JP2005073016A - 可変インピーダンス変換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 一般化インピーダンス変換器の機能を拡張して正負に渉って入力インピーダンスを可変できる可変インピーダンス変換器を提供することである。
【解決手段】 一般化インピーダンス変換器内の直列接続された4つのインピーダンス素子を全て抵抗に置き換え、特に第2,第3のインピーダンス素子はポテンショメータRに置き換える。ポテンショメータRのタップ出力R’を第6のインピーダンス素子Z、オペアンプQ,Qの−入力端子に接続する。タップ出力R’による配分比1−k:kを変えて、入力インピーダンスZ11’を正負に渉って変化させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一般化負性インピーダンス変換器の適用範囲を拡大して、正負に渉って可変できるインピーダンス変換を可能とした可変インピーダンス変換器の回路構成に関する。
インピーダンス変換器は同種のインピーダンス間での変換だけでなく、異種のインピーダンス間での変換も行うものであるが、従来のインピーダンス変換器として一般化インピーダンス変換器(例えば、A.Antoniou,"Realization of Gyrators Using Operational Amplifiers,and Their Use in RC Active Network Synthesis",Proc.IEE,vol.116,pp.1838-1850,1969.参照)がある。この一般化インピーダンス変換器は2つのオペアンプと直列接続された4つのインピーダンス素子を組み合わせた回路から成り、4つのインピーダンス素子に種々のインピーダンス素子を用いることにより、負荷インピーダンスの大きさに比例する各種のインピーダンスをその入力インピーダンスとして得ることができる。例えば、キャパシタと抵抗で等価的インダクタを作ったり、ωに反比例する周波数依存型負性抵抗を作ったりすることができる。
しかし上述した一般化インピーダンス変換器では、周波数依存型ではない純粋の負性キャパシタや負性インダクタを作ることはできないので、本発明者は、先に、特願2003−131188号を出願し、この出願の発明の回路構成によれば、負性キャパシタや負性インダクタを実現できることを示した。
図3に本発明の負性インピーダンス変換器の基本的構成を示す。同図において、Z〜Zは夫々第1乃至第4のインピーダンス素子、Zは負荷となる第5のインピーダンス素子、Q,Qはオペアンプ回路で、4つの第1乃至第4のインピーダンス素子Z〜Zは直列接続され、これらインピーダンス素子Z〜Zに対し2つのオペアンプ回路Q,Qは負帰還ループn,nを形成するように接続されている。Zは第6のインピーダンス素子で、B点と接地間に接続されている。
第1乃至第4のインピーダンス素子Z〜Zに対し2つのオペアンプ回路Q,Qの夫々の入力端子が接続された3点をA,B,Cとすると、上述のように2つのオペアンプ回路Q,Qとも負帰還ループn,nが形成されているため、この3点の電位はほぼ同一になるように動作する。従ってこの3点は仮想的に接続されていると見なすことができる。そこで、図3に示すようにB点と接地間に第6のインピーダンス素子Zを接続し、その値をZ>Zのように設定すると、Zを通じて流れる電流は、Zを通して供給されるだけでなく、入力側1,1'に接続される外部回路(図示せず)からも吸い込まれることになるから、入力インピーダンスZ11’は負性を呈することになる。
以下この点について詳細に説明する。但し、図3のインピーダンス素子Z〜Zを全て同一抵抗Rとしてある。
図3の回路において、以下の4式(11)〜(14)が成り立つ。
Figure 2005073016
Figure 2005073016
Figure 2005073016
Figure 2005073016
上記4式より入力インピーダンスZ11’、即ち、V/Iを求めることができ、Z11’
Figure 2005073016
となり、入力インピーダンスZ11’はZとZだけで決まることになる。
従って、これから次のことが言える。即ち、
Figure 2005073016
特願2003−131188号
上述したように図3の回路構成とすれば、負性インダクタや負性キャパシタを得ることはできる。しかし、何れの場合でも、そのインピーダンス値は固定のままであって、可変することはできない。
そこで本発明の課題は、一般化インピーダンス変換器の回路形成を活用し、その適用範囲を更に拡大し、正負に渉って可変できるインピーダンスが得られる回路を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の可変インピーダンス変換器は、4つの直列接続された第1乃至第4のインピーダンス素子と、上記第1乃至第4のインピーダンス素子に対し負帰還ループを形成するように入出力を接続した2つのオペアンプ回路と、上記第4のインピーダンス素子と接地間に接続される負荷となる第5のインピーダンス素子と、上記第1乃至第4のインピーダンス素子と2つのオペアンプ回路との中央接続点と接地間に接続される第6のインピーダンス素子と、を備えたインピーダンス変換器において、上記第1のインピーダンス素子を入力端子に接続すると共に該第1のインピーダンス素子と第4のインピーダンス素子とを、同一抵抗で置き換え、第2及び第3のインピーダンス素子をポテンショメータで置き換え、該ポテンショメータのタップ出力を前記中央接続点として、第7の抵抗を介して第6のインピーダンス素子及び2つのオペアンプ回路に接続し、第5及び第6のインピーダンス素子を同種のインピーダンスとするように構成したことを要旨とする。
上述した本発明の構成によれば、一般化インピーダンス変換器の機能を拡張して、その入力インピーダンスを正負に渉って可変できるインピーダンス変換器を容易に実現できる。
負性インピーダンス変換器は、前述しかつ図3に示すように、直列接続された同一抵抗値Rを有する第1乃至第4の4つのインピーダンス素子Z〜Zの中央接続点Bと接地間に第6のインピーダンス素子Zを接続し、その値を第4のインピーダンス素子Zに接続されて負荷となる第5のインピーダンス素子Z(Zと同種のインピーダンス素子)の値より小さい値に設定することにより、入力インピーダンスZ11’を負性にするという構成になっている。
この場合、第6のインピーダンス素子Zは、2つのオペアンプ出力から等しい値(R)の第2,第3のインピーダンス素子Z,Zを通じて駆動されているが、その合成回路の合成比、即ち、両オペアンプQ,Qの出力からの駆動電圧の配分比を変えれば、直列4抵抗回路の入出力の電圧比が変わるから、これに伴って入力インピーダンスZ11’を変えられる、つまり可変インピーダンス変換器を実現できる。
上述のように、両オペアンプQ,Qからの駆動電圧を、Z,Zの値(R)を変更することにより変えると、その結果、入力インピーダンスZ11’は変化する。しかし、それと同時に、Z,Zの合成抵抗とZのインピーダンスによりハイパスフィルタ又はローパスフィルタが形成されているからそのカットオフ周波数も変化してしまうことになり、使い難い。
そこで、本発明では、例えば、図1に示す実施例のように可変インピーダンス変換器を構成する。図1において、図3と同一符号は同一又は類似の回路で、Rはポテンショメータであり、前記第2,第3のインピーダンス素子Z,Zに相当し、そのタップ出力R’は前記中央接続点Bに相当する。タップ出力R’は抵抗Rを介して第6のインピーダンス素子Z及びオペアンプQ,Qの−入力端子に接続される。オペアンプQ,Qの出力からの駆動電圧の配分比はポテンショメータRのタップ出力R’による配分比1−k:kで決められる。但し、ポテンショメータRと抵抗Rの抵抗値はR≪Rであるように設定する。
図1の実施例において、以下の4式が成り立つ。
Figure 2005073016
Figure 2005073016
Figure 2005073016
Figure 2005073016
この4式より入力インピーダンスZ11’として
Figure 2005073016
が得られるが、図1の実施例のインピーダンス変換器は式(5)において、(R/Z)≫2および(R/Z)≫1となる周波数範囲で使用すべきであるから、この条件を入れると、近似的に
Figure 2005073016
となる。従ってこの式より、入力インピーダンスZ11’は分母第1項より第2項が小さければ正インピーダンスとなり、逆に大きければ負インピーダンスとなることが分かる。
ここで、適用例として図2の実施例で、第5,第6のインピーダンス素子としてインダクタL,Lを使用し、Z=sL、Z=sLとし、L=L=LおよびR=R/2に選んだ場合には
Figure 2005073016
となる。従って、この場合、入力インピーダンスZ11’は1/2>kにすると正インダクタンスとなり、1/2<kにすると負インダクタンスとなる。kを1/2より正側から1/2に近づけると入力インピーダンスZ11’は負の無限大に近づき、1/2より負側から1/2に近づけると入力インピーダンスZ11’は正の無限大に近づく。従って正負に渉ってインダクタンスを可変できる可変インダクタンス回路を実現できる。
つぎに、可変キャパシタンス回路を得るために、式(8)においてZ=1/sC、Z=1/sCとすれば、入力インピーダンスZ11’は、
Figure 2005073016
となる。前記の場合と同様、適用例としてC=C=CおよびR=R/2で使用するとすると
Figure 2005073016
となるから、この場合、入力インピーダンスZ11’は、1/2>kのとき正キャパシタンス、1/2<kのとき負キャパシタンスとなる。また、kを1/2より正側から1/2に近づけると入力キャパシタンス(Z11’)は負の値からゼロに近づき、1/2より負側から1/2に近づけると入力キャパシタンス(Z11’)は正の値からゼロに近づく。従って、正負に渉ってキャパシタンスを可変できる可変キャパシタンス回路を実現できる。
本発明の可変インピーダンス変換器は、例えば、走査型受信器の同調回路等に使用される。
本発明の一実施例を示す回路図である。 本発明の他の実施例を示す回路図である。 負性インピーダンス変換器の回路構成図である。
符号の説明
ポテンショメータ
,Q オペアンプ
〜Z インピーダンス素子
k ポテンショメータのタップ出力による配分比
11’ 入力インピーダンス
〜V 各部電圧

Claims (1)

  1. 4つの直列接続された第1乃至第4のインピーダンス素子と、
    上記第1乃至第4のインピーダンス素子に対し負帰還ループを形成するように入出力を接続した2つのオペアンプ回路と、
    上記第4のインピーダンス素子と接地間に接続される負荷となる第5のインピーダンス素子と、
    上記第1乃至第4のインピーダンス素子と2つのオペアンプ回路との中央接続点と接地間に接続される第6のインピーダンス素子と、を備えたインピーダンス変換器において、
    上記第1のインピーダンス素子を入力端子に接続すると共に該第1のインピーダンス素子と第4のインピーダンス素子とを、同一抵抗で置き換え、第2及び第3のインピーダンス素子をポテンショメータで置き換え、該ポテンショメータのタップ出力を前記中央接続点として、第7の抵抗を介して第6のインピーダンス素子及び2つのオペアンプ回路に接続し、第5及び第6のインピーダンス素子を同種のインピーダンスとするように構成したことを特徴とする可変インピーダンス変換器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006352416A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Sony Corp インピーダンス変換回路
JP2007006302A (ja) * 2005-06-27 2007-01-11 Sony Corp インピーダンス変換回路と、これを用いたハイパスフィルタ回路および周波数変換回路

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