JP2005072959A - 送信機 - Google Patents

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Takashi Okada
貴史 岡田
Tetsuhiko Miyatani
徹彦 宮谷
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Abstract

【課題】 各キャリアの電力レベルを低減することなく、帯域制限の際に生ずるピーク電力を精度よく制限できる送信機を提供する。
【解決手段】 帯域制限後の複数のキャリアの入力信号に対し、合成した場合に想定される電力レベルに基づいてピーク電力を検出し、ピーク電力が検出されると、キャリアの入力信号を二つずつ選択し、当該選択された二つの入力信号の合成結果が位相が不変のまま規定の電力レベルだけ低減されるよう、各入力信号の振幅を変化させずに各入力信号の位相を変動させて出力する位相変動型リミッタ15を設けた送信機である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マルチキャリアの入力信号のピーク電力を制限して無線送信する送信機に係り、特に各キャリアの電力レベルを低減することなく、帯域制限の際に生ずるピーク電力を精度よく制限できる送信機に関する。
一般的に、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access:広帯域符号分割多元接続)方式を移動通信方式として採用する移動通信システムに備えられた基地局装置(CDMA基地局装置)では、物理的に遠く離れた移動局装置(CDMA移動局装置)まで無線信号を到達させる必要があるため、送信対象となる信号を増幅器(送信アンプ)で大幅に増幅して送信出力することが必要である。
しかしながら、増幅器はアナログデバイスであるため、その入出力特性は非線形な関数となる。特に、飽和点と呼ばれる増幅限界以降では、増幅器に入力される電力が増大しても出力電力がほぼ一定となる飽和状態になってしまう。そして、この非線形な出力によって出力信号に非線形歪が発生する。
通常、増幅前の送信信号は、希望信号帯域外の信号成分が帯域制限フィルタによって低レベルに抑えられるが、増幅器通過後の信号では非線形歪が発生して希望信号帯域外(隣接チャネル)へ信号成分が漏洩する。
例えば基地局装置では上記したように送信電力が高いため、このような隣接チャネルへの漏洩電力の大きさは厳しく規定されており、隣接チャネル漏洩電力(ACP:Adjacent Channel leakage Power)を削減する技術が用いられる。
一方、無線通信における送信信号特性で考慮すべき点の一つに、送信ピークの問題がある。例えば、CDMA通信で用いる通信信号は符号多重信号であるので、それぞれの符号位相成分が一致した場合には、急峻に電力レベルが増加し、ピーク電力が発生する。このようなピーク電力を含んだ信号(ピーク信号)が基地局における送信アンプに入力されると、上述した理由によって高次の歪みが発生する。また上記ピーク信号が直交変調器に入力された場合においても、同様の現象が発生することが知られている。
このため、従来の送信ピークの制限方法として、送信信号のピークレベルが所要レベルを超えた場合に、一意にレベルを制限するピーク制限回路(ピークリミッタ)を設ける方法が従来から多用されている。
尚、ピークリミッタを用いてマルチキャリアのピーク制限を行う先行技術として、平成15年2月14日公開の特開2003−46480号公報「ピークリミッタ及びマルチキャリア増幅装置」(出願人:株式会社日立国際電気、発明者:本江直樹他)が提案されている。
上記先行技術は、各キャリアのベースバンド信号を入力し、高周波帯で合成した場合に近似的に想定されるマルチキャリア信号のピークファクタを求め、当該ピークファクタを元にして、各ベースバンド信号の振幅を抑圧した各信号を出力するものであり、所望のピークファクタを精度よく実現するように効率のよいピークリミットを行い、増幅システムの電力効率を向上できる。
特開2003−46480号公報(第17−21頁、第1,3−5図)
ピークリミッタを用いた従来の一般的な送信機について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、従来の一般的な第1の送信機の構成ブロック図であり、図7は、従来の一般的な第2の送信機の構成ブロック図である。
図6及び図7の送信機は、共にW−CDMA通信方式の基地局において用いられるものであり、n(n>2)個のキャリアから成るマルチキャリアの入力信号を合成して無線送信するものである。
図6の送信機は、デジタル変調部1´を備えており、当該デジタル変調部1´は、各キャリアの入力信号を合成した場合に近似的に想定されるピーク電力を検出し、ピーク制限を行うピークリミッタであるレベル補正型リミッタ11と、各キャリア毎に独立した系列として、入力信号を規定の占有帯域に帯域制限する帯域制限フィルタ12と、入力信号を規定のサンプリングレートにアップサンプリングするアップフィルタ(図ではUpフィルタ)13と、入力信号に対し直交変調を行うデジタル直交変調部14とを有し、更に各キャリアの入力信号を合成してマルチキャリア信号を出力する加算器16とを有する構成となっている。アップフィルタ13は、データ補完によって入力信号の波形を滑らかにするために設けられている。
尚、レベル補正型リミッタ11の具体的な構成例は、上記先行技術の図3に示されている。上記構成例は、各キャリアの入力信号を合成した場合に近似的に想定される平均電力及び瞬時電力を算出し、これらの算出結果に基づいてピークを検出し、ピークが検出された時点での入力信号の振幅を規定値に制限して、ピーク制限を実現するものとなっている。
また、図7の送信機は、上記デジタル変調部1´の他に、デジタル変調部1´からのマルチキャリア信号をアナログ変換するD/Aコンバータ2と、マルチキャリア信号を無線送信用の周波数信号(以下無線周波数信号)に変換して出力する周波数変換部3と、マルチキャリア信号を増幅して出力する増幅器4とを備えた構成となっている。
次に、従来の第1及び第2の送信機の動作について説明する。
図6の送信機において、デジタル信号である各キャリアの入力信号f1,f2,…fnは、デジタル変調部1´において、レベル補正型リミッタ11に入力される。各キャリアの入力信号は、レベル補正型リミッタ11において、合成した場合に近似的に想定される電力レベルがピーク電力に達しているか否かが検出され、ピーク電力が検出されると、各キャリアの入力信号の電力レベルが低減されてピーク制限が行われる。
レベル補正型リミッタ11においてピーク制限の行われた各キャリアの入力信号は、対応する帯域制限フィルタ12-1〜12-nに入力され、規定の占有帯域への帯域制限が行われる。更に各キャリアの入力信号は、アップフィルタ13-1〜13-nにおいて規定のサンプリングレートへアップサンプリングされた後、デジタル直交変調部14-1〜14-nにおいて直交変調され、加算器16に出力される。
加算器16において、各キャリアの入力信号は合成され、マルチキャリア信号として出力される。送信機において、マルチキャリア信号はアナログ変換され、無線周波数信号に変換された後、無線信号として送信される。
また、図7の送信機では、デジタル変換部1´から出力されたマルチキャリア信号は、D/Aコンバータ2によってアナログ変換され、周波数変換部3によって無線周波数信号に変換され、更に増幅器4によって増幅された後、無線信号として送信される。
図6及び図7の送信機では、デジタル変調部1´の最前段にレベル補正型リミッタ11を設け、入力信号のピーク制限を行っているが、レベル補正型リミッタ11の後段の帯域制限フィルタ12による帯域制限によってもピーク電力が発生することが知られている。この現象は、帯域制限前の矩形波が、帯域制限後に鈍ることによってピークが高くなるポイントが現れることに起因する。
このため、従来の送信機では、レベル補正型リミッタ11において、帯域制限によって発生するピーク電力を想定し、ピーク電力と判断するための閾値や、ピーク電力の制限値を調整した上で、入力信号のピーク制限を行う必要があったが、当該閾値及び制限値の調整が困難であり、ピーク制限が必ずしも最適でないという問題点があった。
また、レベルを制限するピークリミッタは、各キャリアの入力信号についてピーク電力が検出されると、電力レベルを低減してピーク制限を行うものであるが、リミッタの動作率が高くピーク制限の頻度が多いと、合成後のマルチキャリア信号の電力レベルが変動してしまう。このため入力信号とマルチキャリア信号の間で電力レベルの偏差が生じ、通信品質が劣化するという問題点があった。
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、各キャリアの電力レベルを低減することなく、帯域制限の際に生ずるピーク電力を精度よく制限できる送信機を提供することを目的とする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、複数のキャリアの入力信号に対して帯域制限を施す帯域制限部と、帯域制限後の各キャリアの入力信号を合成する合成部とを有し、合成結果を無線送信する送信機であって、帯域制限部と前記合成部の間に位相変動型リミッタを設け、位相変動型リミッタは、帯域制限後の複数のキャリアの入力信号に対し、これらの信号を合成した場合に想定される電力レベルが、予め設定された規定値よりも大きい場合、複数のキャリアの入力信号を二つの入力信号からなる組に分け、各組において、二つの入力信号の合成結果が、位相は不変のまま規定量の電力レベルだけ低減されるよう、二つの入力信号について位相を変動して出力する位相変動型リミッタである。
本発明によれば、複数のキャリアの入力信号に対して帯域制限を施す帯域制限部と、帯域制限後の各キャリアの入力信号を合成する合成部とを有し、合成結果を無線送信する送信機であって、帯域制限部と前記合成部の間に位相変動型リミッタを設け、位相変動型リミッタは、帯域制限後の複数のキャリアの入力信号に対し、これらの信号を合成した場合に想定される電力レベルが、予め設定された規定値よりも大きい場合、複数のキャリアの入力信号を二つの入力信号からなる組に分け、各組において、二つの入力信号の合成結果が、位相は不変のまま規定量の電力レベルだけ低減されるよう、二つの入力信号について位相を変動して出力する位相変動型リミッタである送信機としているので、各キャリアの電力レベルを低減することなく、帯域制限の際に生ずるピーク電力を精度よく制限できる効果がある。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
尚、以下で説明する機能実現手段は、当該機能を実現できる手段であれば、どのような回路又は装置であっても構わず、また機能の一部又は全部をソフトウェアで実現することも可能である。更に、機能実現手段を複数の回路によって実現してもよく、複数の機能実現手段を単一の回路で実現してもよい。
本発明の実施の形態に係る送信機は、帯域制限後の複数のキャリアの入力信号に対し、合成した場合に想定される電力レベルに基づいてピーク電力を検出し、ピーク電力が検出されると、キャリアの入力信号を二つずつ選択し、当該選択された二つの入力信号の合成結果が位相が不変のまま規定の電力レベルだけ低減されるよう、各入力信号の振幅を変化させずに各入力信号の位相を変動させて出力する位相変動型リミッタを設けたものであり、各キャリアの電力レベルを低減することなく、帯域制限の際に生ずるピーク電力を精度よく制限することができる。
尚、請求項における帯域制限部は、図の帯域制限フィルタに相当し、合成部は加算器に相当する。
本発明の実施の形態に係る第1の送信機(以下、第1の送信機)の構成について、図1を用いて説明する。図1は、第1の送信機の構成ブロック図である。尚、図6及び図7と同様の構成をとる部分については同一の符号を付して説明する。
第1の送信機は、図6及び図7の送信機と同様、W−CDMA通信方式の基地局において用いられるものであり、n(n>2)個のキャリアから成るマルチキャリアの入力信号を合成して無線送信するものである。
第1の送信機は、図1に示すように、デジタル変調部1を備えており、当該デジタル変調部1は、従来の送信機におけるデジタル変調部1´と同様の構成として、各キャリアの入力信号を合成した場合に近似的に想定されるピーク電力を検出し、ピーク電力が検出されると各キャリアの入力信号に対しピーク制限を行うピークリミッタであるレベル補正型リミッタ11と、各キャリア毎に独立した系列として、入力信号を規定の占有帯域に帯域制限する帯域制限フィルタ12と、入力信号を規定のサンプリングレートにアップサンプリングするアップフィルタ(図ではUpフィルタ)13と、入力信号に対し直交変調を行うデジタル直交変調部14とを有し、更に各キャリアの入力信号を合成してマルチキャリア信号を出力する加算器16とを有する他、新たな構成として、位相変動型リミッタ15を、デジタル直交変調部14と加算器16の間に設けた構成となっている。
ここで、従来の送信機におけるデジタル変調部1´の各部と同様の構成をとる部分については、詳細な説明を省略する。
本発明の特徴部分である位相変動型リミッタ15は、帯域制限フィルタ12による帯域制限後の各キャリアの入力信号について、当該入力信号を合成した場合に想定されるピーク電力を検出し、各キャリアの位相を変動するもので、これにより合成後の電力が低減され、帯域制限により発生するピーク電力が制限されることになる。
位相変動型リミッタ15は、デジタル直交変調部14からの各キャリアの入力信号を合成した場合に想定されるピーク電力を検出するピーク検出部と、ピーク検出部による検出結果に基づいて、各キャリアの位相変動を行うピーク制限部とで構成される。
ピーク検出部は、ピーク電力判断のための電力閾値が予め設定されており、各キャリアの入力信号を合成した場合に想定される電力レベルが対応する電力閾値を超えているか否かによって、ピーク電力を検出する。そしてピーク電力を検出すると、ピーク検出部は、各キャリアの入力信号を二つずつペアとして組み合わせて、ピーク制限部に出力する。ピーク電力が検出されなかった場合には、ピーク検出部は、各キャリアの入力信号を加算器16に出力する。
ピーク検出部は、キャリア毎にスイッチ回路を設け、ピーク電力の有無の検出結果に基づいて当該スイッチ回路の接続先を切り替えることで、各キャリアの出力先を切り替えるようにしてもよい。
次に、位相変動型リミッタ15のピーク制限部の構成について、図3を用いて説明する。図3は、位相変動型リミッタ15におけるピーク制限部の構成ブロック図である。ピーク制限部は、2つのキャリアの入力信号毎に合成ベクトルを求め、当該合成ベクトルが目標のベクトルに合致するように当該2つの入力信号の位相を変動するものである。
尚、図3は、簡便化のため、2つのキャリアに対して位相変動を行うための構成部分のみ示しているが、ピーク制限部は実際には全てのキャリアに対して位相変動を行うことのできる構成となっている。また、図3に示すピーク制限部は、検出されたピーク電力を固定的に1dB低減するものである。
ピーク制限部は、位相比較器101と、加算器102と、乗算器103と、位相変動部104及び105と、加算器106と、位相振幅比較器107と、振幅比較器108及び109と、制御部110とから構成されている。尚、図3では、各キャリアの入力信号のうち、ピーク検出部でペアとされた2種類のキャリアの入力信号f1及びf2に対してピーク制限を行う構成について示している。
以下、ピーク制限部の各部の構成について説明する。
位相比較器101は、位相変動対象である2つのキャリアの入力信号f1、f2と、後述する加算器102から出力される入力信号合成ベクトルF12との位相を比較し、各入力信号についての回転方向を決定し、回転情報として出力する。
位相比較器101における回転方向の決定方法については、後述する。
加算器102は、2つのキャリアの入力信号f1、f2を合成し、合成結果を入力信号合成ベクトルF12として出力する。
乗算器103は、加算器102からの入力信号合成ベクトルF12から、ピーク電力の低減量である−1dBを乗算することで電力レベルの低減を行い、乗算結果を目標合成ベクトルF´12として出力する。
ピーク電力の低減については、入力信号合成ベクトルF12の電力レベルを1dBだけ低減できるようなパラメータを記憶した記憶手段を設け、乗算器103に出力させるようにしてもよい。また、ピーク制限部において低減量算出部を設け、ピーク検出部の電力閾値を超えた分に相当する低減量のパラメータを算出させ、乗算器103に出力させるようにしてもよい。
位相変動部104は、後述する制御部110から出力された入力信号f1に対する回転角度θ1に基づいて、キャリアの入力信号f1の位相変動を行い、位相変動結果f´1を出力する。また、位相変動部105は、後述する制御部110から出力された入力信号f2に対する回転角度θ2に基づいて、キャリアの入力信号f2の位相変動を行い、位相変動結果f´2を出力する。
加算器106は、位相変動部104における位相変動結果f´1と、位相変動部105における位相変動結果f´2とを合成し、合成結果f´1+f´2を出力する。
位相振幅比較器107は、乗算器103からの目標合成ベクトルF´12と、加算器106からの合成結果f´1+f´2の位相及び振幅を比較し、比較結果を位相振幅比較情報として出力する。
振幅比較器108は、入力信号f1と、位相変動結果f´1との振幅を比較し、比較結果を振幅比較情報として出力する。振幅比較器109は、入力信号f2と、位相変動結果f´2との振幅を比較し、比較結果を振幅比較情報として出力する。
制御部110は、位相比較器101からの回転情報と、位相振幅比較器107からの位相振幅比較情報と、振幅比較器108及び109からの振幅比較情報と、入力信号f1及びf2と、乗算器110からの目標合成ベクトルF´12とに基づいて、入力信号f1、f2の回転角度θ1、θ2を確定又は算出し、位相変動部104及び105に出力する。制御部110における回転角度θ1、θ2の確定又は算出方法については、後述する。
次に、第1の送信機の動作について説明する。
図1の送信機において、デジタル信号である各キャリアの入力信号f1,f2,…fnは、デジタル変調部1において、レベル補正型リミッタ11に入力される。各キャリアの入力信号は、レベル補正型リミッタ11において、合成した場合に想定される電力レベルがピーク電力に達しているか否かが検出され、ピーク電力が検出された場合には、各キャリアの入力信号の電力レベルが低減されてピーク制限が行われる。
レベル補正型リミッタ11においてピーク制限の行われた各キャリアの入力信号は、対応する帯域制限フィルタ12-1〜12-nに入力され、規定の占有帯域への帯域制限が行われる。更に各キャリアの入力信号は、アップフィルタ13-1〜13-nにおいて規定のサンプリングレートへアップサンプリングされ、デジタル直交変調部14-1〜14-nにおいて直交変調された後、位相変動型リミッタ15に出力される。
位相変動型リミッタ15において、各キャリアの入力信号は、ピーク検出部によってピーク電力の検出が行われる。上述したように、ピーク検出部には、電力閾値が予め設定されており、各キャリアの入力信号を合成した場合に想定される電力レベルが電力閾値を超えているか否かを判断することによって、ピーク電力を検出する。
ピーク検出部においてピーク電力が検出されなければ、各キャリアの入力信号は、そのまま加算器16に出力される。ピーク電力が検出されると、各キャリアの入力信号は、二つずつペアとなって、位相変動型リミッタ15のピーク制限部に出力され、位相変動によるピーク制限が行われる。
ここで、図3及び図4を用いて、位相変動部におけるピーク制限の動作について説明する。図4は、位相変動部における入力信号の位相変動のベクトル図である。
ピーク制限対象の入力信号f1は、位相変動部において位相比較器101、加算器102、位相変動部104、振幅比較器108及び制御部110に入力される。そしてピーク制限対象の入力信号f2は、位相比較器101、加算器102、位相変動部105、振幅比較器109及び制御部110に入力される。
加算器102に入力された入力信号f1及びf2は、互いに合成され、入力信号合成ベクトルF12として位相比較器101及び乗算器103に出力される。乗算器103に出力された入力信号合成ベクトルF12は、乗算によってピーク電力の低減量である1dBだけ電力レベルが低減され、目標合成ベクトルF´12として位相振幅比較器107及び制御部110に出力される。
入力信号合成ベクトルF12及び目標合成ベクトルF´12の関係は、図4のベクトル図に示す通りである。目標合成ベクトルF´12の大きさは、入力信号合成ベクトルF12よりも1dB分小さいが、方向は入力信号合成ベクトルF12と同一である。
また、位相比較器101において、入力信号f1及びf2は、加算器102からの入力信号合成ベクトルF12との間で位相の比較が行われ、比較結果に基づいて回転情報が求められる。
回転情報とは、入力信号f1とf2が入力信号合成ベクトルF12から離れる方向を示すものであり、0又は1のいずれかで表される。例えば、入力信号合成ベクトルF12に対し、f1が時計周りに離れ、f2が反時計周りに離れている場合には、回転情報は0となり、逆にf1が反時計周りに離れ、f2が時計周りに離れている場合には、回転情報は1となる。
位相比較器101で求められた回転情報は、制御部110に出力される。
一方、位相変動部104では、入力信号f1に対し、制御部110から出力された入力信号f1の回転角度θ1に基づいて、位相変動が行われる。位相変動では、入力信号f1に対しeiθ1が複素乗算されて、入力信号f1の位相がθ1だけ回転される。位相変動結果f´1は、位相変動型リミッタ15による位相変動結果として図1の加算器16に出力される他、加算器106及び振幅比較器108に出力される。
また、位相変動部105では、入力信号f2に対し、制御部110から出力された入力信号f2の回転角度θ2に基づき、位相変動部104と同様の方法で位相変動が行われる。得られた位相変動結果f´2は、位相変動型リミッタ15による位相変動結果として図1の加算器16に出力される他、加算器106及び振幅比較器109に出力される。
入力信号f1及びf2の位相変動は、ベクトル図上では図4のように示される。図4は、入力信号f1は時計周りにθ1だけ回転してf´1に、入力信号f2は反時計周りにθ2だけ回転してf´2になることを示している。
加算器106に出力された位相変動結果f´1及びf´2は、互いに合成され、合成結果f´1+f´2が位相振幅比較器107に出力される。
位相振幅比較器107では、目標合成ベクトルF´12及び合成結果f´1+f´2との間で位相及び振幅の比較が行われ、比較結果として位相振幅比較情報が求められる。比較によって位相及び振幅がいずれも等しいと判断されれば、位相振幅比較情報は1の値を取り、一方又はいずれも異なる場合には0の値を取る。
位相振幅比較器107で求められた位相振幅比較情報は、制御部110に出力される。
また、振幅比較器108では、入力信号f1及び位相変動結果f´1との間で振幅の比較が行われ、比較結果として振幅比較情報が求められる。、比較によって振幅が等しいと判断されれば、位相振幅比較情報は1の値を取り、異なる場合には0の値を取る。
振幅比較器108で求められた位相振幅比較情報は、制御部110に出力される。
振幅比較器109でも、振幅比較器108と同様の方法によって、入力信号f1及び位相変動結果f´1との間で振幅の比較が行われ、比較結果として振幅比較情報が求められ、制御部110に出力される。
制御部110は、位相比較器101からの回転情報と、位相比較振幅器107からの位相振幅比較情報と、振幅比較器108及び109からの振幅比較情報に基づいて、入力信号f1、f2の回転角度θ1、θ2を確定又は算出する。
ここで制御部110における回転角度θ1、θ2の確定又は算出方法について説明する。
位相変動型リミッタ15における位相変動では、入力信号f1、f2と、これらの位相変動結果f´1、f´2と、目標合成ベクトルF´12との間に、以下の(1)〜(3)式に示す関係が成り立つことが要求される。言い換えると、位相変動型リミッタ15は、位相変動を行うことによって、(1)〜(3)式を満たすような位相変動結果f´1、f´2を求め、出力することを目的としている。
上記各式のうち、(1)式が成り立つか否かは位相比較振幅器107からの位相振幅比較情報を参照することで判明する。同様に(2)式は振幅比較器108からの振幅比較情報を参照することによって、(3)式は振幅比較器109からの振幅比較情報を参照することによって判明する。
位相比較振幅器107からの位相振幅比較情報と、振幅比較器108及び109からの振幅比較情報が、いずれも1の値を取る場合には、上記(1)〜(3)式が成り立つ。この場合には、制御部110は、現在設定されている回転角度θ1、θ2が正しいと判断して当該回転角度を確定し、位相変動部104及び105に出力する。確定された回転角度θ1、θ2による位相変動結果f´1、f´2が得られることによって、合成後のマルチキャリア信号のピーク電力が1dB低減されることになる。
一方、位相比較振幅器107からの位相振幅比較情報、振幅比較器108及び109からの振幅比較情報のうち少なくとも一つが0の値を取る場合、制御部110は、上記(1)〜(3)式を満たすように、新たな回転角度θ1、θ2を算出する。
以下、制御部110における回転角度θ1、θ2の具体的な算出方法について説明する。
制御部110は、まず回転角度θ1、θ2を初期値(例えば0度)に設定し、回転角度θ1を規定のステップ角度(例えば1度)だけ加算して新たな回転角度θ´1を算出する。次に、制御部110は、入力された入力信号f1を上記回転角度θ´1だけ変動させ、位相変動結果f´´1を算出する。
そして制御部110は、位相振幅比較器107からの目標合成ベクトルF´12から、上記位相変動結果f´´1を減算して入力信号f2の仮想の位相変動結果f´´2を求め、更に入力信号f2と上記仮想の位相変動結果f´´2との角度差を求め、新たな回転角度θ´2として算出する。
制御部110は、回転角度θ´1、θ´2を新たな回転角度θ1、θ2として、それぞれ位相変動部104、105に出力する。制御部110は、振幅比較器109から出力される、新たな位相変動結果に基づく振幅比較結果を監視し、当該結果が”0”、つまり入力信号f2と位相変動結果f´2の振幅が異なれば、制御部110は、回転角度θ´1にステップ角度を加算して新たな回転角度θ1を算出し、上述した回転角度の算出処理を再度行う。回転角度の算出処理は、入力信号f2に対する位相変動結果が”1”となるまで、つまり入力信号f2と位相変動結果f´2の振幅が等しくなるまで、繰り返し行われる。
また、回転角度θ1、θ2の他の算出方法として、制御部110は、入力信号f1の代わりに、予め位相変動部104から入力信号f1の位相変動結果f´1が入力される前提で、まず回転角度θ1に規定のステップ角度を加算して新たな回転角度θ´1とし、入力された位相変動結果f´1を上記回転角度θ´1だけ変動させ、位相変動結果f´´1を算出する。
そして制御部110は、位相振幅比較器107からの目標合成ベクトルF´12から、上記位相変動結果f´´1を減算して入力信号f2の仮想の位相変動結果f´´2を求め、更に入力信号f2と上記仮想の位相変動結果f´´2との角度差を求め、新たな回転角度θ´2として算出する。
次に制御部110は、回転角度θ´1、θ´2を、それぞれ位相変動部104、105に出力する。制御部110は、振幅比較器109から出力される、新たな位相変動結果に基づく振幅比較結果を監視する。当該結果が”0”であれば、制御部110は、回転角度θ´1に更にステップ角度を加算して新たな回転角度θ´1を算出し、上述した回転角度の算出処理を再度行う。回転角度の算出処理は、入力信号f2に対する位相変動結果が”1”となるまで、繰り返し行われる。
上記回転角度の算出処理において、制御部110は、回転角度θ1に対しステップ角度を加算する他、減算する処理も行う。制御部110は、位相比較器101からの位相比較結果に基づいて、ステップ角度の加算又は減算のいずれを行うかを判断する。また、制御部110は、入力信号の1つのサンプルデータに対し回転角度が決定するまでは、回転方向は不変とする。
上述したように、位相変動型リミッタ15のピーク制限部は、キャリアの入力信号を二つずつ合成し、合成結果が規定の電力レベルだけ低減されるよう、各入力信号の振幅を変化させずに各入力信号の位相を変動させて出力するものとなっている。
ここでキャリア数nが偶数の場合には、ピーク制限部には図3に示す構成部分がn/2個備えられている。ピーク検出部は、ピーク電力を検出した場合、キャリアの入力信号を二つずつ取り出してn/2個のペアを作り、ペア毎に上記構成部分に出力することで、全ての入力信号に対しピーク制限処理を行うことができる。
キャリア数nが奇数の場合には、ピーク制限部には図3に示す構成部分が(n+1)/2個備えられており、このうち一つは、他の一つの構成部分における位相変動後の二つの入力信号の合成結果と、一つのキャリアの入力信号について位相変動によるピーク制限を行うものとなっている。
ピーク検出部は、キャリアの入力信号を二つずつ取り出してn/2個のペアを作り、当該ペアと残った1個のキャリアの入力信号をピーク制限部に出力する。ピーク制限部において、各ペアの入力信号は、二つの入力信号に対してピーク制限を行う構成部分に出力され、残った1個のキャリアの入力信号は、低減後の二つの入力信号との合成結果との間でピーク制限を行う構成部分に出力され、各構成部分においてピーク制限処理が行われる。このような構成としたことでピーク制限部は、全ての入力信号に対しピーク制限処理を行うことができる。
次に、位相変動型リミッタ15におけるピーク制限部の他の構成について、図8を用いて説明する。図8は、第1の送信機の位相変動型リミッタ15におけるピーク制限部の他の構成ブロックである。
図8に示すピーク制限部は、位相変動部105の代わりに減算器111が設けられた点と、制御部110´の機能が異なる点が図3のピーク制限部の構成と異なる。
減算器111には、乗算器103から目標合成ベクトルF´12が、位相変動部104から入力信号f1の位相変動結果f´1が入力される。また、減算器111は、目標合成ベクトルF´12から位相変動結果f´1を減算し、減算結果を入力信号f2の位相変動結果f´2として、振幅比較器109及び加算器16に出力する。
また、制御部110´は、回転角度θ1へのステップ角度の加算又は減算を行い、得られた回転角度θ´1を位相変動部104に出力する処理を、入力信号f2及び位相変動結果f´2の振幅が等しくなるまで繰り返すものである。このため制御部110´には、入力信号f2と目標合成ベクトルF´12は入力されない。
また、回転角度θ´1に対応する、入力信号f2の仮想の位相変動結果f´´2は、図3の構成では制御部110によって求められるが、図8の構成では、減算器111によって求められるものとなっている。
上記構成により、図8のピーク制限部は、入力信号f1の回転角度θ1のみを用いて入力信号f1、f2の位相変動を行うことができるため、制御部110における回転角度の算出処理の負荷を軽減し、入力信号の位相変動を迅速に行うことができる。
図1において、位相変動型リミッタ15でピーク制限された各キャリアの入力信号は、加算器16に出力される。加算器16において、各キャリアの入力信号は合成され、マルチキャリア信号として出力される。第1の送信機において、マルチキャリア信号はアナログ変換され、無線周波数信号に変換された後、無線信号として送信される。
以上が第1の送信機の動作である。
第1の送信機において、位相変動型リミッタ15は、ピーク検出部においてピーク電力が検出される毎に、各キャリアの入力信号をピーク制限部に出力し、上述した位相変動処理を行うものであるが、ピーク検出部は、ピーク電力が検出されない場合であっても、入力信号をピーク制限部に出力してもよい。
この場合、ピーク検出部は、ピーク制限部の制御部110、110´に対してピーク電力が検出されない旨を通知し、制御部110、110´は、当該入力信号に対しては位相変動を行わない、つまり回転角度を0とするような制御とすることが望ましい。
また、位相変動型リミッタ15のピーク検出部は、ペアの選び方として、各キャリアの入力信号の電圧値を測定し、電圧値の近いもの同士をペアとして選ぶことが好適である。
上述したように、位相変動型リミッタ5は、キャリアの入力信号の振幅を調整せず、位相を変動させることによって合成後のピーク電力を低減させることを目的とするものである。このため、低減量を大きくするには入力信号の位相の変動量を大きくしたり、振幅値(電圧値)の近い入力信号同士について位相変動を行うことによって対応できる。特に電圧値の近い入力信号をペアとして、位相変動によるピーク制限を行うことによって、少ない位相変動量でピーク電力の低減量を大きくとることができ、規定の低減量まで低減しやすくなる。
ピーク検出部における入力信号のペアの選び方としては、電圧値の大きい又は小さい入力信号から順にペアとして選ぶ方法が考えられる。
また、位相変動型リミッタ15のピーク制限部において、位相振幅比較器107、振幅比較器108及び109は、位相又は振幅が等しいとみなす範囲を予め設定しておき、入力される各信号の位相又は振幅の差が当該範囲内に収まる場合には、位相又は振幅が等しいと判断するようにしてもよい。
また、制御部110は、入力信号の振幅が等しいとみなす範囲を予め設定しておき、上記算出処理において位相変動前後の信号の振幅の差が当該範囲内に収まる場合には、振幅が等しいと判断するようにしてもよい。
また、位相変動型リミッタ15のピーク制限部は、位相変動結果f´1及びf´2は、回転角度の算出処理が行われている最中であっても、その時点における位相変動結果f´1及びf´2を加算器16に出力するものとなっているが、上記算出処理が終了した時点で、確定した回転角度による位相変動結果f´1及びf´2を加算器16に出力するような構成としてもよい。
上記構成例として、位相変動部104、105は、通常は位相変動結果f´1、f´2を振幅比較器108、109に出力するものとし、制御部110は回転角度が確定すると、位相変動部104及び105に対し制御信号を出力し、位相変動部104及び105は、制御信号が入力されると、位相変動結果f´1、f´2を振幅比較器108、109の他、加算器16に出力するような構成が考えられる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る送信機(以下、第2の送信機)について、第1の送信機との相違点を中心に、図2を用いて説明する。図2は、第2の送信機の構成ブロック図である。
第2の送信機は、デジタル変調部1の他に、デジタル変調部1からのマルチキャリア信号をアナログ変換するD/Aコンバータ2と、マルチキャリア信号を無線送信用の周波数信号(以下無線周波数信号)に変換して出力する周波数変換部3と、マルチキャリア信号を増幅して出力する増幅器4とを備えた構成となっている。D/Aコンバータ2、周波数変換部3及び増幅器4については、従来の第2の送信機と同様であるので、詳細な説明は省略する。
第2の送信機では、デジタル変換部1から出力された、ピーク制限後のマルチキャリア信号は、D/Aコンバータ2によってアナログ変換され、周波数変換部3によって無線周波数信号に変換され、更に増幅器4によって増幅された後、無線信号として送信される。
第2の送信機では、デジタル変換部1によってマルチキャリア信号のピーク電力が低減されているため、増幅器4における消費電力を低減することができる。
次に、本発明の実施の形態に係る送信機におけるピーク電力の低減の効果について、図5を用いて説明する。図5は、従来及び本発明の実施の形態に係る送信機における、リミッタ使用時のCCDF(Complementary Cumulative Distribution Function:相補累積分布関数)を示したグラフ図である。
図5のグラフ図において、縦軸はピーク電力の発生確率(単位%)を、横軸はPAPR(Peak to Average Power Ratio:ピーク電力対平均電力比)(単位dB)を表している。すなわち横軸のPAPRの数値が低いほど、ピーク電力と平均電力の差は小さくなる。
また、図5のグラフ図において、破線は従来の送信機(レベル補正型リミッタ)におけるCCDFを示しており、実線は本発明の実施の形態に係る送信機(レベル補正型リミッタ+位相変動型リミッタ)におけるCCDFを示している。また、両送信機とも、リミッタの動作条件として、PAPRが8dBを超えた段階でピーク電力を検出するよう設定されている。
図5に示されるように、従来の送信機では、PAPRが8dBの場合のピーク電力発生確率は約0.05%であるのに対し、本発明の実施の形態に係る送信機では、約0.001%にまで減少している。また、従来の送信機では、ピーク電力発生確率が0.0001%となるのはPAPRが約9dBの時点であるが、本発明の実施の形態に係る送信機では、8dB強の時点となっている。
したがって本発明の実施の形態に係る送信機は、従来の送信機と比較して、ピーク電力を十分に低減しているといえる。
本発明の実施の形態に係る送信機によれば、帯域制限後の複数のキャリアの入力信号に対し、合成した場合に想定される電力レベルに基づいてピーク電力を検出し、ピーク電力が検出されると、キャリアの入力信号を二つずつ選択し、選択された二つの入力信号の合成結果が位相は不変のまま規定の電力レベルだけ低減されるよう、各入力信号の振幅を変化させずに各入力信号の位相を変動させて出力する位相変動型リミッタ15を設けているので、各キャリアの電力レベルを低減することなく、帯域制限の際に生ずるピーク電力を精度よく制限できる効果がある。
特に、位相変動型リミッタ15は、帯域制限によって発生するピーク電力を、入力信号を合成した場合に想定される電力レベルを求めることによって検出し、検出結果に基づいてピーク制限を行うものであるため、レベル補正型リミッタ11において、帯域制限に伴うピーク制限の閾値及び制限値の調整は不要となり、帯域制限によって発生するピーク電力を精度よく制限することができる。
また、位相変動型リミッタ15は、各キャリアの入力信号の位相を変動することによって、合成後のマルチキャリア信号のピーク電力を制限するものであり、入力信号の電力レベルの制限を行うものではない。したがって、リミッタの動作率が高い場合でも、マルチキャリア信号の電力レベルの変動を抑えることができ、通信品質を良好に保つことができる。
本発明は、マルチキャリアの入力信号をピーク電力を制限して無線送信する場合に、各キャリアの電力レベルを低減することなく、帯域制限の際に生ずるピーク電力を精度よく制限できるものである。
本発明の実施の形態に係る第1の送信機の構成ブロック図である。 本発明の実施の形態に係る第2の送信機の構成ブロック図である。 位相変動型リミッタ15におけるピーク制限部の構成ブロック図である。 位相変動部における入力信号の位相変動のベクトル図である。 従来及び本発明の実施の形態に係る送信機における、リミッタ使用時のCCDFを示したグラフ図である。 従来の一般的な第1の送信機の構成ブロック図である。 従来の一般的な第2の送信機の構成ブロック図である。 位相変動型リミッタ15におけるピーク制限部の他の構成ブロックである。
符号の説明
1…デジタル変調部、 2…D/Aコンバータ、 3…周波数変換部、 4…増幅器、 11…レベル補正型リミッタ、 12…帯域制限フィルタ、 13…UPフィルタ、 14…デジタル直交変調部、 15…位相変動型リミッタ、 16,102,106…加算器、 101…位相比較器、 103…乗算器、 104,105…位相変動部、 107…位相振幅比較器、 108,109…振幅比較器、 110,110´…制御部、 111…減算器

Claims (1)

  1. 複数のキャリアの入力信号に対して帯域制限を施す帯域制限部と、帯域制限後の各キャリアの入力信号を合成する合成部とを有し、合成結果を無線送信する送信機であって、
    前記帯域制限部と前記合成部の間に位相変動型リミッタを設け、
    前記位相変動型リミッタは、帯域制限後の複数のキャリアの入力信号に対し、これらの信号を合成した場合に想定される電力レベルが、予め設定された規定値よりも大きい場合、前記複数のキャリアの入力信号を二つの入力信号からなる組に分け、各組において、二つの入力信号の合成結果が、位相は不変のまま規定量の電力レベルだけ低減されるよう、前記二つの入力信号について位相を変動して出力する位相変動型リミッタであることを特徴とする送信機。
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