JP2005070756A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 トナー消費量が少なく、高寿命を達成でき、環境においても優れた現像性を有するトナーを提供する。
【解決手段】円相当径3μm以上400μm以下のトナー粒子における平均円形度が0.935以上0.970未満、該トナー粒子の平均面粗さが5.0nm以上35.0nm未満、ポリエステル樹脂またはビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットとのハイブリッド樹脂を含有し、トナーのTHF可溶分のGPCの分子量分布において、分子量1万未満の成分M1が40〜70質量%、分子量1万乃至5万の成分M2の含有量が25〜50質量%、分子量5万を超える成分M3の含有量が2〜25質量%、分子量10万以上の成分の含有量が10質量%末満で、かつ分子量1万未満の成分の含有量をM1とし、分子量1万乃至5万の成分の含有量をM2とし、分子量5万を超える成分の含有量をM3としたときにM1≧M2>M3を満足する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真,静電荷像を顕像化するための画像形成方法に使用されるトナー及びトナージェットに使用されるトナーに関する。
近年、電子写真法を用いた機器は、オリジナル原稿を複写するための複写機以外にも、コンピューターの出力用のプリンター、ファクシミリなどにも使われ始めた。そのため、より小型、より軽量、より高速、より高信頼性が厳しく追及されており、機械は様々な点でよりシンプルな要素で構成されるようになってきている。その結果、トナーに要求される性能はより高度になり、トナーの性能向上が達成できなければより優れた機械が成り立たなくなってきている。
特に、省エネルギー、オフィスの省スペース化といった点において、プリンターなどの機械はより小型化が求められている。その時に、トナーを収納する容器も必然的に小型化が求められており、少量で多数枚のプリントアウトが可能な、すなわち同じ画像のプリントアウトをより少量のトナーで賄えるような、低消費量のトナーが求められている。
特許文献1〜4に、噴霧造粒法、溶液溶解法、重合法といった製造方法によってトナーの形状を球形に近づける技術が開示されている。しかし、これらの技術はいずれもトナー製造に大掛かりな設備が必要となり、生産効率の点において好ましくないばかりでなく、トナーの消費量を十分に低減させるには至っていない。
特許文献5〜8に、粉砕法で製造されたトナーを熱的あるいは機械的衝撃により粒子の形状及び表面性を改質する技術が開示されている。しかし、これらの方法でトナーの形状を改質しても、トナーの消費量を低減するには十分とは言えず、また、現像性の低下などの弊害をもたらす場合があった。
また、トナー像を紙のごときシートに定着させる方法は、より簡単な構成でかつ定着性確保、耐久性確保の双方を満足した加熱定着装置の高速化に向かっている。
従来、トナー用樹脂としてはポリエステル樹脂、又はスチレン系樹脂の如きビニル系共重合体が主に使用されている。ポリエステル樹脂は元来低温定着性に優れた性能を有している為、優れた低温低着性を示すが、その反面、高温でのオフセット現象を発生しやすいという問題点を併せ持っている。
この問題点を補うためにポリエステル樹脂の分子量を上げて粘度を上げようとすると、低温定着性を損なうばかりでなく、トナー製造時の粉砕性についても悪化させてしまい、トナーの微粒子化にも不適切なものとなってしまう。
スチレン系樹脂の如きビニル系共重合体は、トナー製造時の粉砕性に優れ、高分子量化が容易なため耐高温オフセット性には優れているが、低温定着性を向上させるために分子量を下げると、現像性が悪化してしまう。
これらの2種類の樹脂の長所を有効に生かし、お互いの問題点を補うためにこれらの樹脂を混合して使用する方法もいくつか検討されている。例えば、特許文献9では、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体を混合した樹脂を含有してなるトナーが開示されている。しかしながら、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体は本質的に相溶性が悪いため、これらの配合比を適切なものにしないと低温定着性、耐高温オフセット性を満足するのは難しい。さらに、トナー製造時に添加される着色剤やワックスの如き内添剤分散性が十分に高められないため、現像性に問題を生じやすくなる。特に近年、微粒子化が進んでいるトナーにおいてはこの問題が顕著となる。
特許文献10や11では、ポリエステル樹脂の存在下で単量体を重合して得られる重合体を含有することを特徴とするトナーが開示されている。特許文献12や特許文献13では、不飽和ポリエステル樹脂存在下でビニル系共重合体を重合して得られる重合体を含有することを特徴するトナーが開示されている。特許文献14では、酸価含有スチレン系樹脂とポリエステル樹脂をエステル化した重合体を含むことを特徴とするトナーが開示されている。これらの方法では、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体の相溶性は向上するものの、ワックスの溶け出し速度などを充分に考慮していない為、簡単な構成で高速な加熱定着装置に用いた場合は未だ改良すべき課題を残している。
特許文献15では軟化点の異なる2種のポリエステル樹脂を用いたトナー、特許文献16では分子量の異なる2種のポリエステル樹脂を用いたトナーを開示している。しかし、いずれも耐高温オフセット性においては、ポリエステル樹脂の領域の範囲内にあり、高速のフィルム加熱方式の加熱定着装置に用いる場合には改良すべき問題がある。
特許文献17では、ポリエステル樹脂と、ビニル系樹脂モノマーによる付加重合反応とポリエステル系樹脂モノマーによる縮重合反応を並行して行うによって得られたハイブリッド樹脂を混合して得られる樹脂を用いたトナーを開示している。また、特許文献18においては、ビニル系樹脂モノマーによる付加重合反応とポリエステル系樹脂モノマーによる縮重合反応を並行して行うによって得られた、軟化点の異なる2種のハイブリッド樹脂を用いたトナーを開示している。しかし、これらの方法では、トナーの低分子量側と高分子量側の架橋のバランスが上手くいかず、低温定着性、耐高温オフセット性に対し、未だ改良すべき問題を残している。
特許文献19は、結着樹脂、着色剤及びワックスを少なくとも含有するトナーにおいて、該結着樹脂は、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、及び、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットを有しているハイブリッド樹脂成分を含み、テトラヒドロフラン可溶成分量及び不溶成分量、酢酸エチル可溶成分量及び不溶成分量、クロロホルム可溶成分量及び不溶成分量を規定し、さらに、THF可溶成分のGPC測定による分子量分布を規定したトナーを記載している。
このトナーは、定着性が良好であり、耐オフセット性にも優れるものの、現像スリーブへのトナー融着現象においては改良の余地がある。
また、ポリエステル樹脂またはビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットとを有するハイブリッド樹脂を少なくとも含有したトナーは、低温定着性能と耐高温オフセット性の両立を目指して低融点成分を程よく含ませているが、高速現像を行う系において低融点成分の現像スリーブへの融着現象が問題として残っており、この点で改良が望まれている。
特許文献20〜22ではポリエステル樹脂、ハイブリッド樹脂、それらの混合物を結着樹脂としたトナーの円形度を規定した提案がなされている。
これらの提案により低温定着性能、耐高温オフセット性能、定着装置のトナー汚染など対し効果を発揮できるが、高速プリンターなどの現像スリーブへのトナー融着現象の点では改善の余地を残している。
以上の種々の問題点をより良好に解決したトナーが待望されている。
特開平3−84558号公報 特開平3−229268号公報 特開平4−1766号公報 特開平4−102862号公報 特開平2−87157号公報 特開平10−97095号公報 特開平11−149176号公報 特開平11−202557号公報 特開昭54−114245号公報 特開昭56−116043号公報 特開昭58−159546号公報 特開昭58−102246号公報 特開平1−156759号公報 特開平2−881号公報 特開平4−338973号公報 特開平8−166688号公報 特開平8−54754号公報 特開平8−44108号公報 米国特許第5,976,752号明細書 特開2003−076056号公報 特開2002−229254号公報 特開2003−131435号公報
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点を解決したトナーを提供することにある。
本発明の目的は、画像一枚あたりのトナー消費量が少なく、少量のトナーで高寿命を達成できるトナーを提供することにある。
本発明の目的は、どのような環境においても優れた現像性を有するトナーを提供することにある。
本発明の目的は、スリーブネガゴースト、飛び散りを発生しないトナーを提供することにある。
本発明の目的は、スリーブへのトナー融着現象を発生しないトナーを提供することにある。
本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子と無機微粒子を有するトナーにおいて、
該トナー粒子のフロー式粒子像測定装置で計測される円相当径3μm以上400μm以下のトナー粒子における平均円形度が0.935以上0.970未満であり、該トナー粒子の走査型プローブ顕微鏡で測定される平均面粗さが5.0nm以上35.0nm未満であることを特徴とし、
前記結着樹脂は、ポリエステル樹脂またはビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットとを有するハイブリッド樹脂を少なくとも含有し、
トナーのテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーの分子量分布において、分子量1万未満の成分M1の含有量が40〜70質量%であり、分子量1万乃至5万の成分M2の含有量が25〜50質量%であり、分子量5万を超える成分M3の含有量が2〜25質量%であり、分子量10万以上の成分の含有量が10質量%末満であり、
かつ分子量1万未満の成分の含有量をM1とし、分子量1万乃至5万の成分の含有量をM2とし、分子量5万を超える成分の含有量をM3としたときにM1≧M2>M3を満足することを特徴とするトナーに関する。
トナーの消費量を低減し、且つ高温高湿、低温低湿のような厳しい環境下における高速現像においても長期の使用において高い現像性を維持し、且つスリーブゴーストや飛び散りを起こさず、低温定着性、耐高温オフセット性に優れ、スリーブ融着の発生がないトナーを提供することができる。
本発明者らは鋭意検討の結果、トナー粒子の円形度を制御し、且つ、トナー粒子の表面粗さを制御することで、トナーの現像特性をコントロールできることを見出した。
本発明のトナー粒子は、円相当径3μm以上400μm以下のトナー粒子において、平均円形度が0.935以上0.970未満、好ましく0.935以上0.965未満、より好ましくは0.935以上0.960未満、より好ましくは0.940以上0.955未満であることにより、画像面積あたりのトナーの消費量を低減することができる。トナー粒子の円形度が高くなると、トナーの流動性が増すので個々のトナーが自由に動きやすくなる。紙などの転写材上に現像されたトナーは、円形度が高いトナーほど一つ一つのトナー単位で現像される確率が高くなるため、転写材上での画像高さが低くなり、トナーの消費量を低減することができる。この時に、トナー粒子の円形度が十分に高くないと、トナーは凝集体としての挙動を示しやすくなり、凝集体として転写材上に現像されやすくなる。そのような画像は転写材からの画像高さが高くなり、同じ面積を現像する場合において流動性の優れたトナーよりも多くのトナーが現像されてしまい、トナーの消費量が増加する。また、円形度の高いトナー粒子からなるトナーは現像された画像においてより密な状態をとりやすい。その結果、転写材に対するトナーの隠蔽率が高くなり、少ないトナー量でも十分な画像濃度を得ることができる。平均円形度が0.935未満だと、現像された画像の高さが高くなり、トナーの消費量が増加する。また、トナー間の空隙が増え、現像された画像上においても十分な隠蔽率が得られないため、必要な画像濃度を得るためにはより多くのトナー量を必要とし、結果的にトナー消費量を増加させてしまう。平均円形度が0.970以上だと、トナーの長期の使用時に現像性が低下する。
また、本発明のトナーは、円相当径3μm以上400μm以下のトナーにおける平均円形度が0.935以上0.970未満、好ましくは0.935以上0.965未満、より好ましくは0.935以上0.960未満、さらに好ましくは0.940以上0.955未満であることにより、画像面積あたりのトナーの消費量を減少できる。これは、円形度の高いトナーは、現像された画像において、より密な状態をとりやすくなるために、転写材に対するトナーの隠蔽率が高くなり、少ないトナー量でも十分な画像濃度を得ることによる。平均円形度が0.935未満だと、トナーの消費量が増加し、平均円形度が0.970以上だと、現像性が低下する。
本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明ではシスメックス社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100を用いて23℃、60%RHの環境下で測定を行い、円相当径0.60μm〜400μmの範囲内の粒子を測定し、そこで測定された粒子の円形度を下式(1)により求め、更に円相当径3μm以上400μm以下の粒子において、円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義する。
円形度a=L0/L (1)
〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子投影像の周囲長を示す。〕
本発明に用いている円形度はトナー粒子及びトナーの凹凸の度合いの指標であり、トナー粒子及びトナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度の算出にあたって、得られた円形度によって、粒子を円形度0.4〜1.0を61分割したクラスに分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度の算出を行う算出法を用いている。しかしながら、この算出法で算出される平均円形度の値と、各粒子の円形度の総和を用いる算出式によって算出される平均円形度の誤差は、非常に少なく、実質的には無視できる程度であり、本発明においては、算出時間の短縮化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の理由で、各粒子の円形度の総和を用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこのような算出法を用いても良い。さらに本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、従来よりトナー粒子及びトナーの形状を算出するために用いられていた「FPIA1000」と比較して、処理粒子画像の倍率の向上、さらに取り込んだ画像の処理解像度を向上(256×256→512×512)することによりトナー粒子及びトナーの形状測定の精度が上がっており、それにより微粒子のより確実な捕捉を達成している装置である。従って、本発明のように、より正確に形状及び粒度分布を測定する必要がある場合には、より正確に形状及び粒度分布に関する情報が得られるFPIA2100の方が有用である。
具体的な測定方法としては、予め容器中の不純物を除去した水200〜300ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波発振器で2分間分散し、分散液濃度を0.2〜1.0万個/μlとして粒子の円形度分布を測定する。超音波発振器としては、例えば以下の装置を使用し、以下の分散条件を用いる。
UH−150(株式会社エス・エム・テー社製)
OUTPUT レベル:5
コンスタントモード
測定の概略は、以下の通りである。
試料分散液は、フラットで扁平なフローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。それぞれの粒子の2次元画像の投影面積及び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて各粒子の円形度を算出する。
また、本発明においては、フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準粒径分布において0.6μm以上3μm未満のトナー粒子比率が0個数%以上20個数%未満、好ましくは0個数%以上17個数%未満、より好ましくは1個数%以上15個数%未満であることが好ましい。
0.6μm以上3μm未満のトナー粒子は、トナーの現像性、特にカブリ特性に大きな影響を与える。このような微粒子トナーは過度に高い帯電性を有しており、トナーの現像時に過剰に現像されやすく、画像上にカブリとして現れる。しかし本発明においてはこのような微粒子トナーの比率が少ないことによってカブリを低減することができる。
また、本発明のトナーは前述したとおり平均円形度が高いために、トナーがより密に詰まった状態を取りやすいために現像スリーブ上により厚くトナーがコートされ、結果的にスリーブ上のトナー層の上層と下層で帯電量が異なり、連続して広い面積の画像を現像した時に先端の画像濃度よりもスリーブ2周目以降の画像の方が画像濃度が低下してしまう、所謂スリーブネガゴーストを発生する場合がある。この時にトナー粒子中に超微粉が多く存在すると、超微粉は他のトナー粒子よりも高い帯電量を有しているために画像濃度差を発生させやすく、スリーブネガゴーストを悪化させるが本発明においては超微粉量が少ないのでスリーブネガゴーストの悪化を抑制することができる。0.6μm以上3μm未満の粒子比率が20個数%以上だと、画像上のカブリが増加し、更にスリーブネガゴーストが悪化する場合がある。
また、本発明のトナー粒子は円形度0.960未満のトナー粒子の個数累積値が20個数%以上70個数%未満、好ましくは25個数%以上65個数%未満、より好ましくは30個数%以上65個数%未満、より好ましくは35個数%以上65個数%未満であることが好ましい。
トナー粒子の円形度は、個々のトナー粒子によって異なる。円形度が異なるとトナー粒子としての特性も異なるため、適度な円形度のトナー粒子比率が適正な値であることが、トナー粒子の現像性を高める上で好ましい。本発明のトナー粒子は適度な円形度を有しており、且つ適度な円形度分布を有しているため、トナー粒子の帯電分布が均一になり、カブリを低減することができる。
円形度0.960未満のトナー粒子の個数累積値が20個数%未満だと、トナー粒子が耐久時に劣化する場合がある。円形度0.960未満のトナー粒子の個数累積値が70個数%以上だと、カブリが悪化したり、高温高湿環境下での画像濃度が低下する場合がある。
また、本発明においては、トナー粒子の平均面粗さが5.0nm以上35.0nm未満、好ましくは8.0nm以上30.0nm未満、より好ましくは10.0nm以上25.0nm未満であることを特徴とする。
トナー粒子が適度な表面粗さを有していることにより、トナー間に適度な空隙が生まれ、トナーの流動性を向上させることができ、より良好な現像性をもたらすことができる。特に本発明の特徴とする円形度を有するトナー粒子において、前記平均面粗さを有していることにより優れた流動性をトナー粒子に付与することができる。
また、本発明のトナー粒子は3μm未満の超微粒子が少ないことも流動性の向上に効果的に作用する。即ち、トナー粒子中に超微粒子が多く存在すると、トナー表面の凹部分に超微粒子が入り込み、見かけ上のトナー平均面粗さを小さくしてしまい、トナー粒子間の空隙が減り、トナーにより好ましい流動性を付与することを妨げてしまう。
トナー粒子の平均面粗さが5.0nm未満だと、トナーに十分な流動性が付与できず、フェーディングを生じて画像濃度が低下する。トナー粒子の平均面粗さが35.0nm以上だと、トナー粒子間の空隙が多くなりすぎることでトナーの飛び散りを生じる。
さらに、本発明においては、外添剤が添加されたトナーに関しても、粒径3μm以上400μm以下のトナーにおいて平均円形度が0.935以上0.970未満であって、トナーの平均面粗さが10.0nm以上26.0nm未満であることが好ましく、より好ましくは12.0nm以上24.0nm未満である。トナーの平均面粗さが10.0nm未満の場合、トナー凹部に多数の外添剤粒子が埋め込まれている状態となり、流動性に劣るようになり、フェーディングを生じて良好な画像が得られにくい。逆にトナーの平均面粗さが26.0nm以上の場合には、トナー表面の外添剤粒子が均一にコートされていない状態となり、帯電不良により飛び散りが生じやすくなる。このようなトナーにおいても、適度な表面粗さと円形度を有することで、本発明の効果を得られやすくなる。
また、トナー粒子の最大高低差が50nm以上250nm未満、好ましくは80nm以上220nm未満、より好ましくは100nm以上200nm未満であることが好ましく、より良好な流動性をトナーに付与することができる。
トナー粒子の最大高低差が50nm未満だと、トナーに十分な流動性を付与できず、フェーディングを生じて画像濃度が低下する場合がある。トナー粒子の最大高低差が250nm以上だと、トナーの飛び散りを生じる場合がある。
また、走査型プローブ顕微鏡で測定されるトナー粒子の表面の1μm四方のエリアを測定した時の表面積が1.03μm2以上1.33μm2未満、好ましくは1.05mm2以上1.30μm2未満、より好ましくは1.07μm2以上1.28μm2未満であることが好ましく、より良好な流動性をトナー粒子に付与することができる。トナー粒子の表面積が1.03μm2未満だと、トナーに十分な流動性を付与できず、フェーディングを生じて画像濃度が低下する場合がある。トナー粒子の表面積が1.33μm2以上だと、飛び散りを生じる場合がある。
本発明において、トナー粒子及びトナーの平均面粗さ、トナー粒子の最大高低差、表面積は、走査型プローブ顕微鏡を用いて測定される。以下に、測定方法の例を示す。
プローブステーション:SPI3800N(セイコーインスツルメンツ(株)製)
測定ユニット:SPA400
測定モード:DFM(共振モード)形状像
カンチレバー:SI−DF40P
解像度:Xデータ数 256
Yデータ数 128
本発明においては、トナー粒子及びトナーの表面の1μm四方のエリアを測定する。測定するエリアは、走査型プローブ顕微鏡で測定されるトナー粒子表面の、中央部の1μm四方のエリアとする。測定するトナー粒子及びトナーは、コールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)に等しいトナー粒子及びトナーをランダムに選択して、そのトナー粒子及びトナーを測定する。測定されたデータは、2次補正を行う。異なるトナー粒子及びトナーを5個以上測定し、得られたデータの平均値を算出して、そのトナー粒子及びトナーの平均面粗さ、トナー粒子の最大高低差、表面積とする。
トナー粒子に外添剤が外添されているトナーにおいて、トナー粒子の表面を走査型プローブ顕微鏡を用いて測定する場合は外添剤を取り除く必要があり、具体的な方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
1)トナー45mgをサンプル瓶に入れ、メタノールを10ml加える。
2)超音波洗浄機で1分間試料を分散させて外添剤を分離させる。
3)吸引ろ過(10μmメンブランフィルター)してトナー粒子と外添剤を分離する。磁性体を含むトナーの場合は、磁石をサンプル瓶の底にあててトナー粒子を固定して上澄み液だけ分離させても構わない。
4)上記2)、3)を計3回行い、得られたトナー粒子を真空乾燥機で室温で十分に乾燥させる。
外添剤を取り除いたトナー粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、外添剤がなくなっているのを確認した後、走査型プローブ顕微鏡でトナー粒子の表面観察をすることができる。外添剤が十分に取り除ききれていない場合には、外添剤が十分に取り除かれるまで2)、3)を繰り返し行った後に走査型プローブ顕微鏡でのトナー粒子の表面観察を行う。
2)、3)に代わる外添剤を取り除く他の方法としては、アルカリで外添剤を溶解させる方法が挙げられる。アルカリとしては水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
以下に各用語を説明する。
・平均面粗さ(Ra)
JIS B0601で定義されている中心線平均粗さRaを、測定面に対して適用できるよう三次元に拡張したもの。基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値で次式で表される。
Figure 2005070756
F(X,Y):全測定データの示す面
0:指定面が理想的にフラットであると仮定したときの面積
0:指定面内のZデータ(指定面に対して垂直方向のデータ)の平均値
指定面とは、本発明においては1μm四方の測定エリアを意味する。
・最大高低差(P−V)
指定面内におけるZデータの最大値と最小値の差。
・表面積(S)
指定面の表面積。
次に、本発明の特徴とするトナー粒子を得るための好ましい方法として、表面改質工程を用いたトナー粒子製造方法について説明する。以下に、表面改質工程で使用される表面改質装置及び表面改質装置を利用したトナー粒子の製造方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。
尚、本発明において表面改質とは、トナー粒子の表面を平滑化することを意味する。
図1は、本発明に使用する表面改質装置の一例を示し、図2は図1において高速回転する回転子の上面図の一例を示す。
図1に示す表面改質装置では、ケーシング、冷却水或いは不凍液を通水できるジャケット(図示しない)、表面改質手段である、ケーシング内にあって中心回転軸に取り付けられた、上面に角型のディスク或いは円筒型のピン40を複数個有し、高速で回転する円盤上の回転体である分散ローター36、分散ローター36の外周に一定間隔を保持して配置されている表面に多数の溝が設けられているライナー34(尚、ライナー表面上の溝はなくても構わない)、更に、表面改質された原料を所定粒径に分級するための手段である分級ローター31、更に、冷風を導入するための冷風導入口35、被処理原料を導入するための原料供給口33、更に、表面改質時間を自在に調整可能となるように、開閉可能なように設置された排出弁38、処理後の粉体を排出するための粉体排出口37、更に、分級手段である分級ローター31と表面改質手段である分散ローター36−ライナー34との間の空間を、分級手段へ導入される前の第一の空間41と、分級手段により微粉を分級除去された粒子を表面改質手段へ導入するための第二の空間42に仕切る案内手段である円筒形のガイドリング39とから構成されている。分散ローター36とライナー34との間隙部分が表面改質ゾーンであり、分級ローター31及びローター周辺部分が分級ゾーンである。
尚、分級ローター31の設置方向は図1に示したように縦型でも構わないし、横型でも構わない。また、分級ローター31の個数は図1に示したように単体でも構わないし、複数でも構わない。
以上のように構成してなる表面改質装置では、排出弁38を閉とした状態で原料供給口33から原料トナー粒子を投入すると、投入された原料トナー粒子は、まずブロワー(図示しない)により吸引され、分級ローター31で分級される。その際、分級された所定粒径以下の微粉は装置外へ連続的に排出除去され、所定粒径以上の粗粉は遠心力によりガイドリング39の内周(第二の空間42)に沿いながら分散ローター36により発生する循環流にのり表面改質ゾーンへ導かれる。表面改質ゾーンに導かれた原料は分散ローター36とライナー34間で機械式衝撃力を受け、表面改質処理される。表面改質された表面改質粒子は、機内を通過する冷風にのって、ガイドリング39の外周(第一の空間41)に沿いながら分級ゾーンに導かれ、分級ローター31により、再度微粉は機外へ排出され、粗粉は、循環流にのり、再度表面改質ゾーンに戻され、繰り返し表面改質作用を受ける。一定時間経過後、排出弁38を開とし、排出口37より表面改質粒子を回収する。
本発明においては、トナー粒子表面改質工程において、トナー粒子の表面改質と同時に微粉成分を除去できることが好ましい。それにより、トナー粒子中に存在する超微粒子がトナー粒子表面に固着することがなく、所望の円形度、平均面粗さ及び超微粒子量を有するトナー粒子を効果的に得ることができる。
表面改質と同時に微粉を除去することができない場合、表面改質後のトナー粒子中の超微粒子量が多く存在してしまう上に、トナー粒子表面改質工程において、機械的、熱的な影響により、適正な粒径を有するトナー粒子の表面に超微粒子成分が固着してしまう。その結果、トナー粒子の表面に、固着した微粉成分による突起が生成し、所望の円形度及び平均面粗さを有するトナー粒子が得られない。
尚、本発明において、「表面改質と同時に微粉成分を除去する」とは、トナー粒子の表面改質及び微粉除去を繰り返し行うことを意味し、それは前記のような単一装置内でそれぞれの工程を有する装置を用いても良く、また、表面改質と微粉除去を異なる装置によって行い、それぞれの工程を繰り返し行うことによっても良い。
本発明者が検討した結果、表面改質装置における表面改質時間(=サイクルタイム、原料供給が終了してから排出弁が開くまでの時間)としては、5秒以上180秒以下、更に好ましくは、15秒以上120秒以下であることが好ましい。表面改質時間が5秒未満の場合、改質時間が短時間過ぎるため、表面改質トナー粒子が十分に得られない場合がある。また、改質時間が180秒を超えると、改質時間が長時間過ぎるため、表面改質時に発生する熱による機内融着の発生、及び処理能力の低下を招く場合がある。
更に、トナー粒子の製造方法においては、該表面改質装置内に導入する冷風温度T1を5℃以下とすることが好ましい。該表面改質装置内に導入する冷風温度T1を5℃以下、より好ましくは、0℃以下、更に好ましくは、−5℃以下、特に好ましくは、−10℃以下、最も好ましくは−15℃以下とすることにより、表面改質時に発生する熱による機内融着を防止することができる。該表面改質装置内に導入する冷風温度T1が5℃を超えると、表面改質時に発生する熱による機内融着を起こす場合がある。
尚、該表面改質装置内に導入する冷風は、装置内の結露防止という面から、除湿したものであることが好ましい。除湿装置としては公知のものが使用できる。給気露点温度としては、−15℃以下が好ましく、更には−20℃以下が好ましい。
更に、トナー粒子の製造方法においては、該表面改質装置内は、機内冷却用のジャケットを具備しており、該ジャケットに冷媒(好ましくは冷却水、更に好ましくはエチレングリコール等の不凍液)を通しながら表面改質処理することが好ましい。
該ジャケットによる機内冷却により、トナー粒子表面改質時における熱による機内融着を防止することができる。
尚、表面改質装置の該ジャケット内に通す冷媒の温度は5℃以下とすることが好ましい。表面改質装置内の該ジャケット内に通す冷媒の温度を5℃以下、より好ましくは、0℃以下、更に好ましくは、−5℃以下とすることにより、表面改質時に発生する熱による機内融着を防止することができる。該ジャケット内に導入する冷媒の温度が5℃を超えると、表面改質時に発生する熱による機内融着を起こす場合がある。
更に、本発明のトナー粒子の製造方法においては、該表面改質装置内の分級ローター後方の温度T2を60℃以下とすることが好ましい。
該表面改質装置内の分級ローター後方の温度T2を60℃以下、好ましくは50℃以下とすることにより、表面改質時に発生する熱による機内融着を防止することができる。該表面改質装置内の分級ローター後方の温度T2が60℃を超えると、表面改質ゾーンにおいては、それ以上の温度が影響するため、表面改質時に発生する熱による機内融着を起こす場合がある。
更に、本発明のトナー粒子の製造方法においては、表面改質装置内の該分散ローターとライナーとの間の最小間隔が0.5mm乃至15.0mmとすることが好ましく、更には、1.0mm乃至10.0mmとすることが好ましい。
また、該分散ローターの回転周速は75m/sec乃至200m/secとすることが好ましく、更には、85m/sec乃至180m/secとすることが好ましい。
更に、表面改質装置内の該分散ローター上面に設置されている角型のディスク或いは円筒形のピンの上部と、該円筒型のガイドリングの下部との間の最小間隔が2.0mm乃至50.0mmとすることが好ましく、更には、5.0mm乃至45.0mmとすることが好ましい。
本発明において、該表面改質装置内の分散ローター及びライナーの粉砕面は耐摩耗処理されていることがトナー粒子の生産性上好ましい。尚、耐摩耗処理方法は何ら限定されるものではない。また、該表面改質装置内の分散ローター及びライナーの刃形状に関しても、何ら限定されるものではない。
本発明に係るトナー粒子製造方法としては、あらかじめ所望の粒径付近に微粒子化された原料トナー粒子を、気流式分級機を用いて微粉及び粗粉をある程度除去した上で、表面改質装置によってトナー粒子の表面改質及び超微粉成分の除去を行うことが好ましい。
あらかじめ微粉を除去しておくことにより、表面改質装置内でのトナー粒子の分散が良好になる。特に、トナー粒子中の微粉成分は、比表面積が大きく、他の大きなトナー粒子と比較して相対的に帯電量が高いために他のトナー粒子からの分離がされにくく、分級ローターで適正に超微粉成分が分級されない場合があるが、あらかじめトナー粒子中の微粉成分を除去しておくことによって、表面改質装置内で個々のトナー粒子が分散しやすくなり、超微粉成分が適正に分級ローターによって分級され、所望の粒度分布を有するトナー粒子を得ることができる。
気流式分級機によって微粉を除去されたトナーは、コールターカウンター法を用いて測定される粒度分布において、4μm未満のトナー粒子の個数平均分布の累積値が10%以上50%未満、好ましくは15%以上45%未満、より好ましくは15%以上40%未満であることが好ましく、本発明の表面改質装置によって効果的に超微粉成分を除去することができる。本発明で用いられる気流式分級機としては、エルボージェット(日鉄工業社製)等があげられる。
更に本発明においては、該表面改質装置内の分散ローター及び分級ローターの回転数等を制御することにより、トナー粒子の円形度、及びトナー粒子中の0.6μm以上3μm未満の粒子比率をより適正な値に制御することができる。
本発明者らは、トナーの結着樹脂が、ポリエステルユニットを少なくとも有し、トナーのTHF可溶分のGPCの分子量分布において、分子量1万未満の成分の含有量(M1)が40〜70質量%、分子量1万乃至5万の成分の含有量(M2)が25〜50質量%、分子量5万を超える成分の含有量(M3)が2〜25質量%であり、分子量10万以上の成分の含有量(M4)が10質量%末満であり、且つM1≧M2>M3である場合に、従来のトナーを使用した場合に比べ、優れた低温定着性、耐高温オフセット性を得られることを見出した。
ハイブリッド樹脂は、ポリエステル樹脂よりもワックスとの親和性が高く、ワックスを担持しやすいが、ビニル系樹脂よりも樹脂とワックスが相分離しやすいので、加熱時のワックス溶け出し速度が速い。そのため、定着時の加熱でトナー表面にワックスが溶け出しやすく、簡単な構成で高速化された加熱定着装置に用いた時に、低温低着性、耐高温オフセット性とが改良される効果を奏する。
分子量1万未満の成分は、低温で良く溶ける成分であり、低温低着性への寄与が大きいので、分子量1万未満の含有量(M1)が40質量%未満であると、高速定着では十分な定着性が得られないことがある。70質量%を超えると、加熱時に溶け出したワックスによる可塑化が進み、耐高温オフセット性を悪化させることがある。
分子量1万乃至5万の成分は、ワックスの溶け出し速度を大きくする働きをもつ為、分子量1万乃至5万の成分の含有量(M2)が25質量%未満では、十分なワックスの溶け出し速度を得られず、高温オフセット現象が悪化しやすい。50質量%を超えると、トナー化の混練時の負荷が大きくなり、トナー中のワックス分散径が細かくなりすぎて、ワックスの離型効果を発揮できなくなることがある。
分子量5万を超える成分の含有量(M3)が25質量%を超える場合は、低温定着性が悪化することがある。2質量%未満では、トナーの弾性が小さくなりすぎて、定着時のトナーの溶融粘度が低くなり、ワックスがトナー表面に溶け出しにくくなり、耐高温オフセット性が悪化することがある。
分子量10万以上の成分は、少量で高温オフセットに効果を発揮するので、分子量10万以上の成分の含有量(M4)を10質量%未満とすることで、低温定着性を阻害せずに耐高温オフセット性を向上できる。
さらに、M1≧M2>M3を満たす場合に、最もワックスがトナー表面に溶け出しやすくなり、低温低着性、耐高温オフセット性ともに改良効果が大きい。
本発明において、結着樹脂の、THF(テトラヒドロフラン)を溶媒としたGPCによる分子量分布は次の条件で測定される。
40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラハイドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料のTHF溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、たとえば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良い。たとえば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H(HXL),G2000H(HXL),G3000H(HXL),G4000H(HXL),G5000H(HXL),G6000H(HXL),G7000H(HXL),TSKguardcolumnの組み合わせを挙げることができる。
試料は以下のようにして作製する。
試料をTHFに入れ、数時間放置した後、十分振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更に12時間以上静置する。このときTHF中への試料の放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45〜0.5μm、例えば、マイショリディスクH−25−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通過させたものを、GPCの測定試料とする。試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。また、予めトナーをソックスレー抽出器を用いてTHF(テトラヒドロフラン)溶剤で10時間抽出し、得られた抽出液を上記と同様にフィルター処理し測定資料とすることもできる。
分子量1万未満の成分の含有量(M1)、分子量1万乃至5万の成分の含有量(M2)、分子量5万を超える成分の含有量(M3)及び分子量10万以上の成分の含有量(M4)は、GPCクロマトグラムの面積比をもって質量%とする。尚、分子量1万未満の成分の含有量(M1)の分子量領域の下限は、分子量測定時のノイズを考慮し、分子量800とする。
トナー粒子のTHF可溶分は、トナーをTHFのソックスレー抽出器にかけ、THF可溶分を抽出し、抽出液からTHFを留去して固形物として分離することが可能である。前記分子量分布は、結着樹脂の種類、ハイブリッド樹脂におけるユニットの配合比や各ユニットにおける重合度等によって調整することが可能である。
本発明において、結着樹脂の形態としては、ポリエステル樹脂単体、二種以上のハイブリッド樹脂の混合物(以下、「第一の形態」ともいう)、ポリエステル樹脂とハイブリッド樹脂との混合物(以下「第二の形態」ともいう)、ビニル系樹脂とハイブリッド樹脂との混合物(以下「第三の形態」ともいう)、及びポリエステル樹脂とビニル系樹脂とハイブリッド樹脂との混合物(以下、「第四の形態」ともいう)、が挙げられる。
本発明者らの検討によれば、ビニル系樹脂をハイブリッド樹脂とブレンドする場合には、トナー中でのビニル系樹脂とハイブリッド樹脂との分散性が低下する傾向にあることから、本発明においては、特に、第一の形態及び第二の形態が好ましい。すなわち本発明では、上記第一及び第二の形態を採用することが、以下に記載する分子量分布の規定による効果をより一層高める上で好ましい。
ポリエステル樹脂単体及び第二の形態において、トナーは、THF不溶分の含有量が1〜50質量%であることが好ましく、2〜40質量%であることがより好ましく、5〜30質量%であることがさらに好ましい。THF不溶分の含有量が1質量%未満であると、耐高温オフセット性に影響を与えるようなことがあり、50質量%を超える場合には、定着性が劣る傾向が出てくる。
第一の形態において、トナーは、THF不溶分の含有量が25質量%以下であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましい。トナーのTHF不溶分の含有量が25%質量を超えるとトナーの定着性が低下する傾向にある。
トナー粒子のTHF不溶分の含有量は、トナー約1gを秤量し(W3g)、円筒濾紙(例えば東洋濾紙製No.86R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF200mlを用いて10時間抽出し、THF溶媒によって抽出された可溶分をエバポレートした後、100℃で数時間真空乾燥し、THF可溶樹脂成分の質量を(W4g)を秤量する。トナー中の着色剤及びワックスの如き結着樹脂成分以外の成分の質量を予め測定しておき、W5gとする。THF不溶分は、下記式から求められる。
Figure 2005070756
結着樹脂のTHF可溶分は、結着樹脂をTHFのソックスレー抽出器にかけ、THF可溶分を抽出し、抽出液を固化して分離することが可能である。
結着樹脂のTHF不溶分の含有量は、結着樹脂約1gを秤量し(w3g)、円筒濾紙(例えば東洋濾紙製No.86R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF200mlを用いて10時間抽出し、THF溶媒によって抽出された可溶分をエバポレートした後、100℃で数時間真空乾燥し、THF可溶樹脂成分の質量を(w4g)を秤量する。THF不溶分は、下記式から求められる。
Figure 2005070756
また、前記第一の形態の結着樹脂においては、結着樹脂のTHF不溶分が30質量%以下であることが、上述した本発明のトナーを得る上で好ましく、1〜20質量%であることが、上述した本発明のトナーを得る上でより好ましい。
また、前記第二の形態の結着樹脂においては、結着樹脂のTHF不溶分の含有量が1〜50質量%であることが、上述した本発明のトナーを得る上で好ましく、2〜40質量%であることが、上述した本発明のトナーを得る上でより好ましく、5〜30質量%であることが、上述した本発明のトナーを得る上でさらに好ましい。
本発明に用いられるポリエステルユニットを構成するポリエステル系モノマーとしては、通常使用されるアルコール成分モノマー及び酸成分モノマーが用いられ、例えば以下のものが挙げられる。
アルコール成分モノマーとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記(ア)式で表されるビスフェノール誘導体及び下記(イ)式で示されるジオール類がある。
Figure 2005070756
Figure 2005070756
酸成分モノマーとしては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物又はその低級アルキルエステル類;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物又はその低級アルキルエステル、またさらに炭素数6〜18のアルキル基あるいはアルケニル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、メサコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物が挙げられる。さらに、酸成分モノマーとして、後述する三価以上の多価カルボン酸類も挙げられる。
さらに酸成分モノマーとしては、マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和ジカルボン酸のハーフエステル類;マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチルの如き不飽和ジカルボン酸ジエステル類が挙げられる。
本発明のトナーにおいて、結着樹脂は、三価以上の多価カルボン酸又はその無水物によって架橋されていることが好ましい。架橋成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸が好ましいものとして挙げられる。
本発明のトナーにおいて、結着樹脂は三価以上の多価カルボン酸の他に多価アルコールによって架橋されていても良い。多価アルコールとしてはグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、さらには例えば、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルが挙げられる。
本発明に用いられる、ビニル系樹脂及びハイブリッド樹脂中に含まれるビニル系重合体ユニットを構成するビニル系モノマーとしては、通常使用されるものを用いることができ、例えば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−ブチルスチレン、p−tert−トリブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如き不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体が挙げられる。
さらに、ビニル系モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
さらに、ビニル系モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
またさらに、マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和ジカルボン酸ハーフエステル類;マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメチルの如き不飽和ジカルボン酸ジエステル類;マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和ジカルボン酸無水物類もビニル系モノマーとして使用できるが、本発明における結着樹脂を製造するのに使用される全モノマー成分を基準としてポリエステル系モノマー成分の割合を算出するときには、本発明ではこれらに限りポリエステル系モノマー成分として算出する。
さらに、前記ビニル系樹脂及びビニル系重合体ユニットは、必要に応じて以下に例示するような架橋性モノマーで架橋された重合体であっても良い。
芳香族ジビニル化合物としては、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えばエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えばジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えばポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシジフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;ポリエステル型ジアクリレート類としては、例えば商品名MANDA(日本化薬)が挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
これらの架橋剤は、他のビニル系モノマー成分100質量部に対して、0.01〜10.0質量部(さらに好ましくは0.03〜5質量部)用いることが好ましい。
本発明ではビニル系重合体成分及び/又はポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル系重合体と反応し得るものとしては、例えば、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。ビニル系重合体成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類などが挙げられる。
ビニル系樹脂とポリエステル樹脂の反応生成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系樹脂及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
前記ビニル系樹脂及びビニル系重合体ユニットを製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−カルバモイルアゾイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類;2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキジイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートが挙げられる。
前記ビニル系樹脂及びビニル系重合体ユニットを製造する場合に用いられる重合開始剤として、以下に例示する多官能性重合開始剤を単独で使用しても良いし、又は単官能性重合開始剤と併用しても良い。
多官能構造を有する多官能重合開始剤の具体例としては、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,3−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリックアシッド−n−ブチルエステル、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン及び2,2−t−ブチルパーオキシオクタンの如き、パーオキサイド基のような重合開始機能を有する官能基を1分子内に2つ以上有する多官能性重合開始剤;及びジアリルパーオキシジカーボネート、トリブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート及びt−ブチルパーオキシイソプロピルフマレートの如き、パーオキサイド基の如き重合開始機能を有する官能基と重合性不飽和基との両方を1分子内に有する多官能性重合開始剤が挙げられる。
これらのうち、より好ましいものは、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、及びt−ブチルパーオキシアリルカーボネートである。
本発明において結着樹脂は、少なくともポリエステル樹脂、またはハイブリッド樹脂成分を含有する。本発明において、ハイブリッド樹脂とは、ポリエステル樹脂成分とビニル系重合体成分とが化学的に結合している成分のことであり、このような成分を少なくとも一部含むものを意味する。そして、化学的に結合しているポリエステル樹脂成分側が、ポリエステルユニットであり、化学的に結合しているビニル系重合体成分が、ビニル系重合体ユニットである。
具体的には、ポリエステルユニットと、(メタ)アクリル酸の如きカルボン酸を有するビニル系モノマー類や(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を有するビニル系モノマー類を含んで重合されたビニル系重合体ユニットとが、エステル化反応やエステル交換反応によって形成するものである。その共重合の形態としては、ビニル系重合体ユニットを幹重合体とし、ポリエステルユニットを枝重合体としたグラフト共重合あるいはブロック共重合であることが好ましい。
したがって、本発明において具体的に、ハイブリッド樹脂成分とは、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットの少なくとも一部が下記に示す結合部位を介して結合するものである。
Figure 2005070756
本発明で用いられるポリエステルユニットを含有する樹脂は、酸価が5〜40mgKOH/g、好ましくは5〜35mgKOH/g、より好ましくは10〜30mgKOH/gであり、水酸基価が10〜50mgKOH/gであることが好ましい。酸価が5mgKOH/g未満であったり、水酸基価が10mgKOH/g未満であったりする場合には、トナーがメタノール及び水の混合溶媒に対して濡れ難くなり、疎水化度が高くなりやすく、端部オフセットやチャージアップが悪化する場合がある。酸価が40mgKOH/gより大きかったり、水酸基価が50mgKOH/gより大きかったりする場合には、トナーの疎水化度が低くなりやすく、高温高湿環境に放置後の画像濃度の低下が大きくなる可能性がある。また、酸価が高すぎると、着色剤の等電点を制御しても樹脂の極性を弱める働きが充分でなくなり、ワックス分散を改良する効果が得られにくくなる。
更に、樹脂酸価およびトナー酸価が上記の範囲にあると、帯電的にトナーとしての流動性が得られやすくなり、円形度や表面粗さによる流動性の向上と相乗効果的に画像濃度を維持し易くなる。
・酸価の測定
下記1)〜5)の操作により求められる。基本操作はJIS K−0070に属する。
1)試料はあらかじめ結着樹脂(重合体成分)以外の添加物を除去して使用するか、試料の結着樹脂以外の成分の含有量を求めておく。トナー又は結着樹脂の粉砕品0.5〜2.0gを精秤する。このときの結着樹脂成分をWgとする。
2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液150(ml)を加え溶解する。
3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定測定装置を用いて測定する。この滴定には、例えば、京都電子株式会社の電位差的定測定装置AT−400(win workstation)とABP−410電動ビュレットとを用いての自動滴定が利用できる。
4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とする。同時にブランクを測定して、この時のKOHの使用量をB(ml)とする。
5)下記式により酸価を計算する。なお下記式中のfはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(S−B)×f×5.61}/W
・水酸基価の測定
下記1)〜8)の操作により求められる。基本操作はJIS K−0070に属する。
1)試料はあらかじめ結着樹脂(重合体成分)以外の添加物を除去して使用するか、試料の結着樹脂以外の成分の含有量を求めておく。トナー又は結着樹脂の粉砕品0.5〜2.0gを200ml平底フラスコに精秤する。
2)これにアセチル化試薬(無水酢酸25gを全量フラスコ(100ml)に取り、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分撹拌する)を5mlを加える。なお試料が溶解しにくい場合は、少量のピリジンを追加するか、キシレン又はトルエンを加え溶解する。
3)フラスコの口に小さなロートを置き、温度95〜100℃のグリセリン浴中に低部約1cmを浸して加熱する。フラスコの首がグリセリン浴の熱を受けて温度が上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円板をフラスコの首の付け根に被せる。
4)1時間後フラスコにグリセリン浴から取り出し、放冷後ロートから水1mlを加えて振り動かし無水酢酸を分解する。
5)さらに分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後エタノール5mlでロート及びフラスコ壁を洗う。
6)フェノールフタレイン溶液数滴を指示薬として加え、0.5kmol/m3水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、指示薬の薄い紅色が焼く30秒間続いたときを終点とする。
7)樹脂を入れないで2)〜6)を空試験として行う。
8)下記式により水酸基価を計算する。
A=[{(B−C)×28.05×f}/S]+D
(但し、Aは水酸基価(mgKOH/g)であり、Bは空試験に用いた0.5kmol/m3水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)であり、Cは滴定に用いた0.5kmol/m3水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)であり、fは0.5kmol/m3水酸化カリウムエタノール溶液のファクターであり、
Sは試料中に含まれる結着樹脂の量(g)であり、Dは試料の酸価である。なお式中「28.05」は水酸化カリウムの式量(56.11×1/2)である。)
本発明において、ハイブリッド樹脂の製造方法としては、例えば以下の(1)〜(7)に示す製造方法を挙げることができる。
(1)ビニル系重合体とポリエステル樹脂を別々に製造した後、有機溶剤に溶解/膨潤させ、エステル化触媒、必要に応じてアルコール類を添加して、加熱することによりエステル化反応又は/及びエステル交換反応を行った後、有機溶媒を留去する。この製造方法では前記反応時にワックス類を添加しても良い。
(2)ビニル系重合体の存在下に、ポリエステル系モノマーを添加し、重合並びにビニル系重合体とのエステル化反応又は/及びエステル交換反応を行う。この製造方法では、反応時に、必要に応じてさらにビニル系モノマーを添加し重合しても良い。また、この製造方法では、有機溶剤が適宜使用される。また、この製造方法では、前記(1)と同様に、反応時にワックス類を添加しても良い。
(3)ポリエステル樹脂の存在下に、ビニル系モノマーを添加し、重合並びにエステル化反応又は/及びエステル交換反応を行う。この製造方法では、反応時に、必要に応じてさらにポリエステル系モノマーを添加し重合しても良い。また、この製造方法では、前記(2)と同様に有機溶剤を適宜使用することができ、前記(1)と同様に反応時にワックスを添加しても良い。
(4)ビニル系重合体及びポリエステル樹脂存在下に、ビニル系モノマー及び/又はポリエステル系モノマーを添加し、重合並びにエステル化反応又は/及びエステル交換反応を行う。この製造方法でも、前記(2)と同様に有機溶剤を適宜使用することができ、前記(1)と同様に反応時にワックスを添加しても良い。
(5)ビニル系モノマー及びポリエステル系モノマーを混合して付加重合及び縮重合反応並びにエステル化反応又は/及びエステル交換反応を行う。この製造方法でも、前記(2)と同様に有機溶剤を適宜使用することができ、前記(1)と同様に反応時にワックスを添加しても良い。
(6)上記(1)〜(5)で製造されたハイブリッド樹脂成分を含有する樹脂を、さらにビニル系重合体及び/又はポリエステル系樹脂と、例えば有機溶剤に溶解/膨潤させるなどして混合して、有機溶剤を留去する。
(7)上記(1)〜(5)で製造されたハイブリッド樹脂成分を含有する樹脂の存在下に、さらにビニル系モノマー及び/又はポリエステル系モノマーを添加し、重合並びにエステル化反応又は/及びエステル交換反応を行う。この製造方法でも、前記(2)と同様に有機溶剤を適宜使用することができ、前記(1)と同様に反応時にワックスを添加しても良い。
上記(1)〜(4)及び(6)の製造方法において、ビニル系重合体及び/又はポリエステル樹脂には、分子量や架橋度の異なる複数種類の重合体を使用することができる。
上記(1)〜(7)の製造方法の中でも、特に(3)の製造方法が、分子量制御が容易であり、ハイブリッド樹脂成分の生成を制御することができ、かつワックスを添加する場合にはその分散状態を制御できる点で好ましい。
本発明のトナーは、ワックスを含有することが好ましい。本発明において、トナーは、示差熱分析(DSC)における吸熱ピークを60乃至140℃の温度領域に少なくとも一つ以上有することが好ましい。このような熱特性を有するトナーは、DSCにおける吸熱ピークを60乃至140℃の温度領域に少なくとも一つ以上有するワックスを含有することにより達成することができる。
トナーの示差熱分析における吸熱ピークが60℃以上140℃以下に少なくとも一つ以上有することで、トナーが定着し始める低温領域からワックスが作用し、より定着性を高めることができ、低温定着性、耐高温オフセット性、及び耐ブロッキング性をより高めることができる。吸熱ピークが60℃未満にある場合、耐ブロッキング性が悪化しやすく、吸熱ピークが140℃を超える場合は、低温定着性が悪化しやすい。
また、本発明で使用する結着樹脂は、保存性の観点から、ガラス転移温度(Tg)が45〜80℃、好ましくは50〜70℃である。Tgが45℃より低いと高温雰囲気下でのトナーの劣化や定着時でのオフセットの原因となりやすい。また、Tgが80℃を超えると、定着性が低下する傾向にある。
ワックスの吸熱ピーク及びTgの測定方法は、TAインスツルメンツ社製DSC Q−1000を用いて、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、昇温速度10℃/minで、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。具体例としては、測定試料を2〜10mgの範囲で正確に秤量し、これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜160℃の間で、昇温速度10℃/minで、常温常湿下で測定を行う。
定義は次のように定める。
・ガラス転移点(Tg)
昇温時のDSC曲線において比熱変化の現われる前後のベースラインの中間点を結ぶ線とDSC曲線の交点の温度。
さらに、第一の形態のトナーにおいては、結着樹脂は、ハイブリッド樹脂からなることにより、これらのワックスが均一に分散されることから、この効果は顕著に現れる。シャープに溶けるワックスを用いることで離型効果を発揮し、ハイブリッド樹脂を用いることでワックス分散性が向上することから、ワックス分散性と離型効果を両立し、かつこれらをより向上させることができる。
さらに、第二の形態においては、トナーに用いられる結着樹脂は、ポリエステル樹脂とハイブリッド樹脂からなるが、ポリエステル樹脂とハイブリッド樹脂の相溶性が良く、これらのワックスはハイブリッド樹脂への分散が良好であるため、結着樹脂中にワックスが均一に分散され、上述の効果は顕著に現れる。シャープに溶けるワックスを用いることで離型効果を発揮し、ポリエステル樹脂とハイブリッド樹脂を用いることでワックス分散性が向上し、離型効果をより効率的に発揮することができる。
本発明のトナーにおいては、これらのワックス総含有量は、結着樹脂100質量部に対し、0.1乃至15質量部で用いられ、好ましくは0.5乃至12質量部で用いるのが効果的である。
ワックスとしては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;または、それらのブロック共重合物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類などの、飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリンアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類などの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの、不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
長鎖アルキルアルコールワックスとしては、炭素数20個乃至200個を有する長鎖アルキルアルコールの混合物が挙げられ、長鎖アルキルカルボン酸ワックスとしては、炭素数20個乃至200個を有する長鎖アルキルカルボン酸の混合物が挙げられる。
エステルワックスとしては、カルナバワックスを精製したワックス、キャンデリラワックスを精製したワックス、炭素数15個乃至45個の長鎖アルキルアルコールと炭素数15個乃至45個の長鎖アルキルカルボン酸とのエステル化合物を主成分とするワックスが挙げられる。本発明のトナーには、より有効な離型効果を発揮するために、シャープな分子量分布を有する傾向にある低分子量炭化水素ワックスが好ましい。
離型剤として使用できるワックスの具体的な例としては、ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200(三洋化成工業社)、ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学社)、サゾールH1、H2、C80、C105、C77(シューマン・サゾール社)、HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(日本精鑞株式会社)、ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(東洋ペトロライト社)、木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODAにて入手可能)等があげられる。
本発明において、トナー粒子のフロー式粒子像測定装置で計測される円相当径3μm以上400μm以下のトナー粒子における平均円形度が0.935以上0.970未満であり、該トナー粒子の走査型プローブ顕微鏡で測定される平均面粗さが5.0nm以上42.0nm未満であることを特徴とすることと;
前記結着樹脂が、ポリエステル樹脂またはビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットとを有するハイブリッド樹脂を少なくとも含有し、
トナーのテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーの分子量分布において、分子量1万未満の成分の含有量が40〜70質量%であり、分子量1万乃至5万の成分の含有量が25〜50質量%であり、分子量5万を超える成分の含有量が2〜25質量%であり、分子量10万以上の成分の含有量が10質量%末満であり、
かつ分子量1万未満の成分の含有量をM1とし、分子量1万乃至5万の成分の含有量をM2とし、分子量5万を超える成分の含有量をM3としたときにM1≧M2>M3を満足することを特徴とすること
を同時に満たすことが現像スリーブへのトナー融着現象の発生を抑制する点で好ましい。
本発明のトナーにおける表面性状は流動性の面で優れており、トナーを構成する結着樹脂の分子量に関する規定を満たすことは低温定着性能、耐高温オフセット性能の両立を図る上でそれぞれ優れている。更には該結着樹脂のような分子量分布を有することで結着樹脂の溶融特性及びトナーの硬さが表面改質処理において効果を示し易く、本発明の請求項1の性能を満たすことでトナー表面が現像スリーブとの接触状態を改善させ現像スリーブへのトナー融着現象を抑制していると考えられる。
本発明のトナーにおいて円形度が0.935未満であり、トナーの分子量分布が請求項の範囲を満たしていても現像スリーブとの接触状態が良好にならないため、スリーブとの摺擦が現像スリーブへのトナー融着が発生し易くなる。また円形度が請求項の範囲を超え、トナー分子量分布が請求項の範囲を満たしていても現像スリーブへの設置面積が大きくなり、請求項の範囲の分子量分布を持つポリエステルユニットを含む溶融粘度特性ではトナー融着を防止し難い。円形度が請求項の範囲を満たすが、トナーのテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーの分子量分布において、分子量1万未満の成分の含有量が40質量%未満の場合はワックスとの溶融粘度の差が大きく、ワックスの分散状態が悪化し易いため融着の発生を防止し難い。また、円形度が請求項の範囲を満たすが、トナーのテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーの分子量分布において、分子量1万未満の成分の含有量が70質量%を超える場合、溶融粘度が低すぎ、保存性の悪化と共に融着現象が悪化する。
また、分子量分布が上記の範囲であるとトナー粒子の表面粗さが請求項の範囲に調整し易い。更にトナーのテトラヒドロフラン可溶分の分子量分布とトナー粒子の表面粗さが請求項1のような物性を示す場合、トナー粒子の硬さと流動性の関係が良く、現像器内の撹拌による粗粒が発生しにくい。よって、トナー規制部材と現像スリーブ間への粗粒噛み込みによる融着の発生が抑えられる。
本発明のトナーには、荷電制御剤を含有させることが好ましい。
トナーを負荷電性に制御するものとして下記化合物が挙げられる。
例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類などがある。
中でも、下記一般式(1)で表わされるアゾ系金属錯体が好ましい。
Figure 2005070756
特に中心金属としてはFeが好ましく、置換基としてはハロゲン、アルキル基又はアニリド基が好ましく、カウンターイオンとしては水素、アルカリ金属、アンモニウム又は脂肪族アンモニウムが好ましい。またカウンターイオンの異なる錯塩の混合物も好ましく用いられる。
あるいは次の一般式(2)に示した塩基性有機酸金属錯体も負帯電性を与える荷電制御剤として好ましい。
Figure 2005070756
特に中心金属としてはFe,Cr,Si,Zn又はAlが好ましく、置換基としてはアルキル基、アニリド基、アリール基、ハロゲンが好ましく、カウンターイオンは水素、アンモニウム、脂肪族アンモニウムが好ましい。
トナーを正荷電性に制御するものとして下記の化合物がある。
ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変成物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート;グアニジン化合物、イミダゾール化合物。これらを単独で或いは2種類以上組合せて用いることができる。これらの中でも、トリフェニルメタン化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。また一般式(3)
Figure 2005070756
[式中、R1はH又はCH3を示し、R2及びR3は置換または未置換のアルキル基(好ましくはC1〜C4)を示す。]
で表わされるモノマーの単重合体:前述したスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いることができる。この場合これらの荷電制御剤は、結着樹脂(の全部または一部)としての作用をも有する。
特に下記一般式(4)で表わされる化合物が本発明の正荷電制御剤として好ましい。
Figure 2005070756
電荷制御剤をトナーに含有させる方法としては、トナー粒子内部に添加する方法とトナー粒子の外部に外添する方法がある。これらの電荷制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で用いられる。
負帯電用として好ましいものは、例えばSpilon Black TRH、T−77、T−95(保土谷化学社)、BONTRON(登録商標)S−34、S−44、S−54、E−84、E−88、E−89(オリエント化学社)があげられ、正帯電用としては好ましいものとしては、例えばTP−302、TP−415(保土谷化学社)、BONTRON(登録商標)N−01、N−04、N−07、P−51(オリエント化学社)、コピーブルーPR(クラリアント社)が例示できる。
本発明のトナーは磁性体を含有する場合、磁性体は着色剤の役割をかねることもできる。トナーに使用される磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物が挙げられる。
これらの磁性体は個数平均粒径が0.05〜1.0μmが好ましく、更には0.1〜0.5μmのものが好ましい。磁性体はBET比表面積が2〜40m2/g(より好ましくは4〜20m2/g)のものが好ましく用いられる。形状には特に制限はなく、任意の形状のものが用いられる。磁気特性としては、磁場795.8kA/m下で飽和磁化が10〜200Am2/kg(より好ましくは70〜100Am2/kg)、残留磁化が1〜100Am2/kg(より好ましくは2〜20Am2/kg)、抗磁力が1〜30kA/m(より好ましくは2〜15kA/m)であるものが好ましく用いられる。これらの磁性体は結着樹脂100質量部に対し、20〜200質量部で用いられる。好ましくは40〜150質量部で用いられる。
個数平均径は、透過電子顕微鏡等により拡大撮影した写真をデジタイザー等で測定することにより求めることができる。磁性体の磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM−3S−15」(東英工業社製)を用いて外部磁場795.8kA/mの下で測定することができる。比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置オートソープ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出することができる。
本発明のトナーに使用し得るその他の着色剤としては、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。顔料としてカーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー等が挙げられる。これらは定着画像の光学濃度を維持するのに必要充分な量が用いられ、結着樹脂100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10質量部の添加量が良い。染料としては、アゾ系染料、アントラキノン染料、キサンテン系染料、メチン系染料等が挙げられる。染料は結着樹脂100質量部に対し、0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜10質量部の添加量が良い。
本発明のトナー粒子には、無機微粒子が外添される。例えば、シリカ微粉末、酸化チタン微粉末又はそれらの疎水化物が挙げられる。それらは、単独あるいは併用して用いることが好ましい。
シリカ微粉体としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び、水ガラス等から製造される湿式シリカの両方が挙げられる。表面及び内部にあるシラノール基が少なく、製造残渣のない乾式シリカの方が好ましい。
さらにシリカ微粉体は疎水化処理されているものが好ましい。疎水化処理するには、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物で化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ微粉体をシラン化合物で処理した後、あるいはシラン化合物で処理すると同時にシリコーンオイルの如き有機ケイ素化合物で処理する方法が挙げられる。
疎水化処理に使用されるシラン化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシランメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが挙げられる。
有機ケイ素化合物としては、シリコーンオイルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ30〜1,000mm2/sのものが用いられる。例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが好ましい。
シリコーンオイル処理の方法は、シラン化合物で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合しても良いし、ベースとなるシリカへシリコーンオイルを噴射する方法によっても良い。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、ベースのシリカ微粉体とを混合し、溶剤を除去して作製しても良い。
シリカ微粉体の好ましい疎水化処理として、ヘキサメチルジシラザンで処理し、次いでシリコーンオイルで処理することにより調製する方法が挙げられる。
上記のようにシリカ微粉体をシラン化合物で処理し、後にオイル処理することが疎水化度を効果的に上げることができ、好ましい。
上記シリカ微粉体における疎水化処理、更には、オイル処理を酸化チタン微粉体に施したものも、シリカ系同様に好ましい。
本発明のトナー粒子には、必要に応じてシリカ微粉体又は酸化チタン微粉体以外の添加剤を外添してもよい。
例えば帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ロール定着時の離型剤、滑剤、研磨剤の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子である。
樹脂微粒子としては、その平均粒径が0.03〜1.0μmのものが好ましい。その樹脂を構成する重合性単量体としては、スチレン;o−メチルスチレン,m−メチルスチレン,p−メチルスチレン,p−メトキシスチレン,p−エチルスチレン誘導体;アクリル酸;メタクリル酸;アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸n−ブチル,アクリル酸イソブチル,アクリル酸n−プロピル,アクリル酸n−オクチル,アクリル酸ドデシル,アクリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸ステアリル,アクリル酸2−クロルエチル,アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル,メタクリル酸イソブチル,メタクリル酸n−オクチル,メタクリル酸ドデシル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリル酸ステアリル,メタクリル酸フェニル,メタクリル酸ジメチルアミノエチル,メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きメタクリル酸エステル;アクリロニトリル,メタクリロニトリル,アクリルアミド等の単量体が挙げられる。
重合法としては、懸濁重合、乳化重合、ソープフリー重合が挙げられる。より好ましくは、ソープフリー重合によって得られる粒子が良い。
その他の微粒子としては、ポリ弗化エチレン、ステアリン酸亜鉛、ポリ弗化ビニリデンの如き滑剤(中でもポリ弗化ビニリデンが好ましい);酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウムの如き研磨剤(中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい);酸化チタン、酸化アルミニウムの如き流動性付与剤(中でも特に疎水性のものが好ましい);ケーキング防止剤;カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズの如き導電性付与剤が挙げられる。さらに、トナーと逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いても良い。
トナーと混合される樹脂微粒子または無機微粉体または疎水性無機微粉体は、トナー100質量部に対して0.01〜5質量部(好ましくは0.01〜3質量部)使用するのが良い。
本発明のトナーは、好ましくは重量平均粒径を2.5〜10.0μm、好ましくは5.0〜9.0μm、より好ましくは6.0〜8.0μmとした場合に十分な効果が発揮され、好ましい。
トナーの重量平均粒径及び粒度分布はコールターカウンター法を用いて行うが、例えばコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いることが可能である。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えばISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00μm以上のトナー粒子の体積・個数を測定して体積分布と個数分布とを算出する。それから本発明に係る体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)を算出する。チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを用いる。
本発明のトナーは、キャリアと併用して二成分現像剤として用いることができる。二成分現像方法に用いる場合のキャリアとしては、従来知られているものが使用可能である。具体的には、表面酸化または未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属及びそれらの合金または酸化物で形成される平均粒径20〜300μmの粒子がキャリア粒子として使用される。
キャリア粒子の表面は、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂の如き物質を付着または被覆されているものが好ましい。
本発明に係るトナー粒子は、結着樹脂と磁性体と、必要に応じてその他の成分を含有する組成物を溶融混練(混練工程)し、得られた混練物を粉砕(粉砕工程)することによって得られるものである。本発明に係るトナー粒子の構成材料は、ボールミルその他の混合機により十分混合した後、熱混練機を用いて混練することが好ましい。また粉砕工程は、粗粉砕工程と微粉砕工程に分かれていても良く、またその後に、分級(分級工程)を行っても良い。更に、本発明に係るトナー粒子の平均円形度及び平均面粗さを満たすために、上述したように表面改質装置を用いてトナー粒子表面を改質することが好ましい。特には、分級工程後に表面改質装置を用いてトナー粒子の表面改質を行う方法が好ましい。また、微粉除去を、表面改質と同時に行うことが好ましい。
本発明の如く、混練工程を経てトナーを製造した場合、トナー粒子の構成材料が粒子中で均一、且つ微細に分散させることができる。また、構成材料が良好に分散された混練物を粉砕することにより、トナー粒子表面における構成材料の分布が好適なものとなり、その結果、本発明の特徴とする特定の平均面粗さ、平均円形度を有するトナー粒子の効果を十分に発揮することができる。
例えば混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられ、混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられる。粉砕機としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)が挙げられる。分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラッシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボフレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられる。粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所杜);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
以下実施例をもって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<ポリエステル樹脂製造例 結着樹脂a>
BPA−PO(ビスフェノールA プロピレンオキサイド付加物(2mol付加))
30mol%
BPA−EO(ビスフェノールA エチレンオキサイド付加物(2mol付加))
13mol%
TPA(テレフタル酸) 39mol%
TMA(トリメリット酸無水物) 17mol%
上記ポリエステル系モノマーをジブチルチンオキサイド7.0mmolとともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装着し、窒素雰囲気下にて減圧しながら常法にしたがって210℃まで加熱し、縮重合反応を行うことにより、ポリエステル樹脂aを得た。結着樹脂aの物性を表3に示す。
<結着樹脂b、c、l、p>
ポリエステル系モノマーの組成を表3のようにして、ポリエステル樹脂製造例と同様にして各ポリエステル樹脂を得た。各結着樹脂の物性を表3に示す。
<ハイブリッド樹脂製造例 結着樹脂d>
BPA−PO 35mol%
BPA−EO 15mol%
TPA 11mol%
TMA 22mol%
FA 17mol%
ポリエステル系モノマーの組成を上記のようにして、ポリエステル樹脂製造例と同様にしてポリエステル樹脂Dを得た。
次に、キシレン50質量部に、ここで得られたポリエステル樹脂D85質量部、スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート(各モノマーの質量%:84/16)のビニル系モノマー混合液15質量部、及びエステル化触媒としてジブチルチンオキサイド0.3質量部をオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装着し、窒素雰囲気下にて減圧しながら常法にしたがって110℃まで加熱して溶解・膨潤した。
次いで、t−ブチルハイドロパーオキサイド1質量部をキシレン10質量部に溶解したラジカル開始剤溶液を、窒素雰囲気下にて約30分かけて滴下した。その温度でさらに10時間保持してラジカル重合反応を終了した。さらに加熱しながら減圧して、脱溶剤することにより、ハイブリッド樹脂成分を含む結着樹脂dを得た。各結着樹脂の物性を表3に示す。
<結着樹脂e、f、g、h、I、j、k、m、o>
ポリエステル系モノマーの組成を表3のようにして、ポリエステル樹脂製造例と同様にして各ポリエステル樹脂を得た。
各ポリエステル樹脂とビニル系モノマー混合液を表3中の樹脂中のビニル系成分の割合にしたがって用い、ハイブリッド樹脂製造例と同様にしてハイブリッド樹脂成分を含む各結着樹脂を得た。ハイブリッド樹脂成分を含む各結着樹脂の物性を表3に示す。
<ビニル系樹脂製造例 結着樹脂n>
スチレン83質量%と、アクリル酸−n−ブチル17質量%とを付加重合してスチレン−アクリル樹脂を得た。これを結着樹脂nとする。
表1及び表2に実施例で使用する磁性体、ワックスについて記載する。
また、化学式(I)及び(II)は実施例で使用するアルミ化合物及びモノアゾ鉄化合物の構造式である。
Figure 2005070756
Figure 2005070756
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[トナー1の調製]
・結着樹脂a 100質量部
・磁性体 95質量部
・アルミ化合物(構造式(I)) 0.5質量部
・モノアゾ鉄錯体 2質量部
・低分子ポリエチレン1 2質量部
上記混合物をヘンシェルミキサーで前混合した後、130℃に加熱された2軸エクストルーダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕してトナー粗粉砕物を得た。得られた粗粉砕物を、機械式粉砕機ターボミル(ターボ工業社製;回転子および固定子の表面に炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコーティング(めっき厚150μm、表面硬さHV1050))を用いて、表4の条件表に基づき、エアー温度を調整して機械式粉砕させて微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で微粉及び粗粉を同時に分級除去した。そこで得られた原料トナー粒子のコールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)は6.5μm、4μm未満のトナー粒子の個数平均分布の累積値は26.3%であった。
その原料トナー粒子を、図1に示す表面改質装置で表面改質及び微粉除去を行った。その際、本実施例においては、分散ローター上部に角型のディスクを16個設置し、ガイドリングと分散ローター上角型ディスクの間隔を60mm、分散ローターとライナーとの間隔を4mmとした。また分散ローターの回転周速を140m/secとし、ブロワー風量を30m3/minとした。また微粉砕品の投入量を300kg/hrとし、サイクルタイムを45secとした。またジャケットに通す冷媒の温度を−15℃、冷風温度T1を−20℃とした。更に、分級ローターの回転数を制御することにより、0.6μm以上3μm未満の粒子比率を所望の値とした。以上の工程を経て、コールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)6.8μm、4μm未満のトナー粒子の個数平均分布の累積値が18.8%の負帯電性トナー粒子1を得た。
トナー粒子1の、FPIA2100で測定された物性及び走査型プローブ顕微鏡測定値を表7に示す。また、トナー樹脂に関するDSC、THF不溶分、GPCの分析結果を表6に示す。
このトナー粒子100質量部と、ヘキサメチルジシラザン処理し、次いでジメチルシリコーンオイル処理を行った疎水性シリカ微粉体1.2質量部とを、ヘンシェルミキサーで混合して負帯電性トナー1を調製した。負帯電性トナー1の、FPIA2100で測定された円相当径3μm以上400μm以下のトナーにおける平均円形度は0.953であり、走査型プローブ顕微鏡で測定されるトナー1の平均面粗さは18.7nmであった。
[トナー2〜12及び14の調製]
用いる結着樹脂、磁性体、ワックスを表4のようにして、更にターボミルの微粉砕条件を表5に示すように変更し、多分割分級装置での分級条件を変更し、更に表面改質装置の条件を表4に示すようにした以外はトナー1と同様にしてトナー2〜8を得た。トナー粒子2〜10の、FPIA2100で測定された物性、及び走査型プローブ顕微鏡測定値を表7に示す。また、トナー樹脂に関するDSC、THF不溶分、GPCの分析結果を表6に示す。
[トナー13及び15の調製]
用いる結着樹脂、磁性体、ワックスを表4のようにして、更にターボミルの微粉砕条件を表5に示すように変更し、多分割分級装置での分級条件を変更し、得られたトナー粒子を300℃の熱風中を瞬間的に通過させる処理を行った以外はトナー1と同様にしてトナー13及び15を得た。トナー粒子13及び15の、FPIA2100で測定された物性、及び走査型プローブ顕微鏡測定値を表7に示す。また、トナー樹脂に関するDSC、THF不溶分、GPCの分析結果を表6に示す。トナー13の、FPIA2100で測定された円相当径3μm以上400μm以下のトナーにおける平均円形度は0.934であり、走査型プローブ顕微鏡で測定されるトナー13の平均面粗さは44.2nmであった。
[トナー16の調製]
用いる結着樹脂、磁性体、ワックスを表4のようにして、更にターボミルの微粉砕条件を表5に示すように変更し、多分割分級装置での分級条件を変更し、更に表面改質装置による表面改質を行わなかった以外はトナー1と同様にしてトナー16を得た。トナー粒子16の、FPIA2100で測定された物性、及び走査型プローブ顕微鏡測定値を表7に示す。また、トナー樹脂に関するDSC、THF不溶分、GPCの分析結果を表6に示す。
<実施例1〜12、比較例1〜4>
次に、調製されたトナーを用いて、以下に示すような方法によって評価を行った。評価結果を表8及び表9に示す。
Hewlett−Packard社製レーザービームプリンターLaser Jet4300nを用いて以下の評価を行った。
(1)画像濃度、カブリ
低温低湿環境下(15℃,10%RH)、高温高湿環境下(32.5℃,80%RH)の各環境下で、プロセススピードが1.1倍になるように本体を改造し、連続印字にて、印字比率5%で複写機用普通紙(A4サイズ:75g/m2)に8000枚の画出し試験を行い、一日放置して再び8000枚、計16000枚の画出し試験を行った。結果を表8に示す。
画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
リフレクトメーター(東京電色(株)製)により測定した転写紙の白色度と、ベタ白をプリント後の転写紙の白色度との比較からカブリを算出した。
(2)トナー消費量
常温常湿環境下(23℃,60%RH)で印字比率4%の画像で複写機用普通紙(A4サイズ:75g/m2)に5000枚の画出し試験を行う前後で、トナー容器内のトナー量を測定し、画像1枚あたりのトナー消費量を測定した。結果を表8に示す。
(3)スリーブネガゴースト
通常の複写機用普通紙(A4サイズ:75g/m2)に、低温低湿環境下(15℃,10%RH)で16000枚プリントアウトし、4000枚ごとにスリーブネガゴーストの評価を行った。ゴーストに関する画像評価には、スリーブ一周分だけベタ黒の帯を出力した後ハーフトーンの画像を出力した。パターンの概略図を図3に示す。評価方法は、一枚のプリント画像のうち、スリーブ2周目で、1周目で黒画像が形成された場所(黒印字部)と、されない場所(非画像部)での、マクベス濃度反射計により測定された反射濃度の差を下記のごとく算出した。ネガゴーストは、一般的にスリーブ2周目で出る画像において、スリーブ1周目に黒印字部だった部分の画像濃度が、スリーブ1周目に非画像部だった部分の画像濃度よりも低く、1周目で出したパターンの形がそのまま現れるゴースト現象である。ここの濃度差を、反射濃度差を測定することにより評価を行った。
反射濃度差=反射濃度(像形成されない場所)−反射濃度(像形成された場所)
反射濃度差が小さいほどゴーストの発生はなくレベルは良い。ゴーストの総合評価としてA、B、C、Dの4段階で評価し、4000枚ごとの評価の中での最悪の評価結果を表8に示す。
反射濃度差 0.00以上0.02未満:A
0.02以上0.04未満:B
0.04以上0.06未満:C
0.06以上 :D
(4)飛び散り
低温低湿環境下での耐久において、初期と16000枚時に100μm(潜像)ラインでの格子パターン(1cm間隔)をプリントし、その飛び散りを光学顕微鏡を用いて目視で評価した。結果を表8に示す。
A:ラインが非常にシャープで飛び散りはほとんどない
B:わずかに飛び散っている程度でラインは比較的シャープ
C:飛び散りがやや多くラインがぼんやりした感じになる
D:Cのレベルに満たない
(5)定着試験
低温定着性については、前記評価装置の定着ユニットを取り出し通常の1.2倍のプロセススピードにおいて評価できるよう改造を加えた。加熱定着装置において150〜240℃温度範囲で加熱用ヒータの温度を5℃おきに制御し、定着ローラーの表面の温度が一定になってから、未定着トナー像が形成された記録材を定着ニップ部に挿入し、得られた画像を、4.9kPaの荷重をかけたシルボン紙で5往復摺擦を行い、摺擦前後の画像濃度の濃度低下率が10%以下になる定着温度を低温定着性とした。この温度が低いほど低温定着性に優れたトナーである。未定着画像としては、普通紙(75g/m2)を用い、紙上のトナー現像量を0.6mg/cm2に設定したベタ黒画像の定着を行った。
耐高温オフセット性については、上記の定着条件と同様に、定着ローラー表面が十分に加熱された状態で記録材を挿入し、評価を行った。評価は高温オフセット現象による画像上の汚れを目視で確認し、発生した温度を耐高温オフセット性とした。この温度が高いほど高温オフセット性に優れたトナーである。未定着画像としては、低温低着性の評価で使用したベタ黒画像と同じものを使用した。
これら低温定着性、耐高温オフセット性の評価結果を表9に示す。
(6)スリーブ融着
高温高湿環境における耐久後の現像剤担持体表面を目視で観察し、現像剤汚染の程度を下記の基準で評価した。
A:軽微な汚染が観察される。
B:やや汚染が観察される。
C:部分的に汚染が観察される。
D:著しい汚染が観察される。
Figure 2005070756
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本発明の表面改質工程において使用される一例の表面改質装置の概略的断面図である。 図1に示す分散ローターの上面図の一例を示す概略図である。 スリーブゴーストを評価するためのパターンの説明図である。
符号の説明
31 分級ローター
32 微粉回収
33 原料供給口
34 ライナー
35 冷風導入口
36 分散ローター
37 製品排出口
38 排出弁
39 ガイドリング
40 角型ディスク
41 第一の空間
42 第二の空間

Claims (10)

  1. 結着樹脂、着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と無機微粒子からなるトナーにおいて、
    該トナー粒子のフロー式粒子像測定装置で計測される円相当径3μm以上400μm以下のトナー粒子における平均円形度が0.935以上0.970未満であり、該トナー粒子の走査型プローブ顕微鏡で測定される平均面粗さが5.0nm以上35.0nm未満であることを特徴とし、
    前記結着樹脂は、ポリエステルユニットを少なくとも含有し、
    トナーのテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーの分子量分布において、分子量1万未満の成分M1の含有量が40〜70質量%であり、分子量1万乃至5万の成分M2の含有量が25〜50質量%であり、分子量5万を超える成分M3の含有量が2〜25質量%であり、分子量10万以上の成分の含有量が10質量%末満であり、
    かつ分子量1万未満の成分の含有量をM1とし、分子量1万乃至5万の成分の含有量をM2とし、分子量5万を超える成分の含有量をM3としたときにM1≧M2>M3を満足することを特徴とするトナー。
  2. 該トナー粒子のフロー式粒子像測定装置で計測される円相当径0.6μm以上400μm以下のトナー粒子における個数基準粒径分布において、0.6μm以上3μm未満のトナー粒子比率が0個数%以上20個数%未満であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記着色剤の含有量が結着樹脂100質量部に対して30〜200質量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 該トナー粒子の円形度0.960未満のトナー粒子の個数累積値が20個数%以上70個数%未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 該トナー粒子の走査型プローブ顕微鏡で測定される最大高低差が50nm以上250nm未満であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  6. 該トナー粒子の走査型プローブ顕微鏡で測定される、トナー粒子の表面の1μm四方のエリアを測定した時の表面積が1.03μm2以上1.33μm2未満であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 前記結着樹脂は、ポリエステル樹脂、ハイブリッド樹脂の混合物、ポリエステル樹脂とハイブリッド樹脂との混合物、ビニル系樹脂とハイブリッド樹脂との混合物、及びポリエステル樹脂とビニル系樹脂とハイブリッド樹脂との混合物、からなるグループから選択される混合物であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー。
  8. 前記結着樹脂は、ポリエステル樹脂またはポリエステル樹脂とハイブリッド樹脂との混合物を含有し、かつトナーのテトラヒドロフラン不溶分の含有量が1〜50質量%であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
  9. 前記結着樹脂は、二種以上のハイブリッド樹脂の混合物を含有し、かつトナーのテトラヒドロフラン不溶分の含有量が25質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
  10. 該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測される円相当径3μm以上400μm以下のトナーにおける平均円形度が0.935以上0.970未満であり、該トナーの走査型プローブ顕微鏡で測定される平均面粗さが10.0nm以上26.0nm未満であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー。
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