式断面図であり、図8はその下半部を示す部分拡大断面図、図9はその上半部を示す部分拡大断面図である。また、図10は巻線装置本体200の正式な正面断面図であり、図11は巻線装置本体200の正式な側面断面図である。
図8に示すように、回転板201は、ベアリング221を介して、下部フレーム120の上壁120aに回転可能に支持されている。そして、回転板201上には、ガイド取付用メンバ222と内筒230とが、同心円状の配置をなして立設されている。そして、ガイド取付用メンバ222及び内筒230の上端部は、中間フレーム130の上壁130aにベアリング223、224を介して回転可能に支持された中間回転板232に固定されている。中間回転板232上には、更に上部円筒231が立設されており、上部円筒231の上端部は、ベアリング225を介して、上部フレーム140の上壁140aに回転可能に支持されている。したがって、回転板201、ガイド取付用メンバ222、内筒230、中間回転板232及び上部円筒231は、上下に一体となって、フレーム120,130,140に対して回転可能に支持されている。
巻枠300のスライド支軸220は、この実施形態の場合、円筒状をなし、回転板201を上下に貫通して、上下方向にスライド可能に支持されている。また、スライド支軸220の上端部は、上記ガイド取付用メンバ222に取付けられたガイドレール222aに摺動可能に支持されており、それによってスライド支軸220のスライド支持と回り止めがなされている。更に、前記ネジ軸240は、中間回転板232の内部で、継手241により連結された下方軸240aと上方軸240bとで構成されている。そして、下方軸240aはボールネジをなしており、スライド支軸220の上端部に設けられたナット220aに螺挿されている。
そして、ネジ軸240の上方軸240bの上端部には、遊星ギヤ242が装着されている。また、上部円筒231から外方に延出されたブラケット236を介して、環状ギヤ243が回転可能に配置されている。環状ギヤ243は、その内周及び外周にギヤを有し、内周のギヤが上記遊星ギヤ242に歯合している。
また、上部フレーム140の上壁140a上に設置した前記サーボモータ290は、その駆動軸291が、上部フレーム140の上壁140aを貫通して上部フレーム140内に延びており、その下端は、中間フレーム130の上壁130aに回転可能に支持されている。そして、この駆動軸291には、対応する環状ギヤ243の外周のギヤに歯合する駆動ギヤ292が装着されている。
したがって、サーボモータ290により駆動軸291、駆動ギヤ292が回転すると、駆動ギヤ292に歯合する環状ギヤ243が回転し、更に環状ギヤ243に歯合する遊星ギヤ242が回転する。そして、遊星ギヤ242と一体の上方軸240bが回転し、この上方軸240bに連結された下方軸240aが回転する。
次に、中間フレーム130の上壁130aには、ブラケット131を介して、サーボモータ280が取付けられ、その駆動軸281には駆動プーリ282が装着されている。また、ブラケット131には、アイドル回転軸283が装着され、このアイドル回転軸283の上端には、第1従動プーリ284が装着されている。そして、前記駆動プーリ282と第1従動プーリ284との間に第1タイミングベルト285が張設されている。
また、アイドル回転軸283の下端には、第2従動プーリ286が装着されている。そして、上壁130aに回転可能に支持された前記中間回転板232には、第3従動プーリ287が取付けられている。そして、第2従動プーリ286と第3従動プーリ287との間に第2タイミングベルト288が張設されている。
したがって、サーボモータ280により駆動軸281及び駆動プーリ282が回転すると、第1タイミングベルト285を介して第1従動プーリ284が回転し、更にアイドル回転軸283、第2従動プーリ286、第2タイミングベルト287を介して、第3従動プーリ287が回転する。その結果、中間回転板232が回転し、中間回転板232に連設された部分、すなわちガイド取付用メンバ222と、内筒230と、回転板201と、上部円筒231と、中間回転板232を貫通するネジ軸240と、回転板201を貫通するスライド支軸220と、スライド支軸220の下端に支持された巻枠300とが一体に回転する。
そして、今、サーボモータ290が停止していて、サーボモータ280により上記中間回転板232と一体の部分が回転すると、環状ギヤ243は、サーボモータ290の駆動軸291に装着された駆動ギヤ292に歯合しているため回転できない。一方、環状ギヤ243の内周に歯合する遊星ギヤ242は、ネジ軸240の回転に伴って遊星運動を行うため、環状ギヤ243との歯合によって回転(自転)することになる。すると、ネジ軸240の下方軸240aが螺挿された、スライド支軸220の上端部のナット220aが上下方向に移動し、該スライド軸220に連結された巻枠300が上下移動する。
しかしながら、巻線操作中に、上記のように巻枠300が上下移動してしまうと、巻線が困難となるため、巻線操作中には、原則としてネジ軸240が、中間回転板232及び回転板201に対して、相対回転しないようにしなければならない。このため、本発明においては、巻線操作中には、サーボモータ290により駆動ギヤ292を介して、環状ギヤ243を中間回転板232の回転と同期させて回転させる。その結果、環状ギヤ243と、ネジ軸240に装着された遊星ギヤ243との相対位置が変化しないため、遊星ギヤ243は自転せず、ネジ軸240も自転しないので、スライド支軸220が上下移動することなく、所定の位置を保持する。
一方、1つの巻枠300における巻線操作が終了して、その巻枠300を回転板201方向に上昇させ、次の巻枠300を下降させて再び巻線を開始する場合においては、サーボモータ290の回転を制御して、環状ギヤ243を中間回転板232に対して相対回転させる。この場合の環状ギヤ243の回転方向は、巻枠300を下降させるか、上昇させるかによって決定される。そして、環状ギヤ243が中間回転板232に対して相対回転すると、環状ギヤ243の内周に歯合する遊星ギヤ242が所定の方向に自転し、その結果、ネジ軸240が同方向に自転する。すると、前述したように、ネジ軸240の下方軸240aが螺挿された、スライド支軸220の上端部のナット220aが上方又は下方に移動し、該スライド軸220に連結された巻枠300が上方又は下方に移動する。
このようにして、サーボモータ290の回転を制御することにより、巻枠300の上下位置を固定することもできるし、上方又は下方に移動することもできる。この巻枠300の上下移動は、サーボモータ280が停止して巻枠300が回転していないときだけでなく、サーボモータ280が回転して巻枠300が回転している途中でも行うことができ、例えば巻線の開始時や終了時などで、渡り線を前述した引っ掛け棒210に引っ掛ける操作の途中などで行うこともできる。
なお、スライド支軸220、ネジ軸240、遊星ギヤ243、環状ギヤ243、駆動ギヤ292、駆動軸291、サーボモータ290は、巻枠300毎にそれぞれ設けられているので、この実施形態の場合は、合計8組設けられている。図10及び図11は、これら8組のものが全て記載された実際の断面図を示している。
次に、再び図7,8,9を参照すると、回転板201、内筒230、中間回転板232及び上部円筒231を上下方向に貫通するスライド棒250が、各巻枠300毎に合計8本配設されている。各スライド棒250は、それらの外周に装着されたスプリング251によって、常時上方に向けて付勢されている。そして、それらの下端は、巻枠300の前端部301に挿通され、その再下端に、巻線されたコイルの払い落とし板302が装着されている(図8参照)。
また、上フレーム140の上壁140a上には、台252を介してエアシリンダ253が設置されており、その作動軸は下方に向かい、その下端に押し板254が取付けられている。この押し板254は、全ての巻枠300に対する巻線が終了し、巻枠300が上方位置にあるとき、エアシリンダ253の作動によって下降し、合計8本のスライド棒250の上端を同時に押して、各巻枠300の払い落とし板302を下降させ、巻枠300に巻き付けられたコイルを払い落とす役割をなす。
次に、図5,6及び図12を参照して、巻枠300の構造を説明する。
巻枠300は、前記スライド支軸220の下端に連結される支持板303と、この支持板303の前方下面に接合された前端部301と、支持板303の後方下面に接合された後端部305とを有している。前端部301には、前述したように、スライド棒250が挿通され、その下端に払い落とし板302が取付けられている。また、前端部301の下面には、前方巻枠310が下方に垂下するように取付けられている。前方巻枠310の幅方向中間には、長さ方向に沿って伸びるスリット311が形成されており、上記払い落とし板302の先端がこのスリット311に挿入されている。
後端部305には、第1ボールネジ306と、この第1ボールネジ306の外周に同軸的に装着された円筒状の第2ボールネジ307とが挿通され、第1ボールネジ306の先端が前端部301に回転可能に支持されている。第1ボールネジ306の基端部には、第1ベベルギヤ308が装着されている。
また、第2ボールネジ307は、第1ボールネジ306の中間部に配置され、第1ボールネジ306の両端部は、第2ボールネジ307から突出している。そして、第2ボールネジ307の基端部には、第2ベベルギヤ309が装着されている。
第1ボールネジ306の第2ボールネジ307から突出した先端部は、第1スライドブロック330に螺挿されている。第1スライドブロック330は、支持板303の下面において、図示しない両側を挟む部材によって前後方向にスライド可能に保持されている。したがって、第1ベベルギヤ308を介して第1ボールネジ306が回転すると、第1スライドブロック330は、前後方向にスライドする。
また、第2ボールネジ307は、第2スライドブロック331に螺挿されている。第2スライドブロック331も、支持板303の下面において、図示しない両側を挟む部材によって前後方向にスライド可能に保持されている。したがって、第2ベルギヤ309を介して第2ボールネジ307が回転すると、第2スライドブロック331は、前後方向にスライドする。
第2スライドブロック331は、ほぼL字状をなして下方に延出されたアーム331aを有し、このアーム331aの先端に、支軸332を介して、後方巻枠320が回動可能に支持されている。支軸332は、後方巻枠320の基部側にあって、基端部よりやや下方位置に配置されている。
また、第1スライドブロック330には、リンク333の一端が支軸334を介して枢着され、リンク333の他端は後方巻枠320の基端部に支軸335を介して枢着されている。
後端部305には、支軸336を介して、ストッパ片337が回動可能に取付けられている。ストッパ片337は、後端部305から伸びるブラケット338を介して装着されたスプリング339によって、常時上方に向けて付勢されている。また、ストッパ片337の上面には、棒340が立設されている。
ストッパ片337には、ストッパ片337がスプリング339によって上方に回動した状態で、前記第1ベベルギヤ308に圧接されてその回転を静止する第1ストッパピン341と、第2ベベルギヤ309に圧接されてその回動を静止する第2ストッパピン342が取付けられている。
図8に示すように、巻枠300が上方に移動した状態では、前記棒340が下部フレーム120の上壁120aに当接し、ストッパ片337をスプリング339の付勢力に抗して下方に押し下げるため、上記第1ストッパピン341、第2ストッパピン342が、対応する第1ベベルギヤ308、第2ベベルギヤ309から離れるため、第1ボールネジ306、第2ボールネジ307の回転が可能となる。
しかし、巻線操作のために巻枠300が下降した状態では、棒340が上壁120aから離れるため、ストッパ片337がスプリング339の付勢力で上方に回動し、第1ベベルギヤ308に第1ストッパピン341が圧接され、第2ベベルギヤ309に第2ストッパピン342が圧接される。その結果、第1ボールネジ306、第2ボールネジ307の回転が規制される。
なお、棒340は、ストッパ片337側ではなく、下部フレーム120の上壁120a側に垂下するように取付けられていてもよい。
図5,6、8を併せて参照すると、回転板201の外周には、回転板201とは独立して回転可能にフレーム120に保持された2つのクラウンギヤ202、203が同心状に配置されている。それぞれのクラウンギヤ202、203は、半径方向外方に突出してその外周面に形成されたギヤ202a、203aと、下方に突出してその下面に形成された冠状のギヤ202b、203bとを有している。
そして、特に図8に示すように、下部フレーム120の上壁120a上には、2つのサーボモータ260,261が設置されている。このうちの一方のサーボモータ260は、その駆動ギヤ262が上記クラウンギヤ202のギヤ202aに歯合している。また、他方のサーボモータ261は、その駆動ギヤ263が上記クラウンギヤ203のギヤ203aに歯合している。
一方、巻枠300が上昇すると、前記第1ベベルギヤ308は、上記クラウンギヤ202のギヤ202bに歯合し、前記第2ベベルギヤ309は、上記クラウンギヤ203のギヤ203bに歯合する。そして、サーボモータ260が回転すると、駆動ギヤ262、ギヤ202aを介してクラウンギヤ202が回転し、ギヤ202bを介して第1ベベルギヤ308が回転する。また、サーボモータ261が回転すると、駆動ギヤ263、ギヤ203aを介してクラウンギヤ203が回転し、ギヤ203bを介して第2ベベルギヤ309が回転する。
図12を再び参照すると、第1ベベルギヤ308が回転すると、第1ボールネジ306が回転し、第1スライドブロック330が移動する。また、第2ベベルギヤ309が回転すると、第2ボールネジ307が回転し、第2スライドブロック331が移動する。
第1スライドブロック330及び第2スライドブロック331が同じ方向に同じ長さで移動する場合には、後方巻枠320は、その姿勢を崩さずに一定の角度を保ったまま、前方巻枠310に対して近接し、あるいは離反する。これによって、適用すべきステータコアの厚さに応じて、巻線されるコイルのループ長を変えることができる。また、巻線されたコイルCをトランスファー治具114に落とし込む際には、後方巻枠320を前方巻枠310に近接させて、コイルCの周長がたるむようにし、コイルCが落下し易くすることができる。
また、第1スライドブロック330が停止した状態で第2スライドブロック331が移動する場合や、第1スライドブロック330及び第2スライドブロック331の移動方向や移動距離が異なる場合には、第1スライドブロック330及び第2スライドブロック331の相互の距離が変化することになるため、第1ブロック330にリンク333を介して連結された後方ブロック320の基端部の位置と、第2ブロック331にアーム331aを介して連結された後方ブロック320の中間部との位置とが相対的に変化し、後方巻枠320の傾斜角度が変化する。これによって、巻線されるコイルのループ長を下方から上方に向かって徐々に短くしたり、徐々に長くしたりすることができる。
このように、1つのコイルの中でそのループ長を変えることにより、コイル挿入装置によってステータコアにコイルを挿入したとき、ステータコアの両端面から突出するコイルエンドの形状を、成形しやすい形状とすることができる。
図13,14には、本発明による巻線装置の全体が示されている。
図13に示すように、巻線装置本体200の側方には、複数の電線のリール420が設置されており、これらのリール420から繰り出された電線Wは、対応するガイドローラ421を介して、対応するテンション装置422に導入される。テンション装置422は、その詳細な説明を省略するが、電線Wに適度な張力をもたせて供給するものであり、巻枠300の回転に伴う、後述する電線供給ノズル432が前後移動する際、電線Wがたるまないように適度な力で常時引張り力を付与する。
このテンション装置422から繰り出された電線Wは、電線供給装置430のガイド431から導入され、前記電線供給ノズル432を通して複数本のものが一列に配列された状態で供給されるようになっている。電線供給ノズル431は、前後ガイド板433上に前後方向に進退可能に取付けられている。また、上記前後ガイド板433は、支柱434に昇降可能に取付けられている。なお、この実施形態では、前後ガイド板433上における電線供給ノズル431の前後移動にはタイミングベルトが用いられ、支柱434上における前後ガイド板433の上下移動にはボールネジが用いられているが、これらの駆動手段としては、公知の各種の手段が用いられる。
次に、この巻線装置100を用いた巻線方法について、図15〜19を参照して説明する。
図15(A)に示すように、電線供給ノズル432を上昇させ、電線Wの始端部を1つの引っ掛け棒210に固定する。次に、同図(B)に示すように、巻線を施すべき巻枠300を下降させ、それと共に電線供給ノズル432も下降させる。なお、巻枠300の昇降動作は、前述したように、その巻枠300に対応するスライド支軸220、ネジ軸240、遊星ギヤ243、環状ギヤ243、駆動ギヤ292、駆動軸291、サーボモータ290を駆動することによってなされる。
そして、同図(C)、(D)に示すように、回転板201と共に巻枠300を図中イの方向に回転させる。これによって、下降させた巻枠300に電線Wが巻き付けられていく。なお、巻枠300は、回転中心に対して偏心しているので、電線供給ノズル432が固定されている場合には、電線供給ノズル432と巻枠300との距離が変化し、電線Wに周期的なたるみが生じてきれいに巻線できなくなる。このため、この実施形態では、前述したような駆動機構によって、巻枠300の回転位置に応じて、電線供給ノズル432を前後方向に移動させ、巻枠300と電線供給ノズル432との距離が一定に保たれるようにしている。
次いで、図16(E)、(F)に示すように、電線供給ノズル432を徐々に下降させながら巻線を行う。その結果、電線Wが巻枠300の上方から下方に向けて一例に並びながら巻線され、コイルCが形成される。こうして1極目のコイルCが形成されたら、巻枠300の回転を一時停止させ、同図(G)に示すように、巻枠300及び電線供給ノズル432を上昇させる。
次に、図17(H)、(I)に示すように、回転板201と共に巻枠300及び引っ掛け棒210を再び矢印イ方向に所定角度だけ回転させ、既に巻線された巻枠300に隣接する引っ掛け棒210に電線Wを引っ掛ける。その結果、コイルCとコイルCとの間の渡り線を適度な長さに残すことができる。また、上記操作と並行して、次に巻線すべき巻枠300を下降させる。
そして、同図(J)、(K)に示すように、巻枠300を前記とは逆の矢印ロ方向に回転させ、下降させた巻枠300に電線Wを巻き付けていく。この場合、前述したように、電線供給ノズル432を、巻枠300の回転位置に応じて前後させ、かつ、次第に下降させつつ、巻線を施す。
こうして、図18(L)に示すように、2極目のコイルCが形成されたら、同図(M)に示すように、巻枠300の回転を一時停止させ、巻枠300及び電線供給ノズル432を上昇させる。
以上のような(A)〜(M)の操作を繰り返して、同図(N)に示すように、1〜8極のコイルCを連続して形成する。
こうして、1〜8極のコイルCの巻線が終了したら、同図(O)に示すように、巻枠300の下方にトランスファー治具114を配置し(予め配置されていてもよい)、同図(P)に示すように、トランスファー治具114を上昇させて、トランスファー治具114の櫛歯115の対応する間隙に、巻線されたコイルCを導入する。このとき、電線Wの巻き終わり端部Waを図示しないカッターで切断する。
そして、コイルCがトランスファー治具114に落ちやすくするため、サーボモータ260、261を作動させ、前述した駆動機構により、後方巻枠320を前方巻枠310に近接させて、コイルCの周長がたるむようにする。更に、エアシリンダ253によって押し板254を下降させ、押し板254によってスライド棒250を下降させる。すると、スライド棒250の下端に取付けられた払い落とし板302が下降し、巻枠300に巻き付けられたコイルCを強制的に払い落とし、トランスファー治具114の櫛歯115の対応する間隙に保持させる。
その後、同図(Q)に示すように、トランスファー治具114が下降し、1〜8極のコイルCの巻線工程が終了する。トランスファー治具114に保持されたコイルCは、その後、図示しないコイル挿入治具に移され、コイル挿入装置によって、ステータコアの対応するスロットに挿入される。
なお、トランスファー治具114ではなく、コイル挿入治具を用いて、コイル挿入治具にコイルCを直接落とし込むようにしてもよい。
次に、前述した機構により、前記巻枠300の後方巻枠320を前方巻枠310に対して傾斜させてコイルCを形成した場合の作用、効果について、図20〜22を参照して説明する。
図20(a)に示すように、後方巻枠320は、前方巻枠310に対して、その下端がより前方巻枠310に近接するように傾斜しており、コイルCは、上方から下方に向かうに従って周長が短くなるように形成されている。
そして、同図(b)に示すように、このコイルCを、トランスファー治具114の櫛歯115の対応する間隙に落とし込んで保持させる。このとき、前述したように、コイルCがトランスファー治具114に落ちやすくするため、後方巻枠320を前方巻枠310に近接させると共に内側に倒れ込ませ、コイルCの周長がたるむようにし、払い落とし板302を下降させて巻枠300に巻き付けられたコイルCを強制的に払い落とす。
次に、同図(c)に示すように、このトランスファー治具114の櫛歯115を、コイル挿入治具180の対応するブレード181に摺接させながら、トランスファー治具114を逆様にしてコイル挿入治具180に差し込み、トランスファー治具114に保持されたコイルCをコイル挿入治具180に移し替える。こうして同図(d)に示すように、コイルCがコイル挿入治具180のブレード181の所定の間隙に保持される。
図21(a)に示すように、コイルCをコイル挿入治具180に移し替えると、トランスファー治具114に保持されていたときとはコイルCの向きが逆になるため、下方のコイルC’ほどループが大きく、上方のコイルC”ほどループが小さくなる。ここで、下方のコイルC’の上下端をA−A’とし、上方のコイルC”の上下端をB−B’とする。
そして、このコイルCをコイル挿入装置によってステータコア190のスロットに挿入すると、同図(b)に示すように、コイル挿入治具180に保持されていたときに下方に位置していたコイルC’は、ステータコア190の内周側に配置され、また、コイル挿入治具180に保持されていたときに上方に位置していたコイルC”は、ステータコア190の外周側に配置される。
この場合、内周側に配置されたコイルC’の上下端A−A’は、それぞれステータコア190の上下端から長く突出しているため、図示しない成形治具によって成形すると、外周側に寄せることができる。また、外周側に配置されたコイルC”の上下端B−B’は、それぞれステータコア190の上下端から短く突出している。そして、内周側に配置されたコイルC’から外周側に配置されたコイルC”に向かってコイルCの周長が徐々に短くなっている。
また、同図(c)に示すように、コイルエンドがステータコア190の外周側に寄せられて、まだ挿入されていない他のスロットにコイルを挿入する際に邪魔にならず、コイル挿入後の成形形状も良好となる。更に、コイルエンド全体としての長さを最大限に短くすることができるので、モータの性能を向上させることができる。なお、同図(c)において、191は内歯、192はスロットである。
図22は、トランスファー治具114の代わりに、コイル挿入治具180をコイル保持具として用い、巻線されたコイルCをコイル挿入治具180に直接落とし込む別の実施形態を示している。
同図(a)に示すように、この実施形態では、巻枠300の後方巻枠320が、前方巻枠310に対して、下端ほど離れるように傾斜している。このため、巻枠300に巻き付けられたコイルCは、上方に向かうほどループが小さくなっている。
この状態で、コイル挿入治具180が上昇して、所定のブレード181が巻枠300に挿入され、同図(b)に示すように、後方巻枠320が前方巻枠310に近接すると共に内側に倒れ込み、払い落とし板302が下降してコイルCがブレード181の所定の間隙に落し込まれる。
こうして、同図(c)に示すように、巻線されたコイルCをコイル挿入治具180のブレード181の所定の間隙に直接落とし込むことができ、それによってトランスファー治具114からの移し替え工程を省略することもできる。この場合も、コイル挿入治具180に保持されたコイルCは、下方のコイルC’ほどループが大きく、上方のコイルC”ほどループが小さくなるので、前記と同様な効果を得ることができる。
本発明の巻線装置によれば、ステータコアのスロットに挿入するコイルを巻線するための巻線装置であって、巻線するコイルの周長を変更できるようにしたものを提供でき、それによって、ステータコアの厚さの変更に対応でき、ステータコアに挿入したときのコイルエンドの長さをできるだけ短くすると共に、コイルエンドを成形しやすくすることができる。したがって、モータや発電機に用いるステータコアへのコイル形成に利用することができる。
本発明による巻線装置の全体を示す斜視図である。 同巻線装置のフレームの一部を省略して示す側面図である。 同巻線装置のフレームの一部を省略して示す正面図である。 同巻線装置の平面図である。 同巻線装置の回転板及び巻枠を斜め下方から見た斜視図である。 同巻線装置において1つの巻枠が下降した状態を斜め下方から見た斜視図である。 巻線装置本体の内部機構を説明するため、特定の巻枠、スライド支軸、ネジ軸、サーボモータを取り出して示す模式断面図である。 図7の下半部を示す部分拡大断面図である。 図7上半部を示す部分拡大断面図である。 巻線装置本体の側面断面図である。 巻線装置本体の正面断面図である。 巻枠の断面図である。 巻線装置の全体を示す側面図である。 巻線装置の全体を示す平面図である。 同巻線装置による巻線操作を工程順に示す説明図である。 同巻線装置による巻線操作を工程順に示す説明図である。 同巻線装置による巻線操作を工程順に示す説明図である。 同巻線装置による巻線操作を工程順に示す説明図である。 同巻線装置による巻線操作を工程順に示す説明図である。 同巻線装置によって形成されたコイルCをトランスファー治具からコイル挿入治具に移し替える工程を示す説明図である。 同巻線装置によって形成されたコイルをコイル挿入治具に移してステータコアのスロットに挿入する状態を示す説明図である。 トランスファー治具の代わりに、コイル挿入治具を用いて、巻線されたコイルをコイル挿入治具に直接落し込む別の実施形態を示す説明図である。
符号の説明
100 巻線装置
110 基台
111 テーブル
112 ガイドレール
113 パレット
114 トランスファー治具
120 下部フレーム
130 中間フレーム
140 上部フレーム
180 コイル挿入治具
181 ブレード
190 ステータコア
191 内歯
192 スロット
200 巻線装置本体
201 回転板
202、203 クラウンギヤ
210引っ掛け棒
211拡径部
220 スライド支軸
220a ナット
221 ベアリング
222 ガイド取付用メンバ
223,224,225 ベアリング
230 内筒
231 上部円筒
232 中間回転板
236 ブラケット
240 ネジ軸
241 継手
242 遊星ギヤ
243 環状ギヤ
250 スライド棒
251 スプリング
253 エアシリンダ
254 押し板
260、261 サーボモータ
262,263 駆動ギヤ
280 サーボモータ
281 駆動軸
282 駆動プーリ
283 アイドル回転軸
284 第1プーリ
285 第1ベルト
286 第2プーリ
287 第3プーリ
288 第2ベルト
290 サーボモータ
291 駆動軸
292 駆動ギヤ
300 巻枠
301 前端部
302 払い落とし板
303 支持板
305 後端部
306 第1ボールネジ
307 第2ボールネジ
308 第1ベベルギヤ
309 第2ベベルギヤ
310 前方巻枠
320 後方巻枠
330 第1スライドブロック
331 第2スライドブロック
332 支軸
333 リンク
334,335,336 支軸
337 ストッパ片
339 スプリング
340 棒
341 第1ロックピン
342 第2ロックピン
420 リール
421 ガイドローラ
422 テンション装置
430 電線供給装置
431 ガイド
432 電線供給ノズル
433 前後ガイド板
434 支柱
C コイル
W 電線

Claims (4)

  1. ステータコアのスロットに挿入するコイルを巻線するための巻線装置において、巻線装置本体に支持された巻枠と、この巻枠に電線を巻線する手段とを備え、前記巻枠は、支持板と、この支持板に固定された前方巻枠と、この支持板にスライド可能に配置された第1スライドブロック及び第2スライドブロックと、前記第1スライドブロック及び前記第2スライドブロックに連結された後方巻枠とを有しており、前記後方巻枠は、その一箇所を前記第1スライドブロックに支軸及び/又はリンクを介して連結され、前記箇所とは離れた別の箇所を前記第2スライドブロックに支軸及び/又はリンクを介して連結されており、前記第1スライドブロック及び前記第2スライドブロックを前記支持板上でそれぞれ独立してスライドさせることにより、前記前方巻枠と前記後方巻枠との距離と、前記前方巻枠に対する前記後方巻枠の傾斜角度とを変更可能としたことを特徴とする巻線装置。
  2. 前記第1スライドブロック及び前記第2スライドブロックには、それぞれ独立に回転するネジが螺挿されており、前記巻線装置本体には、前記各ネジを回転させる駆動機構が設けられている請求項1記載の巻線装置。
  3. 前記巻線装置は、複数本の電線を並列して巻枠に巻き付けてコイルを形成する作業を繰り返すことにより、多極のコイルを連続的に形成するようにした巻線装置であって、複数本の電線を並列させて供給する電線供給手段と、複数の巻枠が取付けられた回転板と、選択された巻枠を回転板に対して突出させる巻枠スライド手段とを備え、前記巻枠スライド手段によって、前記巻枠を前記回転板に対して選択的に突出させ、前記回転板を回転させることにより、前記電線供給手段によって供給される複数本の電線が、前記突出した巻枠に巻き付けられるように構成されており、前記巻線装置本体には、同心円状に配置された2つのクラウンギヤが配置され、前記各ネジにはベベルギヤがそれぞれ装着され、前記巻枠を前記巻線装置本体側に引き込ませた状態で、前記各ベベルギヤが対応する前記クラウンギヤに歯合するように構成されている請求項1又は2記載の巻線装置。
  4. 前記巻枠には、前記ベベルギヤに弾性的に圧接されてその回転をロックするストッパピンが設けられており、前記巻枠を前記巻線装置本体側に引き込ませた状態では、前記ストッパピンが前記ベベルギヤから離れるように構成されている請求項3記載の巻線装置。
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