JP2005068417A - 熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法、成型物の製造方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及びその製造方法、成型物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリアミン系化合物と安価なホウ酸とを反応させて得られるポリアミンホウ酸塩を熱硬化性樹脂用硬化剤として用いることにより、ホウ酸塩基が分子レベルでエポキシ樹脂やノボラックフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂に導入され、高い耐熱性、即ち高いガラス転移温度を有する硬化物が得ることを目的とする。
【解決手段】 熱硬化性樹脂と、その硬化剤として、ポリアミン系化合物と一般式(1)
B(OR)n(OH)3−n (1)
(式中、nは0〜3までの整数、RはC2m+1のアルキル基であり、mは1〜10の整数を表す。)で表わされる無機ホウ酸系化合物とから得られるポリアミンホウ酸塩とを必須成分として含有してなる熱硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリアミンホウ酸塩を含有する熱硬化性樹脂組成物に関するもので、更にかかる熱硬化性樹脂組成物の製造法及び熱硬化性樹脂組成物を用いた成型物の製造方法に関する。
モノアミン、ジアミンなどのアミン化合物とホウ酸との反応生成物は古くから研究されている(例えば特許文献1参照)。これらの文献では、アミン化合物とホウ酸とを反応させて得られる水溶液を、そのままラテックスの凝固剤あるいはα-アルキルアクロレインの製造用触媒として用いている。また、最近では、セメント組成物の成分として用いる例が報告されている(例えば特許文献2参照)。
一方、各種産業分野で使われているエポキシ樹脂及びノボラックフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂に対して、耐熱性への要求がますます厳しいものになりつつある。耐熱性を向上させる有力手段の一つに硬化剤の選択がある。エポキシ樹脂及びノボラックフェノール樹脂用硬化剤としては、アミン化合物が最も広く使用されている。しかし、アミン系硬化剤を用いた樹脂硬化物のガラス転移温度(Tg)は高くても150℃前後であり、耐熱性は充分とは言えない。また、アミン化合物の多くは刺激臭があり、取扱上に安全性の問題がある。
エポキシ樹脂に硬化剤としてアミン化合物を使用する場合、ホウ酸を硬化抑制剤などの添加剤として併用することが知られている(例えば特許文献3参照)。この場合には、アミン化合物に毒性があったり、その種類によっては臭気が強く取扱いが面倒であるという問題がある。また、添加するホウ酸の量が少ない場合には、得られる硬化物の耐熱性が十分でなく、ホウ酸量を多くすると、保存安定性に劣ったり、得られる硬化物に低温度のTg、例えば107℃にtanδのサブピークが観測され、硬化物の特性に悪影響を与えることになる。
又、エポキシ樹脂に有機リン系化合物の硬化剤及び硬化促進剤としてモノアミンボレートを併用した組成物を用いた積層板の製法が報告されている(例えば特許文献4参照)。しかし、使用されるモノアミンボレートが硬化剤として作用しないため、得られる硬化物の耐熱性が大きく向上されることはなかった。
更に、エポキシ樹脂に硬化剤としてフェノールノボラック樹脂及び硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレートを含有するテープキャリアパッケージの封止剤が知られている(例えば特許文献5参照)。ここで使用される2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレートは、テトラフェニルボレートが酸素原子を介在せずにホウ素原子とフェニル基と結合したものであり、組成物の硬化物に対して耐熱性の向上に寄与するものでない。
特開平4−338355号公報 特表2003−504294号公報 特開平4−227924号公報 米国特許第3738862号明細書 特開平11−343392号公報
本発明の目的は、熱硬化性樹脂に対してホウ素含有量を高くすることができるポリアミンホウ酸塩含有熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
即ち、本発明の目的は、上記ポリアミンホウ酸塩を熱硬化性樹脂、例えばエポキシ樹脂やノボラックフェノール樹脂に添加することにより、高いガラス転移温度を有する耐熱性硬化物をもたらすことができる樹脂組成物及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、ポリアミン系化合物と安価なホウ酸とを反応させて得られるポリアミンホウ酸塩を熱硬化性樹脂用硬化剤として用いることにより、ホウ酸塩基が分子レベルでエポキシ樹脂やノボラックフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂に導入され、高い耐熱性、即ち高いガラス転移温度を有する硬化物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、熱硬化性樹脂と、その硬化剤として、ポリアミン系化合物と一般式(1)
B(OR)n(OH)3−n (1)
(式中、nは0〜3までの整数、RはC2m+1のアルキル基であり、mは1〜10の整数を表す。)で表わされる無機ホウ酸系化合物とから得られるポリアミンホウ酸塩とを必須成分として含有してなる熱硬化性樹脂組成物、該熱硬化性樹脂組成物の製造法および該熱硬化性組成物を用いた成型物の製造法に関する。
本発明は、アミン刺激臭が殆どなく、メタノールによく溶ける性質を持ち、熱硬化性樹脂用硬化剤として用いられるポリアミンホウ酸塩を熱硬化性樹脂に添加することにより、従来のようにアミン硬化剤と硬化特性の調整剤としてホウ酸系化合物を添加した場合に比べてホウ素含有量を高くすることができる。しかも、得られる熱硬化性樹脂組成物の硬化物が極めて高いガラス転移温度を有する。
また、本発明のポリアミンホウ酸塩を用いた粉末状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、高いガラス転移温度を有するだけでなく、保存安定性と流通移送性にも優れる。
本発明において熱硬化性樹脂用硬化剤として用いられるポリアミンホウ酸塩は、ポリアミン系化合物と一般式(1) B(OR)n(OH)3−n (1)
(式中、nは0〜3までの整数、RはC2m+1のアルキル基であり、mは1〜10の整数を表す。)で表わされるホウ酸系化合物とから得られるものである。
例えば、ポリアミンホウ酸塩は、溶媒または水の中でポリアミン系化合物とホウ酸系化合物とを反応させて得られた反応生成物から溶媒を除去し、場合によっては分離、精製を行い、アミン刺激臭のない粉末状のポリアミンホウ酸塩として得ることができる。
本発明で用いられるポリアミン系化合物としては、熱硬化性樹脂を硬化することができるポリアミン化合物が用いられる。エポキシ樹脂の場合、分子中にアミノ基およびイミノ基のいずれか1個以上を有するポリアミンが特に好適に用いられる。かかるポリアミン系化合物としては、好ましくは脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミンおよび脂環族ポリアミンであり、分子中にニトリロ基を有するものであってもよい。
用いられる代表的なポリアミン系化合物の一般式を、次式に示す。
Figure 2005068417
一般式(2)におけるR1、R2、Rは、水素、炭素原子1〜20を有するアルキル基、炭素原子1〜20を有するアルカノール基を表す。Xは、水素、炭素原子1〜20を有するアルキル基、炭素原子1〜20を有するアルカノール基または炭素原子2〜50を有するオキシアルキレン基のいずれかを表す。但し、R1、R2、R3及びXのうちの少なくとも1個は水素である。またYはフェニル基、炭素原子2〜50を有するアルキレンまたはアルキレンエーテル基を表し、nは1〜5の整数を表す。
また、ポリアミン系化合物として一般式(3)に示すイミダゾール化合物も挙げられる。
Figure 2005068417
一般式(3)中、Rはメチル、エチル、イソプロピル、炭素数11のアルキル、炭素数17のアルキル、フェニルなどを表し、Rは水素、メチルなどを表す。
具体的なポリアミン系化合物としては以下のものがあげられる。
(1)脂肪族ポリアミン:
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、プロピレンジアミン、ジプロピレントリアミン、シクロヘキサンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、2,5-ジメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン。
(2)脂環族ポリアミン:
メタセンジアミン、イソホロンジアミン、N-アミノエチルピペラジン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、1,3,5-トリス(アミノメチル)ベンゼン。
(3)芳香族ポリアミン:
m-フェニレンジアミン、メタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン。
(4) ポリアミドアミン:
脂肪族ポリアミンと重合脂肪酸や安息香酸の反応で製造されるポリアミドアミン、例えば、ラッカーマイドTD-984やエピクロンB-053(いずれも大日本インキ化学工業(株)製)など。
(5) 2級アミン化合物:
N-メチルピペラジン、ヒドロキシエチルピペラジン。
(6) イミダゾール化合物:
2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール。
(7) ジシアンジアミド
(8) ヘキサミン
本発明でのホウ酸系化合物としては、一般式(1)
B(OR)n(OH)3−n (1)
(式中、nは0〜3までの整数、RはC2m+1のアルキル基であり、mは1〜10の整数を表す。)で表わされるホウ酸およびホウ酸エステル、ホウ酸エステルの部分重縮合物が用いられる。ホウ酸の具体的なものとしては、例えばオルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、およびそれらの混合物であり、また、ホウ酸エステルの具体的なものとしては、例えばホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリブチル等が挙げられる。これらのホウ酸及びホウ酸エステルは、単独又は2種以上組み合わせて使用できる。また、それらの部分加水分解物や部分重縮合物も用いることができる。上記の中ではホウ酸が最も好ましく用いられる。
なお、前記の部分重縮合物は、一般式(1)で表されるホウ酸エステルを、水、溶媒、及び必要により酸又は塩基触媒と共に混合攪拌する方法によって得ることができる。
上記一般式で表されるポリアミン系化合物とホウ酸系化合物との反応によって得られるポリアミンホウ酸塩の具体例としては、エチレンジアミンホウ酸塩、ジエチレントリアミンホウ酸塩、トリエチレンテトラミンホウ酸塩、テトラエチレンペンタミンホウ酸塩などの脂肪族ポリアミンホウ酸塩が挙げられる。小さい分子のエチレンジアミン、ジエチレントリアミンの場合、結晶性と非結晶性のポリアミンホウ酸塩を作り分けることができ、いずれも本発明で有効なポリアミンホウ酸塩として用いられる。例えば、N,N-ジメチルホルムアミドなどの溶媒を合成溶媒として用いた場合、結晶性のポリアミンホウ酸塩が得られる。これに対して、水を合成溶媒とした場合、非結晶性のポリアミンホウ酸塩が得られる。この非結晶性のポリアミンホウ酸塩では、11B-NMRのシグナルが結晶性ポリアミンホウ酸塩より低磁場側にシフトすることやFT-IRにおけるB-O結合の伸縮振動の吸収が結晶性ポリアミンホウ酸塩より低波数側にシフトすることが観測され、ホウ酸塩基の化学構造が異なることが示唆された。また、結晶性と非結晶性のポリアミンホウ酸塩のいずれも、ホウ素含有量の測定値が単核ホウ酸塩のホウ素含有量の計算値より高いことから、得られた脂肪族ポリアミンホウ酸塩の主成分が多核縮合ホウ酸塩であると推定された。一方、結晶性エチレンジアミンホウ酸塩をメタノールに溶解した後、一晩冷却により得られた単結晶のX線構造解析の結果、次式(4)で表される単核ホウ酸塩の構造と一致することがわかった。この単核ホウ酸塩は式(5)で表される単核ホウ酸塩のエステル化により得られたものと考えられ、結晶性エチレンジアミンホウ酸塩の中に式(5)で表される単核ホウ酸塩も含まれていると結論された。
Figure 2005068417
Figure 2005068417
一方、大きい分子のトリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンを用いた場合、合成溶媒がN,N-ジメチルホルムアミドなどの溶媒であっても、非結晶性のポリアミンホウ酸塩のみが得られる。また、測定されたホウ素含有量及びアミン含有量から、得られたポリアミンホウ酸塩の主成分が多核縮合ホウ酸塩であると結論した。
本発明のポリアミンホウ酸塩の他の具体例として、ポリアミドアミンホウ酸塩が挙げられる。ポリアミドアミンを用いた場合、アミンとホウ酸とのモル比によって、結晶性と非結晶性のポリアミドアミンホウ酸塩を作り分けることができる。例えば、アミンの中のアミノ基およびイミノ基の1モルに対して、ホウ酸を1モル以上仕込んだ場合、結晶性ポリアミドアミンホウ酸塩が得られる。これに対して、アミノ基またはイミノ基の1モルに対して、ホウ酸の仕込量が0.6モル未満の場合、非結晶性ポリアミドアミンホウ酸塩が得られる。また、ホウ素含有量の測定から、結晶性ポリアミドアミンホウ酸塩の主成分が多核縮合ホウ酸塩であることがわかった。
本発明のポリアミンホウ酸塩の他の具体例としては、3級ポリアミンのヘキサミンホウ酸塩が例示できる。この場合、結晶性のポリアミンホウ酸塩が得られる。また、ホウ素含有量の測定値が単核ホウ酸塩のホウ素含有量の計算値より高いことから、得られたヘキサミンホウ酸塩の主成分が多核縮合ホウ酸塩であると結論した。
また、イミダゾールホウ酸塩の具体例として、2-エチル-4-メチルイミダゾールホウ酸塩が挙げられる。X線回折のパターン及びホウ素含有率の測定値から、結晶性イミダゾール縮合ホウ酸塩が得られたことがわかった。
本発明におけるポリアミンホウ酸塩の合成は、例えば次のようにして行うことができる。即ち、溶媒または水にホウ酸を溶解または懸濁させて攪拌しながら、ポリアミン系化合物溶液を滴下する。場合によっては、添加順序を逆にしてポリアミン系化合物の溶媒溶液または水溶液を攪拌しながら、ホウ酸溶液を滴下する場合もある。続いて、室温または加熱下、一定時間において反応を行う。これによりポリアミンホウ酸塩が析出し、吸引濾過により沈殿物(ポリアミンホウ酸塩)を回収する。一方、反応生成物が反応溶媒に溶けている場合があり、その場合はエパポレーターにより溶媒を留去してポリアミンホウ酸塩を回収する。以上のようにして得られた反応生成物をN,N-ジメチルホルムアミド、アセトンなどを用いて数回繰り返し洗浄した後、真空乾燥することにより白色粉末のアミンホウ酸塩が得られる。
本発明におけるポリアミンホウ酸塩の合成溶媒としては、ホウ酸系化合物またはポリアミン系化合物の少なくとも一種を溶解するようなものが必要である。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、水などが挙げられ、これらは単独又は二種以上の混合で使用できる。その中では、特にN,N-ジメチルホルムアミド又は水を用いることが好ましい。溶媒の使用量は、ホウ酸系化合物およびポリアミン系化合物の合計100質量部に対して溶媒が300〜1500質量部となるように用いることが好ましい。
本発明におけるポリアミンホウ酸塩の合成条件として、ポリアミン系化合物の中の窒素含有基とホウ酸系化合物のホウ素とのモル比が重要である。ホウ酸系化合物の比率を増やすと、多核縮合ホウ酸塩が形成しやすく、高いホウ素含有量のポリアミンホウ酸塩が得られる。これに対してポリアミン系化合物の比率を増やすと、より低いホウ素含有量のポリアミンホウ酸塩を得ることができる。一般的にポリアミン系化合物の中の窒素含有基、即ちアミノ基、イミノ基及びニトリロ基の合計1モルに対して、ホウ素が0.25〜10モルが好ましく、より好ましくは0.5〜8モル、特に好ましくは1〜6モルである。0.25モル未満又は10モルを超える場合、ポリアミンホウ酸塩の収率が低く、経済的に不利になり、好ましくない。また、反応温度について、用いるポリアミン系化合物の種類によっては異なるが、一般的に15℃〜150℃が好ましく、より好ましくは20℃〜120℃であり、特に好ましくは25℃〜100℃である。反応時間は反応温度にもよるが、通常1〜15時間が好ましく用いられる。
本発明で用いられるポリアミンホウ酸塩はアミン特有の刺激臭が殆どない固形状粉末であり、水またはメタノールなどの低級アルコールによく溶ける性質を持っており、エポキシ樹脂やノボラックフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂の硬化剤として好適に用いられる。
本発明での熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ノボラックフェノール樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられる。
エポキシ樹脂としては、1分子内に平均2個以上のエポキシ基を有する慣用のエポキシ樹脂であり、その種類は特に限定されない。例えば、次に掲げる各種のエポキシ樹脂を単独又は2種以上組み合わせて使用できる。
(1) フェノール系グリシジルエーテル型エポキシ樹脂:
ビスフェノールーA、ビスフェノールーF、テトラブロモビスフェノールーA、テトラフェニロールエタン、フェニールノボラック、クレゾールノボラックなどのフェノール化合物とエピクロルヒドリンとの反応により得られるフェノール系グリシジルエーテル型エポキシ樹脂。
(2) アルコール系グリシジルエーテル型エポキシ樹脂:
(a) ビスフェノールーA、ビスフェノールーF、テトラブロモビスフェノールーA、テトラフェニロールエタンなどのフェノール化合物とアルキレンオキサイドとの付加反応により得られるポリオール、又は水添ビスフェノールAなどのポリオールと、(b) エピクロルヒドリンとの反応により得られるアルコール系グリシジルエーテル型エポキシ樹脂。
(3) グリシジルエステル型エポキシ樹脂:
ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等のジグリシジルエステル型エポキシ樹脂。
(4) グリシジルアミン型エポキシ樹脂:
1,3-ジグリシジルヒダントイン、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルーパラアミノフェノール等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂。
(5) 混合型エポキシ樹脂:
アミノフェノール又はオキシ安息香酸とエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂、シクロペタジエンやジシクロペンタジエン骨格を有する脂環式型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂等の混合型エポキシ樹脂。
本発明に於いて、エポキシ樹脂組成物の硬化物が充分高いガラス転移温度と優れた力学物性を獲得する為に、エポキシ樹脂のエポキシ基当量は、好ましくは100〜1000であり、より好ましくは110〜800であり、特に好ましくは120〜500である。
本発明におけるエポキシ樹脂の硬化剤としては、以上に述べたポリアミンホウ酸塩のうち、特にエチレンジアミンホウ酸塩、ジエチレントリアミンホウ酸塩、トリエチレンテトラミンホウ酸塩、テトラエチレンペンタミンホウ酸塩などのポリアミンホウ酸塩、ラッカーマイドTD-984やエピクロンB-053などから得られるポリアミドアミンホウ酸塩、2-エチル-4-メチルイミダゾールホウ酸塩などのイミダゾールホウ酸塩などが好ましく用いられる。これらのポリアミンホウ酸塩は結晶性であっても、非結晶性であっても、単核ホウ酸塩であっても、多核縮合ホウ酸塩であっても、いずれも本発明における有効なエポキシ樹脂の硬化剤として用いられる。
本発明でエポキシ樹脂硬化剤として用いる各種ポリアミンホウ酸塩の使用量は、それぞれ含まれているアミン系化合物がエポキシ樹脂硬化剤として通常用いられる量に基づいて決めることができるが、得られる硬化物の充分な耐熱性を得るためには、その使用量を大きく超えて用いることもできる。一般的には、エポキシ樹脂100質量部に対して、4〜120質量部、即ち4〜120phr配合することが好ましい。具体例としては、脂肪族ポリアミンホウ酸塩を用いる場合、エポキシ樹脂に対して、5〜50phr、より好ましくは10〜40phr、特に好ましくは15〜30phrが用いられる。また、ポリアミドアミンホウ酸塩を用いる場合は、エポキシ樹脂に対して、10〜120phr、より好ましくは15〜80phr、特に好ましくは20〜60phrが用いられる。また、2-エチル-4-メチルイミダゾールホウ酸塩を用いる場合は、エポキシ樹脂に対して、4〜35phr、より好ましくは6〜30phr、特に好ましくは8〜25phrが用いられる。
尚、ポリアミンホウ酸塩は、エポキシ樹脂の硬化物の耐熱性,強度及びその他の物性を好ましいものとする観点からは、ホウ素含有量がエポキシ樹脂100質量部に対して0.2〜10質量部となるように添加されるのが好ましい。
本発明では、前記ポリアミンホウ酸塩をエポキシ樹脂の硬化剤として使用することが必須である。これに対し、従来のエポキシ樹脂の硬化促進剤として用いられたことのあるモノアミンホウ酸塩、例えばジプロピルアミンホウ酸塩をエポキシ樹脂に添加して硬化せしめても硬化性が不十分だったり、強度や耐熱性が十分ではない。
また、エポキシ樹脂に硬化剤としてポリアミン及び硬化抑制剤としてホウ酸又はホウ酸エステルを個別に添加して硬化せしめても、ホウ酸量が少ない場合には硬化物の耐熱性が劣り、またホウ酸量をかなり多く添加すると、硬化性を損ない強度の低下した硬化物しか得られない。
本発明において用いることができるエポキシ樹脂組成物の溶媒としては、エポキシ樹脂およびポリアミンホウ酸塩を均一に溶解できる溶媒やポリアミンホウ酸塩を溶解せず、エポキシ樹脂を溶解するような溶媒が使用される。エポキシ樹脂およびポリアミンホウ酸塩を溶解できる溶媒としては、通常低級アルコ−ルを含有するものが使用される。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、メチルエチルセルソルブなど溶媒にメタノール、エタノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜6程度の低級アルコールを添加した溶媒の混合物が挙げられる。また、優れた保存安定性を有するエポキシ樹脂組成物を目的とする場合には、溶媒として、ポリアミンホウ酸塩を溶解せず、エポキシ樹脂を溶解するような溶媒を使用することが好ましい。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、メチルエチルセルソルブなどが挙げられ、これらは単独又は二種以上の混合で使用できる。
本発明におけるエポキシ樹脂組成物の製造方法に於いて、エポキシ樹脂およびポリアミンホウ酸塩を溶媒に均一に溶解した溶液状態で加熱処理を行うことは均一透明なエポキシ樹脂組成物を得るために極めて重要である。溶液状態での加熱処理とは、実質的に溶媒を除去することなく、即ちクローズドシステムで加熱し、しかも溶液がゲル化しないように行うことを云う。かかる加熱処理を行うことにより、エポキシ樹脂とポリアミンホウ酸塩とが反応あるいは相互作用し、ポリアミンホウ酸塩がエポキシ樹脂溶液中に分子レベルで均一に相溶する。得られた溶液を脱溶媒して得られる組成物はポリアミンホウ酸塩の凝集がなく均一透明となる。これに対して溶液状態での加熱処理がない場合は、脱溶媒と共にポリアミンホウ酸塩が析出してしまい、得られる硬化物は不透明で脆い材料となる。
溶液状態での加熱処理の条件は、用いるポリアミンホウ酸塩とエポキシ樹脂との反応あるいは相互作用の容易さにより異なる。基本的には加熱処理の下限及び上限としては、その後の脱溶媒によりポリアミンホウ酸塩が析出しなくなる範囲(下限)、且つ溶液がゲル化しない範囲(上限)で加熱処理を行うことが重要である。加熱処理を過度に行った場合、組成物が増粘またはゲル化してしまい、実用性の点から好ましくない。
溶液状態での加熱処理温度は、具体的には硬化剤として脂肪族ポリアミンホウ酸塩及びポリアミドアミンホウ酸塩を用いた場合、25〜100℃、より好ましくは30〜90℃、特に好ましくは40〜80℃で行える。加熱処理時間は加熱処理温度により異なるが、0.1〜40時間が好ましく、より好ましくは0.2〜30時間、特に好ましくは0.3〜20時間である。
また、イミダゾールホウ酸塩を用いた場合は、溶液状態での加熱処理温度は30〜150℃が好ましく、より好ましくは40〜130℃であり、特に好ましくは50〜110℃である。加熱処理時間は加熱処理温度により異なるが、0.3〜50時間が好ましく、より好ましくは0.5〜40時間、特に好ましくは1〜25時間である。
本発明の保存安定性を有するエポキシ樹脂組成物の製造方法において、エポキシ樹脂の中にポリアミンホウ酸塩を溶解せず、微分散処理を行うことにより、保存安定性に優れるエポキシ樹脂組成物が得られる。ポリアミンホウ酸塩を微分散する方法としては、(1)ポリアミンホウ酸塩をエポキシ樹脂に添加して、ミキサーまたはロールなどを用いて混練する方法、(2)ポリアミンホウ酸塩及び溶媒をエポキシ樹脂に添加して、ブレンダーなどを用いて粉砕混合する方法、(3)ポリアミンホウ酸塩、溶媒及びガラスビーズをエポキシ樹脂に添加して、シェーカなどを用いて混合分散する方法などが挙げられる。これらの処理方法を行うことにより、ポリアミンホウ酸塩がミクロン又はそれ以下のオーダーでエポキシ樹脂の中に微分散され、常温ではエポキシ樹脂と反応しない潜在性硬化剤となる。得られた組成物はポリアミンホウ酸塩の凝集や沈降などがなく均一材料になる。
本発明で得られるエポキシ樹脂組成物から、硬化反応を進めないようにして溶媒を除去することにより、無溶媒のエポキシ樹脂組成物が製造できる。脱溶媒温度は用いる硬化剤により異なるが、100℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以下、特に好ましくは60℃以下である。
上述の方法により製造される溶液状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、金属、セラミック、耐熱性プラスチックなどの基材に対する耐熱性塗料として利用できるほか、ガラス繊維の耐熱性含浸剤としても利用することができる。
また、本発明の溶液状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物の応用例の一つとして、耐熱性基材シートの表面上に、この溶液状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物の未硬化塗膜層を設け、前記未硬化塗膜層の上に更に別の耐熱性基材シートを重ね合わせ、これら両耐熱性基材シートを加熱圧着して前記未硬化塗膜層を硬化させることなどによる耐熱性積層シートの製造を挙げることができる。
耐熱性基材シートとしては、銅、アルミ、チタン、セラミックなどの無機質材料や、耐熱性のポリエステル、ポリアミド、ポリイミドなどの有機質材料や、ガラス繊維強化ポリエステルやガラス繊維強化エポキシ樹脂などの有機・無機複合材料などから選ばれる耐熱性材料からなるシートが挙げられる。
例えば、上記エポキシ樹脂組成物を耐熱性基材に塗布又は含浸させた後、乾燥してプリプレグとする。このプリプレグに銅箔を重ね合わせ、加熱圧縮することにより銅張積層板を製造することができる。
また、上記エポキシ樹脂組成物を直接銅箔に塗布し、乾燥した後、それをエポキシ樹脂ガラスクロス板と重ね合わせ、加熱圧縮することにより銅張積層板を製造することもできる。
上述の方法により製造される銅張り積層板は、耐熱性、耐湿耐半田性に優れ、電子部品として好適に用いられる
本発明における粉末状の熱硬化性エポキシ樹脂を得る場合は、エポキシ樹脂とポリアミンホウ酸塩を低級アルコールを含む溶媒に均一に溶解させ、その溶液を加熱処理してから、溶媒を除去し、得られる固形状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を粉砕することにより製造できる。
上記溶液状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物中の溶媒の除去は、熱風乾燥機、凍結乾燥機、真空乾燥機などを用いて慣用の方法で行うことができるが、溶液状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を大気雰囲気中、加熱ガス流通下もしくは減圧下に、25℃〜120℃の温度範囲で加熱して溶媒を除去することが好ましい。溶媒の除去温度は溶媒の種類のほか、用いるポリアミンホウ酸塩の種類によっても好ましい範囲が異なるが、例えば、30℃〜100℃である。粉砕は公知慣用の方法で行うことができ、好ましくは平均粒径300μm以下に粉砕し、得られた粉末を減圧下に30〜100℃の温度で更に乾燥させることが好ましい。
上述の方法により製造される粉末状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を加熱下に圧縮成形して、場合によって更に熱処理することにより硬化させ、耐熱性の硬化物成型物が得られる。その際の成形温度は、用いるエポキシ樹脂やポリアミンホウ酸塩により異なり、特に限定されないが、通常90℃〜200℃である。
本発明におけるノボラックフェノール樹脂としては、フェノール系化合物とアルデヒド化合物との反応で得られる通常のノボラック型フェノール樹脂が用いられる。具体的には、フェノール、ナフトール、ビスフェノールAなどの一価のフェノール性化合物、又はレゾルシン、キシレノールなどの二価のフェノール性化合物、又はピロガロール、ヒドロキシヒドロキノンなどの三価のフェノール性化合物、及びこれらフェノール性化合物のアルキル、カルボキシル、ハロゲン、アミンなどの誘導体の単独または二種以上の混合物からなるフェノール性化合物とホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの脂肪族アルデヒドあるいはベンズアルデヒド、フルフラールなどの芳香族アルデヒドのアルデヒド化合物とを所定のモル比に配合し、塩酸、硫酸、蓚酸、燐酸などの酸性触媒下で反応して得られる公知のノボラック型フェノール樹脂である。
本発明においては、ノボラックフェノール樹脂の硬化剤として、ヘキサミン縮合ホウ酸塩が好適に用いられる。その使用量は、ヘキサミン縮合ホウ酸塩のアミン含有量によって異なるが、一般的にノボラックフェノール樹脂100重量部に対して、好ましくは8〜80重量部、より好ましくは10〜60重量部、特に好ましくは15〜45重量部である。
本発明におけるノボラックフェノール樹脂組成物の有機溶媒としては、ノボラックフェノール樹脂及びヘキサミン縮合ホウ酸塩を均一に溶解できる有機溶媒が使用される。ノボラックフェノール樹脂及びヘキサミン縮合ホウ酸塩を溶解できる有機溶媒としては、通常低級アルコールを含有するものが使用される。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの有機溶剤にメタノールなどの炭素数1〜6程度の低級アルコールを添加した有機溶媒の混合物が挙げられる。
本発明では、ノボラックフェノール樹脂とヘキサミン縮合ホウ酸塩が低級アルコールを含む有機溶媒に均一に溶解した溶液から有機溶媒を除去し、得られる固形状物を粉砕することにより粉末状の熱硬化性ノボラックフェノール樹脂組成物を製造することができる。
また、溶液状の熱硬化性ノボラックフェノール樹脂組成物中の有機溶剤の除去は、熱風乾燥機、凍結乾燥機、真空乾燥機などを用いて慣用の方法で行うことができるが、溶液状の熱硬化性ノボラックフェノール樹脂組成物を減圧下に、25℃〜80℃の温度範囲で加熱して有機溶剤を除去することが好ましい。粉砕は公知慣用の方法で行うことができ、好ましくは平均粒径300μm以下に粉砕し、得られた粉末を減圧下に25℃〜80℃の温度で更に乾燥させることが好ましい。
上述の粉末状の熱硬化性ノボラックフェノール樹脂組成物を加熱下に圧縮成形して、場合によって更に熱処理することにより硬化させ、耐熱性の硬化物成形物が得られる。成形温度は、用いるノボラックフェノール樹脂により異なり、特に限定されないが、通常80℃〜200℃である。
本発明の熱硬化性ノボラックフェノール樹脂組成物は、通常のヘキサミン硬化剤を用いたノボラックフェノール樹脂の硬化物よりもガラス転移温度が150℃以上高い硬化物が得られる。この優れた耐熱性を活かして、成形材料、断熱材、塗料、摺動材、積層材など幅広い分野で用いられる。
而して、本発明については、次のようなメリットが発現することができる。
本発明のポリアミン系化合物と無機ホウ酸系化合物とを反応させて得られるポリアミンホウ酸塩は、アミン刺激臭が殆どなく、メタノール又はメタノールを含む有機溶媒によく溶ける性質を持ち、エポキシ樹脂やノボラックフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂用硬化剤として用いられる。
本発明で上記のポリアミンホウ酸塩を硬化剤として、エポキシ樹脂に均一に相溶または微分散させて得られる熱硬化性エポキシ樹脂組成物は極めて高いガラス転移温度を有する硬化物を与える。
本発明の上記のポリアミンホウ酸塩を用いた粉末状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、高いガラス転移温度を有するだけでなく、保存安定性と流通移送性にも優れる。即ち、本発明の粉末状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、室温で3ヶ月間保存した後も良好な加熱圧縮成形性を有し長期保存と流通移送に好適である。
本発明の上記のポリアミンホウ酸塩を用いた熱硬化性エポキシ樹脂組成物は耐熱積層シートの中間層として、高いガラス転移温度を有するだけでなく、耐湿耐半田性にも優れる。即ち、本発明の熱硬化性エポキシ樹脂組成物で作製した耐熱積層シートを121℃沸騰水の中に2時間処理した後、260℃の半田浴に30秒浸漬したところ、膨れ、気泡、クラックなどを生じなかった。
また、本発明でヘキサミンホウ酸塩を硬化剤として、ノボラックフェノール樹脂に均一に相溶させて得られる熱硬化性ノボラックフェノール樹脂組成物は極めて高いガラス転移温度を有する硬化物を与える。
次いで、本発明を合成例、実施例によって具体的に説明する。
また、以下の合成例において、核磁気共鳴スペクトル(NMR)の測定は日本電子(株)製 Lambda300を用いた。11B-NMRスペクトルは重水中のホウ酸ピークを基準とした。
フーリェ変換赤外吸収スペクトル(FT-IR)は日本分光工業(株)製 FT/IR-550を用い、4000cm-1〜400cm-1の範囲で測定を行った。
粉末X線回折の測定は理学電機(株)製X線回折装置 RINT ULTIMA+ を使用した。
質量分析は島津製作所製質量分析装置GCMS9100-MKを用いて、試料を直接導入のEI/MS測定法により行った。
ホウ素含有量はPerkn Elmer社製 Optima 3300DVを用いて、ICPの測定を行い、予めホウ酸を用いて作成しておいた検量線により定量した。
アミンの定量は1H-NMRの内部標準法により行った。すなわち、試料に一定量のベンゼンまたはクロロホルムを内部標準として添加し、そのピークと一定量のポリアミンホウ酸塩のアミンの特定ピークとの面積比により定量した。
なお、本発明の合成例について次の試薬が使用された。
ポリアミン系化合物
エチレンジアミン(EDA):和光純薬工業株式会社製、試薬特級
ジエチレントリアミン(DETA):和光純薬工業株式会社製、試薬特級
トリエチレンテトラミン(TETA):和光純薬工業株式会社製、試薬特級
テトラエチレンペンタミン(TEPA):和光純薬工業株式会社製、試薬特級
ポリアミドアミン エピクロンB-053:大日本インキ化学工業株式会社製、活性水素当量77g/eq
ポリアミドアミン ラッカマイドTD-984:大日本インキ化学工業株式会社製、活性水素当量97g/eq
ヘキサミン:和光純薬工業株式会社製、試薬特級
2-エチル-4-メチルイミダゾール(2E4MZ):和光純薬工業株式会社製、試薬特級
(2) ホウ酸:和光純薬工業株式会社製、試薬特級
(3) 溶剤
N,N-ジメチルホルムアミド(DMF):和光純薬工業株式会社製、試薬特級
メチルエチルケトン(MEK):和光純薬工業株式会社製、試薬特級
アセトン:和光純薬工業株式会社製、試薬1級
テトラヒドロフラン(THF):和光純薬工業株式会社製、試薬特級
ヘキサン:和光純薬工業株式会社製、試薬1級
クロロホルム:和光純薬工業株式会社製、試薬特級
メタノール:和光純薬工業株式会社製、試薬特級
(合成例1) [エチレンジアミン縮合ホウ酸塩の合成]
ホウ酸10g(0.162mol)をDMF 70gに溶かした溶液を攪拌しながら、エチレンジアミンEDA 4.86g(0.081mol)を滴下した。白色沈殿が直ちに析出した。室温で2時間攪拌して、吸引濾過により沈殿物を回収した。続いて、得た沈殿物をDMF、アセトンの順に洗浄し、50℃、2時間真空乾燥により、6.34gの白色粉末1aを得た。また、濾液をエパポレーターでDMFを留去し、得た白色固体をアセトンで洗った。50℃、2時間真空乾燥により1aと同一の化合物の白色粉末4.58gを得た。原料に対して反応生成物の収率は73.5%であった。分析結果を表1、表3及び表5に示す。
(合成例2) [エチレンジアミン縮合ホウ酸塩の合成]
ホウ酸40g(0.647mol)をDMF 250gに溶かした溶液を攪拌しながら、エチレンジアミンEDA 9.72g(0.162mol)を滴下した。白色沈殿が直ちに析出した。室温で4時間攪拌して、吸引濾過により沈殿物を回収した。続いて、得た沈殿物をDMF、アセトンの順に洗浄し、50℃、15時間真空乾燥したところ、原料に対して71.2%の収率で反応生成物の白色粉末2a 35.4gを得た。NMRスペクトルは1aと同様であったが、他の分析結果を表3と表5に示す。
(合成例3) [エチレンジアミン縮合ホウ酸塩の合成]
ホウ酸30g(0.485mol)をDMF 250gに溶かした溶液を攪拌しながら、エチレンジアミンEDA 29.2g(0.485mol)を滴下した。白色沈殿が直ちに析出した。室温で15時間攪拌して、吸引濾過により沈殿物を回収した。続いて、得た沈殿物をDMF、アセトンの順に洗浄し、50℃、15時間真空乾燥したところ、原料に対して47.4%の収率で反応生成物の白色粉末3a 28.1gを得た。NMRスペクトルは1aと同様であったが、他の分析結果を表3と表5に示す。
(合成例4) [エチレンジアミン縮合ホウ酸塩の合成]
ホウ酸30g(0.485mol)を蒸留水H2O 120gに溶かした溶液を攪拌しながら、エチレンジアミンEDA 14.6g(0.243mol)を滴下した。室温で2時間反応した。そして、エパポレーターで水を留去し、更に60℃、5時間真空乾燥したところ、原料に対して77%の収率で反応生成物の白色粉末4a 34.2gを得た。NMRスペクトルは1aと同様であったが、他の分析結果を表3と表5に示す。
(合成例5) [ジエチレントリアミン縮合ホウ酸塩の合成]
ホウ酸60g(0.971mol)をDMF 500gに溶かした溶液を攪拌しながら、ジエチレントリアミンDETA 33.4g(0.324mol)を滴下した。白色沈殿が直ちに析出した。室温で5時間攪拌して、吸引濾過により沈殿物を回収した。続いて、得た沈殿物をDMF、アセトン、ヘキサンの順に洗浄し、50℃、15時間真空乾燥により、原料に対して収率69.4%で反応生成物の白色粉末1b 64.8gを得た。分析結果を表1、表3及び表5に示す。
(合成例6) [ジエチレントリアミン縮合ホウ酸塩の合成]
ホウ酸60g(0.971mol)をDMF 500gに溶かした溶液を攪拌しながら、ジエチレントリアミンDETA 11.1g(0.108mol)を滴下した。白色沈殿が直ちに析出した。室温で13時間攪拌して、吸引濾過により沈殿物を回収した。続いて、得た沈殿物をDMF、アセトンの順に洗浄し、50℃、12時間真空乾燥により、原料に対して収率67.9%で反応生成物の白色粉末2b 48.3gを得た。NMRスペクトルは1bと同様であったが、他の分析結果を表3と表5に示す。
(合成例7) [ジエチレントリアミン縮合ホウ酸塩の合成]
ジエチレントリアミンDETA 33.4g(0.324mol)をDMF 250gに希釈した溶液を攪拌しながら、ホウ酸30g(0.485mol)をDMF 150gに溶かした溶液を滴下した。白色沈殿が直ちに析出した。室温で14時間攪拌して、吸引濾過により沈殿物を回収した。続いて、得た沈殿物をDMF、アセトンの順に洗浄し、50℃、5時間真空乾燥により、原料に対して収率45%で反応生成物の白色粉末3b 28.5gを得た。NMRスペクトルは1bと同様であったが、他の分析結果を表3と表5に示す。
(合成例8) [ジエチレントリアミン縮合ホウ酸塩の合成]
ホウ酸20g(0.324mol)を蒸留水H2O 160gに溶かした溶液を攪拌しながら、ジエチレントリアミンDETA 11.2g(0.108mol)を加えた。室温で12時間反応した。そして、エパポレーターで水を留去し、更に60℃、17時間真空乾燥したところ、原料に対して80%の収率で反応生成物の白色粉末4b 25gを得た。NMRスペクトルは1bと同様であったが、他の分析結果を表3と表5に示す。
(合成例9) [ジエチレントリアミン縮合ホウ酸塩の合成]
ホウ酸20g(0.324mol)を蒸留水H2O 200gに溶かした溶液を攪拌しながら、ジエチレントリアミンDETA 22.4g(0.216mol)を加えた。室温で13時間反応した。続いて、エパポレーターで水を留去した後、アセトンを加えて洗った。得た白色粉末を50℃、4時間真空乾燥したところ、原料に対して63.2%の収率で反応生成物5b 26.8gを得た。NMR及びFT-IRスペクトルは4bと同様であったが、他の分析結果を表5に示す。
(合成例10) [トリエチレンテトラミンホウ酸塩の合成]
ホウ酸60g(0.971mol)をDMF 600gに溶かした溶液を攪拌しながら、トリエチレンテトラミンTETA 35.5g(0.243mol)を滴下した。白色沈殿が直ちに析出した。室温で12時間攪拌して、吸引濾過により沈殿物を回収した。続いて、得た沈殿物をDMF、アセトン、ヘキサンの順に洗浄し、50℃、15時間真空乾燥により、原料に対して収率73.2%で反応生成物の白色粉末1c 69.9gを得た。分析結果を表1、表3及び表5に示す。
(合成例11) [トリエチレンテトラミンホウ酸塩の合成]
ホウ酸20g(0.324mol)を蒸留水H2O 160gに溶かした溶液を攪拌しながら、トリエチレンテトラミンTETA 11.85g(0.081mol)を加えた。室温で15時間反応した。そして、エパポレーターで水を留去し、更に60℃、5時間真空乾燥したところ、原料に対して84.3%の収率で反応生成物の白色粉末2c 26.9gを得た。NMR及びFT-IRスペクトルは1cと同様であったが、他の分析結果を表5に示す。
(合成例12) [テトラエチレンペンタミンホウ酸塩の合成]
ホウ酸60g(0.971mol)をDMF 600gに溶かした溶液を攪拌しながら、テトラエチレンペンタミンTEPA 36.8g(0.194mol)を滴下した。白色沈殿が直ちに析出した。室温で13時間攪拌して、吸引濾過により沈殿物を回収した。続いて、得た沈殿物をDMF、アセトン、ヘキサンの順に洗浄し、50℃、9時間真空乾燥により、原料に対して収率73%で反応生成物の白色粉末1d 70.7gを得た。分析結果を表1、表3及び表5に示す。
(合成例13) [テトラエチレンペンタミンホウ酸塩の合成]
ホウ酸20g(0.324mol)を蒸留水H2O 160gに溶かした溶液を攪拌しながら、テトラエチレンペンタミンTEPA 12.27g(0.065mol)を加えた。室温で15時間反応した。そして、エパポレーターで水を留去し、更に60℃、2時間真空乾燥したところ、原料に対して86.6% の収率で反応生成物の白色粉末2d 28gを得た。NMR及びFT-IRスペクトルは1dと同様であったが、他の分析結果を表5に示す。
(合成例14) [エピクロンB-053縮合ホウ酸塩の合成]
ホウ酸30g(0.485mol)をMEK 200gに懸濁させた溶液を攪拌しながら、エピクロンB-053 37.4gを滴下した。室温で24時間攪拌して、吸引濾過により白色沈殿物を回収した。続いて、得た沈殿物をDMF、アセトン、ヘキサンの順に洗浄し、50℃、15時間真空乾燥により、原料に対して収率31%で反応生成物の黄土色粉末1e 20.9gを得た。分析結果を表4及び表6に示す。
(合成例15) [エピクロンB-053ホウ酸塩の合成]
ホウ酸45g(0.728mol)をDMF 500gに溶かした溶液を攪拌しながら、エピクロンB-053 112.1gを滴下した。白色沈殿が直ちに析出した。室温で7時間攪拌して、吸引濾過により沈殿物を回収した。続いて、得た沈殿物をアセトン、ヘキサンの順に洗浄し、50℃、15時間真空乾燥により、原料に対して収率31.8%で反応生成物の薄黄土色粉末2e 50.1gを得た。分析結果を表4と表6に示す。
(合成例16) [TD-984ホウ酸塩の合成]
ホウ酸30g(0.485mol)をDMF 500gに溶かした溶液を攪拌しながら、ラッカマイドTD-984 94.1gを流し込んだ。沈殿が直ちに析出した。室温で13時間攪拌して、吸引濾過により沈殿物を回収した。続いて、得た沈殿物をDMF、アセトンの順に洗浄し、50℃、4時間真空乾燥により、原料に対して収率37.1%で反応生成物の薄黄土色粉末1f 46gを得た。分析結果を表4及び表6に示す。
(合成例17) [ヘキサミン縮合ホウ酸塩の合成]
ホウ酸30g(0.485mol)を蒸留水H2O 200gに溶かした溶液にヘキサミン17g(0.121mol)を加えて、攪拌により溶解させた。100℃で8時間反応を行った。そして、エパポレーターで水を留去し、得た白色固体をアセトン、クロロホルム、ヘキサンの順に洗浄した。更に50℃、15時間真空乾燥により、原料に対して収率63.8%で反応生成物の白色粉末1j 32.9gを得た。分析結果を表2、表4及び表6に示す。
(合成例18) [ヘキサミン縮合ホウ酸塩の合成]
ホウ酸60g(0.971mol)を蒸留水H2O 300gに溶かした溶液にヘキサミン17g(0.121mol)を加えて、攪拌により溶解させた。100℃で4時間反応を行った。続いて、エパポレーターで水を留去し、濃縮された溶液にDMFを加え、沈殿物を析出させた。濾過により回収した白色固体をアセトンで洗った後、50℃、2時間真空乾燥により、原料に対して収率52.7%で 反応生成物の白色粉末2j 40.6gを得た。NMRスペクトルは1jと同様であったが、他の分析結果を表4と表6に示す。
(合成例19) [ヘキサミン縮合ホウ酸塩の合成]
ホウ酸30g(0.485mol)を蒸留水H2O 300gに溶かした溶液にヘキサミン34g(0.242mol)を加えて、攪拌により溶解させた。100℃で4時間反応を行った。そして、エパポレーターで水を留去し、得た白色固体をDMF、クロロホルム、アセトンの順に洗浄した。更に50℃、2時間真空乾燥により、原料に対して収率37.8%で反応生成物の白色粉末3j 24.2gを得た。NMR及びFT-IRスペクトルは2jと同様であったが、他の分析結果を表6に示す。
(合成例20) [2-エチル-4-メチルイミダゾール縮合ホウ酸塩の合成]
ホウ酸20g(0.324mol)をDMF 80gに溶かした溶液を攪拌しながら、2-エチル-4-メチルイミダゾール2E4MZ 17.8g(0.162mol)のDMF 40g溶液を滴下した。白色沈殿が直ちに析出した。室温で13時間攪拌して、吸引濾過により沈殿物を回収した。続いて、得た沈殿物をDMF、アセトンの順に洗浄し、50℃、4時間真空乾燥により、原料に対して収率34.1%で反応生成物の白色粉末1k 12.9gを得た。分析結果を表2、表4及び表6に示す。また、質量分析では、2-エチル-4-メチルイミダゾールに相当する質量数110のピークが検出された。
(合成例21)[ジプロピルアミン縮合ホウ酸塩の合成]
ホウ酸15.3g(0.25mol)をDMF 80gに溶かした溶液を攪拌しながら、ジプロピルアミン25g(0.25mol)を滴下した。室温で19時間反応した。そして、エパポレーターでDMFを留去し、得た固形物をアセトンで3回繰り返して洗浄した。更に70℃、3時間真空乾燥したところ、原料に対して37.5%の収率でジプロピルアミンホウ酸塩の白色粉末1l 15gを得た。分析結果を表6に示す。
Figure 2005068417
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以下の実施例および比較例において、光透過率は日本電色工業株式会社製NDH-300Aを用いて、厚さ300μmのフィルムの平行透過率を測定した。ガラス転移温度及び貯蔵弾性率(E’)は、固体動的粘弾性測定装置(セイコー電子工業株式会社製DMA-200)を用い、測定周波数1Hz、昇温速度2℃/分で測定した。なお、ガラス転移温度(Tg)はtanδピーク温度(tanδmax)とした。また、吸水率は、初期の重量と、100%湿度の雰囲気下で70時間放置した後の重量増加とを測定し、その比率により算出した。
(実施例1及び比較例1)
エチレンジアミン縮合ホウ酸塩1a 24.4gをメタノール80gに溶かした溶液を攪拌しながら、MEKを滴下した。得た透明溶液にビスフェノールA型エポキシ樹脂エピクロン850(大日本インキ化学工業株式会社製、エポキシ当量 190g/eq) 100gを加え、攪拌混合した後、50℃で1.5時間の溶液状態での加熱処理を行い、エポキシ樹脂組成物溶液を得た。続いて該溶液を清浄なアルミ箔上に塗布し、12時間、溶媒キャストを行った後、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃で各1時間乾燥し、更に、150℃、180℃で各2時間の熱処理を行い、該エポキシ樹脂組成物の硬化物を得た。得られた硬化物を空気雰囲気中1000℃で2時間焼成したところ、黒色の灰分11.5gが得られた。
上記の硬化物は透明性に優れ、可視光域での光透過率は93%(100μm厚み換算)であった。また、クラックやしわ、気泡なども無く、良好な表面形態を示した。得られた硬化物の評価結果を表7に示す。
実施例1で得られた厚み300μmの硬化フィルムを用いて動的粘弾性測定(周波数1Hz)を行った。得られた貯蔵弾性率(E’)とtanδと温度との関係を図1に示す。図1の縦軸は貯蔵弾性率(E’)を横軸は温度(℃)である。なお、図1にはエチレンジアミン縮合ホウ酸塩の変わりにエチレンジアミンを用いた以外は同じエポキシ樹脂組成の硬化物である比較例1の結果も併せて示す。比較例1では、tanδのピーク温度(Tg)が54.3℃であるのに対し、実施例1のエポキシ樹脂硬化物では288.4℃であった。ポリアミンホウ酸塩を硬化剤としたエポキシ樹脂硬化物の耐熱性が大きく向上していることが明らかである。
(実施例2)
実施例2はローブロムビスフェノールA型エポキシ樹脂 エピクロンEXA-9101(大日本インキ化学工業株式会社製、エポキシ当量368g/eq、固形分80.5%)、エチレンジアミン縮合ホウ酸塩1aを用いた以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物及びその硬化物を作成した。得られた硬化物の評価結果を実施例1と同様に表7に示す。
Figure 2005068417
(実施例3と4及び比較例2)
実施例3は、ジエチレントリアミン縮合ホウ酸塩1bを用いること、実施例4は、ローブロムビスフェノールA型エポキシ樹脂 エピクロン1121N-80M(大日本インキ化学工業株式会社製、エポキシ当量493g/eq、固形分80%)及びジエチレントリアミン縮合ホウ酸塩1bを用いること、それ以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂とポリアミンホウ酸塩との透明溶液を調製し、更に80℃で30分の溶液状態での加熱処理を行った。得られたエポキシ樹脂組成物溶液を用いて実施例1と同様にしてその硬化物を作成した。また、ポリアミンホウ酸塩の変わりにジエチレントリアミンを用いた以外は実施例3と同一の組成のエポキシ樹脂組成物である比較例2の硬化物も作成した。通常のアミン硬化剤を用いた比較例2のエポキシ樹脂組成物の硬化物のTgに比べ、ポリアミンホウ酸塩を使用した実施例3と4で得られたエポキシ樹脂組成物の硬化物が極めて高いTgを示した。得られた硬化物の評価結果を表8に示す。
Figure 2005068417
(実施例5及び比較例3〜4)
実施例5は、テトラエチレンペンタミン縮合ホウ酸塩1dを用いた以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂とポリアミンホウ酸塩との透明溶液を調製し、更に80℃で30分の溶液状態での加熱処理を行った。得られたエポキシ樹脂組成物溶液を用いて実施例1と同様にしてその硬化物を作成した。得られた硬化物の動的粘弾性を測定したところ、Tgが289℃であった。
これに対して、モノアミンホウ酸塩のジプロピルアミン縮合ホウ酸塩を硬化促進剤及びジシアンジアミド(DICY)をアミン硬化剤として用いた比較例3の硬化物では、Tgがわずか144℃であり、耐熱性の向上は認められなかった。また、ポリアミンホウ酸塩の変わりにホウ酸とTEPA硬化剤を用いてエポキシ樹脂に混合させて得られた硬化物について、ホウ酸添加量が少ない比較例4の場合、Tgがわずか143℃であり、耐熱性の向上は認められなかった。一方、ホウ酸添加量を実施例5に相当するように増やした場合、107℃にtanδのサブピークが観測され、一部の樹脂硬化物のTgが低かったことを示した。これらの結果を表9にまとめて示す。
Figure 2005068417
(実施例6〜8)
実施例6は、トリエチレンテトラミン縮合ホウ酸塩1cを用いること、実施例7は、エピクロン1121N-80M及びトリエチレンテトラミン縮合ホウ酸塩1cを用いること、実施例8は、エピクロン1121N-80M及びテトラエチレンペンタミン縮合ホウ酸塩1dを用いること、それ以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂とポリアミンホウ酸塩との透明溶液を調製し、更に表10に示した条件で溶液状態での加熱処理を行った。得られたエポキシ樹脂組成物溶液を用いて実施例1と同様にしてその硬化物を作成した。得られた硬化物はいずれも優れた透明性と高いガラス転移温度(Tg)を示した。また、高いTgを有するにもかかわらず、比較的に低い吸水率をも示した。尚、得られた硬化物の評価結果を表10に示す。
Figure 2005068417
(実施例9〜11、及び比較例5)
実施例9は、B-053・縮合ホウ酸塩1eを用いること、実施例10は、B-053・ホウ酸塩2eを用いること、実施例11は、エピクロン1121N-80M及びB-053・ホウ酸塩2eを用いること、それ以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂とポリアミンホウ酸塩との透明溶液を調製し、更に表11に示した条件で溶液状態での加熱処理を行った。得られたエポキシ樹脂組成物溶液を用いて実施例1と同様にしてその硬化物を作成した。また、ポリアミンホウ酸塩の変わりにB-053を用いた以外は実施例9とほぼ同一の組成のエポキシ樹脂組成物である比較例5の硬化物も作成した。通常のポリアミドアミン硬化剤を用いた比較例5のエポキシ樹脂組成物の硬化物のTgに比べ、ポリアミンホウ酸塩を使用した実施例9〜11で得られたエポキシ樹脂組成物の硬化物のTgが大幅に向上した。尚、得られた硬化物の評価結果を表11に示す。
Figure 2005068417
(実施例12と13)
実施例12は、TD-984・ホウ酸塩1fを用いること、実施例13は、エピクロン1121N-80M及びTD-984・ホウ酸塩1fを用いること、それ以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂とポリアミンホウ酸塩との透明溶液を調製し、更に表12に示した条件で溶液状態での加熱処理を行った。得られたエポキシ樹脂組成物溶液を用いて実施例1と同様にしてその硬化物を作成した。その結果を表12に示す。
Figure 2005068417

(実施例14と15及び比較例6)
実施例14は、2-エチル-4-メチルイミダゾール縮合ホウ酸塩1kを用いること、実施例15は、エピクロンEXA-9101及び2-エチル-4-メチルイミダゾール縮合ホウ酸塩1kを用いること、それ以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂とポリアミンホウ酸塩との透明溶液を調製し、更に表13に示した条件で溶液状態での加熱処理を行った。得られたエポキシ樹脂組成物溶液を用いて実施例1と同様にしてその硬化物を作成した。また、ポリアミンホウ酸塩の変わりに2-エチル-4-メチルイミダゾールを用いた以外は実施例14とほぼ同一の組成のエポキシ樹脂組成物である比較例6の硬化物も作成した。2-エチル-4-メチルイミダゾールを用いた比較例6のエポキシ樹脂組成物の硬化物のTgに比べ、ポリアミンホウ酸塩を使用した実施例14と15で得られたエポキシ樹脂組成物の硬化物のTgが極めて高いことがわかる。尚、得られた硬化物の評価結果を表13に示す。
Figure 2005068417
(実施例16と17)
実施例16は、エピクロン850 100gと、ジエチレントリアミン縮合ホウ酸塩1b 24gと、希釈剤MEK 47gとを混合し、ガラスビーズと一緒に容器にいれ、シェーカを用いて15時間振動させて、ポリアミンホウ酸塩を均一にエポキシ樹脂に微分散した。得られた組成物は50℃にて二ヶ月以上放置したところ、溶液が増粘せず、ポリアミンホウ酸塩の凝集や沈降などもなく、優れた保存安定性を示した。この組成物を用いて、180℃、5時間の熱処理を行う以外は実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物の硬化物を作製した。得られた硬化物は極めて高いTgを示した。
また、実施例17は、エピクロン EXA-9101、テトラエチレンペンタミンホウ酸塩1dを用いた以外は実施例16と同様にして、保存安定なエポキシ樹脂組成物及びその硬化物を作製した。それらの評価結果を表14に示す。
Figure 2005068417
(実施例18)
テトラエチレンペンタミン縮合ホウ酸塩1d 21.3gをメタノール80gに溶かした溶液を攪拌しながら、MEK 80gを滴下した。得た透明溶液にエピクロン850 100gを加え、攪拌混合した後、80℃で50分の溶液状態での加熱処理を行い、エポキシ樹脂組成物溶液を得た。続いて該溶液をトレーに流延し、大気中、室温で12時間、溶媒キャストを行った後、熱風乾燥機にて50℃、60℃で各1時間乾燥し、更に、70℃で1時間の真空乾燥を行った。得られた試料を液体窒素で凍結して、300μm以下の大きさに粉砕した。引き続き得た粉末を真空下60℃で2時間乾燥し、粉末状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を得た。
次に、得られた粉末状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を150℃で熱プレスして、1mm厚みの板状エポキシ樹脂成形片を作製した。このプレス成形片を引き続き150℃にて2時間、更に180℃にて4 時間熱処理して得られた硬化物は耐熱性に優れ、動的粘弾性の測定によるガラス転移温度は243℃であった(図2)。また、透明性にも優れ、上記の成形片の可視光域での光透過率は80%であった。更にこの粉末状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を3ヶ月常温で保持した後、熱プレス及び硬化物の物性測定を行ったところ、同様な結果が得られ、保存安定性に優れていることが確認された。
(実施例19)
テトラエチレンペンタミン縮合ホウ酸塩1d 14.5gをメタノール33gに溶かした溶液を攪拌しながら、MEK 33gを滴下した。得た透明溶液にエピクロン1121N-80M 125gを加え、攪拌混合した後、80℃で30分の溶液状態での加熱処理を行い、均一透明なエポキシ樹脂組成物溶液を得た。該組成物溶液を用いて作製した硬化フィルムの動的粘弾性測定によりガラス転移温度は268℃であった。続いて上記の組成物溶液を0.25mmのアプリケーターを用いて銅箔(32ミクロン厚み)に塗装し、大気中2時間溶媒キャストを行った。引き続き、25℃、13時間真空乾燥して、硬化性エポキシ樹脂組成物の未硬化層を設けた銅箔を得た。未硬化塗膜層の厚みは約60μmであった。該塗装銅箔をガラスクロス樹脂成形板と重ねて、150℃、100MPaの条件で熱プレスすることにより、銅貼積層板を作製した。得られた銅貼積層板を121℃水蒸気中で2時間処理した後、260℃の半田浴に30秒浸漬する耐湿耐半田試験を行った。その結果、膨れ、気泡、クラックなどの発生のない良好な耐湿耐半田を示した。
(実施例20及び比較例7)
ヘキサミン縮合ホウ酸塩1j 28gをメタノール300gに溶かした溶液を攪拌しながら、ノボラックフェノール樹脂 IH1225(大日本インキ化学工業株式会社製) 100gを徐々に加えて溶解させた。得られた均一透明溶液をトレーに流し込み、25℃、大気中にて8時間溶媒キャストを行った。引き続き、25℃、12時間真空乾燥した後、試料を180μm以下の大きさに粉砕して、熱硬化性ノボラックフェノール樹脂組成物粉末を得た。
この組成物粉末を180℃で4時間の熱処理を施した後、酸化雰囲気中、1000℃にて2時間焼成した所、黒色の灰分が樹脂硬化物に対して12.8質量%であった。次に、上記の粉末状の硬化性ノボラックフェノール樹脂組成物を150℃で熱プレスすることによりフィルム状または板状のフェノール樹脂組成物の硬化物を作製した。プレスサンプルを引き続き150℃で1時間、180℃で1時間熱処理した。得られた硬化物は透明であった。また、クラックやしわなどもなく、良好な表面形態を示した。
幅10mm、厚み1mmの硬化物実験片を用いて、動的粘弾性測定(周波数=1Hz)を行った。得られた貯蔵弾性率(E’)とtanδと温度との関係を図3に示す。なお、図3にはヘキサミン縮合ホウ酸塩の変わりにヘキサミンを用いた以外は同じフェノール樹脂組成の硬化物である比較例7の結果も併せて示す。比較例7では、貯蔵弾性率(E’)が145.2℃に急激に低下するのに対し、実施例20のフェノール樹脂硬化物のE’では300℃まで殆ど低下しなかった。また、実施例20で得られた硬化物のガラス転移温度も比較例7より格段に高い。ヘキサミンホウ酸塩を硬化剤としたノボラックフェノール樹脂硬化物の耐熱性が大きく向上していることがわかる。それらの結果を表15に示す。
(実施例21)
実施例21は、ノボラックフェノール樹脂 Rutaphen0790K01(大日本インキ化学工業株式会社製)を用いた以外は実施例20と同様にしてノボラックフェノール樹脂組成物及びその硬化物を作成した。その結果を表15に示す。
Figure 2005068417
(実施例22と23)
実施例22は、ノボラックフェノール樹脂MP-108 (大日本インキ化学工業株式会社製)を用いること、実施例23は、ノボラックフェノール樹脂TD-2093Y (大日本インキ化学工業株式会社製)を用いること、それ以外は実施例20と同様にしてノボラックフェノール樹脂組成物及びその硬化物を作成した。得られた硬化物はいずれも高いTgを示した。その結果を表16に示す。
Figure 2005068417
実施例1及び比較例1で得られたエポキシ樹脂硬化物の貯蔵弾性率(E’)とtanδの温度分散を示す図である。 実施例18で得られたエポキシ樹脂硬化物の貯蔵弾性率(E’)とtanδの温度分散を示す図である。 実施例20及び比較例7で得られたノボラックフェノール樹脂硬化物の貯蔵弾性率(E’)とtanδの温度分散を示す図である。

Claims (20)

  1. 熱硬化性樹脂と、その硬化剤として、ポリアミン系化合物と一般式(1)
    B(OR)n(OH)3−n (1)
    (式中、nは0〜3までの整数、RはC2m+1のアルキル基であり、mは1〜10の整数を表す。)で表わされる無機ホウ酸系化合物とから得られるポリアミンホウ酸塩とを必須成分として含有してなる熱硬化性樹脂組成物。
  2. 前記熱硬化性樹脂が分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記ポリアミン系化合物が、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミンまたは脂環族ポリアミンであって、分子中にアミノ基およびイミノ基のいずれか1個以上を有するものである請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記ポリアミン系化合物の窒素含有基と前記ホウ酸系化合物(B)のホウ素との含有比率が、モル比で1:1〜1:6である請求項1〜3のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記ポリアミンホウ酸塩が、前記エポキシ樹脂100質量部に対して4〜120質量部含まれている請求項2〜4のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記ポリアミンホウ酸塩中のホウ素量が、前記エポキシ樹脂100質量部に対して0.2〜10質量部である請求項2〜5のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 前記エポキシ樹脂と前記ポリアミンホウ酸塩とを低級アルコールを含む有機溶剤に均一に溶解してなる請求項2〜6のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項7に記載のエポキシ樹脂組成物を、溶液状態でゲル化しない範囲で加熱処理を行う非ゲル状の熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
  9. 前記エポキシ樹脂又は該樹脂を有機溶媒で希釈したエポキシ樹脂溶液中に前記ポリアミンホウ酸塩を均一に微分散する非ゲル状の熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
  10. 請求項8又は9で得られる非ゲル状熱硬化性樹脂組成物を、その硬化反応を進めないように100℃以下の低温で乾燥し、溶剤を除去することからなる熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
  11. 請求項10で得られる固形状物を粉砕することからなる粉末状の熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
  12. 請求項11で得られる粉末状の熱硬化性樹脂組成物を加熱下に圧縮成形し、硬化させることからなる成型物の製造方法。
  13. 耐熱性基材シートの表面に、請求項2〜11のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物の未硬化塗膜層を設け、前記未硬化塗膜層の上に更に別の耐熱性基材シートを重ね合わせ、これら両耐熱性基材シートを加熱圧着してから該未硬化塗膜層を硬化させることからなる耐熱性積層シートの製造方法。
  14. 耐熱性積層シートが銅張積層板である請求項13の耐熱性積層シートの製造方法。
  15. 前記熱硬化性樹脂が、ノボラックフェノール樹脂である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  16. ノボラックフェノール樹脂と、ヘキサミンホウ酸塩を含有する硬化剤とを含有する請求項15に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  17. 前記ノボラックフェノール樹脂中に前記ヘキサミンホウ酸塩を含有する硬化剤が均一に相溶または微分散した粉末状である請求項15または16に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  18. 前記ノボラックフェノール樹脂と前記硬化剤とが低級アルコールを含む有機溶剤に均一に溶解した溶液状である請求項15〜16のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物。
  19. ノボラックフェノール樹脂とヘキサミンホウ酸塩を含有する硬化剤とが低級アルコールを含む有機溶剤に均一に溶解した溶液から、前記有機溶剤を除去し、得られる固形状物を粉砕する粉末状の熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
  20. 請求項21で得られる粉末状の熱硬化性樹脂組成物を加熱下に圧縮成形し、硬化させることからなる成型物の製造方法。
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