JP2005068384A - 塗料組成物及び塗膜形成方法 - Google Patents

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利昭 長野
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敦也 加藤
Yoshizumi Matsuno
吉純 松野
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Abstract

【課題】 塗膜硬化時間短縮による塗装設備などの縮小化及びそれに伴うCO削減を図ることができ、かつ、仕上がり性、硬化性、塗膜硬度、付着性、貯蔵安定性などに優れる光硬化性且つイソシアネート硬化型熱硬化性の塗料組成物及び塗膜形成方法を見出すこと。
【解決手段】 ラジカル重合性不飽和基を含有し、重量平均分子量が3,000〜100,000、水酸基価が5mgKOH/g以下で、ガラス転移温度が、−40℃〜100℃であるアクリル樹脂(A)、分子量が100〜3,000のラジカル重合性不飽和モノマー(B)、ポリイソシアネート化合物(C)及び光重合開始剤(D)を構成成分とすることを特徴とする塗料組成物及びこれを用いた塗膜形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗膜硬化時間短縮により、塗装設備などの縮小化及びそれに伴うCO削減を図ることができ、かつ、仕上がり性、硬化性、塗膜硬度、付着性などに優れる塗料組成物及び該塗料組成物を用いた塗膜形成方法に関するものである。
従来、二輪車、自動車、コンテナ等の車両の車体に塗膜を形成する方法としては、被塗物である車体に、水酸基含有アクリル樹脂等の熱硬化性官能基含有樹脂及びメラミン樹脂等の架橋剤を含有する熱硬化性塗料組成物を塗装後、加熱硬化する方法が、一般に行われている。この方法によれば、付着性、塗膜硬度等の塗膜性能に優れた塗膜を形成することができる。
近年、上記従来の塗膜形成方法には、省エネルギー性や生産性向上が要望されている。即ち、例えば、一般的な自動車車体塗装ラインの加熱硬化工程においては、通常、140℃程度で20〜40分間程度の加熱が必要であり、コンベア速度を3m/分とした場合、ライン上の乾燥炉の長さにして約60〜120m程度のスペースが必要となる。また、加熱時間の短縮は、環境問題の原因となるCOや、煤等を減少させる点からも好ましい。
加熱時間を短縮し得る塗膜形成方法として、被塗物に、紫外線硬化可能な多官能(メタ)アクリレート、多価アルコールモノ(メタ)アクリレート重合体、及びポリイソシアネート化合物を含有する紫外線硬化性且つ熱硬化性の塗料組成物を塗装後、紫外線照射し、次いで5〜30分間程度加熱硬化して塗膜を形成する方法が公知である(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この方法では、十分な加熱時間の短縮ができず、また、イソシアネート基がブロックされていないポリイソシアネート化合物を使用すると、塗料組成物の貯蔵安定性が不十分であるという問題があった。
特開昭63−113085号公報
本発明が解決しようとする課題は、塗膜硬化時間短縮による塗装設備などの縮小化及びそれに伴うCO削減を図ることができ、かつ、仕上がり性、硬化性、塗膜硬度、付着性、貯蔵安定性などに優れる光硬化性且つイソシアネート硬化型熱硬化性の塗料組成物及び塗膜形成方法を見出すことである。
本発明者らは上記問題点を解決するために鋭意研究を行った。その結果、特定のラジカル重合性アクリル樹脂、特定のラジカル重合性不飽和モノマー、特定のポリイソシアネート化合物及び光重合開始剤を含有する塗料組成物によれば、光硬化単独又は光硬化と熱硬化の併用により塗膜硬化のための加熱時間の十分な短縮ができること、得られる硬化塗膜が耐擦り傷性、塗膜硬度、付着性及び耐侯性に優れること、また、塗料組成物の貯蔵安定性を向上させることができること等を見出した。本発明は、かかる新たな知見に基づき、更に検討を重ねた結果、完成されたものである。
本発明の塗料組成物を用いることにより、従来の加熱硬化系単独系塗料に比べ、塗膜硬化時間の短縮が可能となることから、塗装設備などの縮小化及びそれに伴う二酸化炭素削減を図ることができる。
また、この塗料組成物を光照射、加熱/光照射、又は光照射/加熱することにより塗膜を形成することで、工程短縮ができ、また、基体アクリル樹脂の水酸基含有量を極力低減させていることから、塗料組成物の貯蔵性を向上させることが可能となった。
以下、本発明の塗料組成物及び塗膜形成方法について、詳細に説明する。
塗料組成物
本発明の塗料組成物は、アクリル樹脂(A)、ラジカル重合性不飽和モノマー(B)、ポリイソシアネート化合物(C)及び光重合開始剤(D)を構成成分とする組成物である。
ポリイソシアネート化合物(C)は、例えば、着色ベースコート及びクリヤコートを順次形成してなる複層塗膜においては、下層のベースコート層へ移行してベース層及びベース層とクリヤ層の層間の架橋反応にあずかり、また、イソシアネート基の湿気硬化により、架橋反応を起こすことなどにより塗膜の硬化反応に関与する。
アクリル樹脂(A)
本発明塗料組成物の(A)成分であるアクリル樹脂は、ラジカル重合性不飽和基を含有し、重量平均分子量が3,000〜100,000、水酸基価が5mgKOH/g以下で、ガラス転移温度が−40℃〜100℃であるアクリル樹脂である。具体的には、既知の方法で、常法に従い、例えば、ラジカル重合性モノマーを共重合することにより得られる、下記アクリル樹脂(A−i〜A−ii)を変性することによって得られる下記1)又は下記2)に示すアクリル樹脂を例示することができる。
ラジカル重合性モノマーとしては、従来から公知のものが使用でき、例えば、非官能ラジカル重合性モノマー、水酸基含有ラジカル重合性モノマー、イソシアネート基含有ラジカル重合性モノマー及びその他のラジカル重合性モノマーを使用することができる。
非官能ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキセニル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
水酸基含有ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
イソシアネート基含有ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、イソシアネートエチルメタクリレート、m−イソプロペニル−α,α’−ジメチルベンジルイソシアネート(m−TMI)などを挙げることができる。
その他のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アロニックスM110(東亞合成)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルロリン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシランなどを挙げることができる。
本発明において「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタアクリレート」を意味する。
水酸基を含有するアクリル樹脂(A−i)は、例えば、前述のラジカル重合性モノマー群のうち、水酸基含有ラジカル重合性モノマー群から選ばれる少なくとも1種以上のモノマーを共重合してなるものである。
イソシアネート基を含有するアクリル樹脂(A−ii)は、例えば、前述のラジカル重合性モノマー群のうち、イソシアネート基含有ラジカル重合性モノマー群から選ばれる少なくとも1種以上のモノマーを共重合してなるものである。
1)水酸基を含有するアクリル樹脂(A−i)中の水酸基の一部又は全部に、ジイソシアネート化合物と水酸基含有ラジカル重合性モノマーとの等モル付加物を付加せしめてなるアクリル樹脂。
ジイソシアネート化合物としては、1分子中に2個のイソシアネート基を有する化合物であり、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート及びシクロペンタンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネートなどがあげられる。
水酸基含有ラジカル重合性モノマーは前述のラジカル重合性モノマーのところであげたものを使用できる。
ジイソシアネート化合物と水酸基含有ラジカル重合性モノマーとの等モル付加物は、この両化合物を等モル比でウレタン化反応させることにより得られ、その1分子中にはイソシアネート基と重合性不飽和基とが1個ずつ併存している。つぎにこの付加物のイソシアネート基を、前記の水酸基を含有するアクリル樹脂(A−i)の水酸基の一部又は全部とウレタン化反応させることにより、ラジカル重合性不飽和基を含有するアクリル樹脂(A)が得られる。
ジイソシアネート化合物と水酸基含有ラジカル重合性モノマーとの等モル付加物の代わりに、前述のラジカル重合性モノマーのところであげたイソシアネート基含有ラジカル重合性モノマーも使用することができる。
2)イソシアネート基を含有するアクリル樹脂(A−ii)のイソシアネート基に、水酸基含有ラジカル重合性モノマーを付加せしめてなるアクリル樹脂。
このアクリル樹脂(A−ii)のイソシアネート基と水酸基含有ラジカル重合性モノマーの水酸基とをウレタン化反応させることにより、ラジカル重合性不飽和基を含有するアクリル樹脂(A)が得られる。水酸基含有ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、前述のラジカル重合性モノマーのところで挙げたものを使用することができる。
アクリル樹脂(A)は、ラジカル重合性不飽和基を含有するアクリル樹脂であって、その重量平均分子量は塗膜硬度、耐擦り傷性、耐侯性及び仕上がり性の観点から3,000〜100,000、好ましくは5,000〜20,000の範囲内が適している。アクリル樹脂(A)の水酸基価は貯蔵安定性の観点から5mgKOH/g以下、特に0のものが好ましい。アクリル樹脂(A)のガラス転移温度は塗膜硬度及び仕上がり性の観点から−40℃〜100℃、好ましくは−20℃〜60℃の範囲内が適している。アクリル樹脂のヨウ素価は硬化性及び仕上がり性の観点から5〜200、好ましくは10〜100の範囲内が適している。ヨウ素価とはアクリル樹脂にヨウ素を作用させた時に吸収されるアクリル樹脂固形分100g当りのヨウ素のg数で不飽和基の濃度を表わしたものである。
ラジカル重合性不飽和モノマー(B)
本発明塗料組成物の(B)成分であるラジカル重合性不飽和モノマーは重量平均分子量が100〜3,000の1分子中に重合性不飽和基を平均2個以上含有するラジカル重合性不飽和モノマーである。
該モノマーとしては、ラジカル重合性不飽和基を2個含有する2官能重合性モノマー及びラジカル重合性不飽和基を3個以上含有する3官能以上の重合性モノマーから選ばれる一種又は二種以上のモノマーを使用することができる。
これらのモノマーの具体例としては、以下のものがあげられる。
2官能重合性モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート等が挙げられる。また、2官能重合性モノマーの市販品としては、例えば、日本化薬(株)社製の以下にあげる、「カヤラッドHX−220」、「カヤラッドHX-620」、「カヤラッドR−604」、「MANDA」等を使用することができる。
3官能以上の重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロピレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどがあげられる。
ラジカル重合性不飽和モノマーとしては、塗料組成物の硬化性の観点から、3官能以上の重合性モノマーを使用するのが好ましい。
ポリイソシアネート化合物(C)
本発明塗料組成物の(C)成分であるポリイソシアネート化合物は、1分子中にイソシアネート基を平均2個以上含有する化合物、または、1分子中に平均1個のラジカル重合性不飽和基と平均1個以上のイソシアネート基を含有するイソシアネート化合物である。
1分子中にイソシアネート基を平均2個以上含有するポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート類;2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトカプロエート、3−イソシアナトメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4−イソシアナトメチル−1,8−オクタメチレンジイソシアネート(通称、トリアミノノナントリイソシアネート)などの3価以上の有機ポリイソシアネート化合物;これらの1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物の2量体、又は3量体;これらの1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂、又は水などとイソシアネート基過剰の条件でウレタン化反応させてなるプレポリマーなどが挙げられる。
1分子中に平均1個のラジカル重合性不飽和基と平均1個以上のイソシアネート基を含有するポリイソシアネート化合物は、1分子中に平均2個以上のイソシアネート基を含有するポリイソシアネート化合物の一部のイソシアネート基と、水酸基含有ラジカル重合性モノマーの水酸基とをウレタン化反応させることにより得られる。水酸基含有ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、前述のラジカル重合性モノマーのところで挙げたもの等を使用することができる。
また、1分子中にイソシアネート基及び重合性不飽和基を併存する化合物、例えば、イソシアネートエチルメタクリレート、m−イソプロペニル−α,α’−ジメチルベンジルイソシアネート(通称、m−TMI)なども使用できる。
また、これらの非ブロックのイソシアネート化合物の他に、イソシアネート化合物のイソシアネート基をブロックしたブロック化イソシアネート化合物も使用することができる。
そのようなブロック剤としては、例えば、フェノール類、オキシム類、ラクタム類、アルコール類、メルカプタン類、マロン酸ジエチル等の活性メチレン化合物などがあげられる。上記、非ブロックのイソシアネート化合物とブロック化イソシアネート化合物は併用して使用することも可能である。
アクリル樹脂(A)、ラジカル重合性不飽和モノマー(B)及びポリイソシアネート化合物(C)の固形分重量比は、特に制限されるものではないが、アクリル樹脂(A)が20〜90重量%、好ましくは40〜80重量%、ラジカル重合性不飽和モノマー(B)が5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、ポリイソシアネート化合物(C)が5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%の範囲内であるのが適している。
光重合開始剤(D)
本発明の塗料組成物には、光重合開始剤(D)を必須成分として添加する。光重合開始剤(D)としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシフォスフィンオキサイド、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ヒドロキシベンゾフェノン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロ)−S−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジンなどが挙げられる。
これらの光重合開始剤(D)は単独で、又は2種類以上を組合せて使用でき、その配合量は、アクリル樹脂(A)、ラジカル重合性不飽和モノマー(B)及びポリイソシアネート化合物(C)の固形分総合計量100重量部に対して、光重合開始剤(D)が0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部、さらに好ましくは1〜5重量部の範囲内であるのが光硬化性、耐黄変性の面から好ましい。光重合開始剤(D)が少ないと光硬化による硬化性が不十分であり、多いと塗料組成物の安定性を損なったり、黄変性が悪くなる。
光重合開始剤(D)には、光重合反応を促進させるために光増感促進剤を併用してもよい。併用し得る光増感促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の3級アミン系、トリフェニルホスフィン等のアルキルフォスフィン系、β−チオジグリコール等のチオエーテル系などが挙げられる。
本発明の塗料組成物には、塗膜の耐侯性向上の観点から、紫外線吸収剤を含有させることができる。紫外線吸収剤は、入射光を吸収し、光エネルギーを熱のような無害な形に変換することにより、塗膜の劣化の開始に到達するのを抑制する作用がある。紫外線吸収剤は、後記光安定剤と併用することもできる。
該紫外線吸収剤としては、従来から公知のものが使用でき、例えば、ベンゾトリアゾール系吸収剤、トリアジン系吸収剤、サリチル酸誘導体系吸収剤、ベンゾフェノン系吸収剤等を使用できる。
ベンゾトリアゾール系吸収剤の具体例としては、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2'−ヒドロキシ−3'−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5'−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
トリアジン系吸収剤の具体例としては、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4((2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)−オキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−((2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)−オキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等を挙げることができる。
サリチル酸誘導体系吸収剤の具体例としては、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、4−tert−ブチルフェニルサリシレート等を挙げることができる。
ベンゾフェノン系吸収剤の具体例としては、4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノントリヒドレート、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、ナトリウム2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジベンゾイルレゾルシノール、4,6−ジベンゾイルレゾルシノール、ヒドロキシドデシルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン等を挙げることができる。
本発明の塗料組成物において、紫外線吸収剤を使用する場合の組成物中の含有量としては、通常、アクリル樹脂(A)、ラジカル重合性不飽和モノマー(B)及びポリイソシアネート化合物(C)の固形分総合計量100重量部に対して0.1〜10重量部、特に0.2〜5重量部、さらに特に0.3〜2重量部の範囲内であるのが耐侯性、耐黄変性の面から好ましい。
さらに、本発明の塗料組成物には、塗膜の耐侯性向上の観点から、光安定剤を含有させることができる。光安定剤は、塗膜の劣化過程で生成する活性なラジカル種を捕捉するラジカル連鎖禁止剤として用いられるもので、例えば、ヒンダードアミン系の光安定剤等が挙げられる。光安定剤は、前記紫外線吸収剤と併用することもできる。
これらのうち優れた光安定化作用を示す光安定剤としてヒンダードピペリジン類が挙げられる。ヒンダードピペリジン類としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2’,6,6’−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル){[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル}ブチルマロネート等のモノマータイプのもの;ポリ{[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノール]}等のオリゴマータイプのもの;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとコハク酸とのポリエステル化物等のポリエステル結合タイプのものなどが挙げられるが、これらに限ったものではない。
本発明の塗料組成物において、光安定剤を使用する場合の組成物中の含有量としては、通常、アクリル樹脂(A)、ラジカル重合性不飽和モノマー(B)及びポリイソシアネート化合物(C)の固形分総合計量100重量部に対して0.1〜10重量部、特に0.2〜5重量部、さらに特に0.3〜2重量部の範囲内であるのが耐侯性の面から好ましい。
本発明の塗料組成物は、有機溶剤型塗料組成物であるのが、作業性や塗膜の仕上がり性向上の面からより好ましいが、無溶剤であっても差し支えない。
使用される有機溶剤としては、具体的には、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸アミル、酢酸メチルセロソルブ、セロソルブアセテート、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸カルビトール等の酢酸エステル系溶剤;ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。これらのものは1種または2種以上組み合わせて、使用することができる。
本発明塗料組成物における有機溶剤の使用量は、塗料組成物の固形分含有量が30〜100重量%となる量であるのが、塗装作業性の観点から好ましい。さらに、塗装作業性及び仕上がり性向上の観点から塗料組成物の固形分含有量が40〜80重量%であるのがより好ましい。
本発明塗料組成物は、クリヤ塗料組成物であっても、着色顔料及び/又は光輝性顔料などを含有する着色塗料組成物であってもよい。また、必要に応じて、体質顔料等のその他の顔料を含んでいてもよい。
着色顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化鉄等の無機顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドンレッド、ペリレンレッド等の有機顔料等を挙げることができる。
さらに、本発明塗料組成物には、従来から公知の有機系及び/又は無機系のチクソトロピー性付与剤、表面調整剤などを必要に応じて添加することができる。
塗膜形成方法
本発明の塗料組成物は、以下に示す種々の塗膜形成方法において、好適に使用することができる。
被塗物
本発明塗料組成物を適用する被塗物としては、特に限定されないが、例えば、自動車、二輪車、コンテナ等の各種車両の車体であるのが好ましい。また、これら車体を形成する冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、ステンレス鋼板、錫メッキ鋼板等の鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板等の金属基材;各種プラスチック基材等であってもよい。
また、被塗物としては、上記車体や金属基材の金属表面に、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化物処理等の表面処理が施されたものであってもよい。更に、被塗物としては、上記車体、金属基材等に、各種電着塗料等の下塗り塗膜及び/又は中塗り塗膜が形成されたものであってもよい。
塗装及び硬化方法
本発明塗料組成物の塗装方法としては、特に限定されないが、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装、カーテンコート塗装などの塗装方法でウエット塗膜を形成することができる。これらの塗装方法は、必要に応じて、静電印加してもよい。この中でもエアスプレー塗装方法、静電塗装方法等が好ましい。塗料組成物の塗布量は、通常、硬化膜厚として、10〜70μm程度となる量とするのが好ましい。
また、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装及び回転霧化塗装する場合には、塗料組成物の粘度を、該塗装に適した粘度範囲、通常、フォードカップNo.4粘度計において、20℃で15〜60秒程度の粘度範囲となるように、有機溶剤を用いて、適宜、調整しておくことが好ましい。
ウエット塗膜の硬化は、被塗物に塗料組成物を塗装した後、光照射するか、加熱後光照射するか、又は光照射後加熱することにより行われる。
加熱は、公知の加熱手段により行うことができる。例えば、熱風炉、電気炉、赤外線誘導加熱炉等の乾燥炉を適用できる。
塗膜形成工程
本発明の塗料組成物によれば、塗膜硬化にかかる時間短縮、塗装設備などの縮小化、焼き付け時間短縮に伴うCO削減などの環境対応を備え、仕上がり性、硬化性、塗膜硬度、付着性等の塗膜性能に優れる塗膜を形成できることから、被塗物に複層塗膜を形成する塗膜形成工程において、トップクリヤコートを形成する塗料組成物として使用することが好ましい。
従って、本発明の塗膜形成方法は、被塗物に、1層又はそれ以上の着色ベースコート及び1層又はそれ以上のクリヤコートを順次形成する複層塗膜形成方法であって、その最上層のトップクリヤコートを形成する塗料組成物が前記本発明の塗料組成物であることを特徴とするものである。
上記本発明の塗膜形成方法としては、より具体的には、例えば下記方法a〜cの複層塗膜形成方法において、トップクリヤコートとして本発明のクリヤ塗料組成物を用いる方法を挙げることができる。
方法a:被塗物に、着色ベースコート及びトップクリヤコートを順次形成する2コート方式の複層塗膜形成方法。
方法b:被塗物に、着色ベースコート、クリヤコート及びトップクリヤコートを順次形成する3コート方式の複層塗膜形成方法。
方法c:被塗物に、第一着色ベースコート、第二着色ベースコート及びトップクリヤコートを順次形成する3コート方式の複層塗膜形成方法。
また、本発明塗料組成物は、単層塗膜を形成する場合にも使用することができる。この場合の塗料組成物は、クリヤ塗料組成物であっても、着色塗料組成物であってもよい。この場合の塗膜形成方法として、下記方法dも、併せて、説明する。
方法d:被塗物に、本発明塗料組成物を1層塗装し、硬化してなる1コート方式の塗膜形成方法。
これらの方法a、b、c、dの各塗膜形成工程について、詳細に説明する。
上記方法aにおいて、着色ベースコートを形成する塗料組成物としては、着色塗料組成物及び光輝性塗料組成物が包含される。
上記、着色ベース塗料組成物は、基体樹脂、その架橋剤及び着色のための顔料を含有する有機溶剤型又は水性の塗料組成物である。
基体樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などの少なくとも1種を用いることができる。架橋性官能基としては、例えば、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、アルコキシシリル基などを挙げることができる。基体樹脂及び架橋剤は、両成分の合計量を基準にして、基体樹脂50〜100重量%、架橋剤0〜50重量%の割合で使用することが好ましい。
また、着色ベース塗料組成物には、前記本発明塗料組成物に使用できる顔料として挙げた、着色顔料及び/又は光輝性顔料などが添加される。
方法aにおいては、前記被塗物に、上記着色ベース塗料組成物を、エアレススプレー、エアスプレー、回転霧化塗装などの塗装方法によって膜厚が硬化膜厚で10〜50μmとなるように塗装する。これらの塗装方法は、必要に応じて、静電印加していてもよい。塗装されたベース塗料組成物は、80〜160℃、好ましくは120〜140℃で10〜40分間加熱して硬化させてから、又は塗装後硬化することなく室温で数分間放置もしくは40〜100℃で、1〜20分間プレヒートする。
次いで、トップクリヤコートを形成する塗料として、本発明のクリヤ塗料組成物を同様の塗装方法によって、膜厚が硬化膜厚で10〜70μmになるように塗装し、光照射するか、加熱後光照射するか、又は光照射後加熱することによって、硬化された複層塗膜を形成することができる。加熱は、60〜180℃、好ましくは80〜160℃で、1〜25分間加熱して架橋硬化させるのが好ましい。
また、光照射は、通常、波長200〜450nmの紫外線の範囲が適当であり、光重合開始剤の種類に応じて、感度の高い波長を有する照射源を適宜選択して使用することができる。紫外線の照射源としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハライドランプ、太陽光などを挙げることができる。塗膜への紫外線照射条件は、通常、線量が100〜10,000mJ/cm、好ましくは300〜5,000mJ/cmとなる範囲が適している。照射時間としては3〜60秒間で塗膜を硬化することができる。
以下、ベース塗料組成物を加熱硬化することなく、クリヤ塗料組成物を塗装し、両塗膜を同時に硬化する場合を2コート1ベーク方式(2C1B)と言うことがある。また、ベース塗料組成物を加熱硬化後、クリヤ塗料組成物を塗装し、クリア塗膜を硬化する場合を、2コート2ベーク方式(2C2B)と言うことがある。
方法bにおける着色ベース塗料組成物としては、方法aの項で説明した着色ベース塗料組成物と同様のものを使用することができる。また、クリヤコートを形成する第1クリヤ塗料組成物としては、透明塗膜形成用塗料であればよく、例えば、上記着色ベース塗料組成物から顔料の殆ど又はすべてを除去してなる塗料組成物を使用することができる。そして、トップクリヤコートを形成するクリヤ塗料組成物として、本発明の塗料組成物を使用する。また、第1クリヤ塗料組成物として、本発明のクリヤ塗料組成物を用いて、本発明クリヤ塗料組成物から形成されたクリヤコート及びトップクリヤコートが形成されていてもよい。
方法bにおいては、方法aと同様にして、着色ベース塗料組成物を塗装し加熱硬化させてから、又は硬化させずに室温で数分間放置もしくはプレヒートしてから、着色ベース塗膜上に、第1クリヤ塗料組成物を同様の塗装方法により、膜厚が硬化膜厚で10〜50μmになるように塗装し、80〜160℃、好ましくは120〜140℃で、10〜40分間加熱して硬化させてから、又は硬化させずに室温で数分間放置もしくはプレヒートを行う。
次に、第2クリヤ塗料組成物として、本発明塗料組成物を同様の塗装方法によって、膜厚が硬化膜厚で10〜50μmになるように塗装し、光照射するか、加熱後光照射するか、又は光照射後加熱することによって、硬化された複層塗膜を形成することができる。加熱条件及び光照射条件は、方法aの場合と同様である。
以下、ベース塗料組成物を加熱硬化することなく、第1クリヤ塗料組成物を塗装し、これを硬化することなく、第2クリヤ塗料組成物を塗装し、これらの三層塗膜を同時に硬化する場合を3コート1ベーク方式(3C1B)と言うことがある。また、ベース塗料組成物を加熱硬化することなく、第1クリヤ塗料組成物を塗装し、これらの塗膜を同時に加熱硬化し、第2クリヤ塗料組成物を塗装し、これを硬化する場合を3コート2ベーク方式(3C2B)と言うことがある。また、ベース塗料組成物を加熱硬化し、第1クリヤ塗料組成物を塗装し、これを硬化し、第2クリヤ塗料組成物を塗装し、これを硬化する場合を3コート3ベーク方式(3C3B)と言うことがある。
方法cにおいて、第1着色べース塗料組成物としては、方法aの項で説明した着色ベース塗料組成物と同様のものを使用することができる。第2着色ベース塗料組成物としては、第1着色ベース塗料の塗面に塗装するものであることから、通常、該第2着色ベース塗料塗膜を通して第1着色塗料塗面の色調が視認できる程度の小さい隠蔽性を有している着色透明塗料が使用される。
したがって、第2着色ベース塗料組成物は、その塗膜隠蔽性が、第1着色ベース塗料組成物の塗膜隠蔽性より小さくなるように、第1着色塗料組成物において、顔料の種類及び使用量を調整してなる塗料組成物を使用することが好ましい。そして、トップクリヤコートを形成するクリヤ塗料組成物として、本発明の塗料組成物を使用する。
方法cにおいては、方法aと同様にして、第1着色ベース塗料組成物を塗装し加熱硬化させてから、又は硬化させずに室温で数分間放置もしくはプレヒートしてから、第1着色ベース塗膜上に、第2着色ベース塗料組成物を同様の塗装方法により、膜厚が硬化膜厚で10〜50μmになるように塗装し、80〜160℃、好ましくは120〜140℃で、10〜40分間加熱して硬化させてから、又は硬化させずに室温で数分間放置もしくはプレヒートを行う。
次に、トップクリヤコートを形成する塗料組成物として、本発明塗料組成物を同様の塗装方法によって、膜厚が硬化膜厚で10〜50μmになるように塗装し、光照射するか、加熱後光照射するか、又は光照射後加熱することによって、硬化された複層塗膜を形成することができる。加熱条件及び光照射条件は、方法aの場合と同様である。
以下、第1ベース塗料組成物を加熱硬化することなく、第2ベース塗料組成物を塗装し、これを硬化することなく、クリヤ塗料組成物を塗装し、これらの三層塗膜を同時に硬化する場合を3コート1ベーク方式(3C1B)と言うことがある。また、第1ベース塗料組成物を加熱硬化し、第2ベース塗料組成物を塗装し、これを硬化することなく、クリヤ塗料組成物を塗装し、これらの塗膜を同時に硬化する場合を3コート2ベーク方式(3C2B)と言うことがある。また、第1ベース塗料組成物を加熱硬化し、第2ベース塗料組成物を塗装し、これを硬化し、クリヤ塗料組成物を塗装し、これを硬化する場合を3コート3ベーク方式(3C3B)と言うことがある。
方法dは、本塗料組成物を方法aと同様の塗装方法によって、膜厚が硬化膜厚で10〜50μmになるように塗装し、光照射するか、加熱後光照射するか、又は光照射後加熱することによって、硬化単層塗膜を形成できる。加熱条件及び光照射条件は、方法aの場合と同様である。以下、これを1コート1ベーク方式(1C1B)と言うことがある。
本発明の塗料組成物を用いた塗膜形成は、自動車、二輪車、コンテナなどの被塗物に、塗装方法として、例えば、スプレー塗装方法、カーテンコート塗装方法などで塗膜を形成することができるが、この中でもスプレー塗装方法が好ましい。硬化方法は、被塗物に塗料組成物を塗装した後、光照射、加熱/光照射、又は光照射/加熱することにより塗膜を形成することができる。
加熱手段は、特に限定されるものではなく、例えば、熱風炉、電気炉、赤外線誘導加熱などの乾燥設備を適用できる。加熱温度は、通常、60〜180℃、好ましくは80〜160℃の範囲にあることが適している。加熱時間は、特に制限されるものではないが、通常、1〜25分間の範囲が好適である。
光照射は、通常、波長200〜450nmの紫外線の範囲が適当であり、光重合開始剤の種類に応じて、感度の高い波長を有する照射源を適宜選択して使用することができる。紫外線の照射源としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、カーボンアーク、メタルハライドランプ、太陽光などを挙げることができる。塗膜への紫外線照射条件は、通常、線量が100〜10,000mJ/cm、好ましくは300〜5,000mJ/cmとなる範囲が適している。照射時間としては3〜60秒間で塗膜を硬化させることができる。
以下、樹脂製造例、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重量基準によるものとする。
1.アクリル樹脂(A)の製造
樹脂製造例1
(m−TMI共重合アクリル樹脂に2−ヒドロキシエチルアクリレートを付加することにより不飽和基を含有させたアクリル樹脂の製造)
撹拌機、還流冷却器及び温度計を備えた反応器に、エチル−3−エトキシプロピオネート40部を入れ、130℃に加熱保持して、m−イソプロペニル−α,α’−ジメチルベンジルイソシアネート(m−TMI)40部、スチレン10部、n−ブチルアクリレート40部、2−エチルヘキシルアクリレート10部及びtert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート5部の混合物を3時間かけて滴下した。次いで、エチル−3−エトキシプロピオネート10部及びtert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート1部の混合溶液を1時間かけて滴下し、さらに5時間熟成した。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート23部及びジブチルヒドロキシトルエン0.3部を加えて、空気を吹き込みながら100℃で4時間反応させた後に、不揮発分が65%となるようにエチル−3−エトキシプロピオネートを加えて、不飽和基含有アクリル樹脂A−1(水酸基価0、重量平均分子量約12,000、Tg:−4.7℃、ヨウ素価42)溶液を得た。
樹脂製造例2
(IEM共重合アクリル樹脂に2−ヒドロキシエチルアクリレートを付加することにより不飽和基を含有させたアクリル樹脂の製造)
撹拌機、還流冷却器及び温度計を備えた反応器に、エチル−3−エトキシプロピオネート40部を入れ、120℃に加熱保持して、2−イソシアネートエチルメタクリレート(IEM)30部、スチレン20部、n−ブチルメタクリレート25部、n−ブチルアクリレート25部及びアゾビスイソブチロニトリル5部の混合物を3時間かけて滴下した。次いで、エチル−3−エトキシプロピオネート10部及びアゾビスイソブチロニトリル1部の混合溶液を1時間かけて滴下し、さらに5時間熟成した。次に、この溶液に2−ヒドロキシエチルアクリレート26部及びジブチルヒドロキシトルエン0.3部を加えて、空気を吹き込みながら100℃で4時間反応させた後に、不揮発分が65%となるようにエチル−3−エトキシプロピオネートを加えて、不飽和基含有アクリル樹脂A−2(水酸基価0、重量平均分子量約16,000、Tg:−20℃、ヨウ素価45)溶液を得た。
樹脂製造例3
(2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合アクリル樹脂にm−TMIを付加することにより不飽和基を含有させたアクリル樹脂の製造)
撹拌機、還流冷却器及び温度計を備えた反応器に、エチル−3−エトキシプロピオネート40部を入れ、130℃に加熱保持して、スチレン20部、n−ブチルアクリレ−ト30部、n−ブチルメタアクリレ−ト30部、2−ヒドロキシエチルアクリレート20部及びアゾビスイソブチロニトリル6部の混合物を3時間かけて滴下した。滴下後、1時間熟成させ、アゾビスジメチルバレロニトリル1部及びエチル−3−エトキシプロピオネート10部の混合液を1時間かけて滴下し、さらに5時間熟成した。次に、この溶液にm−イソプロペニル−α,α’−ジメチルベンジルイソシアネート(m−TMI)35部及びジブチルヒドロキシトルエン0.3部を加えて、空気を吹き込みながら100℃で4時間反応させた後に、不揮発分が65%となるようにエチル−3−エトキシプロピオネートを加えて、不飽和基含有アクリル樹脂A−3(水酸基価0、重量平均分子量約14,000、Tg:14℃、ヨウ素価33)溶液を得た。
樹脂製造例4
樹脂製造例3において、2−ヒドロキシエチルアクリレートを20部から22部に、n−ブチルアクリレートを30部から28部にする以外は全く同様にして、製造し、不揮発分が65%の不飽和基含有アクリル樹脂A−4(水酸基価10mgKOH/g,重量平均分子量約14,000、Tg:12℃、ヨウ素価33)溶液を得た。
樹脂製造例5
撹拌機、還流冷却器及び温度計を備えた反応器に、エチル−3−エトキシプロピオネート40部を入れ、120℃に加熱保持して、2−イソシアネートエチルメタクリレート(IEM)30部、n−ブチルアクリレート70部及びアゾビスイソブチロニトリル5部の混合物を3時間かけて滴下した。次いで、エチル−3−エトキシプロピオネート10部及びアゾビスイソブチロニトリル1部の混合溶液を1時間かけて滴下し、さらに5時間熟成した。次に、この溶液に2−ヒドロキシエチルアクリレート26部及びジブチルヒドロキシトルエン0.3部を加えて、空気を吹き込みながら100℃で4時間反応させた後に、不揮発分が65%となるようにエチル−3−エトキシプロピオネートを加えて、不飽和基含有アクリル樹脂A−5(水酸基価0、重量平均分子量約16000、Tg:−45℃、ヨウ素価45)溶液を得た。
2.ポリイソシアネート化合物(C)の製造
樹脂製造例6
(不飽和基を含有するポリイソシアネート化合物の製造)
NCO基含有重合体撹拌機、還流冷却器及び温度計を備えた反応器に、スミジュールN3300(住化バイエルウレタン社製、商品名、ポリイソシアネート化合物、HDIヌレート、固形分100%)583部、ジブチルヒドロキシトルエンを0.4部入れ、100℃に加熱保持して、空気を吹き込みながら、2−ヒドロキシエチルアクリレート116部を1時間かけて滴下した。滴下後、5時間反応させ不揮発分が80%となるように酢酸イソブチルを加えて不飽和基含有ポリイソシアネート化合物C−1(イソシアネート重量%:12.4%)溶液を得た。
3.塗料組成物の製造
樹脂製造例1で得た不飽和基含有アクリル樹脂A−1溶液77部、スミジュールN−3300を30部及びM309(東亜合成化学社製、トリメチロールプロパントリアクリレート、分子量296)20部を攪拌混合後、イルガキュア184(チバスペシャルティケミカルズ社製、光ラジカル重合開始剤)を3部添加して溶解した後、さらに紫外線吸収剤としてチヌビン400(チバスペシャルティケミカルズ社製)1部及び光安定剤としてサノールLS−292(三共社製)1部を添加して溶解し、エチル−3−エトキシプロピネートで希釈して、スプレー塗装の適性粘度であるフォードカップ#4で25秒(20℃)に調整して塗料組成物No.1を得た。
実施例1において、不飽和基含有アクリル樹脂A−1溶液を樹脂製造例2で得た不飽和基含有アクリル樹脂A−2溶液とする以外は全く同様にして、調整し、塗料組成物No.2を得た。
実施例1において、不飽和基含有アクリル樹脂A−1溶液を樹脂製造例3で得た不飽和基含有アクリル樹脂A−3溶液とする以外は全く同様にして、調整し、塗料組成物No.3を得た。
実施例1において、スミジュールN−3300、30部を樹脂製造例6で得た不飽和基含有ポリイソシアネート化合物C−1溶液37.5部とする以外は全く同様にして、調整し、塗料組成物No.4を得た。
比較例1
実施例1において、不飽和基含有アクリル樹脂A−1溶液を77部から154部とし、スミジュールN−3300及びM309を除く以外は全く同様にして、調整し、塗料組成物No.5を得た。
比較例2
実施例1において、不飽和基含有アクリル樹脂A−1溶液を77部から123部とし、スミジュールN−3300及びM309を除いて、樹脂製造例6で得た不飽和基含有ポリイソシアネート化合物C−1溶液を25部とする以外は全く同様にして、調整し、塗料組成物No.6を得た。
比較例3
実施例1において、不飽和基含有アクリル樹脂A−1溶液を77部から110部とし、スミジュールN−3300を除き、M309を28.5部とする以外は全く同様にして、調整し、塗料組成物No.7を得た。
比較例4
実施例1において、不飽和基含有アクリル樹脂A−1溶液を樹脂製造例4で得た不飽和基含有アクリル樹脂A−4溶液とする以外は全く同様にして、調整し、塗料組成物No.8を得た。
比較例5
実施例1において、不飽和基含有アクリル樹脂A−1溶液を樹脂製造例5で得た不飽和基含有アクリル樹脂A−5溶液とする以外は全く同様にして、調整し、塗料組成物No.9を得た。
4.試験用パネルの作成
ABS基板上にSFX#800(溶剤型水酸基含有ポリエステル樹脂系メタリックベースコート、関西ペイント社製)を硬化膜厚で15μmとなるようにエアスプレー塗装し、室温で3分間放置した後、その上に実施例1で得た塗料組成物No.1を硬化膜厚で30μmとなるようにエアスプレー塗装した。その後、80℃で5分間乾燥して溶剤を蒸発させ、次いで光源として120W/cmのメタルハライドランプを用いて、線量が1000mJ/cmとなるように10秒間照射したのち、室温まで冷却して、試験用パネルを作成した。
実施例5で塗料組成物No.1を実施例2で得た塗料組成物No.2とした以外は実施例5と同様にして、試験用パネルを作成した。
実施例5で塗料組成物No.1を実施例3で得た塗料組成物No.3とした以外は実施例5と同様にして、試験用パネルを作成した。
実施例5で塗料組成物No.1を実施例4で得た塗料組成物No.4とした以外は実施例5と同様にして、試験用パネルを作成した。
リン酸亜鉛化成処理を施した亜鉛メッキ鋼板上にカチオン電着塗料(商品名エレクロンGT−10LF、関西ペイント社製)を硬化膜厚で20μmとなるように電着塗装し、170℃で20分間加熱硬化させ、その上に、自動車中塗り塗料(商品名アミラックTP−65−2、関西ペイント社製)を硬化膜厚で35μmとなるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間加熱硬化させた。その上に水性メタリックベースコート(レタンPG、関西ペイント社製)を硬化膜厚で15μmとなるように塗装し、80℃で10分間プレヒートした後、実施例1で得た塗料組成物No.1を硬化膜厚で30μmとなるようにエアスプレー塗装した。その後、80℃で5分間乾燥して溶剤を蒸発させ、次いで光源として120W/cmのメタルハライドランプを用いて、線量が2000mJ/cmとなるように15秒間照射した後、室温まで冷却して、試験用パネルを作成した。
リン酸亜鉛化成処理を施した亜鉛メッキ鋼板上にカチオン電着塗料(商品名エレクロンGT−10LF、関西ペイント社製)を硬化膜厚で20μmとなるように電着塗装し、170℃で20分間加熱硬化させ、その上に、自動車中塗り塗料(商品名アミラックTP−65−2、関西ペイント社製)を硬化膜厚で35μmとなるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間加熱硬化させた。その上に着色ベース塗料(商品名WBC−710T(シルバー)、関西ペイント社製、アクリル樹脂・メラミン樹脂系塗料)を、硬化膜厚で15μmとなるように塗装し、80℃で10分間乾燥することにより塗膜中の水分を揮散させた。この未硬化塗面に、実施例1で得た塗料組成物No.1をエアスプレーで硬化膜厚40μmとなるように塗装した。その後、140℃で15分間加熱硬化した後、光源として120W/cmのメタルハライドランプを用いて、線量が2000mJ/cmとなるように15秒間照射した。その後、室温まで冷却して試験用パネルを作成した。
リン酸亜鉛化成処理を施した亜鉛メッキ鋼板上にカチオン電着塗料(商品名エレクロンGT−10LF、関西ペイント社製)を硬化膜厚で20μmとなるように電着塗装し、170℃で20分間加熱硬化させ、その上に、自動車中塗り塗料(商品名アミラックTP−65−2、関西ペイント社製)を硬化膜厚で35μmとなるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間加熱硬化させた。その上に着色ベース塗料(商品名WBC−710T(シルバー)、関西ペイント社製、アクリル樹脂・メラミン樹脂系熱硬化性塗料)を、硬化膜厚で15μmとなるように塗装し、80℃で10分間乾燥することにより塗膜中の水分を揮散させた。この未硬化塗面に、実施例1で得た塗料組成物No.1をエアスプレーで硬化膜厚40μmとなるように塗装した。その後、80℃で3分間乾燥して溶剤を蒸発させ、次いで光源として120W/cmのメタルハライドランプを用いて、線量が2000mJ/cmとなるように15秒間照射した後、140℃で15分間加熱した。その後、室温まで冷却して試験用パネルを作成した。
リン酸亜鉛化成処理を施した亜鉛メッキ鋼板上にカチオン電着塗料(商品名エレクロンGT−10LF、関西ペイント社製)を乾燥膜厚で20μmとなるように電着塗装し、170℃で20分間加熱硬化させ、その上に、自動車中塗り塗料(商品名アミラックTP−65−2、関西ペイント社製)を硬化膜厚で35μmとなるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間加熱硬化させた。その上に水性着色ベース塗料(商品名WBC−710T(シルバー)、関西ペイント社製、アクリル樹脂・メラミン樹脂系熱硬化性塗料)を、硬化膜厚で15μmとなるように塗装し、80℃で10分間乾燥することにより塗膜中の水分を揮散させた。この未硬化塗面に、クリヤ塗料(商品名マジクロンTC−69、関西ペイント社製、アクリル樹脂・メラミン樹脂系熱硬化性塗料)を硬化膜厚35μmとなるように塗装し、140℃で30分間加熱して、ベース塗膜及びクリヤ塗膜を同時に硬化させた。
さらに、この硬化塗膜上に、実施例1で得た塗料組成物No.1をエアスプレーで硬化膜厚40μmとなるように塗装した。その後、80℃で3分間乾燥して溶剤を蒸発させ、次いで光源として120W/cmのメタルハライドランプを用いて、線量が2000mJ/cmとなるように15秒間照射した後、室温まで冷却して、試験用パネルを作成した。
リン酸亜鉛化成処理を施した亜鉛メッキ鋼板上にカチオン電着塗料(商品名エレクロンGT−10LF、関西ペイント社製)を硬化膜厚で20μmとなるように電着塗装し、170℃で20分間加熱硬化させ、その上に、自動車中塗り塗料(商品名アミラックTP−65−2、関西ペイント社製)を硬化膜厚で35μmとなるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間加熱硬化させた。その上に着色ベース塗料(商品名レタンPG2K(シルバー),関西ペイント社製、アクリル樹脂・ポリイソシアネート樹脂系塗料)を、硬化膜厚で15μmとなるように塗装し、室温で2分間放置した。この未硬化塗面に、クリヤ塗料(商品名SFX#900、関西ペイント社製、アクリル樹脂・ポリイソシアネート樹脂系塗料)を硬化膜厚35μmとなるように塗装した。
さらに、この未硬化のクリヤ塗膜上に、実施例1で得た塗料組成物No.1をエアスプレーで硬化膜厚40μmとなるように塗装した。その後、80℃で3分間乾燥して溶剤を蒸発させ、次いで光源として120W/cmのメタルハライドランプを用いて、線量が2000mJ/cmとなるように15秒間照射した後、室温まで冷却して、試験用パネルを作成した。
比較例6
実施例5において、塗料組成物No.1のかわりに比較例1で得た塗料組成物No.5を使用する以外は実施例5と同様にして、試験用パネルを作成した。
比較例7
実施例5において、塗料組成物No.1のかわりに比較例2で得た塗料組成物No.6を使用する以外は実施例5と同様にして、試験用パネルを作成した。
比較例8
実施例5において、塗料組成物No.1のかわりに比較例3で得た塗料組成物No.7を使用する以外は実施例5と同様にして、試験用パネルを作成した。
比較例9
実施例5において、塗料組成物No.1のかわりに比較例4で得た塗料組成物No.8を使用する以外は実施例5と同様にして、試験用パネルを作成した。
比較例10
実施例5において、塗料組成物No.1のかわりに比較例5で得た塗料組成物No.9を使用する以外は実施例5と同様にして、試験用パネルを作成した。
比較例11
リン酸亜鉛化成処理を施した亜鉛メッキ鋼板上にカチオン電着塗料(商品名エレクロンGT−10LF、関西ペイント社製)を硬化膜厚で20μmとなるように電着塗装し、170℃で20分間加熱硬化させ、その上に、自動車中塗り塗料(商品名アミラックTP−65−2、関西ペイント社製)を硬化膜厚で35μmとなるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間加熱硬化させた。その上に着色ベース塗料(商品名WBC−710T(シルバー)、関西ペイント社製、アクリル樹脂・メラミン樹脂系塗料)を、硬化膜厚で15μmとなるように塗装し、80℃で10分間加熱した。この未硬化塗面に、クリヤ塗料(商品名TC−71、関西ペイント社製、アクリルメラミン系塗料)をエアスプレーで硬化膜厚40μmとなるように塗装し、140℃で30分間加熱した。その後、室温まで冷却して試験用パネルを作成した。
比較例12
リン酸亜鉛化成処理を施した亜鉛メッキ鋼板上にカチオン電着塗料(商品名エレクロンGT−10LF、関西ペイント社製)を硬化膜厚で20μmとなるように電着塗装し、170℃で20分間加熱硬化させ、その上に、自動車中塗り塗料(商品名アミラックTP−65−2、関西ペイント社製)を硬化膜厚で35μmとなるようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間加熱硬化させた。その上に着色ベース塗料(商品名WBC−710T(シルバー)、関西ペイント社製、アクリル樹脂・メラミン樹脂系塗料)を、硬化膜厚で15μmとなるように塗装し、室温で2分間放置した。この未硬化塗面に、TC−69クリヤをエアスプレーで硬化膜厚35μmとなるように塗装し、140℃で30分間加熱し、更にTC−71クリヤをエアスプレーで硬化膜厚40μmとなるように塗装し、140℃で30分間加熱した。その後、室温まで冷却して試験用パネルを作成した。
5.性能試験及び評価
実施例5〜13及び比較例6〜12で得られた各試験用パネルを20℃で3日間放置した後、以下に示す硬度、仕上がり性、付着性及び貯蔵性について試験及び評価を行った。
(硬度)
試験用パネルを20℃の恒温室に4時間放置後、同温度にて、ツーコン硬度計(マイクロハードネステスターFM(FUTURE−TECH社製))を用いて測定した。
(仕上がり性)
IV値:レーザーマルチプルリフレクトメーターALCOPE LMR−200(関西ペイント社製)を用いて測定した。この値はメタリック塗膜の輝度感を表わしており、この値が大きいほど輝度感が良好である。
肌:塗面のラウンドの具合を目視により評価し、ほとんどラウンドがなく良好であるものを○、わずかにラウンドが認められるものを○△、大きいラウンドが目立ち、良好でないものを×とした。
(付着性)
試験用パネルを40℃の温水に240時間浸漬後、塗装面をカッターナイフで素地に達するようにクロスカットして、大きさ2mm×2mmの碁盤目を100個つくり、その表面に粘着セロハンテープを貼付け、そのテープを上方に急激に引き上げ、塗膜の剥離の具合を観察した。剥離が全く認められないものを○、10個以上の碁盤目塗膜の剥離が認められるものを×とした。
(貯蔵性)
各塗料組成物をそれぞれ、エチル−3−エトキシプロピネートで希釈して、フォードカップ#4で30秒(20℃)の粘度に調整し、40℃で3日間経過後の粘度を再度、フォードカップ#4を用いて、20℃にて測定した。この時の粘度が40秒以下であるものを○、40秒を超えるものを×とした。
試験結果及びトップクリヤコートの硬化条件は下記表1及び表2の通りである。
Figure 2005068384
Figure 2005068384

Claims (18)

  1. ラジカル重合性不飽和基を含有し、重量平均分子量が3,000〜100,000、水酸基価が5mgKOH/g以下で、ガラス転移温度が−40℃〜100℃であるアクリル樹脂(A)、分子量が100〜3,000のラジカル重合性不飽和モノマー(B)、ポリイソシアネート化合物(C)及び光重合開始剤(D)を構成成分とすることを特徴とする塗料組成物。
  2. 被塗物に、1層またはそれ以上の着色ベースコート及び1層またはそれ以上のクリヤコートを順次形成する複層塗膜形成工程において、その最上層のトップクリヤコートとして使用する請求項1に記載の塗料組成物。
  3. アクリル樹脂(A)、ラジカル重合性不飽和モノマー(B)及びポリイソシアネート化合物(C)の3成分の合計量中、(A)成分が20〜90重量%、(B)成分が5〜50重量%及び(C)成分が5〜30重量%である請求項1又は2に記載の塗料組成物。
  4. アクリル樹脂(A)が、ヨウ素価5〜200である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の塗料組成物。
  5. ラジカル重合性不飽和モノマー(B)が、不飽和基を1分子あたり平均2個以上含有するものである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の塗料組成物。
  6. ポリイソシアネート化合物(C)が、1分子中にイソシアネート基を平均2個以上含有するものである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の塗料組成物。
  7. さらに紫外線吸収剤及び/又は光安定剤を含有するものである請求項1乃至6のいずれか1項に記載の塗料組成物。
  8. 被塗物に、1層またはそれ以上の着色ベースコート及び1層またはそれ以上のクリヤコートを順次形成する複層塗膜形成方法であって、その最上層のトップクリヤコートを形成する塗料組成物が請求項1に記載の塗料組成物であることを特徴とする塗膜形成方法。
  9. 被塗物に、着色ベースコート及びトップクリヤコートを順次形成する2コート方式の複層塗膜形成方法である請求項8に記載の塗膜形成方法。
  10. 被塗物に、着色ベースコート、クリヤコート及びトップクリヤコートを順次形成する3コート方式の複層塗膜形成方法である請求項8に記載の塗膜形成方法。
  11. 被塗物に、第一着色ベースコート、第二着色ベースコート及びトップクリヤコートを順次形成する3コート方式の複層塗膜形成方法である請求項8に記載の塗膜形成方法。
  12. トップクリヤコートの硬化が、光照射、加熱後光照射、又は光照射後加熱することにより行われる請求項8に記載の塗膜形成方法。
  13. 上記加熱条件が、60〜180℃で、1〜25分間である請求項12に記載の塗膜形成方法。
  14. 上記光照射条件が、波長200〜450nmの紫外線で、線量100〜10,000mJ/cmである請求項12に記載の塗膜形成方法。
  15. 被塗物が、車両車体である請求項8に記載の塗膜形成方法。
  16. 被塗物が、自動車車体である請求項15に記載の塗膜形成方法。
  17. 請求項8の塗膜形成方法により、塗膜が形成された車両車体。
  18. 請求項8の塗膜形成方法により、塗膜が形成された自動車車体。
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