JP2005071763A - 燃料電池セパレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】 薄型化が可能な金属製プレートを使用しながら、炭素材料のような水の吸水・加湿を実現することのできる燃料電池用セパレータを提供する。
【解決手段】 金属プレート10は、左右両端部の平坦なスペース11を除いて、プレス加工等により複数のガス流路溝14が波板状に形成される。図の紙面側に形成したガス流路溝14により、紙面上方に配置された電極膜接合体50に反応ガスを供給する。金属セパレータ10の紙面裏側の流路溝(紙面表側からみれば畝)は冷却水通路となり、その両端部は、水分保持機能を有する封止部材15により封止され、反応ガス流路と冷却水流路とが分離されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 金属プレート10は、左右両端部の平坦なスペース11を除いて、プレス加工等により複数のガス流路溝14が波板状に形成される。図の紙面側に形成したガス流路溝14により、紙面上方に配置された電極膜接合体50に反応ガスを供給する。金属セパレータ10の紙面裏側の流路溝(紙面表側からみれば畝)は冷却水通路となり、その両端部は、水分保持機能を有する封止部材15により封止され、反応ガス流路と冷却水流路とが分離されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、燃料電池の隣接するセル間のガス流路を分離するとともに、各セルに反応ガスを供給する燃料電池セパレータに関する。
燃料電池システムは、燃料が有する化学エネルギを直接電気エネルギに変換する装置であり、電解質膜を挟んで設けられた一対の電極のうち一方のアノード(燃料極、負極)に水素を含有する燃料ガスを供給するとともに、他方のカソード(酸化剤極、正極)に酸素を含有する酸化剤ガスを供給し、これら一対の電極の電解質膜側の表面で生じる下記の電気化学反応を利用して電極から電気エネルギを取り出すものである。
(化1)
アノード反応:H2 → 2H+ + 2e- …(1)
カソード反応:2H+ + 2e- +(1/2)O2 → H2O …(2)
アノードに供給する燃料ガスは、水素貯蔵装置から直接供給する方法、水素を含有する燃料を改質して得た水素含有ガスを供給する方法が知られている。水素貯蔵装置としては、高圧ガスタンク、液化水素タンク、水素吸蔵合金タンク等がある。水素を含有する燃料としては、天然ガス、メタノール、ガソリン等が考えられる。カソードに供給する酸化剤ガスとしては、一般的に空気が利用されている。
アノード反応:H2 → 2H+ + 2e- …(1)
カソード反応:2H+ + 2e- +(1/2)O2 → H2O …(2)
アノードに供給する燃料ガスは、水素貯蔵装置から直接供給する方法、水素を含有する燃料を改質して得た水素含有ガスを供給する方法が知られている。水素貯蔵装置としては、高圧ガスタンク、液化水素タンク、水素吸蔵合金タンク等がある。水素を含有する燃料としては、天然ガス、メタノール、ガソリン等が考えられる。カソードに供給する酸化剤ガスとしては、一般的に空気が利用されている。
上記燃料電池において、各極に反応ガスを流し、またガス及び冷却水等の分離を行うセパレータが使用されることは公知であり、またセパレータの面上には凹凸構造の複雑なガス流路(冷却水の場合は冷却水流路)が施されていることも既に公知である。
このような従来技術の例としては、耐食性を向上させるために金属板の表面に貴金属層をクラッド化した後にプレス成形した金属製セパレータ(例えば、特許文献1)や、セパレータの親水性を高めるために、膨張黒鉛、成形用樹脂、高吸水性樹脂又は親水性樹脂を含む成形体のセパレータ(例えば、特許文献2)があった。
特開2002−260681号公報(第3頁)
特開2000−311695号公報(第4頁)
しかしながら、上記の従来のセパレータは、炭素を主成分とした複合材料からできており、金属を使用したセパレータに関しては、親水性を持たせたカーボン材料のような水分保持機能を備えることができず、セル内の水管理が難しいという問題点があった。
上記問題点を解決するため、本発明は、断面形状が波型となるように流路を形成したプレート部と該プレート部を保持する外枠部とを備えた燃料電池セパレータにおいて、前記プレート部の断面が波型となる端部をガスマニホルドに面させ、前記流路と前記ガスマニホルドとの少なくとも一部を水分保持機能を有する部材にて封止したことを要旨とする。
本発明によれば、水分保持機能を有する部材によりガス流路とマニホルドとの少なくとも一部を封止したことにより、この封止部材から供給ガスへの加湿を促進させることができる。この加湿により液滴の注入や高加湿のガスを入れる負担が低減できるため、燃料電池スタック外部の加湿器や加湿用の水タンク容量を減少し、燃料電池システムを小型軽量化することができるという効果がある。
図1は、本発明で使用した燃料電池セパレータ(以下、単にセパレータと呼ぶ)の基本構成を示す図面であり、(a)セパレータの組立説明図、(b)セパレータ平面図、(c)セパレータの断面図を含むスタック構成の説明図である。説明の便宜上、セパレータの縦横寸法に対して、ガス流路及び冷却水流路の幅及び深さを誇張して図示している。
図1(a)に示す金属プレート10は、左右両端部の平坦なスペース11を除いて、プレス加工等により複数のガス流路溝14が波板状に形成される。図1(a)の紙面側に形成したガス流路溝14により、紙面上方に配置された電極膜接合体(図1(c)の50)に反応ガスを供給するものとする。金属セパレータ10の紙面裏側の流路溝(紙面表側からみれば畝)は冷却水通路となり、その両端部は、封止部材15により封止され、反応ガス流路と冷却水流路とが分離されている。また封止部材15は、水分保持機能を有する部材である。
樹脂外枠部20は、金属プレート10の上下両端部との間に空隙を設けて、一対のガスマニホルド101,102を形成するとともに、樹脂外枠部20の左右両側には、もう一対のガスマニホルド103,104が開けられている。これらガスマニホルドの対は、一方が燃料電池セルの反応面へのガス入口、他方が反応面からのガス出口となり、それぞれのガスマニホルド対を燃料ガス用と、酸化剤ガス用に使用する。
例えば、セパレータA−30が燃料ガス供給用のセパレータとすれば、ガスマニホルド101から燃料ガスが供給され、この燃料ガスは、金属プレート上面のガス流路溝14を伝って反応面へ供給され、余剰の燃料ガスは、ガスマニホルド102から排出される。セパレータA−30におけるガスマニホルド103,104は、酸化剤ガス用のマニホルドとなり、単に酸化剤ガス用の通過孔である。
また、樹脂外枠部20には、その四隅の近傍に、それぞれ冷却水を通すための水マニホルド105,106,107,108が設けられている。
そして、金属プレート10の左右両端部に設けられたスペース11を、樹脂外枠部20に破線部の位置に埋め込むことにより、金属プレート10と樹脂外枠部20とが一体となって、図1(b)に示すようなセパレータA−30を構成する。尚、各水マニホルド105〜108からは、水通路110が金属プレート10の裏面に接続し、金属プレート10の紙面裏側で冷却水が流れるようになっている。
図1(c)は、セパレータA−30を含む燃料電池スタックの模式断面図であり、各積層要素の間隔を開いて表示しているが、実際には密着して積層されるものである。燃料電池スタックは、固体電解質膜の両面にそれぞれ電極及びガス拡散層が形成された電極膜接合体50と、その下面に配置されたセパレータA−30と、電極膜接合体50の上面に配置されたセパレータB−40とを一単位のセルとして、このセルを多数積層して構成される。
ここで、セパレータB−40は、セパレータA−30のガスマニホルド101,102,103,104と同様の位置にそれぞれガスマニホルドを有し、セパレータA−30とは直角の方向にガス流路溝が形成されている。そして、セパレータA−30のガスマニホルド103,104に相当する位置のセパレータB−40のガスマニホルドから反応ガスの供給及び排出が可能となっている。
また、図1(c)において、電極膜接合体50は、その上面に配置されたセパレータB−40との間のガス流路62から一方の反応ガスの供給を受けると共に、その下面に配置されたセパレータA−30のガス流路溝14から他方の反応ガスの供給を受ける。そして、セパレータA−30の下面とセパレータB−40の上面との間には、冷却水通路61が形成されている。
本発明では、封止部材15に水分保持機能を持たせて、セル内部の水の供給・吸収などの制御を行う手段を提供する。また、本発明によれば、封止部材に吸水性樹脂材料を使用することで保持機能が向上する。更に、吸水性樹脂のみではなく非吸水性樹脂を混合させて使用することで形状維持・強度補強を図ることが可能になる。
なお、本発明のセパレータを構成する金属プレート10は、板厚0.1〔mm〕のステンレススチールSUS316製であり、これをプレスにて凹凸の並んだ溝付き板に加工し、その後のプレート表面に金メッキ処理を施した。
樹脂外枠部20は、燃料電池の作動温度に耐え得る耐熱性を有し、更には耐酸性・耐加水分解性を有した樹脂であれば公知のいずれのものを用いても良い。
本発明では加工性がよく、上記性能を満足し得るガラスファイバー30〔wt%〕を含有するポエチレンテレフタレート(以下GRPETと略)を使用した。
また、本発明の各実施例において、セル内の水の供給と吸収を効果的に行うには、次の条件でセルを作動させることが望ましい。すなわち、ガス流路内と冷却水通路内の圧力関係を、常にガス流路内圧力が冷却水通路内圧力以上となるように制御し、反応面より上流部(入口側ガスマニホルド)では乾燥ガスが封止部材から水の蒸発によりガスの加湿を促進する。蒸発で取り除かれた封止部材15の最表面の水は、毛細管現象により順次内部から供給される。
一方、反応面より下流部(出口側ガスマニホルド)では流路内と冷却面内との差圧により余分な水分が吸収される。
次に、個別の実施例について説明する。
次に、個別の実施例について説明する。
図2は、本発明の実施例1を示す図面であり、セパレータを構成する金属プレート10のガスマニホルドに面する端部を示す斜視図である。図2において、金属プレート10は、電極膜接合体の反応面に面する反応面凸部13と裏面凸部12とが交互に形成された波板状に形成されている。図2は説明の都合上、図1の金属プレート10とは、表裏を逆にして、ガス流路溝14を設けた面が下になるように示している。
図2において、隣り合う反応面凸部13との間には、ガス流路溝14が形成されている。言い換えれば、裏面凸部12の反対面(反応面)にガス流路溝14が形成されている。そして、反応面凸部13の端部は、多孔質封止部材16により封止されている。この多孔質封止部材16は、図1の封止部材15に多孔質材料を用いたものである。
多孔質封止部材16には、樹脂、金属、セラミック、黒鉛、いずれの公知の材料を使用することが可能である。しかしながら、多孔質封止部材16も隣接するセルのセパレータと接することから導電性を有することが望ましい。
多孔質封止部材16を使用する場合、ガスを遮断させるためには多孔質内があらかじめ水で満たされていることが必要である。本実施例においては、使用する多孔質封止部材16の平均気孔径および水に対する接触角をあらかじめ制御した材料を選定し、前述したガス流路とその裏面(実際は冷却水面)との差圧を制御することにより、多孔質封止部材16による加湿と吸水を適宜実施することが可能になる。
多孔質封止部材16を使用する場合、ガスを遮断させるためには多孔質内があらかじめ水で満たされていることが必要である。本実施例においては、使用する多孔質封止部材16の平均気孔径および水に対する接触角をあらかじめ制御した材料を選定し、前述したガス流路とその裏面(実際は冷却水面)との差圧を制御することにより、多孔質封止部材16による加湿と吸水を適宜実施することが可能になる。
本実施例では多孔質封止部材16の材料に発泡樹脂を使用した。これは、実際の燃料電池における流路幅が一般的に2〔mm〕以下の小さなものであるため、樹脂を使用することで射出成形等の既存の成形手段にて容易に成形が可能になるためである。
図3は、本発明の実施例2を示す図面であり、セパレータを構成する金属プレート10のガスマニホルドに面する端部を示す要部斜視図である。図3において、金属プレート10は、電極膜接合体の反応面に面する反応面凸部13と裏面凸部12とが交互に形成された波板状に形成されている。図3は説明の都合上、図1の金属プレート10とは、表裏を逆にして、ガス流路溝14を設けた面が下になるように示している。
本実施例は、図1の封止部材15を非吸水性樹脂31と吸水性樹脂33とで構成した。まず、冷却水溝へのガス流入を防ぐために非吸水性樹脂31を溝に配置した。この樹脂の配置する長さ(L)は適宜調整することができる。長さ(L)を長くするとガス遮蔽性が向上するが、冷却水と金属プレートとの接触面積が減少し熱伝導性が低下する。
非吸水性樹脂31は熱可塑性・熱硬化性問わず公知のいずれの樹脂を使用しても構わないが生産性等を考慮すると樹脂外枠部20と同様の樹脂(本実施例ではGRPET)を使用するのが適当である。
吸水性樹脂33の多くは吸水によりその体積が大きく変化するため、体積の変化に合わせたスペースの確保が必要になる。
本実施例では、図3に示すように、吸水性樹脂33が非吸水性樹脂31の両側部へ突出する固定部32を設け、この固定部32により非吸水性樹脂31を挟み込んで固定している。また、固定部32以外の部分で吸水性樹脂33が体積膨張ができるスペース34を設けた。
従って、非吸水性樹脂31の溝底部からの高さ(h)は、吸水性樹脂33の厚さ分だけ、流路リブ高さより低くしておくことが望ましい。
吸水性樹脂33は含水量が極めて低い状態で固定部32に固定されることが望ましく、吸水性樹脂33の非膨張時は固定部32で冷却水とガスとの遮蔽が行われる。
従って、非吸水性樹脂31の溝底部からの高さ(h)は、吸水性樹脂33の厚さ分だけ、流路リブ高さより低くしておくことが望ましい。
吸水性樹脂33は含水量が極めて低い状態で固定部32に固定されることが望ましく、吸水性樹脂33の非膨張時は固定部32で冷却水とガスとの遮蔽が行われる。
燃料電池の作動時は、通常凝縮水もしくは水蒸気により吸水性樹脂33が吸水して膨張するため、ガスの遮蔽性はより効果的に働く。
また、金属プレート10の反応面と反対の面は、隣り合った次のセパレータの金属プレートが接するために、吸水性樹脂33はあらかじめ設定された体積調整用のスペース34の中だけで膨張・収縮が繰り返される。
本実施例によれば、セパレータ組立時に、無水状態の吸水性樹脂を取り付けておき、その後の含水状態による膨張を考慮したスペースを設けておくことで、吸水性樹脂が吸水して膨張してもガス流路の閉塞や膨張力によるセパレータ面への局所的な応力発生を抑えることができる。
実施例3は、図3に示した実施例2において、非吸水性樹脂31にあらかじめ吸水性樹脂の一部を混ぜ込んで金属プレートの溝端部に取り付けた実施例である。その他の構成は、実施例2と同様である。本実施例によれば、封止部材がガスマニホルドに面する端面全体からガスマニホルドとセル内部との水分交換ができるようになる。
即ち、反応面の裏側の流路溝の端部を封止する封止部材(図1の符号15)として、吸水性樹脂を混入した非吸水性樹脂を用いている。ここで、封止部材に吸水された水がガスマニホルドと接している面からプレート中央部へ(その逆方向も含めて)と向かって移動できることが重要である。したがって、非吸水性樹脂と吸水性樹脂との配合比率は、この点を踏まえて決定することができる。また、非吸水性樹脂中における吸水性樹脂の配置も、全体に均一に分散させることもまた、吸水性樹脂が溝方向に向かって連通して配置させることもできる。
図4は、実施例4のセパレータを説明する図であり、(a)平面図、(b)A−A’線に沿う断面図である。同図において、金属プレート10の紙面上が電極膜接合体に面する面である。本実施例では金属プレート10上に配置されたガス流路溝15のうち、隣り合うガス流路溝14の上流と下流とで交互に、上流閉塞部35、下流閉塞部36を配置して、交互にガス流路溝の端部を閉塞している。このように交互にガス流路がふさがれている流路構造は、櫛型流路構造と呼ばれている。図4では上流閉塞部35、下流閉塞部36が1流路毎に配置されている。その他の構成は、図1に示した基本構成と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付与して、重複する説明を省略する。
本実施例では、上流閉塞部35、下流閉塞部36の各部材に水分保持機能を有する材料を用いた。実際にはこれらの部位に吸水性を有する樹脂部材もしくは多孔質材料を使用した。ガスの出入り口部に相当する流路部にはプレート外周部を形成している樹脂部材(本発明ではPET樹脂)が配置されているため、この樹脂部材と流路との間にできた隙間をふさぐ形で上記水分保持機能部材が配置されることになる。
上流閉塞部35および下流閉塞部36は、常に同じ水分保持性能を有する材料を使用する必要はなく、上流と下流とで差異をつけることができる。
この差異は、次の実施例5と異なる構造の場合には、上流閉塞部35が下流閉塞部36より大きい水分保持機能(吸湿性)を保持させることが好ましい。これは、運転中に上流閉塞部35に保持した水分をスタック起動時の加湿不足時に使用することができる利点があるからである。ただし、櫛型流路は排水性が優れているため水分の再利用の点においては、次に説明する第5実施例が好ましい。
本実施例によれば、入口と出口が直線状に繋がった複数のガス流路溝において、そのガス流路溝のうち入口もしくは出口が一定の長さ封鎖されている流路が交互に並んでいる櫛型流路において、封鎖している部材に水分保持機能を施すことで発電面における反応ガスの加湿をより効果的に行うことが可能になる。また、下流閉塞部においては余剰の水分を吸収させることでフラッディングを抑えることができる。
また本実施例によれば、ガス流路上流側および下流側に配置する水分保持部材の水分保持能力を変えることによって、上流側および下流側におけるガス拡散層内の水分分布を適度に調節することが可能である。例えば、アノード側セパレータにおいては、上流側に配置する水分保持機能部材の水分保持能力を下流のそれより大きくすることで、上流側のガス加湿不足を水分保持機能部材に予め保持している水分にて補うことができる。これは燃料電池の始動時において最も効果的になる。
一方、カソード側セパレータにおいては、ガス流路の下流側において水分保持機能を向上させることで、電極膜接合体の電解質膜を介したアノードへの水の逆拡散を促進することができる。
図5は、実施例5のセパレータを説明する図であり、(a)平面図、(b)B−B’線に沿う断面図である。実施例5は実施例4において、ガス流路溝14の入口側端部および出口側端部の一定長さを交互に閉塞させる上流閉塞部38および下流閉塞部37が、それぞれ裏面の溝端部に配置された封止部材15と接続されていることを特徴としている。その他の構成は、図1及び図4で説明した実施例4と同様である。
本実施例においては、上流閉塞部38および下流閉塞部37の水分保持能力の差異を実施例4とは逆に、下流閉塞部37の水分保持能力量の方を多くするのが好ましい。これは櫛型流路の性質として排水性が良いため、電極膜接合体を介してカソード側からアノード側に水が移動する逆拡散機能を十分に機能させるのが難しいためである。
下流閉塞部37でガス流路溝14内のガス及びまたは液水から吸収保持された水分は、その裏側へ回り込み、封止部材15から冷却面の水へ吸収される。これにより回収した水を再び加湿に使用できる効果がある。この場合、カソードガスの流れは、図中gで示す重力方向と正反対の下から上への流れが好ましい。これは、図5で示すように、ガス流れによる動圧がガス流路溝14に埋め込まれた部分から裏側の封止部材15へと水が移動しやすいように作用するからである。
上流閉塞部38および下流閉塞部37のガス流路溝14内部の部分と反応裏面の封止部材15とはそれぞれ同じ材料で作成することもできる。これは、上述のように水の吸収作用を促進させることは難しいものの、同一材料であることから一体化で作成可能である。この場合、黒鉛、金属、セラミック製であるよりも樹脂製であることがより好ましい。
10…金属プレート
11…スペース
12…裏面凸部
13…反応面凸部
14…ガス流路溝
15…封止部材
20…樹脂外枠部
30…セパレータA
40…セパレータB
50…電極膜接合体
61…冷却水通路
62…ガス流路
101,102,103,104…ガスマニホルド
105,106,107,108…水マニホルド
11…スペース
12…裏面凸部
13…反応面凸部
14…ガス流路溝
15…封止部材
20…樹脂外枠部
30…セパレータA
40…セパレータB
50…電極膜接合体
61…冷却水通路
62…ガス流路
101,102,103,104…ガスマニホルド
105,106,107,108…水マニホルド
Claims (7)
- 断面形状が波型となるように流路を形成したプレート部と該プレート部を保持する外枠部とを備えた燃料電池セパレータにおいて、
前記プレート部の断面が波型となる端部をガスマニホルドに面させ、前記流路と前記ガスマニホルドとの少なくとも一部を水分保持機能を有する部材にて封止したことを特徴とする燃料電池セパレータ。 - 一方の面をガス流路、他方の面を水が存在する面とし、水が存在する面の端部を水分保持機能を有する部材にて封止したことを特徴とする請求項1記載の燃料電池セパレータ。
- 前記水分保持機能を有する部材が多孔質材であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池セパレータ。
- 前記水分保持機能を有する部材が吸水材と非吸水材の混合材であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池セパレータ。
- 前記水分保持機能を有する部材の体積膨張を吸収する空間を設けたことを特徴とする請求項4記載の燃料電池セパレータ。
- ガス流路の端部を交互に水分保持機能を有する部材にて封止して櫛形流路としたことを特徴とする請求項2記載の燃料電池セパレータ。
- 前記プレート部は、金属板で構成されたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池セパレータ。
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