JP2007288399A - アンテナ - Google Patents

アンテナ Download PDF

Info

Publication number
JP2007288399A
JP2007288399A JP2006111655A JP2006111655A JP2007288399A JP 2007288399 A JP2007288399 A JP 2007288399A JP 2006111655 A JP2006111655 A JP 2006111655A JP 2006111655 A JP2006111655 A JP 2006111655A JP 2007288399 A JP2007288399 A JP 2007288399A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
conductor
glass
plate
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006111655A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuzo Goto
哲三 後藤
Kenji Azumi
健二 安住
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Antenna Co Ltd
Original Assignee
Nippon Antenna Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Antenna Co Ltd filed Critical Nippon Antenna Co Ltd
Priority to JP2006111655A priority Critical patent/JP2007288399A/ja
Publication of JP2007288399A publication Critical patent/JP2007288399A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 誘電体上に美観を損ねることなく装着することができると共に、十分な半値角を得ることができるようにする。
【解決手段】 アンテナ1はガラス10上に装着されている矩形とされた薄い平板状の導電体11と、この導電体11により囲まれている矩形ループからなるアンテナ部12および給電部13とから構成されている。ガラス10は、例えば車両の窓ガラスとされ、導電体11は薄膜状の金属板をガラス10の一面に貼着することにより構成することができる。また、アンテナ部12および給電部13も薄膜状の金属板をガラス10の一面に貼着することにより構成することができる。導電体11の作用により、アンテナ1の利得が向上すると共に半値角が広角度となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の窓ガラス等の誘電体上に装荷することのできるアンテナに関する。
DSRC(Dedicated Short Range Communication)といわれる狭域通信システムが知られている。DSRCは、電波の到達距離が数メートルないし数十メートルの無線通信システムのことで、ETC(Electronic Toll Collection Systems:自動料金収受システム)やITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)に用いられている。ETCは、自動車が高速道路などの料金所を通過する際、ゲートに設置されたアンテナと車両に搭載した車載機との間で通信を行い、自動的に料金の支払いを行うシステムである。ETCを採用すると、料金所において停止する必要がなくなることから、自動車がゲートを通過する所要時間が大幅に短縮される。このため、料金所付近の交通渋滞を緩和することができると共に、排出ガスを低減することができる。
また、ITSは、カー・ナビゲーション・システム(以下、「カーナビ」という)など自動車をインテリジェント化するシステムと、広域交通管制システムなど道路をインテリジェント化するシステムを融合させた交通システムである。例えば、カーナビにはVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)との連携が可能とされたシステムがある。このような場合にITSを用いて、警察が収集した一般路の情報と首都高速道路公団・日本道路公団などが収集した高速道路の情報とをVICSセンターが編集して発信する。そして、この情報をカーナビが受信すると渋滞を迂回するルート等を検索してモニターに表示することができるようになる。
ところで、DSRCやETCのアンテナとしては、一般に、パッチアンテナが用いられている。このパッチアンテナの従来の構成例を図26に示す。
図26に示す従来のパッチアンテナ200は、円偏波を送受信することのできるパッチアンテナ200とされている。このパッチアンテナ200は、金属板を加工して作成されたアンテナ板212とアース板213を備えており、このアンテナ板212とアース板213とが所定の間隙を持って対向配置されるように、その間に合成樹脂製のスペーサ214が配置されている。スペーサ214の上面にはアンテナ板212が固着されており、スペーサ214の下面にはアース板213が固着されて、アンテナ板212,スペーサ214およびアース板213は一体化されるよう組み立てられている。アンテナ板212の所定の給電位置にケーブル215が接続されている。このケーブル215は同軸ケーブルとされており、そのアース部である編組線215cはアース板213の裏面にハンダ付けされ、その芯線215aがアース板213およびスペーサ214を挿通してアンテナ板212にハンダ付けされている。
このパッチアンテナ200は、次のようにして組み立てられている。まず、スペーサ214における一対の第1L字状保持部214bをアンテナ板212に形成されている一対の取付孔212cに挿入し、取付孔212cから第1L字状保持部214bの上部を突出させる。そして、突出された第1L字状保持部214bの上部とスペーサ本体214aとで取付孔212cの周囲を挟持させるよう矢印で図示する方向にアンテナ板212をスライドさせる。これにより、アンテナ板212における取付孔212cの上部が第1L字状保持部214bの上部とスペーサ本体214aとで挟持されて、スペーサ214にアンテナ板212が固着される。次いで、アンテナ板212が固着されている状態のスペーサ214において、一対の第2L字状保持部214eをアース板213に形成されている一対の挿着孔213dに挿入し、挿着孔213dから第2L字状保持部214eの上部を突出させる。そして、突出された第2L字状保持部214e上部とスペーサ本体214aとで挿着孔213dの周囲を挟持させるよう下方向にアース板213をスライドさせる。これにより、アース板213における挿着孔213dの下部が第2L字状保持部214eの上部とスペーサ本体214aとで挟持されて、スペーサ214にアース板213が固着される。また、給電線保持片214dに形成されているリング状リブ214gが挿通孔213eに嵌着されるようになる。
これにより、アンテナ板212がスペーサ214のおもて面に固着され、アース板213がスペーサ214の裏面に固着されるようになる。そして、この状態においてアース板213の裏面にケーブル215を配置して、芯線215aを包被している絶縁体215bを挿通孔213eに挿通すると、絶縁体215bは給電線保持片214dにおける挿通孔214fに挿通されて、その先端から突出している芯線215aがアンテナ板212に形成されている接続孔212dに挿入されるようになる。この接続孔212dに挿入された芯線215aをハンダ付けして、芯線215aをアンテナ板212に接続する。また、ケーブル215の編組線215cを一対の抱持片213fをカシメることにより抱持してハンダ付けする。これで、パッチアンテナ200が組み立てられるようになる。
特開2004−297340号公報
従来のパッチアンテナ200においては、アース板213とアンテナ板212とを対向配置させ、その間にスペーサ214を配置している。このようにパッチアンテナ200は、立体構造とされていることから車両の窓ガラス等に装着すると美観を損ねることになり、窓ガラス等に装着することが困難になるという問題点があった。また、パッチアンテナ200の極近傍に誘電体を配置すると、放射パターンにリップルが生じて半値角が狭まってしまうという問題点があった。
そこで、本発明は、窓ガラス等の誘電体上に美観を損ねることなく装着することができると共に、広角度の半値角を得ることができるアンテナを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のアンテナは、少なくともアンテナ部が囲まれると共に、薄い平板状のアンテナ部および給電部に近接されて、誘電体の一面に装着されている薄い平板状の無給電の導電体を備えるようにしたことを最も主要な特徴としている。
本発明によれば、少なくともアンテナ部が囲まれると共に、薄い平板状のアンテナ部および給電部に近接されて、誘電体の一面に装着されている薄い平板状の無給電の導電体を備えるようにしたことから、厚みの薄い形状のアンテナとすることができ、窓ガラス等の誘電体上に装着しても美観を損ねないようになる。また、導電体の作用によりリップルが抑制されて広角度の半値角とされた放射パターンを得ることができる。
本発明の第1実施例のアンテナの構成を示す正面図を図1に示す。
図1において、アンテナ1は板状のガラス10上に装着されている薄い平板状の導電体11と、この導電体11により囲まれている薄い平板状のアンテナ部12および給電部13とから構成されている。ガラス10は、例えば車両の窓ガラスとされ、導電体11は薄膜状の金属板をガラス10の一面に貼着することにより構成することができる。また、アンテナ部12および給電部13も薄膜状の金属板をガラス10の一面に貼着することにより構成することができる。これにより、薄い厚みのアンテナ1とすることができることからガラス10上に装荷しても美観を損ねないようになる。
アンテナ部12および給電部13の構成を拡大して図22に示す。図22に示すように、アンテナ部12は矩形のループ素子12aを備え、ループ素子12aの対向する2辺のほぼ中央にそれぞれ形成された1対の摂動素子12bを有し、円偏波を送受信可能なアンテナとされている。また、給電部13はアンテナ部12に給電するためのランド13aとランド13bからなる1対の端子を有しており、ランド13aとランド13bとアンテナ部12とが平行2線の給電線路12cにより接続されている。さらに、導電体11およびアンテナ部12と給電部13とをフィルムシート上に金属を蒸着あるいは金属薄膜を貼着することにより形成して、このフィルムシートをガラス10の一面に貼着するようにしてもよい。
図1に示す第1実施例のアンテナ1に給電用のピックアップ14を装着した状態の構成を示す正面図を図2に示し、その側面図を図3に示す。
これらの図に示すように、ピックアップ14は給電部13に装着されており、装着された際に、ピックアップ14の裏面に設けられている1対の接触片が、給電部13のランド13aとランド13bにそれぞれ接触するようになる。この1対の接触片はピックアップ14の基板上に形成されている給電ライン15aとアースライン15bにそれぞれ接続されている。そして、給電ライン15aには同軸ケーブル16の芯線が接続されており、アースライン15bには同軸ケーブル16のアースとなる編組線が接続されている。これにより、ピックアップ14から導出される同軸ケーブル16によりアンテナ部12に給電することができるようになる。なお、ピックアップ14はケースに収納されているが、図2および図3においてはケースを省略して示している。また、ピックアップ14は両面テープ等により給電部13に固着される。
本発明にかかるアンテナ1において、アンテナ部12から放射された電波のメインローブの放射方向は、ガラス10を透過する方向となり、図3に示す例では左方向に放射されるようになる。アンテナ1をETC及びDSRC用のアンテナとして、その中心周波数(5.81GHz)の波長をλとした際のアンテナ部12の寸法を図22を参照して次に示す。アンテナ部12の矩形のループ素子の一辺aが約0.17λ、ループ素子のストリップ幅cが約0.01λ、摂動素子12bの長さが約0.04λとされている。この場合、ストリップ幅cは細過ぎると断線するおそれがあり、太過ぎると周波数帯域は広帯域となるもののループアンテナとして動作しないようになってくる。そこで、ストリップ幅cは約0.002λ〜約0.04λの範囲から選択するのが好適とされる。また、ループ素子の一辺aは短か過ぎるとループアンテナとして動作しないようになり、一辺aが0.25λを超えると全外周長が自由空間で一波長を越えてしまうことから、約0.1λ〜0.25λの範囲で選択するのが好適とされる。さらに、アンテナ部12は摂動素子を備える円形のループ素子やパッチアンテナでも良いし、直線偏波用の直線状の素子としても良い。さらにまた、アンテナ部12を複数のアンテナ素子から構成されるアレーアンテナとすることもできる。
次に、図1ないし図3に示す本発明にかかるアンテナ1の方位角に対する利得特性を図4に、水平面内指向特性を図5に示す。この場合、周波数は5.81GHzとされ、アンテナ1におけるアンテナ部12の各部の寸法は上述した寸法とされており、矩形の導電体11の一辺の長さL1は約1.94λ(物理長は約100mm)、導電体11とアンテナ部12とのギャップDは約0.02λとされている。また、アンテナ部12から給電部13まで長さL0は約0.96λの長さとされていることから、長さL1は約(L0+0.98λ)と表すことができる。なお、長さL0はアンテナ部12と給電部13とが収まる矩形の縦と横の寸法の内の長い方の長さとされている。
ここで、利得特性および水平面内指向特性の対比のために、図1ないし図3に示す本発明にかかるアンテナ1から導電体11を取り去ったアンテナ100を図6に示す。図6に示すアンテナ100のアンテナ部112はアンテナ1におけるアンテナ部12と同形状で同寸法とされており、ガラス110もガラス10と同形状で同寸法とされている。図6に示すアンテナ100において周波数を5.81GHzとした際の方位角に対する利得特性を図7に、水平面内指向特性を図8に示す。
そこで、方位角に対する利得特性および水平面内指向特性を対比すると、アンテナ100の方位角に対する利得特性は図7に示すように最大利得が約0.96dBiとされているが、多くのリップルが発生しており、半値角は約23.8°しか得られていない。これに対して、導電体11を備える本発明にかかるアンテナ1の方位角に対する利得特性は図4に示すように最大利得が約2.66dBi得られており、リップルはほとんど発生していない。そして、約71.2°もの広角度の半値角が得られている。また、図5に示す導電体11を備える本発明にかかるアンテナ1の水平面内指向特性に示すように、メインローブの利得がサイドローブより少なくとも約7dB以上高くなっているとともに0°方向近傍の軸比特性が改善されている。図8に示すアンテナ100の水平面内指向特性では、メインローブの利得がサイドローブより約4dB以上高いだけであり、0°方向の軸比特性も劣化している。
なお、上述した方位角に対する利得特性および水平面内指向特性を測定した際の給電部13および給電線路12cの寸法を次に示す。図22を参照して給電部13および給電線路12cの寸法を示すと、給電線路12cの長さeは約0.32λ、2本の給電線路12cの間隔dは約0.01λ、給電部13の給電線路12cから右側の長さfは約0.32λ、給電部13の給電線路12cから左側の長さgは約0.13λ、ランド13aまでの長さhは約0.2λ、ランド13aの長さiは約0.32λ、ランド13aの幅jは約0.07λ、ランド13bまでの長さkは約0.4λ、ランド13bの長さpは約0.32λ、ランド13bの幅nは約0.07λ、給電部13のストリップ幅mは約0.01λとされている。ただし、この寸法は一例でありこれに限るものではない。
また、本発明にかかるアンテナ1における導電体11とアンテナ部12とのギャップは約0.02λとしたが、ギャップは約0.01λ〜約0.06λの導電体11がアンテナ部12に影響を与えられるギャップとすることができる。さらに、矩形の導電体11の一辺は約1.94λとしたが、約(L0+0.01λ)から約(L0+3.69λ)の間の寸法とすることができる。ただし、長さL0はアンテナ部12と給電部13とが収まる矩形の縦と横の寸法の内の長い方の長さとされている。
そこで、本発明にかかるアンテナにおいて矩形の導電体の寸法を小さくした第2実施例のアンテナ2の構成を図9に示す。ただし、アンテナ2が装荷されているガラスは省略して示している。図9に示す本発明の第2実施例のアンテナ2においては矩形の導電体21の寸法L2が小さくされているが、アンテナ部22および給電部23の構成および寸法は第1実施例のアンテナ部12および給電部13の構成および寸法と同様とされている。
本発明の第2実施例のアンテナ2の方位角に対する利得特性を図10に、水平面内指向特性を図11に示す。この場合、第2実施例のアンテナ2におけるアンテナ部22の各部の寸法は上述した第1実施例のアンテナ部12の寸法と同様とされており、矩形の導電体21の一辺の長さL2は約0.97λ(物理長は約50mm)、導電体21とアンテナ部22とのギャップは約0.02λとされている。また、アンテナ部22から給電部23まで長さL0は約0.96λの長さとされていることから、長さL2は約(L0+0.01λ)と表すことができる。
ここで、方位角に対する利得特性および水平面内指向特性を図6に示す導電体を備えていないアンテナ100と対比すると、小さい寸法の導電体21を備える本発明の第2実施例のアンテナ2の方位角に対する利得特性は図10に示すように最大利得が約1.41dBi得られており、わずかにリップルが発生している。そして、約53.6°もの広角度の半値角が得られている。また、図11に示す導電体21を備える第2実施例のアンテナ2の水平面内指向特性に示すように、メインローブにおける軸比特性が改善されている。
さらに、本発明にかかるアンテナにおいて矩形の導電体の寸法を大きくした第3実施例のアンテナ3の構成を図12に示す。図12に示す本発明の第3実施例のアンテナ3においては矩形の導電体31の寸法L3が大きくされているが、アンテナ部32および給電部33の構成および寸法は第1実施例のアンテナ部12および給電部13の構成および寸法と同様とされている。
本発明の第3実施例にかかるアンテナ3の方位角に対する利得特性を図13に、水平面内指向特性を図14に示す。この場合、第3実施例のアンテナ3におけるアンテナ部32の各部の寸法は上述した第1実施例のアンテナ部12の寸法と同様とされており、矩形の導電体31の一辺の長さL3は約4.65λ(物理長は約240mm)、導電体31とアンテナ部32とのギャップは約0.02λとされている。また、アンテナ部32から給電部33まで長さL0は約0.96λの長さとされていることから、長さL3は約(L0+3.69λ)と表すことができる。
ここで、方位角に対する利得特性および水平面内指向特性を図6に示す導電体を備えていないアンテナ100と対比すると、大きい寸法の導電体31を備える本発明の第3実施例のアンテナ3の方位角に対する利得特性は図13に示すように最大利得が約2.13dBi得られており、リップルはほとんど発生していない。そして、約69.2°もの広角度の半値角が得られている。また、図14に示す導電体31を備える第3実施例のアンテナ3の水平面内指向特性に示すように、メインローブの利得がサイドローブより少なくとも約6dB以上高くなっているとともにメインローブの軸比特性も改善されている。
以上のように、本発明にかかるアンテナにおいて矩形の導電体の一辺は約(L0+0.01λ)から約(L0+3.69λ)の間の寸法とすることができる。ただし、長さL0はアンテナ部と給電部とが収まる矩形の縦と横の寸法の内の長い方の長さである。この場合、アンテナ部は矩形のループ素子に限らず、摂動素子を備える円形のループ素子やパッチアンテナでも良いし、直線偏波用の直線状の素子としても良い。この範囲の寸法としても、導電体を設けない場合に比べて利得特性のリップルを小さくすることができると共に、高い利得を得ることができるようになる。さらに、広角度の半値角を得ることができるようになる。
ここで、本発明にかかるアンテナの動作原理を次に説明する。図23は、導電体を備えていない図6に示すアンテナ100の動作を説明する図であり、図24は導電体を備えている本発明にかかるアンテナの動作を説明する図である。アンテナがガラス等の誘電体に装荷されている場合、電波は、ガラス等の誘電体に対して垂直方向の成分は透過率が高いが、水平方向の成分が強いほど反射率が高くなり、臨界角を超えると全反射する。よって誘電体に平行な方向への放射は強くなる。また、垂直方向から臨界角までの間の角度で放射された電波は透過と反射をある程度の比率で繰り返して放射するようになる。
この場合、導電体を備えていない場合は図23に示すようにアンテナ部112から斜めに放射された電波は、ガラス110内を伝播してガラス110と大気との境界において一部透過して前方へ放射され、残る部分はガラス110内へ反射される。反射された成分は、ガラス110の反対側におけるガラス110と大気との境界において一部透過して後方へ放射され、残る部分はガラス110内へ反射される。これが繰り返されて伝播していく。この結果、前方への利得が減少すると共にリップルが発生するようになる。
これに対して、導電体を備えている本発明の第1実施例のアンテナ1においては、図24に示すようにアンテナ部12から斜めに放射された電波は、ガラス10内を伝播してガラス10と大気との境界において一部透過して前方へ放射され、残る部分はガラス10内へ反射される。反射された成分は、ガラス10の反対側においてガラス10に導電体11が装着されているためガラス10内へ全反射される。これが繰り返されて伝播していく。この結果、第1実施例のアンテナ1においては、前方への利得が増大すると共にリップルがほとんど発生しないようになる。第2実施例のアンテナ2および第3実施例のアンテナ3も同様である。
また、本発明の第1実施例の導電体11ないし第3実施例の導電体31は全面が導電体とされているが、これに替えて電気的に全面が導電体と等価になるメッシュ状等の導電体としても同様の作用を得ることができる。そこで、導電体メッシュを用いた本発明の第4実施例のアンテナの構成を示す正面図を図15に示す。
図15において、アンテナ4は板状のガラス40上に装着されている矩形とされた薄い平板状の導電体メッシュ41と、この導電体メッシュ41に形成された矩形の空間に配置されている矩形とされた薄い平板状のアンテナ部42とから構成されている。アンテナ部42は、1対の摂動素子が設けられた矩形ループから構成されている。ガラス40は、例えば車両の窓ガラスとされ、導電体メッシュ41は薄膜状の金属板メッシュをガラス40の一面に貼着することにより構成することができる。また、アンテナ部42も薄膜状の金属板をガラス40の一面に貼着することにより構成することができる。アンテナ部42は矩形のループ素子と、ループ素子の対向する2辺のほぼ中央にそれぞれ形成された1対の摂動素子とから構成されて、円偏波を送受信可能なアンテナとされている。また、給電部は設けられておらず、アンテナ部42上に載置したピックアップと電磁気的に結合させることにより給電している。さらに、導電体メッシュ41およびアンテナ部42とをフィルムシート上に蒸着あるいは貼着することにより形成して、このフィルムシートをガラス40の一面に貼着するようにしてもよい。
図15に示す第4実施例のアンテナ4に給電用のピックアップ43を装着した状態の構成を示す正面図を図16に、その側面図を図17に、ピックアップ43の詳細構成を示す断面図を図18に、アンテナ4およびピックアップ43の詳細構成を示す分解組立図を図19に示す。
まず、ピックアップ43の構成について図18および図19を参照して説明する。これらの図に示すように、ピックアップ43はテフロン基板等の高周波特性の良好な基板43aを備え、基板43aの一面にはアース導体43bが形成されている。このアース導体43bには、ピックアップ43から導出されている同軸ケーブル44のアース部とされる編組線が接続されている。また、基板43aの他面には給電ストリップ43cが形成されており、給電ストリップ43cに同軸ケーブル44の芯線44aが接続されている。この給電ストリップ43cが形成されている基板43aの他面の全面を覆うように両面テープ43dが貼着されている。
図19に示すようにガラス40の一面に矩形ループからなるアンテナ部42が貼着され、このアンテナ部42を囲むように矩形の導電体メッシュ41がガラス40の一面に貼着される。次いで、ピックアップ43における基板43aの他面に貼着されている両面テープ43dをアンテナ部42上に貼着する。これにより、アンテナ部42と基板43aに形成されている給電ストリップ43cとが両面テープ43dを介して対向配置され電磁気的に結合するようになり、同軸ケーブル44からアンテナ部42へ給電することができるようになる。なお、ピックアップ43は図16および図17に示すようにケースに収納されているが、図18および図19においてはケースを省略して示している。第4実施例のアンテナ4は、薄い厚みのアンテナ4とすることができることからガラス40上に装荷しても美観を損ねないようになる。
このように構成されている第4実施例のアンテナ4において、アンテナ部42から放射された電波のメインローブの放射方向は、ガラス40を透過する方向となり、図17に示す例では左方向に放射されるようになる。アンテナ4をETC及びDSRC用のアンテナとした際のアンテナ部42の寸法は、第1実施例のアンテナ部12の寸法と同様とされる。
さらに、本発明の第1実施例の導電体11ないし第3実施例の導電体31は全面が導電体とされているが、導電体に替えて電波吸収体を設けるようにしてもよい。電波吸収体としては、例えばITO(Indium Tin Oxide)膜を用いることができる。この場合の構成は導電体11ないし第3実施例の導電体31を電波吸収体に置き換えた構成となる。このように、導電体に替えて電波吸収体をアンテナ部の周囲に配置した場合の構成を示す側面図を図25に示すが、図25に示すようにアンテナ部52から斜めに放射された電波はガラス50内を伝播してガラス50と大気との境界において一部透過して前方へ放射され、残る部分はガラス50内へ反射される。反射された成分は、ガラス50の反対側においてガラス50に電波吸収体51が装着されているため、電波吸収体51で吸収されるようになる。この結果、導電体を電波吸収体に置き換えたアンテナでは、ガラス50内を伝播していく際に反射と透過を繰り返えさないようになることから、リップルが抑制された放射パターンを得ることができ、半値角を広げることができる。ただし、電波の一部が電波吸収体により吸収されることから利得はほとんど向上しない。この実施例のアンテナにおいても、薄い厚みのアンテナとすることができることからガラス上に装荷しても美観を損ねないようになる。
ここで、本発明の第1実施例の導電体11を電波吸収体に置き換えた際の方位角に対する利得特性を図20に、水平面内指向特性を図21に示す。方位角に対する利得特性および水平面内指向特性を図6に示す導電体を備えていないアンテナ100と対比すると、導電体11に替えて電波吸収体を備えるアンテナの方位角に対する利得特性は図20に示すように最大利得が約1.8dBi得られており、若干のリップルが発生している。しかし、約43.3°の広角度の半値角が得られている。また、図21の水平面内指向特性に示すように、メインローブの利得がサイドローブより少なくとも約5dB以上高くなっているとともにメインローブの軸比特性も改善されている。
以上説明したように、本発明は、車両の窓ガラス等の誘電体上に装荷するアンテナにおいて、薄い平板状のアンテナ部(エレメント)を取り囲むように薄い平板状の導電体を設けるようにしたことを特徴としている。この導電体は、薄い金属板や金属薄膜、あるいは、メッシュ状の金属板とすることができる。また、導電体や導電体メッシュに替えて電波吸収体としてもよい。さらに、本発明にかかるアンテナをフィルムシート上に形成し、このフィルムシートを窓ガラス等の誘電体上に装荷するようにしてもよい。
以上の説明では、本発明は車両の窓ガラスに貼着するアンテナとして説明したが、これに限ることはなく車両以外のガラス部や板状の誘電体に装荷されるアンテナに適用することができる。また、ETC及びDSRC用のアンテナとしたが、これに限るものではなく種々の通信用のアンテナに適用することができる。さらに、円偏波用のアンテナとしたが、これに限らず直線偏波のアンテナに適用することができる。
本発明の第1実施例のアンテナの構成を示す正面図である。 本発明の第1実施例のアンテナにピックアップを装着した状態の構成を示す正面図である。 本発明の第1実施例のアンテナにピックアップを装着した状態の構成を示す側面図である。 本発明の第1実施例のアンテナの方位角に対する利得特性を示す図である。 本発明の第1実施例のアンテナの水平面内指向特性を示す図である。 利得特性および水平面内指向特性の対比のために、本発明にかかるアンテナから導電体を取り去ったアンテナの構成を示す図である。 図6に示すアンテナの方位角に対する利得特性を示す図である。 図6に示すアンテナの水平面内指向特性を示す図である。 本発明の第2実施例のアンテナの構成を示す図である。 本発明の第2実施例のアンテナの方位角に対する利得特性を示す図である。 本発明の第2実施例のアンテナの水平面内指向特性を示す図である。 本発明の第3実施例のアンテナの構成を示す図である。 本発明の第3実施例のアンテナの方位角に対する利得特性を示す図である。 本発明の第3実施例のアンテナの水平面内指向特性を示す図である。 本発明の第4実施例のアンテナの構成を示す図である。 本発明の第4実施例のアンテナにピックアップを装着した状態の構成を示す正面図である。 本発明の第4実施例のアンテナにピックアップを装着した状態の構成を示す側面図である。 本発明の第4実施例のアンテナにおけるピックアップの詳細構成を示す断面図である。 本発明の第4実施例のアンテナの構成を示す分解組立図である。 本発明の第1実施例の導電体を電波吸収体に置き換えた際の方位角に対する利得特性を示す図である。 本発明の第1実施例の導電体を電波吸収体に置き換えた際の水平面内指向特性を示す図である。 本発明の実施例にかかるアンテナのアンテナ部と給電部との構成を拡大して示す図である。 図6に示すアンテナの動作を説明するための図である。 本発明の実施例にかかるアンテナアンテナの動作を説明するための図である。 本発明のアンテナにおいて、導電体に替えて電波吸収体をアンテナ部の周囲に配置したアンテナの動作を説明するための図である。 従来のパッチアンテナの構成例を示す図である。
符号の説明
1 アンテナ、2 アンテナ、3 アンテナ、4 アンテナ、10 ガラス、11 導電体、12 アンテナ部、12a ループ素子、12b 摂動素子、12c 給電線路、13 給電部、13a ランド、13b ランド、14 ピックアップ、15a 給電ライン、15b アースライン、16 同軸ケーブル、21 導電体、22 アンテナ部、23 給電部、31 導電体、32 アンテナ部、33 給電部、40 ガラス、41 導電体メッシュ、42 アンテナ部、43 ピックアップ、43a 基板、43b アース導体、43c 給電ストリップ、43d 両面テープ、44 同軸ケーブル、44a 芯線、50 ガラス、51 電波吸収体、52 アンテナ部、100 アンテナ、110 ガラス、112 アンテナ部、200 パッチアンテナ、212 アンテナ板、212c 取付孔、212d 接続孔、213 アース板、213d 挿着孔、213e 挿通孔、213f 抱持片、214 スペーサ、214a スペーサ本体、214b 第1L字状保持部、214d 給電線保持片、214e 第2L字状保持部、214f 挿通孔、214g リング状リブ、215 ケーブル、215a 芯線、215b 絶縁体、215c 編組線

Claims (6)

  1. 板状の誘電体の一面に装着された薄い平板状のエレメントを有するアンテナ部と、
    該アンテナ部に給電する端子を有し、前記アンテナ部と給電線路で接続されている薄い平板状の給電部と、
    少なくとも前記アンテナ部が囲まれると共に、前記アンテナ部に近接されて前記誘電体の一面に装着されている薄い平板状の無給電の導電体と、
    を備えていることを特徴とするアンテナ。
  2. 前記アンテナ部、前記給電部および前記導電体がフィルムシート上に形成されており、該フィルムシートを前記誘電体の一面に装着するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
  3. 板状の誘電体の一面に装着された薄い平板状のエレメントを有するアンテナ部と、
    前記アンテナ部が囲まれると共に、前記アンテナ部に近接されて前記誘電体の一面に装着されている薄い平板状の無給電の導電体と、
    前記アンテナ部上に配置されて前記アンテナ部と電磁気的に結合されている給電部と、
    を備えていることを特徴とするアンテナ。
  4. 前記アンテナ部および前記導電体がフィルムシート上に形成されており、該フィルムシートを前記誘電体の一面に装着するようにしたことを特徴とする請求項3に記載のアンテナ。
  5. 前記導電体が薄い平板状の電波吸収体に置き換えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のアンテナ。
  6. 前記誘電体が窓ガラスとされていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のアンテナ。
JP2006111655A 2006-04-14 2006-04-14 アンテナ Withdrawn JP2007288399A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006111655A JP2007288399A (ja) 2006-04-14 2006-04-14 アンテナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006111655A JP2007288399A (ja) 2006-04-14 2006-04-14 アンテナ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007288399A true JP2007288399A (ja) 2007-11-01

Family

ID=38759769

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006111655A Withdrawn JP2007288399A (ja) 2006-04-14 2006-04-14 アンテナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007288399A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009118268A (ja) * 2007-11-07 2009-05-28 Fujitsu Ten Ltd アンテナ
JP2009225429A (ja) * 2008-02-18 2009-10-01 Mitsumi Electric Co Ltd アンテナ装置および複合アンテナ装置
JP2010239495A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Nippon Soken Inc アンテナ装置
JP2015080072A (ja) * 2013-10-16 2015-04-23 小島プレス工業株式会社 車載用円偏波アンテナ
JP2021501529A (ja) * 2017-11-06 2021-01-14 東友ファインケム株式会社Dongwoo Fine−Chem Co., Ltd. フィルムアンテナ及びそれを含むディスプレイ装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009118268A (ja) * 2007-11-07 2009-05-28 Fujitsu Ten Ltd アンテナ
CN101855780A (zh) * 2007-11-07 2010-10-06 富士通天株式会社 圆偏振波接收天线
US8994598B2 (en) 2007-11-07 2015-03-31 Fujitsu Ten Limited Circularly polarized wave reception antenna
JP2009225429A (ja) * 2008-02-18 2009-10-01 Mitsumi Electric Co Ltd アンテナ装置および複合アンテナ装置
JP2010239495A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Nippon Soken Inc アンテナ装置
JP2015080072A (ja) * 2013-10-16 2015-04-23 小島プレス工業株式会社 車載用円偏波アンテナ
JP2021501529A (ja) * 2017-11-06 2021-01-14 東友ファインケム株式会社Dongwoo Fine−Chem Co., Ltd. フィルムアンテナ及びそれを含むディスプレイ装置
JP7078718B2 (ja) 2017-11-06 2022-05-31 東友ファインケム株式会社 フィルムアンテナ及びそれを含むディスプレイ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3114728B1 (en) Antenna device and electronic device having the antenna device
JP3285299B2 (ja) 小型アンテナおよび光ビーコン、電波ビーコン共用車載フロントエンド
US20120154229A1 (en) Windowpane for vehicle and antenna
JP2001332923A (ja) フィルムアンテナ
JP2014033243A (ja) 車両用窓ガラス及びアンテナ
WO2017213243A1 (ja) 車載用アンテナ装置
US20100188309A1 (en) Radar antenna
CN112397898B (zh) 天线阵列组件及电子设备
US7321338B2 (en) On-board antenna
JPWO2015019904A1 (ja) アンテナ装置
JP2007288399A (ja) アンテナ
JP4141979B2 (ja) 自動車用高周波ガラスアンテナ
US10490877B2 (en) CPW-fed circularly polarized applique antennas for GPS and SDARS bands
JP2011091557A (ja) アンテナ装置
JP2013198090A (ja) アンテナ装置
JP2008278481A (ja) 自動車用高周波ガラスアンテナ及び自動車用の窓ガラス板
JP2002252520A (ja) 平面アンテナ
JP4962407B2 (ja) アンテナ
JP4286163B2 (ja) 統合アンテナ、統合アンテナ装置、及び受信装置
US20170324141A1 (en) Cpw-fed modified sleeve monopole for gps, glonass, and sdars bands
JP2007110390A (ja) 自動車用高周波ガラスアンテナ
JP2007306304A (ja) 無指向性アンテナ
JP4387956B2 (ja) 車載用v字型台形エレメントアンテナ
JP2013197987A (ja) アンテナ装置
US20070273608A1 (en) Anisotropic frequency selective ground plane for orthogonal pattern control of windshield antenna

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20090707