JP2005068099A - 新規脂環式ジカルボアミド化合物およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 透明性等の光学特性および耐熱性等の特性が優れた種々の樹脂を得るための原料モノマーを製造するために有用な新規な脂環族化合物を提供すること。
【解決手段】
一般式(1)

Figure 2005068099

(式中、kは0〜2の整数、nは0〜1の整数を表わす。但し、kとnは同時に0であることはない。なお、k=0である場合は、−(CH2k−が存在しないことを意味する。)で表される化合物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリイミド樹脂、ポリカルボアミド樹脂の原料、およびエポキシ樹脂の硬化剤として有用な脂環式ジアミン化合物の前駆体、あるいはポリカルボアミド樹脂およびポリエステル樹脂の原料として有用な脂環式ジカルボン酸化合物の前駆体となる新規な脂環式ジカルボアミド化合物およびそれらの製造法に関するものである。
近年、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂およびポリエチレンプロピレン樹脂に脂環式の骨格を有する化合物を導入して、これら樹脂の透明性等の光学特性および耐熱性等を改善する検討が行われている。
例えば、脂環式の骨格としてビシクロ[2.2.1]ヘプタン、あるいはトリシクロ[5.2.1.02.6]デカンが導入されたジイソシアネート類とチオールとの反応により得られるチオウレタンは高屈折率かつ優れた耐候性、耐熱性を示すこと(特許文献1)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンが導入されたポリアミドは優れた耐熱性および成形加工性を有すること(特許文献2)、テトラシクロドデセンの開環メタセシス重合により、高いガラス転移温度と、狭い分子量分布を有する重合体が得られること(特許文献3)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、あるいはテトラシクロドデセンを芳香族ビニル・共役ジエンエラストマーに組み合わせることによって、透明性を損なうことなく、耐衝撃強度に優れた樹脂組成物が得られること(特許文献4)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンが導入されたポリイミドは溶融流動性、熱酸化安定性、光学特性に優れ、また電気特性が特に向上し、優れていること(特許文献5)が報告されている。
最近、特に光学材料に対しては、高い屈折率はもとより、高いアッベ数及び高い耐熱性が要求される傾向にあり、しかもこれらの特性のバランスが良いことが求められている。
光学材料のなかでも特にプラスチックレンズ用樹脂に対しては、これら特性の一層の向上が求められているのが現状である。
特開平3−124722号公報 特開平5−170898号公報 特開平7−179575号公報 特開平10−95881号公報 特開2000−319390号公報
本発明は、前記従来技術に鑑み、透明性等の光学特性および耐熱性等の特性が優れた種々の樹脂を得るための原料モノマーを製造するために有用な新規な脂環族化合物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するため鋭意検討した結果、特定構造の脂環式骨格にカルボアミド基が直接結合した脂環族ジカルボアミド化合物が透明性等の光学特性および耐熱性に優れた樹脂を得るための原料として有用な化合物の中間体であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 一般式(1)
Figure 2005068099
(式中、kは0〜2の整数、nは0〜1の整数を表わす。但し、kとnは同時に0であることはない。なお、k=0である場合は、−(CH2k−が存在しないことを意味する。)で表される化合物であり、
(2) 一般式(1)で表される化合物が、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(6)―ジカルボアミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,6−ジカルボアミド、又はトリシクロ[5.2.1.02.6]デカン−3(4),8(9)−ジカルボアミドである前記(1)記載の化合物であり、
(3) 一般式(2)
Figure 2005068099
(式中、kは0〜2の整数、nは0〜1の整数を表わす。但し、kとnは同時に0であることはない。なお、k=0である場合は、−(CH2k−が存在しないことを意味する。)で表される化合物の加水分解を特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の化合物の製造方法である。
本発明によれば、ポリイミド樹脂、ポリカルボアミド樹脂、ポリエステル樹脂、およびエポキシ樹脂の硬化剤などの製造原料となり得、また、ポリウレタン樹脂の製造原料であるジイソシアナート化合物の原料として有用な新規な一般式(1)で表わされる化合物及びその製造方法を提供することができる。
一般式(1)において、kは0〜2の整数を、nは0〜1の整数を表わす。但し、kとnは同時に0であることはない。なお、k=0である場合は、−(CH2k−が存在しないことを意味する。
一般式(1)で表わされる化合物の具体的化合物を例示するとすれば、例えば、一般式(1)において、k=0およびn=1であるビシクロ[4.3.0]ノナン−3(4),7(8)−ジカルボアミド、k=1およびn=0であるビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(6)―ジカルボアミド、k=2およびn=0であるビシクロ[2.2.2]オクタン−2,5(6)−ジカルボアミド、k=1およびn=1であるトリシクロ[5.2.1.02.6]デカン−3(4),8(9)−ジカルボアミド等が挙げられる。
なお、「ビシクロ[4.3.0]ノナン−3(4),7(8)−ジカルボアミド」は、「ビシクロ[4.3.0]ノナン−3(4),7(8)−ジカルボアミド」がビシクロ[4.3.0]ノナン−3,7−ジカルボアミド、ビシクロ[4.3.0]ノナン−3,8−ジカルボアミド、およびビシクロ[4.3.0]ノナン−4,7−ジカルボアミドとの混合物であることを表わし、「トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン−3(4),8(9)−ジカルボアミド」は、「トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン−3(4),8(9)−ジカルボアミド」がトリシクロ[5.2.1.02.6]デカン−3,8−ジカルボアミド、トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン−3,9−ジカルボアミド、およびトリシクロ[5.2.1.02.6]デカン−4,8−ジカルボアミドとの混合物であることを表わす。この明細書において、化合物名がこれらと同様に表記されている場合、該表記はこれらと同じ意味を表わす。
一般式(2)で表される化合物は、例えば、次に示す一般式(3)、
Figure 2005068099
(式中、kは0〜2の整数、nは0〜1の整数を表わす。但し、kとnは同時に0であることはない。なお、k=0である場合は、−(CH2k−が存在しないことを意味する。)で表される化合物とシアン化水素との反応により得ることができる。
例えば、一般式(2)において、k=1およびn=0であるビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,5(6)−ジカルボニトリルは、特公平7−94422号公報に記載された方法に従い、ニッケル触媒及びトリフェニルホスファイトの存在下で、一般式(3)において、k=1およびn=0であるビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2−カルボニトリルとシアン化水素を反応させて得ることができる。
一般式(2)で表される化合物の加水分解方法としては、一般式(2)で表される化合物中のニトリル基をアミド基に変換することができる方法であれば特に制限はなく、例えば、一般式(2)で表される化合物を酸、塩基または金属触媒等の存在下で加水分解する方法が挙げられる。
酸としては、例えば、塩化水素、臭化水素等のハロゲン化水素、硫酸、りん酸、ポリりん酸等が挙げられる。通常、塩化水素、臭化水素としては、塩酸、臭化水素酸を用いることができる。酸の使用量は、一般にはニトリル基1当量に対して、通常4〜20当量の範囲であることが好ましく、さらには6〜12当量の範囲であることが好ましい。
塩基としては、例えば、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、塩基性イオン交換樹脂、あるいは塩基性過酸化水素が挙げられるが、その使用量は、一般にはニトリル基1当量に対して、通常1〜10当量の範囲であることが好ましく、さらには2〜4当量の範囲であることが好ましい。
金属触媒としては、例えば、活性二酸化マンガン、銅、ニッケル等が挙げられる。これらの金属触媒は市販品を使用することができるが、ジャーナルオブ オーガニックケミストリー(Journal of Organic Chemistry)、第47巻、第4812頁、1982年、およびブレタンオブ ザ ケミカル ソサイエティー オブ ジャパン(Bulletin of the Chemical Society of Japan)、第39巻、第8頁、1966年などに記載されている方法で得られる触媒を使用することもできる。
金属触媒の使用量は、一般式(2)で表わされる化合物の使用量に対して、1.0〜100重量%が好ましく、反応液の良好な流動性を保持し、触媒コストを低減するという点、および十分な反応速度を得るという点を考慮すると5〜50重量%の範囲が好ましい。
一般式(2)で表わされる化合物の加水分解処理は、通常、水中で行うことができるが、水の他に水以外の溶媒の共存下で行うこともできる。水以外の溶媒としては原料および目的化合物に対して不活性な溶媒であれば制限はなく、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、イソオクイタン等の脂肪族炭化水素類;ジメチルスルホキシドなどの含硫黄溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
加水分解反応で用いられる溶媒の量に制限はないが、一般式(1)で表わされる化合物の良好な生産性を保持するという点から、原料の脂環族ジカルボニトリル化合物の10重量倍までの範囲、より好ましくは8重量倍までの範囲、更に好ましくは5重量倍までの範囲の溶媒が用いられる。
一般式(2)で表わされる化合物の加水分解処理を行う際の反応温度および反応圧力は、一般式(1)で表わされる化合物が得られるかぎり特に制限はない。反応温度は、通常、0〜200℃の範囲であり、好ましくは10〜150℃の範囲であり、さらに好ましくは30〜100℃の範囲である。反応圧力は、大気圧以下または以上でも問題ないが、通常、大気圧である。
一般式(2)で表わされる化合物を加水分解処理して得られる一般式(1)で表わされる化合物は、水または前記溶媒に対する溶解度が低いため、水または前記溶剤を用いた場合には反応中に結晶等の固体として反応混合物中に析出してくることが多い。溶媒に不溶な金属触媒等の触媒を用いなければ、この固体を濾過により分離回収した後、水または有機溶剤で洗浄することによって、高純度の一般式(1)で表わされる化合物を得ることができる。
加水分解の際に、溶媒に不溶な金属触媒等の触媒を用い、かつ、反応混合物中の固体に溶媒に不溶な触媒が含まれている場合はこれらを分離する必要がある。この場合には、反応混合物中の固体を濾過により回収し、回収される固体をジメチルスルホキシドまたはN,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で加熱して一般式(1)で表わされる化合物のみを溶解した後、反応に用いた金属触媒を濾過して除去することができる。金属触媒を除いたろ液から有機溶媒を留去することにより、高純度の一般式(1)で表わされる化合物を得ることができる。
上記のようにして得られる一般式(1)で表される化合物としては、例えば、k=0およびn=1である化合物として、ビシクロ[4.3.0]ノナン−3(4),7(8)−ジカルボアミド、k=1およびn=0である化合物として、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(6)―ジカルボアミド、k=2およびn=0である化合物として、ビシクロ〔2,2,2〕オクタン−2,5(6)−ジカルボアミド、k=1およびn=1である化合物として、トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン−3(4),8(9)−ジカルボアミドが挙げられる。
一般式(1)で表わされる化合物は、例えばホフマン反応により対応するジアミン化合物へと誘導することができる。このジアミン化合物は有機ジカルボン酸化合物または有機酸無水物との反応により、それぞれポリアミド樹脂またはポリイミド樹脂を与えるため、これらの樹脂の製造原料に用いることができる。
さらに前記ジアミン化合物は、ポリウレタン樹脂およびポリチオウレタン樹脂の原料として有用なジイソシアネート化合物へ誘導することができる。このジイソシアネート化合物は、例えば、プラスチックレンズ、発泡体、弾性体、塗料、接着剤、フィルム等の広範囲の用途を有するポリウレタン樹脂やポリウレア樹脂などの製造原料に用いることができる。
また、本発明の一般式(1)で表わされる化合物は、加水分解処理により対応するジカルボン酸化合物へと誘導することができる。このジカルボン酸化合物はジアルコール化合物またはジアミン化合物との反応により、それぞれポリエステル樹脂またはポリアミド樹脂を与えるため、これらの樹脂の製造原料に用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるのもではない。なお、ガスクロマトグラフィー分析は、検出器:FID、カラム: Silicone OV-17 10% 3m Uniport-HP 60/80 mesh、キャリアガス:窒素を用いて行った。
攪拌機、温度計等を備えた500mLのガラス製丸底フラスコに、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(6)−ジカルボニトリル(三井化学株式会社製)を73.0g(0.5mol)、90%硫酸を500g仕込み、40℃で2時間攪拌を行った。
反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、2Lの氷水にゆっくりと注いだ。この溶液を十分冷却しながら、30%水酸化ナトリウム水溶液で中和すると白色の固形物が析出した。析出した固形物を、吸引ろ過により分別し、水で洗浄した後、乾燥した(48.3g)。この固形物のマススペクトルによる分析を行った結果、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(6)−ジカルボアミドであった(EI m/z 182(M))。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、純度は99%であった(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(6)−ジカルボニトリルに対する収率53%)。ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(6)−ジカルボアミドのH NMRスペクトルおよび13C NMRスペクトルを図1および図2にそれぞれ示した。
攪拌機、温度計等を備えた1Lのガラス製丸底フラスコに、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(6)−ジカルボニトリル(三井化学株式会社製)を148.0g(0.5mol)、蒸留水を540g、活性二酸化マンガン45.0gを仕込み、還流下で24時間攪拌を行った。なお、反応の進行はガスクロマトグラフィーにより確認した。
ついで、反応液にN,N−ジメチルホルムアミドを1500mL加えて、還流下で1時間攪拌した。反応液が熱いうちに、吸引ろ過により銅触媒を分別した。減圧下での溶媒留去により、ろ液を濃縮した後、0℃に冷却した。析出した固形物を、吸引ろ過により分別し、水で洗浄した後、乾燥した(127.2g)。この固形物のマススペクトルによる分析を行った結果、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(6)−ジカルボアミドであった。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、純度は99%であった(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(6)−ジカルボニトリルに対する収率70%)。
攪拌機、温度計等を備えた1Lのガラス製丸底フラスコに、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(6)−ジカルボニトリル(三井化学株式会社製)を148.0g(0.5mol)、蒸留水を550g、ラネー銅触媒60.0gを仕込み、還流下で14時間攪拌を行った。なお、反応の進行はガスクロマトグラフィーにより確認した。
ついで、反応液にN,N−ジメチルホルムアミドを1500mL加えて、還流下で1時間攪拌した。反応液が熱いうちに、ろ紙を使用した吸引ろ過により銅触媒を分別した。減圧下での溶媒留去により、ろ液を濃縮した後、0℃に冷却した。析出した固形物を、吸引ろ過により分別し、水で洗浄した後、乾燥した(138.2g)。この固形物のマススペクトルによる分析を行った結果、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(6)−ジカルボアミドであった。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、純度は99%であった(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(6)−ジカルボニトリルに対する収率76%)。
[参考例1]
攪拌機、温度計、冷却器等を備えた2Lガラス製丸底セパラブルフラスコに、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(6)−ジカルボアミドを91.1g(0.50mol)、10%水酸化ナトリウム水溶液1000g(2.50mol)を仕込み、10〜15℃に冷却した。次いで、攪拌下に、5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液780g(1.10mol)をこの懸濁液に、温度が15℃を越えないように30分間に亘って滴下した。滴下終了後、3時間に亘って温度を10〜15℃に保った後、室温へと昇温した。10時間攪拌した後、70〜80℃に昇温して、さらに2時間攪拌した。
反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、残留している固形物を、ろ紙を使用した吸引ろ過により分別した。この固形物を十分に乾燥した後(乾燥重量、7.7g)、赤外吸収スペクトルを使用して分析を行った結果、未反応のビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(6)−ジカルボアミドであることが分かった。
一方、上記で得られたろ液1890gからロータリーエバポレーターにより減圧下に水を留去した。濃縮が進むとともに固形物が析出してくるが、これらをろ過により断続的に取り除いた。水を大部分留去した後、減圧蒸留を行い、42.0gの無色透明の液体を得た。この液体をマススペクトルより分析した結果、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(6)−ジアミンであった(EI m/z 126(M))。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、純度は99%であった(仕込みビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(6)−ジカルボアミドに対する収率67%)。
本発明は、ポリイミド樹脂、ポリカルボアミド樹脂、ポリエステル樹脂、およびエポキシ樹脂の硬化剤などの製造原料となり得、また、ポリウレタン樹脂の製造原料であるジイソシアナート化合物の原料として有用な一般式(1)で表わされる化合物及びその製造方法を提供できる。
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(6)−ジカルボアミドのH NMRスペクトルを示す図である。 ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(6)−ジカルボアミドの13C NMRスペクトルを示す図である。

Claims (3)

  1. 一般式(1)
    Figure 2005068099
    (式中、kは0〜2の整数、nは0〜1の整数を表わす。但し、kとnは同時に0であることはない。なお、k=0である場合は、−(CH2k−が存在しないことを意味する。)で表される化合物。
  2. 一般式(1)で表される化合物が、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,5(6)―ジカルボアミド、又はトリシクロ[5.2.1.02.6]デカン−3(4),8(9)−ジカルボアミドである請求項1記載の化合物。
  3. 一般式(2)
    Figure 2005068099
    (式中、kは0〜2の整数、nは0〜1の整数を表わす。但し、kとnは同時に0であることはない。なお、k=0である場合は、−(CH2k−が存在しないことを意味する。)で表される化合物の加水分解を特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の化合物の製造方法。
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JP2014118372A (ja) * 2012-12-14 2014-06-30 Kao Corp ニトリル化合物

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