JP2016144120A - 無線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】無線装置において、複数のキャリア信号を多重させたマルチキャリア信号に生じるピーク電力を低減しつつ、各キャリア信号の送信出力電力の精度を向上させる。【解決手段】無線装置は、ピーク電力低減部及び出力電力補正部を含む。ピーク電力低減部は、複数のキャリア信号を多重させたマルチキャリア信号に生じるピーク電力に応じて多重前の前記キャリア信号の利得を低減する。出力電力補正部は、マルチキャリア信号の占有帯域幅に応じた電力補正値を用いて多重前のキャリア信号の電力を補正する。【選択図】図1

Description

本発明は無線装置に関する。
無線通信システムにおいて、送信信号は、歪みを伴わずに線形的に増幅されることが望まれることが多い。しかしながら、送信信号を増幅する電力増幅器の入出力特性、すなわち、入力電力と出力電力との関係は、入力電力が大きくなるにつれて線形から非線形になり、入力電力が一定以上の大きさになると出力電力は飽和する。
近年の無線通信システムにおいて、無線基地局装置が送信する信号は、例えば、複数のキャリア信号が合成されたマルチキャリア信号である。マルチキャリア信号に合成される各キャリア信号の例としては、Wideband Code Division Multiple Access (WCDMA(登録商標))信号、及びOrthogonal Frequency Division Multiplexing (OFDM)信号が挙げられる。こうした複数のキャリア信号が合成されたマルチキャリア信号は、シングルキャリア信号と比較してピーク電力対平均電力比(Peak to Average Power Ratio (PAPR))が大きい。PAPRが大きな信号を線形増幅するために、仮に、ピーク電力に合わせて飽和出力電力が高くバックオフが大きく設けられた電力増幅器が用いられるとすれば、こうした電力増幅器を含む装置の消費電力は大きくなり、ひいては装置の大型化を招く。そこで、信号のPAPRを小さくするために、信号のピーク電力をクリッピング等により低減する処理が行われる。信号のピーク電力を低減するこうした技術は、Crest Factor Reduction (CFR)と呼ばれる。
なお、電力増幅器の入力制限電力に応じてピーク抑圧を行なう次のような機器が知られている。すなわち、該機器は、電力補正値生成部及び出力電力誤差補正部を備えるように構成される。電力補正値生成部は、キャリア信号の数及び周波数配置の何れか一方又は双方に関するキャリア設定とピーク抑圧設定とに基づき、当該キャリア設定下でピーク電力抑圧に起因して生じるキャリア多重信号の基準出力電力値との誤差を最小にする電力補正値を求める。出力電力誤差補正部は、電力補正値生成部により得られた電力補正値を用いてキャリア信号の多重前又は後の信号利得を補正する。
また、OFDM方式の信号を送信する次のような送信装置が知られている。すなわち、生成手段は、複数のOFDM信号を生成する。ベースバンド(BB)のピーク抑圧手段は、生成手段により生成された複数のOFDM信号に基づいて、各々のOFDM信号に対してピーク抑圧を行う。IF変換手段は、ベースバンドのピーク抑圧手段によりピーク抑圧が行われた各々のOFDM信号を中間周波数(IF周波数)の信号へ変換する。中間周波数のピーク抑圧手段は、IF変換手段により変換された複数の中間周波数の信号に基づいて、各々の中間周波数の信号に対してピーク抑圧を行う。合成手段は、中間周波数のピーク抑圧手段によりピーク抑圧が行われた複数の中間周波数の信号を合成する。増幅手段は、前記合成手段による合成後の信号を増幅する。ベースバンドのピーク抑圧手段は、各々のOFDM信号の絶対値の合成値を予測ピーク値として、ピーク抑圧を行う。また、中間周波数のピーク抑圧手段は、複数の中間周波数の信号の合成結果の絶対値を予測ピーク値として、ピーク抑圧を行う。
さらに、複素送信信号を実部信号と虚部信号に分離し、分離後の信号に対して、実数信号に対するピーク抑圧処理を行う次のようなピーク抑圧装置が知られている。すなわち、該ピーク抑圧装置は、分離後の信号から所定のサンプル数のサンプルを選択するサンプル選択部と、選択したサンプルを用いてピーク抑圧信号を算出する抑圧信号計算部とを備え、ピーク抑圧信号と分離後の信号とに基づいてピーク抑圧処理後の信号を求める。
そして、次のような送信機が知られている。すなわち、ベースバンドリミッタ手段は、送信対象となる複数のキャリアのデジタル信号に対してベースバンド帯においてピーク低減処理を施す。帯域制限フィルタ手段は、ピーク低減処理が施された夫々のキャリアのデジタル信号に対して帯域制限処理を施す。直交変調処理手段は、帯域制限処理が施された夫々のキャリアのデジタル信号に対して直交変調処理を施す。加算手段は、直交変調処理が施された夫々のキャリアのデジタル信号を加算する。中間周波数リミッタ手段は、加算結果の信号に対し検出されたピークの大きさに応じて重み付けした窓関数を乗算し、ピーク低減処理を施す。その際、複数のピーク低減処理が重なるときは、後の窓関数の重みを小さくして、過剰な抑圧を防ぐ。
特開2006−67073号公報 特開2008−294519号公報 特開2009−100218号公報 国際公開第2006/049140号
発明が解決しようとする課題は、無線装置において、複数のキャリア信号を多重させたマルチキャリア信号に生じるピーク電力を低減しつつ、各キャリア信号の送信出力電力の精度を向上させることである。
実施形態の一側面に従えば、無線装置は、ピーク電力低減部及び出力電力補正部を含む。ピーク電力低減部は、複数のキャリア信号を多重させたマルチキャリア信号に生じるピーク電力に応じて多重前の前記キャリア信号の利得を低減する。出力電力補正部は、マルチキャリア信号の占有帯域幅に応じた電力補正値を用いて多重前のキャリア信号の電力を補正する。
実施形態の一側面に従った無線装置によれば、複数のキャリア信号を多重させたマルチキャリア信号に生じるピーク電力を低減しつつ、各キャリア信号の送信出力電力の精度を向上させることができる。
第1の実施形態に従った無線装置の例示的な機能構成図である。 ピーク低減値演算部の例示的な構成図である。 第1の実施形態に従った電力補正値テーブルの例図である。 ピーク電力の低減処理が施されていない、占有帯域幅が狭いマルチキャリア信号の例図である。 ピーク電力の低減処理が施されていない、占有帯域幅が広いマルチキャリア信号の例図である。 マルチキャリア信号の電力の時間変化の例図である。 ピーク電力の低減処理が施された、占有帯域幅が狭いマルチキャリア信号の例図である。 ピーク電力の低減処理が施された、占有帯域幅が広いマルチキャリア信号の例図である。 第1の実施形態に従った無線装置が行うマルチキャリア信号の送信処理フローの例図である。 第1の実施形態に従った無線装置の例示的なハードウェア構成図である。 第2の実施形態に従った無線装置の例示的な機能構成図である。 第2の実施形態に従った電力補正値テーブルの例図である。 第2の実施形態に従った無線装置が行うマルチキャリア信号の送信処理フローの例図である。 第3の実施形態に従った無線装置の例示的な機能構成図である。 第3の実施形態に従った無線装置が行うマルチキャリア信号の送信処理フローの例図である。 第4の実施形態に従った無線装置の例示的な機能構成図である。 第4の実施形態に従った無線装置が行うマルチキャリア信号の送信処理フローの例図である。
以下、図面を参照しながら発明を実施するための形態を説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に従った無線装置の例示的な機能構成図である。図1に示す第1の実施形態に従った無線装置100は、例えば、Third Generation Partnership Project (3GPP)の仕様書で規格されるevolved Node B (eNodeB)といった無線基地局装置の一部であってよい。また、無線装置100は、例えば、Radio Equipment (RE)又はRemote Radio Head (RRH)と称される装置であってよい。
図1に示すように、無線装置100は、制御処理部110、N個の信号処理部120−1〜120−N、ピーク低減値演算部130、合成部140、及び歪補償部150を含む。また、無線装置100は、デジタル/アナログ変換器(Digital to Analog Converter (DAC))160、無線周波数変換部170、電力増幅器180、及びアンテナ190を含む。ここで、記号“N”は、無線装置100から送信されるマルチキャリア信号のキャリア数に対応する2以上の整数を表す。なお、以下の説明において、N個の同一要素を特に区別しない場合には、N個の同一要素を区別するために参照符号に付されたハイフン以降の記載を省略する。例えば、信号処理部120−1〜120−Nを特に区別しない場合には、信号処理部120と記載する。
N個の信号処理部120−1〜120−Nは、マルチキャリア信号に合成(多重)されるN個のキャリア信号の内、互いに異なる1つのキャリア信号を夫々処理対象とする。信号処理部120は、処理対象のキャリア信号を制御処理部110の指示に従い生成する。具体的には、信号処理部120は、キャリアに乗せられる前のベースバンド信号を制御処理部110の指示に従って信号処理し、キャリア信号を生成する。なお、以下の説明では、「キャリアに乗せられる前のベースバンド信号」を「キャリアのベースバンド信号」と呼ぶことがある。
信号処理部120−1〜120−Nにより夫々処理されるベースバンド信号#1〜#Nは、上位装置(不図示)から送信される。ベースバンド信号を信号処理部120へ送信する上位装置は、無線基地局装置の一部であってよい。また、上位装置は、例えば、Radio Equipment Control (REC)又はBase Band Unit (BBU)と称される装置であってよい。
上位装置が信号処理部120へ送信するベースバンド信号は、所定の無線アクセス技術(Radio Access Technology (RAT))に従った変調方式によりデータ信号が同相(In-phase)成分及び直交位相(Quadrature)成分に複素変調された信号であってよい。所定の無線アクセス技術としては、例えば、WCDMA、Long Term Evolution (LTE)、及びLTE-Advanced (LTE-A)等が挙げられる。例えば、WCDMAでは、信号処理部120へ送信されるベースバンド信号は、Quadrature Phase Shift Keying (QPSK)及び16 QuadratureAmplitude Modulation (16QAM)等の変調方式によってデータ信号が変調されたWCDMA信号である。また、例えば、LTE及びLTE-Aでは、信号処理部120へ送信されるベースバンド信号は、サブキャリア毎にQPSK、16QAM、及び64QAM等の変調方式によってデータ信号が変調されたOFDM信号である。N個のベースバンド信号は、異なる無線アクセス技術に従った変調方式によって夫々生成された信号であってよい。
N個の信号処理部120−1〜120−Nは、送信信号処理部121及びレプリカ信号処理部122を夫々含む。
送信信号処理部121は、第1のゲイン調整部1211、ピーク電力低減部1212、第2のゲイン調整部1213、変調部1214、及び出力電力補正部1215を含む。
第1のゲイン調整部1211は、電力増幅器180を経てアンテナ190から送信されるマルチキャリア信号の送信出力電力が所定の基準出力電力になるように、マルチキャリア信号に多重されるキャリア信号のゲインを調整する。具体的には、第1のゲイン調整部1211は、入力されたキャリアのベースバンド信号の出力電力を、制御処理部110から通知された第1のゲイン調整値に従って該キャリア信号の所定の基準出力電力に下げる。
また、第1の実施形態では、第1のゲイン調整部1211は出力電力補正部1215を含む。出力電力補正部1215は、ピーク電力低減部1212により低減処理されたキャリア信号の電力と該キャリア信号の所定の基準出力電力との誤差を補正する。具体的には、出力電力補正部1215は、入力されたベースバンド信号の出力電力を、制御処理部110から通知された電力補正値に従って補正する。
電力補正値は、第1のゲイン調整値に乗算されることによって、第1のゲイン調整値と共に制御処理部110から第1のゲイン調整部1211に通知されてよい。また、出力電力補正部1215を含む第1のゲイン調整部1211は、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値に従って、入力されたベースバンド信号の出力電力を調整するように構成されてよい。
ピーク電力低減部1212は、入力されたキャリアのベースバンド信号にピーク低減値(低減係数)を乗算することで、各キャリア信号が多重されたマルチキャリア信号の電力を、制御処理部110が設定した所定のピーク電力閾値以下に低減する。ピーク低減値はピーク低減値演算部130により生成される。ピーク低減値演算部130は、マルチキャリア信号のレプリカと制御処理部110から通知されたピーク電力閾値との比較に基づいてピーク低減値を算出する。マルチキャリア信号のレプリカは、送信信号処理部121による処理の内、ピーク電力低減部1212による処理がなされない各キャリア信号が合成された信号である。マルチキャリア信号のレプリカは、レプリカ信号処理部122による処理を通じて生成される。
レプリカ信号処理部122は、第2のゲイン調整部1221及び変調部1222を含む。第2のゲイン調整部1221は、送信信号処理部121に含まれる第2のゲイン調整部1213と同じ機能を有する。また、変調部1222は、送信信号処理部121に含まれる変調部1214と同じ機能を有する。第1のゲイン調整部1211から出力されたベースバンド信号は、第2のゲイン調整部1221に入力される。第2のゲイン調整部1221によりゲインが調整されたベースバンド信号は、変調部1222に入力される。変調部1222は、制御処理部110から通知されたキャリア周波数で周波数シフトし、キャリア信号のレプリカを生成する。
N個の信号処理部120−1〜120−N内の変調部1222により夫々生成されたキャリア信号のレプリカは、ピーク低減値演算部130に入力される。図2は、ピーク低減値演算部の例示的な構成図である。図2に示すように、ピーク低減値演算部130は、合成部131、電力演算部132、比較部133、及び係数算出部134を含む。
合成部131は、N個の信号処理部120−1〜120−N内の変調部1222により夫々生成されたキャリア信号のレプリカを合成(多重)することで、マルチキャリア信号のレプリカを生成する。電力演算部132は、合成部131により生成されたマルチキャリア信号のレプリカを用いて、ピーク電力低減部1212によるピーク電力の低減処理が施されていないマルチキャリア信号の電力値を演算する。比較部133は、電力演算部132により演算された電力値と、制御処理部110から通知されたピーク電力閾値とを比較し、両者の差分(誤差)を検出する。係数演算部133は、検出された差分に応じてピーク電力低減部1212でキャリアのベースバンド信号に乗算されるピーク低減値(乗算係数)を算出する。算出されたピーク低減値は、N個の送信信号処理部121夫々のピーク電力低減部1212に入力される。
N個のピーク電力低減部1212では、マルチキャリア信号のレプリカがピーク電力閾値を超えた時間区間において各キャリアのベースバンド信号に同じピーク低減値が夫々乗算される。各キャリアのベースバンド信号がピーク電力低減部1212により低減処理されることによって、各キャリア信号が合成(多重)されたマルチキャリア信号のPAPRは小さくなる。
なお、図1に示す一例では、ピーク低減値演算部130は、電力補正値に従った補正を伴うマルチキャリア信号のレプリカを用いてピーク低減値を演算する。すなわち、図1に示す一例では、出力電力補正部1215による電力補正を伴うキャリア信号のレプリカが各レプリカ信号処理部122により生成され、生成された各キャリアのレプリカ信号がピーク低減値演算部130に入力される。しかしながら、ピーク低減値演算部130は、電力補正値に従った補正を伴わないマルチキャリア信号のレプリカを用いてピーク低減値を演算するように構成されてもよい。そこで、各レプリカ信号処理部122は、電力補正値に従った補正を伴わないキャリア信号のレプリカを生成するように構成されてもよい。具体的には、各レプリカ信号処理部122は、出力電力補正部1215を含まない第1のゲイン調整部1211と同じ機能を有するゲイン調整部を更に含むように構成されてもよい。各レプリカ信号処理部122に追加されるゲイン調整部には、第1のゲイン調整部1211に入力されるベースバンド信号と同じベースバンド信号が入力される。そして、追加されるゲイン調整部から出力されたベースバンド信号は第2のゲイン調整部1221に入力される。
第2のゲイン調整部1213は、無線周波数に変換される前のマルチキャリア信号がデジタル/アナログ変換器160の最適動作点でデジタルからアナログへ変換されるように、マルチキャリア信号に含まれるキャリア信号のゲインを調整する。具体的には、第2のゲイン調整部1213は、入力されたベースバンド信号の出力電力を第2のゲイン調整値に従って上げる。第2のゲイン調整値は、第2のゲイン調整部1213に予め設定される。
変調部1214は、第2のゲイン調整部1213によりゲインが調整されたベースバンド信号を、制御処理部110から通知されたキャリア周波数で周波数シフトし、キャリア信号を生成する。変調部1214は、例えば、数値制御発振器(Numerically Controlled Oscillator (NCO))といった発振器を含む。
合成部140は、N個の信号処理部120−1〜120−N内の変調部1214により夫々生成されたキャリア信号を合成して、マルチキャリア信号を生成する。生成されたマルチキャリア信号に多重された各キャリア信号は、各々のキャリア周波数に応じた所定の周波数間隔で配置される。歪補償部150は、マルチキャリア信号の電力を電力増幅器180が増幅することに起因して生じるマルチキャリア信号の歪みを補償する。デジタル/アナログ変換器160は、歪補償部150による処理を経たマルチキャリア信号をデジタルからアナログに変換する。無線周波数変換部170は、アナログに変換されたマルチキャリア信号を所定の無線周波数の信号に変換する。電力増幅器180は、無線周波数のマルチキャリア信号の送信出力電力を所定の基準出力電力に増幅する。アンテナ190は、電力増幅器180により送信出力電力が増幅されたマルチキャリア信号を無線装置100外の空間へ放射する。
制御処理部110は、信号処理部120の処理を制御する。具体的には、制御処理部110は、上位装置(不図示)から送信された、キャリア信号毎の制御情報を受信する。受信される制御情報は、キャリア周波数、第1のゲイン調整値、及び無線アクセス技術(RAT)を含む。
制御処理部110は、受信された制御情報を用いて、信号処理部120の処理を制御するための制御値を生成する。生成される制御値は、第1のゲイン調整値、ピーク電力閾値、キャリア周波数、及び電力補正値を含む。第1のゲイン調整値及び電力補正値として、第1のゲイン調整値に電力補正値が乗算された値が生成されてもよい。制御処理部110は、生成された制御値に従った処理を信号処理部120に実行させる。具体的には、制御処理部110は、第1のゲイン調整値、キャリア周波数、及び電力補正値を信号処理部120へ送信する。第1のゲイン調整値及び電力補正値として、第1のゲイン調整値に電力補正値が乗算された値が信号処理部120へ送信されてもよい。また、制御処理部110は、ピーク電力閾値をピーク低減値演算部130へ送信する。
制御処理部110は、N個の補正値生成部111−1〜111−N、閾値通知部112、及びN個の周波数通知部113−1〜113−Nを含む。
N個の補正値生成部111−1〜111−Nは、マルチキャリア信号に多重されるN個のキャリア信号の内、互いに異なる1つのキャリア信号を夫々処理対象とする。補正値生成部111は、処理対象のキャリア信号の第1のゲイン調整値を上位装置から受信する。また、補正値生成部111は、マルチキャリア信号に多重される各キャリア信号のキャリア周波数の情報を上位装置から受信する。補正値生成部111は、受信された各キャリア周波数の情報を用いて、処理対象のキャリア信号の電力補正値を生成する。補正値生成部111は、生成された電力補正値を、受信された第1のゲイン調整値に乗算する。補正値生成部111は、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値を、当該キャリア信号を処理対象とする第1のゲイン調整部1211へ送信する。
閾値通知部112は、送信対象のマルチキャリア信号の無線アクセス技術(RAT)の情報を上位装置から受信する。閾値通知部112は、受信された無線アクセス技術に従った所定のピーク電力閾値をピーク低減値演算部130へ送信する。
N個の周波数通知部113−1〜113−Nは、マルチキャリア信号に含まれるN個のキャリア信号の内、互いに異なる1つのキャリア信号を夫々処理対象とする。周波数通知部113は、処理対象のキャリア信号のキャリア周波数を、該キャリア信号を処理対象とする信号処理部120内の変調部1214及び変調部1222に通知する。具体的には、周波数通知部113は、処理対象のキャリア信号のキャリア周波数の情報を上位装置から受信する。周波数通知部113は、受信されたキャリア周波数を、当該キャリア信号を処理対象とする信号処理部120内の変調部1214及び変調部1222へ送信する。
N個の補正値生成部111−1〜111−Nは、電力補正値テーブル1111及び補正値取得部1112を夫々含む。
図3は、第1の実施形態に従った電力補正値テーブルの例図である。図3に示すように、電力補正値テーブル1111には、電力補正値がマルチキャリア信号の占有帯域幅毎に記録される。マルチキャリア信号の占有帯域幅とは、マルチキャリア信号に多重される複数(N個)のキャリア信号のキャリア周波数の中で、最も低いキャリア周波数と最も高いキャリア周波数との間の周波数帯域幅を指す。図3の内容例では、占有帯域幅が広いほど、出力電力補正部1215で増加されるゲイン(電力補正値)が大きくなることを示す。なお、本発明の電力補正値テーブルは図3の内容例に限定されるものではなく、マルチキャリア信号の占有帯域幅毎に任意の電力補正値を設定してもよい。また、占有帯域幅の区切りは、図3の内容例に限定されるものではなく、任意に設定してよい。
電力補正値がマルチキャリア信号の占有帯域幅毎に電力補正値テーブル1111に記録される理由を図4A、図4B、図5、図6A、及び図6Bを参照しながら以下に説明する。
図4Aは、ピーク電力の低減処理が施されていない、占有帯域幅が狭いマルチキャリア信号の例図である。図4Bは、ピーク電力の低減処理が施されていない、占有帯域幅が広いマルチキャリア信号の例図である。図4A及び図4Bは、2つ(N=2)のキャリア信号が合成(多重)されたマルチキャリア信号を例示的に示す。また、図4A及び図4Bに示したマルチキャリア信号は、信号処理部120内においてピーク電力低減部1212によりピーク電力の低減処理が施されていないキャリア信号が合成された信号を表す。図4A及び図4Bのマルチキャリア信号は、同数(N=2)のキャリア信号を含む。しかしながら、マルチキャリア信号の占有帯域幅は、各キャリア信号のキャリア周波数に従って図4Aのように狭いケースもあれば図4Bのように広いケースもある。
図5は、マルチキャリア信号の電力の時間変化の例図である。図5には、図4Aのように占有帯域幅が狭いマルチキャリア信号の電力の時間変化、及び図4Bのように占有帯域幅が広いマルチキャリア信号の電力の時間変化が、それらのマルチキャリア信号の包絡線と共に示されている。図5に示すように、占有帯域幅が広いマルチキャリア信号の電力の時間変化は、占有帯域幅が狭いマルチキャリア信号の電力の時間変化と比較して速い。すなわち、占有帯域幅が狭いマルチキャリア信号は、相対的に長い時間間隔で包絡線に沿うのに対して、占有帯域幅が広いマルチキャリア信号は、相対的に短い時間間隔で包絡線に沿う。
占有帯域幅が狭いマルチキャリア信号と比較して占有帯域幅が広いマルチキャリア信号が相対的に短い時間間隔で包絡線に沿う理由は例えば次のように説明できる。すなわち、マルチキャリア信号に多重される低周波数のキャリア信号を基準として、より高周波数のキャリア信号が存在する程、すなわち振幅の時間変化がより速いキャリア信号が存在する程、マルチキャリア信号には振幅の時間変化がより速い成分が含まれる。このため、マルチキャリア信号の振幅(電力)の時間変化は、低周波数側のキャリア信号を基準としてより高周波数のキャリア信号が存在する程、すなわちマルチキャリア信号の占有帯域幅が広い程速くなる。
このように、マルチキャリア信号の占有帯域幅の広さに応じてマルチキャリア信号の電力の時間変化が異なる。具体的には、占有帯域幅が広いマルチキャリア信号は相対的に短い時間間隔で包絡線に沿うため、占有帯域幅が広いマルチキャリア信号には、占有帯域幅が狭いマルチキャリア信号と比較して電力が大きい信号が含まれる。このため、図5に示すようなピーク電力閾値で同じようにクリッピング等の低減処理が行われるとしても、ピーク電力閾値を超える信号として低減処理の対象とされる信号の電力は、マルチキャリア信号の占有帯域幅の広さに応じて異なる。
具体的には、占有帯域幅が狭いマルチキャリア信号は、図5に示すように相対的に長い時間間隔で包絡線に沿う。このため、占有帯域幅が狭いマルチキャリア信号では、ピーク電力閾値を超える信号として低減処理の対象とされる信号の電力は相対的に小さい。したがって、占有帯域幅が広いマルチキャリア信号と同じピーク電力閾値で低減処理が行われたとしても、占有帯域幅が狭いマルチキャリア信号において低減される電力は、図6Aに示すように相対的に小さい。図6Aは、ピーク電力の低減処理が施された、占有帯域幅が狭いマルチキャリア信号の例図である。
一方、占有帯域幅が広いマルチキャリア信号は、図5に示すように相対的に短い時間間隔で包絡線に沿う。このため、占有帯域幅が広いマルチキャリア信号では、ピーク電力閾値を超える信号として低減処理の対象とされる信号の電力は相対的に大きい。したがって、占有帯域幅が狭いマルチキャリア信号と同じピーク電力閾値で低減処理が施されたとしても、占有帯域幅が広いマルチキャリア信号において低減される電力は、図6Bに示すように相対的に大きい。図6Bは、ピーク電力の低減処理が施された、占有帯域幅が広いマルチキャリア信号の例図である。
このように、ピーク電力低減部1212により低減処理される各キャリア信号の電力の大きさは、同じピーク低減値(低減係数)で処理されるとしても、マルチキャリア信号の占有帯域幅の広さに応じて異なる。具体的には、ピーク電力低減部1212による処理により低減される電力は、マルチキャリア信号の占有帯域幅が広くなるに従って大きくなる。
なお、図4A、図4B、図5、図6A、及び図6Bは、ピーク電力低減部1212により低減される電力の大きさが占有帯域幅の広さに応じて異なることを説明するための一例にすぎない。例えば、マルチキャリア信号に多重されるキャリア信号数が3つ(N=3)であっても、ピーク電力低減部1212により低減される電力は、マルチキャリア信号の占有帯域幅が広くなるに従って大きくなると言える。また、例えば、マルチキャリア信号に多重される各キャリア信号の帯域幅が同じであり、各キャリア信号が同じ周波数間隔で配置されると仮定すると、マルチキャリア信号に多重されるキャリア信号の数が増えるに従ってマルチキャリア信号の占有帯域幅は広くなる。したがって、こうした仮定の下でも、ピーク電力低減部1212により低減される電力は、キャリア信号の数(N)が増えるに従って、すなわちマルチキャリア信号の占有帯域幅が広くなるに従って大きくなると言える。
前述したように、出力電力補正部1215は、ピーク電力低減部1212によりピーク電力が低減処理されたキャリア信号の電力と該キャリア信号の所定の基準出力電力との誤差を抑制する。具体的には、出力電力補正部1215は、制御処理部110から通知された電力補正値に従ってキャリア信号の電力を補正する。しかしながら、ピーク電力低減部1212により低減される電力の大きさはマルチキャリア信号の占有帯域幅の広さに応じて異なるため、補正対象とされる誤差の値、すなわち電力補正値は、マルチキャリア信号の占有帯域幅の広さに応じて異なる。そこで、マルチキャリア信号の占有帯域幅の広さに対応した電力補正値を補正値生成部111が第1のゲイン調整部1211に通知するために、電力補正値テーブル1111には、マルチキャリア信号の占有帯域幅毎の電力補正値が予め記録される。
補正値取得部1112は、処理対象のキャリア信号の第1のゲイン調整値を上位装置から受信する。また、補正値取得部1112は、マルチキャリア信号に多重される各キャリア信号のキャリア周波数の情報を上位装置から受信する。補正値取得部1112は、受信されたキャリア周波数の情報を参照して、最も高いキャリア周波数から最も低いキャリア周波数を減算することで、マルチキャリア信号の占有帯域幅を算出する。補正値取得部1112は、算出された占有帯域幅に対応する電力補正値を電力補正値テーブル1111から取得する。補正値取得部1112は、取得された電力補正値を、受信された第1のゲイン調整値に乗算する。補正値取得部1112は、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値を、当該キャリア信号を処理対象とする第1のゲイン調整部1211へ送信する。
第1のゲイン調整部1211は、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値を補正値取得部1112から受信する。第1のゲイン調整部1211は、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値に従って、処理対象のキャリアのベースバンド信号の電力を該キャリア信号の所定の基準出力電力に対応させて調整する。すなわち、第1のゲイン調整部1211は、出力電力補正部1215による補正処理を伴って、処理対象のキャリアのベースバンド信号の電力を調整する。
なお、補正値取得部1112は、電力補正値及び第1のゲイン調整値を別々に第1のゲイン調整部1211へ送信するように構成されてもよい。第1のゲイン調整部1211は、受信された第1のゲイン調整値に従って、入力されたキャリアのベースバンド信号の出力電力を該キャリア信号の所定の基準出力電力に対応させて下げるように構成されてもよい。第1のゲイン調整部1211に含まれる出力電力補正部1215は、第1のゲイン調整値に従って下げられた、キャリアのベースバンド信号の出力電力を、受信された電力補正値に従って補正するように構成されてもよい。
補正値生成部111及び出力電力補正部1215による上述の処理を通じて、ピーク電力が低減処理されたキャリア信号の送信出力電力と該キャリア信号の基準出力電力との誤差はマルチキャリア信号の占有帯域幅の広さに対応して予め抑制される。この結果、マルチキャリア信号に多重される各キャリア信号の送信出力電力の精度は、マルチキャリア信号の占有帯域幅の広さに関係なく向上する。
無線装置100が行うマルチキャリア信号の送信方法の一例を説明する。図7は、第1の実施形態に従った無線装置が行うマルチキャリア信号の送信処理フローの例図である。図7に示す一例では、制御処理部110により設定される制御値は、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値、ピーク電力閾値、及びキャリア周波数である。なお、図7において、ステップS1003、ステップS1004、及びステップS1005〜ステップS1006の各処理は時間的に並行して行われてよい。
マルチキャリア信号を送信するための一連の処理が開始されると(ステップS1001)、制御処理部110は、上位装置から制御情報を受信する(ステップS1002)。具体的には、補正値取得部1112は、処理対象のキャリア信号の第1のゲイン調整値と各キャリア信号のキャリア周波数の情報とを上位装置から受信する。閾値通知部112は、送信対象のマルチキャリア信号の無線アクセス技術の情報を上位装置から受信する。周波数通知部113は、処理対象のキャリア信号のキャリア周波数の情報を上位装置から受信する。
ステップS1003において、閾値通知部112は、受信された無線アクセス技術に従った所定のピーク電力閾値をピーク低減値演算部130へ送信する。ピーク低減値演算部130はピーク電力閾値を閾値通知部112から受信する。ピーク低減値演算部130は、受信されたピーク電力閾値を、各送信信号処理部121が生成したキャリア信号が多重されたマルチキャリア信号の電力閾値として設定する。
ステップS1004において、周波数通知部113は、受信されたキャリア周波数の値を、当該キャリア信号を処理対象とする信号処理部120内の変調部1214、1222へ送信する。変調部1214、1222は、処理対象のキャリア信号のキャリア周波数を周波数通知部113から受信する。変調部1214、1222は、入力されたベースバンド信号を変調するためのキャリア周波数として、受信されたキャリア周波数を設定する。
ステップS1005において、補正値取得部1112は、受信されたキャリア周波数の情報を参照して、最も高いキャリア周波数から最も低いキャリア周波数を減算することで、マルチキャリア信号の占有帯域幅を算出する。補正値取得部1112は、算出された占有帯域幅に対応する電力補正値を電力補正値テーブル1111から取得する。補正値取得部1112は、取得された電力補正値を、受信された第1のゲイン調整値に乗算する。補正値取得部1112は、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値を、当該キャリア信号を処理対象とする第1のゲイン調整部1211へ送信する。
ステップS1006において、第1のゲイン調整部1211は、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値を補正値取得部1112から受信する。第1のゲイン調整部1211は、出力電力補正部1215を含む当該第1のゲイン調整部1211により調整されるゲイン調整値として、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値を設定する。
ステップS1007において、無線装置100は、設定された制御値に従ってマルチキャリア信号の送信を開始する。具体的には、第1のゲイン調整部1211は、上位装置から送信されたキャリアのベースバンド信号を受信する。そして、各送信信号処理部121は、設定された制御値に従ってキャリア信号を生成する。各送信信号処理部121により生成されたキャリア信号は、合成部140により合成され、マルチキャリア信号が生成される。合成部140により生成されたマルチキャリア信号は、歪補償部150、デジタル/アナログ変換器160、無線周波数変換部170、及び電力増幅器180による処理を経て、アンテナ190を介して送信される。マルチキャリア信号の送信が終了すると、一連の処理は終了する(ステップS1008)。
無線装置100は、例えば、図8に示すハードウェアにより構成される。図8は、第1の実施形態に従った無線装置の例示的なハードウェア構成図である。図8に示すように、無線装置200は、プロセッサ210、メモリ220、Field Programmable Gate Array (FPGA)230、DAC240、アップコンバータ250、電力増幅器260、フィルタ270、及びアンテナ280を含む。
プロセッサ210は、Central Processing Unit (CPU)いった演算処理を行う論理回路である。プロセッサ210は、無線装置200に含まれる各部の動作を制御する。プロセッサ210は、制御処理部110及びピーク電力値演算部130に対応する。
メモリ220は、プロセッサ210により実行される処理プログラム、プロセッサ210による処理に用いられるデータ、及びプロセッサ210による処理結果のデータが記憶される装置である。メモリ220は、電力補正値テーブル1111を含む。
FPGA230は、通信インタフェース2301及びDigital Pre-distortion (DPD)2302を含む。
通信インタフェース2301は、ベースバンドのデータ信号及び制御信号を所定の通信規格に従って無線装置200と上位装置(不図示)との間で送受信するためのインタフェースである。所定の通信規格の一例としては、Common Public Radio Interface (CPRI)及びOpen Base Station Architecture Initiative (OBSAI)等が挙げられる。通信インタフェース2301は、例えば、上位装置から受信したデータ信号をDPD2302へ転送し、上位装置から受信した制御信号をプロセッサ210へ転送する。
DPD2302は、上位装置から送信されたベースバンドのデータ信号を通信インタフェース2301を介して受信する。DPD2302は、受信されたデータ信号をプロセッサ210から受信した制御信号に従ってデジタル処理する。DPD2302は、N個の信号処理部120−1〜120−N、ピーク電力値演算部130、合成部140、及び歪補償部150に対応する。
DAC240は、DPD2302により処理されたデータ信号をデジタルからアナログへ変換する。DAC240は、デジタル/アナログ変換器160に対応する。アップコンバータ250は、アナログ変換されたデータ信号を無線周波数へアップコンバートする。アップコンバータ250は、無線周波数変換部170に対応する。
電力増幅器260は、無線周波数のデータ信号の送信出力電力を所定の基準出力電力に増幅する。電力増幅器260は、電力増幅器180に対応する。フィルタ270は、アンテナ280から送信されるデータ信号とアンテナ280から受信されたデータ信号とを分ける分波器である。アンテナ280は、フィルタ270を介して入力されたデータ信号を無線装置200と通信する無線端末装置(不図示)へ向けて放射し、無線端末装置から受信されたデータ信号をフィルタ270へ出力する。アンテナ280は、アンテナ190に対応する。
このように、第1の実施形態に従った無線装置によれば、次のような効果が得られる。すなわち、ピーク電力の低減処理が施されたキャリア信号の送信出力電力と該キャリア信号の所定の基準出力電力との誤差は、マルチキャリア信号に多重される各キャリア信号の生成過程においてマルチキャリア信号の占有帯域幅の広さに応じて抑制される。この結果、第1の実施形態に従った無線装置によれば、マルチキャリア信号に多重される各キャリア信号の送信出力電力の精度は、マルチキャリア信号の占有帯域幅の広さに関係なく向上する。
<第2の実施形態>
第1の実施形態では、出力電力補正部1215は、第1のゲイン調整部1211に含まれる。このため、ピーク電力の低減処理が施されたキャリア信号の送信出力電力と該キャリア信号の所定の基準出力電力との誤差は、キャリア信号に対してピーク電力の低減処理が施される前に抑制される。しかしながら、無線装置は、キャリア信号に対してピーク電力の低減処理が施された後にこうした誤差を抑制するように構成されてもよい。
図9は、第2の実施形態に従った無線装置の例示的な機能構成図である。図9において、第2の実施形態に従った無線装置300の構成要素の内、無線装置100(図1参照)と同じ構成要素には、無線装置100の該構成要素の参照符号と同じ参照符号が付されている。無線装置300は、例えば、図8に示したハードウェアにより構成される。
図9に示すように、無線装置300は、制御処理部110(図1参照)に代わって制御処理部310を含む。また、無線装置300は、信号処理部120(図1参照)に代わって信号処理部320を含む。
N個の信号処理部320−1〜320−Nは、送信信号処理部121(図1参照)に代わって送信信号処理部321を夫々含む。また、N個の信号処理部320−1〜320−Nは、レプリカ信号処理部122(図1参照)に代わってレプリカ信号処理部322を夫々含む。
送信信号処理部321は、第1のゲイン調整部1211(図1参照)に代わって第1のゲイン調整部3211を含む。送信信号処理部321は、第2のゲイン調整部1213(図1参照)に代わって第2のゲイン調整部3212を含む。送信信号処理部321は、出力電力補正部1215(図1参照)に代わって出力電力補正部3213を含む。
第1のゲイン調整部3211は、電力増幅器180を経てアンテナ190から送信されるマルチキャリア信号の送信出力電力が所定の基準出力電力になるように、マルチキャリア信号に多重されるキャリア信号のゲインを調整する。具体的には、第1のゲイン調整部3211は、入力されたキャリアのベースバンド信号の出力電力を、制御処理部310から通知された第1のゲイン調整値に従って該キャリア信号の所定の基準出力電力に下げる。
このように、第1のゲイン調整部3211は、第1のゲイン調整部1211と同様の機能を有する。しかしながら、第1のゲイン調整部3211は、第1のゲイン調整部1211とは異なり出力電力補正部1215(図1参照)を含まない。
第2のゲイン調整部3212は、デジタル/アナログ変換器160の最適動作点でマルチキャリア信号がデジタルからアナログへ変換されるように、マルチキャリア信号に多重されるキャリア信号のゲインを調整する。具体的には、第2のゲイン調整部3212は、入力されたベースバンド信号の出力電力を、制御処理部310から通知された第2のゲイン調整値に従って上げる。
このように、第2のゲイン調整部3212は、第2のゲイン調整部1213と同様の機能を有する。しかしながら、第2のゲイン調整値が制御処理部310から通知される点で、第2のゲイン調整部3212は、第2のゲイン調整値が予め設定された第2のゲイン調整部1213とは異なる。また、第2のゲイン調整部3212は、第2のゲイン調整部1213とは異なり出力電力補正部3213を含む。
出力電力補正部3213は、ピーク電力低減部1212によりピーク電力の低減処理が施されたキャリア信号の電力と該キャリア信号の所定の基準出力電力との誤差を補正する。具体的には、出力電力補正部3213は、入力されたベースバンド信号の出力電力を、制御処理部310から通知された電力補正値に従って補正する。
このように、出力電力補正部3213は、出力電力補正部1215と同様の機能を有する。しかしながら、出力電力補正部3213が第2のゲイン調整部3212に含まれる点で、出力電力補正部3213は、第1のゲイン調整部1211に含まれる出力電力補正部1215とは異なる。
電力補正値は、第2のゲイン調整値と乗算されることによって、第2のゲイン調整値と共に制御処理部310から第2のゲイン調整部3212に通知されてもよい。また、出力電力補正部3213を含む第2のゲイン調整部3212は、電力補正値が乗算された第2のゲイン調整値に従って、入力されたベースバンド信号の出力電力を調整するように構成されてもよい。
レプリカ信号処理部322は、送信信号処理部321による処理の内、ピーク電力低減部1212による処理がなされないキャリア信号を生成する。レプリカ信号処理部322は、第2のゲイン調整部1221(図1参照)に代わって第2のゲイン調整部3221を含む。第2のゲイン調整部3221は、出力電力補正部3222を含む。第2のゲイン調整部3221は、送信信号処理部321に含まれる第2のゲイン調整部3212と同じ機能を有する。出力電力補正部3222は、送信信号処理部321に含まれる出力電力補正部3213と同じ機能を有する。
図9に示す一例では、ピーク低減値演算部130は、電力補正値に従った補正を伴うマルチキャリア信号のレプリカを用いてピーク低減値を演算する。すなわち、図9に示す一例では、出力電力補正部3222による電力補正を伴うキャリア信号のレプリカが各レプリカ信号処理部322により生成され、生成された各キャリアのレプリカ信号がピーク低減値演算部130に入力される。しかしながら、ピーク低減値演算部130は、電力補正値に従った補正を伴わないマルチキャリア信号のレプリカを用いてピーク低減値を演算するように構成されてもよい。そこで、各レプリカ信号処理部322は、電力補正値に従った補正を伴わないキャリア信号のレプリカを生成するように構成してもよい。具体的には、各レプリカ信号処理部322は、第2のゲイン調整部3221内に出力電力補正部3222を含まないように構成されてもよい。
制御処理部310は、N個の補正値生成部111−1〜111−N(図1参照)に代わってN個の調整値通知部311−1〜311−Nを含む。また、制御処理部310は、N個の補正値生成部312−1〜312−Nを含む。
調整値通知部311は、処理対象のキャリア信号の第1のゲイン調整値を上位装置から受信する。調整値通知部311は、受信された第1のゲイン調整値を、当該キャリア信号を処理対象とする第1のゲイン調整部3211へ送信する。このように調整値通知部311は、補正値生成部111(図1参照)の一部の機能と同様の機能を有する。しかしながら、調整値通知部311は、電力補正値を生成及び送信しない点で補正値生成部111とは異なる。
補正値生成部312は、処理対象のキャリア信号の第2のゲイン補正値を予め保持する。また、補正値生成部312は、マルチキャリア信号に多重される各キャリア信号のキャリア周波数の情報を上位装置から受信する。補正値生成部312は、受信された各キャリア周波数の情報を用いて、処理対象のキャリア信号の電力補正値を生成する。補正値生成部312は、生成された電力補正値を、保持される第2のゲイン調整値に乗算する。補正値生成部312は、電力補正値が乗算された第2のゲイン調整値を、当該キャリア信号を処理対象とする信号処理部320内の第2のゲイン調整部3212、3221へ送信する。
このように、補正値生成部312は、上位装置から受信された各キャリア周波数の情報を用いて電力補正値を生成する点で、補正値生成部111と同様の機能を有する。しかしながら、補正値生成部312は、第2のゲイン調整値を予め保持する点で、上位装置から第1のゲイン調整値を受信する補正値生成部111とは異なる。また、補正値生成部312は、電力補正値が乗算された第2のゲイン調整値を第2のゲイン調整部3212、3221へ送信する点で、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値を第1のゲイン調整部1211へ送信する補正値生成部111とは異なる。
N個の補正値生成部312−1〜312−Nは、電力補正値テーブル3121及び補正値取得部3122を夫々含む。
電力補正値テーブル3121には、電力補正値がマルチキャリア信号の占有帯域幅毎に記録される。電力補正値テーブル3121は、図3に示したような電力補正値テーブル1111と同様のテーブルであってよい。
補正値取得部3122は、マルチキャリア信号に多重される各キャリア信号のキャリア周波数の情報を上位装置から受信する。補正値取得部3122は、受信されたキャリア周波数の情報を参照して、最も高いキャリア周波数から最も低いキャリア周波数を減算することで、マルチキャリア信号の占有帯域幅を算出する。補正値取得部3122は、算出された占有帯域幅に対応する電力補正値を電力補正値テーブル3121から取得する。補正値取得部3122は、取得された電力補正値を、予め保持された第2のゲイン調整値に乗算する。補正値取得部3122は、電力補正値が乗算された第2のゲイン調整値を、当該キャリア信号を処理対象とする信号処理部320内の第2のゲイン調整部3212、3221へ送信する。
第2のゲイン調整部3212は、電力補正値が乗算された第2のゲイン調整値を補正値取得部3122から受信する。第2のゲイン調整部3212は、電力補正値が乗算された第2のゲイン調整値に従って、処理対象のキャリア信号の出力電力を、デジタル/アナログ変換器160が最適動作点で動作するように調整する。すなわち、第2のゲイン調整部3212は、出力電力補正部3213による補正処理を伴って、処理対象のキャリアのベースバンド信号の電力を調整する。第2のゲイン調整部3221は、第2のゲイン調整部3212と同様に動作する。
なお、補正値取得部3122は、電力補正値及び第2のゲイン調整値を別々に、当該キャリア信号を処理対象とする第2のゲイン調整部3212、3221へ送信するように構成されてもよい。第2のゲイン調整部3212は、受信された第2のゲイン調整値に従って、入力されたキャリアのベースバンド信号の出力電力を該キャリア信号の所定の基準出力電力に対応させて下げるように構成されてもよい。第2のゲイン調整部3212に含まれる出力電力補正部3213は、第2のゲイン調整値に従って下げられた、キャリアのベースバンド信号の出力電力を、受信された電力補正値に従って補正するように構成されてもよい。第2のゲイン調整部3221及び出力電力補正部3222は、第2のゲイン調整部3212及び出力電力補正部3213と同様に動作するように構成されてもよい。
補正値生成部312及び出力電力補正部3213による上述の処理を通じて、ピーク電力の低減処理が施されたキャリア信号の送信出力電力と該キャリア信号の所定の基準出力電力との誤差は、マルチキャリア信号の占有帯域幅の広さに対応して抑制される。この結果、マルチキャリア信号に含まれる各キャリア信号の送信出力電力の精度は、マルチキャリア信号の占有帯域幅の広さに関係なく向上する。
なお、補正値生成部312は、以下の説明のように更に構成されてもよい。
補正値取得部3122が第2のゲイン調整値を予め保持する代わりに、図10に示すように、電力補正値テーブル3121には、第2のゲイン調整値が乗算された電力補正値がマルチキャリア信号の占有帯域幅毎に記録される。図10は、第2の実施形態に従った電力補正値テーブルの例図である。
補正値取得部3122は、マルチキャリア信号に多重される各キャリア信号のキャリア周波数の情報を上位装置から受信する。補正値取得部3122は、受信されたキャリア周波数の情報を参照して、最も高いキャリア周波数から最も低いキャリア周波数を減算することで、マルチキャリア信号の占有帯域幅を算出する。補正値取得部3122は、算出された占有帯域幅に対応する電力補正値を電力補正値テーブル3121から取得する。取得される電力補正値には、第2のゲイン調整値が予め乗算されている。補正値取得部3122は、取得された電力補正値を、当該キャリア信号を処理対象とする信号処理部320内の第2のゲイン調整部3212、3221へ送信する。
第2のゲイン調整部3212は、第2のゲイン調整値が乗算された電力補正値を補正値取得部3122から受信する。第2のゲイン調整部3212は、第2のゲイン調整値が乗算された電力補正値に従って、入力されたキャリア信号の出力電力を、デジタル/アナログ変換器160が最適動作点で動作するように調整する。すなわち、第2のゲイン調整部3212は、出力電力補正部3213による補正処理を伴って、処理対象のキャリアのベースバンド信号の電力を調整する。第2のゲイン調整部3221は、第2のゲイン調整部3212と同様に動作する。
上記のような構成によっても、ピーク電力の低減処理が施されたキャリア信号の送信出力電力と該キャリア信号の所定の基準出力電力との誤差は、マルチキャリア信号の占有帯域幅の広さに対応して抑制される。この結果、マルチキャリア信号に含まれる各キャリア信号の送信出力電力の精度は、マルチキャリア信号の占有帯域幅の広さに関係なく向上する。
また、上記のような構成によれば、補正値生成部312において第2のゲイン調整値と電力補正値とを乗算する処理が必要ないため、補正値生成部312を含む制御処理部310の処理を簡素化及び高速化できる。
無線装置300が行うマルチキャリア信号の送信方法の一例を説明する。図11は、第2の実施形態に従った無線装置が行うマルチキャリア信号の送信処理フローの例図である。図11に示す一例では、制御処理部310により設定される制御値は、第1のゲイン調整値、ピーク電力閾値、キャリア周波数、及び第2のゲイン調整値が乗算された電力補正値である。なお、図11において、ステップS2003、ステップS2004、ステップS2005、及びステップS2006〜ステップS2007の各処理は時間的に並行して行われてよい。
マルチキャリア信号を送信するための一連の処理が開始されると(ステップS2001)、制御処理部310は、上位装置から制御情報を受信する(ステップS2002)。具体的には、調整値通知部311は、処理対象のキャリア信号の第1のゲイン設定値を上位装置から受信する。閾値通知部112は、送信対象のマルチキャリア信号の無線アクセス技術の情報を上位装置から受信する。補正値取得部3122は、各キャリア信号のキャリア周波数の情報を上位装置から受信する。周波数通知部113は、処理対象のキャリア信号のキャリア周波数の情報を上位装置から受信する。
ステップS2003において、調整値通知部311は、受信された第1のゲイン設定値を、当該キャリア信号を処理対象とする第1のゲイン調整部3211へ送信する。第1のゲイン調整部3211は、処理対象のキャリア信号の第1のゲイン設定値を調整値通知部311から受信する。第1のゲイン調整部3211は、入力されたキャリアのベースバンド信号の出力電力を該キャリア信号の所定の基準出力電力に調整する値として、受信された第1のゲイン調整値を設定する。
ステップS2004において、閾値通知部112は、受信された無線アクセス技術に従った所定のピーク電力閾値をピーク低減値演算部130へ送信する。ピーク低減値演算部130はピーク電力閾値を閾値通知部112から受信する。ピーク低減値演算部130は、受信されたピーク電力閾値を、各送信信号処理部321が生成したキャリア信号が多重されたマルチキャリア信号の電力閾値として設定する。
ステップS2005において、周波数通知部113は、受信されたキャリア周波数の値を、当該キャリア信号を処理対象とする信号処理部320内の変調部1214、1222へ送信する。変調部1214、1222は、処理対象のキャリア信号のキャリア周波数を周波数通知部113から受信する。変調部1214、1222は、入力されたベースバンド信号を変調するためのキャリア周波数として、受信されたキャリア周波数を設定する。
ステップS2006において、補正値取得部3122は、受信されたキャリア周波数の情報を参照して、最も高いキャリア周波数から最も低いキャリア周波数を減算することで、マルチキャリア信号の占有帯域幅を算出する。補正値取得部3122は、算出された占有帯域幅に対応する電力補正値を電力補正値テーブル3121から取得する。取得される電力補正値には、第2のゲイン調整値が予め乗算されている。すなわち、第2のゲイン調整値はマルチキャリア信号の占有帯域幅に依存せず固定の値が用いられるため、占有帯域幅に対応する電力補正値に第2のゲイン調整値を予め乗算した値を電力補正値テーブル3121に格納しておくことができる。補正値取得部3122は、取得された電力補正値を、当該キャリア信号を処理対象とする信号処理部320内の第2のゲイン調整部3212、3221へ送信する。
ステップS2007において、第2のゲイン調整部3212は、第2のゲイン調整値が乗算された電力補正値を補正値取得部3122から受信する。第2のゲイン調整部3212は、出力電力補正部3213を含む当該第2のゲイン調整部3212により調整されるゲイン調整値として、第2のゲイン調整値が乗算された電力補正値を設定する。第2のゲイン調整部3221は、第2のゲイン調整部3212により行われるこうした処理と同様の処理を行う。
ステップS2008において、無線装置300は、設定された制御値に従ってマルチキャリア信号の送信を開始する。具体的には、第1のゲイン調整部3211は、上位装置から送信されたキャリアのベースバンド信号を受信する。各送信信号処理部321は、設定された制御値に従ってキャリア信号を生成する。各送信信号処理部321により生成されたキャリア信号は、合成部140により合成され、マルチキャリア信号が生成される。合成部140により生成されたマルチキャリア信号は、歪補償部150、デジタル/アナログ変換器160、無線周波数変換部170、及び電力増幅器180による処理を経て、アンテナ190を介して送信される。マルチキャリア信号の送信が終了すると、一連の処理は終了する(ステップS2009)。
このように、第2の実施形態に従った無線装置300によっても、第1の実施形態に従った無線装置100により得られる効果と同様の効果が得られる。また、第2の実施形態に従った無線装置300によれば、ピーク電力の低減処理が施されたキャリア信号の送信出力電力と該キャリア信号の所定の基準出力電力との誤差を補正する処理を簡素化及び高速化できる。
<第3の実施形態>
第1の実施形態では、無線装置は、ピーク電力の低減処理が施されたキャリア信号の送信出力電力と該キャリア信号の所定の基準出力電力との誤差を、キャリア信号に対してピーク電力の低減処理が施される前に抑制する。また、第1の実施形態では、無線装置は、こうした誤差を補正するためにマルチキャリア信号の占有帯域幅毎の電力補正値を予め保持する。しかしながら、無線装置は、送信対象のマルチキャリア信号に多重されるキャリア信号に対する電力補正値を、該キャリア信号を生成する間に生成するように構成されてもよい。
図12は、第3の実施形態に従った無線装置の例示的な機能構成図である。図12において、第3の実施形態に従った無線装置400の構成要素の内、無線装置100(図1参照)と同じ構成要素には、無線装置100の該構成要素の参照符号と同じ参照符号が付されている。無線装置400は、例えば、図8に示したハードウェアにより構成される。
図12に示すように、無線装置400は、制御処理部110(図1参照)に代わって制御処理部410を含む。制御処理部410は、N個の補正値生成部111−1〜111−N(図1参照)に代わってN個の補正値生成部411−1〜411−Nを含む。
補正値生成部411は、処理対象のキャリア信号に対する電力補正値の初期値をマルチキャリア信号の占有帯域幅毎に記憶する。例えば、補正値生成部411は、図3に示すような電力補正値テーブルを記憶する。
補正値生成部411は、処理対象のキャリア信号の第1のゲイン調整値を上位装置から受信する。また、補正値生成部411は、マルチキャリア信号に多重される各キャリア信号のキャリア周波数の情報を上位装置から受信する。補正値生成部411は、受信された各キャリア周波数の情報を用いて、マルチキャリア信号の占有帯域幅を計算する。補正値生成部411は、計算された占有帯域幅に対応する電力補正値の初期値を、予め記憶された電力補正値の初期値の中から選択する。補正値生成部411は、選択された電力補正値の初期値を、当該キャリア信号を処理対象とする出力電力補正部1215に用いられる電力補正値として保持する。補正値生成部411は、保持された電力補正値を、受信された第1のゲイン調整値に乗算する。補正値生成部411は、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値を、当該キャリア信号を処理対象とする第1のゲイン調整部1211へ送信する。
また、マルチキャリア信号の送信が開始された後、補正値生成部411は、処理対象のキャリア信号から電力補正値を生成する。具体的には、補正値生成部411は、第1の電力及び第2の電力を計算する。第1の電力は、ピーク電力の低減処理が施される前のキャリア信号の電力であり、具体的には、ピーク電力低減部1212に入力されるキャリアのベースバンド信号の電力である。第2の電力は、ピーク電力の低減処理が施された後のキャリア信号の電力であり、具体的には、ピーク電力低減部1212から出力されたキャリアのベースバンド信号の電力である。補正値生成部411は、第1の電力と第2の電力との差分値を用いて新たな電力補正値を計算する。
第1の実施形態と同様に、ピーク電力低減部1212は、入力されたキャリアのベースバンド信号にピーク低減値を乗算することで、各キャリア信号が多重されたマルチキャリア信号の電力を、制御処理部410が設定した所定のピーク電力閾値以下に低減する。ピーク低減値は、レプリカ信号処理部122による処理を経て生成されたマルチキャリア信号のレプリカと制御処理部110から通知されたピーク電力閾値とが比較されることを通じて、ピーク低減値演算部130により算出される。ピーク低減値の算出に用いられるマルチキャリア信号のレプリカは、マルチキャリア信号と同じ占有帯域幅を有する。このため、ピーク低減値は、マルチキャリア信号の占有帯域幅に従って算出された値と言え、該ピーク低減値を用いてピーク電力低減部1212から出力された第2の電力もまた、マルチキャリア信号の占有帯域幅に従って低減処理された電力と言える。従って、第1の電力と第2の電力との差分値から生成される電力補正値は、マルチキャリア信号の占有帯域幅に従って生成される値と言える。
補正値生成部411は、第1の電力と第2の電力との差分値と、補正値生成部411が既に保持する電力補正値とから、当該キャリア信号を処理対象とする出力電力補正部1215に新たに用いられる電力補正値を生成する。例えば、補正値生成部411は、第1の電力と第2の電力との差分値と、補正値生成部411が既に保持する電力補正値との重み付き平均を計算する。補正値生成部411は、新たに生成された電力補正値を保持する。補正値生成部411は、保持された電力補正値を、受信された第1のゲイン調整値に乗算する。補正値生成部411は、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値を、当該キャリア信号を処理対象とする第1のゲイン調整部1211へ送信する。
なお、マルチキャリア信号の送信開始後における電力補正値の生成処理は、所定の時間間隔で所定の回数繰り返し行われてよい。電力補正値の生成処理が繰り返し行われることで、ピーク電力の低減処理が施されたキャリア信号の送信出力電力と該キャリア信号の所定の基準出力電力との誤差を抑制する精度を向上させることができる。
このように、補正値生成部411は、電力補正値を生成し、生成された電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値を第1のゲイン調整部1211へ送信する点で、補正値生成部111(図1参照)と同様の機能を有する。しかしながら、補正値生成部411は、マルチキャリア信号の送信開始後に、ピーク電力低減処理が施される前のキャリア信号の電力とピーク電力低減処理が施された後のキャリア信号の電力とを用いて電力補正値を生成する点で、補正値生成部111とは異なる。
N個の補正値生成部411−1〜411−Nは、第1の電力計算部4111、第2の電力計算部4112、差分検出部4113、補正値取得部4114、及び電力補正値テーブル4115を夫々含む。
補正値取得部4114は、処理対象のキャリア信号の第1のゲイン調整値を上位装置から受信する。また、補正値取得部4114は、マルチキャリア信号に多重される各キャリア信号のキャリア周波数の情報を上位装置から受信する。補正値取得部4114は、受信されたキャリア周波数の情報を参照して、最も高いキャリア周波数から最も低いキャリア周波数を減算することで、マルチキャリア信号の占有帯域幅を算出する。補正値取得部4114は、算出された占有帯域幅に対応する電力補正値を電力補正値テーブル4115から取得する。電力補正値テーブル4115は、例えば図3に示すようなテーブルである。補正値取得部4114は、取得された電力補正値を保持する。補正値取得部4114は、保持された電力補正値を受信された第1のゲイン調整値に乗算する。補正値取得部4114は、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値を、当該キャリア信号を処理対象とする第1のゲイン調整部1211へ送信する。
マルチキャリア信号の送信開始後、第1の電力計算部4111は、処理対象のキャリア信号の第1の電力を、該キャリア信号を処理対象とするピーク電力低減部1212に入力されるキャリアのベースバンド信号から計算する。第2の電力計算部4112は、処理対象のキャリア信号の第2の電力を、該キャリア信号を処理対象とするピーク電力低減部1212から出力されたキャリアのベースバンド信号から計算する。差分検出部4113は、第1の電力計算部4111により計算された第1の電力と第2の電力計算部4112により計算された第2の電力との差分を検出する。補正値取得部4114は、差分検出部4113により検出された電力の差分値を取得する。補正値取得部4114は、取得された電力の差分値と既に保持された電力補正値との重み付き平均を計算する。補正値取得部4114は、計算された値を新たな電力補正値として保持する。補正値取得部4114は、保持された電力補正値を、上位装置から受信した第1のゲイン調整値に乗算する。補正値取得部4114は、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値を、当該キャリア信号を処理対象とする第1のゲイン調整部1211へ送信する。
このように、補正値生成部411は、信号処理部120により実際に処理されるキャリアのベースバンド信号を用いて電力補正値を生成するため、電力補正値は、精度よく生成される。
第1のゲイン調整部1211は、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値を補正値取得部4114から受信する。第1のゲイン調整部1211は、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値に従って、入力されたキャリア信号の出力電力を該キャリア信号の所定の基準出力電力に対応させて調整する。すなわち、第1のゲイン調整部1211は、出力電力補正部1215による補正処理を伴って、処理対象のキャリアのベースバンド信号の電力を調整する。
なお、補正値取得部4114は、電力補正値及び第1のゲイン調整値を別々に第1のゲイン調整部1211へ送信するように構成されてもよい。第1のゲイン調整部1211は、受信された第1のゲイン調整値に従って、入力されたキャリアのベースバンド信号の出力電力を該キャリア信号の所定の基準出力電力に対応させて下げるように構成されてもよい。第1のゲイン調整部1211に含まれる出力電力補正部1215は、第1のゲイン調整値に従って下げられた、キャリアのベースバンド信号の出力電力を、受信された電力補正値に従って補正するように構成されてもよい。
補正値生成部411及び出力電力補正部1215による上述の処理を通じて、ピーク電力の低減処理が施されたキャリア信号の送信出力電力と該キャリア信号の所定の基準出力電力との誤差は、マルチキャリア信号の占有帯域幅に対応して抑制される。この結果、マルチキャリア信号に含まれる各キャリア信号の送信出力電力の精度は、マルチキャリア信号の占有帯域幅の広さに関係なく向上する。
なお、上記は、第3の実施形態に従った無線装置の構成例にすぎず、例えば、第3の実施形態に従った無線装置は、以下の処理を実行するように構成されてもよい。すなわち、制御処理部410は、補正値生成部411により生成された電力補正値を、送信されるマルチキャリア信号の占有帯域幅と対応付けて記憶する。制御処理部410は、上位装置から新たに通知されたキャリア周波数の情報を用いて、新たに送信されるマルチキャリア信号の占有帯域幅を計算する。制御処理部410は、計算された占有帯域幅に対応する電力補正値を既に記憶しているか否かを判定する。計算された占有帯域幅に対応する電力補正値が記憶されていると判定された場合、制御処理部410は、計算された占有帯域幅に対応する電力補正値を第1のゲイン調整部1211へ通知する。計算された占有帯域幅に対応する電力補正値が記憶されていないと判定された場合、制御処理部410は、計算された占有帯域幅に対応する電力補正値を補正値生成部411による処理を通じて生成し、生成された電力補正値を第1のゲイン調整部1211へ通知する。こうした構成によれば、無線装置400は、キャリア周波数の情報が上位装置から新たに通知される度に電力補正値を生成しなくてもよい。この結果、上述の構成によれば、ピーク電力の低減処理が施されたキャリア信号の送信出力電力と該キャリア信号の所定の基準出力電力との誤差をマルチキャリア信号の占有帯域幅に応じて抑制するための処理をより高速化及び簡素化できる。
また、上述の説明では、補正値取得部4114は、送信開始時点における電力補正値を電力補正値テーブル4115から取得する。しかしながら、無線装置400は電力補正値テーブル4115を備えず、補正値取得部4114は、送信開始時点における電力補正値としてデフォルト値を保持するように構成されてもよい。こうした構成によっても、マルチキャリア信号の送信中において、ピーク電力の低減処理が施されたキャリア信号の送信出力電力と該キャリア信号の所定の基準出力電力との誤差は、マルチキャリア信号の占有帯域幅に応じて抑制される。
無線装置400が行うマルチキャリア信号の送信方法の一例を説明する。図13は、第3の実施形態に従った無線装置が行うマルチキャリア信号の送信処理フローの例図である。図13に示す一例では、制御処理部410により設定される制御値は、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値、ピーク電力閾値、及びキャリア周波数である。なお、図13において、ステップS3003、ステップS3004、及びステップS3005の各処理は時間的に並行して行われてよい。
マルチキャリア信号を送信するための一連の処理が開始されると(ステップS3001)、制御処理部410は、上位装置から制御情報を受信する(ステップS3002)。具体的には、補正値取得部4114は、処理対象のキャリア信号の第1のゲイン調整値と各キャリア信号のキャリア周波数の情報とを上位装置から受信する。閾値通知部112は、送信対象のマルチキャリア信号の無線アクセス技術の情報を上位装置から受信する。周波数通知部113は、処理対象のキャリア信号のキャリア周波数の情報を上位装置から受信する。
ステップS3003において、閾値通知部112は、受信された無線アクセス技術に従った所定のピーク電力閾値をピーク低減値演算部130へ送信する。ピーク低減値演算部130はピーク電力閾値を閾値通知部112から受信する。ピーク低減値演算部130は、受信されたピーク電力閾値を、各送信信号処理部321が生成したキャリア信号が多重されたマルチキャリア信号の電力閾値として設定する。
ステップS3004において、周波数通知部113は、受信されたキャリア周波数の値を、当該キャリア信号を処理対象とする信号処理部120内の変調部1214、1222へ送信する。変調部1214、1222は、処理対象のキャリア信号のキャリア周波数を周波数通知部113から受信する。変調部1214、1222は、入力されたベースバンド信号を変調するためのキャリア周波数として、受信されたキャリア周波数を設定する。
ステップS3005において、補正値取得部4114は、受信されたキャリア周波数の情報を参照して、最も高いキャリア周波数から最も低いキャリア周波数を減算することで、マルチキャリア信号の占有帯域幅を算出する。補正値取得部4114は、算出された占有帯域幅に対応する電力補正値を電力補正値テーブル4115から取得し、取得された電力補正値を保持する。補正値取得部4114は、保持された電力補正値を受信された第1のゲイン調整値に乗算する。補正値取得部4114は、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値を、当該キャリア信号を処理対象とする第1のゲイン調整部1211へ送信する。
第1のゲイン調整部1211は、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値を補正値取得部4114から受信する。第1のゲイン調整部1211は、出力電力補正部1215を含む当該第1のゲイン調整部1211により調整されるゲイン調整値として、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値を設定する。
ステップS3006において、無線装置400は、設定された制御値に従ってマルチキャリア信号の送信を開始する。具体的には、第1のゲイン調整部1211は、上位装置から送信されたキャリアのベースバンド信号を受信する。そして、各送信信号処理部121は、設定された制御値に従ってキャリア信号を生成する。各送信信号処理部121により生成されたキャリア信号は、合成部140により合成され、マルチキャリア信号が生成される。合成部140により生成されたマルチキャリア信号は、歪補償部150、デジタル/アナログ変換器160、無線周波数変換部170、及び電力増幅器180による処理を経て、アンテナ190を介して送信される。
マルチキャリア信号の送信が開始されると、ステップS3007〜ステップS3014での処理が所定回数(Mは、1以上の任意の整数)だけ繰り返される。
ステップS3008において、第1の電力計算部4111は、当該第1の電力計算部4111と同じキャリア信号を処理対象とするピーク電力低減部1212に入力されるキャリアのベースバンド信号の電力を所定時間に渡って積分する。ステップS3009において、第2の電力計算部4112は、当該第2の電力計算部4112と同じキャリア信号を処理対象とするピーク電力低減部1212から出力されたキャリアのベースバンド信号の電力を所定時間に渡って積分する。
ステップS3010において、差分検出部4113は、第1の電力計算部4111により計算された第1の電力と第2の電力計算部4112により計算された第2の電力との差分を検出する。補正値取得部4114は、差分検出部4113により検出された電力の差分値を取得する。ステップS3011において、補正値取得部4114は、取得された電力の差分値と既に保持された電力補正値との重み付き平均を計算し、計算された値を新たな電力補正値として保持する。ステップS3012において、補正値取得部4114は、保持された電力補正値を、上位装置から受信した第1のゲイン調整値と乗算する。補正値取得部4114は、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値を、当該キャリア信号を処理対象とする第1のゲイン調整部1211へ送信する。
ステップS3013において、第1のゲイン調整部1211は、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値を補正値取得部4114から受信する。第1のゲイン調整部1211は、出力電力補正部1215を含む当該第1のゲイン調整部1211により調整されるゲイン調整値として、電力補正値が乗算された第1のゲイン調整値を設定する。
マルチキャリア信号の送信が終了すると、一連の処理は終了する(ステップS3015)。
このように、第3の実施形態に従った無線装置400によれば、ピーク電力の低減処理が施されたキャリア信号の送信出力電力と該キャリア信号の所定の基準出力電力との誤差は、マルチキャリア信号の占有帯域幅に対応してより精度よく抑制される。この結果、マルチキャリア信号に含まれる各キャリア信号の送信出力電力の精度は、マルチキャリア信号の占有帯域幅の広さに関係なくより向上する。
<第4の実施形態>
第2の実施形態では、無線装置は、ピーク電力の低減処理が施されたキャリア信号の送信出力電力と該キャリア信号の所定の基準出力電力との誤差を、キャリア信号に対してピーク電力の低減処理が施された後に抑制する。また、第2の実施形態では、無線装置は、こうした誤差を補正するためにマルチキャリア信号の占有帯域幅毎の電力補正値を予め保持する。しかしながら、無線装置は、送信対象のマルチキャリア信号に多重されるキャリア信号に対する電力補正値を、該キャリア信号を生成する間に生成するように構成されてもよい。
図14は、第4の実施形態に従った無線装置の例示的な機能構成図である。図14において、第4の実施形態に従った無線装置500の構成要素の内、無線装置300(図9参照)と同じ構成要素には、無線装置300の該構成要素の参照符号と同じ参照符号が付されている。無線装置500は、例えば、図8に示したハードウェアにより構成される。
図14に示すように、無線装置500は、制御処理部310(図9参照)に代わって制御処理部510を含む。制御処理部510は、N個の補正値生成部312−1〜312−2(図9参照)に代わってN個の補正値生成部511−1〜511−Nを含む。
補正値生成部511は、処理対象のキャリア信号の第2のゲイン調整値を予め保持する。また、補正値生成部511は、処理対象のキャリア信号に対する電力補正値の初期値をマルチキャリア信号の占有帯域幅毎に記憶する。例えば、補正値生成部511は、図3に示すような電力補正値テーブルを記憶する。
補正値生成部511は、マルチキャリア信号に多重される各キャリア信号のキャリア周波数の情報を上位装置から受信する。補正値生成部511は、受信された各キャリア周波数の情報を用いて、マルチキャリア信号の占有帯域幅を計算する。補正値生成部511は、計算された占有帯域幅に対応する電力補正値の初期値を、記憶された電力補正値の初期値の中から選択する。補正値生成部511は、選択された電力補正値の初期値を、当該キャリア信号を処理対象とする信号処理部320内の出力電力補正部3213、3222に用いられる電力補正値として保持する。補正値生成部511は、保持された電力補正値を、予め保持された第2のゲイン調整値に乗算する。補正値生成部511は、電力補正値が乗算された第2のゲイン調整値を、当該キャリア信号を処理対象とする信号処理部320内の第2のゲイン調整部3212、3221へ送信する。
また、マルチキャリア信号の送信が開始された後、補正値生成部511は、第1の電力と第2の電力との差分値を用いて電力補正値を生成する。前述したように、第1の電力と第2の電力との差分値を用いて計算される電力補正値は、マルチキャリア信号の占有帯域幅に従って生成される値と言える。例えば、補正値生成部411は、第1の電力と第2の電力との差分値と、既に保持された電力補正値との重み付き平均を計算する。補正値生成部411は、新たに生成された電力補正値を保持する。
補正値生成部511は、保持された電力補正値を予め保持された第2のゲイン調整値に乗算する。補正値生成部511は、電力補正値が乗算された第2のゲイン調整値を、当該キャリア信号を処理対象とする信号処理部320内の第2のゲイン調整部3212、3221へ送信する。
なお、マルチキャリア信号の送信開始後における電力補正値の生成処理は、所定の時間間隔で所定の回数繰り返し行われてよい。電力補正値の生成処理が繰り返し行われることで、ピーク電力の低減処理が施されたキャリア信号の送信出力電力と該キャリア信号の所定の基準出力電力との誤差を抑制する精度を向上させることができる。
このように、補正値生成部511は、電力補正値を生成し、生成された電力補正値が乗算された第2のゲイン調整値を第2のゲイン調整部3212、3221へ送信する点で、補正値生成部312と同様の機能を有する。しかしながら、補正値生成部511は、マルチキャリア信号の送信開始後に、ピーク電力の低減処理が施される前のキャリア信号の電力とピーク電力の低減処理が施された後のキャリア信号の電力とを用いて電力補正値を生成する点で補正値生成部312とは異なる。
N個の補正値生成部511−1〜511−Nは、第1の電力計算部5111、第2の電力計算部5112、差分検出部5113、補正値取得部5114、及び電力補正値テーブル5115を夫々含む。
補正値取得部5114は、処理対象のキャリア信号の第2のゲイン調整値を予め保持する。補正値取得部5114は、マルチキャリア信号に多重される各キャリア信号のキャリア周波数の情報を上位装置から受信する。補正値取得部5114は、受信されたキャリア周波数の情報を参照して、最も高いキャリア周波数から最も低いキャリア周波数を減算することで、マルチキャリア信号の占有帯域幅を算出する。補正値取得部5114は、算出された占有帯域幅に対応する電力補正値を電力補正値テーブル5115から取得する。電力補正値テーブル5115は、例えば図3に示すようなテーブルである。補正値取得部5114は、取得された電力補正値を保持する。補正値取得部5114は、保持された電力補正値を予め保持された第2のゲイン調整値に乗算する。補正値取得部5114は、電力補正値が乗算された第2のゲイン調整値を、当該キャリア信号を処理対象とする信号処理部320内の第2のゲイン調整部3212、3221へ送信する。
マルチキャリア信号の送信開始後、第1の電力計算部5111は、処理対象のキャリア信号の第1の電力を、該キャリア信号を処理対象とするピーク電力低減部1212に入力されるキャリアのベースバンド信号から計算する。第2の電力計算部5112は、処理対象のキャリア信号の第2の電力を、該キャリア信号を処理対象とするピーク電力低減部1212から出力されたキャリアのベースバンド信号から計算する。差分検出部5113は、第1の電力計算部5111により計算された第1の電力と第2の電力計算部5112により計算された第2の電力との差分を検出する。補正値取得部5114は、差分検出部5113により検出された電力の差分値を取得する。補正値取得部5114は、取得された電力の差分値と既に保持された電力補正値との重み付き平均を計算する。補正値取得部5114は、計算された値を新たな電力補正値として保持する。補正値取得部5114は、保持された電力補正値を予め保持する第2のゲイン調整値と乗算する。補正値取得部5114は、電力補正値が乗算された第2のゲイン調整値を、当該キャリア信号を処理対象とする信号処理部320内の第2のゲイン調整部3212、3221へ送信する。
このように、補正値生成部511は、出力電力補正部3213へ通知される電力補正値を予め保持せずに生成する。また、補正値生成部511は、信号処理部320により実際に処理されるキャリアのベースバンド信号を用いて電力補正値を生成するため、電力補正値は、精度よく生成される。
第2のゲイン調整部3212は、第2のゲイン調整値が乗算された電力補正値を補正値取得部5114から受信する。第2のゲイン調整部3212は、第2のゲイン調整値が乗算された電力補正値に従って、入力されたキャリア信号の出力電力を、デジタル/アナログ変換器160が最適動作点で動作するように調整する。すなわち、第2のゲイン調整部3212は、出力電力補正部3213による補正処理を伴って、処理対象のキャリアのベースバンド信号の電力を調整する。なお、第2のゲイン調整部3221は、第2のゲイン調整部3212と同様に動作する。
なお、補正値取得部5114は、電力補正値及び第2のゲイン調整値を別々に、当該キャリア信号を処理対象とする第2のゲイン調整部3212へ送信するように構成されてもよい。第2のゲイン調整部3212は、入力されたキャリアのベースバンド信号の出力電力を、受信された第2のゲイン調整値に従って上げるように構成されてもよい。第2のゲイン調整部3212に含まれる出力電力補正部3213は、第2のゲイン調整値に従って上げられた、キャリアのベースバンド信号の出力電力を、受信された電力補正値に従って補正するように構成されてもよい。第2のゲイン調整部3221及び出力電力補正部3222は、第2のゲイン調整部3212及び出力電力補正部3213と同様に動作するように構成されてもよい。
補正値生成部511及び出力電力補正部3213による上述の処理を通じて、ピーク電力の低減処理が施されたキャリア信号の送信出力電力と該キャリア信号の所定の基準出力電力との誤差は、マルチキャリア信号の占有帯域幅に対応して抑制される。この結果、マルチキャリア信号に含まれる各キャリア信号の送信出力電力の精度は、マルチキャリア信号の占有帯域幅の広さに関係なく向上する。
なお、上記は、第4の実施形態に従った無線装置の構成例にすぎず、例えば、第4の実施形態に従った無線装置は、以下の処理を実行するように構成されてもよい。すなわち、制御処理部510は、補正値生成部511により生成された電力補正値を、送信されるマルチキャリア信号の占有帯域幅と対応付けて記憶する。制御処理部510は、上位装置から新たに通知されたキャリア周波数の情報を用いて、新たに送信されるマルチキャリア信号の占有帯域幅を計算する。制御処理部510は、計算された占有帯域幅に対応する電力補正値を既に記憶しているか否かを判定する。計算された占有帯域幅に対応する電力補正値が既に記憶されていると判定された場合、制御処理部510は、計算された占有帯域幅に対応する電力補正値を第2のゲイン調整部3212、3221へ通知する。計算された占有帯域幅に対応する電力補正値が記憶されていないと判定された場合、制御処理部510は、計算された占有帯域幅に対応する電力補正値を補正値生成部511による処理を通じて生成し、生成された電力補正値を第2のゲイン調整部3212、3221へ通知する。こうした構成によれば、無線装置500は、キャリア周波数の情報が上位装置から新たに通知される度に電力補正値を生成しなくてもよい。この結果、上述の構成によれば、ピーク電力の低減処理が施されたキャリア信号の送信出力電力と該キャリア信号の所定の基準出力電力との誤差をマルチキャリア信号の占有帯域幅に応じて抑制するための処理をより高速化及び簡素化できる。
また、上述の説明では、補正値取得部5114は、送信開始時点における電力補正値を電力補正値テーブル5115から取得する。しかしながら、無線装置500は電力補正値テーブル5115を備えず、補正値取得部5114は、送信開始時点における電力補正値としてデフォルト値を保持するように構成されてもよい。こうした構成によっても、マルチキャリア信号の送信中において、ピーク電力の低減処理が施されたキャリア信号の送信出力電力と該キャリア信号の所定の基準出力電力との誤差は、マルチキャリア信号の占有帯域幅に応じて抑制される。
無線装置500が行うマルチキャリア信号の送信方法の一例を説明する。図15は、第4の実施形態に従った無線装置が行うマルチキャリア信号の送信処理フローの例図である。図15に示す一例では、制御処理部510により設定される制御値は、第1のゲイン調整値、ピーク電力閾値、キャリア周波数、及び電力補正値が乗算された第2のゲイン調整値である。なお、図15において、ステップS4003、ステップS4004、及びステップS4005の各処理は時間的に並行して行われてよい。
マルチキャリア信号を送信するための一連の処理が開始されると(ステップS4001)、制御処理部510は、上位装置から制御情報を受信する(ステップS4002)。具体的には、調整値通知部311は、処理対象のキャリア信号の第1のゲイン調整値を上位装置から受信する。閾値通知部112は、送信対象のマルチキャリア信号の無線アクセス技術の情報を上位装置から受信する。補正値取得部5114は、マルチキャリア信号に多重される各キャリア信号のキャリア周波数の情報を上位装置から受信する。周波数通知部113は、処理対象のキャリア信号のキャリア周波数の情報を上位装置から受信する。
ステップS4003において、調整値通知部311は、受信された第1のゲイン設定値を、当該キャリア信号を処理対象とする第1のゲイン調整部3211へ送信する。第1のゲイン調整部3211は、処理対象のキャリア信号の第1のゲイン設定値を調整値通知部311から受信する。第1のゲイン調整部3211は、入力されたキャリアのベースバンド信号の出力電力を該キャリア信号の所定の基準出力電力に調整する値として、受信された第1のゲイン調整値を設定する。
ステップS4004において、閾値通知部112は、受信された無線アクセス技術に従った所定のピーク電力閾値をピーク低減値演算部130へ送信する。ピーク低減値演算部130はピーク電力閾値を閾値通知部112から受信する。ピーク低減値演算部130は、受信されたピーク電力閾値を、各送信信号処理部121が生成したキャリア信号が多重されたマルチキャリア信号の電力閾値として設定する。
ステップS4005において、周波数通知部113は、受信されたキャリア周波数の値を、当該キャリア信号を処理対象とする信号処理部320内の変調部1214、1222へ送信する。変調部1214、1222は、処理対象のキャリア信号のキャリア周波数を周波数通知部113から受信する。変調部1214、1222は、入力されたベースバンド信号を変調するためのキャリア周波数として、受信されたキャリア周波数を設定する。
ステップS4006において、補正値取得部5114は、受信されたキャリア周波数の情報を参照して、最も高いキャリア周波数から最も低いキャリア周波数を減算することで、マルチキャリア信号の占有帯域幅を算出する。補正値取得部5114は、算出された占有帯域幅に対応する電力補正値を電力補正値テーブル5115から取得し、取得された電力補正値を保持する。補正値取得部5114は、保持された電力補正値を受信された第2のゲイン調整値に乗算する。補正値取得部5114は、電力補正値が乗算された第2のゲイン調整値を、当該キャリア信号を処理対象とする第2のゲイン調整部3212、3221へ送信する。
第2のゲイン調整部3212は、電力補正値が乗算された第2のゲイン調整値を補正値取得部5114から受信する。第2のゲイン調整部3212は、出力電力補正部3213を含む当該第2のゲイン調整部3212により調整されるゲイン調整値として、電力補正値が乗算された第2のゲイン調整値を設定する。第2のゲイン調整部3221は、第2のゲイン調整部3212と同様の動作によって、電力補正値が乗算された第2のゲイン調整値を設定する。
ステップS4007において、無線装置500は、設定された制御値に従ってマルチキャリア信号の送信を開始する。具体的には、第1のゲイン調整部3211は、上位装置から送信されたキャリアのベースバンド信号を受信する。そして、各送信信号処理部321は、設定された制御値に従ってキャリア信号を生成する。各送信信号処理部321により生成されたキャリア信号は、合成部140により合成され、マルチキャリア信号が生成される。合成部140により生成されたマルチキャリア信号は、歪補償部150、デジタル/アナログ変換器160、無線周波数変換部170、及び電力増幅器180による処理を経て、アンテナ190を介して送信される。
マルチキャリア信号の送信が開始されると、ステップS4008〜ステップS4015での処理が所定回数M(Mは、1以上の任意の整数)だけ繰り返される。
ステップS4009において、第1の電力計算部5111は、当該第1の電力計算部5111と同じキャリア信号を処理対象とするピーク電力低減部1212に入力されるキャリアのベースバンド信号の電力を所定時間に渡って積分する。ステップS4010において、第2の電力計算部5112は、当該第2の電力計算部5112と同じキャリア信号を処理対象とするピーク電力低減部1212から出力されたキャリアのベースバンド信号の電力を所定時間に渡って積分する。
ステップS4011において、差分検出部5113は、第1の電力計算部5111により計算された第1の電力と第2の電力計算部5112により計算された第2の電力との差分を検出する。補正値取得部5114は、差分検出部5113により検出された電力の差分値を取得する。ステップS4012において、補正値取得部5114は、取得された電力の差分値と保持された電力補正値との重み付き平均を計算し、計算された値を新たな電力補正値として保持する。ステップS4013において、補正値取得部5114は、保持された電力補正値を予め保持する第2のゲイン調整値と乗算する。補正値取得部5114は、電力補正値が乗算された第2のゲイン調整値を、当該キャリア信号を処理対象とする第2のゲイン調整部3212、3221へ送信する。
ステップS4014において、第2のゲイン調整部3212は、電力補正値が乗算された第2のゲイン調整値を補正値取得部5114から受信する。第2のゲイン調整部3212は、出力電力補正部3213を含む当該第2のゲイン調整部3212により調整されるゲイン調整値として、電力補正値が乗算された第2のゲイン調整値を設定する。第2のゲイン調整部3221は、第2のゲイン調整部3212と同様の動作によって、電力補正値が乗算された第2のゲイン調整値を設定する。
マルチキャリア信号の送信が終了すると、一連の処理は終了する(ステップS4016)。
このように、第4の実施形態に従った無線装置500によれば、ピーク電力の低減処理が施されたキャリア信号の送信出力電力と該キャリア信号の所定の基準出力電力との誤差は、マルチキャリア信号の占有帯域幅に対応してより精度よく抑制される。この結果、マルチキャリア信号に含まれる各キャリア信号の送信出力電力の精度は、マルチキャリア信号の占有帯域幅の広さに関係なくより向上する。
第1の実施形態から第4の実施形態を含む発明を実施するための形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
複数のキャリア信号を多重させたマルチキャリア信号に生じるピーク電力に応じて前記多重前の前記キャリア信号の利得を低減するピーク電力低減部と、
前記マルチキャリア信号の占有帯域幅に応じた電力補正値を用いて前記多重前のキャリア信号の電力を補正する出力電力補正部と
を含む無線装置。
(付記2)
前記電力補正値が前記マルチキャリア信号の占有帯域幅毎に記録された電力補正値テーブルと、
前記キャリア信号に対応するキャリア周波数の情報を用いて前記マルチキャリア信号の占有帯域幅を算出し、算出された前記占有帯域幅に対応する電力補正値を前記電力補正値テーブルから取得して前記出力電力補正部へ通知する補正値取得部と
を含む請求項1に記載の無線装置。
(付記3)
前記補正値取得部は、前記マルチキャリア信号の送信出力電力が前記マルチキャリア信号の所定の基準出力電力になるように前記キャリア信号のゲインを調整するための第1のゲイン調整値を前記無線装置の上位装置から受信し、受信された前記第1のゲイン調整値に、取得された前記電力補正値を乗算し、前記電力補正値が乗算された前記第1のゲイン調整値を前記出力電力補正部へ送信し、
前記出力電力補正部は、前記電力補正値が乗算された前記第1のゲイン調整値を前記補正値取得部から受信し、前記ピーク電力低減部によりピーク電力が低減される前の前記キャリア信号の電力を、受信された前記電力補正値を用いて補正する
付記2に記載の無線装置。
(付記4)
前記補正値取得部は、無線周波数に変換される前の前記マルチキャリア信号がデジタル/アナログ変換器の最適動作点でデジタルからアナログへ変換されるように前記キャリア信号のゲインを調整するための第2のゲイン調整値を保持し、保持された前記第2のゲイン調整値に、取得された前記電力補正値を乗算し、前記電力補正値が乗算された前記第2のゲイン調整値を前記出力電力補正部へ送信し、
前記出力電力補正部は、前記電力補正値が乗算された前記第2のゲイン調整値を前記補正値取得部から受信し、前記ピーク電力低減部によりピーク電力が低減された後の前記キャリア信号の電力を、受信された前記電力補正値を用いて補正する
付記2に記載の無線装置。
(付記5)
無線周波数に変換される前の前記マルチキャリア信号がデジタル/アナログ変換器の最適動作点でデジタルからアナログへ変換されるように前記キャリア信号のゲインを調整するための第2のゲイン調整値が乗算された前記電力補正値が前記マルチキャリア信号の占有帯域幅毎に記録された電力補正値テーブルと、
前記マルチキャリア信号の占有帯域幅を前記マルチキャリア信号に含まれる各キャリア周波数の情報を用いて算出し、算出された前記占有帯域幅に対応する電力補正値を前記電力補正値テーブルから取得し、取得された前記電力補正値を前記出力電力補正部へ通知する補正値取得部と
を含み、
前記出力電力補正部は、前記第2のゲイン調整値が乗算された前記電力補正値を前記補正値取得部から受信し、前記ピーク電力低減部によりピーク電力が低減された後の前記キャリア信号の電力を、受信された前記電力補正値を用いて補正する
付記1に記載の無線装置。
(付記6)
前記ピーク電力低減部によりピーク電力が低減される前の前記キャリア信号の第1の電力を計算する第1の電力計算部と、
前記ピーク電力低減部によりピーク電力が低減された後の前記キャリア信号の第2の電力を計算する第2の電力計算部と、
前記第1の電力計算部により計算された第1の電力と前記第2の電力計算部により計算された第2の電力との差分を検出する差分検出部と、
前記差分検出部により検出された前記差分から、前記マルチキャリア信号の占有帯域幅に応じた電力補正値を取得する補正値取得部と
を含む請求項1に記載の無線装置。
(付記7)
前記補正値取得部は、前記マルチキャリア信号の送信出力電力が前記マルチキャリア信号の所定の基準出力電力になるように前記キャリア信号のゲインを調整するための第1のゲイン調整値を前記無線装置の上位装置から受信し、受信された前記第1のゲイン調整値に、取得された前記電力補正値を乗算し、前記電力補正値が乗算された前記第1のゲイン調整値を前記出力電力補正部へ送信し、
前記出力電力補正部は、前記電力補正値が乗算された前記第1のゲイン調整値を前記補正値取得部から受信し、前記ピーク電力低減部によりピーク電力が低減される前の前記キャリア信号の電力を、受信された前記電力補正値を用いて補正する
付記6に記載の無線装置。
(付記8)
前記補正値取得部は、無線周波数に変換される前の前記マルチキャリア信号がデジタル/アナログ変換器の最適動作点でデジタルからアナログへ変換されるように前記キャリア信号のゲインを調整するための第2のゲイン調整値を保持し、保持された前記第2のゲイン調整値に、取得された前記電力補正値を乗算し、前記電力補正値が乗算された前記第2のゲイン調整値を前記出力電力補正部へ送信し、
前記出力電力補正部は、前記電力補正値が乗算された前記第2のゲイン調整値を前記補正値取得部から受信し、前記ピーク電力低減部によりピーク電力が低減された後の前記キャリア信号の電力を、受信された前記電力補正値を用いて補正する
付記6に記載の無線装置。
100、200、300、400、500 無線装置
110、310、410、510 制御処理部
111、312、411、511 補正値生成部
1111、3121、4115、5115 電力補正値テーブル
1112、3122、4114、5114 補正値取得部
4111、5111 第1の電力計算部
4112、5112 第2の電力計算部
4113、5113 差分検出部
112 閾値通知部
113 周波数通知部
311 調整値通知部
120、320 信号処理部
121 送信信号処理部
1211、3211 第1のゲイン調整部
1212 ピーク電力低減部
1213、3212 第2のゲイン調整部
1214 変調部
1215、3213 出力電力補正部
122、322 レプリカ信号処理部
1221、3221 第2のゲイン調整部
1222 変調部
3222 出力電力補正部
130 ピーク電力値演算部
131 合成部
132 電力演算部
133 比較部
134 係数算出部
140 合成部
150 歪補償部
160、240 デジタル/アナログ変換器(Digital to Analog Converter (DAC))
170 無線周波数変換部
180、260 電力増幅器
190、280 アンテナ
210 プロセッサ
220 メモリ
230 Field Programmable Gate Array (FPGA)
2301 通信インタフェース
2302 Digital Pre-distortion (DPD)
250 アップコンバータ
270 フィルタ

Claims (3)

  1. 複数のキャリア信号を多重させたマルチキャリア信号に生じるピーク電力に応じて前記多重前の前記キャリア信号の利得を低減するピーク電力低減部と、
    前記マルチキャリア信号の占有帯域幅に応じた電力補正値を用いて前記多重前のキャリア信号の電力を補正する出力電力補正部と
    を含む無線装置。
  2. 前記電力補正値が前記マルチキャリア信号の占有帯域幅毎に記録された電力補正値テーブルと、
    前記キャリア信号に対応するキャリア周波数の情報を用いて前記マルチキャリア信号の占有帯域幅を算出し、算出された前記占有帯域幅に対応する電力補正値を前記電力補正値テーブルから取得して前記出力電力補正部へ通知する補正値取得部と
    を含む請求項1に記載の無線装置。
  3. 前記ピーク電力低減部によりピーク電力が低減される前の前記キャリア信号の第1の電力を計算する第1の電力計算部と、
    前記ピーク電力低減部によりピーク電力が低減された後の前記キャリア信号の第2の電力を計算する第2の電力計算部と、
    前記第1の電力計算部により計算された第1の電力と前記第2の電力計算部により計算された第2の電力との差分を検出する差分検出部と、
    前記差分検出部により検出された前記差分から、前記マルチキャリア信号の占有帯域幅に応じた電力補正値を取得する補正値取得部と
    を含む請求項1に記載の無線装置。
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