JP2005069851A - 走査型プローブ顕微鏡及び走査方法 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡及び走査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 探針と試料との衝突による損傷を低減又は回避すると共に測定時間の短縮、スループットの向上、測定精度の向上が図れ、吸着水層の影響を受けずに試料の表面形状等の観測データを採取すること。
【解決手段】 探針2を振動させる加振手段3と、探針2が試料表面Aに近接又は接触した時点における観測データを採取する観測手段4と、探針2が試料表面Aに近接又は接触した時点における該探針2の振動状態の変化を検出する検出手段5と、試料表面Aに平行なXY方向及び垂直なZ方向の移動を制御する制御手段6とを備え、該制御手段6は、観測データを採取した後、XY方向の次回の観測位置に達するまで試料表面Aに平行な方向に探針2を走査させ、該走査中に探針2の振動状態の変化を検出した際に、探針2を試料表面Aから離間するZ方向に移動させる走査型プローブ顕微鏡1及び該走査型プローブ顕微鏡1による走査方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、探針を試料表面上で振動させながら走査することにより、試料の表面形状等
の物性情報を得ることができる走査型プローブ顕微鏡及び走査方法に関する。
周知のように、電子材料等の試料を微小領域にて測定し、試料の表面形状の観察、物性情報等の計測を行なう装置として、原子間力顕微鏡や走査型トンネル顕微鏡等の走査型プローブ顕微鏡が知られている。この種の走査型プローブ顕微鏡は、様々なものが提供されているが、その一つとして、探針を試料表面に対して垂直に振動させながら該試料表面に対して平行に走査させて、試料の表面形状等を検出する超低力原子間力顕微鏡が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記超低力原子間力顕微鏡は、レバーアームの先端に取り付けられたプローブを備えている。このプローブは、試料表面に対して平行に走査できるようになっており、また、プローブ先端を該プローブの共振周波数又はその付近で振動できるようになっている。
この超低力原子間力顕微鏡により、試料の表面形状を測定する場合には、プローブ先端を上述したように振動させると共に、試料表面を繰り返し叩き(タップ)ながら走査させる。この結果、プローブ先端が試料表面の凹凸に衝突して、該凹凸に応じてプローブ先端の振動振幅が変化する。この振動振幅変化を測定することで試料の表面形状の測定を行なっている。
また、上述したプローブ先端の振動振幅は、試料表面に粘着しないように十分大きい振幅(例えば、100〜200nm)で振動させている。つまり、大気条件下において物質表面には、空気中の水分等により薄い液層、即ち吸着水層が存在している。このため、図10に示すように、上記試料表面においても、この吸着水層が存在している状態となっている。これにより、プローブ先端を試料に接触又は近接させるように接近させた場合には、試料との間に働く力(ファンデルワールス力等)の影響により、図11に示すカーブC1のように滑らかな曲線で徐々に振幅が小さくなっていくのに対し、プローブ先端を試料から離間させる時には、該プローブ先端が吸着水層の表面張力に捕獲され、引っ張られてしまうので、カーブC2に示すように上記カーブC1とは異なった不規則な曲線となってしまう。そのため、小さな振幅では該プローブ先端を吸着水層から引き離すのに困難が生じていた。これを解消するため、上述したように大きな振幅で振動させている。
更に、上記超低力原子間力顕微鏡は、深い形状の試料を測定する際には、追従性を良くするために振動振幅を上述したように大きく(100nm以上)する必要があることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、その形状に急な斜面を有する試料の場合には、斜面を叩く力が強くなると斜面で発生する滑りが増大する(例えば、非特許文献2参照)と共に、斜面から受ける横方向の力により探針(プローブ)やカンチレバー(レバーアーム)の曲がりが大きくなっていた。
また、別の走査型プローブ顕微鏡の一つとして、探針を試料表面に対して平行に走査させる際、探針を、試料の物理量等の測定に必要な距離よりも十分に離間した状態で走査を行なう走査プローブ顕微鏡が知られている(例えば、特許文献2参照)。
該走査プローブ顕微鏡は、試料表面に対して平行に走査可能なプローブ(探針)を該試料表面に対して垂直方向に移動させるZ圧電素子を備えており、電圧を印加することにより該Z圧電素子を伸縮させて、プローブと試料表面との距離(高さ)を調整できるようになっている。また、通常Z圧電素子は、上述したように探針が試料表面から十分離れた距離に位置しているときに縮んだ状態となっており、該位置が初期状態として設定されている。
この走査プローブ顕微鏡により、試料の表面形状を測定する場合には、探針を走査させて測定ポイントに達すると、該走査を停止すると共にZ圧電素子に電圧を印加する。電圧が印加されると、Z圧電素子が伸びて探針が試料表面に接近するように移動する。そして、探針が試料表面に極近接してトンネル領域内に入ると、探針と試料との間にトンネル電流が流れ、該トンネル電流を測定する。測定後、Z圧電素子に印加していた電圧を0Vにする。印加されていた電圧が0Vになると、Z圧電素子は縮んで初期状態に戻る。即ち、探針が、試料表面から測定に必要な距離よりも十分に離れた距離に位置する。この初期位置に戻った後、探針の走査を再び開始する。その後、上述したことを繰り返し、各測定位置でトンネル電流を測定することで試料の表面形状等の測定を行なっている。
特許第2732771号公報(段落番号0015−0037、第1−11図) 特許第2936545号公報(第2頁、左段、下から16行目−第2頁、右段、上から5行目) B.Anczykowski, et. al.,滴ow to measure energy dissipation in dynamic mode atomic force microscopy・ Appl. Surf. Sci., 140 (1990) 376,(第379頁16行目−26行目) T.Morimoto, et. al.,鄭tomic Force Microscopy for High Aspect Ratio Structure Metrology・ Jpn. J. Appl. Phys., Vol.41 (2002) 4238,(第4240頁左段9行目−17行目、Fig.8)
ところで、上記特許文献1記載の超低力原子間力顕微鏡では、探針(プローブ)を試料表面の吸着水層に捕獲されないように、大きな振幅で試料表面を繰り返し叩きながら走査を行なっているが、このとき、非特許文献1にも記載されているように、探針と試料との間の散逸エネルギーは振動振幅の2乗に比例するので、振動振幅を大きくすると探針と試料の衝突による損傷が生じる恐れがあった。
また、非特許文献2にも記載されているように、斜面を叩く力が強くなると斜面で発生する滑りが増大すると共に、斜面から受ける横方向の力により探針やカンチレバーの曲がりが大きくなっていた。このため、急な斜面ではその形状を正確に測定することが困難であった。
また、これを解消するため、仮に探針の振動振幅を小さくすると、探針が試料表面に粘着、即ち、吸着水層に捕獲されて測定が正確に行なえない不都合があった。
また、走査速度を速くすると試料表面の凹凸形状に追従できず、正確な測定を行なうことが困難であるため、走査速度が限られるものであった。そのため、スループットが低下し、測定に時間がかかるという不具合があった。特に、走査領域が大きくなるにつれて測定に要する時間も長くなっていた。
また、探針と試料との間の距離制御のパラメータであるサーボゲインを上げると、発振が生じ正確な測定を行なうことが困難であった。
また、上記特許文献2記載の走査プローブ顕微鏡では、探針を走査させる際に、Z圧電素子の印加電圧を0Vにし、探針を初期位置、即ち、試料表面から十分離間した位置に配した状態で走査を行なっているので、探針を往復移動するときに、該移動距離が長く時間を要するものであった。そのため、測定に時間がかかりスループットが低下してしまうといった不都合があった。特に、試料表面からの探針の高さは、試料表面の凹凸形状に係わらず常に同じ位置(初期位置)に戻るように設定されているので、該試料表面の凹凸形状によっては、さらに時間を要する場合があった。このことからも時間を要し、スループットが低下してしまうという不都合があった。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、探針と試料との衝突による損傷を低減又は回避すると共に測定時間の短縮、スループットの向上、測定精度の向上が図れ、吸着水層の影響を受けずに試料の表面形状等の観測データを採取することができる走査型プローブ顕微鏡及び走査方法を提供することである。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の走査型プローブ顕微鏡は、試料表面に平行なX、Y方向の走査と、該試料表面に垂直なZ方向の移動とを該試料表面に対して相対的に行なえる探針を備えた走査型プローブ顕微鏡であって、前記探針を、これに共振する或いは強制振動する振動用周波数で振動させる加振手段と、前記探針が前記試料表面に近接又は接触した時点における観測データを採取する観測手段と、前記探針が前記試料表面に近接又は接触した時点における該探針の振動状態の変化を検出する検出手段と、前記X、Y方向の走査及び前記Z方向の移動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記観測データを採取した後、前記X又はY方向の次回の観測位置に達するまで前記試料表面に平行な方向に探針を走査させ、該走査中に探針の振動状態の変化を検出した際に、探針を試料表面から離間するZ方向に移動させることを特徴とするものである。
また、本発明の走査方法は、試料表面に平行なX、Y方向の走査と、該試料表面に垂直なZ方向の移動とを該試料表面に対して相対的に行なえる探針を備え、該探針を、これに共振するあるいは強制振動する振動用周波数で振動させ、該探針が該試料表面に近接または接触した時点における観測データを採取する走査型プローブ顕微鏡における走査方法であって、前記探針を前記X又はY方向に走査する走査工程と、該走査工程による走査によって観測位置に達したときに、前記探針の走査を停止すると共に前記試料表面に接近する前記Z方向に移動させ、該移動中に探針の振動状態の変化を検出したときに該移動を停止して前記観測データを採取する観測工程とを有し、該走査工程の際、前記探針の振動状態の変化を検出したときに、探針を前記試料表面から離間する前記Z方向に移動させることを特徴とするものである。
この発明に係る走査型プローブ顕微鏡及び走査方法においては、加振手段により探針を振動させた状態で走査及び観測データの採取を行なっている。つまり、観測位置にて探針を試料表面に接近するZ方向に移動させて該探針が試料表面に近接又は接触したときに、該探針と試料との間に力(ファンデルワールス力や接触による斥力等)が働くので、探針の振動状態が変化する。この変化を検出手段が検出すると、制御手段が探針を停止すると共に観測手段が観測データを採取する。この観測工程後、制御手段は、走査工程により探針を試料表面に平行なXY方向に向けて走査する。
この走査工程中に、例えば、探針が試料表面の凸部に近接した場合には、検出手段が探針の振動状態の変化、例えば、探針と試料との間に働くファンデルワールス力による振動振幅の減衰を検出する。これを受けて制御手段は、探針を試料表面から離間するZ方向に移動させる。これにより、凸部に干渉しないように探針の走査が行なえる。なお、この際、制御手段は、走査を一旦停止して探針をZ方向に移動させ、その後、再び走査を続行させても良い。こうすることで、より確実に凸部との接触を回避することができる。
また、この走査によって次回の観測位置に達した場合には、制御手段は、走査を停止すると共に探針を試料表面に接近するZ方向に移動させ、再度観測手段による観測工程によって次の観測データの採取を行なう。
上述したように走査工程の際、制御手段は、検出手段により探針の振動状態の変化が検出される毎に該探針を試料表面から離間するZ方向に向けて移動させて、再度走査を行なう。つまり、振動状態の変化が検出される毎に小刻みに引き上げながら走査を行なっている。これにより、探針の走査経路に試料表面の凸部があったとしても、該凸部を回避しながら可能な限り該凸部の形状に沿った最短経路で走査が行なえる。従って、走査時間の短縮、即ち、測定時間の短縮が図れ、スループットを向上することができる。
また、観測工程の際、探針を、該振動状態が変化する位置、即ち、試料表面に近接又は接触する位置まで近づけるので、凹凸が大きい試料であっても確実に観測データを採取する位置まで探針を近接することができる。従って、試料の凹凸状態の大きさに係わらず正確な形状データ等の観測データを採取することができ、測定精度の向上を図ることができる。特に、探針と試料との相互作用が各観測位置で小さく且つ均一であることから、探針の振動振幅が微小であっても大きな凹凸形状を正確にトレースすることができる。つまり、微小振幅でありながら凹凸の大きい形状を精度良く測定することができる。
また、この観測工程の際、上述したように探針の振幅を小さく(例えば、20nm以下)できるので、探針と試料との間の散逸エネルギーを減らし、探針と試料との衝突による損傷を低減又は回避することができる。また、凹凸形状が大きい場合でも、探針等に作用する急な斜面から受ける横方向の力を軽減できるので、急な斜面の形状をより正確に測定することができる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、上記本発明の走査型プローブ顕微鏡において、前記検出手段が、前記走査の際、前記探針の振動状態が予め設定された閾値を超えて変化したときに該探針の振動状態の変化を検出し、該検出により前記制御手段が、前記閾値を超えない状態まで前記探針を前記Z方向に移動させることを特徴とするものである。
この発明に係る走査型プローブ顕微鏡においては、走査工程中に、探針が試料の凸部に近接または接触した場合には、探針と試料との間に働くファンデルワールス力等の力により探針の振動状態が、例えば、振動振幅が減衰する等して変化する。すると、検出手段は、上記探針の振動状態の変化を予め設定されている閾値と比較して、該閾値を超えたときに、探針が試料表面に近接又は接触したと判断する。また、これを受けて制御手段は、上記閾値を超えない状態、即ち試料表面に近接又は接触しない状態まで探針の引き上げ動作を行なう。
つまり、制御手段は、探針の振動状態が閾値を超えたときだけ、該探針をフィードバック制御して引き上げ動作(片サーボ)を行なうので、連続的なフィードバックを行なう必要がない。従って、連続的な発振を低減することができる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、上記本発明の走査型プローブ顕微鏡において、前記制御手段が、前記観測データの採取後、前記探針を前記試料表面から離間する前記Z方向に移動させた後に、該探針を走査させることを特徴とするものである。
また、本発明の走査方法は、上記本発明の走査方法において、前記観測工程後、前記探針を前記試料表面から離間する前記Z方向に移動させる離間工程を有することを特徴とするものである。
この発明に係る走査型プローブ顕微鏡及び走査方法においては、制御手段が、観測工程時に試料表面に近接又は接触状態にある探針を一旦該試料表面から離間させた後、走査を行なう。つまり、制御手段は、この離間工程によって探針と試料表面との距離の引き離しを行なった後、走査工程を行なう。これにより、探針と試料表面との距離が確保されるので、探針と試料表面との衝突による損傷の可能性をより低減でき、安全性を向上させることができる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、上記本発明のいずれかの走査型プローブ顕微鏡において、前記振動状態の変化が、前記探針の振動振幅の減衰度合い、振動の位相の変化度合い及び振動の周波数の変化度合いの少なくとも一つであることを特徴とするものである。
この発明に係る走査型プローブ顕微鏡においては、検出手段が、探針の振動振幅の減衰度合い、振動の位相の変化度合い、振動の周波数の変化度合いの少なくとも1つに注目することで、試料表面に近接又は接触したことを容易に判別することができる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、上記本発明のいずれかの走査型プローブ顕微鏡において、前記制御手段が、前記走査時に前記探針が前記X又はY方向の次回の観測位置に達した際、探針の走査を停止すると共に、一旦探針を前記試料表面から離間する前記Z方向に所定距離だけ移動させた後に探針を試料表面に近接または接触させて前記観測データを採取することを特徴とするものである。
また、本発明の走査方法は、上記本発明の走査方法において、前記観測工程の際、前記探針の走査を停止した後、該探針を一旦前記試料表面から離間する前記Z方向に所定距離離間させてから、該試料表面に接近するZ方向に移動させることを特徴とするものである。
この発明に係る走査型プローブ顕微鏡及び走査方法においては、観測工程の際、探針を走査時の高さから一旦所定距離だけ引き上げてから観測データの採取を行なうので、走査終了時に仮に探針が試料の凹凸形状によって吸着水層に捕獲されていたとしても、測定前に確実に探針を吸着水層に捕獲されない位置に引き上げることができる。そのため、吸着水層の影響を受けない位置から探針を試料に接近する方向に移動させて観測データの採取が行なえる。つまり、探針は、吸着水層に捕獲されていないので、該吸着水層の影響による振動減衰等が防げ、より正確な観測データの採取が行なえる。従って観測データの信頼性を向上させることができる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、上記本発明の走査型プローブ顕微鏡において、前記加振手段が、前記探針を前記試料表面に近接または接触させて前記観測データを採取する際の探針の振動振幅を、前記走査時の探針の振動振幅よりも小さくすることを特徴とするものである。
また、本発明の走査方法は、上記本発明の走査方法において、前記観測工程の際、前記探針の振動状態の変化を検出した後に、該探針を一旦前記試料表面から離間する前記Z方向に所定距離離間させると共に、探針の振動振幅を前記走査工程よりも小さくする振動振幅変化工程を行い、該振動振幅変化工程後、前記探針を前記試料表面に接近する前記Z方向に移動させることを特徴とするものである。
この発明に係る走査型プローブ顕微鏡及び走査方法においては、観測工程の際、振動振幅変化工程により探針の振動振幅を小さくして測定を行なう。つまり、走査工程のときは、観測工程時よりも大きな振動振幅で走査を行なえる。従って、サーボのレスポンスが高く、探針の振動状態の変化が検出されてから該探針を引き上げるまでの間に探針と試料表面とが衝突し損傷することを防ぐことができる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、上記本発明の走査型プローブ顕微鏡において、前記所定距離が、前記探針又は前記試料の種類、或いは測定環境の温度又は湿度に基づいて決定される距離であることを特徴とするものである。
この発明に係る走査型プローブ顕微鏡においては、探針又は試料の種類、或いは測定時における試料表面及び探針の近傍等の測定環境の温度又は湿度に基づいて決定される前記所定距離だけ、一旦探針の引き上げ動作を行なう。従って、前記条件に応じて試料表面の吸着水層の厚さ等が変化しても、測定前に確実に探針を該吸着水層の影響を受けない位置に引き上げることができ、観測データの信頼性を更に向上させることができる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、上記本発明の走査型プローブ顕微鏡において、前記所定距離が、1nm以上であることを特徴とするものである。
この発明に係る走査型プローブ顕微鏡においては、湿度、温度等が低い場合に、確実に探針を吸着水層の影響を受けない位置に引き上げることができる。また、余分な引き上げ時間を必要としないので、測定時間の短縮を図ることができる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、上記本発明の走査型プローブ顕微鏡において、前記所定距離が、10nm以上であることを特徴とするものである。
この発明に係る走査型プローブ顕微鏡においては、湿度99%のような端的な状態でも探針を確実に吸着水層の影響しない位置まで引き上げることができる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、上記本発明のいずれかの走査型プローブ顕微鏡において、前記観測手段が、異なる2種類の観測データを採取することを特徴とするものである。
この発明に係る走査型プローブ顕微鏡においては、観測手段が、探針を試料表面に近接又は接触した状態において、異なる種類の観測データの採取を行なうので、所望する様々な観測データを効率良く採取することができる。
また、本発明に係る走査型プローブ顕微鏡は、上記本発明のいずれかの走査型プローブ顕微鏡において、前記制御手段が、前記観測位置において、前記試料表面から一定距離前記Z方向に離間した位置に前記探針を配し、前記観測手段が、前記位置において再度観測データを採取することを特徴とするものである。
また、本発明の走査方法は、上記本発明のいずれかの走査方法において、前記観測工程の際、前記探針が前記試料表面から一定距離前記Z方向に離間した位置において、再度観測データを採取することを特徴とするものである。
この発明に係る走査型プローブ顕微鏡及び走査方法においては、観測工程の際に、観測手段が、探針を試料表面から一定距離Z方向に離間した位置で再度観測データの採取を行なう。つまり、観測手段は、探針と試料表面とが近接又は接触した時点における観測データに加え、更に上記位置での観測データの採取が行なえる。この際、観測手段は、形状の影響を低減した状態で、試料表面からの物性量の三次元分布、例えば、三次元的な磁気分布像等を得ることができ、より多面的な観測データの採取を行なうことができる。
また、本発明の走査型プローブ顕微鏡は、上記本発明の走査型プローブ顕微鏡において、前記観測手段が、再度観測データを採取する際、前記探針が前記試料表面に近接又は接触した時点における観測データと同一又は異なる種類の観測データを採取することを特徴とするものである。
この発明に係る走査型プローブ顕微鏡においては、探針を試料表面に近接又は接触した状態と、探針を試料表面から一定距離Z方向に離間した状態とで、同一種類又は異なる種類の観測データの採取を行なうので、より有効な観測データを採取することができる。
この発明に係る走査型プローブ顕微鏡及び走査方法によれば、走査工程の際、制御手段は、検出手段により探針の振動状態の変化が検出される毎に、探針を小刻みに引き上げながら走査を行なうので、探針の走査経路に試料表面の凸部があったとしても、該凸部を回避しながら可能な限り該凸部の形状に沿った最短経路で走査が行なえる。従って、走査時間の短縮、即ち、測定時間の短縮が図れ、スループットを向上することができる。
また、観測工程の際、探針を、該振動状態が変化する位置、即ち、試料表面に近接又は接触する位置まで近づけるので、凹凸が大きい試料であっても確実に観測データを採取する位置まで探針を近接することができ、試料の凹凸状態の大きさに係わらず正確な形状データ等の観測データを採取することができると共に、測定精度の向上を図ることができる。特に、探針と試料との相互作用が各観測位置で小さく且つ均一であることから、探針の振動振幅が微小であっても大きな凹凸形状を正確にトレースすることができる。つまり、微小振幅でありながら凹凸の大きい形状を精度良く測定することができる。また、この観測工程の際、上述したように探針の振幅を小さく(例えば、20nm以下)できるので、探針と試料との間の散逸エネルギーを減らし、探針と試料との衝突による損傷を低減又は回避することができる。また、凹凸形状が大きい場合でも、探針等に作用する急な斜面から受ける横方向の力を軽減できるので、急な斜面の形状をより正確に測定することができる。
以下、本発明に係る走査型プローブ顕微鏡の第1実施形態について、図1から図5を参照して説明する。
本実施形態の走査型プローブ顕微鏡1は、図1に示すように、試料Pの表面(以下、試料表面A)に平行なX、Y方向の走査と該試料表面Aに垂直なZ方向の移動とを該試料表面Aに対して相対的に行なえる探針2と、該探針2をこれに共振する或いは強制振動する振動用周波数で振動させる加振手段3と、探針2が試料表面Aに近接又は接触した時点における観測データを採取する観測手段4と、探針2が試料表面Aに近接又は接触した時点における探針2の振動状態の変化を検出する検出手段5と、探針2のX、Y方向の走査及びZ方向の移動を制御する制御手段6とを備えている。
上記試料Pは、試料台10の上面に載置されている。また、該試料Pの上方には、該試料Pと対向する上記探針2を一端に有するカンチレバー11が設けられており、該カンチレバー11の他端にはバイモルフ12が固定されている。このバイモルフ12は、加振電源13によりカンチレバー11を共振或いは強制振動する機能を有している。即ち、これらバイモルフ12及び加振電源13は、上記加振手段3を構成している。なお、バイモルフ12の振動用周波数は、例えば、100kHzであり、探針2をこの振動周波数で振動させる。
また、カンチレバー11のバイモルフ12側の一端は、三次元アクチュエータ14に固定されている。該三次元アクチュエータ14は、試料表面Aに平行なX、Y方向と、該試料表面Aに垂直なZ方向とに移動できるようになっている。これにより、探針2は、三次元アクチュエータ14及びカンチレバー11を介して試料表面Aに対して上記方向に移動可能とされている。
上記三次元アクチュエータ14には、振幅減衰検出部16に接続されたカンチレバー変位検出器15及びカンチレバー11の裏面にレーザ光Lを照射するレーザ発生器17が配設されている。上記カンチレバー変位検出器15は、例えば、フォトディテクタであり、カンチレバー11の裏面で反射したレーザ光Lを受光すると共に入射位置を測定してカンチレバー11の変位量を検出する機能を有している。即ち、カンチレバー11の振動状態に応じて、レーザ発生器17からカンチレバー11の裏面に照射されていたレーザ光Lの反射方向が変化するので、カンチレバー変位検出器15への入射位置が変化する。該カンチレバー変位検出器15は、カンチレバー11の変位量を、この入射位置に応じた振動波形として振幅減衰検出部16に出力するようになっている。
また、振幅減衰検出部16は、カンチレバー変位検出器15より送られてきたカンチレバー11の変位量、即ち、振動波形に基づいて、探針2の振動振幅及び該振動振幅の減衰度合いを算出する機能を有している。この際、振幅減衰検出部16は、探針2の振動振幅の変化が、予め設定されている閾値を超えて変化したときに、その旨を制御部20に知らせるようになっている。なお、振動振幅の減衰度合いとしては、実際の減衰量を使用しても良く、或いは、減衰率を使用しても良い。
即ち、これらカンチレバー変位検出器15、振幅減衰検出部16及びレーザ発生器17は、上記検出手段5を構成している。
また、三次元アクチュエータ14には、該三次元アクチュエータ14を駆動して上記XY方向及びZ方向に走査させるXY駆動部18及びZ駆動部19が接続されている。また、これらXY駆動部18及びZ駆動部19は、振幅減衰検出部16に接続されている制御部20によって総合的に制御されている。また、該制御部20は、振幅減衰検出部16によって検出された探針2の振動振幅の減衰度合いに基づいてZ駆動部19を制御するようになっている。
即ち、これら三次元アクチュエータ14、XY駆動部18、Z駆動部19及び制御部20は、上記制御手段6を構成している。
更に、上記XY駆動部18及びZ駆動部19は、イメージデータ生成部21に接続されている。該イメージデータ生成部21は、XY駆動部18及びZ駆動部19の駆動データに基づいて探針2の位置を検出すると共に、この位置データを観測データとして採取するようになっている。また、この観測データは、モニタ等の表示部22に表示されるようになっている。
即ち、これらイメージデータ生成部21及び表示部22は、上記観測手段4を構成している。
また、上記制御部20は、XY駆動部18及びZ駆動部19を制御して、観測データを採取した後、探針2を試料表面Aから離間するZ方向に移動させ、X又はY方向の次回の観測位置に達するまで試料表面Aに平行な方向に探針2を走査させ、該走査中に探針2の振動状態の変化を検出した際に走査を一旦停止すると共に、探針2を試料表面Aから離間するZ方向に移動させた後、走査を再び続行するように予め設定されている。
つまり、制御部20は、振幅減衰検出部16より探針2の振動振幅の変化が予め設定されている閾値を超えて変化したことを知らされると、該振動振幅の変化が該閾値を超えない状態まで探針2の引き上げを行なうようになっている。この制御部20の動作については、後に詳細に説明する。
このように構成された走査型プローブ顕微鏡1により、試料表面Aに対して探針2を走査して試料Pの観測データを採取し、該試料Pの形状象を生成する場合について以下に説明する。
まず、図1に示す加振電源13によりバイモルフ12に電源を供給して、探針2を振動用周波数で振動させる。この状態にて、制御部20は、XY駆動部18を作動させて三次元アクチュエータ14をXY方向に走査する。つまり、探針2を振動させながら該探針2を、図2に示すXY軌跡XY1のように試料Pの上方を走査する。なお、この走査工程中の探針2は、図3に示す振動波形W1のように、20nm以下の小さな振動振幅Bで振幅している。
上記走査工程中に、探針2が予め設定された観測位置30上に達すると、制御部20は、XY駆動部18の動作を一旦停止すると共に、図2及び図5に示すようにZ駆動部19を制御して三次元アクチュエータ14を下方に移動させる。即ち、探針2を試料表面Aに接近するZ方向に移動させる。
下方移動により、探針2が試料表面Aに近接若しくは接触すると、探針2と試料Pとの間に力(ファンデルワールス力や接触による斥力等)が働く。すると、探針2の振動振幅Bは、図4に示す振動波形W2及び図5のように振動振幅B’に減衰した状態となる。振幅減衰検出部16は、カンチレバー変位検出器15から送られてきたカンチレバー11の変位量から上記探針2の振動振幅を算出し、該振動振幅の変化が予め設定されている閾値を超えたときに、探針2の振動状態が変化した、即ち、振動減衰度合いが変化したと判断してその旨を制御部20に知らせる。
制御部20は、振幅減衰検出部16から探針2の減衰度合いが変化したことを受けて、Z駆動部19を停止し、三次元アクチュエータ14のZ方向への移動を停止する。これにより、試料Pに対して大きな負荷を与える前に探針2と試料Pとの接近が停止するので、探針2及び試料Pに多大な負荷が加わることはない。また、探針2の移動が停止した時点で、イメージデータ生成部21がこの観測位置30での観測データ、即ち、Z方向の位置データを採取する。
上記観測工程終了後、制御部20は、図5に示すように、Z駆動部19を制御して探針2を試料Pから離間するZ方向に、例えば、10nm移動させる。この10nm引き上げることによって、観測工程時に探針2が試料Pの表面に存在している図示しない吸着水層に捕獲されたとしても、該吸着水層から探針2を確実に引き上げることができる。
なお、上記離間工程の際、探針2を10nm引き上げたが、該10nmに限られるものではない。
上記離間工程後、制御部20は、Z駆動部19を停止すると共にXY駆動部18を制御して、探針2を図2に示すXY軌跡XY1のように再度走査を行なう。なお、離間工程によって、探針Aの振動振幅は、図3に示す振動振幅W1及び図5に示すように元の振動振幅Bに戻っている。この際、上述したように、探針2は離間工程によって吸着水層から脱している状態であるので、吸着水層に影響を受けずに走査を行なえる。そのため、走査工程時の探針2の振動振幅Bを、上述したように20nm以下の小さな振動振幅にすることができる。
この走査工程の際、図2に示すように、探針2が試料表面Aの凸部に近接した場合には、上述した観測工程と同様に試料Pと探針2との間に力(ファンデルワールス力等)が働くので、振幅減衰検出部16が探針2の振動振幅の減衰度合いを閾値と比較することにより検出して制御部20に知らせる。これを受けると制御部20は、XY駆動部18を停止して走査を一旦停止すると共にZ駆動部19を作動させて探針2を試料表面Aから離間するZ方向に振幅減衰検出部16の閾値を超えない状態になるまで移動させる。Z方向の移動後、制御部20は、Z駆動部19を停止すると共にXY駆動部18を作動させて探針2の走査を再度行なう。
このように走査工程中、該走査経路に試料Pの凸部があった場合には、制御部20がXY駆動部18及びZ駆動部19を制御して、走査の一旦停止、引き上げ、再度走査といった動作を繰り返し行いながら次の観測位置30まで探針2の走査を行なう。また、凸部に近接した際も、探針2の引き上げ動作を行なうので、吸着水層の影響を考慮する必要がないことからも小さな振動振幅Bで構わない。
そして、図2に示すように、次の観測位置30に探針2が達すると、上記観測工程を行なって、該観測位置でのZ方向の位置データをイメージデータ生成部21が採取する。上述した走査工程、観測工程及び離間工程を順に繰り返して、全ての観測位置30で位置データの採取を行なう。このように位置データを集めることで、試料Pの表面形状の形状像を得ることができる。また、採取した位置データを表示部22に表示することも可能である。
上述した走査型プローブ顕微鏡1及び走査方法によれば、走査工程の際、制御部20は、振幅減衰検出部16により探針2の振動状態の変化が検出される毎に、該振動状態の変化が予め設定されている閾値を超えない状態になるまで引き上げながら走査を行なうので、探針2の走査経路に試料表面Aの凸部があったとしても、該凸部を回避しながら可能な限り該凸部の形状に沿った最短経路で走査が行なえる。従って、走査時間の短縮、即ち、測定時間の短縮が図れ、スループットを向上することができる。
また、制御部20は、試料表面Aの凸部に近接した際、探針2の引き上げ動作を行なうので、仮に探針2が試料表面Aの吸着水層に捕獲されていたとしても、引き上げ動作によって吸着水層から脱することができる。これにより、吸着水層の影響を考慮する必要がなく、探針2の振幅をできるだけ小さくすることができる。
また、観測工程の際、探針2を該振動状態が変化する位置、即ち、探針2を試料表面Aに近接又は接触する位置まで近づけるので、凹凸が大きい試料Pであっても確実に観測データを採取する位置まで探針2を近接することができる。従って、試料Pの凹凸状態の大きさに係わらず正確な形状データ等の観測データを採取することができ、測定精度の向上を図ることができる。特に、探針2と試料Pとの相互作用が各観測位置30で小さく且つ均一であることから、探針2の振動振幅が微小であっても大きな凹凸形状を正確にトレースすることができる。つまり、微小振幅でありながら凹凸の大きい形状を精度良く測定することができる。また、この観測工程の際、上述したように探針2の振幅を小さくできるので、探針2と試料Pとの間の散逸エネルギーを減らし、探針2と試料Pとの衝突による損傷を低減又は回避することができる。また、凹凸形状が大きい場合でも、探針2及びカンチレバー11に作用する急な斜面から受ける横方向の力を軽減できるので、急な斜面の形状をより正確に測定することができる。
また、走査工程中、制御部20は、探針2の振動状態が閾値を超えたときだけ、上述したように該探針2をフィードバック制御して引き上げ動作(片サーボ)を行なうので、連続的なフィードバックを行なう必要がない。従って、連続的な発振を低減することができる。
更に、制御部20は、離間工程によって探針2と試料表面Aとの距離の引き離しを行なった後、走査工程を行なうので、探針2と試料表面Aとの距離が確実に確保した状態で走査を行なう。従って、探針2と試料表面Aとの衝突による損傷の可能性をより低減でき、安全性を向上させることができる。
次に、本発明に係る第2の実施形態を、図6を参照して説明する。この実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、観測工程時、制御手段6が探針2の走査を停止すると共に直ちに試料Pに対して接近するように移動させたのに対し、第2実施形態の走査型プローブ顕微鏡では、制御手段6が一旦探針2を引き上げてから試料Pに対して接近するように移動させる点である。
即ち、本実施形態の走査型プローブ顕微鏡は、制御部20が、観測工程の際、Z駆動部19を制御して一旦探針2を試料表面Aから離間するZ方向に、例えば、10nmの所定距離移動させた後、該探針2を試料表面Aに近接するように予め設定されている。
このように構成された走査型プローブ顕微鏡によれば、探針2を走査工程により走査して観測位置30に達したときに、制御部20が、XY駆動部18を停止すると共に、図6に示すように、Z駆動部19を作動させて探針2を一旦走査時の高さからさらに10nmの距離引き上げる。
これにより、探針2が観測位置30に位置したときに、仮に試料Pの凸部形状によって該探針2が吸着水層に捕獲されていたとしても、該位置から10nm引き上げるので、測定前に確実に探針2を吸着水層から脱した状態に位置させることができる。そして、該位置、即ち、吸着水層の影響を受けない位置から探針2を試料Pに接近する方向に移動させて位置データの採取を行なう。この際、探針2は、吸着水層に捕獲されていないので、該吸着水層の影響による振動減衰を防止でき、より正確な位置データの採取が行なえる。従って、測定の信頼性を向上することができる。
次に、本発明に係る第3の実施形態を図7及び図8を参照して説明する。この実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、加振手段3が、カンチレバー11を常に振動振幅Bで振動させ、また、観測工程時、制御手段6が探針2の走査を停止すると共に直ちに試料Pに対して接近するように移動させたのに対し、第3実施形態の走査型プローブ顕微鏡では、加振手段3が、探針2を試料表面Aに近接又は接触させて観測データを採取する際の振動振幅を、走査工程時の探針2の振動振幅よりも小さくするようになっており、また、制御手段6が、観測工程の際、振幅減衰検出部16により探針2の振動状態の変化が検出されると、一旦該探針2を引き上げてから試料Pに対して接近するように移動させる点である。
即ち、本実施形態の走査型プローブ顕微鏡は、バイモルフ12が、走査工程の際、加振電源13によりカンチレバー11を図7に示す振動波形W3のように、例えば、100nmの大きな振動振幅B”で振動させるようになっている。また、バイモルフ12は、制御部20からの振幅変化信号を受けると、カンチレバー11を第1実施形態と同様の振動振幅B’で振動させるようになっている。このように、上記加振手段6は、カンチレバー11の振動振幅を変化できるようになっている。
また、制御部20は、観測工程の際、Z駆動部19を制御して探針2を試料表面Aに接近するZ方向に移動させ、該移動により探針2が試料表面Aに近接又は接触して振幅減衰検出部16により振動状態の変化が検出されると、一旦該探針2を試料表面Aから離間するZ方向に例えば、10nmの所定距離移動させた後、該探針2を再度試料表面Aに近接するように予め設定されている。また、制御部20は、探針2を引き上げる際、加振電源13に探針2の振動振幅を、振動振幅B”から振動振幅Bに変更させる上記振幅変化信号を送るようになっている。更に、制御部20は、位置データを採取して探針2を引き上げる離間工程後にも、加振電源13に探針2の振動振幅を、振動振幅Bから走査工程時の振動振幅B”に変更させる上記振幅変化信号を送るようになっている。
このように構成された走査型プローブ顕微鏡によれば、まずバイモルフ12が、加振電源13によりカンチレバー11を図7に示すように、上記振動振幅B”で振動させる。これにより、探針2は、図8に示すように、振動振幅B”で振動しながら走査される。該走査工程により探針2が観測位置30に達すると、制御部20が、XY駆動部18を停止すると共にZ駆動部19を作動させて該探針2を振動振幅B”で振動させながら試料表面Aに接近するZ方向に移動させる。該移動によって試料表面Aに探針2が近接又は接触すると、振動振幅B”が変化するので、振幅減衰検出部16が該探針2の振動状態の変化を検出して、その旨を制御部20に知らせる。
振幅減衰検出部16からの知らせを受けると、制御部20は、探針2を一旦10nmの距離引き上げるようZ駆動部19を制御する。この探針2の引き上げ動作によって、探針2と試料Pとの衝突による損傷が最小限に抑えられる。また、上記衝突の際、探針2が試料表面Aの吸着水層に捕獲されたとしても、確実に該吸着水層から探針2を脱する状態にすることができる。
また、制御部20は、上記引き上げ動作と同時に加振電源13に振幅変化信号を送る。加振電源13は、制御部20からの振幅変化信号を受信すると、バイモルフ13を介してカンチレバー11、即ち、探針2を図8に示すように、振動振幅Bで振動するように振動振幅を変化させる。更に、制御部20は、この振動振幅変化工程と同時に10nm距離引き上げた探針2を再度試料表面Aに接近する方向に移動させるようZ駆動部19の制御を行なう。これにより、探針2は、振動振幅Bで試料表面Aに接近するように移動され、その後、上述した力(ファンデルワールス力や接触による斥力等)による振動状態の変化を検出した位置にて停止される。そして、該位置でイメージデータ生成部21が位置データの採取を行ない、該観測工程後、制御部20がZ駆動部19を制御して探針2を引き上げる離間工程を行なう。該離間工程後、制御部20は、XY駆動部18を制御して探針2の走査を再度行なう。なお、この際、制御部20は加振電源13に振幅変化信号を送り、探針2の振動振幅を振動振幅B”に再度変化させる。
上述したように、走査工程時は、観測工程時よりも大きな振動振幅B”であるので、サーボのレスポンスが高く、探針2の振動状態の変化が検出されてから該探針2を引き上げるまでの間に、探針2が試料表面Aに衝突することを防止することができる。従って、走査工程時、探針2及び試料Pとの衝突による損傷を低減又は回避することができる。
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態において、検出手段は、探針の振動減衰の度合いにより振動状態の変化を検出したが、これに限られず、例えば、振動の位相の変化度合いや振動の周波数の変化度合い等に注目することにより振動状態の変化を検出しても構わない。なお、これらの場合にも、振動の位相が一定の閾値まで変化した場合、又は振動の周波数が一定の閾値まで変化したときに、それぞれ振動状態が変化したものと判断する。
また、制御手段は、走査工程時や離間工程時、探針を所定距離として10nm引き上げたが、該10nmの距離に制限されるものではなく、探針又は試料の種類、或いは測定時における試料表面及び探針の近傍等の測定環境の温度又は湿度等に応じて変更して構わない。つまりこれら条件によって、試料表面の吸着水層の状態が変化するので、該吸着水層に影響を受けないように探針の引き上げ距離(所定距離)を適宜変更して構わない。例えば、温度や湿度によっては、所定距離を1nmにしても良い。特に、所定距離を10nm以上にしておけば、仮に湿度が99%のような端的な状態でも、探針を確実に吸着水層の影響しない位置まで引き上げることができる。
更に、制御手段は、走査工程時において、探針の引き上げ動作を行なうときに、走査を一旦停止して引き上げ動作を行い、引き上げ後再度走査を続行させたが、一旦走査を停止させる必要はない。但し、このように走査を一旦停止することで、より確実に試料の凸部を回避することができる。
また、上記各実施形態において、観測手段は、観測データとして位置データを採取したが、これに限られず、試料の弾性や粘性に関する定数、電気抵抗や吸着力等の物性量を測定しても構わない。更に、これら観測データを1つだけ採取するのではなく、探針が試料表面に近接又は接触した状態で同時に、異なる種類の上記観測データを採取しても構わない。こうすることで、一度に所望する様々な観測データを効率良く採取することができる。
更に、探針が試料表面に近接又は接触した状態で採取する観測データに加え、制御手段が、試料表面から一定距離hだけZ方向に離間した位置に探針を配するように設定し、該位置で再度観測データを採取するように設定しても構わない。
即ち、探針と試料表面とが近接又は接触した状態、即ち、探針の振動状態が変化した位置における観測データを採取した後、制御手段が、図9に示すように該位置から探針を試料表面から上記距離h離間した位置に移動させるように設定されている。そして、該位置でイメージデータ生成部による観測データの採取を行なうようになっている。なお、上記距離hは、例えば、探針と試料との間にファンデルワールス力等が作用しない距離とされる。
この走査型プローブ顕微鏡により観測データを採取する場合には、探針が試料表面に近接又は接触した状態で採取する観測データに加え、更に上記距離hだけ離間した位置での観測データの採取が行なえるので、より多面的な観測データの採取が行なえ、より詳細な試料Pの観察を行なうことができる。特に、例えば、ファンデルワールス力が作用しない上記距離hだけ離間した位置で観測データを採取する場合は、試料の形状の影響を受けにくい。従って、試料表面から分布する高さ方向の物性量、例えば、磁界、電界等の三次元的分布等の物性量をより正確に得ることができる。
更に、観測手段は、探針を試料表面に近接又は接触した状態と、探針を試料表面から距離h離間した状態とで、同一又は異なる種類のどちらの観測データを採取しても構わない。特に、同一種類の観測データの場合には、試料表面からの距離に応じた物性量等を観察することができる。このような観測を行なうことで、より有効な観測データを採取することができると共に、試料Pの観察領域全体を一度に多面的に検査することができる。
また、上記各実施形態においては、探針を三次元アクチュエータにより動かしたが、これに限られず、探針と試料とは相対的に動けばよいので、試料を三次元アクチュエータによって動かしても構わない。
また、光検知式のカンチレバーによって探針部分の変位量を検出したが、該光検知式のカンチレバーに限られるものではなく、例えば、自己の変位量を検知する自己検知レバーを用いても良い。
本発明の第1実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡を示すブロック図である。 本発明の走査方法を説明するための、探針の走査軌跡を示す図である。 図1に示す走査型プローブ顕微鏡において、探針の振動振幅の減衰度合いを説明するための振動波形図であり、走査工程時の振動波形を示す図である。 図1に示す走査型プローブ顕微鏡において、探針の振動振幅の減衰度合いを説明するための振動波形図であり、探針と試料との間に力(ファンデルワールス力等)が作用した時の振動波形を示す図である。 図1に示す走査型プローブ顕微鏡において、走査工程から観測工程及び離間工程を経て再び走査工程に至る間の、探針の振動振幅と試料表面からの高さとの関係を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡において、走査工程から観測工程及び離間工程を経て再び走査工程に至る間の、探針の振動振幅と試料表面からの高さとの関係を示した図である。 本発明の第3実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡において、探針の振動振幅の減衰度合いを説明するための振動波形図であり、走査工程時の振動波形を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る走査型プローブ顕微鏡において、走査工程から観測工程及び離間工程を経て再び走査工程に至る間の、探針の振動振幅と試料表面からの高さとの関係を示した図である。 本発明に係る走査型プローブ顕微鏡の観測工程の他の例を説明するための図であって、探針と試料表面との距離関係を示した図である。 試料表面上に吸着水層が存在する状態を示した図である。 探針の振動振幅と、試料までの距離との関係を示した図であって、カーブC1は探針を試料に接近させた場合の振動振幅の変化状態を示し、カーブC2は探針が吸着水層に捕獲された状態で試料から離間させた場合の振動振幅の変化状態を示す図である。
符号の説明
A 試料表面
1 走査型プローブ顕微鏡
2 探針
3 加振手段
4 観測手段
5 検出手段
6 制御手段

Claims (17)

  1. 試料表面に平行なX、Y方向の走査と、該試料表面に垂直なZ方向の移動とを該試料表面に対して相対的に行なえる探針を備えた走査型プローブ顕微鏡であって、
    前記探針を、これに共振する或いは強制振動する振動用周波数で振動させる加振手段と、
    前記探針が前記試料表面に近接又は接触した時点における観測データを採取する観測手段と、
    前記探針が前記試料表面に近接又は接触した時点における該探針の振動状態の変化を検出する検出手段と、
    前記X、Y方向の走査及び前記Z方向の移動を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記観測データを採取した後、前記X又はY方向の次回の観測位置に達するまで前記試料表面に平行な方向に探針を走査させ、該走査中に探針の振動状態の変化を検出した際に、探針を試料表面から離間するZ方向に移動させることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  2. 請求項1に記載の走査型プローブ顕微鏡において、
    前記検出手段が、前記走査の際、前記探針の振動状態が予め設定された閾値を超えて変化したときに該探針の振動状態の変化を検出し、
    該検出により前記制御手段が、前記閾値を超えない状態まで前記探針を前記Z方向に移動させることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  3. 請求項1又は2に記載の走査型プローブ顕微鏡において、
    前記制御手段が、前記観測データの採取後、前記探針を前記試料表面から離間する前記Z方向に移動させた後に、該探針を走査させることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の走査型プローブ顕微鏡において、
    前記振動状態の変化が、前記探針の振動振幅の減衰度合い、振動の位相の変化度合い及び振動の周波数の変化度合いの少なくとも一つであることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の走査型プローブ顕微鏡において、
    前記制御手段は、前記走査時に前記探針が前記X又はY方向の次回の観測位置に達した際、探針の走査を停止すると共に、一旦探針を前記試料表面から離間する前記Z方向に所定距離だけ移動させた後に探針を試料表面に近接または接触させて前記観測データを採取することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  6. 請求項5に記載の走査型プローブ顕微鏡において、
    前記加振手段が、前記探針を前記試料表面に近接または接触させて前記観測データを採取する際の探針の振動振幅を、前記走査時の探針の振動振幅よりも小さくすることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  7. 請求項5又は6に記載の走査型プローブ顕微鏡において、
    前記所定距離が、前記探針又は前記試料の種類、或いは測定環境の温度又は湿度に基づいて決定される距離であることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  8. 請求項7に記載の走査型プローブ顕微鏡において、
    前記所定距離が、1nm以上であることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  9. 請求項7に記載の走査型プローブ顕微鏡において、
    前記所定距離が、10nm以上であることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の走査型プローブ顕微鏡において、
    前記観測手段が、異なる2種類の観測データを採取することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の走査型プローブ顕微鏡において、
    前記制御手段が、前記観測位置において、前記試料表面から一定距離前記Z方向に離間した位置に前記探針を配し、
    前記観測手段が、前記位置において再度観測データを採取することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  12. 請求項11に記載の走査型プローブ顕微鏡において、
    前記観測手段が、再度観測データを採取する際、前記探針が前記試料表面に近接又は接触した時点における観測データと同一又は異なる種類の観測データを採取することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  13. 試料表面に平行なX、Y方向の走査と、該試料表面に垂直なZ方向の移動とを該試料表面に対して相対的に行なえる探針を備え、該探針を、これに共振するあるいは強制振動する振動用周波数で振動させ、該探針が該試料表面に近接または接触した時点における観測データを採取する走査型プローブ顕微鏡における走査方法であって、
    前記探針を前記X又はY方向に走査する走査工程と、
    該走査工程による走査によって観測位置に達したときに、前記探針の走査を停止すると共に前記試料表面に接近する前記Z方向に移動させ、該移動中に探針の振動状態の変化を検出したときに該移動を停止して前記観測データを採取する観測工程とを有し、
    該走査工程の際、前記探針の振動状態の変化を検出したときに、探針を前記試料表面から離間する前記Z方向に移動させることを特徴とする走査方法。
  14. 請求項13に記載の走査方法において、
    前記観測工程後、前記探針を前記試料表面から離間する前記Z方向に移動させる離間工程を有することを特徴とする走査方法。
  15. 請求項13又は14に記載の走査方法において、
    前記観測工程の際、前記探針の走査を停止した後、該探針を一旦前記試料表面から離間する前記Z方向に所定距離離間させてから、該試料表面に接近するZ方向に移動させることを特徴とする走査方法。
  16. 請求項13又は14に記載の走査方法において、
    前記観測工程の際、前記探針の振動状態の変化を検出した後に、該探針を一旦前記試料表面から離間する前記Z方向に所定距離離間させると共に、探針の振動振幅を前記走査工程よりも小さくする振動振幅変化工程を行い、
    該振動振幅変化工程後、前記探針を前記試料表面に接近する前記Z方向に移動させることを特徴とする走査方法。
  17. 請求項13から16のいずれかに記載の走査方法において、
    前記観測工程の際、前記探針が前記試料表面から一定距離前記Z方向に離間した位置において、再度観測データを採取することを特徴とする走査方法。
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