JP2005072695A - アンテナ装置 - Google Patents

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Koichi Takita
耕一 滝田
Satoru Hoshino
悟 星野
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Abstract

【課題】雪などの付着によるアンテナ装置の感度の悪化を容易に低減する。
【解決手段】導波素子3の棒状部30は、コイル300、芯線302、被覆部材304および先端キャップ306から構成される。コイル300は、鋼またはステンレスからなる線状の導体を螺旋状に密着させて巻くことにより、中空の棒状に形成されており、屋外における風によって撓むようにされている。芯線302は、可撓性を有する銅線からなり、コイル300の内部に配置されている。芯線302の両端は、それぞれコイル300の両端に半田またはリベットによって固定されている。被覆部材304および先端キャップ306は、フッ素樹脂からなり、コイル300が露出しないようにコイル300の表面を覆う。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電波を送受信するアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電波を送受信するアンテナ装置は、積雪の多い地域の屋外に設置されると、降雪によりアンテナ装置に雪が付着し、感度が悪化することがある。
また、アンテナ装置全体に雪が付着すると、通信が不能になることがある。
【0003】
例えば、特許文献1は、アンテナ装置にバイブレータを取り付け、該アンテナ装置の被着雪部に振動を与えて、着雪した雪を振り落とすことを開示する。
しかしながら、バイブレータを動作させるための電源を設ける必要がある。
また、特許文献2は、アンテナ装置の素子の基材表面に光触媒粒子、撥水性シリコン及び撥水性シリコンの親水化を防止する物質を含有させ、雪の付着を防止することを開示する。
しかしながら、基材表面の経時変化などにより、雪の付着を防止できないことがある。
【0004】
【特許文献1】特開平2−100403号公報
【特許文献2】特開平10−163719号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、雪などの付着による感度の悪化を容易に低減することができるアンテナ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明にかかるアンテナ装置は、1つ以上のアンテナ素子を有するアンテナ装置であって、前記アンテナ素子は、風力により振動し、付着した氷雪を振り落すように可撓性が付された可撓性部材と、前記可撓性部材に沿って設けられた導電性部材とを有する。
【0007】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態を説明する。
【0008】
[第1のアンテナ装置1]
図1は、本発明にかかる第1のアンテナ装置1の構成を例示する図である。
図1に示すように、第1のアンテナ装置1は、例えば水平偏波の5素子八木式アンテナであって、放射素子2、導波素子3−1〜3−3、反射素子4、固定部5および給電部6から構成される。
第1のアンテナ装置1は、例えば積雪の多い地域の公共機関が画像および音声などのデータを送受信する場合に使用され、降雪によりアンテナ装置に雪が付着することによってアンテナ装置の感度が悪化したり、通信が不能になることを防止する。
【0009】
放射素子2は、第1のアンテナ装置1が送受信する電波のほぼ4分の1波長(λ/4)の長さの導体を2つつなぎ、長さが2分の1波長(λ/2)になるようにされており、中央部に給電部6が接続されている。
導波素子3−1〜3−3は、第1のアンテナ装置1が送受信する電波の2分の1波長よりも短く形成されており、放射素子2の前方(電波到来方向)にそれぞれほぼ4分の1波長の間隔で設けられている。
反射素子4は、第1のアンテナ装置1が送受信する電波の2分の1波長よりも長く形成されており、放射素子2の後方にほぼ4分の1波長の間隔で設けられている。
【0010】
固定部5は、アーム50、金具などの取り付け部材52および支柱54などから構成される。
アーム50は、取り付け部材52によって支柱54に固定され、放射素子2、導波素子3−1〜3−3および反射素子4が大地と平行になるように放射素子2、導波素子3−1〜3−3および反射素子4を支える。
なお、図1は、水平偏波の場合を示したもので、垂直偏波の場合には、各素子は、大地に対して垂直となる。
【0011】
給電部6は、例えば給電ケーブル60および接栓62などから構成される。
給電ケーブル60は、一端が放射素子2に接続されており、他端が接栓62を介して給電する通信装置(図示せず)に接続されている。
【0012】
以下、導波素子3−1〜3−3など複数ある構成部分のいずれかを特定せずに示す場合には、単に「導波素子3」などと略記することがある。
【0013】
[導波素子3および反射素子4]
図2は、導波素子3の構成を示す図であって、(A)は導波素子3の上面を示し、(B)は導波素子3の正面および正面側断面を示し、(C)は導波素子3の側面を示す図である。
次に、導波素子3および反射素子4を説明する。
図2に示すように、導波素子3は、棒状部30−1,30−2、基部32および支持部34から構成される。
なお、導波素子3と反射素子4とは、長さのみが異なり、同一の構成部分によって構成されている。
【0014】
図3は、棒状部30(図2)の構成およびその周辺を示す図である。
図3に示すように、棒状部30は、コイル300、芯線302、被覆部材304および先端キャップ306から構成される。
コイル300は、例えば鋼またはステンレスなどからなる線状の導体を螺旋状に密着させて巻くことにより、中空の棒状に形成されたものである。
コイル300は、自重で撓むことがないように、コイル300の外形寸法、線状の導体の径(太さ)および材質が選択される。
例えば、コイル300は、断面直径1.6mmの鋼線が螺旋状に密着して外形13mmに巻かれた構成を採る。
この構成により、コイル300は、可撓性を持ち、屋外における風(風力)によって撓んで振動し、付着した雪、氷を振り落す。
【0015】
芯線302は、例えば可撓性を有する銅線などからなり、例えばコイル300の内部に配置される。
芯線302の両端は、それぞれコイル300の両端に例えば半田またはリベットなどによって固定されている。
【0016】
被覆部材304は、例えば低摩擦係数で滑雪性のよいフッ素樹脂などによって形成されている。
この被覆部材304は、コイル300が露出しないようにコイル300の表面を覆う。
先端キャップ306は、被覆部材304と同様に、例えば低摩擦係数で滑雪性のよいフッ素樹脂などによって形成されている。
この先端キャップ306は、コイル300の一端を封止する。
また、コイル300の他端は、基部32の後述する溝部320に挿入される。
被覆部材304および先端キャップ306は、互いに密着することにより、コイル300内に水分が入ることを防止する。
つまり、導波素子3は、内部で水分の凍結をさせないことにより、コイル300が撓まなくなることを防止している。
【0017】
基部32(図2)は、棒状に形成された導体からなり、両端部に溝部320(図3参照)が設けられている。
溝部320には、棒状部30−1,30−2(図2)がそれぞれ挿入されるようになっている。
また、基部32と棒状部30−1,30−2とは、基部32の両端に位置する接続部322(図3参照)において、それぞれ半田付けまたはロー付けなどにより接続される。
【0018】
支持部34(図2)は、支持台340、アーム固定部材342、当て板344、アーム固定具346−1,346−2および基部固定具348−1,348−2から構成される。
支持台340は、アーム50の上方から、アーム50の下面に当接するアーム固定部材342とともにアーム50を挟み、支持台340とアーム固定部材342とが例えばネジなどのアーム固定具346−1,346−2によって固定されることにより、支持部34とアーム50とを固定する。
また、支持台340は、基部32の下方から、基部32の上面に当接する当て板344とともに基部32をアーム50に対して直交するように挟み、支持台340と当て板344とが例えばネジなどの基部固定具348−1,348−2によって固定されることにより、支持部34と基部32とを固定する。
【0019】
このように、導波素子3は、棒状部30−1,30−2(図2)がそれぞれ接続部322(図3参照)において基部32に接続されることによって、2分の1波長よりも短い一本の棒状の素子となり、支持部34によってアーム50に固定されている。
また、コイル300が撓み、螺旋状の線材に隙間が生じても、芯線302の両端がコイル300の両端に接続されているので、導波素子3は、撓んでも所定の電気的長さが確保されるようにされている。
【0020】
反射素子4は、上述したように導波素子3と同一の構成部分を有し、長さのみ異なるように形成されている。
【0021】
[第1のアンテナ装置1の作用]
以下、第1のアンテナ装置1の作用について説明する。
第1のアンテナ装置1が電波を受信する際には、導波素子3−1〜3−3は、前方(電波到来方向)からの通信の対象となる電波(受信電波)を強めながら放射素子2に対して送り込む。
また、反射素子4は、前方(電波到来方向)からの受信電波を放射素子2に対して反射し、後方(電波到来方向の逆方向)からの不要な電波を遮る。
このようにして、放射素子2は、受信電波に対して共振状態になり、受信電波を取り込んで給電部6を介して通信装置(図示せず)に対し出力する。
【0022】
また、第1のアンテナ装置1が電波を送信する際には、放射素子2は、送信電波を放射する。
導波素子3−1〜3−3は、放射素子2からの送信電波を強めながら前方(電波放射方向)に送り出す。
反射素子4は、放射素子2からの送信電波を前方(電波放射方向)に向けて反射する。
このようにして、第1のアンテナ装置1は、指向性を有し、送信電波を放射する。
【0023】
図4は、第1のアンテナ装置1が屋外で風力Wを受けている状態を示す図である。
図4に示すように、屋外では、第1のアンテナ装置1は風力を受ける。
第1のアンテナ装置1が風力を受けると、導波素子3−1〜3−3および反射素子4は、所定の電気的長さを確保しつつ、それぞれの棒状部30−1,30−2(図2)を受けた風力によって撓ませる。
すなわち、導波素子3−1〜3−3および反射素子4それぞれの棒状部30−1,30−2は、風力によって振動し、雪または氷が付着することを防止する。
また、被覆部材304および先端キャップ306は、フッ素樹脂などからなり、より効率的に、雪または氷が棒状部30−1,30−2に付着することを防止する。
【0024】
以上のように、第1のアンテナ装置1は、風力によって雪または氷などが付着することを防止することができ、感度の悪化を容易に低減することができる。
【0025】
[変形例]
次に、第1のアンテナ装置1の棒状部30の変形例について説明する。
図5は、棒状部30の変形例およびその周辺を示す図である。
図5に示すように、棒状部30の変形例は、コイル300を形成する線状の導体の断面が例えば三角形にされている。
なお、図5においては、図3に示した棒状部30の構成部分と実質的に同じものには、同じ符号が付されている。
つまり、棒状部30の変形例は、図3に示した棒状部30に対し、線状の導体の断面の形状が異なる。
【0026】
断面が三角形の線状の導体によりコイル300を形成すると、同一の材料で断面が円形の線状の導体によりコイル300を形成する場合よりも、コイル300は曲がりにくくなる。
つまり、コイル300は、断面が三角形の線状の導体によって形成されることにより、いわゆる腰を強くされている。
例えば、コイル300は、断面が三角形で幅約0.5mmの鋼線が螺旋状に密着して外形3mmに巻かれた構成を採る。
また、線状の導体の断面は、他の多角形など、その他の形状であってもよい。
なお、放射素子2も、導波素子3および反射素子4と同様の構成とすることができる。
【0027】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態を説明する。
【0028】
[第2のアンテナ装置7]
図6は、本発明にかかる第2のアンテナ装置7の構成を例示する図である。
図6に示すように、第2のアンテナ装置7は、例えば水平偏波の5素子八木式アンテナであって、放射素子2、放射素子カバー20、導波素子3−1〜3−3、反射素子4、固定部5および給電部6から構成される。
なお、図6においては、第2のアンテナ装置7の構成部分の内、第1のアンテナ装置1の構成部分と実質的に同じものには、同じ符号が付されている。
つまり、第2のアンテナ装置7は、第1のアンテナ装置1に対し、放射素子2に放射素子カバー20が設けられている点で異なる。
このように、第2のアンテナ装置7の放射素子2は、風力によって撓む棒状部30を用いない構成を採る。
【0029】
放射素子カバー20は、例えばプラスチックなどの樹脂からなり、放射素子2を覆うことにより、雪が放射素子2に付着することを低減する。
よって、第2のアンテナ装置7は、放射素子2が電波を取込むこと、または、放射することに雪が影響を与えないように、放射素子カバー20によって雪が放射素子2に付着することを低減している。
【0030】
図7は、本発明にかかる第2のアンテナ装置7を、降雪中の屋外に設置した場合の雪の付着状況を示す図である。
図7に示すように、導波素子3−1〜3−3および反射素子4それぞれの棒状部30−1,30−2は、降雪中の風力により振動し、雪Sが付着することを防止する。
また、放射素子カバー20は、雪が放射素子2に付着することを低減する。
このように、第2のアンテナ装置7は、放射素子2、導波素子3−1〜3−3および反射素子4それぞれに雪などが付着することを防止する。
【0031】
以上説明したように、第1のアンテナ装置1および第2のアンテナ装置7は、導波素子3−1〜3−3および反射素子4それぞれの棒状部30−1,30−2に雪が付着することを防止し、雪などの付着による感度の悪化を容易に低減することができる。
また、第1のアンテナ装置1および第2のアンテナ装置7は、素子数の異なる八木式アンテナであってもよい。
また、コイル300および芯線302により可撓性を有する部分は、例えば棒状部30の基部32側の一部など、棒状部30の一部分のみであってもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかるアンテナ装置によれば、雪などの付着による感度の悪化を容易に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1のアンテナ装置の構成を例示する図である。
【図2】導波素子の構成を示す図であって、(A)は導波素子の上面を示し、(B)は導波素子の正面および正面側断面を示し、(C)は導波素子の側面を示す図である。
【図3】棒状部の構成およびその周辺を示す図である。
【図4】第1のアンテナ装置が屋外で風力Wを受けている状態を示す図である。
【図5】棒状部の変形例およびその周辺を示す図である。
【図6】本発明にかかる第2のアンテナ装置の構成を例示する図である。
【図7】本発明にかかる第2のアンテナ装置を、降雪中の屋外に設置した場合の雪の付着状況を示す図である。
【符号の説明】
1・・・第1のアンテナ装置
2・・・放射素子
20・・・放射素子カバー
3−1〜3−3・・・導波素子
30−1,30−2・・・棒状部
300−1,300−2・・・コイル
302−1,302−2・・・芯線
304−1,304−2・・・被覆部材
306−1,306−2・・・先端キャップ
32・・・基部
320−1,320−2・・・溝部
322−1,322−2・・・接続部
34・・・支持部
340・・・支持台
342・・・アーム固定部材
344・・・当て板
346−1,346−2・・・アーム固定具
348−1,346−2・・・基部固定具
4・・・反射素子
5・・・固定部
50・・・アーム
52・・・取り付け部材
6・・・給電部
60・・・給電ケーブル
62・・・接栓
7・・・第2のアンテナ装置

Claims (1)

  1. 1つ以上のアンテナ素子を有するアンテナ装置であって、
    前記アンテナ素子は、
    風力により振動し、付着した氷雪を振り落すように可撓性が付された可撓性部材と、
    前記可撓性部材に沿って設けられた導電性部材と
    を有する
    アンテナ装置。
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