JP2005071778A - 燃料電池システムとその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】起動停止におけるアノードおよびカソードの電位上昇による酸化および溶解による劣化を抑制し、耐久性を向上させた燃料電池発電装置とその運転方法を提供すること。
【解決手段】電解質1と、一対の電極4aおよび4c、一対のセパレータ7aおよび7cからなる燃料電池と、燃料電池内に残留した酸化剤ガスの全部または一部を不活性ガスで置換し、スタック内には燃料ガスと不活性ガスを封入した状態で停止するので、電極4aおよび4cの電位は低く保たれるので、酸化および溶解による劣化を抑制し、燃料電池システムの耐久性を向上させるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、起動停止による劣化の抑制または耐久性の向上を図った燃料電池発システムとその運転方法に関するものである。
従来の一般的な固体高分子電解質型燃料電池の構成および動作について図1、2および7を参照しながら説明する。図1においては、従来の燃料電池の中でも高分子電解質型燃料電池(以降、PEFCと称する)の基本構成を示している。燃料電池は、水素などの燃料ガスと空気などの酸素含有ガスをガス拡散電極によって電気化学的に反応させるもので、電気と熱とを同時に発生させるものである。電解質1は水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜等が利用される。電解質1の両面には、白金系の金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒反応層2を密着して配置してある。この触媒反応層で(化学式1)と(化学式2)に示す反応が発生し、燃料電池全体としては(化学式3)に示す反応が発生する。
Figure 2005071778
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少なくとも水素を含む燃料ガス(以降、アノードガスと称する)は(化学式1)に示す反応(以降、アノード反応と称する)し、電解質1を介して移動した水素イオンは、酸素含有ガス(以降、カソードガスと称する)と触媒反応層2で(化学式2)に示す反応(以降、カソード反応と称する)により、水を生成し、このとき電気と熱を生ずる。燃料電池全体としては(式3)に示すように、水素と酸素が反応し水が発生する際に、電気と熱が利用できるのである。水素などの燃料ガスの関与する側をアノードと呼び、図ではaを付け表し、空気などの酸素含有ガスの関与する側をカソードと呼び、図ではcを付け表した。さらに触媒反応層2aと2cの外面には、ガス通気性と導電性を兼ね備えた拡散層3aと3cをこれに密着して配置する。この拡散層3aと3cと触媒反応層2a、2cにより電極4aと4cを構成する。5は電極電解質接合体(以降、MEAと称する)であり、電極4と電解質1とで形成している。MEA5は、MEA5を機械的に固定するとともに、隣接するMEA5同士を互いに電気的に直列に接続し、さらに電極に反応ガスを供給し、かつ反応により発生したガスや余剰のガスを運び去るためのガス流路6aと6cをMEA5に接する面に形成した一対の導電性セパレータ7aと7cを配置する。電解質1と、1対の触媒反応層2aと2cと、一対の拡散層3aと3cと、一対の電極4aと4c、一対のセパレータ7aと7cで基本の燃料電池単位(以降、セルと称する)を形成する。セパレータ7aと7cにはMEA5とは反対の面に、隣のセルのセパレータ7cと7aが接する。冷却水通路8はセパレータ7aと7cが接する側に設けられ、ここに冷却水9が流れる。冷却水9はセパレータ7aと7cを介してMEA5の温度を調整するように熱を移動させる。MEAガスケット10はMEA5とセパレータ7aまたは7cの封止をおこない、セパレータガスケット11はセパレータ7aと7cを封止する。
電解質1には固定電荷を有しており、固定電荷の対イオンとして水素イオンが存在している。電解質1には水素イオンを選択的に透過させる機能が求められるが、そのためには電解質1が水分を保持していることが必要である。電解質1は水分を含むことにより、電解質1内に固定されている固定電荷が電離し、固定電荷の対イオンである水素がイオン化し、移動できるようになるからである。
図2でセルを積層したものでスタックについて説明する。燃料電池セルの電圧は通常0.75v程度と低いために、セルを直列に複数個積層し、高電圧となるようにしている。集電板21はスタックから外部に電流を取り出すためのであり、絶縁板22はセルと外部を電気的に絶縁する。端板23はセルを積層したスタックを締結し、機械的に保持する。
図7で燃料電池システムを説明する。外筐体31に燃料電池システムが納められている。ガス清浄部32は燃料ガスから燃料電池に悪影響を与える物質を除去し、原料ガス配管33を介して外部から燃料ガスを導く。弁34は原料ガスの流れを制御する。燃料生成器35は原料ガスから少なくとも水素を含む燃料ガスを生成する。燃料生成器35から燃料ガス配管37を介してスタック38に燃料ガスを導びく。ブロワー39は酸化剤ガスを吸気管40を通してスタック38に導く。排気管42はスタック38から排出された酸化剤ガスを燃料電池システムの外に排出する。スタック38で利用されなかった燃料ガスはオフガス管48により再び、燃料生成器35に流れ込む。オフガス管48からのガスは燃焼などに用いられ、原料ガスから燃料ガスを生成するための吸熱反応等に利用される。電力回路部43は燃料電池スタック38から電力を取り出し、制御部44はガスや電力回路部などを制御する。ポンプ45は冷却水入り口配管46から燃料電池スタック38の水経路に水を流す。燃料電池スタック38を流れた水は冷却水出口配管47から外部に水が運ばれる。燃料電池のスタック38を水が流れることにより、発熱したスタック38を一定の温度に保ちながら、発生した熱を燃料電池システム外部で利用できるようになるのである。燃料電池システムは燃料電池からなるスタック38と、ガス清浄部32と、燃料生成器35と、電力回路部43と、制御部44とより構成されている。
家庭用の燃料電池システムは、燃料電池スタック38と燃料生成器35で構成される。燃料電池システムの性能低下が少なく、性能を長期間維持できるようにすることが必要である。また、家庭用としてメタンを主成分とする都市ガスなどの原料ガスを用いた場合、光熱費メリットおよびCO2の削減効果を大きくするために、電気と熱の消費量の少ない時間帯は停止し、電気と熱の消費量の多い時間帯に運転する運転方法が有効である。一般に、昼間は運転して深夜は運転を停止するDSS(Daily Start & Stop or Daily Start−up & Shut−down )運転は光熱費メリットとCO2の削減効果を大きくすることができ、燃料電池システムは、起動と停止を含む運転パターンに柔軟に対応できることが望ましい。これまでいくつかの報告がなされている。
例えば、これらの課題を解決方法として起動時に、システムの外部負荷接続を開始するまで別途システム内に電力消費する手段を接続し、開回路電位になるのを防いでいた(特許文献1参照)。また、システム内に開回路電圧の抑制のための放電手段を設置していた(特許文献2参照)。また、保管時にも電解質であるイオン交換膜を保水状態に保つため加湿された不活性ガスを封入して停止・保管していた(特許文献3参照)。酸素極の酸化または不純物付着を防止するため、酸素含有ガスの供給を停止した状態で発電し、酸素消費操作を行い耐久性の向上を図っていたる(特許文献4参照)。また、アノードからカソードにリークする水素を用い、カソード電極の性能を向上させていた(特許文献5参照)。
また、上述のような燃料電池の電極における発電反応が長期にわたり安定して行われるためには、電解質と電極の界面が長期に安定に保持されていることが必要である。水素と酸素を反応種とする高分子電解質型の燃料電池の開回路電圧は理論的には1.23Vとされている。しかし、実際の開回路電圧は、水素極および酸素極のそれぞれの極における不純物や、吸着種との混成電位を示し、約0.93V〜1.1Vの電圧を示す。また、若干の電解質中の水素および酸素の拡散による電圧低下も起こる。水素極の電位は極端な金属種などの不純物の溶解がないとするとその電位は空気極の吸着種による影響が大きく、(化学式4)から(化学式8)に示されるような化学反応の混成電位によると考えられている(非特許文献1参照)。このように、電圧が0.88Vを超えると(化学式7)に示されるように、Ptの酸化が発生し、Ptの触媒としての活性が低下するだけでなく、水への溶解が発生し、流れだしてしまう問題がある。
Figure 2005071778
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特開平5−251101号公報 特開平8−222258号公報 特開平6−251788号公報 特開2002−93448号公報 特開2000−260454号公報 H. Wroblowa, et al., J. Electroanal. Chem., 15, p139−150 (1967), "Adosorption and Kinetics at Platinum Electrodes in The Presence of Oxygen at Zero Net Current"
しかしながら、前記従来の技術では開回路を防ぐ手法は開示されているが、電圧を0.88V以下にすることは記載されていない。
また、前記従来の水や加湿された不活性ガスをアノードまたはカソードにパージする方法では、各電極の電位を一定以下に保とうとすることは示されていないので、セル内部が不活性ガスで満たされた時、アノードおよびカソードの電位が定まらず、外部より徐々に浸入してく酸素により、両極とも約0.93V〜1.1Vの電圧を示すため、電極が酸化または溶出してしまい性能を低下させてしまう課題がある。
また、前記従来の水や加湿された不活性ガスをパージする方法では、停止時に燃料電池のスタック38の温度が低下し、燃料電池のスタック38内部で結露が発生し、体積の減少が生じ、負圧となるため、外部の酸素が流入したり、電解質1が破損したり、電極4aと4cが短絡するなどといった課題がある。
また、前記従来の酸化剤ガスの供給を停止した状態でセルを発電させ、ガス流路6cの酸素を消費させてからガス流路6cに不活性ガスをパージする方法では、ガス流路6cに消費しきれず残留した酸素や、拡散やリークなどにより混入する空気の影響により、電極4cが酸化され、劣化するという課題があった。また、発電して強制的に酸素を消費させるので電極4cの電位が一様でなく、停止させる毎にカソードの活性化状況が異なり、起動時の電池電圧がばらつくといった課題があった。
また、アノードより空気が存在するカソードにリークする水素によりカソード電極の性能を向上させようとするものは、酸素と水素の混合により電位が不安定となり、カソードの性能の向上にばらつくと言った課題がある。
また、カソードに水素を流すことによりカソード電極の性能を向上させようとするものは、発電に使用しない水素の割合が増加し、エネルギー当たりの発電効率が低下する課題がある。
また、パージを行う不活性ガスとして窒素ガスを用いるものは窒素ガスボンベなど、特別な装置が必要となる課題がある。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、燃料電池の電圧が高いときおよび燃料電池の停止時に、燃料電池に残留した酸化剤ガスを不活性ガスで置換することにより、電極の酸化または溶解を防ぎ、長期間寿命を維持できる燃料電池システムおよび燃料電池システムの運転方法を提供することを目的とする。また、エネルギー当たりの発電効率が高く、長期間寿命を維持できる燃料電池の運転方法を提供することを第2の目的とする。さらに、アノードからリークする水素によるカソード電極の性能向上を確実に行い、長期間寿命を維持できる燃料電池の運転方法を提供することを第3の目的とする。さらに、窒素ガスボンベなどの特別な装置を用いず簡単な構成で燃料電池に対して不活性ガスを供給できることを第4の目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、停止時に、酸化剤ガスの供給を停止し、燃料電池内部の酸化剤ガスを燃料電池に対し不活性なガスでパージし、不活性なガスと燃料ガスを燃料電池内部にためたまま停止させるものである。
これによって、停止時でも各電極の電位は水素ガスの電位に近くなり、開回路状態でも高電位とならず、停止時の劣化を減少させることができる。さらに、停止中に不活性ガスを追加することにより、停止時の圧力や電位の変化を防ぐことができ、起動と停止を行っても高耐久な燃料電池システムを実現することができる。
本発明の燃料電池システムとその運転方法は、停止時に酸化剤ガスを燃料電池に対して不活性なガスで置き換えることにより、起動と停止を行っても、電極の酸化または溶解による劣化を抑制することができ、燃料電池システムの長寿命化を図ることができる。
第1の発明は、電解質と、電解質を挟む一対の電極と、電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給・排出し、他方に酸素を含有する酸化剤ガスを供給・排出するガス流路を有する一対のセパレータとを具備した燃料電池と、原料ガスから燃料電池に供給する燃料ガスを生成する燃料生成器と、燃料電池に悪影響を与える成分を原料ガスから除去するガス清浄部と、燃料電池から電力を取り出す電力回路部と、燃料電池の電圧を測定する電圧測定部と、ガスや電力回路部などを制御する制御部とを有する燃料電池システムにおいて、燃料電池の停止時に、燃料ガスと酸化剤ガスの供給を停止し、燃料電池内部の酸化剤ガスを燃料電池に対し不活性なガスで一部または全部を置き換える燃料電池システムとすることにより、停止中の燃料電池の内部には酸素が存在しない、または酸素が少ない状態になるので、アノード電極は水素の電位(水素電極比約0V)、カソード極もアノードから拡散してくる水素により水素の電位となり、両極とも電位を低く保つことができるので、停止による性能低下を抑制することができるのである。
第2の発明は、特に、第1の発明の燃料電池システムを、燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給経路および排出経路に遮断弁を備え、燃料電池の停止時に燃料ガスと酸化剤ガスの供給を停止し、燃料電池内部の酸化剤ガスを燃料電池に対し不活性なガスで一部または全部を置換して、遮断弁を閉じ、燃料ガスおよび燃料電池に対して不活性なガスを燃料電池内に封入できる燃料電池システムとすることにより、停止中は燃料電池内部と外部のガスの流れが遮断されているため、長期間停止させても燃料電池の電極の電位は低く保たれるので、停止による性能低下を抑制することができるのである。
第3の発明は、特に、第1の発明または第2の発明の燃料電池システムを酸化剤ガスおよび原料ガスの通過経路に加湿器を設け、加湿した酸化剤ガスおよび原料ガスを燃料電池に供給することができる燃料電池システムとすることにより、酸化剤ガスを一部または全部を置き換える不活性ガスとして、ガス清浄部で燃料電池に悪影響を与える成分を除去した原料ガスを使用する場合に、加湿した原料ガスを燃料電池内部に流すことができ、電解質の乾燥を防ぐことができるので、停止中に発生する電解質の乾燥による性能の低下を抑制することができるのである。
第4の発明は、電解質と、電解質を挟む一対の電極と、電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給・排出し、他方に酸素を含有する酸化剤ガスを供給・排出するガス流路を有する一対のセパレータとを具備した燃料電池と、原料ガスから燃料電池に供給する燃料ガスを生成する燃料生成器と、燃料電池に悪影響を与える成分を原料ガスから除去するガス清浄部と、燃料電池から電力を取り出す電力回路部と、燃料電池の電圧を測定する電圧測定部と、ガスや電力回路部などを制御する制御部とを有する燃料電池システムにおいて、燃料電池の電圧が0.88Vを超えると燃料ガスと酸化剤ガスの供給を停止し、燃料電池内部の酸化剤ガスを燃料電池に対し不活性なガスで一部または全部を置き換える燃料電池システムの運転方法とすることにより、燃料電池の各電極の電位を必ず(水素電極比で)0.88V以下とすることができるので、Ptなどの触媒の酸化および溶解を防ぐことができるので、性能を長期間維持することができるのである。
第5の発明によれば、電解質と、電解質を挟む一対の電極と、電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給・排出し、他方に酸素を含有する酸化剤ガスを供給・排出するガス流路を有する一対のセパレータとを具備した燃料電池と、原料ガスから燃料電池に供給する燃料ガスを生成する燃料生成器と、燃料電池に悪影響を与える成分を原料ガスから除去するガス清浄部と、燃料電池から電力を取り出す電力回路部と、燃料電池の電圧を測定する電圧測定部と、ガスや電力回路部などを制御する制御部とを有する燃料電池システムにおいて、燃料電池の停止時に、燃料ガスと酸化剤ガスの供給を同時または燃料ガスを停止した後酸化剤ガスを停止し、燃料電池内部の酸化剤ガスを燃料電池に対し不活性なガスで一部または全部を置き換える燃料電池システムの運転方法とすることにより、アノード電極は水素が満たされているので(水素電極比)約0Vの電位となり、カソード電極は経路の圧力を低下させるまたはブロワーの慣性による酸化剤ガス供給があっても、不活性ガスで置き換えた後は、アノードから拡散してくる水素によりカソード電極の電位は(水素電極比で)約0Vとなりので、停止を行っても性能の低下を抑制できるのである。また、燃料ガスを酸化剤ガスよりも先に停止することにより、発電に使用しない水素の使用量を最小化できるので、よりエネルギー当たりの発電効率の高い燃料電池システムが実現できるのである。
第6の発明によれば、電解質と、電解質を挟む一対の電極と、電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給・排出し、他方に酸素を含有する酸化剤ガスを供給・排出するガス流路を有する一対のセパレータとを具備した燃料電池と、原料ガスから燃料電池に供給する燃料ガスを生成する燃料生成器と、燃料電池に悪影響を与える成分を原料ガスから除去するガス清浄部と、燃料電池から電力を取り出す電力回路部と、燃料電池の電圧を測定する電圧測定部と、ガスや電力回路部などを制御する制御部とを有する燃料電池システムにおいて、燃料電池の停止時に、酸化剤ガスの供給を停止した後、燃料ガスの供給を停止し、燃料電池内部の酸化剤ガスは燃料電池に対し不活性なガスで一部または全部を置き換える燃料電池システムの運転方法とすることにより、カソードが不活性ガスで酸化剤ガスを置き換えている少なくとも最初の間はアノードに水素が流れているので、カソードから酸素がアノードに拡散してもアノード電極の電位はまったく変化を受けず(水素電極比)約0Vを維持し、カソードには十分な量の水素が拡散するので、カソード電極の電位をすばやく確実に(水素電極比)約0Vに低下させることができるので、カソード電極の性能向上を確実に起こすことができるので、停止を行っても性能の低下を抑制できるのである。
第7の発明によれば、電解質と、電解質を挟む一対の電極と、電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給・排出し、他方に酸素を含有する酸化剤ガスを供給・排出するガス流路を有する一対のセパレータと、燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給経路および排出経路に遮断弁を具備した燃料電池と、原料ガスから燃料電池に供給する燃料ガスを生成する燃料生成器と、燃料電池に悪影響を与える成分を原料ガスから除去するガス清浄部と、燃料電池から電力を取り出す電力回路部と、燃料電池の電圧を測定する電圧測定部と、ガスや電力回路部などを制御する制御部とを有する燃料電池システムにおいて、燃料電池の停止時に、燃料ガスは供給を停止した後、遮断弁で燃料電池内部に燃料ガスを封入し、酸化剤ガスは供給を停止し、燃料電池内部の酸化剤ガスは燃料電池に対し不活性なガスで一部または全部を置き換えた後、遮断弁で不活性なガスを封入し、一定時間後に、燃料ガス封入部および不活性ガス封入部に不活性ガスを注入する燃料電池システムの運転方法とすることにより、停止中に燃料電池内部のガスが結露や収縮または残留している酸素と水素の反応により体積が減少して内部の圧力が負圧または、アノードとカソードの圧力に差が発生しても、燃料ガス封入部や不活性ガス封入部に不活性ガスを注入することにより、内部の圧力が負圧またはアノードとカソードの圧力差を解消することができるので、電解質等にかかる応力をなくすことができるので、停止を行っても性能の低下を抑制できるのである。さらに、不活性ガスの注入時に、燃料ガスまたは酸化剤ガスの排出経路の遮断弁を開けることにより、封入ガスを不活性ガスにより入れ替えることができる。燃料電池の停止中に、ガスケットやセパレーター材を介して空気中の酸素が徐々に進入してきても、燃料電池の外部に排出することができるのである。
第8の発明によれば、電解質と、電解質を挟む一対の電極と、電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給・排出し、他方に酸素を含有する酸化剤ガスを供給・排出するガス流路を有する一対のセパレータと、燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給経路および排出経路に遮断弁を具備した燃料電池と、原料ガスから燃料電池に供給する燃料ガスを生成する燃料生成器と、燃料電池に悪影響を与える成分を原料ガスから除去するガス清浄部と、燃料電池から電力を取り出す電力回路部と、燃料電池の電圧を測定する電圧測定部と、燃料電池の内部の圧力を測定する圧力測定部と、ガスや電力回路部などを制御する制御部とを有する燃料電池システムにおいて、燃料電池の停止時に、燃料ガスは供給を停止した後、遮断弁で燃料電池内部に燃料ガスを封入し、酸化剤ガスは供給を停止し、燃料電池内部の酸化剤ガスは燃料電池に対し不活性なガスで一部または全部を置き換えた後、遮断弁で不活性なガスを封入し、燃料電池の内部の圧力が一定以上変化した時は、燃料ガス封入部および不活性ガス封入部に不活性ガスを注入または遮断弁を開け燃料電池内部の空間を外部に開放する燃料電池システムの運転方法とすることにより、停止中に燃料電池内部のガスが結露や収縮または残留している酸素と水素の反応により体積が減少して内部の圧力が負圧または、アノードとカソードの圧力に差が発生しても、燃料ガス封入部や不活性ガス封入部に不活性ガスを注入することにより、内部の圧力が負圧またはアノードとカソードの圧力差を確実に解消することができるので、電解質等にかかる応力をなくすことができるので、停止を行っても性能の低下を抑制できるのである。さらに、不活性ガスの注入時に、燃料ガスまたは酸化剤ガスの排出経路の遮断弁を開けることにより、封入ガスを不活性ガスにより入れ替えることができ、燃料電池の停止中に、ガスケットやセパレーター材を介して空気中の酸素が徐々に進入してきても、燃料電池の外部に排出することができるのである。
第9の発明によれば、電解質と、電解質を挟む一対の電極と、電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給・排出し、他方に酸素を含有する酸化剤ガスを供給・排出するガス流路を有する一対のセパレータと、燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給経路および排出経路に遮断弁を具備した燃料電池と、原料ガスから燃料電池に供給する燃料ガスを生成する燃料生成器と、燃料電池に悪影響を与える成分を原料ガスから除去するガス清浄部と、燃料電池から電力を取り出す電力回路部と、ガスや電力回路部などを制御する制御部とを有する燃料電池システムにおいて、燃料電池の停止時に、燃料ガスは供給を停止した後、遮断弁で燃料電池内部に燃料ガスを封入し、酸化剤ガスは供給を停止し、燃料電池内部の酸化剤ガス経路には燃料電池に対し不活性なガスを流し、燃料電池の電圧が所定の電圧になった後、遮断弁で不活性なガスを封入する燃料電池システムの運転方法とすることで、アノード電極は確実に(水素電極比で)約0Vに保つことができ、電圧はカソードの電位を検出することができ、カソードの電位を所定の電位になるまで確実に不活性ガスで置き換えることができるので、停止を行っても性能の低下を抑制できるのである。
第10の発明によれは、特に、第1〜9のいずれかの発明を、燃料電池に対して不活性なガスとして、燃料電池に悪影響を与える成分ガス清浄部で除去した原料ガスを用いる燃料電池システムまたは燃料電池システムの運転方法とすることにより、ボンベなど特別な装置を持つことなく、簡単に不活性ガスで酸化剤ガスを置換することができるので、簡単な構成で停止を行っても性能の低下を抑制できるのである。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施例1における燃料電池の中でも高分子電解質型燃料電池の基本構成を示している。燃料電池は、少なくとも水素を含む燃料ガスと空気などの酸素を含む酸化剤ガスをガス拡散電極によって電気化学的に反応させるもので、電気と熱とを同時に発生させるものである。電解質1は水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜等が利用させる。電解質1の両面には、白金系の金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒反応層2を密着して配置してある。この触媒反応層2aと2cで(化学式1)と(化学式2)に示す反応が発生する。少なくとも水素を含む燃料ガスは(式1)に示す反応(以降、アノード反応と称する)し、電解質1を介して移動した水素イオンは、酸化剤ガスと触媒反応層2で(式2)に示す反応(以降、カソード反応と称する)により、水を生成し、このとき電気と熱を生ずる。水素などの燃料ガスの関与する側をアノードと呼び、図ではaを付け表し、空気などの酸化剤ガスの関与する側をカソードと呼び、図ではCを付け表した。さらに触媒反応層2aと2cの外面には、ガス通気性と導電性を兼ね備えた拡散層3aと3cをそれぞれこれに密着して配置する。この拡散層3aと触媒反応層2aにより電極4aを、拡散層3cと触媒反応層2cにより電極4cを構成する。電極電解質接合体(以降、MEAと称する)5は、電極4aと4cと電解質1とで形成している。MEA5は、MEA5を機械的に固定するとともに、隣接するMEA5同士を互いに電気的に直列に接続し、さらに電極に反応ガスを供給し、かつ反応により発生したガスや余剰のガスを運び去るためのガス流路6aと6cをMEA5に接する面に形成した一対の導電性セパレータ7aと7cを配置する。電解質1と、1対の触媒反応層2aと2cと、一対の拡散層3aと3cと、一対の電極4aと4cと、一対のセパレータ7aと7cで基本の燃料電池(以降、セルと称する)を形成する。セパレータ7aと7cにはMEA5とは反対の面に、隣のセルのセパレータ7cと7aが接する。セパレータ7aと7cが接する側には冷却水通路8が設けられており、ここに冷却水9が流れる。冷却水9はセパレータ7aと7cを介してMEA5の温度を調整するように熱を移動させる。MEA5とセパレータ7aまたは7cはMEAガスケット10で封止され、セパレータ7aと7cはセパレータガスケット11で封止される。
電解質1には固定電荷を有しており、固定電荷の対イオンとして水素イオンが存在している。電解質1には水素イオンを選択的に透過させる機能が求められるが、そのためには電解質1が水分を保持していることが必要である。電解質1は水分を含むことにより、電解質1内に固定されている固定電荷が電離し、固定電荷の対イオンである水素がイオン化し、移動できるようになるからである。
図2はセルを積層したものでスタックと呼ばれる。燃料電池セルの電圧は通常0.75v程度と低いために、セルを直列に複数個積層し、高電圧と成るようにしている。スタックから外部には一対の集電板21から電流が取り出され、一対の絶縁板22によりセルと外部を電気的に絶縁され、一対の端板23により、セルを積層したスタックは締結され、機械的に保持される。
図3は燃料電池システムの構成図である。燃料電池システムは外筐体31に納められている。外部から原料ガス配管33から取り入れられた原料ガスは燃料電池に悪影響を与える物質を除去するガス清浄部32で清浄化された後、清浄ガス配管36を介して燃料生成器35に導かれる。原料ガス配管33の経路中には弁34が設けられており、原料ガスの流れを制御する。燃料生成器35は、原料ガスから少なくとも水素を含む燃料ガスを生成する。38はスタックであり、図1および図2で詳細が示される燃料電池およびスタックである。燃料生成器35からスタック38には燃料ガス配管37を介して燃料ガスが導かれる。酸化剤ガスとしての空気はブロワー39により、外部から吸気管40を通してスタック38に導かれる。スタック38で使用されなかった酸化剤ガスは排気管42から燃料電池システムの外に排出される。燃料電池は水分が必要なため、スタック38に流れ込む酸化剤ガスは、加湿器41で加湿される。スタック38で使用されなかった燃料ガスはオフガス管48により再び、燃料生成器35に流れ込む。オフガス管48からのガスは燃焼などに用いられ、原料ガスから燃料ガスを生成するための吸熱反応等に利用される。清浄ガス配管36には分配弁61が設けられ、吸気管40中にも分配弁56が設けられている。分配弁61と分配弁56はバイパス管55につながっている。分配弁61はガス清浄部32で浄化された後の原料ガスを燃料生成器35側に流すガス量と、バイパス管55の側に流すガス量とを調節し、分配弁56はブロワー39から送り込まれた酸化剤ガスと、バイパス管55から送られてきた浄化された後の原料ガスを任意の比率で混合しスタック38に送ることができる。燃料ガス配管37には遮断弁49が設けられており、スタック38の燃料ガスの供給経路のガスの流れを遮断する。オフガス管48には遮断弁51が設けられており、スタック38の燃料ガスの排出経路のガスの流れを遮断する。遮断弁57は加湿器41からスタック38への酸化剤ガスの供給経路に設けられており、スタック38の酸化剤ガスの供給経路のガスの流れを遮断する。遮断弁58はスタック38から酸化剤ガスの排出経路に設けられており、スタック38の酸化剤ガスの排出経路のガスの流れを遮断する。遮断弁49とスタック38の燃料ガス供給経路中には圧力計59が設けられており、燃料ガス供給経路およびスタック38中の燃料ガス経路の圧力が計測される。遮断弁57とスタック38の酸化剤ガス供給経路中には圧力計60が設けられており、酸化剤ガス供給経路およびスタック38中の酸化剤ガス経路の圧力が計測される。燃料電池スタック38の電圧は電圧測定部52で計測され、電力は電力回路部43により取り出され、ガスや電力回路部などは制御部44で制御される。ポンプ45より、冷却水入り口配管46から燃料電池スタック38の水経路に水が流され、燃料電池38を流れた水は冷却水出口配管47から外部に水が運ばれる。燃料電池のスタック38を水が流れることにより、発熱したスタック38を一定の温度に保ちながら、発生した熱を燃料電池システム外部で利用できるようになるのである。燃料電池システムは燃料電池からなるスタック38と、ガス清浄部32と、燃料生成器35と、電力回路部43と、制御部44とより構成されている。
基本動作を説明する。図3において、弁34が開となり、原料ガス配管33から原料ガスがガス清浄部32に流れ込む。原料ガスとしては天然ガス、プロパンガスなど炭化水素系のガスを使用することが出来るが、本実施例としてはメタン、エタン、プロパン、ブタンガスの混合ガスである都市ガスの13Aを用いた。ガス清浄部32としては、特にTBM(ターシャリブチルメルカプタン)、DMS(ジメチルサルファイド)、THT(テトラヒドロチオフィン)等のガス付臭剤の除去の除去を行う部材を用いている。付臭剤などの硫黄化合物は燃料電池の触媒に吸着し、触媒毒となり反応を阻害するためである。燃料生成器35では(化学式9)に示す反応等により、水素が生成される。同時に発生する一酸化炭素は、(化学式10)に示されるようなシフトか反応と(化学式11)に示されるような一酸化炭素選択酸化反応により、10ppm以下となるように除去される。
Figure 2005071778
Figure 2005071778
Figure 2005071778
ここで、水を反応に必要な最低限量以上を入れると、水素と水分を含む燃料ガスが作成し、燃料ガス配管37を介して燃料電池のスタック38に流れ込む。酸化剤ガスはブロワー39により加湿器41を通った後、スタック38に流れ込む。酸化剤ガスの排ガスは排気管42により外部に排出される。加湿器41として、温水に酸化剤ガスを流すものや、酸化剤ガス中に水を吹き込むもの等が使用できるが、本実施例では全熱交換型を使用した。これは、排ガス中の水と熱が加湿器41を通過する際に、吸気管40から運ばれ原料となる酸化剤ガス中に移動させるものである。冷却水は、ポンプ45より冷却水入り口配管46から燃料電池スタック38の水経路に流された後、冷却水出口配管47から外部に水が運ばれる。本図では図示されていないが、冷却水入り口配管45や冷却水出口は移管47には、通常給湯器などの熱を溜めるまたは利用する機器などが接続されている。燃料電池のスタック38で発生する熱を取りだし、給湯等に利用できるようになるのである。スタック38での発電は、電圧測定部52で電圧が測定され、十分発電が行われていると制御部44が判断すると、電力回路部43により電力が取り出される。電力回路部43ではスタック38から取り出した直流の電力を、交流へと変換し、家庭等で利用されている電力線にいわゆる系統連系で接続される。スタック38内での燃料電池の動作を図1を用いて説明する。ガス流路6Cに空気などの酸素含有ガスを流し、ガス流路6aに水素を含む燃料ガスを流す。燃料ガス中の水素は拡散層3aを拡散し、触媒反応層2aに達する。触媒反応層2aで水素は水素イオンと電子に分けられる。電子は外部回路を通じてカソード側に移動される。水素イオンは電解質1を透過しカソード側に移動し触媒反応層2Cに達する。空気などの酸化剤ガス中の酸素は拡散層3Cを拡散し、触媒反応層2Cに達する。触媒反応層2Cでは酸素が電子と反応し酸素イオンとなり、さらに酸素イオンは水素イオンと反応し水が生成される。つまりMEA5の周囲で酸素含有ガスと燃料ガスが反応し水が生成され、電子が流れる。さらに反応時に熱が生成し、MEA5の温度が上昇する。そのため冷却水経路8a、8cに水などを流すことにより反応で発生した熱を水で外部に運び出す。つまり、熱と電流(電気)が発生するのである。このとき、導入されるガスの湿度と反応で発生する水の量の管理が重要である。水分が少ないと電解質1が乾燥し、固定電荷の電離が少なくなるために水素の移動が減少するので、熱や電気の発生が小さくなる。一方水分が多すぎると、MEA5の周りまたは触媒反応層2a、2cの周囲に水が溜まってしまい、ガスの供給が阻害され反応が抑制されるため、熱と電気の発生が減少してしまう。(以降、この状態をフラッティングと称する。)
燃料電池のセルで反応した後の動作について図3を用いて説明する。酸化剤ガスの使用されなかった排ガスは加湿器41を介し、熱と水分をブロワー39から送られてきた酸化剤ガスに移動させた後、外部へ排出される。燃料ガスの使用されなかったオフガスはオフガス管48により再び、燃料生成器35に流れ込む。オフガス管48からのガスは燃料生成器35中では燃焼などに用いられる。原料ガスから燃料ガスを生成するための反応は(化学式9)で示されるように吸熱反応であるため、反応に必要な熱として利用されるのである。電力回路43は燃料電池が発電を開始した後スタック38から直流の電力を引き出す役割をする。制御部44は燃料電池システムの他の部分の制御を最適に保つよう制御するものである。燃料電池の運転を停止したい場合は、分配弁56と分配弁61を動作させ、ガス浄化部32で浄化した後の原料ガスをスタック38へ流し込むのである。本実施例では図1において、MEA5は以下のように作成した。
炭素粉末であるアセチレンブラック(電気化学工業(株)製のデンカブラック、粒径35nm)を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製のD1)と混合し、乾燥重量としてPTFEを20重量%含む撥水インクを調製した。このインクを、ガス拡散層の基材となるカーボンペーパー(東レ(株)製のTGPH060H)の上に塗布して含浸させ、熱風乾燥機を用いて300℃で熱処理し、ガス拡散層(約200μm)を形成した。
一方、炭素粉末であるケッチェンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル(株)製のKetjen Black EC、粒径30nm)上にPt触媒を担持させて得られた触媒体(50重量%がPt)66重量部を、水素イオン伝導材かつ結着剤であるパーフルオロカーボンスルホン酸アイオノマー(米国Aldrich社製の5重量%Nafion分散液)33重量部(高分子乾燥重量)と混合し、得られた混合物を成形して触媒層(10〜20μm)を形成した。
上述のようにして得たガス拡散層と触媒層とを、高分子電解質膜(米国DuPont社のNafion112膜)の両面に接合し、MEA5を作製した。
つぎに、以上のように作製したMEA5の電解質1の外周部にゴム製のガスケット板を接合し、冷却水、燃料ガスおよび酸化剤ガス流通用のマニホールド穴を形成した。
一方、20cm×32cm×1.3mmの外寸を有し、かつ深さ0.5mmのガス流路および冷却水流路を有する、フェノール樹脂を含浸させた黒鉛板からなる導電性のセパレータ板7を用いた。
本実施例の詳細と運転方法を図4のフローチャートを用い説明する。本実施例では不活性ガスとして、ガス清浄部32により清浄化された燃料ガスを用いた。燃料ガスの主成分はメタンガスであるので、本実施例中で使用する高分子電解質型の燃料電池にとっては反応性がほとんどないため不活性ガスとして扱えるのである。まず、図3の燃料電池システムで発電と発熱を行う(運転工程)とした。(運転工程)では、原料ガスは都市ガスの13Aガス、酸化剤ガスとしては空気をそれぞれ用いた。燃料電池スタック38の温度は70℃、燃料ガス利用率(Uf)は70%、酸素利用率(Uo)は40%の条件とした。燃料ガスおよび空気は、それぞれ65℃および70℃の露点を有するように加湿し、電力回路部43から電力としてある電圧の電流を取り出した。電流は電極の見かけ面積に対して、0.2A/cm2の電流密度となるように調整した。冷却水入り口配管46および冷却水出口配管47には図示されていないが、貯湯タンクが取り付けてある、冷却水入り口配管46中の水の温度は70℃、冷却水出口配管47中の水の温度は75℃となるようにポンプ45を調節した。他のそれぞれの条件は以下のようにした。(運転工程)の次は(停止工程1)を行った。(停止工程1)では、まず遮断弁49を閉じスタック38へ燃料ガスの供給を停止させるか、または燃料ガスのスタックへの供給の停止と同時にブロワー39を停止させ、分配弁61で浄化後の燃料ガスをすべてバイパス管55に流れるようにし、分配弁57でスタック38に流れ込むガスはバイパス管55からのガスがすべてになるように調節する。これにより酸化剤ガスは不活性ガスとしての原料ガスに置換されるのである。本実施例では、置換する原料ガスは置換すべき体積に対して2〜5倍とした。これは以下の計算による。
置換すべき体積をV(L)、置換するガスの流量をv(L/min)、酸化剤ガスの目的成分の初期濃度をco、t(min)時間後の濃度をcとすると、(計算式1)で表されるように微小時間dtの間に体積V中の濃度変化dcは、微小時間dtの間に置換ガスによって押し出される目的成分の量と等しくなる。
Figure 2005071778
両辺に−1をかけた後、両辺の対数をとると、(計算式2)となる。
Figure 2005071778
整理すると(計算式3)となり、積分を行うと(計算式4)となる。ここでxは積分定数である。
Figure 2005071778
Figure 2005071778
(計算式4)は(計算式5)のように、書き換えられる。
Figure 2005071778
ここで、t=0のとき、c=coとなるので、(計算式5)に代入すると(計算式6)となる。
Figure 2005071778
よって、(計算式6)を(計算式5)に代入し、(計算式7)となる。
Figure 2005071778
(計算式7)で、v・t/V は置換するガスの体積は置換すべき体積の何倍となるかをあらわす。2倍で86%以上が置換され、5倍で99.3%以上が置換されることになる。置換ガスの体積が2倍以下では、酸化剤ガスの残る量が多くなり、5倍より多くなると置換ガスが無駄になるのからである。(停止工程1)では燃料ガスの供給を酸化剤ガスの供給停止よりも早く、または同時に停止させるので、燃料ガスを無駄にすることなくより燃料エネルギーあたりの発電効率を高くすることができるのである。置換ガスが所定量流れた後は、(停止工程2)となる。つまり、弁34が閉じ、全体が停止するのである。スタック38からの電流の引き抜きは(停止工程1)のブロワー39の停止と同じでも良いが、所定電圧で電力回路部43を制御するようにしても良い。本実施例ではスタック38の単セルあたりの電圧が0.5V以上の時は電力回路部43で電流を引き抜き、0.5V未満の時は電流を引き抜かないように制御した。(停止工程2)で停止させておくと、触媒反応層2aは水素を含むガスで満たされるので電位は(水素電極比)0Vとなる。触媒反応層2cには不活性ガスである原料ガスが満たされているが、電解質1を介して水素が拡散してくるので電位は(水素電極比)0Vとなる。よって、両極とも酸化や溶解の発生する高電位になることなく、停止ができるので、劣化が少なく、長期間性能を維持できるのである。なお、本実施例では、不活性ガスとして、ガス清浄部で清浄化した原料ガスを用いた。これは、原料ガスを用いるため、特別な装置がなくとも作り出せることができるので便利であるが、窒素ガスボンベ等を搭載し、窒素ガスなどの不活性ガスを用いても、同じ効果が得られる。また、本実施例では、酸化剤ガスおよび燃料ガスの通過経路に設けた加湿器41で、不活性ガスとしての原料ガスを加湿した。酸化剤ガスおよび燃料ガスの共通の通過経路に加湿器41を設けたことで、一つの加湿器異なるガスの加湿ができ、より効果的である。また、不活性ガスとしての原料ガスは加湿をした。無加湿でもスタック38に供給する体積が比較的少なければ影響はわずかであるが、供給する体積が大きいと電解質1を乾燥させ、水素イオンの透過性を減少させてしまうので、本実施例では加湿した。
(実施の形態2)
本実施の形態の運転方法を図5のフローチャートを用い説明する。基本的な構成や動作は実施の形態1と同じである。詳細な運転方法を以下に示す。(運転工程)は実施の形態1と同じである。次に(停止工程1)を行った。(停止工程1)では、まずブロワー39を停止させるとともに、分配弁61で浄化後の燃料ガスをバイパス管55と清浄ガス配管36のいずれにも流れるようにし、分配弁56でスタック38に流れ込むガスはバイパス管55からのガスがすべてになるように調節する。これにより燃料ガスはスタック38に流れたまま、スタック38内の酸化剤ガスは不活性ガスとしての原料ガスに置換されるのである。所定時間後(停止工程2)にうつる。(停止工程2)では、遮断弁57と58を閉じ、スタック38内部に不活性ガスとしての原料ガスを封入する。(停止工程2)では、燃料ガスは供給されているので水素も供給されている。原料ガスは封入されているので、燃料ガスから電解質1を拡散して原料ガス側に移動した水素は触媒反応層2c付近で滞留する。これにより、電極4cの電位はより早く、確実に下げることができるので、より確実に電極の劣化を抑えることができる。(停止工程2)はあらかじめ定められた時間行っても良いが、本実施例ではスタックの単セルあたりの電圧が0.1V以下となったあと、(停止工程3)にうつることとした。本実施例の(停止工程2)では電極4aは常に0Vであるので、セルの電圧が電極4cの電位に等しい。電極4cが0.1Vとなると、拡散した水素で電極4cの電位は確実に下がったと言えるからで、燃料ガスを過不足なく利用できるので、エネルギーあたりの発電効率が高くなるのである。次の(停止工程3)では遮断弁49と51を閉じスタック内に燃料ガスを封入する。本実施例では、燃料ガスおよび原料ガスは遮断弁で封入されているため、(停止工程3)の状態では対流等によりガスの出入りがないので、電極4aと4cの電位を低いまま保持できるため、より酸化や溶解による劣化が少ないので、より長期間性能を維持することができるのである。さらに(停止工程4)にうつる。遮断弁49、51、57および58によりスタック38は外部とガスの対流等による出入りは無いが、わずかに酸素等が外部から拡散してくる。そこで、一定時間ごとに、ガス清浄部32により清浄化した原料ガスを、分配弁61により、バイパス管55と清浄ガス配管36のいずれにも流す。ここで、遮断弁57と58をわずかに開き、バイパス館55を通過した原料ガスをスタック38に送り込み、封入してあるガスとわずかに入れ替える。清浄ガス配管36を通過した原料ガスは燃料生成器35に送り込まれるが、燃料生成器35で反応が起きない構成または温度になるよう一定時間を選択することにより、原料ガスのまま燃料生成器35を通過させることができる。ここで、遮断弁49と51をわずかに開き、封入してある燃料ガスを原料ガスでわずかに置き換える。これにより、封入中に外部から拡散等で進入してきた酸素等のガス濃度を低減させることができ、電極4aと4cの電位上昇を長期間抑えることができるので、長期停止中でも電極4aと4cの酸化または溶解による劣化を抑制でき、長期間性能が維持することができるのである。
(実施の形態3)
本実施の形態の運転方法を図6のフローチャートを用い説明する。基本的な構成や動作は実施の形態1または2と同じである。詳細な運転方法を以下に示す。発電および発熱を行う(運転工程)の基本条件は実施の形態1と同じである。ここで、電力回路部43でスタック38から引き抜かれる電流は、家庭等での電力の消費の大小に従って、制御部44で制御される。燃料電池システムから発電される電力を消費しなくなると、スタック38から引き抜かれる電流が減少するため、電圧が上昇する。電圧が0.88Vを超えると電極4cの酸化や溶解が発生してしまうので、(停止工程1)にうつる。つまり電圧が0.88Vを超える状態での運転を無くすことができるので、長期間性能を維持できるのである。(停止工程1)ではまずブロワー39を停止させるとともに、分配弁61で浄化後の燃料ガスをバイパス管55と清浄ガス配管36のいずれにも流れるようにし、分配弁57でスタック38に流れ込むガスはバイパス管55からのガスがすべてになるように調節する。これにより燃料ガスはスタック38に流れたまま、スタック38内の酸化剤ガスは不活性ガスとしての原料ガスに置換されるのである。所定時間後(停止工程2)にうつる。(停止工程2)では、原料ガスを流したまま、遮断弁49と51を閉じ、スタック38に燃料ガスを封入する。これにより、燃料ガスの使用を少なくすることができる。さらに(停止工程3)にうつる。遮断弁57と58を閉じ、スタック38内部に不活性ガスとしての原料ガスを封入する。燃料ガスから電解質1を拡散して原料ガス側に移動した水素は触媒反応層2c付近で滞留する。これにより、電極4cの電位は確実に下げることができるので、確実に電極の劣化を抑えることができる。(停止工程3)の状態では対流等によりガスの出入りがないので、電極4aと4cの電位を低いまま保持できるため、酸化や溶解による劣化が少ないので、長期間性能を維持することができるのである。さらに(停止工程4)にうつる。
(停止工程4)では圧力計59と60の変化をモニタリングしている。遮断弁49、51、57と58が閉じているため、スタックの温度が低下するなどで、封入されているガス中の湿度成分が結露などを起こすとガスの体積が減少し、内部が負圧になる。スタック38の内部の圧力が負圧になると、空気等のガスが進入しやすくなるだけでなく、電解質1や様々なガスケットが破損してしまう可能性がある。そこで、圧力計59と60で計測される値が一定以上変化すると、遮断弁49または57を開き原料ガスを追加する。本実施の形態では圧力が50KPa変化したとき動作するようにした。停止中スタック38に原料ガスを流す動作は実施の形態2と同じである。スタック38の内部の圧力が所定値となると遮断弁49または57を閉じ、再びガスを封入するのである。燃料ガスに原料ガスを追加すると水素濃度は減少するが、酸素等の高電位を示すガスの進入を排除しているため、電極4aおよび4cの電位は低いまま維持できる。これにより、電極酸化や溶解による劣化を抑えるだけでなく、圧力変化によるスタック38の構成材料の破損も防ぐことができるので、高性能を長期間維持できるのである。
本発明の燃料電池システムとその運転方法は、起動停止による劣化の抑制または耐久性の向上という効果を有し、高分子電解質膜を用いた発電装置、デバイスに有用である。
また、不活性ガスに都市ガスなどの原料ガスを用いるので、定置用燃料電池コジェネレーションシステムに有用である。
本発明の実施の形態1、2、3と従来例における燃料電池の単電池の一部を示す構造図 本発明の実施の形態1、2、3と従来例における燃料電池を積層したスタックの構造図 本発明の実施の形態1、2、3における燃料電池システムを示す構成図 本発明の実施の形態1における燃料電池システムの運転方法を示すフローチャート 本発明の実施の形態2における燃料電池システムの運転方法を示すフローチャート 本発明の実施の形態3における燃料電池システムの運転方法を示すフローチャート 従来例における燃料電池システムを示す構成図
符号の説明
1 電解質
2a 触媒反応層(アノード側)
2c 触媒反応層(カソード側)
3a 拡散層(アノード側)
3c 拡散層(カソード側)
4a 電極(アノード側)
4c 電極(カソード側)
7a セパレータ(アノード側)
7c セパレータ(カソード側)
32 清浄部
35 燃料生成器
41 加湿器
43 電力回路部
44 制御部
52 電圧測定部
49、51、57、58 遮断弁
59、60 圧力測定部

Claims (10)

  1. 電解質と、前記電解質を挟む一対の電極と、前記電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給・排出し、他方に酸素を含有する酸化剤ガスを供給・排出するガス流路を有する一対のセパレータとを具備した燃料電池と、原料ガスから燃料電池に供給する燃料ガスを生成する燃料生成器と、燃料電池に悪影響を与える成分を原料ガスから除去するガス清浄部と、燃料電池から電力を取り出す電力回路部と、燃料電池の電圧を測定する電圧測定部と、ガスや電力回路部などを制御する制御部とを有する燃料電池システムにおいて、燃料電池の停止時に、燃料ガスと酸化剤ガスの供給を停止し、燃料電池内部の酸化剤ガスを燃料電池に対し不活性なガスで一部または全部を置き換える燃料電池システム。
  2. 燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給経路および排出経路に遮断弁を備え、燃料電池の停止時に燃料ガスと酸化剤ガスの供給を停止し、燃料電池内部の酸化剤ガスを燃料電池に対し不活性なガスで一部または全部を置換して、前記遮断弁を閉じ、前記燃料ガスおよび燃料電池に対して不活性なガスを燃料電池内に封入できる請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 酸化剤ガスおよび原料ガスの通過経路に加湿器を設け、加湿した酸化剤ガスおよび原料ガスを燃料電池に供給することができる請求項1または2記載の燃料電池システム。
  4. 電解質と、前記電解質を挟む一対の電極と、前記電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給・排出し、他方に酸素を含有する酸化剤ガスを供給・排出するガス流路を有する一対のセパレータとを具備した燃料電池と、原料ガスから燃料電池に供給する燃料ガスを生成する燃料生成器と、燃料電池に悪影響を与える成分を原料ガスから除去するガス清浄部と、燃料電池から電力を取り出す電力回路部と、燃料電池の電圧を測定する電圧測定部と、ガスや電力回路部などを制御する制御部とを有する燃料電池システムにおいて、燃料電池の電圧が0.88Vを超えると燃料ガスと酸化剤ガスの供給を停止し、燃料電池内部の酸化剤ガスを燃料電池に対し不活性なガスで一部または全部を置き換える燃料電池システムの運転方法。
  5. 電解質と、前記電解質を挟む一対の電極と、前記電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給・排出し、他方に酸素を含有する酸化剤ガスを供給・排出するガス流路を有する一対のセパレータとを具備した燃料電池と、原料ガスから燃料電池に供給する燃料ガスを生成する燃料生成器と、燃料電池に悪影響を与える成分を原料ガスから除去するガス清浄部と、燃料電池から電力を取り出す電力回路部と、燃料電池の電圧を測定する電圧測定部と、ガスや電力回路部などを制御する制御部とを有する燃料電池システムにおいて、燃料電池の停止時に、燃料ガスと酸化剤ガスの供給を同時または燃料ガスを停止した後酸化剤ガスを停止し、燃料電池内部の酸化剤ガスを燃料電池に対し不活性なガスで一部または全部を置き換える燃料電池システムの運転方法。
  6. 電解質と、前記電解質を挟む一対の電極と、前記電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給・排出し、他方に酸素を含有する酸化剤ガスを供給・排出するガス流路を有する一対のセパレータとを具備した燃料電池と、原料ガスから燃料電池に供給する燃料ガスを生成する燃料生成器と、燃料電池に悪影響を与える成分を原料ガスから除去するガス清浄部と、燃料電池から電力を取り出す電力回路部と、燃料電池の電圧を測定する電圧測定部と、ガスや電力回路部などを制御する制御部とを有する燃料電池システムにおいて、燃料電池の停止時に、酸化剤ガスの供給を停止した後、燃料ガスの供給を停止し、燃料電池内部の酸化剤ガスは燃料電池に対し不活性なガスで一部または全部を置き換える燃料電池システムの運転方法。
  7. 電解質と、前記電解質を挟む一対の電極と、前記電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給・排出し、他方に酸素を含有する酸化剤ガスを供給・排出するガス流路を有する一対のセパレータと、燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給経路および排出経路に遮断弁を具備した燃料電池と、原料ガスから燃料電池に供給する燃料ガスを生成する燃料生成器と、燃料電池に悪影響を与える成分を原料ガスから除去するガス清浄部と、燃料電池から電力を取り出す電力回路部と、燃料電池の電圧を測定する電圧測定部と、ガスや電力回路部などを制御する制御部とを有する燃料電池システムにおいて、燃料電池の停止時に、燃料ガスは供給を停止した後、遮断弁で燃料電池内部に燃料ガスを封入し、酸化剤ガスは供給を停止し、燃料電池内部の酸化剤ガスは燃料電池に対し不活性なガスで一部または全部を置き換えた後、遮断弁で不活性なガスを封入し、一定時間後に、燃料ガス封入部および不活性ガス封入部に不活性ガスを注入する燃料電池システムの運転方法。
  8. 電解質と、前記電解質を挟む一対の電極と、前記電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給・排出し、他方に酸素を含有する酸化剤ガスを供給・排出するガス流路を有する一対のセパレータと、燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給経路および排出経路に遮断弁を具備した燃料電池と、原料ガスから燃料電池に供給する燃料ガスを生成する燃料生成器と、燃料電池に悪影響を与える成分を原料ガスから除去するガス清浄部と、燃料電池から電力を取り出す電力回路部と、燃料電池の電圧を測定する電圧測定部と、燃料電池の内部の圧力を測定する圧力測定部と、ガスや電力回路部などを制御する制御部とを有する燃料電池システムにおいて、燃料電池の停止時に、燃料ガスは供給を停止した後、遮断弁で燃料電池内部に燃料ガスを封入し、酸化剤ガスは供給を停止し、燃料電池内部の酸化剤ガスは燃料電池に対し不活性なガスで一部または全部を置き換えた後、遮断弁で不活性なガスを封入し、燃料電池の内部の圧力が一定以上変化した時は、燃料ガス封入部および不活性ガス封入部に不活性ガスを注入または遮断弁を開け燃料電池内部の空間を外部に開放する燃料電池システムの運転方法。
  9. 電解質と、前記電解質を挟む一対の電極と、前記電極の一方に少なくとも水素を含む燃料ガスを供給・排出し、他方に酸素を含有する酸化剤ガスを供給・排出するガス流路を有する一対のセパレータと、燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給経路および排出経路に遮断弁を具備した燃料電池と、原料ガスから燃料電池に供給する燃料ガスを生成する燃料生成器と、燃料電池に悪影響を与える成分を原料ガスから除去するガス清浄部と、燃料電池から電力を取り出す電力回路部と、ガスや電力回路部などを制御する制御部とを有する燃料電池システムにおいて、燃料電池の停止時に、燃料ガスは供給を停止した後、遮断弁で燃料電池内部に燃料ガスを封入し、酸化剤ガスは供給を停止し、燃料電池内部の酸化剤ガス経路には燃料電池に対し不活性なガスを流し、燃料電池の電圧が所定の電圧になった後、遮断弁で不活性なガスを封入する燃料電池システムの運転方法。
  10. 燃料電池に対して不活性なガスとして、燃料電池に悪影響を与える成分ガス清浄部で除去した原料ガスを用いる請求項1から9のいずれか1項記載の燃料電池システムまたは燃料電池システムの運転方法。
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