JP2005068630A - カルボキシル化パルプ繊維を製造するための装置 - Google Patents

カルボキシル化パルプ繊維を製造するための装置 Download PDF

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Abstract

【課題】パルプ表面をカルボキシル化した変性パルプの製造方法であり、木材パルプ漂白プラントを使用する木材パルプのカルボキシル化装置、および漂白プラントにおいて行われるパルプのカルボキシル化法の提供。
【解決手段】木材パルプの漂白プラントにカルボキシル化システムを組み込んでカルボキシル化セルロース系繊維を得るにあたり、環状オキソアンモニウム塩を含んだ一次的酸化剤を加えることにより、セルロースを酸化し、非常に短時間の反応でカルボキシル化が行われるパルプのカルボキシル化法。
【選択図】図3

Description

本発明は、木材パルプミルの漂白プラントにカルボキシル化システムを組み込んでカルボキシル化セルロース系繊維を得ることに関する。
セルロースは、グルコース単位(全て1’-4位置を通じてβ-結合されている)の長鎖からなる炭水化物である。土地固有の植物からのセルロース分子が、2200以上のアンヒドログルコース単位を有することがある。単位の数は通常、重合度(D.P.)と呼ばれる。精製処理中にある程度のD.P.低下が起こるのは避けられない。2000に近いD.P.は通常、精製されたコットンリンターにのみ見られる。木材から誘導されるセルロースが、約1700のD.P.を超えることはめったにない。セルロースの構造は下記のように示すことができる。
セルロースの化学的誘導体は、ほぼ一世紀半にわたって工業的に重要なものとなっている。ショウノウで可塑化したニトロセルロースが最初の合成プラスチックであり、1868年以来使用されている。現在、種々のセルロースエーテル誘導体とセルロースエステル誘導体が市販されており、多くの商業分野において広く使用されている。実質的に全てのセルロース誘導体が、3つの利用可能なヒドロキシル基(すなわち、C2、C3、およびC6)の反応性を利用している。これらの基における置換は、極めて低い程度(約0.01)から最大(3)まで変わってよい。重要なセルロース誘導体としては、セルロースアセテート(繊維や透明フィルムに使用されている);ニトロセルロース(ラッカーや火薬に広く使用されている);エチルセルロース(耐衝撃性の工具柄);ならびに、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および水溶性のセルロースエーテル(洗剤中において、食品中の増粘剤として、そして紙の製造において広く使用されている);などがある。セルロース自体が種々の目的に適うよう変性されている。セルロース繊維は当然ながら、多くの製紙用添加剤がそうであるように性質がアニオン性である。カチオン性のセルロースが、Hardingらによる米国特許第4,505,775号に記載されている。このセルロースは、アニオン性の製紙用添加剤(例えば、充填剤や顔料)に対してより高い親和性を有しており、酸やアニオン染料に対して特に受容的である。Jewellらによる米国特許第5,667,637号は、カチオン性樹脂と併用すると、製紙用添加剤として使用したときに湿潤〜常態引張強さおよびバースト比(burst ratios)を向上させる低置換度(D.S.)のカルボキシエチルセルロースを開示している。Westlandによる米国特許第5,755,828号は、ポリカルボン酸を架橋セルロース繊維に共有結合的にカップリングさせることによって得られる遊離カルボン酸基を有する架橋セルロース繊維から製造される物品の強度を増大させる方法を開示している。
幾つかの目的に適合させるために、よりアニオン性になるようにセルロースを酸化して、カチオン性の製紙用添加剤および染料に対する相溶性を向上させている。種々の酸化処理が使用されている。こうした酸化処理としては、二酸化窒素と過ヨウ素酸塩による酸化と、回収率を高めるための綿布帛の樹脂処理とを組み合わせた処理がある(Shet,R.T.とA.M.Nabaniによる「Textile Research Journal,Nov.1981:740-744」に記載)。Datye,K.V.とG.M.Nabarの「Textile Research Journal,July 1963:500-510」による初期の研究によれば、メタ過ヨウ素酸塩と二クロム酸によって酸化すること、およびそれに続いて亜塩素酸で72時間処理、または0.05Mのホウ水素化ナトリウムで24時間処理することが説明されている。銅価は、ホウ水素化物での処理によって大きく減少し、そして亜塩素酸での処理によって幾らか減少した。カルボキシル含量は、ホウ水素化物での処理によってわずかに減少し、亜塩素酸での処理によって大幅に増大した。引き続き生成物をホルムアルデヒドと反応させた。サザンパインクラフトの春材繊維と夏材繊維(Southern pine kraft springwood and summerwood fibers)を、シュウ酸中にて重クロム酸カリウムで酸化した(Luner,P.,et al.,Tappi 50(3):117-120(1967))。これらの繊維で製造したハンドシートは、アルデヒド基によるものと思われる、改良された湿潤強度を示した。さらに、パルプを亜塩素酸塩で酸化するか、あるいはホウ水素化ナトリウムで還元している(Luner,P.,et al.,Tappi 50(5):227-230(1967))。還元剤で処理したパルプから製造したハンドシートは、処理を施していない場合のハンドシートを凌ぐ改良されたシート特性を示した。Young,R.A.による「Wood and Fiber 10(2):112-119,1978」は、紙の湿潤強度アップをはかるべく亜硫酸パルプ中にアルデヒド基を導入するための、主としてシュウ酸中での重クロム酸塩による酸化について説明している。Shenai,V.A.とA.S.Narkhedeによる「Textile Dyer and Primer,May 20,1987:17-22」は、物理的に付着させた硫化コバルトの存在下での綿糸の次亜塩素酸塩酸化の反応加速について説明している。漂白処理時の分解を防止するための検討努力と併せて、過去100年にわたって部分酸化が研究されてきたことを著者らは認識している。かれらはさらに、酸化の後に、0.1Mのホウ水素化ナトリウムを還元剤として使用することを幾分詳細に説明している。この処理は、酸化時に形成される酸性基のみならず還元性基のタイプを特徴付ける有用な方法として説明されている。ホウ水素化物処理により、酸化セルロースの銅価が著しく減少した。銅価から還元性基(例えばセルロース上に存在するアルデヒド)の推定量が得られる。ホウ水素化物処理はさらに、酸化生成物のアルカリ溶解性を低下させたが、このことは、サンプルのカルボキシル含量の約40%減少に関係していると思われる。Anderssonらによる「Carbohydrate Research 206:340-346(1990)」は、オルトリン酸中での亜硝酸ナトリウムによるセルロースの酸化、および反応性生物の核磁気共鳴スペクトルの解明について説明している。
Davis,N.J.とS.L.Fitschによる「Tetrahedron Letters 34(7):1181-1184(1993)」は、単糖類の一級ヒドロキシル基の選択的酸化を達成するために2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルオキシフリーラジカル(TEMPO)を使用すること、および2,2,6,6-テトラメチルピペリジニルオキシフリーラジカルと次亜塩素酸ナトリウムとの反応機構について説明している。Davisらの報文の後に、このカルボキシル化経路がより広く研究されるようになった。de Nooy,A.E.J.らによる「Receuil des Travaux Chimiques des Pays-Bas 113:165-166(1994)」は、ジャガイモ澱粉とイヌリン中の一級アルコール基の酸化に関して、TEMPOと次亜臭素酸塩を使用して類似の結果が得られることを報告している。翌年に同じ著者らによる「Carbohydrate Research 269:89-98(1995)」が、TEMPOと次亜塩素酸塩/臭化物オキシダントを使用して行う、水溶性グルカン中の一級アルコール基の高度に選択的な酸化について報告している。
BesemerらによるWO95/07303は、TEMPOを次亜塩素酸および臭化ナトリウムと共に使用して、一級アルコール基を有する水溶性炭水化物を酸化する方法を開示している。実施例は主として澱粉に限定されているけれども、背景について述べている際にセルロースが挙げられている。この方法は、C-6における一級アルコールをカルボン酸基に選択的に酸化する、とされている。研究された生成物のどれもが繊維質ではない。
ViikariらによるWO99/23117は、TEMPOと、ラッカーゼ酵素もしくは他の酵素と、空気もしくは酸素との組み合わせ物を、クラフト・パイン・パルプを含めたセルロース繊維の効果的な酸化剤として使用する酸化について開示している。
上記Besemerの公開の翌年の、同じ著者らによる「Cellulose Derivatives,Heinze,T.J.and W.G.Glasser,eds.,Ch.5,pp.73-82(1996)」は、種々のオキシダントを使用して、セルロースを2,3-ジカルボキシセルロースおよび6-カルボキシセルロースに選択的に酸化する方法を説明している。使用するオキシダントとしては、過ヨウ素酸塩/亜塩素酸塩/過酸化水素系、リン酸中に硝酸ナトリウム/亜硝酸ナトリウムを溶解して得られるオキシダント、リン酸中にTEMPOを溶解して得られるオキシダント、および次亜塩素酸塩/臭化物一次的オキシダントなどがある。TMPO系を使用して得られる結果は再現性が低く、はっきりしなかった。セルロースのTEMPO酸化の場合は、殆どもしくは全く溶解状態になっていないものと思われる。硝酸ナトリウム/亜硝酸ナトリウム酸化に対して使用されるセルロースの均一なリン酸溶液を次いでホウ水素化ナトリウムで処理して、存在するカルボニル官能基をなくした。
Chang,P.S.とJ.F.Robytによる「Journal of Carbohydrate Chemistry 15(7):819-830(1996)」は、α-セルロースを含めた10種の多糖類に関して、TEMPOと次亜塩素酸ナトリウムおよび臭化ナトリウムとを併用した0℃と25℃での酸化について説明している。酸化反応をクエンチするためにエタノールを加えた。得られた酸化α-セルロースの水に対する溶解性は9.4%であった。著者らは、α-セルロースの性質について詳細には説明していない。それは、いわゆる溶解パルプまたはコットンリンターであったと思われる。Barzyk,D.らによる「Transactions of the 11th Fundamental Research Symposium,Vol.2,893-907(1997)」は、セルロース繊維上のカルボキシル基が、膨潤フレキシビリティ、衝撃フレキシビリティ、接合面積、および強度を増大させる、という点に注目している。彼らは、繊維の表面カルボキシル化を増大させるように実験を設計した。しかしながら彼らは、繊維の分解を避けるために、またイソプロパノール/メタノール系中にてカルボキシメチルセルロースを選択的に形成させるために、酸化が起こらないようにした。
Isogai,A.とY.Katoによる「Cellulose 5:153-164,1998」は、天然でシルケット加工された数種の再生セルロースをTEMPOで処理して水溶性および水不溶性のポリグルクロン酸を得ることを説明している。彼らは、水溶性の生成物においてはC-6部位がほぼ100%カルボキシル置換された、という点に注目している。彼らはさらに、固体セルロース上のより接近しやすい部分において酸化が不均一に進行する、という点に注目している。
Kitaoka,T.,A.Isogai,およびF.Onabeによる「Nordic Pulp and Paper Research Journal 14(4):279-284,1999」は、TEMPO酸化を使用する漂白硬木クラフトパルプの処理について説明している。ガボキシルの含量を増大させると、常態引張強さインデックス、ヤング率、および光沢が幾らか向上し、破断点伸びと乳白度が低下する。他の強度特性は影響を受けなかった。PAEタイプの湿潤強度樹脂の保持率が幾らか増大した。説明されている生成物は、TEMPO酸化の後にいかなる安定化処理も施されなかった。
米国特許第6,379,494号は、ニトロキシド触媒法を使用して安定なカルボキシル化セルロース繊維を製造する方法について開示している。この方法では、先ずセルロースをニトロキシド触媒で酸化して、アルデヒド置換およびケトン置換したセルロースの他にカルボキシル化セルロースも得る。次いで酸化セルロースを、アルデヒド置換基とケトン置換基を減少させることによって安定化させてカルボキシル化繊維生成物を得る。ニトロキシド触媒によるセルロース酸化は、主として、アンヒドログルコース部分のC-6上の一級ヒドロキシル基において起こる。酸化セルロースへの他の幾つかの経路とは対照的に、C-2とC-3上の二級ヒドロキシル基においては、酸化はごくわずかしか起こらない。
セルロースのニトロキシド酸化では、C-6における第一アルコールの酸化が、中間のアルデヒド段階を経て進行する。このプロセスでは、ニトロキシドは反応において不可逆的に消費されないで、二次的オキシダント(例えば次亜ハロゲン酸塩)によってニトロソニウム〔または、オキシアンモニウム(oxyammonium)もしくはオキサンモニウム(oxammonium)〕イオンに連続的に再生され、これが実際のオキシダントとなる。酸化において、ニトロソニウムイオンがヒドロキシルアミンに還元され、これを再び酸化してニトロキシドにすることができる。したがってこの方法においては、消費されるのは二次的オキシダント(例えば次亜ハロゲン酸塩)である。ニトロキシドは、水性系から再生することもできるし、あるいは水性系から再使用することもできる。
得られる酸化セルロース生成物は、カルボキシル置換とアルデヒド置換を含んだ平衡混合物である。セルロース上のアルデヒド置換基は、時間の経過にしたがって、そして特定の環境条件下において変質を引き起こすことが知られている。さらに、アンヒドログルコース単位のC-2とC-3において少量のケトンが形成されることがあり、これらも劣化の原因となる。これによって起こる問題としては、重合度の顕著な低下、繊維強度の低下、架橋、および黄変などがある。したがって、安定化されたカルボキシル化生成物を製造するためには、酸化工程において形成されるアルデヒド置換基とケトン置換基をヒドロキシル基に還元するか、あるいは安定化工程においてアルデヒド置換基をカルボキシル基に酸化する。
TEMPOの他に、カルボキシル化セルロース繊維を製造するための他のニトロキシド誘導体も説明されている。例えば、米国特許第6,379,494号およびWO01/29309の「カルボキシル化セルロース繊維の製造法および前記製造法により得られる生成物」を参照。
水溶液中にて、あるいはエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、アセトニトリル、エチルアセテート、t-ブタノール、または他の溶媒を含有する混合溶媒系中にて、ヒンダードN-クロロヒンダード環状アミンと次亜塩素酸塩を使用する第一アルコールの酸化によってカルボン酸とそれらの塩を製造する方法が、JP10130195の「カルボン酸とその塩の製造法」に開示されている。記載されている他のオキシダントとしては、塩素、次亜臭素酸塩、亜臭素酸塩、トリクロロイソシアヌル酸、トリブロモイソシアヌル酸、またはこれらの組み合わせ物がある。
触媒酸化システムを含むカルボキシル化セルロースパルプの製造法の開発においてなされた進歩にも関わらず、カルボキシル化セルロースパルプを製造するための改良された方法と触媒が依然として求められている。本発明はこれらのニーズを満たすべく検討されており、関連したさらなる利点を提供する。
現行のパルプミル漂白プラント中に配置することができるか、あるいは追加装置のほとんどない新規の漂白プラント中に組み込むことのできる、木材パルプのためのカルボキシル化システムとカルボキシル化法。通常のパルプからカルボキシル化パルプへの移行、およびこの逆の移行をパルプミルが容易に行えるような、木材パルプのためのカルボキシル化システムとカルボキシル化法。
求められているのは、大きな資本経費をかけることなく現行のパルプミルにてパルプをカルボキシル化できる方法と装置である。
反応時間が長い場合には、大きなタンク、そのタンクを配置するための土地、および多量の資本が必要となる。本発明のカルボキシル化反応の1つの態様は、必要とされる装置を現行のパルプミル漂白プラントの範囲内に配置できることである。これには、プラント中の装置の範囲内で行うことができるように反応時間を少なくすることが必要とされた。
木材パルプカルボキシル化システムは、パルプを酸化してカルボキシル官能基とアルデヒド官能基を含有するパルプを得る第1の段階、およびアルデヒド基をカルボキシル基に転化させる第2の段階を有する。第1の段階はカルボキシル化段階であり、第2の段階は安定化段階である。
木材パルプをカルボキシル化するには、漂白プラントの後に2つの追加ユニットが必要とされることから、第1の段階であるカルボキシル化には少なくとも15分要するであろう、と最初は思われた。第1のユニットはカルボキシル化プロセスのためのタンクであり、第2のユニットは安定化反応のための別のタンクである。これらのユニットは、据え付けるのにコストがかかる。
多くの検討の後、第1段階のための時間を2分に減らした。これには、第1段階カルボキシル化のための別のタンクがさらに必要であった。
さらなる検討により、第1段階のための時間を1分に減らした。カルボキシル化ユニットは、漂白プラントの抽出段階と二酸化塩素段階との間に配置することができるが、必要な反応時間を得るには追加の配管が必要となる。二酸化塩素塔は、安定化反応用に使用することができる。この場合も、カルボキシル化ユニットは、より長い反応時間の場合ほどにはコストはかからないものの、据え付けに対してはコストがかかる。
さらなる検討により、第1の段階の反応時間を30秒以下に減らした。これで、混合機、供給ライン、および供給材料貯蔵庫を付け加えただけの、現行のパルプミル装置を使用することが可能となった。
有利な化学物質と化学物質配合量を使用することによって、第1段階であるカルボキシル化に対する時間を1分未満の範囲に短縮できる、ということがわかった。1〜60秒の時間が好ましく、5〜30秒の時間が最も好ましい。
第1の段階のカルボキシル化ユニットは、抽出段階洗浄機と二酸化塩素塔との間の短い長さの管であってよい。管の長さと直径は、第1の段階のカルボキシル化プロセスに必要とされる時間に依存する。二酸化塩素塔は安定化ユニットであってよい。2つの二酸化塩素塔とそれらの間の洗浄機とを含んだミルにおいては、第1の段階のカルボキシル化のためのユニットを、第1の二酸化塩素洗浄機と第2の二酸化塩素塔との間に配置することができる。
他の態様は、パルプミルにおいて通常見られる化学物質を使用すること、および新規の化学物質を最小限に抑えることである。
発明を実施するための最良の手段
2001年6月6日付け出願の、本出願者らによる同時係属の米国特許出願第09/875,177号(該特許出願の全開示内容を参照により本明細書に含める)においては、二酸化塩素を二次的オキシダントとして使用し、ヒンダード環状オキソアンモニウム塩を一次的オキシダントとして使用することが開示されている。
該特許出願は、対応するヒンダード複素環アミン化合物のニトロキシド、オキソアンモニウム塩、アミン、またはヒドロキシルアミンについて説明している。オキソアンモニウム塩は触媒活性形であるが、これはニトロキシドから形成される中間体化合物であり、連続的に使用されてヒドロキシルアミンとなり、次いでニトロキシドに再生されると思われる。二次的オキシダントにより、アミン形化合物がフリーラジカルであるニトロキシド化合物に転化される。“ニトロキシド”という用語は通常、文字どおりの化合物に対して使用されている。さらに、二次的オキシダントにより、ヒドロキシルアミンからオキソアンモニウム塩が再生される。
該特許出願に記載の方法は、化学繊維であるセルロースパルプのカルボキシル化に適している。セルロースパルプは、漂白処理が施された亜硫酸パルプ、クラフトパルプ、予備加水分解クラフト硬木パルプ、予備加水分解クラフト軟木パルプ、または硬木パルプと軟木パルプの混合物であってよい。
先ず、環状オキソアンモニウム塩を含んだ一次的酸化剤を加えることによって、水性スラリーまたは水性懸濁液中のセルロース繊維を酸化する。環状オキソアンモニウム塩は、ニトロキシル窒素原子に隣接したどちらの炭素原子に対してもα-水素置換をもたない対応したアミン、ヒドロキシルアミン、またはニトロキシル化合物からその場で簡便に形成させることができる。これらの炭素原子上の置換基は、1個または2個の炭素を含んだアルキル基であるのが好ましい。説明しやすくするために、特に明記しない限り、ニトロキシドは一次的オキシダントとして使用されるものとし、またこの用語は、対応するニトロキシドもしくはそのオキソアンモニウム塩の前駆体全てを含むものとする。
5員環を有するニトロキシドと6員環を有するニトロキシドが適切であることが明らかになった。5員環と6員環は共に、環中の4位置にメチレン基を有していても、あるいは窒素、イオウ、または酸素から選択される複素環原子を有していてもよく、また5員環と6員環が、この位置に1つ又は2つの置換基を有していてもよい。
ニトロキシド化合物の多くが適切であることが明らかになった。有用であることが明らかになっている代表的なニトロキシドとしては、2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル-1-オキシフリーラジカル(TEMPO)がある。TEMPOと鏡像関係にて関連している他の適切な物質は、2,2,2’,2’,6,6,6’,6’-オクタメチル-4,4’-ビピペリジニル-1,1’-ジオキシジフリーラジカル(BITEMPO)である。同様に、2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジニル-1-オキシフリーラジカル;2,2,6,6-テトラメチル-4-メトキシピペリジニル-1-オキシフリーラジカル;2,2,6,6-テトラメチル-4-ベンジルオキシピペリジニル-1-オキシフリーラジカル;2,2,6,6-テトラメチル-4-アミノピペリジニル-1-オキシフリーラジカル;2,2,6,6-テトラメチル-4-アセチルアミノピペリジニル-1-オキシフリーラジカル;および2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリドン-1-オキシフリーラジカルと本化合物のケタールが、TEMPOの4位置に置換基を有する化合物の例であり、これらの化合物は極めて満足できるオキシダントであることが明らかになっている。環中の4位置(窒素原子に対して)に別のヘテロ原子を有するニトロキシドの中では、3,3,5,5-テトラメチルモルホリン-1-オキシフリーラジカル(TEMMO)が有用である。
ニトロキシドは、飽和環を有するニトロキシドに限定されない。極めて効果的なオキシダントであると考えられる1つの化合物は3,4-デヒドロ-2,2,6,6-テトラメチル-ピペリジニル-1-オキシフリーラジカルである。
4位置に2つの置換基を有する6員環化合物は、合成が比較的容易であることと、より低コストで済むことから特に有用である。これらの代表的なものとしては、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリドン-1-オキシフリーラジカルの1,2-エタンジオールケタール、1,2-プロパンジオールケタール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(1,3-ネオペンチルジオール)ケタール、およびグリセリル環状ケタールなどがある。
5員環化合物としては、2,2,5,5-テトラメチル-ピロリジニル-1-オキシフリーラジカルが極めて効果的であると考えられる。
下記のグループのニトロキシル化合物およびそれらに対応したアミンもしくはヒドロキシルアミンが効果的な一次的オキシダントであることが知られている。
上記式中、R1〜R4は、1〜4個の炭素原子を含んだアルキル基であるが、R1とR2が一緒になって、またR3とR4が一緒になって5個または6個の炭素で構成される脂環式の環構造中に組み込まれてもよく;Xはイオウまたは酸素であり;R5は、水素、C1-C12アルキル、ベンジル、2-ジオキサニル、ジアルキルエーテル、アルキルポリエーテル、またはヒドロキシアルキルであり;そしてXとR5が一緒になって水素であっても、あるいはビピペリジニルニトロキシドを形成するための鏡像部分であってもよい。極めて効果的であることが知られているこのグループにおける特定の化合物としては、2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル-1-オキシフリーラジカル(TEMPO);2,2,2’,2’,6,6,6’,6’-オクタメチル-4,4’-ビピペリジニル-1,1’-ジオキシジフリーラジカル(BI-TEMPO);2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジニル-1-オキシフリーラジカル(4-ヒドロキシ-TEMPO);2,2,6,6-テトラメチル-4-メトキシピペリジニル-1-オキシフリーラジカル(4-メトキシ-TEMPO);および2,2,6,6-テトラメチル-4-ベンジルオキシピペリジニル-1-オキシフリーラジカル(4-ベンジルオキシ-TEMPO);などがある。
上記式中、R1〜R4は、1〜4個の炭素原子を含んだアルキル基であるが、R1とR2が一緒になって、またR3とR4が一緒になって5個または6個の炭素で構成される脂環式の環構造中に組み込まれてもよく;R6は水素またはC1-C5アルキルであり;R7は、水素、C1-C8アルキル、フェニル、カルバモイル、アルキルカルバモイル、フェニルカルバモイル、またはC1-C8アシルである。このグループのうちの代表的なものは、2,2,6,6-テトラメチル-4-アミノピペリジニル-1-オキシフリーラジカル(4-アミノ-TEMPO)および2,2,6,6-テトラメチル-4-アセチルアミノピペリジニル-1-オキシフリーラジカル(4-アセチルアミノ-TEMPO)である。
上記式中、R1〜R4は、1〜4個の炭素原子を含んだアルキル基であるが、R1とR2が一緒になって、またR3とR4が一緒になって5個または6個の炭素で構成される脂環式の環構造中に組み込まれてもよく;Xは、酸素、イオウ、NH、N-アルキル、NOH、またはNOR8(式中R8は低級アルキルである)である。1つの例としては、2,2,6,6-テトラメチル-4-オキソピペリジニル-1-オキシフリーラジカル(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリドン-1-オキシフリーラジカル)が挙げられる。
上記式中、R1〜R4は、1〜4個の炭素原子を含んだアルキル基であるが、R1とR2が一緒になって、またR3とR4が一緒になって5個または6個の炭素で構成される脂環式の環構造中に組み込まれてもよく;Xは、酸素、イオウ、アルキルアミノ、またはアシルアミノである。1つの例としては、3,3,5,5-テトラメチルモルホリン-4-オキシフリーラジカルが挙げられる。この場合には、番号付けに関しては酸素原子が優先するが、ジメチル置換された炭素はニトロキシド部分に隣接したままである。
上記式中、R1〜R4は、1〜4個の炭素原子を含んだアルキル基であるが、R1とR2が一緒になって、またR3とR4が一緒になって5個または6個の炭素で構成される脂環式の環構造中に組み込まれてもよい。適切な化合物の1つの例としては、3,4-デヒドロ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル-1-オキシフリーラジカルがある。
上記式中、R1〜R4は、1〜4個の炭素原子を含んだアルキル基であるが、R1とR2が一緒になって、またR3とR4が一緒になって5個または6個の炭素で構成される脂環式の環構造中に組み込まれてもよく;Xは、メチレン、酸素、イオウ、またはアルキルアミノであり;R9とR10は、1〜5個の炭素原子を含んだアルキル基であって、一緒になって5員または6員の環構造中に組み込まれてもよく、したがって1〜4個の低級アルキル置換基もしくはヒドロキシアルキル置換基を有していてもよい。例としては、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリドン-1-オキシフリーラジカルの1,2-エタンジールケタール、1,3-プロパンジオールケタール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオールケタール、およびグリセリル環状ケタールなどがある。これらの化合物は、極めて効果的であること、より低コストであること、合成が容易であること、および適切な水溶性を有することから、特に好ましい一次的オキシダントである。
上記式中、R1〜R4は、1〜4個の炭素原子を含んだアルキル基であるが、R1とR2が一緒になって、またR3とR4が一緒になって5個または6個の炭素で構成される脂環式の環構造中に組み込まれてもよく;Xは、メチレン、イオウ、酸素、-NH、またはNR11(式中、R11は低級アルキルである)であってよい。5員環化合物の1つの例は2,2,5,5-テトラメチルピロリジニル-1-オキシフリーラジカルである。
“低級アルキル”という用語が使用される場合は、1〜4個の炭素原子を有する脂肪族直鎖もしくは分岐鎖アルキル部分を意味しているものとする。
これまでに挙げてきた化合物は、本発明での使用に適した多くの代表的なニトロキシドのうちの典型的なものとして考えるべきであり、これらに限定されることを意図したものではない。
酸化反応時に、ニトロキシドが消費され、次いでヒドロキシルアミン転化される。二次的オキシダントの存在によってニトロキシドが連続的に再生される、ということが明らかになっている。二酸化塩素〔すなわち潜在的な供給源(latent source)〕は好ましい二次的オキシダントである。ニトロキシドは酸化反応において不可逆的には消費されないので、触媒量だけが必要とされる。反応の進行にしたがって消費されるのは二次的オキシダントである。
必要とされるニトロキシドの量は、存在する炭水化物の重量を基準として約0.0005〜1.0重量%(好ましくは約0.005〜0.25重量%)の範囲である。セルロースや澱粉の場合には、アンヒドログルコース部分のC-6上に位置する一級ヒドロキシルをニトロキシドが優先的に酸化することが知られている。一級アルコール基を有するヘミセルロースや他の炭水化物上の一級アルコール基においても、類似の酸化反応が起こると思われる。
二次的オキシダントである二酸化塩素は、酸化される炭水化物の0.2〜35重量%(好ましくは約0.5〜10重量%)の量にて存在する。
ニトロキシド触媒によるセルロース酸化は主として、アンヒドログルコース部分のC-6上の一級ヒドロキシル基において起こる、ということが豊富な実験データによって示されている。酸化セルロースを得る他の幾つかの経路とは対照的に、C-2位置とC-3位置の二級ヒドロキシル基においては、ごくわずかしか反応が起こらないことが観察されている。例えばTEMPOを使用すると、C-6位置でのカルボキシル基の形成に対するメカニズムは、中間のアルデヒド段階を経て進行する。
TEMPOは、反応において不可逆的に消費されないで、連続的に再生される。TEMPOは、二次的オキシダントによって、実際のオキシダントであるオキソアンモニウム(すなわちニトロソニウム)イオンに転化される。酸化時にオキソアンモニウムイオンがヒドロキシルアミンに還元され、このヒドロキシルアミンから再びTEMPOが形成される。したがって、実際に消費されるのは二次的オキシダントである。TEMPOは、水性系から再生することもできるし、あるいは水性系から再使用することもできる。反応は、下記のように進むものと考えられる。
得られる酸化セルロース生成物には、カルボキシル置換基とアルデヒド置換基とが含まれている。セルロース上のアルデヒド置換基が、時間の経過にしたがって、そして特定の環境条件下にて劣化を引き起こすことが知られている。さらに、少量のケトンカルボニルがアンヒドログルコース単位のC-2位置とC-3位置に形成されることがあり、これらも劣化の原因となる。起こりうる問題としては、重合度と繊維強度の著しい低下、架橋、および黄変などがある。これらの理由から、アルデヒド置換基をカルボキシル基に酸化するか、あるいはアルデヒド基とケトン基をヒドロキシル基に還元して、生成物を確実に安定化させるのが望ましい。
最大の安定性とD.P.の保持を達成するためには、酸化生成物を安定剤で処理して置換基(例えば、アルデヒド基やケトン基)をヒドロキシル基またはカルボキシル基に転化させることができる。安定剤は、他の酸化剤あっても、あるいは他の還元剤であってもよい。安定化されていない酸化セルロースパルプは、好ましくない色戻りを起こし、乾燥すると自己架橋を起こすことがあり、このため、シート状生成物において使用する場合に、再分散する能力と強固な結合を形成する能力が低下する。最初の反応混合物を亜塩素酸塩に関してもたらされるpH範囲に酸性化すれば、生成物の水切りや洗浄を行わなくても、アルデヒド部分をカルボキシル官能基に転化させるのに充分である場合が多い、ということが見出された。過酸化物と酸との混合物も、亜塩素酸塩に関して示されている条件下において望ましい安定化用混合物である。その他の場合には、下記の酸化処理のうちの1つを使用することができる。亜塩素酸メチルアルカリは、安定剤として使用される酸化剤の1つの種類であり、コスト因子の点から好ましいのは亜塩素酸ナトリウムである。酸化剤としても同等に役割を果たすと思われる他の化合物は、過マンガン酸塩、クロム酸、臭素、酸化銀、および過酸である。二酸化塩素と過酸化水素との組み合わせ物も、亜塩素酸ナトリウムに関して指定されたpH範囲にて使用するときは適切な酸化剤である。亜塩素酸ナトリウムを使用する酸化は、約0〜5(好ましくは2〜4)の範囲のpHにおいて、約10〜110℃(好ましくは約20〜95℃)の温度にて、約0.5分〜50時間(好ましくは約10分〜2時間)にわたって行うことができる。還元剤よりオキシダントのほうが有利である1つのファクターは、酸化された炭水化物上のアルデヒド基がさらにカルボキシル基に転化され、したがってより高度にカルボキシル化された生成物が得られる、という点である。これらのオキシダントは、ニトロキシドの一次的酸化剤および二酸化塩素の二次的酸化剤と区別するために“三次的酸化剤”と呼ばれる。三次的酸化剤は、酸化炭水化物の推定アルデヒド含量の約1.0〜15倍(好ましくは約5〜10倍)のモル比にて使用される。必要とされる三次的酸化剤の量を測定するより簡便な方法においては、好ましい亜塩素酸ナトリウム使用量は、炭水化物の重量を基準として約0.01〜20重量%(好ましくは約1〜9重量%)の範囲でなければならず、このとき亜塩素酸塩は100%が活性であるとして算出される。
二酸化塩素と過酸化水素との混合物を使用して安定化させる場合、二酸化塩素の濃度は、炭水化物の重量の約0.01〜20重量%(好ましくは約0.3〜1.0重量%)の範囲でなければならず、過酸化水素の濃度は、炭水化物の重量の約0.01〜10重量%(好ましくは0.05〜1.0重量%)の範囲でなければならない。時間は、一般には0.5分〜50時間(好ましくは約10分〜2時間)の範囲であり、温度は約10〜110℃(好ましくは約30〜95℃)の範囲である。系のpHは約3であるのが好ましいが、0〜5の範囲でよい。
本特許出願と同時に出願した、本出願者らによる同時係属の米国特許出願(代理人明細書25065)(該特許出願の全開示内容を参照により本明細書に含める)においては、二酸化塩素の使用は、一次的オキシダントとしてのN-ハロヒンダード環状アミン化合物と共に使用するための二次的オキシダントである。N-ハロヒンダード環状アミン化合物は、カルボキシル化セルロース繊維を製造する方法においてTEMPOおよび他の関連したニトロキシドとして効果的である。
N-ハロヒンダード環状アミン化合物は、アミノ窒素原子(すなわち、N-ClやN-Br)に隣接した炭素原子が完全にアルキル化されており、環中に4〜8個の原子を有する。ある実施態様においては、N-ハロヒンダード環状アミン化合物6員環化合物である。他の実施態様においては、N-ハロヒンダード環状アミン化合物は5員環化合物である。
カルボキシル化セルロースパルプ繊維を製造するための本発明の方法において有用な、代表的なN-ハロヒンダード環状アミン化合物としては、構造(I)〜(VII)がある。
構造(I):
構造(I)に関して、R1〜R4は、C1-C6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、またはヘキシル基)であってよい。これとは別に、R1とR2が一緒になって5個または6個の炭素を含むシクロアルキル基を形成してもよく、またR3とR4が一緒になって5個または6個の炭素を含むシクロアルキル基を形成してもよい。シクロアルキル基は、例えば1つ以上のC1-C6アルキル基または他の置換基でさらに置換されていてもよい。Xはイオウまたは酸素であってよい。R5は、水素、C1-C12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ベンジル基、2-ジオキサニル基、ジアルキルエーテル基、アルキルポリエーテル基、あるいはヒドロキシアルキル基であってよい。これとは別に、R5は存在しなくてもよく、Xは、水素またはビピペリジニル化合物を形成するための鏡像部分であってよい。Aはハロゲン(例えば、クロロやブロモ)である。構造(I)の代表的な化合物としては、N-ハロ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン;N,N’-ジハロ-2,2,2’,2’,6,6,6’,6’-オクタメチル-4,4’-ビピペリジン;N-ハロ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジン;N-ハロ-2,2,6,6-テトラメチル-4-メトキシピペリジン;およびN-ハロ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ベンジルオキシピペリジン;などがある。
構造(II)
構造(II)に関して、R1〜R4は、C1-C6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、またはヘキシル基)であってよい。これとは別に、R1とR2が一緒になって5個または6個の炭素を含むシクロアルキル基を形成してもよく、またR3とR4が一緒になって5個または6個の炭素を含むシクロアルキル基を形成してもよい。シクロアルキル基は、例えば1つ以上のC1-C6アルキル基または他の置換基でさらに置換されていてもよい。Xは酸素またはイオウであってよい。R6は、水素、またはC1-C6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基であってよい。R7は、水素、C1-C8の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、フェニル基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、またはC1-C8アシル基であってよい。Aはハロゲン(例えば、クロロやブロモ)である。構造(II)の代表的な化合物としては、N-ハロ-2,2,6,6-テトラメチル-4-アミノピペリジンとN-ハロ-2,2,6,6-テトラメチル-4-アセチルアミノピペリジンがある。
構造(III)
構造(III)に関して、R1〜R4は、C1-C6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、またはヘキシル基)であってよい。これとは別に、R1とR2が一緒になって5個または6個の炭素を含むシクロアルキル基を形成してもよく、またR3とR4が一緒になって5個または6個の炭素を含むシクロアルキル基を形成してもよい。シクロアルキル基は、例えば1つ以上のC1-C6アルキル基または他の置換基でさらに置換されていてもよい。Xは、酸素、イオウ、NH、アルキルアミノ(すなわちNH-アルキル)、ジアルキルアミノ、NOH、またはNOR10(式中、R10はC1-C6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基である)であってよい。Aはハロゲン(例えば、クロロやブロモ)である。構造(III)の代表的な化合物はN-ハロ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-オンである。
構造(IV)
構造(IV)に関して、R1〜R4は、C1-C6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、またはヘキシル基)であってよい。これとは別に、R1とR2が一緒になって5個または6個の炭素を含むシクロアルキル基を形成してもよく、またR3とR4が一緒になって5個または6個の炭素を含むシクロアルキル基を形成してもよい。シクロアルキル基は、例えば1つ以上のC1-C6アルキル基または他の置換基でさらに置換されていてもよい。Xは、酸素、イオウ、アルキルアミノ(すなわちN-R10)、またはアシルアミノ〔すなわちN-C(=O)-R10〕(式中、R10はC1-C6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基である)であってよい。Aはハロゲン(例えば、クロロやブロモ)である。構造(IV)の代表的な化合物はN-ハロ-3,3,5,5-テトラメチルモルホリンである。
構造(V)
構造(V)に関して、R1〜R4は、C1-C6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、またはヘキシル基)であってよい。これとは別に、R1とR2が一緒になって5個または6個の炭素を含むシクロアルキル基を形成してもよく、またR3とR4が一緒になって5個または6個の炭素を含むシクロアルキル基を形成してもよい。シクロアルキル基は、例えば1つ以上のC1-C6アルキル基または他の置換基でさらに置換されていてもよい。Aはハロゲン(例えば、クロロやブロモ)である。構造(V)の代表的な化合物はN-ハロ-3,4-デヒドロ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンである。
構造(VI)
構造(VI)に関して、R1〜R4は、C1-C6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、またはヘキシル基)であってよい。これとは別に、R1とR2が一緒になって5個または6個の炭素を含むシクロアルキル基を形成してもよく、またR3とR4が一緒になって5個または6個の炭素を含むシクロアルキル基を形成してもよい。シクロアルキル基は、例えば1つ以上のC1-C6アルキル基または他の置換基でさらに置換されていてもよい。Xは、メチレン(すなわちCH2)、酸素、イオウ、またはアルキルアミノであってよい。R8とR9は、C1-C6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、またはヘキシル基)から独立的に選択することができる。これとは別に、R8とR9が一緒になって5員もしくは6員の環を形成してもよく、これらの環が、例えば1つ以上のC1-C6アルキル基または他の置換基でさらに置換されていてもよい。Aはハロゲン(例えば、クロロやブロモ)である。構造(VI)の代表的な化合物としては、N-ハロ-4-ピペリドンケタール(例えば、エチレンケタール、プロピレンケタール、グリセリルケタール、およびネオペンチルケタール)がある。構造(VI)の代表的な化合物としては、N-ハロ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリドンエチレンケタール、N-ハロ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリドンプロピレンケタール、N-ハロ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリドングリセリルケタール、およびN-ハロ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリドンネオペンチルケタールがある。
構造(VII)
構造(VII)に関して、R1〜R4は、C1-C6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、またはヘキシル基)であってよい。これとは別に、R1とR2が一緒になって5個または6個の炭素を含むシクロアルキル基を形成してもよく、またR3とR4が一緒になって5個または6個の炭素を含むシクロアルキル基を形成してもよい。シクロアルキル基は、例えば1つ以上のC1-C6アルキル基または他の置換基でさらに置換されていてもよい。Xは、メチレン、酸素、イオウ、NH、(すなわちN-R10)、またはアシルアミノ〔すなわちN-C(=O)-R10〕(式中、R10はC1-C6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基である)であってよい。Aはハロゲン(例えば、クロロやブロモ)である。構造(VII)の代表的な化合物はN-ハロ-2,2,5,5-テトラメチルピロリジンである。
上記のN-ハロヒンダード環状アミン化合物は一般に、対応するアミン化合物を塩素化または臭素化することによって製造することができる。
カルボキシル化セルロースパルプ繊維は、不均一条件下において水性媒体中にてヒンダード環状アミン化合物またはN-ハロヒンダード環状アミン化合物を使用して製造することができる。この方法においては、ヒンダード環状アミン化合物またはN-ハロヒンダード環状アミン化合物と二次的酸化剤(例えば、二酸化塩素、過酸、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、オゾン、過酸化水素、超酸化カリウム)とを反応させて一次的酸化剤を得、この一次的酸化剤とセルロースパルプ繊維とを反応させて、カルボキシル官能基とアルデヒド官能基を含有するセルロースパルプ繊維を得る。1つの実施態様においては、カルボキシル官能基とアルデヒド官能基を含有するセルロース繊維をさらに処理して、安定なカルボキシル化セルロース繊維を得る。この方法では、塩基性pHの条件下にて、そして二次的酸化剤の存在下にて、ヒンダード環状アミン化合物またはN-ハロヒンダード環状アミン化合物から一次的酸化剤を生成させる。1つの実施態様においては、カルボキシル化プロセスの第1の段階の終わりにおいて得られる、カルボキシル官能基とアルデヒド官能基を含有するセルロース繊維をさらに処理して、安定なカルボキシル化セルロース繊維を得る。
前述したように、1つの実施態様においては、カルボキシル化セルロースパルプ繊維の製造法は2つの工程を含む:すなわち、(1)第1の段階のカルボキシル化;および(2)残留アルデヒド基をカルボキシル基に転化して安定なパルプを得る、という安定化工程。
カルボキシル化の第1の段階では、塩基性pHの条件下にて、そして二次的酸化剤(例えば、二酸化塩素、次亜塩素酸、過酸、または特定の金属イオン)の存在下にて、上記のN-ハロヒンダード環状アミン化合物から生成される触媒活性化学種(例えばオキソアンモニウムイオン)を使用してセルロースパルプ繊維を酸化する(すなわち、アルデヒド官能基とカルボキシル官能基に酸化する)。
カルボキシル化プロセスの第1の段階は一般に、約20℃〜約90℃の温度で行われる。ヒンダード環状アミン化合物またはN-ハロヒンダード環状アミン化合物は、パルプの総重量を基準として約0.002〜約0.25重量%の量にて存在する。二次的酸化剤は、パルプの総重量を基準として約0.1〜約10重量%の量にて存在する。パルプをカルボキシル化する第1の段階のための反応時間は、ヒンダード環状アミン化合物もしくはN-ハロヒンダード環状アミン化合物と二次的酸化剤との反応温度と量に応じて約5秒〜約10時間の範囲である。
二酸化塩素は適切な二次的酸化剤である。酸化反応時のpHは、一般には約6.0〜11(好ましくは約6.0〜10、最も好ましくは約6.25〜9.0)の範囲内に保持すべきである。酸化反応は、より高いpH値でも、より低いpH値でも進行するが、効率は低下する。
パルプのカルボキシル含量と粘度に及ぼす時間と化学物質使用量(chemical loadings)の影響を調べるために試験を行った。試験は、50℃と70℃にて行った。
各組の試験においては、最終的に7.5%のパルプコンシステンシーが達成されるに足る量の水をクウァンタム・ミキサー(Quantum mixer)中に入れた。水を所望の温度(50℃または70℃)に加熱した。水酸化ナトリウムを、表2と表3に示す量にて水に加えた。ウェイヤーハウザー・プリンス・アルバート・SKミル(Weyerhaeuser Prince Albert SK mill)からの、全く乾燥していない32.1%部分漂白軟木パルプ(32.1% never-dried partially bleached softwood pulp)を水に加えた。E2漂白段階からパルプを採取した。重量は、オーブン乾燥に基づいて150gであった。サンプルを100%粉末にて速やかに混合した。
2.25gの2%EGK-TAA(トリアセトアミンのエチレングリコールケタール)を二酸化塩素溶液に加えた。EGK-TAAの量は、パルプのオーブン乾燥重量の0.03重量%であった。二酸化塩素の量を表2〜5に示すように変えた。
EGK-TAA/二酸化塩素混合物を、攪拌しながら混合機中に注入した。時間0は、混合物の注入を開始した時間である。
反応時間後に安定化用混合物をパルプ中に圧入して、段階1の酸化をクエンチし、段階2の安定化を開始させた。パルプを、0.5%HOOHと3.9%硫酸(pH<4)を使用して1時間安定化した。pHは測定しなかったが、これまでの経験からpHは4未満(おそらくは2〜3)であったと思われる。黄色が観察され、したがって亜塩素酸塩とアルデヒド基との反応による二酸化塩素の再生を示しており、このことからさらに、pHが4未満であることがわかった。各サンプルを約1時間安定化させた。安定化温度は、50℃または70℃になるようにした。全てのサンプルをDI水で洗浄し、NaOHで処理してパルプ上のカルボン酸基をナトリウム塩形に転化し、そして洗浄した。サンプルを、カルボキシル含量、粘度、白色度、および白色度リバージョン(brightness reversion)に関して分析した。対照標準は、非カルボキシル化パルプであった。カルボキシル含量、粘度、白色度、および白色度リバージョンを表1に示す。
70℃での試験に対する結果を表2に、そして50℃での試験に対する結果を表3に示す。70℃と50℃の試験の結果を、それぞれ表4と表5においてカルボキシル含量にしたがって列記した。
15秒、30秒、60秒、120秒、180秒、および240秒の時間でのカルボキシル化を調べるために、別のセットの試験を行った。
(実施例35)
60gのオーブン乾燥重量を有する、ウェイヤーハウザー・プリンス・アルバート・SKミル・パルプのE2漂白段階後に採集した全く乾燥していない部分漂白軟木パルプと、9.2gの炭酸ナトリウムを310gのDI水に加え、混合物を70℃に加熱した。二酸化塩素98ml(6.7g/リットル)とトリアセトンアミン(EGK-TAA)のエチレングリコールケタール1.2gとを混合し、パルプに加えた。パルプを手で速やかに混合した。ClO2/EGK-TAA溶液が最初にパルプと接触してから15秒、30秒、60秒、120秒、180秒、および240秒にてサンプルを採取した。0.5gのNaBH4を100mlの水中に溶解して得られた溶液中に各サンプルを置き、定期的に攪拌しながら室温で一晩放置した。パルプをカルボキシル含量に関して試験した。meq/100gで表示したカルボキシル含量は以下の通りであった:15秒-6.7、30秒-6.8、60秒-7.2、120秒-7.5、180秒-7.55、240秒-7.6
(実施例36)
ウェイヤーハウザー・プリンス・アルバート・SKミル・パルプのE2段階後に採集したノーザン軟木部分漂白クラフトパルプを、ねじプレスを使用して25〜30%の固形分になるまで脱水した。
パーセントは全て、パルプのオーブン乾燥重量を基準とした重量パーセントである。
パルプを水中にてスラリー状にして二本ロールプレスに送り、この二本ロールプレスによって、パルプを、パルプソリッド3.0kg/分という所定の一定速度にて8〜9%コンシステンシー(パルプの重量/水の重量)でパイロットプロセス(a pilot process)に供給した。二本ロールプレスの直後において、0.65%の割合でパルプ流れに水酸化ナトリウムを噴霧した。次いでパルプスラリーを混合し、スチーム混合機中で加熱し、シーペックス・プログレッシブキャビティポンプ(a Seepex progressive cavity pump)に送り、このポンプが、2つの強力ミキサーと上向流塔を介してパルプスラリー流れを供給する。上向流塔(upflow tower)は、重力によって下向流塔(downflow tower)となる。パルプ生成物を下向流塔の底部から取り出し、水酸化ナトリウムでpHを7〜9に調節し、ベルト洗浄機で脱水した。
EGK-TAAを水中に溶解し、二酸化塩素ライン中に計量・導入した。本混合物は、0.03%のEGK-TAAと0.88%の二酸化塩素を含んだ混合物であった。このラインを、1つめの強力ミキサーに入る直前において、パルプスラリープロセスの管に連結した。二酸化塩素/EGK-TAA混合物を流れているパルプスラリー中に注入し、1つめの強力ミキサー中にて直ちに混合した。2つめの強力ミキサーの直前にて、硫酸(0.17%)と過酸化水素(0.5%)との混合物をパルプスラリー中に注入した。1つめの強力ミキサーと硫酸/過酸化水素の注入個所との間の距離、およびパルプスラリーの速度により、パルプのカルボキシル化の第1段階に対する反応時間が決まる。このようなシステム構成によって6秒という短い時間が可能となったが、好ましいのは15〜30秒であった。本実施例においては、時間は6秒であった。パルプを直ちに2つめの強力ミキサー中に送り、再び混合した。パルプスラリーが上向流塔に流れて行き、そこで約30分費やしてから下向流塔に入り、ここで約1時間を費やした。次いで、下向流塔の底部からパルプスラリーを取り出した。
スチームミキサーに対するスチーム流れを調節することによって、上向流塔の底部の温度を50℃に保持した。硫酸/過酸化水素を注入する前に保持管(retention pipe)の終端部近くでpHをモニターし、二本ワイヤープレスの後でのパルプへの水酸化ナトリウムの添加レベルをわずかに調節することによって6.25〜6.75に保持した。上向流塔の底部にてpHをモニターし、硫酸の流量をわずかに調節することによって3.5〜4.0に保持した。
脱水処理したパルプ生成物のカルボキシルレベルは8.5meq/100g、ISO白色度は90.38%、および粘度は25.6mPa-sであった。
短い反応時間が可能であること、およびカルボキシレート木材パルプに対し、殆ど変更を加えることなく現行の装置を使用できることがわかる。
図1は、パルプミルの標準的な抽出段階と二酸化塩素段階を示している。漂白用化学物質(例えば、塩素、二酸化塩素、または過酸化水素)で漂白したスラリー形態のパルプを、抽出塔10において水酸化ナトリウムで処理する。漂白用化学物質と反応したパルプ中の化学物質を水酸化ナトリウムが可溶化する。パルプを洗浄機12に送り、そこで可溶化された物質をパルプから洗い落とす。
パルプスラリーを洗浄機12からポンプ18(図2と3に示す)によって次の段階に移送し、混合機24(図2と3に示す)において二酸化塩素と混合し、そしてパルプスラリーが二酸化塩素塔14の上向流セクション13に進む。次いでパルプスラリーが塔14の下向流セクション15を通り、そこで二酸化塩素と反応し続ける。次いでスラリーが塔14を出て、洗浄機16(図2と3に示す)において洗浄される。
カルボキシル化プロセスの第1段階の反応時間が短いことから、標準的な抽出段階と二酸化塩素段階に対して簡単な変更を施すことで、これらのユニットでのカルボキシル化と安定化が可能となる。
この点については図2と3に示されている。図2と3は、プロセスの違いを表わしている。
洗浄機12と二酸化塩素塔14との間に、追加の混合機と反応チャンバーが組み込まれている。
ポンプ18により、塩基化学物質とパルプスラリーとが混合される。塩基化学物質は、スラリーに対して適切なpHをもたらす全ての化学物質である。好ましいのは水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムである。最も好ましいのは水酸化ナトリウムである。なぜなら、水酸化ナトリウムは抽出反応において使用される化学物質であり、新たな化学物質が必要とされないからである。塩基化学物質は、ライン19を介してユニット17から供給される。塩基化学物質は、ポンプ18より前でスラリーに供給してもよいし、あるいはポンプ18においてスラリーに供給してもよい。カルボキシル化用化学物質を加える前に、塩基化学物質とスラリーとを充分に混合しなければならない。
混合機20により、カルボキシル化用化学物質とパルプスラリーとが混合される。カルボキシル化用化学物質は、ユニット21または21’からライン22と22’を介して供給される。カルボキシル化用化学物質は、混合機20より前にスラリーに供給してもよいし、あるいは混合機20においてスラリーに供給してもよい。カルボキシル化用化学物質は、前記した物質のいずれであってもよい。好ましい二次的オキシダントは二酸化塩素である。好ましい一次的オキシダントはトリアセトンアミンエチレングリコールケタール(TAA-EGK)である。
次いでパルプスラリーが反応チャンバー23に入り、そこでカルボキシル化プロセスの第1段階が果たされる。反応チャンバー23の大きさは、触媒酸化反応の時間の長さによって決まる。反応チャンバーは、反応時間が1分を超える場合はタンクである。反応チャンバーは、反応時間が2分を超える場合は比較的大きめのタンクであり、反応時間が15分を越える場合は大形のタンクである。反応チャンバー23は、反応時間が1分未満の場合は管であってよい。反応時間が30秒を超える場合は、反応チャンバーは、図示のように、大きめでおそらくは湾曲した管である。反応時間が30秒以下である場合は、反応チャンバーは、直管およびおそらくは現行の管であってよい。反応時間は約15秒の場合もあり、また場合によってはわずか1秒という場合もある。直径と長さは、酸化反応に必要とされる時間にわたってパルプスラリーの流れを収容できるようなサイズである。
混合機24により、安定化用化学物質とパルプスラリーとが混合される。安定化用化学物質は、ユニット25と25’からライン26と26’を介して供給される。安定化用化学物質は、混合機24より前で供給しても、あるいは混合機24において供給してもよい。安定化用化学物質は、前記した物質のいずれであってもよい。使用できる安定化用化学物質としては、アルカリ金属亜塩素酸塩、過酸化水素、酸、二酸化塩素、および過酸などがある。酸(例えば硫酸)および過酸化物(例えば過酸化水素)を使用するのが好ましい。酸を使用するのが最も好ましい。
次いでパルプスラリーが二酸化塩素塔14の上向流セクション13に進み、次いで塔14の下向流セクション15に進む。安定化反応は、塔セクション13と15において行われる。
抽出段階10に関してシステムを説明してきたが、抽出段階は、2つの二酸化塩素塔が洗浄段階によって隔離されているようなシステムにおいても使用することができる。本システムは、抽出塔10が二酸化塩素塔であるという点を除けば、本明細書に記載のシステムと同じである。本システムにおいては、より多くの二酸化炭素を使用する必要があると思われる。
本システムは、通常のパルプ漂白段階からカルボキシル化段階まで、単にシステムに化学物質を加えることによって、あるいは単にシステムから化学物質を取り除くことによって変更を加えることができる、ということがわかる。塩基化学物質、触媒、酸、および過酸化物を加えることでカルボキシル化ユニットになり、これらの化学物質が存在しない場合は、標準的なパルプ漂白段階に戻る。
当業者には周知のことであるが、本発明は、本発明の範囲を逸脱することなく多くの改良形や変形が可能である。したがって、上記の詳細な説明は、単に例示のためのものであって、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を限定するものでは決してない。留意しておかねばならないことは、他の触媒酸化や安定化用化学物質も使用することができるが、本明細書に記載の化学物質が好ましい化学物質である、という点である。
標準的なパルプミルの抽出段階と二酸化塩素段階の概略図である。 カルボキシル化反応をもたらすための変更点を示している、抽出段階と二酸化塩素段階の概略図である。 カルボキシル化反応をもたらすための変更点を示している、抽出段階と二酸化塩素段階の概略図である。

Claims (21)

  1. パルプカルボキシル化システムであって、
    パルプ漂白段階;
    前記パルプ漂白段階に続く洗浄機;
    前記洗浄機に続く第1の混合機;
    前記システムと接続させた塩基性物質の供給材料、これにより前記塩基性物質が前記第1の混合機によって混合される;
    前記第1の混合機に続く第2の混合機;
    前記第1の混合機の後の、前記システムと接続させたカルボキシル化化学物質の供給材料、これにより前記カルボキシル化化学物質が前記第2の混合機によって混合される:
    前記第2の混合機に続く第1段階の反応チャンバー;
    前記反応チャンバーに続く第3の混合機;
    前記反応チャンバーの後の、前記システムと接続させた安定化用物質の供給材料、これにより前記安定化用物質が前記第3の混合機によって混合される;および
    前記第2の混合機に続く第2段階の安定化用チャンバー;
    を含むパルプカルボキシル化システム。
  2. 前記反応チャンバーに15分以下の反応時間にわたってサイズ剤を施す、請求項1記載のカルボキシル化システム。
  3. 前記反応チャンバーに2分以下の反応時間にわたってサイズ剤を施す、請求項1記載のカルボキシル化システム。
  4. 前記反応チャンバーに1分以下の反応時間にわたってサイズ剤を施す、請求項1記載のカルボキシル化システム。
  5. 前記反応チャンバーに30秒以下の反応時間にわたってサイズ剤を施す、請求項1記載のカルボキシル化システム。
  6. 前記反応チャンバーに15秒以下の反応時間にわたってサイズ剤を施す、請求項1記載のカルボキシル化システム。
  7. 前記パルプ漂白段階が抽出段階である、請求項1記載のカルボキシル化システム。
  8. 前記安定化用チャンバーが二酸化塩素漂白塔である、請求項7記載のカルボキシル化システム。
  9. 前記パルプ漂白段階が二酸化塩素漂白段階である、請求項1記載のカルボキシル化システム。
  10. 前記安定化用チャンバーが二酸化塩素漂白塔である、請求項9記載のカルボキシル化システム。
  11. 前記安定化用チャンバーが二酸化塩素漂白塔である、請求項1記載のカルボキシル化システム。
  12. 前記第1の混合機がポンプである、請求項1記載のカルボキシル化システム。
  13. 前記反応チャンバーの出口においてpHメーターをさらに含む、請求項1記載のカルボキシル化システム。
  14. 前記塩基性物質の供給材料が水酸化ナトリウムおよび炭酸ナトリウムからなる群から選択される、請求項1記載のカルボキシル化システム。
  15. 前記塩基性物質の供給材料を前記第1の混合機と接続させる、請求項1記載のカルボキシル化システム。
  16. 前記カルボキシル化化学物質の供給材料が、オキソアンモニウム窒素に隣接した炭素原子におけるα水素の置換がなされていないヒンダード複素環式オキソアンモニウム塩、これに対応したアミン、ヒドロキシルアミン、これらオキソアンモニウム塩のニトロキシド、およびこれらの混合物からなる群から選択される充分な量の一次的オキシダント、ならびに炭水化物において少なくとも約2meq/100gのカルボキシル置換の増大を引き起こすに足る量の、二酸化塩素および二酸化塩素の潜在的供給源から選択される二次的オキシダントである、請求項1記載のカルボキシル化システム。
  17. 前記安定化用化学物質の供給材料を前記第2の混合機と接続させる、請求項1記載のカルボキシル化システム。
  18. 前記安定化用物質の供給材料が、アルカリ金属亜塩素酸塩、過酸化物、酸、二酸化塩素、過酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載のカルボキシル化システム。
  19. 前記安定化用物質の供給材料が、過酸化物、酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載のカルボキシル化システム。
  20. 前記安定化用物質が酸である、請求項1記載のカルボキシル化システム。
  21. 前記安定化用物質の供給材料を前記第3の混合機と接続させる、請求項1記載のカルボキシル化システム。
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