JP2005069471A - シャフト及びハブの動力伝達機構 - Google Patents

シャフト及びハブの動力伝達機構 Download PDF

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Abstract

【課題】所定部位に対する応力集中を抑制して、より一層、静的強度及び疲労強度を向上させることにある。
【解決手段】シャフト歯部22は、歯厚が変化したクラウニングからなる山部22aを有し、ハブ歯部28は、歯厚が一定の直線状からなり且つ端部からシャフトシャンク24側に向かって内径が変化する山部28aを有し、前記シャフト歯部22の谷部22bには、ハブ歯部28側に向かって膨出する第1段差部30が形成され、前記ハブ歯部28の山部28aには、該シャフト歯部22側と反対方向に窪んだ第2段差部32が形成され、前記第1段差部30の起点(P1)と前記第2段差部32の起点(P2)とをそれぞれ所定距離(L4)だけオフセットした位置に設定した。
【選択図】図3

Description

本発明は、シャフト及びハブからなる2部材間で回転トルクを円滑に伝達することが可能なシャフト及びハブの動力伝達機構に関する。
自動車等の車両において、エンジンからの駆動力を車軸に伝達するためにシャフトを介して一組の等速ジョイントが用いられている。この等速ジョイントは、アウタ部材とインナ部材との間に配設されたトルク伝達部材を介してアウタ・インナ部材間のトルク伝達を行うものであり、シャフトに形成されたシャフト歯部とハブに形成されたハブ歯部とが係合した歯部組立体を有するシャフト及びハブのユニットを含む。
ところで、近年、騒音、振動等の動力伝達系のガタに起因して発生する等速ジョイントの円周方向のガタを抑制することが要求されている。従来では、内輪とシャフトとのガタを抑制するために、等速ジョイントの軸セレーションにねじれ角を設けたものがあるが、前記ねじれ角の方向とトルク負荷方向によって、内輪及びシャフトの強度、寿命にばらつきが生じるおそれがある。
また、歯車等の技術分野において、例えば、特許文献1〜3に示されるように、その歯面部にクラウニングを設ける技術的思想が開示されている。
さらに、トルクを伝達するための歯部組立体を有するシャフト/ハブユニットに関する特許文献4には、長手方向に沿って一定の外径を有するシャフト歯部と、長手方向に沿って一定の基部径を有するハブ歯部とが形成され、シャフト端部側の第1の部分におけるシャフト歯部の基部径(dw1)及びハブ歯部の内径(Dn1)に対し、シャフトシャンクに近接する第2の部分におけるシャフト歯部の基部径(dw2)及びハブ歯部の内径(Dn2)をそれぞれ大きく設定することが開示されている(dw1<dw2、Dn1<Dn2)。
さらにまた、軸部材と外周部材とのスプライン結合に関する特許文献5には、軸部材のシャフトシャンク側において、前記軸部材側の歯の谷部を拡径させて拡径領域を形成し、前記拡径領域内に軸部材側の歯と外周部材側の歯との嵌合部を設けることが開示されている。
ところで、本出願人は、スプラインが形成されたスプラインシャフトのクラウニングトップの位置を、スプラインシャフトと等速ジョイントとの嵌合部位に回転トルクが付与された際に最小となる位置に設けることにより、所定部分に応力が集中することを抑制すると共に、装置の全体構成を簡素化することを提案している(特許文献6参照)。
特開平2−62461号公報 特開平3−69844号公報 特開平3−32436号公報 特表平11−514079号公報 特開2000−97244号公報 特開2001−287122号公報
本発明は、前記の提案に関連してなされたものであり、所定部位に対する応力集中を抑制して、より一層、静的強度及び疲労強度を向上させることが可能なシャフト及びハブの動力伝達機構を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、シャフトに形成されたシャフト歯部と、前記シャフトの外周側に配置されたハブのハブ歯部とが係合することにより、前記シャフト及びハブ間で相互にトルク伝達が可能に結合された機構において、
前記シャフト歯部は、歯厚が変化したクラウニングからなる山部と、端部からシャフトシャンク側に向かって径が変化する谷部とを有し、
前記ハブ歯部は、歯厚が一定の直線状からなり且つ端部からシャフトシャンク側に向かって内径が変化する山部と、軸線方向に沿って一定の径からなる谷部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、シャフト歯部とハブ歯部とが係合した状態においてシャフト及びハブ間に回転トルクが付与された場合、応力が集中する部位であるシャフト歯部の谷部の径を増大させることにより、軸強度を向上させると共に応力を分散させることができる。
この場合、前記シャフト歯部の谷部の径の変化点と、前記ハブ歯部の山部の内径の変化点とを、それぞれ所定距離だけオフセットした位置に設定することにより、前記シャフト歯部側及び前記ハブ歯部側の径の変化部分に応力が集中することが緩和される。
例えば、前記シャフト歯部の谷部には、ハブ歯部側に向かって膨出する第1段差部が形成され、前記ハブ歯部の山部には、該シャフト歯部側と反対方向に窪んだ第2段差部が形成され、前記第1段差部の起点と前記第2段差部の起点とがそれぞれ所定距離だけオフセットした位置に設定されるとよい。なお、前記シャフト歯部に形成された第1段差部の傾斜角度を、5度〜45度に設定することにより、好適な応力緩和効果が得られる。
従って、本発明では、シャフト歯部の谷部の径の変化点とハブ歯部の山部の内径の変化点とが所定距離だけオフセットしているため、前記シャフト歯部に付与された応力が一方の変化点と他方の変化点とにそれぞれ分散されることにより応力集中が緩和される。この結果、応力の集中を緩和して分散させることができるため、シャフト歯部とハブ歯部との係合部位に対する静的強度及び疲労強度を向上させることができる。
さらに、本発明では、前記シャフト歯部とハブ歯部との噛合部位に付与される荷重の度合いに対応して、主たる荷重伝達領域が異なるように設けるとよい。例えば、前記荷重の度合を、低荷重、中荷重及び高荷重に分類した場合、前記低荷重、中荷重及び高荷重の主たる各荷重伝達領域は、クラウニングトップからシャフトシャンク側に向かって順に離間する方向に設定されることにより、特定部位への応力集中が緩和される。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、応力が集中する部位であるシャフト歯部の谷部の径を増大させることにより、軸強度を向上させると共に応力を分散させることができる。
また、シャフト歯部に付与された応力がオフセットされた一方の変化点と他方の変化点とにそれぞれ分散されることにより、応力の集中を緩和してシャフト歯部とハブ歯部との係合部位に対する静的強度及び疲労強度を向上させることができる。
さらに、シャフト歯部を歯厚が変化したクラウニング形状とすることにより、入力される荷重の度合いに応じて主たる荷重が伝達される領域が変化して、特定部位に応力が集中することが緩和される。
本発明に係るシャフト及びハブの動力伝達機構について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1において参照数字10は、本発明の実施の形態に係る動力伝達機構が適用されたシャフト及びハブのユニットを示す。このユニット10は、等速ジョイントの一部を構成するものであり、前記シャフト12は、駆動力伝達軸として機能し、ハブ14は、図示しないアウタカップの開口部内に収納され図示しないボールが係合する案内溝15を有するインナリングとして機能するものである。
前記シャフト12の一端部及び他端部には、それぞれ、ハブ14の軸孔16に嵌合する嵌合部18が形成される。ただし、図1では、シャフト12の一端部のみを示し、他端部の図示を省略している。前記嵌合部18は、シャフト12の軸線に沿って所定の歯長からなり、周方向に沿って形成された複数のスプライン歯20を有するシャフト歯部22を備える。前記シャフト歯部22は、凸状の山部22aと凹状の谷部22bとが周方向に沿って交互に連続して構成される。
前記シャフト12の中心側の前記シャフト歯部22に近接する部位には、シャフトシャンク24が設けられ、また、シャフト12の端部側には、前記ハブ14の抜け止め機能を有する図示しない止め輪が環状溝(図示せず)を介して装着される。
前記シャフト12を半径内方向に向かって見た場合、シャフト歯部22の山部22aは、図2Aに示されるように、歯厚が最大となるクラウニングトップP0から山部22aの両端部に向かって前記歯厚が連続的に減少するように形成されたクラウニングを有する。換言すると、シャフト歯部22の山部22aを平面視した場合、図2Aに示されるように両側がそれぞれ等しく湾曲したクラウニング形状を有する。
前記ハブ14の軸孔16の内周面には、前記シャフト12の嵌合部18に嵌合する複数の直線状のスプライン歯26を有するハブ歯部28が形成される。前記ハブ歯部28は、凸状の山部28aと凹状の谷部28b(図9〜図11参照)とが周方向に沿って交互に連続して構成され、前記ハブ歯部28の山部28aは、図2Aに示されるように、略同一の歯厚からなり、シャフト12の軸線と略平行となるように形成されている。
図3は、シャフト歯部22の谷部22bとハブ歯部28の山部28aとが係合した状態におけるシャフト12の軸線方向に沿った一部拡大縦断面図である。図3中において、P0はクラウニングトップに対応する位置を示す。
シャフト歯部22の谷部22b(谷部径φ1)のクラウニングトップP0に対応する位置(破線参照)からシャフトシャンク24側に向かって水平方向に所定距離L1だけ移動した点P1(変化点)を設定し、前記点P1からその谷部22bをハブ歯部28側に向かって膨出させ、谷部径φ1から谷部径φ2に変化させた第1段差部30を形成し、さらに、所定距離L2だけ谷部径φ2を延在させてシャフトシャンク24に連続させて形成する。
この場合、シャフト歯部22側の前記第1段差部30は、例えば、傾斜面または所定の曲率半径からなる円弧状の曲面または複合面等によって形成するとよい。また、シャフト歯部22の山部22aの外径は、図3及び図4に示されるように、軸線方向に沿って一定で変化しないものと、図5に示されるように、山部22aの外径が点P1の近傍部位からシャフトシャンク24側に向かって徐々に縮径(歯丈が短縮)するように変化するものとの両方が含まれる。前記山部22aの外径をシャフトシャンク24側に向かって徐々に縮径させることにより、後述する転造ラックによる製造が容易となり、また、回転トルクの伝達機能を営む際に何ら問題がない。なお、図5中における記号Hは、山部22aの外径の変化(落ち込み)と対比するための水平線を示す。
ハブ歯部28の山部28aでは、前記シャフト歯部22の点P1からシャフトシャンク24と反対側に水平方向に沿った所定距離L4だけオフセットした位置に点P2を設定し、前記点P2からその山部径φ3を山部径φ4に変化させた第2段差部32を形成し、さらに、所定距離L3だけ山部径φ4を延在させて形成する。
この場合、ハブ歯部28の前記第2段差部32は、例えば、傾斜面または所定の曲率半径からなる円弧状の曲面または複合面等によって形成し、前記第1段差部30の形状と異なる形状であってもよい。前記第2段差部32の傾斜角度は、第1段差部30の傾斜角度に対応して任意に設定される。なお、ハブ歯部28側の形状は、前記第2段差部32の形状に限定されるものではなく、例えば、所定の曲率半径を有するR形状、テーパ形状等を含む形状であってもよい。また、ハブ歯部28の谷部28bの内径は、軸線方向に沿って一定で変化しないものとする。
前記谷部径φ1、φ2は、それぞれ、シャフト12の軸心からシャフト歯部22の谷部22bの底面までの離間距離を示したものであり、前記山部径φ3、φ4は、それぞれ、シャフト12の軸心からハブ歯部28の山部28aの歯先までの離間距離を示したものである。
なお、シャフト歯部22側のL2は、L1より大きく設定されるとよい(L1<L2)。後述するように、シャフト歯部22とハブ歯部28との噛合部位に付与される荷重の度合いに対応して、例えば、低荷重、中荷重及び高荷重等の主たる荷重伝達領域を異なるように設定するためである。さらに、シャフト歯部22側のL2とハブ歯部28側のL3とはそれぞれ略等しく(L2≒L3)、又はシャフト歯部22側のL2に対してハブ歯部28側のL3が大きくなるように設定されるとよい(L2<L3)。寸法公差及び寸法精度によって後述するオフセットが設定し易くなると共に、組み付け性を向上させることができるからである。
図3から諒解されるように、シャフト歯部22の第1段差部30の立ち上がりの起点(変化点)となる点P1と、ハブ歯部28の第2段差部32の立ち上がりの起点(変化点)となる点P2とが所定の離間距離L4だけ略水平方向にオフセットした位置に設定されている。
従って、シャフト歯部22とハブ歯部28とが係合したシャフト12及びハブ14のユニット10に対して回転トルクが付与された場合、シャフト歯部22側の点P1とハブ歯部28側の点P2とが所定距離だけオフセットしているため、前記ユニット10に付与された応力が前記点P1と点P2とにそれぞれ分散されることにより応力集中を緩和することができる。
前記点P1と点P2とがオフセットされていない場合、前記ユニット10に付与された応力が点P1と点P2との径方向の一致部位又は略一致部位に過剰に集中するおそれがあるからである。この結果、本実施の形態では、応力の集中を緩和して分散させることができるため、シャフト歯部22とハブ歯部28との係合部位に対する静的強度及び疲労強度を向上させることができる。
さらに、図4に示されるように、点P1、点P3、点P4を結んだ直角三角形の断面積を増大させ、点P1及び点P4を結ぶ線分P14と点P1及び点P3を結ぶ線分P13とがなす角度θ、すなわち、第1段差部30の傾斜角度θを所定値に設定することにより、第1段差部30に形成されたテーパ部34によってより一層応力集中が緩和される。
例えば、前記第1段差部30の傾斜角度θと応力緩和及び生産技術性との関係を図6に示す。図6から諒解されるように、前記傾斜角度θを5度〜45度に設定すると良好(○印参照)であり、前記傾斜角度θを10度〜35度に設定すると最適(◎印参照)である。
前記傾斜角度θを3度に設定すると、応力分散効果を十分に発揮することができないと共に、後述する転造ラックによる生産が困難であって不適である。一方、前記傾斜角度θを90度に設定すると、階段状の第1段差部30に応力が過剰に集中するという問題があると共に、後述する転造ラックの耐久性を劣化させるという他の問題がある。
第1及び第2段差部30、32がない通常のシャフト及びハブのスプライン嵌合では、シャフトシャンクの近傍部位に応力のピークポイントが発生するが、本実施の形態では、シャフト歯部22に第1段差部30を設けて点P1にもある程度の応力が集中するように構成し、シャフトシャンク24側に集中する応力を分散させている。この場合、シャフト歯部22の第1段差部30の傾斜角度θを、例えば、90度のように大きく設定しすぎると点P1に応力が過剰に集中しすぎて応力分散(応力緩和)効果を発揮することができない。従って、前記第1段差部30の立ち上がり角度である傾斜角度θを適正に設定することにより、シャフトシャンク24の近傍に発生する応力の集中を好適に分散させて、ピークポイントにおける応力値を低減することができる。
ここで、シャフト歯部22及びハブ歯部28にそれぞれ第1段差部30及び第2段差部32が形成されていない比較例に係る応力値の特性曲線A(破線参照)と、所定距離だけオフセットした点P1及びP2を有すると共に、第1段差部30の傾斜角度θを大きく設定したときの応力値の特性曲線B(実線参照)を、それぞれ図7に示す。特性曲線Aと特性曲線Bとを比較すると、テーパ部34を有する構造の特性曲線Bでは、応力値のピークが減少して応力の集中が緩和されていることが諒解される。
また、図8は、前記第1段差部30の傾斜角度θを、前記特性曲線Bと比較して緩やかに設定したときの応力値の特性曲線Cを示したものであり、前記傾斜角度θを緩やかに設定してテーパ部34を大きく形成することにより、前記テーパ部34によってより一層応力が緩和されることが諒解される(図7に示す特性曲線Bのア部分と図8に示す特性曲線Cのイ部分とを比較参照)。
次に、シャフト歯部22側の点P1とハブ歯部28側の点P2とが所定距離だけオフセットした状態における応力値の特性曲線(実線)Mと、前記点P1と点P2とがオフセットしていない、すなわち水平方向に沿った離間距離が零の状態における応力値の特性曲線(破線)Nとを図9に示す。
この場合、特性曲線M及び特性曲線Nのオフセットの有無部分(図9中のウ部分参照)を比較すると、オフセットしていない特性曲線Nに対してシャフト歯部側の起点P1とハブ歯部側の起点P2とがオフセットした特性曲線Mが緩やかな曲線となっており、オフセットさせることにより径の変化部分における応力の集中が緩和されている。
次に、回転トルクが付与されていない無負荷状態から、回転トルクが付与されてクラウニング形状を有するシャフト歯部22の山部22aと直線形状を有するハブ歯部28の山部28aとが噛合して変形した状態を図2A及び図2Bに示す。なお、回転トルクによる荷重入力方向は、クラウニングの軸線と直交する矢印Y方向に設定した。
この場合、応力値と測定位置(図2A、図2Bの矢印X参照)との関係を表した図10に示されるように、入力される荷重の度合いが異なることにより、応力値のピークポイントが測定位置に沿って変化していることがわかる。前記入力される荷重の度合いを、例えば、低荷重、中荷重、高荷重の3段階とすると、前記段階に対応した低荷重特性曲線D、中荷重特性曲線E、高荷重特性曲線Fとなる。
また、図11は、低荷重、中荷重、高荷重のように入力される荷重の分類と、前記荷重が付与される位置との関係を示す特性図である。図2Bから諒解されるように、入力される荷重の度合いによってシャフト歯部22とハブ歯部28との噛合部位が、荷重付与位置a、b、cに対応する円a、円b、円cのように順次変化している。この噛合部位は、入力される荷重の度合いに対応してクラウニングトップP0からシャフトシャンク24側に離間する方向に作用している。
すなわち、低荷重が付与されたときには、円aの領域が主たる低荷重伝達領域となり、中荷重が付与されたときには、前記円aからシャフトシャンク24側に僅かに離間した円bの領域が主たる中荷重伝達領域となり、高荷重が付与されたときには、前記円bからシャフトシャンク24側に僅かに離間する円cの領域が主たる高荷重伝達領域となる。
このようにシャフト歯部22を歯厚が変化したクラウニング形状とすることにより、入力される荷重の度合いに応じて荷重が伝達される領域(応力値のピークポイント)が変化するように設定され、特定の部位に対する応力集中を緩和することができる。
図12〜図14は、それぞれ、図3のXII−XII線の部位、XIII−XIII線の部位及びXIV−XIV線の部位における、シャフト12とハブ14とを組み付けた際のシャフト歯部22の谷部22bとハブ歯部28の山部28aとの接触状態を示す縦断面図である。なお、図12〜図14中におけるφd1〜φd3は、それぞれシャフト12の軸心からのピッチ円径を示す。
シャフト歯部22をクラウニング形状とすることにより、クラウニングトップP0の近傍領域のみが接触し(図13の接触部位参照)、その他の領域では、シャフト歯部22の谷部22bとハブ歯部28の山部28aとが非接触状態となる(図12及び図14参照)。
このようにクラウニング形状とすることによりシャフト歯部22とハブ歯部28との接触面積を減少させることができ、シャフト12及びハブ14の組み付け時における圧入荷重を低下させてシャフト歯部22の谷部22bに作用する応力を低減することができる。また、組み付け時における圧入荷重を増大させることがなく、シャフト歯部22とハブ歯部28との間のバックラッシュを抑制することができる。
また、図12及び図13と、図14とを比較して諒解されるように、シャフト歯部22及びハブ歯部28のシャフトシャンク24に近接する部位に第1段差部30及び第2段差部32をそれぞれ形成することにより、応力が集中する領域のシャフト歯部22の径をαだけ増大させることができる。
従って、応力が集中する領域のシャフト歯部22の径をαだけ増大させることにより、シャフト歯部22の谷部22bの歯底Rの曲率を大きく設定することが可能となり、応力を分散させることができる。また、シャフトシャンク24に近接する部位の径を他の部位と比較して増大させることにより、全体応力(主応力)を低減させることができる。
次に、シャフト歯部22のスプライン歯26の製造方法について説明する。
図15に示されるように、超硬材料によって略直線状に形成された上下一組の転造ラック40a、40bの間に、前加工であるツール加工によって所定の形状に形成された棒状の被加工物42を挿入し、相互に対向する一組の転造ラック40a、40bによって被加工物42を押圧した状態において、図示しないアクチュエータの駆動作用下に前記一組の転造ラック40a、40bを相互に反対方向(矢印方向)に変位させることにより、被加工物42の外周面に対してクラウニング形状を有するスプライン加工が施される。
本実施の形態では、転造成形を用いることにより、クラウニング形状を有するシャフト歯部22のスプライン歯26を簡便に成形することができる。なお、前記ツール加工によりシャフト歯部24のスプライン歯26の歯先には、約50μm程度の深さからなる図示しないツール溝(ツール目)が形成される。
また、転造成形を用いた場合、圧造(鍛造)成形と比較して、成形サイクルが速く、前記転造ラック40a、40b等の成形歯具の耐久性を向上させることができる。さらに、転造成形では、転造ラック40a、40b等の成形歯を再研磨して再利用することが可能である。従って、転造成形を用いた場合、圧造(鍛造)成形と比較して、寿命、成形サイクル、再利用等の点からコスト的に有利である。
ただし、転造の場合は歯先へ向かっての肉流れによって成形されるため、歯先の断面形状は必ずしも均等でない場合がある。
本発明の実施の形態に係る動力伝達機構が適用されたシャフト及びハブのユニットの一部切欠斜視図である。 シャフト歯部とハブ歯部とが係合した状態において、図2Aは、無負荷状態を示し、図2Bは、前記無負荷状態から矢印Y方向に回転トルクが付与された状態をそれぞれ示す拡大横断面図である。 図1のシャフト歯部の谷部とハブ歯部の山部とが係合した状態におけるシャフトの軸線方向に沿った一部拡大縦断面図である。 図3のシャフトにおける第1段差部の傾斜角度θを緩やかに形成した状態を示す一部拡大縦断面図である。 図4において、シャフト歯部の山部の外径をシャフトシャンク側に向かって変化させた状態を示す一部拡大縦断面図である。 シャフト歯部に形成された第1段差部の傾斜角度θと応力緩和及び生産技術性との関係を示す説明図である。 シャフト歯部及びハブ歯部に第1段差部及び第2段差部が形成されていない状態と、前記第1段差部及び第2段差部が形成された状態におけるシャフトに発生する応力値とその応力を測定した位置との関係を示す特性曲線図である。 第1段差部の傾斜角度θをさらに緩やかにした状態におけるシャフトに発生する応力値とその応力を測定した位置との関係を示す特性曲線図である。 シャフト歯部の径の変化点及びハブ歯部の径の変化点がオフセットした状態と、オフセットしていない状態におけるシャフトに発生する応力値とその応力を測定した位置との関係を示す特性曲線図である。 回転トルクが付与されたときの入力荷重に対応してシャフトに発生する応力値とその応力を測定した位置との関係を示す特性曲線図である。 前記荷重が付与される位置と荷重の分類との関係を示す特性曲線図である。 図3のXII−XII線に沿った拡大縦断面図である。 図3のXIII−XIII線に沿った拡大縦断面図である。 図3のXIV−XIV線に沿った拡大縦断面図である。 シャフト歯部のスプライン歯を転造ラックによって転造成形する状態を示す一部省略斜視図である。
符号の説明
10…ユニット 12…シャフト
14…ハブ 16…軸孔
18…嵌合部 20、26…スプライン歯
22…シャフト歯部 22a、28a…山部
22b、28b…谷部 24…シャフトシャンク
28…ハブ歯部 30…第1段差部
32…第2段差部 34…テーパ部

Claims (6)

  1. シャフトに形成されたシャフト歯部と、前記シャフトの外周側に配置されたハブのハブ歯部とが係合することにより、前記シャフト及びハブ間で相互にトルク伝達が可能に結合された機構において、
    前記シャフト歯部は、歯厚が変化したクラウニングからなる山部と、端部からシャフトシャンク側に向かって径が変化する谷部とを有し、
    前記ハブ歯部は、歯厚が一定の直線状からなり且つ端部からシャフトシャンク側に向かって内径が変化する山部と、軸線方向に沿って一定の径からなる谷部とを有することを特徴とするシャフト及びハブの動力伝達機構。
  2. 請求項1記載の機構において、
    前記シャフト歯部の谷部の径の変化点と、前記ハブ歯部の山部の内径の変化点とは、それぞれ所定距離だけオフセットした位置に設定されることを特徴とするシャフト及びハブの動力伝達機構。
  3. 請求項2記載の機構において、
    前記シャフト歯部の谷部には、ハブ歯部側に向かって膨出する第1段差部が形成され、前記ハブ歯部の山部には、該シャフト歯部側と反対方向に窪んだ第2段差部が形成され、前記第1段差部の起点と前記第2段差部の起点とがそれぞれ所定距離だけオフセットした位置に設定されることを特徴とするシャフト及びハブの動力伝達機構。
  4. 請求項3記載の機構において、
    前記シャフト歯部に形成された第1段差部の傾斜角度は、5度〜45度に設定されることを特徴とするシャフト及びハブの動力伝達機構。
  5. 請求項1記載の機構において、
    前記シャフト歯部とハブ歯部との噛合部位に付与される荷重の度合いに対応して、主たる荷重伝達領域が異なるように設けられることを特徴とするシャフト及びハブの動力伝達機構。
  6. 請求項5記載の機構において、
    前記荷重の度合いは、低荷重、中荷重及び高荷重を含み、前記低荷重、中荷重及び高荷重の主たる各荷重伝達領域は、クラウニングトップからシャフトシャンク側に向かって順に離間する方向に設定されることを特徴とするシャフト及びハブの動力伝達機構。
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